JP7216194B2 - 液体吐出ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、液体吐出ヘッドおよび記録装置に関する。
印刷装置として、インクジェット記録方式を利用したインクジェットプリンタやインクジェットプロッタが知られている。このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが搭載されている。
液体吐出ヘッドは、複数の吐出孔を有する流路部材を備える。流路部材には、インクの吐出方向を安定させるために吐出孔の周囲に突出部を有するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2007-69381号公報
実施形態の一態様に係る液体吐出ヘッドは、流路部材と、加圧部と、複数の吐出孔とを備える。流路部材は、第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を有する。加圧部は、前記第1面上に位置する。複数の吐出孔は、前記第2面に位置する。前記流路部材は、前記第2面上に撥水膜を有する。前記撥水膜は、前記第1面から前記第2面に向かう方向を第1方向としたとき、前記第1方向に突出した凸部を有する。前記凸部は、前記第2面の平面視で前記吐出孔の周囲に位置し、前記平面視の形状が環状または弧状である。
図1は、実施形態に係る記録装置の説明図(その1)である。 図2は、実施形態に係る記録装置の説明図(その2)である。 図3は、実施形態に係る液体吐出ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 図4は、図3に示す液体吐出ヘッドの一部拡大平面透視図である。 図5は、図4に示す領域Aの拡大図である。 図6は、図4に示すB-B線に沿った断面図である。 図7は、図5に示すC-C線に沿った断面の一部拡大図である。 図8は、図7に示す撥水膜の平面図である。 図9は、流路部材のワイピング処理の一例を示す説明図である。 図10は、第2実施形態に係る流路部材の一部拡大断面図である。 図11は、図10に示す撥水膜の平面図である。 図12は、第3実施形態に係る流路部材の一部拡大断面図である。 図13は、図12に示す撥水膜の平面図である。 図14は、第4実施形態に係る流路部材の一部拡大断面図である。 図15は、図14に示す撥水膜の平面図である。 図16Aは、第1変形例に係る撥水膜の一部の平面図である。 図16Bは、第2変形例に係る撥水膜の一部の平面図である。 図16Cは、第3変形例に係る撥水膜の一部の平面図である。 図17Aは、第4変形例に係る撥水膜の一部の平面図である。 図17Bは、第5変形例に係る撥水膜の一部の平面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する液体吐出ヘッドおよび記録装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<プリンタの構成>
まず、図1および図2を参照して実施形態に係る記録装置の一例であるプリンタ1の概要について説明する。図1および図2は、実施形態に係るプリンタ1の説明図である。具体的には、図1は、プリンタ1の概略的な側面図であり、図2は、プリンタ1の概略的な平面図である。実施形態に係るプリンタ1は、たとえば、カラーインクジェットプリンタである。
図1に示すように、プリンタ1は、給紙ローラ2と、ガイドローラ3と、塗布機4と、ヘッドケース5と、複数の搬送ローラ6と、複数のフレーム7と、複数の液体吐出ヘッド8と、搬送ローラ9と、乾燥機10と、搬送ローラ11と、センサ部12と、回収ローラ13とを備える。搬送ローラ6は、搬送部の一例である。
さらに、プリンタ1は、給紙ローラ2、ガイドローラ3、塗布機4、ヘッドケース5、複数の搬送ローラ6、複数のフレーム7、複数の液体吐出ヘッド8、搬送ローラ9、乾燥機10、搬送ローラ11、センサ部12および回収ローラ13を制御する制御部14を備える。
プリンタ1は、印刷用紙Pに液滴を着弾させることにより、印刷用紙Pに画像や文字の記録を行う。印刷用紙Pは、記録媒体の一例である。印刷用紙Pは、使用前において給紙ローラ2に巻かれた状態になっている。そして、プリンタ1は、印刷用紙Pを、給紙ローラ2からガイドローラ3および塗布機4を介してヘッドケース5の内部に搬送する。
塗布機4は、コーティング剤を印刷用紙Pに一様に塗布する。これにより、印刷用紙Pに表面処理を施すことができることから、プリンタ1の印刷品質を向上させることができる。
ヘッドケース5は、複数の搬送ローラ6と、複数のフレーム7と、複数の液体吐出ヘッド8とを収容する。ヘッドケース5の内部には、印刷用紙Pが出入りする部分などの一部において外部と繋がっている他は、外部と隔離された空間が形成されている。
ヘッドケース5の内部空間は、必要に応じて、温度、湿度、および気圧などの制御因子のうち、少なくとも1つが制御部14によって制御される。搬送ローラ6は、ヘッドケース5の内部で印刷用紙Pを液体吐出ヘッド8の近傍に搬送する。
フレーム7は、矩形状の平板であり、搬送ローラ6で搬送される印刷用紙Pの上方に近接して位置している。また、図2に示すように、フレーム7は、長手方向が印刷用紙Pの搬送方向に直交するように位置している。そして、ヘッドケース5の内部には、複数(たとえば、4つ)のフレーム7が、印刷用紙Pの搬送方向に沿って位置している。
液体吐出ヘッド8には、図示しない液体タンクから液体、たとえば、インクが供給される。液体吐出ヘッド8は、液体タンクから供給される液体を吐出する。
制御部14は、画像や文字などのデータに基づいて液体吐出ヘッド8を制御し、印刷用紙Pに向けて液体を吐出させる。液体吐出ヘッド8と印刷用紙Pとの間の距離は、たとえば、0.5~20mm程度である。
液体吐出ヘッド8は、フレーム7に固定されている。液体吐出ヘッド8は、長手方向が印刷用紙Pの搬送方向に直交するように位置している。
すなわち、実施形態に係るプリンタ1は、プリンタ1の内部に液体吐出ヘッド8が固定されている、いわゆるラインプリンタである。なお、実施形態に係るプリンタ1は、ラインプリンタに限られず、いわゆるシリアルプリンタであってもよい。
シリアルプリンタとは、液体吐出ヘッド8を、印刷用紙Pの搬送方向に交差する方向、たとえば、略直交する方向に往復させるなどして移動させながら記録する動作と、印刷用紙Pの搬送とを交互に行う方式のプリンタである。
図2に示すように、1つのフレーム7に複数(たとえば、5つ)の液体吐出ヘッド8が固定されている。図2では、印刷用紙Pの搬送方向の前方に3つ、後方に2つの液体吐出ヘッド8が位置している例を示しており、印刷用紙Pの搬送方向において、それぞれの液体吐出ヘッド8の中心が重ならないように液体吐出ヘッド8が位置している。
そして、1つのフレーム7に位置する複数の液体吐出ヘッド8によって、ヘッド群8Aが構成されている。4つのヘッド群8Aは、印刷用紙Pの搬送方向に沿って位置している。同じヘッド群8Aに属する液体吐出ヘッド8には、同じ色のインクが供給される。これにより、プリンタ1は、4つのヘッド群8Aを用いて4色のインクによる印刷を行うことができる。
各ヘッド群8Aから吐出されるインクの色は、たとえば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。制御部14は、各ヘッド群8Aを制御して複数色のインクを印刷用紙Pに吐出することにより、印刷用紙Pにカラー画像を印刷することができる。
なお、印刷用紙Pの表面処理をするために、液体吐出ヘッド8からコーティング剤を印刷用紙Pに吐出してもよい。
また、1つのヘッド群8Aに含まれる液体吐出ヘッド8の個数や、プリンタ1に搭載されているヘッド群8Aの個数は、印刷する対象や印刷条件に応じて適宜変更可能である。たとえば、印刷用紙Pに印刷する色が単色で、かつ、1つの液体吐出ヘッド8で印刷可能な範囲を印刷するのであれば、プリンタ1に搭載されている液体吐出ヘッド8の個数は1つでもよい。
ヘッドケース5の内部で印刷処理された印刷用紙Pは、搬送ローラ9によってヘッドケース5の外部に搬送され、乾燥機10の内部を通る。乾燥機10は、印刷処理された印刷用紙Pを乾燥する。乾燥機10で乾燥された印刷用紙Pは、搬送ローラ11で搬送されて、回収ローラ13で回収される。
プリンタ1では、乾燥機10で印刷用紙Pを乾燥することにより、回収ローラ13において、重なって巻き取られる印刷用紙P同士が接着したり、未乾燥の液体が擦れたりすることを抑制することができる。
センサ部12は、位置センサや速度センサ、温度センサなどにより構成されている。制御部14は、センサ部12からの情報に基づいて、プリンタ1の各部における状態を判断し、プリンタ1の各部を制御することができる。
ここまで説明したプリンタ1では、印刷対象(すなわち、記録媒体)として印刷用紙Pを用いた場合について示したが、プリンタ1における印刷対象は印刷用紙Pに限られず、ロール状の布などを印刷対象としてもよい。
また、プリンタ1は、印刷用紙Pを直接搬送する代わりに、搬送ベルト上に載せて搬送するものであってもよい。搬送ベルトを用いることで、プリンタ1は、枚葉紙や裁断された布、木材、タイルなどを印刷対象とすることができる。
また、プリンタ1は、液体吐出ヘッド8から導電性の粒子を含む液体を吐出するようにして、電子機器の配線パターンなどを印刷してもよい。また、プリンタ1は、液体吐出ヘッド8から反応容器などに向けて所定量の液体の化学薬剤や化学薬剤を含んだ液体を吐出させて、化学薬品を作製してもよい。
また、プリンタ1は、液体吐出ヘッド8をクリーニングするクリーニング部を備えていてもよい。クリーニング部は、たとえば、ワイピング処理やキャッピング処理によって液体吐出ヘッド8の洗浄を行う。
ワイピング処理とは、たとえば、柔軟性のあるワイパーで、液体が吐出される部位の面を払拭することで、液体吐出ヘッド8に付着していた液体を取り除く処理である。なお、ワイピング処理については、図9を用いて後述する。
また、キャッピング処理は、たとえば、次のように実施する。まず、液体を吐出される部位、たとえば、流路部材24の表面24c(図6参照)を覆うようにキャップを被せる(これをキャッピングという)。これにより、表面24cとキャップとの間に、略密閉された空間が形成される。
次に、このような密閉された空間で液体の吐出を繰り返す。これにより、第1吐出孔243(図6参照)や第2吐出孔246(図6参照)に詰まっていた、標準状態よりも粘度が高い液体や異物などを取り除くことができる。
<液体吐出ヘッドの構成>
次に、図3を参照して実施形態に係る液体吐出ヘッド8の構成について説明する。図3は、実施形態に係る液体吐出ヘッド8の概略構成を示す分解斜視図である。
図3に示すように、液体吐出ヘッド8は、ヘッド本体20と、リザーバ21と、回路基板22と、ヘッドカバー23とを備える。また、ヘッド本体20は、流路部材24と、圧電アクチュエータ基板25と、信号伝達部26と、駆動IC27とを備える。
ヘッド本体20の流路部材24は、略平板形状であり、1つの主面である第1面24aと、第1面24aの反対側に位置する第2面24bとを有している。第1面24aは、開口241a(図4参照)を有し、リザーバ21から開口241aを介して流路部材24の内部に液体が供給される。
第2面24bには、印刷用紙Pに液体を吐出する複数の第1吐出孔243(図4参照)が位置している。そして、流路部材24の内部には、第1面24aから第2面24bに液体を流す流路が形成されている。
圧電アクチュエータ基板25は、流路部材24の第1面24a上に位置している。圧電アクチュエータ基板25は、複数の変位素子30(図6参照)を有している。変位素子30は、加圧部の一例である。変位素子30は、流路部材24の第1面24a上に位置している。なお、圧電アクチュエータ基板25については、図6を用いて後述する。
圧電アクチュエータ基板25には、2つの信号伝達部26が電気的に接続されている。それぞれの信号伝達部26は、複数の駆動IC(Integrated Circuit)27を含んでいる。なお、図3では、理解の容易のため、信号伝達部26のうち1つの図示を省略している。
信号伝達部26は、圧電アクチュエータ基板25の各変位素子30に信号を供給する。信号伝達部26は、たとえば、FPC(Flexible Printed Circuit)などによって形成されている。
駆動IC27は、信号伝達部26に搭載されている。駆動IC27は、圧電アクチュエータ基板25における各変位素子30の駆動を制御する。
なお、ヘッド本体20は、液体を吐出する吐出面およびこの吐出面の反対側に位置する反対面を有している。以下においては、吐出面を流路部材24における表面24c(図6参照)、反対面を流路部材24における第1面24aとして説明する。
リザーバ21は、ヘッド本体20の反対面側に位置し、圧電アクチュエータ基板25以外の第1面24aに接している。リザーバ21は、内部に流路を有しており、外部から開口21aを介して液体が供給される。リザーバ21は、流路部材24に液体を供給する機能、および供給される液体を貯留する機能を有している。
リザーバ21におけるヘッド本体20とは反対側の面には、回路基板22が立設している。回路基板22におけるリザーバ21側の端部には、複数のコネクタ28が位置している。それぞれのコネクタ28には、信号伝達部26の端部が収容される。
回路基板22におけるリザーバ21とは反対側の端部には、給電用のコネクタ29が位置している。回路基板22は、外部からコネクタ29を介して供給された電流をコネクタ28に分配し、信号伝達部26に電流を供給する。
ヘッドカバー23は、ヘッド本体20の反対面側に位置しており、信号伝達部26および回路基板22を覆っている。これにより、液体吐出ヘッド8は、信号伝達部26および回路基板22を封止することができる。
また、ヘッドカバー23は、開口23aを有している。回路基板22のコネクタ29は、開口23aから外部に露出するように挿通される。
ヘッドカバー23の内部側面には、駆動IC27が接触している。駆動IC27は、たとえば、ヘッドカバー23の内部側面に押し当てられている。これにより、駆動IC27で発生する熱を、ヘッドカバー23の側面における接触部分から放散(放熱)することができる。
なお、液体吐出ヘッド8は、図3に示した部材以外の部材をさらに含んでもよい。
<ヘッド本体の構成>
次に、図4~6を参照して実施形態に係るヘッド本体20の構成について説明する。図4は、実施形態に係るヘッド本体20の一部拡大平面透視図であり、図の右側領域が透過した領域を示している。図5は、図4に示す領域Aの拡大図である。図6は、図4に示すB-B線に沿った断面図である。
図4、図6に示すように、ヘッド本体20は、流路部材24と圧電アクチュエータ基板25とを有している。流路部材24は、供給マニホールド241と、複数の加圧室242と、複数の第1吐出孔243と、複数の第2吐出孔246とを有している。第1吐出孔243は、吐出孔の一例である。
複数の加圧室242は、供給マニホールド241に繋がっている。複数の第1吐出孔243は、複数の加圧室242にそれぞれ繋がっている。複数の第2吐出孔246は、複数の第1吐出孔243にそれぞれ繋がっている。
加圧室242は、流路部材24の第1面24a(図6参照)に開口している。また、流路部材24の第1面24aは、供給マニホールド241と繋がる開口241aを有している。そして、リザーバ21(図3参照)から、開口241aを介して流路部材24の内部に液体が供給される。
図4に示す例において、ヘッド本体20は、流路部材24の内部に4つの供給マニホールド241を有している。供給マニホールド241は、流路部材24の長手方向に沿って延びる細長い形状を有しており、その両端において、流路部材24の第1面24aに供給マニホールド241の開口241aが形成されている。
流路部材24には、複数の加圧室242が2次元的に広がって形成されている。加圧室242は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。加圧室242は、流路部材24の第1面24aに開口しており、第1面24aに圧電アクチュエータ基板25が接合されることによって閉塞される。
加圧室242は、長手方向に配列された加圧室行を構成する。加圧室行の加圧室242は、近隣する2行の加圧室行の間において千鳥状に配置されている。1つの供給マニホールド241に繋がっている2行の加圧室行によって、1つの加圧室群が構成されている。図4に示す例では、流路部材24が4つの加圧室群を有している。
また、各加圧室群内における加圧室242の相対的な配置は同じになっており、各加圧室群は長手方向にわずかにずれて配置されている。第1吐出孔243は、流路部材24のうち供給マニホールド241と対向する領域を避けた位置に配置されている。すなわち、流路部材24を第1面24a側から透過視した場合に、第1吐出孔243は、供給マニホールド241と重なっていない。
さらに、平面視して、第1吐出孔243および第2吐出孔246は、圧電アクチュエータ基板25の搭載領域に収まるように配置されている。このような第1吐出孔243および第2吐出孔246は、1つの群として圧電アクチュエータ基板25と略同一の大きさおよび形状の領域を占有している。
そして、対応する圧電アクチュエータ基板25の加圧部である変位素子30(図6参照)を変位させることにより、第1吐出孔243に連通する第2吐出孔246から液滴が吐出される。
なお、加圧室242および供給マニホールド241は、個別供給流路245(図6参照)を介して繋がっている。個別供給流路245は、他の部分よりも幅の狭いしぼり36を含んでいる。しぼり36は、個別供給流路245の他の部分よりも幅が狭いため、流路抵抗が高い。このように、しぼり36の流路抵抗が高いとき、加圧室242に生じた圧力は、供給マニホールド241に逃げにくい。
図6に示すように、流路部材24は、プレート群24Pを有している。プレート群24Pは、複数のプレートが積層された積層構造を有している。プレート群24Pには、流路部材24の第1面24aから第2面24bに向かう方向を第1方向D1としたとき、第1面24a側から順に、キャビティプレート24A、ベースプレート24B、アパーチャ(しぼり)プレート24C、サプライプレート24D、マニホールドプレート24E,24F,24G、カバープレート24Hおよびノズルプレート24Iが位置している。
プレート群24Pには、多数の孔が形成されている。プレート群24Pが有する各プレートの厚さは、10μm~300μm程度である。これにより、形成する孔の形成精度を高くすることができる。プレート群24Pは、これらの孔が互いに連通して個別流路244および供給マニホールド241を構成するように、位置合わせして積層されている。
また、流路部材24は、流路部材24の第2面24b上に位置する撥水膜24Mを有している。撥水膜24Mは、第1吐出孔243に連通する第2吐出孔246を有している。なお、撥水膜24Mについては、図7、図8を用いて後述する。
ヘッド本体20は、加圧室242がプレート群24Pの上面に、供給マニホールド241がプレート群24P内部の下面側に、第1吐出孔243がプレート群24Pの下面に、個別流路244を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設されている。また、第2吐出孔246は、流路部材24の下面に配設されている。ヘッド本体20は、供給マニホールド241および第2吐出孔246が加圧室242および第1吐出孔243を介して繋がる構成を有している。
圧電アクチュエータ基板25は、圧電セラミック層25a,25bと、共通電極31と、個別電極32と、接続電極33と、ダミー接続電極34と、表面電極35(図4参照)とを含んでいる。
圧電アクチュエータ基板25は、圧電セラミック層25a、共通電極31、圧電セラミック層25bおよび個別電極32がこの順に積層されている。
圧電セラミック層25a,25bは、それぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電セラミック層25a,25bのいずれの層も複数の加圧室242を跨ぐように延在している。圧電セラミック層25a,25bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料を用いることができる。
共通電極31は、圧電セラミック層25aおよび圧電セラミック層25bの間の領域に面方向の略全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極31は、圧電アクチュエータ基板25に対向する領域内の全ての加圧室242と重なっている。共通電極31の厚さは、2μm程度である。共通電極31は、たとえば、Ag-Pd系などの金属材料を用いることができる。
個別電極32は、個別電極本体32aと、引出電極32bとを含んでいる。個別電極本体32aは、圧電セラミック層25b上のうち加圧室242と対向する領域に位置している。個別電極本体32aは、加圧室242より一回り小さく、加圧室242と略相似な形状である。
引出電極32bは、個別電極本体32aから引き出されている。引出電極32bの一端における加圧室242と対向する領域外に引き出された部分には、接続電極33が形成されている。個別電極32は、たとえば、Au系などの金属材料を用いることができる。
接続電極33は、引出電極32b上に位置し、厚さが15μm程度で凸状である。また、接続電極33は、信号伝達部26(図3参照)に設けられた電極と電気的に接合されている。接続電極33は、たとえば、ガラスフリットを含む銀-パラジウムを用いることができる。
ダミー接続電極34は、圧電セラミック層25b上に位置しており、個別電極32などの各種電極と重ならないように位置している。ダミー接続電極34は、圧電アクチュエータ基板25と信号伝達部26とを接続し、接続強度を高めている。
また、ダミー接続電極34は、圧電アクチュエータ基板25と、圧電アクチュエータ基板25との接触位置の分布を均一化し、電気的な接続を安定させる。ダミー接続電極34は、接続電極33と同等の材料、同等の工程により形成すればよい。
表面電極35は、圧電セラミック層25b上において、個別電極32を避ける位置に形成されている。表面電極35は、圧電セラミック層25bに形成されたビアホールを介して共通電極31と繋がっている。このため、表面電極35は、接地され、グランド電位に保持されている。表面電極35は、個別電極32と同等の材料、同等の工程により形成すればよい。
複数の個別電極32は、個別に電位を制御するために、それぞれが信号伝達部26および配線を介して、個別に制御部14(図1参照)に電気的に接続されている。個別電極32および共通電極31に狭持された圧電セラミック層25bは、個別電極32および共通電極31を異なる電位にして、圧電セラミック層25bに対してその分極方向に電界を印加したとき、電界が印加された部分が圧電効果により歪む活性部として働く。
これにより、加圧室242に対向する、個別電極32と、圧電セラミック層25bと、共通電極31とが変位素子30として機能する。そして、変位素子30がユニモルフ変形することにより、加圧室242を押圧し、第2吐出孔246から液体が吐出される。
ここで、本実施形態における駆動手順を説明する。まず、個別電極32を予め共通電極31より高い電位(以下、高電位という)にしておく。次いで、吐出要求があるごとに個別電極32を共通電極31と一旦同じ電位(以下、低電位という)とし、所定のタイミングで再び高電位とする。
これにより、個別電極32が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層25a,25bが元の形状に戻り、加圧室242の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)よりも増加する。
このとき、加圧室242内に負圧が与えられ、液体が供給マニホールド241側から加圧室242内部に吸い込まれる。その後、再び個別電極32を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層25a,25bが加圧室242側へ向けて凸となるように変形し、加圧室242の容積減少により加圧室242内の圧力が正圧となる。
この結果、加圧室242内部の液体に付与する圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極32に供給することになる。
このパルス幅は、圧力波がしぼり36から第2吐出孔246まで伝播する時間の長さであるAL(Acoustic Length)とすればよい。これによると、加圧室242の内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、第2吐出孔246から連続して吐出される液滴の数、すなわち、液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する第2吐出孔246から連続して行う。
一般に、液体吐出を連続して行う場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとしてもよい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致する。このため、残余圧力波と圧力波とが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。なお、この場合、後から吐出される液滴の速度が速くなり、複数の液滴の着弾点が近くなる。
<第1実施形態に係る撥水膜の構成>
次に、図7、図8を参照して第1実施形態に係る撥水膜24Mの構成について説明する。図7は、図5に示すC-C線に沿った断面の一部拡大図である。図8は、図7に示す撥水膜の平面図である。
図7に示すように、ヘッド本体20は、ノズルプレート24Iの表面で構成される流路部材24の第2面24b上に位置する撥水膜24Mを有する。撥水膜24Mは、第1方向D1に突出した凸部247を有する。ここで、凸部247とは、凸部247よりも第1吐出孔243から離れた領域70における撥水膜24Mの厚さt0よりも高い撥水膜24Mを有する部分をいう。図7、図8に示した例では、撥水膜24Mのうち、平面視で第1吐出孔243と外縁71との間に位置する部分が凸部247である。なお、領域70の厚さt0は、領域70のうち、たとえば平面視で隣り合う第1吐出孔243同士の中間に位置する部分を、光干渉式膜厚計を用いて測定して得た値をいう。なお、得られた厚さt0が測定箇所ごとに相違する場合には、平均した値を厚さt0とする。測定箇所ごとに厚さt0が相違する場合には、5箇所測定し、最大値および最小値を除いた3つの値の平均した厚さをt0とする。また、特に断りの無い限り、以下の説明における流路部材24の各寸法についても、光干渉式膜厚計を用いて測定した結果に基づいて算出する。
また、凸部247は、頂部248を境に外側と内側とがそれぞれ丸みを帯びている。ここで、頂部248とは、第2面24bに対し垂直であり、かつ第1吐出孔243の中心を通る断面において、第1方向D1に最も高い箇所である。
また、図8に示すように、凸部247は、平面視の形状が環状であり、第1吐出孔243を中心とする同心円状に平面視で第1吐出孔243の周囲に位置している。凸部247の内側に位置する第2吐出孔246は、平面視で第1吐出孔243と重なるように位置している。このため、第1吐出孔243から吐出した液滴は、凸部247や第2吐出孔246によって干渉されず、所定の位置へ着弾する。
撥水膜24Mは、たとえば、フッ素を含有するシリコーン系の成膜材料を用いて形成される。具体的には、ノズルプレート24Iの表面に所定の厚さを有する撥水膜24Mを形成し、次いで凸部247となる領域以外に位置する撥水膜24Mの表面にマスクを施した状態で撥水膜24M上に所定の高さだけ撥水膜24Mを積層させ、さらにマスクを除去することにより形成される。撥水膜24Mの積層は、複数回行ってもよい。また、必要に応じて、加熱処理や乾燥処理を施してもよい。凸部247の位置や形状は、マスクの設計や成膜材料の粘度を変更することにより適宜変更することができる。なお、撥水膜24Mおよび凸部247の製法は、上記したものに限られず、いかなる方法で形成してもよい。
ここで、図9を参照して、図7、図8に示す流路部材24のワイピング処理の一例について説明する。図9は、ワイピング処理の一例を示す説明図である。
図9に示すように、ワイピング処理は、第2面24bに沿った第2方向D2にワイパー90を移動させることで、撥水膜24Mの表面24cを払拭し、表面24cに付着していた液体を取り除く処理である。ワイパー90は、たとえば、撥水膜24Mよりも硬い弾性部材である。具体的には、硬度が30~90のゴム部材をワイパー90として適用できる。ここで、ワイパー90の硬度は、たとえば、JIS K 6253で規格されたデュロメータを用いて測定できる。
撥水膜24Mが凸部247を有することにより、ワイピング処理の際にワイパー90が第1吐出孔243の周囲に位置する撥水膜24Mのエッジ部73に接触しにくくなる。このため、ワイピング処理による撥水膜24Mの剥がれが低減される。
また、上記したように、凸部247は、第1方向D1に突出している。このため、凸部247では、ワイピング処理により撥水膜24Mが摩耗しても、撥水膜24Mが長期間にわたって存在しうる。このため、流路部材24の撥水性を維持することができる。また、第1吐出孔243の周囲に凸部247が位置することで、ワイピング処理の際に第1吐出孔243に異物が入りにくくなる。
また、上記したように、凸部247は、頂部248の近傍が丸みを帯びている。このため、ワイピング処理による凸部247およびワイパー90の過度な摩耗や損傷が抑えられる。
また、凸部247は、撥水膜24Mにより形成されているため、たとえば金属製または樹脂製のノズルプレート24Iと一体の凸部を有する構成(ノズルプレート24I自体が凸部を有する構成)と比較して、ワイパー90に対する負荷を低減することができる。
図7、図8に戻り、第1実施形態に係る撥水膜24Mの構成についてさらに説明する。
凸部247は、頂部248を挟んで内側と外側とで第2面24bに対する表面の傾斜が異なってもよい。具体的には、凸部247は、頂部248よりも第1吐出孔243から離れた領域を第1領域R1、頂部248よりも第1吐出孔243に近い領域を第2領域R2としたとき、第2面24bに対する第1領域R1の表面の傾斜θ1が、第2面24bに対する第2領域R2の表面の傾斜θ2よりも小さくてもよい。傾斜θ1,θ2をこのように規定することにより、ワイピング処理の際に、凸部247がワイパー90から受ける外力が小さくなるため、凸部247を含む撥水膜24Mの耐久性が向上する。ここで、傾斜θ1は、図7において、頂部248と外縁71とを結ぶ線分と第2面24bとのなす角度をいう。また、傾斜θ2は、図7において、頂部248と内縁72とを結ぶ線分と第2面24bとのなす角度をいう。なお、内縁72は、第1方向D1に突出する凸部247のうち、頂部248よりも第1吐出孔243に近い頂部248の内側に位置する境界である。
また、撥水膜24Mは、凸部247の頂部248が、領域70における撥水膜24Mの厚さt0の1.2倍以上1.5倍以下の高さt1を有していてもよい。これにより、たとえばワイピング処理の繰り返しによって凸部247の一部が摩耗した場合であっても、凸部247が残存することとなり、撥水膜24Mの耐久性を向上させることができる。また、第1吐出孔243からの液体の吐出を妨げることなく、吐出される液体の液滴量を安定させることができる。また、ワイピング処理時に凸部237のみに接触しにくくなり、撥水膜24Mの領域70についてもワイピング処理できる。ここで、厚さt0は、たとえば100nm程度とすることができる。また、頂部248の高さが部位ごとに異なる場合には、平均の高さを高さt1とすることができる。なお、凸部247の頂部248の全体の個数のうち、60%以上が、領域70における撥水膜24Mの厚さt0の1.2倍以上1.5倍以下の高さt1を有しているときには、さらに、吐出される液体の液滴量を安定させることができる。
また、凸部247は、第1吐出孔243を挟んで向かい合う対向凸部において、頂部248間の距離w1が、第1吐出孔243の開口直径w0の4.0倍以上6.6倍以下であってもよい。これにより、撥水膜24Mの耐久性を良好なものとすることができる。また、第1吐出孔243からの液体の吐出を妨げることなく、吐出される液体の液滴量を安定させることができる。さらに、凸部247と第2吐出孔246との間においても、撥水性を確保できる。ここで、開口直径w0は、たとえば10~30μm程度とすることができる。
<第2実施形態に係る撥水膜の構成>
次に、図10、図11を参照して第2実施形態に係る撥水膜24Mの構成について説明する。図10は、第2実施形態に係る流路部材の一部拡大断面図である。図11は、図10に示す撥水膜の平面図である。
なお、以下の説明では、第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する場合がある。
第2実施形態に係るヘッド本体20では、流路部材24の第2面24b上に位置する撥水膜24Mが、頂部248よりも第1吐出孔243に近い第2領域R2から第1吐出孔243の縁までの領域である第3領域R3にも位置している。これにより、第2領域R2よりも内側の第3領域R3に位置する流路部材24においても、第2面24bの撥水性を確保できる。
<第3実施形態に係る撥水膜の構成>
次に、図12、図13を参照して第3実施形態に係る撥水膜24Mの構成について説明する。図12は、第3実施形態に係る流路部材の一部拡大断面図である。図13は、図12に示す撥水膜の平面図である。
第3実施形態に係るヘッド本体20では、第2面24bに対する第3領域R3の表面の傾斜θ4が、第2面24bに対する第2領域R2の表面の傾斜θ3よりも小さくなるよう、流路部材24の第2面24b上に撥水膜24Mが位置している。これにより、ワイピング処理の際に、ワイパー90から受ける外力に応じて、凸部247が内側へも外側へも撓みやすい形状となり、変形しやすくなる。このため、凸部247の耐久性(耐摩耗性)がより向上する。ここで、傾斜θ3は、図12において、頂部248と内縁72とを結ぶ線分と、第2面24bとのなす角度である。また、傾斜θ4は、図12において、第1吐出孔243および撥水膜24Mが接触する接触部75と内縁72とを結ぶ線分と、第2面24bとのなす角度である。
<第4実施形態に係る撥水膜の構成>
次に、図14、図15を参照して第4実施形態に係る撥水膜24Mの構成について説明する。図14は、第4実施形態に係る流路部材の一部拡大断面図である。図15は、図14に示す撥水膜の平面図である。
第4実施形態に係るヘッド本体20では、凸部247の第2領域R2から第1吐出孔243の縁までの領域を第3領域R3としたとき、第3領域R3が、表面に平坦部249を有するよう、流路部材24の第2面24b上に撥水膜24Mが位置している。これにより、凸部247と第2吐出孔246との間に異物が入った場合であっても、異物が第2吐出孔246から第1吐出孔243に入りにくくなる。ここで、平坦部249は、第3領域R3のうち、撥水膜24Mの表面が第2面24bに対して1°以内の平行度を有し、かつJIS B0021(1998)で規定される平面度が1mm以下である連続した部分をいう。
<変形例に係る撥水膜の構成>
次に、図16A~図16Cを参照して変形例に係る撥水膜24Mの構成について説明する。図16A~図16Cは、第1~第3変形例に係る撥水膜の一部の平面図である。
図16Aに示すように、第1変形例に係るヘッド本体20が有する流路部材24は、平面視した凸部247の形状が環状ではなく、弧状である点で各実施形態に係る撥水膜24Mと相違する。このような凸部247を有する場合であっても、ワイピング処理による撥水膜24Mの剥がれが低減される。なお、図16Aの態様の場合、ワイパー90(図10参照)は、第2方向D2に移動すると、ワイパー90と凸部247との接触面積が大きくなり、撥水膜24Mの剥がれがより効果的に低減される。
また、図16Bに示すように、凸部247が、第1吐出孔243を挟んで向かい合う対向凸部247a,247bを有してもよい。このような凸部247を有する場合であっても、ワイピング処理による撥水膜24Mの剥がれが低減される。なお、図16Bの態様の場合、ワイパー90は、第2方向D2に移動すると、ワイパー90と凸部247との接触面積が大きくなり、撥水膜24Mの剥がれがより効果的に低減される。
また、図16Cに示すように、凸部247が、必ずしも第1吐出孔243を挟んで向かい合わなくてもよい。このような凸部247を有する場合であっても、ワイピング処理による撥水膜24Mの剥がれが低減される。このとき、ワイピング処理におけるワイパー90の移動方向に対し、凸部247との接触面積が最大となるように第1吐出孔243に対する凸部247の位置を調整すると、撥水膜24Mの剥がれがより効果的に低減される。具体的には、ワイパー90が、第2方向D2に移動するとよい。
また、上記した各実施形態および変形例では、平面視の形状が略円形状または円弧状の凸部247を有する撥水膜24Mについて説明したが、これに限らない。この点について、図17A、図17Bを例に挙げて説明する。図17A、図17Bは、第4、第5変形例に係る撥水膜の一部の平面図である。
図17Aに示すように、第4変形例に係るヘッド本体20が有する流路部材24は、平面視した凸部247の形状が楕円形状である点で各実施形態に係る撥水膜24Mと相違する。また、図17Bに示すように、第5変形例に係るヘッド本体20が有する流路部材24は、平面視した凸部247の形状が略正方形状である点で各実施形態に係る撥水膜24Mと相違する。このような凸部247を有する場合であっても、ワイピング処理による撥水膜24Mの剥がれが低減される。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上述の実施形態では、流路部材24のプレート群24Pが積層された複数のプレートで構成された例について示したが、プレート群24Pは積層された複数のプレートで構成されている場合に限られない。
たとえば、供給マニホールド241や個別流路244などをエッチング処理で形成することにより、流路部材24を構成してもよい。
また、撥水膜24Mは、凸部247の頂部248から第1吐出孔243の縁までの表面、すなわち第2吐出孔246の表面(ただし、平坦部249(図14参照)を除く)が曲面であってもよい。このとき、凸部247の頂部248から第1吐出孔243の縁までを断面視すると、平坦部249を除き、表面の勾配が連続して変化する曲面を有している。より具体的には、第2吐出孔246の表面の勾配は連続的に変化しており、滑らかに傾斜するスロープ状の表面形状を有している。これにより、凸部247の内側に位置する第2吐出孔246における撥水膜24Mの耐久性(耐摩耗性)をさらに向上させることができる。
以上のように、実施形態に係る液体吐出ヘッド8は、流路部材24と、加圧部(変位素子30)と、複数の吐出孔(第1吐出孔243)とを備える。流路部材24は、第1面24aおよび第1面24aの反対側に位置する第2面24bを有する。加圧部(変位素子30)は、第1面24a上に位置する。複数の吐出孔(第1吐出孔243)は、第2面24bに位置する。流路部材24は、第2面24b上に撥水膜24Mを有する。撥水膜24Mは、第1面24aから第2面24bに向かう方向を第1方向D1としたとき、第1方向D1に突出した凸部247を有する。凸部247は、第2面24bの平面視で吐出孔(第1吐出孔243)の周囲に位置し、平面視の形状が環状または弧状である。このため、ワイパー90に対する負荷を低減することができる。
また、液体吐出ヘッド8において、凸部247は、凸部247の頂部248よりも吐出孔(第1吐出孔243)から離れた第1領域R1と、頂部248よりも吐出孔(第1吐出孔243)に近い第2領域R2とを有し、第2面24bに対する第1領域R1の表面の傾斜θ1が、第2面24bに対する第2領域R2の表面の傾斜θ2よりも小さくてもよい。これにより、ワイパー90に対する負荷を低減することができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、撥水膜24Mは、第2領域R2から吐出孔(第1吐出孔243)の縁までの領域(第3領域R3)に位置してもよい。これにより、第3領域R3に位置する流路部材24においても、第2面24bの撥水性を確保できる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、撥水膜24Mは、第2領域R2から吐出孔(第1吐出孔243)の縁までの領域を第3領域R3としたとき、第2面24bに対する第3領域R3の表面の傾斜θ4が、第2面24bに対する第2領域R2の表面の傾斜θ3よりも小さくてもよい。これにより、凸部247の耐久性(耐摩耗性)が向上する。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、撥水膜24Mは、第2領域R2から吐出孔(第1吐出孔243)の縁までの領域を第3領域R3としたとき、第3領域R3が表面に平坦部249を有していてもよい。これにより、異物が第2吐出孔246から第1吐出孔243に入りにくくなる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、撥水膜24Mは、凸部247の少なくとも一つが、凸部247よりも吐出孔(第1吐出孔243)から離れた領域70における撥水膜24Mの厚さt0の1.2倍以上1.5倍以下の高さt1を有していてもよい。これにより、撥水膜24Mの耐久性を向上させることができる。また、第1吐出孔243から吐出される液体の液滴量を安定させることができる。
また、実施形態に係る液体吐出ヘッド8において、撥水膜24Mは、吐出孔(第1吐出孔243)を挟んで向かい合う対向凸部を有し、対向凸部は、頂部248間の距離w1が、吐出孔(第1吐出孔243)の開口直径w0の4.0倍以上6.6倍以下であってもよい。これにより、第1吐出孔243から吐出される液体の液滴量を安定させることができる。さらに、凸部247と第2吐出孔246との間においても、撥水性を確保できる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 プリンタ(記録装置の一例)
4 塗布機
6 搬送ローラ(搬送部の一例)
8 液体吐出ヘッド
10 乾燥機
14 制御部
24 流路部材
24a 第1面
24b 第2面
24c 表面
24M 撥水膜
30 変位素子(加圧部の一例)
243 第1吐出孔(吐出孔の一例)
246 第2吐出孔
247 凸部
248 頂部
249 平坦部

Claims (12)

  1. 第1面および前記第1面の反対側に位置する第2面を有する流路部材と、
    前記第1面上に位置する加圧部と、
    前記第2面に位置する複数の吐出孔と
    を備え、
    前記流路部材は、
    前記第2面上に撥水膜を有し、
    前記撥水膜は、
    前記第1面から前記第2面に向かう方向を第1方向としたとき、前記第1方向に突出した凸部を有し、
    前記凸部は、前記第2面の平面視で前記吐出孔の周囲に位置し、前記平面視の形状が環状または弧状であり、
    前記第2面は前記第1方向に向かって突出しておらず、前記流路部材と前記撥水膜との境界から前記第1方向に向かう前記撥水膜の厚さが前記吐出孔の周囲で厚くなって前記凸部になってい
    液体吐出ヘッド。
  2. 前記凸部は、
    前記凸部の頂部よりも前記吐出孔から離れた第1領域と、前記頂部よりも前記吐出孔に近い第2領域とを有し、
    前記第2面に対する前記第1領域の表面の傾斜は、前記第2面に対する前記第2領域の表面の傾斜よりも小さい
    請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記撥水膜は、前記第2領域から前記吐出孔の縁までの領域にも位置する
    請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記撥水膜は、前記第2領域から前記吐出孔の縁までの領域を第3領域としたとき、
    前記第2面に対する前記第3領域の表面の傾斜は、前記第2面に対する前記第2領域の表面の傾斜よりも小さい
    請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記撥水膜は、前記第2領域から前記吐出孔の縁までの領域を第3領域としたとき、
    前記第3領域は、表面に平坦部を有する
    請求項3または4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記撥水膜は、前記凸部の頂部から前記吐出孔の縁までの表面が曲面である
    請求項1~4のいずれか1つに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記撥水膜は、前記凸部の少なくとも一つが、前記凸部よりも前記吐出孔から離れた領域における前記撥水膜の厚さの1.2倍以上1.5倍以下の高さを有する
    請求項1~6のいずれか1つに記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記撥水膜は、前記吐出孔を挟んで向かい合う対向凸部を有し、
    前記対向凸部は、頂部間の距離が、前記吐出孔の開口直径の4.0倍以上6.6倍以下である
    請求項1~7のいずれか1つに記載の液体吐出ヘッド。
  9. 請求項1~8のいずれか1つに記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送部と
    を備える
    記録装置。
  10. 請求項1~8のいずれか1つに記載の液体吐出ヘッドと、
    記録媒体にコーティング剤を塗布する塗布機と
    を備える
    記録装置。
  11. 請求項1~8のいずれか1つに記載の液体吐出ヘッドと、
    記録媒体を乾燥させる乾燥機と
    を備える
    記録装置。
  12. 前記撥水膜の表面を払拭するワイパー
    をさらに備え、
    前記ワイパーの硬度が、30~90である
    請求項9~11のいずれか1つに記載の記録装置。
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