JP7217949B2 - 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 - Google Patents
化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7217949B2 JP7217949B2 JP2019115174A JP2019115174A JP7217949B2 JP 7217949 B2 JP7217949 B2 JP 7217949B2 JP 2019115174 A JP2019115174 A JP 2019115174A JP 2019115174 A JP2019115174 A JP 2019115174A JP 7217949 B2 JP7217949 B2 JP 7217949B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- composition
- compound
- adhesive composition
- partial
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Dental Preparations (AREA)
- Polymerization Catalysts (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
本発明の化学重合開始材は、(A)チオ尿素化合物、(B)パーオキシエステル、(C)二価の銅化合物、(D)ホウ素に配位する全てのアリール基が置換基を有しないアリール基である、無置換アリールボレート化合物及び(E)ホウ素に配位するアリール基の少なくとも1つが電子求引性基を有するアリール基である、電子求引性基置換アリールボレート化合物を含み、且つハイドロパーオキサイドを実質的に含有せず、前記(A)チオ尿素化合物が、下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする。
本発明の化学重合開始剤の他の実施形態は(B)パーオキシエステルが、10時間半減期温度が80℃以上であるパーオキシエステルであることが好ましい。
本発明の化学重合開始剤の他の実施形態は、前記(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物は一般式(3)で示される化合物であることが好ましい。
本発明の接着性組成物は、本発明の化学重合開始剤と、(F)酸性基含有重合性単量体と、を含み、且つハイドロパーオキサイドを実質的に含有しないことを特徴とする。
本実施形態の化学重合開始剤は、(A)チオ尿素化合物、(B)パーオキシエステル、(C)二価の銅化合物、(D)ホウ素に配位する全てのアリール基が置換基を有しないアリール基である、無置換アリールボレート化合物(以下、単に「無置換アリールボレート化合物」ともいう。)及び(E)ホウ素に配位するアリール基の少なくとも1つが電子求引性基を有するアリール基である、電子求引性基置換アリールボレート化合物(以下、単に「電子求引性基置換アリールボレート化合物」ともいう。)を含み、且つハイドロパーオキサイドを実質的に含有しないことを特徴とする。
1.主成分として含まれる成分
(A)チオ尿素化合物
(D)無置換アリールボレート化合物
(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物
2.実質的に含まれない成分
・有機過酸化物
<第二の部分開始剤組成物>
1.主成分として含まれる成分
(B)パーオキシエステル
(C)二価の銅化合物
2.実質的に含まれない成分
・ハイドロパーオキサイド
<酸成分と混合される部分開始剤組成物>
・第二の部分開始剤組成物。
チオ尿素化合物とは、=N-C(=S)-N=の構造を有する化合物を指す。本発明では、(A)チオ尿素化合物として、下記一般式(1)で示されるチオ尿素化合物を使用する。
(B)パーオキシエステルとは、R-C(=O)-O-O-R’(ただし、R、R’は任意の有機基)またはR-O-C(=O)-O-O-R’(ただし、R、R’は任意の有機基)で示される構造を有する化合物である。本実施形態の化学重合開始剤では、このような構造を有するパーオキシエステルが特に制限なく使用できる。好適に使用できるパーオキシエステルを具体的に例示すれば、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,5-ジメチル2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシ-3-メチルベンゾエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等を挙げことができる。これらの中でも、重合活性及び保存安定性の観点から、10時間半減期温度が80℃以上のパーオキシエステルが好適に用いられ、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等が特に好適に用いられる。
本実施形態の化学重合開始剤では、銅化合物として二価の銅化合物を使用する。なお、本実施形態の化学重合開始剤では、二価の銅化合物と共に一価の銅化合物を併用することもできるが、保存安定性の観点からは、本実施形態の化学重合開始剤中に一価の銅化合物は保存安定性に影響が出ない程度に微量含有される程度に留まるか、あるいは、実質的に含有されないことが好ましい。この場合、特に、第二の部分開始剤組成物中に一価の銅化合物が実質的に含有されないことが好ましい。第二の部分開始剤組成物中に一価の銅化合物が含有される場合、一価の銅化合物がパーオキシエステルの還元剤として作用し、保存安定性が劣化する場合がある。
アリールボレート化合物とは、四配位のホウ素を中心に持つアニオンであるボレートとカチオンとの塩であるボレート化合物において、アリール(Aryl)基がホウ素に配位した化合物を意味する。そして、(D)無置換アリールボレート化合物とは、ホウ素に配位する全てのアリール基が置換基を有しないアリール基であるアリールボレート化合物を意味する。本発明では、(D)及び(E)におけるアリールボレート化合物は、4つの配位子がアリール基であるテトラアリールボレート化合物であることが好ましい。
(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物とは、ホウ素に配位するアリール基の少なくとも1つが電子求引性基を有するアリール基であるアリールボレート化合物を意味する。当該(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物としては、下記一般式(3)で示されるアリールボレート化合物を用いることが好適である。
本実施形態の化学重合開始剤では、上述した(A)~(E)に示す6成分以外にも、必要に応じてその他任意の成分を更に組み合わせて用いてもよい。このような任意な成分としては、前記(A)、(D)及び(E)成分以外の他の重合促進剤として、芳香族スルフィン酸化合物、バルビツール酸化合物および無機過酸化物が挙げられる。なお、これらの重合促進剤は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族スルフィン酸化合物として好適に使用できるものを例示すれば、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,6-ジメチルベンゼンスルフィン酸、2,6-ジイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸のナトリウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等を挙げることができる。これら芳香族スルフィン酸塩の中でも、反応性の高さ、重合性単量体への溶解性の高さから、ベンゼンスルフィン酸塩、および、パラトルエンスルフィン酸塩が好ましい。
バルビツール酸化合物として好適に使用できるものを例示すれば、5-ブチルバルビツール酸、1,3,5-トリメチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸、及びこれらバルビツール酸類のナトリウム塩、カルシウム塩を挙げることができる。
無機過酸化物として好適に使用できるものを例示すれば、ペルオキソ二硫酸ナトリウムペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態の化学重合開始剤は、通常、各種の目的で利用される、酸成分を含む反応性組成物に配合して利用される。この場合、反応性組成物中の化学重合開始剤以外の成分(非化学重合開始剤成分)については、反応性組成物の用途に応じて適宜選択される。なお、酸成分は、酸無水物などの形態で存在していてもよい。
1.主成分として含まれる成分
(A)チオ尿素化合物
(D)無置換アリールボレート化合物
(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物
2.実質的に含まれない成分
・有機過酸化物
<第二の部分組成物>
1.主成分として含まれる成分
(B)パーオキシエステル
(C)二価の銅化合物
(F)酸性基含有重合性単量体
2.実質的に含まれない成分
・ハイドロパーオキサイド。
<(F)酸性基含有重合性単量体(酸性モノマー)>
酸性モノマーとしては、少なくとも1つの酸性基と少なくとも1つのラジカル重合性不飽和基とを有する公知の重合性単量体が使用できる。ここで酸性基とは、この基を有するラジカル重合性単量体の水溶液または水懸濁液が酸性を呈するものであり、代表的には、カルボキシル基(-COOH)、スルホ基(-SO3H)、ホスフィニコ基{=P(=O)OH}、ホスホノ基{-P(=O)(OH)2}等のヒドロキシル基を有するものが例示される。また、このようなヒドロキシル基含有酸性基以外にも、2つのヒドロキシル含有酸性基が脱水縮合した構造の酸無水物基、ヒドロキシル基含有酸性基のヒドロキシル基がハロゲンに置換された酸ハロゲン化物基等を挙げることができる。また、ラジカル重合性不飽和基も特に限定されず、公知のものであってよい。たとえば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、(メタ)アクリロイルチオ基等の(メタ)アクリロイル系基、ビニル基、アリル基、スチリル基等が例示される。
非酸性モノマーとしては、分子内に少なくとも1つのラジカル重合性不飽和基を有し、酸性基を有しないものであれば、特に限定されない。重合性の観点及び生体への安全性の観点からは、(メタ)アクリル酸エステル系の酸性基非含有重合性単量体が好適に使用される。非酸性モノマーは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。好適に使用できる非酸性モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス〔4-(3-メタクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2-ビス(メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート等を挙げことができる。
<(H)充填材>
本実施形態の接着性組成物に用いることができる充填材としては、従来の歯科材料等で使用されている無機充填材、有機充填材、有機無機複合充填材などが特に制限なく利用できる。なお、硬化体の機械的強度の観点では、無機充填材や有機無機複合充填材を使用することが好ましい。充填材は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組合せて用いてもよい。
・無機充填材
本実施形態の接着性組成物において、特に好適に使用される無機充填材を例示すれば、各種シリカ;シリカ-チタニア、シリカ-ジルコニア等のケイ素を構成元素として含む複合酸化物;タルク、モンモリロナイト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム等のケイ素を構成元素として含む粘土鉱物或いはケイ酸塩類(以下、これらをシリカ系フィラーと呼ぶ);フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等;を挙げることができる。これら無機充填材は、重合性単量体とのなじみを良くし、得られる硬化体の機械的強度や耐水性を向上させるために、シランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理して使用されることもある。前記シリカ系フィラーは、化学的安定性に優れており、シランカップリング剤等での表面処理が容易である。
好適に使用できる有機充填材としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル-メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体等を挙げることができる。
有機無機複合充填材としては、(F)酸性モノマーまたは(G)非酸性モノマーとして使用し得る重合性単量体と無機充填材とを複合化させた、有機無機複合充填材が好適に使用できる。複合化方法は、特に限定されず、また、中実なものであっても、細孔を有するものであってもよい。硬化体の機械的強度の観点からは、国際公開第2013/039169号パンプレットに記載されているような、無機凝集粒子の表面が有機重合体で被覆され、且つ細孔を有する有機無機複合充填材を使用することが好ましい。
本実施形態の接着性組成物キット(あるいは歯科用材料キット)は、本実施形態の接着性組成物(あるいは歯科用材料)の取扱いをより容易にすべく、本実施形態の接着性組成物(あるいは歯科用材料)を、第一の部分組成物と、第一の部分組成物と物理的に接触不可能な状態の第二の部分組成物との組み合わせに限定した点に主な特徴がある。そして、その他の点については、本実施形態の接着性組成物キット(あるいは歯科用材料キット)は、本実施形態の接着性組成物(あるいは歯科用材料)と同様とすることができる。以下に本実施形態の接着性組成物キットおよび歯科用材料キットと、本実施形態の接着性組成物の保管方法とについてより詳細に説明する。
<第一の部分組成物>
(A)チオ尿素化合物
(D)無置換アリールボレート化合物
(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物
(G)酸性基非含有重合性単量体
(H)充填材
<第二の部分組成物>
(B)パーオキシエステル
(C)二価の銅化合物
(F)酸性基重合性単量体
(G)酸性基非含有重合性単量体
(H)充填材。
<第一の部分組成物>
(A)チオ尿素化合物としてアセチルチオ尿素
(D)無置換アリールボレート化合物としてテトラフェニルホウ素のナトリウム塩
(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物としてテトラ4-フルオロフェニルホウ素のナトリウム塩の一水和物
(G)酸性基非含有重合性単量体
(H)充填材
<第二の部分組成物>
(B)パーオキシエステルとしてt-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート
(C)二価の銅化合物として酢酸銅(II)一水和物
(F)酸性基重合性単量体
(G)酸性基非含有重合性単量体
(H)充填材。
<第一の部分組成物>
(A)チオ尿素化合物としてベンゾイルチオ尿素
(D)無置換アリールボレート化合物としてテトラフェニルホウ素のナトリウム塩
(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物としてテトラ4-フルオロフェニルホウ素のナトリウム塩の一水和物
(G)酸性基非含有重合性単量体
(H)充填材
<第二の部分組成物>
(B)パーオキシエステルとしてt-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート
(C)二価の銅化合物として酢酸銅(II)一水和物
(F)酸性基重合性単量体
(G)酸性基非含有重合性単量体
(H)充填材。
まず、以下に、各実施例および各比較例の化学重合開始剤およびこれを含む組成物において使用した物質の略称について説明する。
AcTU;アセチルチオ尿素
BzTU;ベンゾイルチオ尿素
PTU;ピリジルチオ尿素。
BPT;t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート
BPB;t-ブチルパーオキシベンゾエート
BPE;t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート
BPL;t-ブチルパーオキシラウレート。
CuA;酢酸銅(II)一水和物
CuAA;アセチルアセトン銅(II)
CuCl2;塩化銅(II)。
CuCl;塩化銅(I)
CuSO4;硫酸銅(I)。
PhBNa;テトラフェニルホウ素のナトリウム塩
PhBTEOA;テトラフェニルホウ素のトリエタノールアンモニウム塩。
4-FPhBNa;テトラ4-フルオロフェニルホウ素のナトリウム塩の一水和物
4-ClPhBNa;テトラ4-クロロフェニルホウ素のナトリウム塩の一水和物
3,5-CF3PhBNa;テトラ3,5-ジトリフルオロメチルフェニルホウ素のナトリウム塩の二水和物
4-NO2PhBNa;テトラ4-ニトロフェニルホウ素のナトリウム塩。
MDP;10-メタクリルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート。
BisGMA;2,2-ビス〔4-(3-メタクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン
D-2.6G;2,2-ビス(メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン
3G;トリエチレングリコールジメタクリレート
HEMA;2-ヒドロキシエチルメタクリレート
UDMA;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート。
F1;平均粒径3μmのシリカジルコニア充填材
F2;平均粒径0.2μmのシリカジルコニア充填材。
・ハイドロパーオキサイド
CHP;クメンハイドロパーオキサイド
TMBHP;1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド
・ジアシルパーオキサイド
BPO;過酸化ベンゾイル。
・バナジウム化合物
VOAA;酸化バナジウムアセチルアセトナート(V)
・アミン化合物
DEPT;p-トリルジエタノールアミン。
実施例1~24および比較例1~20の接着性組成物を調製し、評価を行った。なお、これら接着性組成物は充填材を含むものであり、実施例1~24の接着性組成物については歯科用セメントとしても好適に利用できるものである。
<接着性組成物(第一剤および第二剤)の調製>
第一剤および第二剤の組合せからなる接着性組成物を以下の手順にて調製した。すなわち、まず、以下に示す組成の重合性単量体を配合し、第一剤用重合性単量体成分および第二剤用重合性単量体成分を調製した(両重合性単量体成分の合計が100質量部となるように配合している。)。
・(G)BisGMA:30質量部
・(G)3G:20質量部
(2)第二剤用重合性単量体成分
・(G)MDP:12.5質量部
・(G)HEMA:5質量部
・(G)D-2.6E:20質量部
・(G)3G:12.5質量部。
上記の様にして調製した第一剤および第二剤を質量比1:1で混合して得られた混合組成物およびその硬化体の接着強度を評価した。また、第一剤および第二剤の保存安定性を調べる為に、下記(a)および(b)に示す2種類の接着性組成物を用いて(水分を含む)象牙質に対する接着強さを評価した。象牙質に対する接着強さの測定の詳細を以下に示す。
(a)「調製直後」の接着性組成物
調製後3時間以内の第一剤及び第二剤の組合せからなる接着性組成物。
(b)「保管後」の接着性組成物
上記(a)に示す調製直後の接着性組成物を構成する第一剤及び第二剤を夫々別容器に填入した状態にて、50℃で2週間保管した後の接着性組成物。
抜去した牛下顎前歯を注水下、#600の耐水研磨紙で研磨し、唇面と平行になるように象牙質平面を削り出した。この象牙質平面に圧縮空気を吹き付けて乾燥させた後、直径3mmの円孔の開いた両面テープをそれぞれ固定し、接着面積を規定した。続いて直径8mmの円柱状の金属アタッチメントに、前記方法で調製した接着性組成物を塗布し、両面テープの円孔と金属アタッチメントの面が同心円状になるように、接着性組成物の塗布面を象牙質面に圧接した。この試験サンプルを37℃の水中にて24時間浸漬した後、万能試験機(AG-I型、島津製作所社製)を用いて、クロスヘッドスピード1mm/mmの条件で荷重を開始し、測定サンプルが破断するまで試験サンプルに荷重を加え、最大荷重から下記式(2)を用いて接着強さを求めた。
・式(2) 接着強さ(MPa)=最大荷重(N)/被着面積(mm2)。
上記した評価方法に基づいて評価を行った結果を、以下に示す。
・象牙質に対する接着強さ(MPa); 調製直後:5.1、保管後:5.0
上に示されるように、実施例1の接着性組成物は、調製直後及び保管後のいずれにおいても象牙質に対する接着強度に良好結果を示した。この結果から、実施例1の接着性組成物は、優れた硬化性及び保存安定性を有し、水分量の多い象牙質に対して接着強度を示すことが判った。
<接着性組成物の調製及び評価方法>
実施例1において、化学重合開始剤の配合割合を表1に示す割合に変更し、重合性単量体成分として使用する酸性モノマー及び非酸性モノマー並びにこれらの配合量等を表2(実施例2~12)および表3(実施例13~24)に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、調製直後及び保管後の接着性組成物を調製し、象牙質に対する接着強さを測定した。
象牙質に対する接着強さを評価した結果を、実施例1の結果と合わせて表4に示す。実施例2~24の接着性組成物も、実施例1と同様に調製直後及び保管後のいずれにおいても象牙質に対する接着強さに良好結果を示した。この結果から、実施例2~47の接着性組成物も、優れた硬化性、接着強度及び保存安定性を有していることが判った。
これら比較例は、化学重合開始剤として(A)~(E)成分の何れかを欠く例であり、実施例1において、使用する化学重合開始剤の成分及び配合割合を表5に示す割合に変更し、重合性単量体成分として使用する酸性モノマー及び非酸性モノマー並びにこれらの配合量を表6に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、調製直後及び保管後の接着性組成物の調製し、象牙質に対する接着強さを測定した。
なお、比較例4~9は、各々実施例1、1、2、5、7及び8に対する比較例であり、実施例では(D)無置換アリールボレート化合物及び(E)電子求引性基置換アリールボレートであるテトラ4―フルオロフェニルホウ素のナトリウム塩を配合しているのに対し、比較例4~9では(D)無置換アリールボレート化合物または(E)電子求引性基置換アリールボレートの何れか一方を配合していない(その点のみで実施例と異なっている)。評価結果は、表8に示した。表8に示されるように、これら比較例4~9は、(D)無置換アリールボレート化合物または(E)電子求引性基置換アリールボレートを含有しないため、象牙質へ接着強さは大きく低下した。
これら比較例は、二価の銅化合物に代えて一価の銅化合物を使用した例であり、実施例1において、使用する化学重合開始剤の成分及び配合割合を表5に示す割合に変更し、重合性単量体成分として使用する酸性モノマー及び非酸性モノマー並びにこれらの配合量を表6及び表7に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、第一剤及び第二剤の調製並びに接着性組成物の調製を行い、調製直後及び保管後の接着性組成物の調製し、象牙質に対する接着強さを測定した。
これら比較例は、(B)成分に代えてハイドロパーオキサイドを使用した例であり、実施例1において、使用する化学重合開始剤の成分及び配合割合を表5に示す割合に変更し、重合性単量体成分として使用する酸性モノマー及び非酸性モノマー並びにこれらの配合量を表7に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、調製直後及び保管後の接着性組成物の調製し、象牙質に対する接着強さを測定した。
なお、比較例14及び15は、単に(B)パーオキシエステルに代えてハイドロパーオキサイドを使用した例であり、比較例16は、(B)パーオキシエステルの代わりに用いたハイドロパーオキサイドを第二剤ではなく第一剤に配合した例であり、比較例17は、比較例16から(A)チオ尿素化合物を除いた例である。
実施例1において、使用する化学重合開始剤の成分及び配合割合を表5に示す割合に変更し、重合性単量体成分として使用する酸性モノマー及び非酸性モノマー並びにこれらの配合量を表7に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、調製直後及び保管後の接着性組成物の調製し、象牙質に対する接着強さを測定した。
なお、比較例18は、(B)パーオキシエステルの代わりにジアシルパーオキサイドを用いた例であり、比較例19は、(C)二価の銅化合物の代わりにバナジウム化合物を配合した例であり、比較例20は、化学重合開始剤として、過酸化ベンゾイル/アミン化合物からなるものを用いた例である。
象牙質に対する接着強さを評価した結果を表8に示す。表8に示されるように、比較例1~9では、十分に硬化していないか、硬化した場合であってもその接着強さは低く不十分なものであった。比較例10~13では、ゲル化が起こるか、硬化した場合であっても、接着強さは保管後では大きく低下しており、保存安定性が低いものであった。比較例14~16では、保管後の場合において第二剤がゲル化してしまい、保存安定性が低いものであった。
また、比較例17では、ゲル化は生じなかったものの、調製直後において十分な接着強さを示さなかった。比較例18は、保存安定性が不十分であり、比較例19は、調製直後から第二剤がゲル化し、比較例20は、アミン化合物が酸性成分によって中和されたため、調製直後においても十分に硬化しなかった。
Claims (14)
- (A)チオ尿素化合物、(B)パーオキシエステル、(C)二価の銅化合物、(D)ホウ素に配位する全てのアリール基が置換基を有しないアリール基である、無置換アリールボレート化合物及び(E)ホウ素に配位するアリール基の少なくとも1つが電子求引性基を有するアリール基である、電子求引性基置換アリールボレート化合物を含み、且つハイドロパーオキサイドを実質的に含有せず、前記(A)チオ尿素化合物が、下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする化学重合開始剤。
- 前記一般式(1)で示される(A)チオ尿素化合物が、アセチルチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素及びピリジルチオ尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の化学重合開始剤。
- 前記(B)パーオキシエステルが、10時間半減期温度が80℃以上であるパーオキシエステルであることを特徴とする請求項1または2に記載の化学重合開始剤。
- 前記(C)二価の銅化合物が、二価の銅原子と、二価の銅原子に配位する配位子とを含み、
前記配位子が、ハロゲン原子、酸素原子を含む原子団、および、窒素原子を含む原子団からなる群より選択され、
前記配位子が前記酸素原子を含む原子団である場合は、前記酸素原子を含む原子団が、前記酸素原子を介して前記二価の銅原子に配位し、
前記配位子が前記窒素原子を含む原子団である場合は、前記窒素原子を含む原子団が、前記窒素原子を介して前記二価の銅原子に配位していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の化学重合開始剤。 - 請求項1に記載の化学重合開始剤と、(F)酸性基含有重合性単量体と、を含み、且つハイドロパーオキサイドを実質的に含有しないことを特徴とする接着性組成物。
- (G)酸性基非含有重合性単量体をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の接着性組成物。
- 第一の部分組成物と、前記第一の部分組成物と物理的に接触不可能な状態の第二の部分組成物との組み合わせから構成され、
前記第一の部分組成物と前記第二の部分組成物との組み合わせの全体が、請求項7に記載の接着性組成物を構成し、
前記第一の部分組成物が、請求項7に記載の接着性組成物における前記6つの成分:(A)~(F)のうち、前記(A)チオ尿素化合物と、前記(D)無置換アリールボレート化合物と、前記(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物とを主成分として含むと共に、有機過酸化物を実質的に含まず、
前記第二の部分組成物が、前記6つの成分のうち、前記(B)パーオキシエステルと、前記(C)二価の銅化合物と、前記(F)酸性基含有重合性単量体とを主成分として含むと共に、ハイドロパーオキサイドを実質的に含まない、
ことを特徴とする接着性組成物キット。 - 前記第一の部分組成物および前記第二の部分組成物から選択される少なくとも一方の組成物が、(G)酸性基非含有重合性単量体をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の接着性組成物キット。
- 前記第一の部分組成物および前記第二の部分組成物から選択される少なくとも一方の組成物が、(H)充填材をさらに含むことを特徴とする請求項9または10に記載の接着性組成物キット。
- 請求項7または8に記載の接着性組成物を含むことを特徴とする歯科用材料。
- 請求項9又は10に記載の接着性組成物キットを含むことを特徴とする歯科用材料キット。
- 請求項7または8に記載の接着性組成物が、第一の部分組成物と、第二の部分組成物とに分包された状態で保管され、
前記第一の部分組成物が、前記(A)チオ尿素化合物と、前記(B)パーオキシエステルと、前記(C)二価の銅化合物と、前記(D)無置換アリールボレート化合物と、前記(E)電子求引性基置換アリールボレート化合物と、前記(F)酸性基含有重合性単量体と、からなる6つの成分のうち、前記(A)チオ尿素化合物と、前記(D)無置換アリールボレート化合物と、前記(E)電子求引性置換アリールボレート化合物と、を主成分として含むと共に、有機過酸化物を実質的に含まず、
前記第二の部分組成物が、前記6つの成分のうち、前記(B)パーオキシエステルと、前記(C)二価の銅化合物と、前記(F)酸性基含有重合性単量体とを主成分として含むと共に、ハイドロパーオキサイドを実質的に含まない、
ことを特徴とする接着性組成物の保管方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019115174A JP7217949B2 (ja) | 2019-06-21 | 2019-06-21 | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019115174A JP7217949B2 (ja) | 2019-06-21 | 2019-06-21 | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021001261A JP2021001261A (ja) | 2021-01-07 |
JP7217949B2 true JP7217949B2 (ja) | 2023-02-06 |
Family
ID=73994188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019115174A Active JP7217949B2 (ja) | 2019-06-21 | 2019-06-21 | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7217949B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014152106A (ja) | 2013-02-05 | 2014-08-25 | Tokuyama Dental Corp | 歯科用硬化性組成物 |
WO2019131094A1 (ja) | 2017-12-26 | 2019-07-04 | 株式会社トクヤマデンタル | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 |
JP2020111513A (ja) | 2019-01-08 | 2020-07-27 | 株式会社トクヤマデンタル | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 |
JP2020183513A (ja) | 2019-04-26 | 2020-11-12 | 株式会社トクヤマデンタル | 接着性組成物、接着性組成物キット及び接着性組成物の保管方法 |
-
2019
- 2019-06-21 JP JP2019115174A patent/JP7217949B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014152106A (ja) | 2013-02-05 | 2014-08-25 | Tokuyama Dental Corp | 歯科用硬化性組成物 |
WO2019131094A1 (ja) | 2017-12-26 | 2019-07-04 | 株式会社トクヤマデンタル | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 |
JP2020111513A (ja) | 2019-01-08 | 2020-07-27 | 株式会社トクヤマデンタル | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 |
JP2020183513A (ja) | 2019-04-26 | 2020-11-12 | 株式会社トクヤマデンタル | 接着性組成物、接着性組成物キット及び接着性組成物の保管方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021001261A (ja) | 2021-01-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6948727B2 (ja) | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 | |
JP4896724B2 (ja) | 生体硬組織接着剤 | |
JP5101072B2 (ja) | 歯科用組成物 | |
JP7148068B2 (ja) | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 | |
JP7423004B2 (ja) | 接着性組成物、接着性組成物キット及び接着性組成物の保管方法 | |
JP2008056649A (ja) | 金属用プライマー | |
CA3031917C (en) | Two-package dental adhesive composition | |
JP7217949B2 (ja) | 化学重合開始剤、接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料、歯科用材料キットおよび接着性組成物の保管方法 | |
JP2014111555A (ja) | 歯科用硬化性組成物及びこれを用いた歯科用セメント | |
JP2022120510A (ja) | 化学重合開始剤、接着性組成物および接着性組成物調製用キット | |
JP6966769B2 (ja) | 化学重合開始剤、接着性組成物、歯科用セメントおよび歯科用接着剤 | |
JP2022020551A (ja) | 化学重合開始剤、接着性組成物および接着性組成物調製用キット | |
JP2024017302A (ja) | 化学重合開始剤、接着性組成物および接着性組成物調製用キット | |
JP2021116346A (ja) | 重合開始剤、硬化性組成物調製用キット、硬化性組成物、硬化物及び歯科材料 | |
EP1845929A1 (en) | Self-cure activator | |
JP7367931B2 (ja) | 接着性組成物 | |
BR112020008555B1 (pt) | Iniciador de polimerização química, composição adesiva, kit de composição adesiva, material dentário, kit de material dentário e método de armazenamento da composição adesiva | |
JP5106865B2 (ja) | 歯科用組成物 | |
JP6995389B2 (ja) | 歯科用接着性組成物 | |
WO2023106419A1 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
WO2022014492A1 (ja) | 重合開始剤、硬化性組成物調製用キット、硬化性組成物、硬化物及び歯科材料 | |
JP2024017014A (ja) | 歯科用硬化性組成物及びキット | |
WO2023058773A1 (ja) | 歯科用硬化性組成物及び歯科用キット | |
WO2022270601A1 (ja) | 歯科用接着キット | |
WO2020031897A1 (ja) | 重合開始剤、硬化性組成物、歯科材料および硬化性組成物の調製用キット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221122 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230117 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230118 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7217949 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |