この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、本開示の実施の形態におけるホイールローダを示す側面図である。図2は、図1中のホイールローダを模式的に示す上面図である。図3は、図2中のIII-III線上の矢視方向に見たホイールローダを示す断面図である。まず、本実施の形態におけるホイールローダ10の全体構造について説明する。
図1から図3に示されるように、ホイールローダ10は、フロントフレーム12と、リアフレーム14と、前輪27と、後輪28と、作業機16と、キャブ(運転室)30と、エンジンフード17と、エアクリーナ61と、作動油タンク66と、吸気管36とを有する。キャブ30は、運転席51を有する。
以下の説明において、前後方向とは、キャブ30内の運転席51に着座したオペレータの前後方向である。運転席51に着座したオペレータの正面方向が、前方であり、運転席51に着座したオペレータの背後方向が、後方である。左右方向とは、運転席51に着座したオペレータの左右方向である。運転席51に着座したオペレータが正面を向いたときの右側が、右方であり、運転席51に着座したオペレータが正面を向いたときの左側が、左方である。上下方向とは、前後方向および左右方向を含む平面に直交する方向である。地面のある側が、下方であり、空のある側が、上方である。
フロントフレーム12およびリアフレーム14により、アーティキュレート構造の車体フレームが構成されている。フロントフレーム12は、リアフレーム14の前方に設けられている。フロントフレーム12は、センターピン(不図示)により、リアフレーム14に回動可能に接続されている。リアフレーム14に対するフロントフレーム12の回動中心は、上下方向に延びる軸である。リアフレーム14に対するフロントフレーム12の回動中心は、上面視において、前後方向に延びるホイールローダ10の中心線101上に位置している。
フロントフレーム12およびリアフレーム14は、ステアリングシリンダ(不図示)により連結されている。ステアリングシリンダは、左右一対に設けられている。ステアリングシリンダが伸縮駆動することによって、フロントフレーム12は、上記のセンターピンを中心に左右に回動する。
前輪27および後輪28は、ホイールローダ10の走行輪である。前輪27は、フロントフレーム12に設けられている。前輪27は、左右一対に設けられている。後輪28は、リアフレーム14に設けられている。後輪28は、左右一対に設けられている。
作業機16は、フロントフレーム12に設けられている。作業機16は、ブーム21と、バケット24と、ブームシリンダ25と、ベルクランク22と、バケットシリンダ26と、リンク23とを有する。
キャブ30およびエンジンフード17は、リアフレーム14に設けられている。キャブ30は、作業機16の後方に設けられている。キャブ30は、搭乗領域52を形成している。搭乗領域52は、キャブ30により区画形成され、オペレータが搭乗する室内空間である。
搭乗領域52は、運転席51を含む。運転席51は、キャブ30が区画形成する室内空間に設けられている。運転席51は、上面視において、前後方向に延びるホイールローダ10の中心線101上に位置している。オペレータは、運転席51に着座して、ホイールローダ10を操作する。
運転席51は、シートクッション56と、シートバック57とを有する。シートクッション56は、乗員が腰をおろすシート部位である。シートバック57は、シートクッション56の後方端から上方に立ち上がるように設けられている。シートバック57は、乗員の背凭れとなるシート部位である。
キャブ30は、上面視において、六角形の形状を有する。キャブ30の形状は、これに限られず、たとえば、上面視において、四角形の形状を有してもよい。キャブ30の側面には、ドア32が設けられている。ドア32は、オペレータがキャブ30に入退室する時に開閉される。キャブ30の後面には、窓33が設けられている。窓33は、少なくとも可視光の一部が透過可能な透明窓である。窓33は、運転席51の後方に設けられている。窓33は、前後方向において、運転席51およびエンジンフード17の間に設けられている。
エンジンフード17は、キャブ30の後方に設けられている。エンジンフード17内には、エンジンを収容する空間が区画形成されている。エンジンフード17内には、エンジンに加えて、エアクリーナ61および作動油タンク66などが収容されている。
作動油タンク66は、上記のブームシリンダ25およびバケットシリンダ26などの各種の油圧機器を作動させるための油(作動油)を貯留している。作動油タンク66は、直方体形状の筐体からなる。作動油タンク66は、上面視において、前後方向が短手方向となり、左右方向が長手方向となる長尺形状を有する。作動油タンク66は、上面視において、前後方向に延びるホイールローダ10の中心線101を跨いで、左右方向に延びるように設けられている。
作動油タンク66は、キャブ30の後方に設けられている。作動油タンク66は、前後方向において、キャブ30と対向するように設けられている。
作動油タンク66は、前面68と、側面67とを有する。前面68は、前方を向いて設けられている。前面68は、前後方向において、キャブ30と対面して設けられている。側面67は、側方を向いて設けられている。側面67は、右側方を向いて設けられている。
エアクリーナ61は、エンジンフード17内に取り込まれる空気から塵および埃などのダストを除去する。エアクリーナ61は、円筒形状を有する。エアクリーナ61は、その円筒形状の中心軸が左右方向に延びるように配置されている。エアクリーナ61は、上面視において、前後方向が短手方向となり、左右方向が長手方向となる長尺形状を有する。エアクリーナ61は、上面視において、前後方向に延びるホイールローダ10の中心線101を跨いで、左右方向に延びるように設けられている。
なお、エアクリーナ61は、上記の円筒形状に限られず、たとえば、四角柱等の多角柱形状を有してもよい。
エアクリーナ61は、作動油タンク66と前後方向に並んで設けられている。エアクリーナ61は、作動油タンク66の後方に設けられている。エアクリーナ61は、作動油タンク66と同じ高さに設けられている。
エアクリーナ61は、蓋62と、フィルタ63と、ケース体64とを有する。ケース体64は、円筒形状を有し、その軸方向における一端には開口部が設けられている。蓋62は、ケース体64の開口部に開閉可能に取り付けられている。ケース体64は、蓋62とともに、エアクリーナ61の外観をなしている。フィルタ63は、ダストを捕集するメッシュ体からなる。フィルタ63は、ケース体64内に収容されている。フィルタ63は、エアクリーナ61(ケース体64)に対して着脱可能に設けられている。
エンジンフード17は、上板18と、側板19と、蓋37とを有する。上板18は、エアクリーナ61および作動油タンク66の上方に設けられている。上板18は、略水平に配置され、前後方向に沿って延在する板材からなる。上板18は、前後方向において、窓33と対向して設けられている。上板18は、窓33と同じ高さに設けられている。図3に示されるように、上板18は、窓33の上端部33pよりも低い位置に設けられている。上板18は、窓33の下端部33qよりも高い位置に設けられている。
側板19は、エアクリーナ61および作動油タンク66の側方に設けられている。側板19は、エアクリーナ61および作動油タンク66の右側方に設けられている。側板19は、略鉛直に配置され、前後方向に沿って延在する板材からなる。側板19には、開口部38が設けられている。開口部38は、左右方向において、エアクリーナ61と対向して設けられている。蓋37は、側板19の開口部38に開閉可能に取り付けられている。
エアクリーナ61のメンテナンス時、オペレータは、蓋37を開き、次に蓋62を開いて、ケース体64からフィルタ63を水平方向に引き出す。これにより、フィルタ63を清掃したり、交換したりすることができる。
吸気管36は、エンジンフード17に設けられている。吸気管36は、上板18から上方に突出するように設けられている。吸気管36は、キャブ30の後方に設けられている。吸気管36は、エアクリーナ61の上方に設けられている。吸気管36は、ダクト(不図示)を介して、エアクリーナ61に接続されている。
エアクリーナ61は、吸気管36からエンジンへの吸気経路上に設けられている。空気は、吸気管36を通じて、エンジンフード17内のエアクリーナ61に導入される。エアクリーナ61によりダストが取り除かれた空気は、過給機(不図示)を介してエンジンに供給される。
図4は、ダストインジケータ(通常時)を示す図である。図5は、ダストインジケータ(メンテナンス報知時)を示す図である。図2から図5に示されるように、ホイールローダ10は、ダストインジケータ71をさらに有する。
ダストインジケータ71は、エアクリーナ61におけるダストの詰まり具合を示す。ダストインジケータ71は、作動子73を有する。作動子73は、空気圧を受けて動作する。ダストインジケータ71は、その作動子73によりエアクリーナ61におけるダストの詰まり具合を示す。ダストインジケータ71は、機械式である。
ダストインジケータ71は、透明ケース72と、リセットスイッチ75とをさらに有する。透明ケース72は、透明部材からなる。透明ケース72は、円筒形状を有する。透明ケース72には、目盛り76と、報知用目印74とが設けられている。目盛り76は、透明ケース72の軸方向(図4および図5における縦方向)に沿って間隔を設けて並んでいる。報知用目印74は、透明ケース72の軸方向における目盛り76の一方端に設けられている。
作動子73は、透明ケース72の内部に収容されている。作動子73は、透明ケース72の軸方向に移動可能なように設けられている。
ダストインジケータ71は、配管78を介して、エアクリーナ61に接続されている。ダストインジケータ71は、配管78を介して、エアクリーナ61のアウトレット側に接続されている。作動子73には、エアクリーナ61におけるフィルタ63の通気抵抗により発生する負圧が作用する。作動子73は、エアクリーナ61から受ける負圧の大きさに応じて、透明ケース72内を移動する。この際、作動子73の位置を指し示す目盛り76によって、エアクリーナ61におけるダストの詰まり具合が示される。さらに、作動子73の位置が報知用目印74に到達することによって、エアクリーナ61のメンテナンスが必要なことが報知される。
リセットスイッチ75は、透明ケース72に設けられている。リセットスイッチ75は、作動子73の位置を戻すためにオペレータにより操作される。リセットスイッチ75は、オペレータにより押下される押しボタンである。リセットスイッチ75は、エアクリーナ61のメンテナンスが完了した後、作動子73を報知用目印74に到達した位置から元の位置に戻すために、オペレータにより押下される。
なお、ダストインジケータ71に設けられるリセットスイッチは、押しボタンに限られず、たとえば、レバー式のスイッチであってもよい。
図3に示されるように、ホイールローダ10は、制御装置81と、センサ82と、表示装置83とをさらに有する。制御装置81、センサ82および表示装置83により、電気式のダストインジケータが構成されている。
センサ82は、エアクリーナ61に設けられている。センサ82は、エアクリーナ61における空気圧を検知する。制御装置81は、センサ82により検知された空気圧に基づいて、エアクリーナ61のメンテナンスの要否を判断する。一例として、センサ82は、ダイヤフラムによりエアクリーナ61における負圧を検知し、検知された負圧の大きさに応じて電気接点をオン、オフさせる。制御装置81は、センサ82における電気接点のオン、オフ動作に対応して、エアクリーナ61のメンテナンスの要否を判断する。
表示装置83は、キャブ30内の搭乗領域52に設けられている。表示装置83は、運転席51から視認可能な位置に設けられている。表示装置83は、制御装置81による表示制御によって各種情報が表示されるモニタである。表示装置83には、その各種情報の1つとして、制御装置81により判断されたエアクリーナ61のメンテナンスの要否が表示される。
なお、ホイールローダ10に搭載される電気式のダストインジケータは、エアクリーナ61のメンテナンスの要否に加えて、エアクリーナ61におけるダストの詰まり具合を表示するものであってもよい。また、本開示における表示装置は、エアクリーナのメンテナンスの要否を表示可能なものであれば特に限定されず、たとえば、エアクリーナのメンテナンスが必要となった場合に点灯するインジケータ等であってもよい。
続いて、ホイールローダ10におけるダストインジケータ71の配置について詳細に説明する。
図2に示されるように、上面視において、キャブ30の搭乗領域52を前後方向に投影した領域150が規定されている。領域150は、第1仮想直線110および第2仮想直線120の間に規定されている。
第1仮想直線110は、左右方向におけるキャブ30の搭乗領域52の一方端を通り、前後方向に延びている。第1仮想直線110は、上面視において、搭乗領域52の右側面を通る直線である。第2仮想直線120は、左右方向におけるキャブ30の搭乗領域52の他方端を通り、前後方向に延びている。第2仮想直線120は、上面視において、搭乗領域52の左側面を通る直線である。第1仮想直線110および第2仮想直線120は、それぞれ、前後方向に延びるホイールローダ10の中心線101の右左両側において前後方向に延びている。左右方向における中心線101および第1仮想直線110の間の距離は、左右方向における中心線101および第2仮想直線120の間の距離と等しい。
ダストインジケータ71は、上面視において、キャブ30の搭乗領域52を前後方向に投影した領域150の内側に配置されている。ダストインジケータ71は、上面視において、第1仮想直線110および第2仮想直線120の間に配置されている。
図6は、図3中のVI-VI線上の矢視方向に見たホイールローダを示す断面図である。図7は、図1中の2点鎖線VIIで囲まれた範囲を拡大して示す斜視図である。図7中では、図1中の側板19から蓋37が取り外されている。
図3、図6および図7に示されるように、ダストインジケータ71は、エアクリーナ61におけるダストの詰まり具合を搭乗領域52に向けて示す。ダストインジケータ71は、運転席51から視認可能な位置に設けられている。ダストインジケータ71は、運転席51に着座するオペレータが視認可能な位置に設けられている。
なお、オペレータは、運転席51のシートクッション56に腰をおろした状態において(自らの腰がシートクッション56から離れない状態において)、ダストインジケータ71を視認できればよい。オペレータは、ダストインジケータ71を視認するために、自らの背中をシートバック57から離して姿勢を変えてもよいし、自らの腰をシートクッション56上でずらして姿勢を変えてもよい。
エンジンフード17には、開口部90が設けられている。開口部90は、エンジンフード17の内部空間と、エンジンフード17の外側の空間とを連通させる開口からなる。開口部90は、前後方向においてキャブ30と対向して開口している。開口部90は、前後方向において窓33と対向して開口している。エンジンフード17は、その前面が開放されたカバー体からなる。
図7に示されるように、前後方向におけるエンジンフード17(上板18,側板19)およびキャブ30の間には、隙間91が設けられている。隙間91は、前後方向において、オペレータの手が進入可能な程度の大きさを有する。隙間91は、前後方向において、200mm以上の大きさを有してもよい。隙間91は、前後方向において、400mm以上の大きさを有してもよい。
ダストインジケータ71は、エンジンフード17に収容されている。ダストインジケータ71は、開口部90を通じて、窓33と対向する位置に設けられている。ダストインジケータ71は、窓33と同じ高さに設けられている。窓33、開口部90の開口面およびダストインジケータ71が、挙げた順に、前方から後方に並んで設けられている。
ダストインジケータ71は、エアクリーナ61から離れた位置に設けられている。ダストインジケータ71は、エアクリーナ61の前方に設けられている。ダストインジケータ71は、前後方向において、エアクリーナ61およびキャブ30の間に設けられている。前後方向におけるダストインジケータ71および窓33の間の距離は、前後方向におけるエアクリーナ61およびダストインジケータ71の距離よりも短い。前後方向におけるダストインジケータ71および窓33の間の距離は、前後方向におけるエアクリーナ61およびダストインジケータ71の距離以上であってもよい。
ダストインジケータ71は、上面視において、前後方向に延びるホイールローダ10の中心線101と、第1仮想直線110との間に設けられている。左右方向におけるダストインジケータ71および第1仮想直線110の間の距離は、左右方向におけるダストインジケータ71および中心線101の間の距離よりも短い。左右方向におけるダストインジケータ71および第1仮想直線110の間の距離は、左右方向におけるダストインジケータ71および中心線101の間の距離以上であってもよい。
ダストインジケータ71は、作動油タンク66に取り付けられている。ダストインジケータ71は、作動油タンク66の側面67に取り付けられている。ダストインジケータ71は、左右方向において、エンジンフード17の側板19と対向するように設けられている。
キャブ30内から後方を見た場合に、ダストインジケータ71は、前後方向において運転席51が投影される領域(図6中のハッチング領域130)から外れた位置に設けられている。ダストインジケータ71は、シートクッション56よりも高い位置に設けられている。ダストインジケータ71は、シートバック57と同じ高さに設けられている。
ダストインジケータ71は、キャブ30の外部から視認できない位置に設けられている。ダストインジケータ71は、ホイールローダ10の外観に現れない位置に設けられている。
埃、塵または砂などのダストが多い場所で用いられるホイールローダ10においては、エアクリーナ61により除去するダスト量が多くなる。ホイールローダ10の運転中にエアクリーナ61におけるダストの詰まりが進行して、エアクリーナ61のメンテナンスが必要となる場合があるため、オペレータは、たとえば、ホイールローダ10の始業点検の1つとして、ダストインジケータ71を確認し、エアクリーナ61におけるダストの詰まり具合を把握する。
この際、ホイールローダ10では、ダストインジケータ71が、上面視において、キャブ30の搭乗領域52を前後方向に投影した領域150の内側に配置されているため、ダストインジケータ71を搭乗領域52により近づけて配置することができる。さらに、そのダストインジケータ71は、エアクリーナ61におけるダストの詰まり具合を搭乗領域52に向けて示している。これにより、オペレータは、搭乗領域52からダストインジケータ71を確認し易くなるため、ホイールローダ10の始業点検の効率を向上させることができる。また、ダストインジケータ71が、運転席51から視認可能な位置に設けられているため、オペレータは、運転席51に着座したままダストインジケータ71を見ることができる。
特に本実施の形態では、ダストインジケータ71が、開口部90を通じて窓33と対向する位置に設けられているため、運転席51に着座したオペレータは、後方を振り返って、窓33越しにダストインジケータ71を見ることができる。この際、ダストインジケータ71は、前後方向において運転席51が投影される領域(図6中のハッチング領域130)から外れた位置に設けられているため、オペレータは、運転席51の後方を覗き込むことなく、無理のない姿勢でダストインジケータ71を見ることができる。
また、ダストインジケータ71は、エンジンフード17内に収容されている。このような構成により、ダストインジケータ71がホイールローダ10の外観となって現れることがないため、ホイールローダ10の意匠性を高めることができる。
また、ホイールローダ10には、制御装置81、センサ82および表示装置83により構成された電気式のダストインジケータが設けられている。このような構成により、オペレータは、機械式のダストインジケータ71に加えて、表示装置83を通じてエアクリーナ61のメンテナンスの必要性を把握することもできる。
図3および図7に示されるように、オペレータは、エアクリーナ61のメンテナンス時、側板19に設けられた開口部38を通じて、フィルタ63の清掃または交換を実行する。オペレータは、フィルタ63の清掃または交換を実行した後、隙間91から手を進入させて、ダストインジケータ71のリセットスイッチ75を押下する。この際、エアクリーナ61およびダストインジケータ71はともに、エンジンフード17内に収容されているため、フィルタ63の清掃または交換と、リセットスイッチ75の押下との一連の作業を、効率的に行なうことができる。
なお、ダストインジケータ71が設けられるエンジンフード17内の位置は、運転席51から窓33越しに視認可能な位置であれば、特に限定されない。たとえば、ダストインジケータ71は、作動油タンク66の前面68に取り付けられてもよい。エアクリーナ61がキャブ30の直ぐ後方に設けられる構成においては、ダストインジケータ71が、エアクリーナ61に取り付けられてもよい。
ダストインジケータ71は、上面視において、前後方向に延びるホイールローダ10の中心線101と、第2仮想直線120との間に設けられてもよい。
ダストインジケータ71は、エンジンフード17内に限られず、たとえば、キャブ30内に設けられてもよい。この場合に、エアクリーナ61およびダストインジケータ71間を繋ぐ配管78をキャブ30内で配索する長さを短く抑えるという観点から、ダストインジケータ71は、運転席51よりも後方に設けられることが好ましい。
以下、本実施の形態におけるホイールローダ10の構成および効果についてまとめて説明する。
作業車両としてのホイールローダ10は、搭乗部としてのキャブ30と、エアクリーナ61と、ダストインジケータ71とを備える。キャブ30は、運転席51を有する。キャブ30は、運転席51を含む搭乗領域52を形成する。エアクリーナ61は、搭乗領域52の外側に設けられる。ダストインジケータ71は、空気圧を受けて動作する作動子73を有する。ダストインジケータ71は、作動子73によりエアクリーナ61におけるダストの詰まり具合を搭乗領域52に向けて示す。ダストインジケータ71は、上面視において、搭乗領域52を前後方向に投影した領域150の内側に配置される。
このような構成によれば、ダストインジケータ71が、上面視において、搭乗領域52を前後方向に投影した領域150の内側に配置されているため、ダストインジケータ71を搭乗領域52により近づけて配置することができる。さらに、そのダストインジケータ71は、エアクリーナ61におけるダストの詰まり具合を搭乗領域52に向けて示しているため、オペレータは、搭乗領域52からダストインジケータ71を確認し易くなる。
また、ダストインジケータ71は、運転席51から視認可能な位置に設けられる。このような構成によれば、オペレータは、運転席51に着座したままダストインジケータ71を視認することができるため、ダストインジケータ71をさらに確認し易くなる。
また、キャブ30は、窓33をさらに有する。窓33は、運転席51の後方に設けられている。ホイールローダ10は、エンジンフード17をさらに備える。エンジンフード17は、キャブ30の後方に設けられている。エンジンフード17は、ダストインジケータ71を収容する。エンジンフード17には、開口部90が設けられている。ダストインジケータ71は、開口部90を通じて窓33と対向する位置に設けられる。
このような構成によれば、運転席51に着座したオペレータは、後方を振り返って、窓33越しにダストインジケータ71を見ることができる。これにより、オペレータは、ダストインジケータ71をさらに確認し易くなる。
また、キャブ30内から後方を見た場合に、ダストインジケータ71は、前後方向において運転席51が投影される領域から外れた位置に設けられる。
このような構成によれば、オペレータは、運転席51の後方を覗き込むことなく、無理のない姿勢でダストインジケータ71を見ることができる。これにより、オペレータは、ダストインジケータ71をさらに確認し易くなる。
また、ダストインジケータ71は、リセットスイッチ75を有する。リセットスイッチ75は、作動子73の位置を戻すために操作される。エアクリーナ61は、ダストを捕集する着脱可能なフィルタ63を有する。ホイールローダ10は、エンジンフード17をさらに備える。エンジンフード17は、キャブ30の後方に設けられている。エンジンフード17は、エンジンとともにダストインジケータ71およびエアクリーナ61を収容する。
このような構成によれば、ダストインジケータ71およびエアクリーナ61がともにエンジンフード17に収容されるため、エアクリーナ61の清掃または交換と、リセットスイッチ75の操作との一連の作業を、効率的に行なうことができる。
また、ホイールローダ10は、センサ82と、制御装置81と、表示装置83とをさらに備える。センサ82は、エアクリーナ61に設けられている。センサ82は、空気圧を検知する。制御装置81は、センサ82により検知された空気圧に基づいて、エアクリーナ61のメンテナンスの要否を判断する。表示装置83は、搭乗領域52に設けられている。表示装置83は、制御装置81により判断されたエアクリーナ61のメンテナンスの要否を表示する。
このような構成によれば、機械式のダストインジケータ71に加えて、表示装置83の表示によっても、エアクリーナ61のメンテナンスの要否を確認することができる。
また、本開示における搭乗部は、キャブ30である。このような構成によれば、オペレータは、キャブ30の搭乗領域52からダストインジケータ71を確認し易くなる。
なお、本開示は、キャブレスタイプの作業車両にも適用可能である。キャブレスタイプの作業車両は、たとえば、床部と、床部から上方に延出する支柱部と、床部の上方に設けられ、支柱部により支持される屋根部とを有する搭乗部を備える。この場合に、搭乗部が形成する搭乗領域は、オペレータが搭乗する床部上の領域である。
本開示は、エアクリーナにおけるダストの詰まり具合を表示する機械式のダストインジケータを備える各種の作業車両に適用される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。