本発明の第1~第4実施形態について、図1~図25を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図1~図10を参照しながら説明する。
まず、図1を参照して、第1実施形態における照明装置200の使用環境を説明する。図1は、照明装置200の使用環境の一例を示す概念図である。
図1に示すように、部屋全体を明るく照明するように、部屋の天井に照明装置200が設備される。照明装置200は、照明光を発生する機能と、閃光を発生する機能とを兼ね備えたシーリングライトである。室内の人物を撮影するために、カメラ100が用いられる。
次に、図2を参照して、図1中のカメラ100の構成を説明する。図2は、カメラ100の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、カメラ100は、シャッタボタン102と、内蔵閃光発生部104と、測光部106と、撮像部108と、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを備える。カメラ100は、単機能のカメラでもよいし、スマートフォンに内蔵されたカメラでもよい。
シャッタボタン102は、写真撮影のタイミングを制御部110に通知するためのボタンである。シャッタボタン102は、撮影者により押下される。
内蔵閃光発生部104は、閃光発生機能がオン状態に設定されているときに閃光を発生する。内蔵閃光発生部104は、例えばキセノン管を含む。内蔵閃光発生部104は、制御部110からの指示で起動される。
測光部106は、撮影空間からカメラ100に入射した光の強度を測定する。測光部106による測定結果は、制御部110へ通知される。
撮像部108は、撮影対象の画像を撮像する。撮像部108は、レンズ、絞り及びシャッタのような光学系と、電荷結合デバイスのような固体撮像素子とを備える。撮像部108は、制御部110との間で信号の授受を行う。固体撮像素子は、銀塩フィルムに置換可能である。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む。記憶部120は、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。記憶部120は、半導体メモリのような記憶装置を含む。制御部110のプロセッサは、記憶部120の記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって、カメラ100の各構成を制御する。
通信部130は、照明装置200と通信する。通信部130は、制御部110に接続されている。通信部130は、例えば赤外線通信を行う。赤外線通信は、電波による通信に置換可能である。
次に、図3を参照して、図1中の照明装置200の構成を説明する。図3は、照明装置200の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、照明装置200は、光源210と、照明光用電源回路220と、逆流防止ダイオード222と、閃光用電源回路230と、スイッチ232と、抵抗器234と、制御部240と、記憶部250と、通信部260とを備える。
光源210は、可変の大きさの電流を光に変換し、可変の明るさの光を発生する。光源210は、複数のLED212を含む。複数のLED212は、互いに直並列接続されて、1つのLEDモジュールを構成する。LEDモジュールは、1つのアノード端子と、1つのカソード端子とを有する。LEDモジュールには、閃光を発生する程度の短時間であれば、照明光を発生する場合の大きさの電流よりも大きい電流を流すことができる。
照明光用電源回路220は、第1モードにおいて光源210が照明光を発生するように、第1の大きさの電流を光源210に供給する。照明光用電源回路220は、1つの直流電源回路であって、高電圧側端子と、低電圧側端子とを有する。照明光用電源回路220の高電圧側端子は、逆流防止ダイオード222を介して光源210のアノード端子に接続されている。また、照明光用電源回路220の低電圧側端子は、光源210のカソード端子に接続されている。
閃光用電源回路230は、第2モードにおいて光源210が閃光を発生するように、第2の大きさの電流を光源210に供給する。第2の大きさの電流は、第1の大きさの電流よりも大きい。シーリングライトの定格電流に相当する第1の大きさを「100%」とすると、第2の大きさは例えば「1000%」である。この場合、第2の大きさは、第1の大きさの10倍に相当する。閃光用電源回路230は、他の1つの直流電源回路であって、高電圧側端子と、低電圧側端子とを有する。閃光用電源回路230の高電圧側端子は、抵抗器234及びスイッチ232を介して光源210のアノード端子に接続されている。また、閃光用電源回路230の低電圧側端子は、光源210のカソード端子に接続されている。
スイッチ232は、閃光用電源回路230から光源210へ流れようとする電流を断接する。スイッチ232は、第1モードにおいてオフし、第2モードにおいてオンする。
抵抗器234は、閃光用電源回路230から光源210へ流れようとする電流の大きさを規制する。
逆流防止ダイオード222は、閃光用電源回路230の高電圧側端子から流れ出した電流が照明光用電源回路220の高電圧側端子へ逆流することを防止する。この逆流防止の機能が作動する場合、照明光用電源回路220から光源210への電流の供給が停止する。
制御部240は、CPUのようなプロセッサを含む。記憶部250は、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。記憶部250は、半導体メモリのような記憶装置を含む。制御部240のプロセッサは、記憶部250の記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって、照明装置200の各構成を制御する。
具体的に説明すると、制御部240は、第1モードにおいて照明光用電源回路220が第1の大きさの電流を光源210に供給するように、照明光用電源回路220を制御する。第1の大きさの電流が光源210に供給されたとき、照明装置200は、シーリングライトとして機能する。また、制御部240は、第2モードにおいて閃光用電源回路230が第2の大きさの電流を光源210に供給するように、閃光用電源回路230及びスイッチ232を制御する。
通信部260は、第2モードにおいてカメラ100と連携するために、カメラ100と通信する。通信部260は、制御部240に接続されている。通信部260は、例えば赤外線通信を行う。赤外線通信は、電波による通信に置換可能である。
照明光用電源回路220、逆流防止ダイオード222、閃光用電源回路230、スイッチ232、抵抗器234及び制御部240は、光源210を駆動する駆動部245を構成する。駆動部245は、第1モードにおいて、光源210が照明光を発生するように光源210を駆動する。また、駆動部245は、第2モードにおいて、光源210が閃光を発生するように光源210を駆動する。閃光の明るさは、照明光の明るさよりも大きい。
光源210に供給される電流の大きさと、光源210が発生する光の明るさとが比例するものと仮定する。また、第1モードにおいて100%の大きさの電流が光源210に供給されたとき、光源210が100%の明るさの光を発生するものとする。第2モードにおいて1000%の大きさの電流が光源210に供給されたとき、光源210は1000%の明るさの光を発生する。つまり、照明装置200による閃光の明るさは、照明装置200による照明光の明るさの10倍に相当する。
次に、図2及び図4を参照して、カメラ100の制御部110の処理について説明する。図4は、制御部110の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS100:図4に示すように、制御部110は、測光部106を制御して、照明装置200による第1モードにおける照明光のもとで測光を実行させる。
ステップS102:制御部110は、測光部106による測光の結果に基づいて、絞り及びシャッタ速度を計算する。内蔵閃光発生部104は、オフ状態の設定とする。
ステップS104:制御部110は、シャッタ速度を計算値の10分の1に設定する。照明装置200による閃光の明るさが測光時の照明光の明るさの10倍に相当するので、制御部110は、シャッタ速度を計算値の10分の1に設定することができる。その結果、ぶれが抑制された撮影が可能になる。
なお、光源210が第2モードで2000%の発光をする場合、制御部110は、シャッタ速度を計算値の20分の1に設定することができる。その結果、ぶれの抑制効果が更に大きくなる。
ステップS106:制御部110は、通信部130を介して照明装置200に1000%の閃光指示を送信する。
ステップS108:制御部110は、照明装置200と同期をとるため、一定時間待つ。
ステップS110:制御部110は、撮像部108に撮影を実行させる。
次に、図3及び図5を参照して、照明装置200の制御部240の処理について説明する。図5は、制御部240の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS200:図5に示すように、制御部240は、光源210が第1モードの100%発光をするように、照明光用電源回路220を制御する。スイッチ232は、オフ状態を維持する。
ステップS202:制御部240は、通信部260を介してカメラ100からの信号を受信する。
ステップS204:制御部240は、カメラ100から1000%の閃光指示を受信したか否かを判定する。閃光指示を受信した場合(ステップS204でYES)、制御部240の処理がステップS206へ進む。閃光指示を受信していない場合(ステップS204でNO)、制御部240の処理がステップS202へ戻る。
ステップS206:制御部240は、カメラ100と同期をとるため、一定時間待つ。
ステップS208:制御部240は、光源210が一定時間だけ第2モードの1000%発光をするように、閃光用電源回路230及びスイッチ232を制御する。スイッチ232は、一定時間だけオン状態とされる。
ステップS210:制御部240は、光源210を第1モードの100%発光に戻すように、スイッチ232を制御する。スイッチ232は、オフ状態に戻される。
次に、図6(a)及び図6(b)を参照して、カメラ100と照明装置200との同期について説明する。図6(a)及び図6(b)は、カメラ100と照明装置200との同期を示すタイミング図である。
図6(a)に示すように、照明装置200の発光出力は、定常状態で100%発光を示す。また、照明装置200の発光出力は、一定時間だけ1000%発光を示す。
図6(b)に示すように、カメラ100のシャッタは、照明装置200の1000%発光タイミングと同期して、一定時間だけ開く。シャッタが開く時間は、照明装置200の1000%発光時間、すなわち閃光発生時間とほぼ等しく、100分の1秒程度である。
第1実施形態によれば、照明光を発生する機能と、閃光を発生する機能とを兼ね備えた照明装置200を提供することができる。しかも、シーリングライトの光源210を用いて部屋全体に閃光を届けることができるので、カメラ100に近い人物のみが明るく撮影されることが抑制される。
次に、図7を参照して、照明装置200の第1変形例について説明する。図7は、照明装置200の第1変形例を示すブロック図である。
図7に示すように、第1変形例に係る照明装置200は、駆動部245が単一の共用電源回路236と、制御部240とにより構成される点で、図3に示す照明装置200と異なる。
共用電源回路236は、第1モードにおいて光源210が照明光を発生するように、100%の大きさの電流を光源210に供給する。また、共用電源回路236は、第2モードにおいて光源210が閃光を発生するように、300%の大きさの電流を光源210に供給する。共用電源回路236は、1つの直流電源回路であって、高電圧側端子と、低電圧側端子とを有する。共用電源回路236の高電圧側端子は、光源210のアノード端子に接続されている。また、共用電源回路236の低電圧側端子は、光源210のカソード端子に接続されている。
制御部240は、第1モードにおいて共用電源回路236が100%の大きさの電流を光源210に供給するように、共用電源回路236を制御する。また、制御部240は、第2モードにおいて共用電源回路236が300%の大きさの電流を光源210に供給するように、共用電源回路236を制御する。
次に、図8(a)及び図8(b)を参照して、図7中の光源210に流れる電流の波形を説明する。図8(a)及び図8(b)は、第1及び第2モードにおいて図7中の光源210に流れる電流の波形を示すタイミング図である。
図8(a)に示すように、第1モードにおいて、光源210に100%の大きさの電流が供給される。その結果、100%の明るさの照明光が得られる。
図8(b)に示すように、第2モードにおいて、カメラ100の露光時間に相当する時間だけ、光源210に300%の大きさの電流が供給される。その結果、300%の明るさの閃光が得られる。
第1変形例によれば、第2モードにおいて光源210に供給される電流の大きさが図3に示す照明装置200に比べて低減されるので、共用電源回路236を容易に構成することができる。
次に、図9を参照して、照明装置200の第2変形例について説明する。図9は、照明装置200の第2変形例を示すブロック図である。
図9に示すように、第2変形例に係る照明装置200は、駆動部245が単一のスイッチング電源回路238と、制御部240とにより構成される点で、図3に示す照明装置200と異なる。
スイッチング電源回路238は、第1モードにおいて光源210が照明光を発生するように、1000%の大きさでデューティ比が10%の電流を光源210に供給する。また、スイッチング電源回路238は、第2モードにおいて光源210が閃光を発生するように、1000%の大きさでデューティ比が100%の電流を光源210に供給する。スイッチング電源回路238は、1つの直流電源回路であって、高電圧側端子と、低電圧側端子とを有する。スイッチング電源回路238の高電圧側端子は、光源210のアノード端子に接続されている。また、スイッチング電源回路238の低電圧側端子は、光源210のカソード端子に接続されている。
制御部240は、第1モードにおいてスイッチング電源回路238が1000%の大きさでデューティ比が10%の電流を光源210に供給するように、スイッチング電源回路238を制御する。また、制御部240は、第2モードにおいてスイッチング電源回路238が1000%の大きさでデューティ比が100%の電流を光源210に供給するように、スイッチング電源回路238を制御する。
次に、図10(a)及び図10(b)を参照して、図9中の光源210に流れる電流の波形を説明する。図10(a)及び図10(b)は、第1及び第2モードにおいて図9中の光源210に流れる電流の波形を示すタイミング図である。
図10(a)に示すように、第1モードにおいて、光源210に1000%の大きさでデューティ比が10%の電流が供給される。その結果、100%の明るさの照明光が得られる。
図10(b)に示すように、第2モードにおいて、カメラ100の露光時間に相当する時間だけ、光源210に1000%の大きさでデューティ比が100%の電流が供給される。その結果、1000%の明るさの閃光が得られる。
第2変形例によれば、光源210に供給する電流のデューティ比を大きくすることで閃光が得られる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図11~図14を参照しながら説明する。
まず、図11を参照して、第2実施形態における照明装置200の使用環境を説明する。図11は、照明装置200の使用環境の一例を示す概念図である。
図11に示すように、部屋全体を明るく照明するように、部屋の天井に複数のダウンライト300とともに照明装置200が設備される。照明装置200は、照明光を発生する機能と、閃光を発生する機能とを兼ね備えたシーリングライトである。照明装置200は、調光及び調色が可能でもある。室内の人物を撮影するために、カメラ100が用いられる。
図11中のカメラ100の構成は、図2で説明した構成と同様であるので、詳細な説明を省略する。
次に、図12を参照して、図11中の照明装置200の構成を説明する。図12は、照明装置200の構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、第2実施形態の光源210は、複数の高色温度LED212aと、複数の低色温度LED212bとを有する点で、第1実施形態の光源210と異なる。複数の高色温度LED212aは、互いに直並列接続されて、1つの高色温度LEDモジュールを構成する。高色温度LEDモジュールは、第1色温度の光を発生する第1光源214aを構成する。複数の低色温度LED212bは、互いに直並列接続されて、1つの低色温度LEDモジュールを構成する。低色温度LEDモジュールは、第1色温度と異なる第2色温度の光を発生する第2光源214bを構成する。
第2実施形態の照明装置200は、第1光源214aのために第1逆流防止ダイオード222aと、第1スイッチ232aと、第1抵抗器234aとを備える点で、第1実施形態の照明装置200と異なる。また、第2実施形態の照明装置200は、第2光源214bのために第2逆流防止ダイオード222bと、第2スイッチ232bと、第2抵抗器234bとを備える点で、第1実施形態の照明装置200と異なる。これらの回路要素の接続は、第1実施形態の照明装置200と同様である。
第2実施形態の照明光用電源回路220は、第1モードにおいて第3の大きさの電流を第1光源214aに供給し、第4の大きさの電流を第2光源214bに供給する点で、第1実施形態の照明光用電源回路220と異なる。その結果、光源210は、所定の明るさ及び色温度を有する合成照明光を発生する。第3の大きさと第4の大きさとの合計は、第1実施形態における第1の大きさに相当する。
第2実施形態の閃光用電源回路230は、第2モードにおいて第5の大きさの電流を第1光源214aに供給し、第6の大きさの電流を第2光源214bに供給する点で、第1実施形態の閃光用電源回路230と異なる。その結果、光源210は、所定の明るさ及び色温度を有する合成閃光を発生する。第5の大きさと第6の大きさとの合計は、第1実施形態における第2の大きさに相当する。
第2実施形態の制御部240は、第1モードにおいて照明光の明るさ及び色温度を調整するように照明光用電源回路220を制御する機能を有する点で、第1実施形態の制御部240と異なる。また、第2実施形態の制御部240は、第2モードにおいて閃光の明るさを調整するように閃光用電源回路230を制御する機能を有する点で、第1実施形態の制御部240と異なる。更に、第2実施形態の制御部240は、第2モードにおいて空間の色温度の測定結果に基づいて閃光の色温度を調整するように閃光用電源回路230を制御する機能を有する点で、第1実施形態の制御部240と異なる。
次に、図2及び図13を参照して、カメラ100の制御部110の処理について説明する。図13は、制御部110の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS120:図13に示すように、制御部110は、測光部106を制御して、照明装置200による第1モードにおける照明光のもとで測光を実行させる。
ステップS122:制御部110は、測光部106による測光の結果に基づいて、ホワイトバランスを計測する。具体的には、空間の色温度を測定する。複数のダウンライト300の各々は、例えば2700Kの色温度を有する照明光を発生する。照明装置200は、第1モードにおいて例えば5000Kの色温度を有する照明光を発生する。その結果、空間の色温度として例えば4500Kの測定結果が得られる。
ステップS124:制御部110は、測光部106による測光の結果に基づいて、絞り及びシャッタ速度を計算する。内蔵閃光発生部104は、オフ状態の設定とする。
ステップS126:制御部110は、シャッタ速度を計算値の10分の1に設定する。照明装置200による閃光の明るさが測光時の照明光の明るさの10倍に相当するので、制御部110は、シャッタ速度を計算値の10分の1に設定することができる。
ステップS128:制御部110は、通信部130を介して照明装置200に1000%かつ目標色温度Bの閃光指示を送信する。違和感のない写真撮影のため、ステップS122で得られた空間の色温度を照明装置200の目標色温度Bとする。上記の例では、目標色温度Bが4500Kとされる。
ステップS130:制御部110は、照明装置200と同期をとるため、一定時間待つ。
ステップS132:制御部110は、撮像部108に撮影を実行させる。
次に、図12及び図14を参照して、照明装置200の制御部240の処理について説明する。図14は、制御部240の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS220:図14に示すように、制御部240は、光源210が第1モードの100%発光を色温度Aで実行するように、照明光用電源回路220を制御する。第1スイッチ232a及び第2スイッチ232bは、オフ状態を維持する。上記の例によれば、色温度Aは5000Kである。光源210の光束は、例えば5000ルーメンである。
ステップS222:制御部240は、通信部260を介してカメラ100からの信号を受信する。
ステップS224:制御部240は、カメラ100から1000%かつ目標色温度Bの閃光指示を受信したか否かを判定する。閃光指示を受信した場合(ステップS224でYES)、制御部240の処理がステップS226へ進む。閃光指示を受信していない場合(ステップS224でNO)、制御部240の処理がステップS222へ戻る。
ステップS226:制御部240は、目標色温度Bを実現するために光源210が発生すべき閃光の色温度Cを計算する。一般に、色温度Pかつ光束pの光源と、色温度Qかつ光束qの光源とに基づく合成後の色温度Rは、
R=(P×p+Q×q)/(p+q)
で求められる。上記の例によれば、1000%の大きさの閃光の光束は50000ルーメンとなり、1000%の大きさの閃光の色温度Cとして約4653Kが得られる。
ステップS228:制御部240は、カメラ100と同期をとるため、一定時間待つ。
ステップS230:制御部240は、光源210が一定時間だけ第2モードの1000%発光を色温度Cで実行するように、閃光用電源回路230、第1スイッチ232a及び第2スイッチ232bを制御する。
ステップS232:制御部240は、光源210を第1モードの100%かつ色温度Aの発光に戻すように、第1スイッチ232a及び第2スイッチ232bを制御する。
第2実施形態によれば、空間の色温度の測定結果に基づいて照明装置200による閃光の色温度を調整することにより、閃光が当たったところだけ大きく色味が変わる不具合を抑制することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について、図15~図18を参照しながら説明する。
まず、図15を参照して、第3実施形態における照明装置200及び閃光発生装置400の使用環境を説明する。図15は、照明装置200及び閃光発生装置400の使用環境の一例を示す概念図である。
図15に示すように、部屋全体を明るく照明するように、部屋の天井に複数のダウンライト300とともに照明装置200が設備される。照明装置200は、照明光を発生する機能と、閃光を発生する機能とを兼ね備えたシーリングライトである。照明装置200は、調光及び調色が可能でもある。室内の人物を撮影するために、カメラ100に加えて1又は複数の閃光発生装置400が用いられる。
図15中の照明装置200の構成は、図11で説明した構成と同様であるので、詳細な説明を省略する。
次に、図16を参照して、図15中の閃光発生装置400の構成を説明する。図15は、閃光発生装置400の構成の一例を示すブロック図である。
図16に示すように、閃光発生装置400は、光源410と、電源回路430と、第1スイッチ432aと、第2スイッチ432bと、第1抵抗器434aと、第2抵抗器434bと、制御部440と、記憶部450と、通信部460とを備える。
光源410は、複数の高色温度LED412aと、複数の低色温度LED412bとを含む。複数の高色温度LED412aは、互いに直並列接続されて、1つの高色温度LEDモジュールを構成する。高色温度LEDモジュールは、第1色温度で閃光を発生する第1光源414aを構成する。複数の低色温度LED412bは、互いに直並列接続されて、1つの低色温度LEDモジュールを構成する。低色温度LEDモジュールは、第1色温度と異なる第2色温度で閃光を発生する第2光源414bを構成する。
電源回路430は、1つの直流電源回路であって、第1及び第2高電圧側端子と、第1及び第2低電圧側端子とを有する。電源回路430の第1高電圧側端子は、第1抵抗器434a及び第1スイッチ432aを介して第1光源414aのアノード端子に接続されている。電源回路430の第1低電圧側端子は、第1光源414aのカソード端子に接続されている。電源回路430の第2高電圧側端子は、第2抵抗器434b及び第2スイッチ432bを介して第2光源414bのアノード端子に接続されている。電源回路430の第2低電圧側端子は、第2光源414bのカソード端子に接続されている。
電源回路430は、光源410が所定の明るさ及び色温度を有する閃光を発生するように、第7の大きさの電流を第1光源414aに供給し、第8の大きさの電流を第2光源414bに供給する。
制御部440は、CPUのようなプロセッサを含む。記憶部450は、データ及びコンピュータプログラムを記憶する。記憶部450は、半導体メモリのような記憶装置を含む。制御部440のプロセッサは、記憶部450の記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって、閃光発生装置400の各構成を制御する。
具体的に説明すると、制御部440は、閃光の明るさ及び色温度を調整するように、電源回路430を制御する。また、制御部440は、第1スイッチ432a及び第2スイッチ432bの開閉を制御する。
通信部460は、カメラ100と連携するために、カメラ100と通信する。通信部460は、制御部440に接続されている。通信部460は、例えば赤外線通信を行う。赤外線通信は、電波による通信に置換可能である。
図16中の電源回路430、第1スイッチ432a、第2スイッチ432b、第1抵抗器434a、第2抵抗器434b及び制御部440は、第1光源414aと第2光源414bとを駆動する駆動部445を構成する。第1光源414a及び第2光源414bは、駆動部445により駆動されて、第1色温度と第2色温度との間で調整された第3色温度の合成閃光を発生する。
図15中のカメラ100の構成は、図2で説明した構成と同様であるので、詳細な説明を省略する。ただし、第3実施形態の内蔵閃光発生部104は、図16で説明した光源410、電源回路430、第1スイッチ432a、第2スイッチ432b、第1抵抗器434a及び第2抵抗器434bと同様の構成を有する点で、第1実施形態の内蔵閃光発生部104と異なる。
次に、図2及び図17を参照して、カメラ100の制御部110の処理について説明する。図17は、制御部110の処理の一例を示すフローチャートである。
図17の処理は、図13の処理にステップS134の処理を追加したものである。そこで、ステップS134のみについて説明する。
ステップS134:図17に示すように、制御部110は、ステップS132の処理と並行して、内蔵閃光発生部104を目標色温度Bで発光させる。
照明装置200の制御部240の処理は、図14で説明した処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
次に、図16及び図18を参照して、閃光発生装置400の制御部440の処理について説明する。図18は、制御部440の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS300:図18に示すように、制御部440は、通信部460を介してカメラ100からの信号を受信する。
ステップS302:制御部440は、カメラ100から目標色温度Bの閃光指示を受信したか否かを判定する。閃光指示を受信した場合(ステップS302でYES)、制御部440の処理がステップS304へ進む。閃光指示を受信していない場合(ステップS302でNO)、制御部440の処理がステップS300へ戻る。
ステップS304:制御部440は、カメラ100から通信部460を介して指示された目標色温度Bに基づいて、光源410の第3色温度を指定する。つまり、制御部440は、光源410が一定時間だけ目標色温度Bの閃光を発生するように、電源回路430、第1スイッチ432a及び第2スイッチ432bを制御する。
第3実施形態によれば、閃光発生装置400に光学フィルタを装着せずに閃光の調色を実現することができる。また、空間の色温度の測定結果に基づいて閃光発生装置400による閃光の色温度を指定することにより、閃光が当たったところだけ大きく色味が変わる不具合を抑制することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について、図19~図25を参照しながら説明する。
まず、図19を参照して、第4実施形態における閃光発生装置400の使用環境を説明する。図19は、閃光発生装置400の使用環境の一例を示す概念図である。
図19に示すように、部屋全体を明るく照明するように、部屋の天井に照明装置200aが設備される。照明装置200aは、閃光を発生する機能を有しないシーリングライトである。室内の人物を撮影するために、カメラ100に加えて1又は複数の閃光発生装置400が用いられる。
次に、図20を参照して、図19中の閃光発生装置400の構成を説明する。図20は、閃光発生装置400の構成の一例を示すブロック図である。
図20に示すように、第4実施形態の閃光発生装置400は、偏移設定部470を備える点で、第3実施形態の閃光発生装置400と異なる。偏移設定部470は、ユーザーが色温度の偏移を設定するための手段である。制御部440は、カメラ100から指示された色温度を、偏移として設定された量だけずらした色温度を、合成閃光の第3色温度として指定する。
図19中のカメラ100の構成は、図2で説明した構成と同様であるので、詳細な説明を省略する。ただし、第4実施形態の内蔵閃光発生部104は、図16で説明した光源410、電源回路430、第1スイッチ432a、第2スイッチ432b、第1抵抗器434a及び第2抵抗器434bと同様の構成を有する点で、第1実施形態の内蔵閃光発生部104と異なる。
次に、図2及び図21を参照して、カメラ100の制御部110の処理について説明する。図21は、制御部110の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS160:図21に示すように、制御部110は、測光部106を制御して、照明装置200aによる照明光のもとで測光を実行させる。
ステップS162:制御部110は、測光部106による測光の結果に基づいて、ホワイトバランスを計測する。具体的には、空間の色温度を測定する。
ステップS164:制御部110は、測光部106による測光の結果に基づいて、絞り及びシャッタ速度を決定する。
ステップS166:制御部110は、目標色温度Bを決定する。違和感のない写真撮影のため、ステップS162で得られた空間の色温度を内蔵閃光発生部104及び閃光発生装置400の目標色温度Bとする。
ステップS168:制御部110は、通信部130を介して閃光発生装置400に目標色温度Bの閃光指示を送信する。
ステップS170:制御部110は、内蔵閃光発生部104を目標色温度Bで発光させる。
ステップS172:制御部110は、ステップS170の処理と並行して撮像部108に撮影を実行させる。
次に、図20及び図22を参照して、閃光発生装置400の制御部440の処理について説明する。図22は、制御部440の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS310:図22に示すように、制御部440は、偏移設定部470から偏移設定値αを読み込む。偏移設定値αは、正の値、負の値、ゼロのいずれに置換可能である。
ステップS312:制御部440は、通信部460を介してカメラ100からの信号を受信する。
ステップS314:制御部440は、カメラ100から目標色温度Bの閃光指示を受信したか否かを判定する。閃光指示を受信した場合(ステップS314でYES)、制御部440の処理がステップS316へ進む。閃光指示を受信していない場合(ステップS314でNO)、制御部440の処理がステップS312へ戻る。
ステップS316:制御部440は、カメラ100から指示された目標色温度Bを偏移設定値αだけずらした色温度D(=B+α)を計算する。
ステップS318:制御部440は、計算により得られた色温度Dに基づいて、光源410の第3色温度を指定する。つまり、制御部440は、光源410が一定時間だけ色温度Dの閃光を発生するように、電源回路430、第1スイッチ432a及び第2スイッチ432bを制御する。
次に、図23(a)及び図23(b)を参照して、カメラ100と閃光発生装置400との同期について説明する。図23(a)及び図23(b)は、カメラ100と閃光発生装置400との同期を示すタイミング図である。
図23(a)に示すように、閃光発生装置400の閃光出力は、一定時間だけオン状態を示す。
図23(b)に示すように、カメラ100のシャッタは、閃光発生装置400の発光タイミングと同期して、一定時間だけ開く。閃光発生時間は、シャッタの開放時間よりも短くてよい。
第4実施形態によれば、カメラ100から指示された目標色温度Bが偏移設定値αだけずらされるので、撮影者の意図を閃光の色温度Dに反映させることができる。
次に、図24を参照して、閃光発生装置400の第1変形例について説明する。図24は、閃光発生装置400の第1変形例を示すブロック図である。
図24に示すように、第1変形例に係る閃光発生装置400は、色温度測定部480を更に備える点で、図20の閃光発生装置400と異なる。色温度測定部480は、空間の色温度を測定するための手段である。
第1変形例の制御部440は、色温度測定部480により測定された色温度を偏移設定値αだけずらした色温度を、合成閃光の第3色温度として指定する。
第1変形例によれば、カメラ100からの指示なしで、空間の色温度に応じた合成閃光の色温度を指定することができる。
最後に、図25を参照して、閃光発生装置400の第2変形例について説明する。図25は、閃光発生装置400の第2変形例を示すブロック図である。
図25に示すように、第2変形例に係る閃光発生装置400は、偏移設定部470に代えて色温度設定部490を備える点で、図20の閃光発生装置400と異なる。色温度設定部490は、ユーザーが色温度を設定するための手段である。
第2変形例の制御部440は、色温度設定部490により設定された色温度を、合成閃光の第3色温度として指定する。
第2変形例によれば、カメラ100からの指示なしで合成閃光の色温度をユーザーが設定することができる。
上記した実施形態の説明は、本発明における好適な実施形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
(1)第1実施形態では、図3に示すように光源210がLED212を含んだが、これに限られない。レーザー光が蛍光体に当たる時間を調整すれば、レーザーダイオードを光源210に用いることも可能である。第2及び第3実施形態でも同様である。
(2)第1実施形態では、図4及び図5に示すようにカメラ100からの信号を受けて照明装置200が同期動作をしたが、これに限られない。照明装置200からの信号を受けてカメラ100が同期動作をすることも可能である。第2及び第3実施形態でも同様である。
(3)第2実施形態では、図12に示すように電流の大きさを調節することにより合成閃光の調色を実現したが、これに限られない。電流のデューティ比を調節することにより合成閃光の調色を実現することも可能である。第3及び第4実施形態でも同様である。
(4)第3実施形態では、図16に示すように光源410が高色温度LED412a及び低色温度LED412bを含んだが、これに限られない。レーザー光が蛍光体に当たる時間を調整すれば、レーザーダイオードを光源410に用いることも可能である。第4実施形態でも同様である。
(5)第1実施形態では、図3に示すように抵抗器234を介して閃光用電源回路230の高電圧側端子を光源210のアノード端子に接続したが、これに限られない。閃光用電源回路230は、定電流回路として構成されてもよい。第2及び第3実施形態の閃光用電源回路230でも、また第3及び第4実施形態の電源回路430でも同様である。
(6)第1実施形態では、図3に示すように閃光用電源回路230が光源210へ電流を供給する間は照明光用電源回路220が光源210への電流の供給を停止したが、これに限られない。照明光用電源回路220から供給される電流と閃光用電源回路230から供給される電流との合計が1000%の大きさの電流になるようにしてもよい。第2及び第3実施形態でも同様である。
(7)第1実施形態では、図6(a)に示すように照明装置200から閃光発生時間内に不変の大きさの発光出力が得られたが、これに限られない。発光出力について所定の時間積分値が得られる限り、閃光発生時間内に発光出力が高周波数でオン・オフを繰り返してもよく、また閃光発生時間内に発光出力の大きさが緩慢に変動してもよい。第2及び第3実施形態の照明装置200でも、また第3及び第4実施形態の閃光発生装置400でも同様である。
(8)第2実施形態では、図12に示すように照明装置200の第1スイッチ232a及び第2スイッチ232bが同時にオンし、かつ同時にオフすることにより第1光源214a及び第2光源214bの発光期間が一致したが、これに限られない。第1光源214aが発生する光の大きさを閃光発生時間内で平均した値と、第2光源214bが発生する光の大きさを閃光発生時間内で平均した値との比率が所望の色温度に応じて制御されればよい。第3実施形態の照明装置200でも、また第3及び第4実施形態の閃光発生装置400でも同様である。