JP7213079B2 - 熱収縮性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、熱収縮性フィルムに関する。
熱収縮性フィルムは、熱を加えることで収縮する性質を利用して、飲料用のPETボトルに装着されるラベル用途等に用いられている。
従来、熱収縮性フィルムとしては、化石燃料由来樹脂からなるものが多用されていた(例えば、特許文献1参照)。
化石燃料由来樹脂は、資源に限りがある石油等を原料とするとから、将来的に資源が不足することや、環境に負荷を与えることなどの問題がある。
そこで、上記のような問題を解決するための方法の1つとして、化石燃料由来樹脂の一部を植物由来の材料に置き換えることが検討されている。
特開2008-133315号公報
しかしながら、化石燃料由来樹脂の一部を植物由来の材料に置き換えて製造された熱収縮性フィルムとしては、従来の化石燃料由来樹脂のみからなる熱収縮性フィルムと比較して、透明性や成形加工性が十分でなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、環境負荷が少なく、従来の化石燃料由来樹脂のみからなるフィルムと比べて遜色がない優れた透明性および成形加工性を有する熱収縮性フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含有する層を少なくとも1層有する、熱収縮性フィルム。
[2]ASTM D 6866に基づいて測定した植物度が4.5%以上である、[1]に記載の熱収縮性フィルム。
[3]JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠した方法で測定したヘイズ値が10%以下である、[1]または[2]に記載の熱収縮性フィルム。
[4]JIS Z 1709「収縮包装用フィルム」に準拠した方法で測定した70℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が15%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[5]JIS Z 1709「収縮包装用フィルム」に準拠した方法で測定した98℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が60%以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[6]ASTM D 6866に基づいて測定した前記植物由来ポリエチレン樹脂の植物度が80%以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[7]ASTM D 792に基づいて測定した前記植物由来ポリエチレン樹脂の密度が0.910g/cm以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
本発明によれば、環境負荷が少なく、従来の化石燃料由来樹脂のみからなるフィルムと比べて遜色がない優れた透明性および成形加工性を有する熱収縮性フィルムを提供することができる。
[熱収縮性フィルム]
本発明の熱収縮性フィルムの一態様について説明する。
本実施形態の熱収縮性フィルムは、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含有する層(以下、「複合樹脂層」という。)を少なくとも1層有する。
本実施形態の熱収縮性フィルムとしては、例えば、上記の複合樹脂層の1層のみからなる単層フィルム、上記の複合樹脂層が2層以上積層されてなる積層フィルム等が挙げられる。本実施形態の熱収縮フィルムの層構成(複合樹脂層の数)は、用途等に応じて適宜設定される。
本実施形態の熱収縮性フィルムは、ASTM D 6866に基づいて測定した植物度が4.5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。
熱収縮性フィルムの植物度が前記範囲の下限値以上であれば、環境負荷を低減することができる。
本実施形態の熱収縮性フィルムは、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠した方法で測定したヘイズ値が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
熱収縮性フィルムのヘイズ値が前記範囲の上限値以下であれば、熱収縮性フィルムは透明性に優れる。そのため、熱収縮性フィルムの表面に印刷を施した場合、その印刷が下地となる熱収縮性フィルムの影響を受け難く、印刷後の熱収縮性フィルムの外観が損なわれない。
本実施形態の熱収縮性フィルムは、JIS Z 1709「収縮包装用フィルム」に準拠した方法で測定した70℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
熱収縮性フィルムの70℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が前記範囲の上限値以下であれば、熱収縮性フィルムを熱収縮させる場合に、比較的低温の領域における熱収縮性フィルムの収縮が穏やかになり、熱収縮性フィルムがゆっくりと収縮する。そのため、例えば、熱収縮性フィルムをPETボトル等の容器に装着する際に、シワや収縮斑が生じることを防止することができる。すなわち、成形加工性を改善することができる。
本実施形態の熱収縮性フィルムは、JIS Z 1709「収縮包装用フィルム」に準拠した方法で測定した100℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が60%以上であることが好ましく、65%~75%であることがより好ましい。
熱収縮性フィルムの100℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が前記範囲の下限値以上であれば、熱収縮性フィルムを種々の容器に装着することが可能となり、熱収縮性フィルムの収縮不足による装着不良を防止することができる。すなわち、成形加工性を改善することができる。
本実施形態の熱収縮性フィルムの厚さは、20μm~80μmであることが好ましい。
熱収縮性フィルムの厚さが前記範囲の下限値以上であれば、熱収縮性フィルムを製造し易い。一方、熱収縮性フィルムの厚さが前記範囲の上限値以下であれば、複合樹脂層の単位面積当たりの樹脂使用量が抑えられ、経済性がよい。
「ポリスチレン系樹脂」
ポリスチレン系樹脂は、ブタジエン成分を共重合してなる樹脂であり、アタクチック構造を有する。ポリスチレン系樹脂は、非晶質(アモルファス)の樹脂である。
ブタジエン成分としては、1,3-ブタジエン、1,2-ブタジエンが挙げられる。すなわち、ポリスチレン系樹脂は、1,3-ブタジエンと1,2-ブタジエンを共重合してなる樹脂である。1,3-ブタジエンと1,2-ブタジエンの比率は、特に限定されず、目的とする熱収縮性フィルムの熱収縮率等に応じて適宜設定される。
ポリスチレン系樹脂は、JIS K 7206「プラスチック-熱可塑性プラスチック-ビカット軟化温度(VST)の求め方」のB50法に準拠した方法で測定したビカット軟化温度が、65℃~95℃であることが好ましく、70℃~85℃であることがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度が前記範囲の下限値以上であれば、比較的気温の高い時期であっても自然収縮率を低く抑えることができる。一方、ポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度が前記範囲の上限値以下であれば、十分な柔軟性を有するため、低温加工性が良好である。
ポリスチレン系樹脂は、JIS K 7210-1「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方-第1部:標準的試験方法」に準拠した方法において、荷重5kg、試験温度200℃で測定したメルトマスフローレイト(MFR)が、1.0g/10min~10.0g/10minであることが好ましく、3.0g/10min~7.0g/10minであることがより好ましい。
ポリスチレン系樹脂のMFRが前記範囲の下限値以上であれば、フィルム製膜時に脈動などのフィルムの製膜安定性低下を生じ難い。一方、ポリスチレン系樹脂のMFRが前記範囲の上限値以下であれば、フィルム製膜時に破断し難い。
「植物由来ポリエチレン樹脂」
植物由来ポリエチレン樹脂としては、例えば、サトウキビ由来の低密度ポリエチレン等が挙げられる。
植物由来ポリエチレン樹脂は、JIS K 7210-1「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方-第1部:標準的試験方法」に準拠した方法において、荷重2.16kg、試験温度190℃で測定したメルトマスフローレイト(MFR)が、0.5g/10min~5.0g/10minであることが好ましく、1.0g/10min~4.0g/10minであることがより好ましい。
植物由来ポリエチレン樹脂のMFRが前記範囲の下限値以上であれば、フィルム製膜時に優れた押出加工性が得られる。一方、植物由来ポリエチレン樹脂のMFRが前記範囲の上限値以下であれば、混練ムラが生じにくく、フィルムの外観が良好である。
植物由来ポリエチレン樹脂は、ASTM D 792に基づいて測定した密度が0.910g/cm以上であることが好ましい。
植物由来ポリエチレン樹脂の密度が前記範囲の下限値以上であれば、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含有する、本実施形態の熱収縮性フィルムの透明性が向上する。
植物由来ポリエチレン樹脂は、ASTM D 6866に基づいて測定した植物度が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
植物由来ポリエチレン樹脂の植物度が前記範囲の下限値以上であれば、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含有する、本実施形態の熱収縮性フィルムの透明性が向上する。
複合樹脂層における植物由来ポリエチレン樹脂の含有量は、ポリスチレン系樹脂を100質量部とした場合、4.5質量部~25質量部であることが好ましく、10質量部~25質量部であることがより好ましい。
植物由来ポリエチレン樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、環境負荷を低減することができる。一方、植物由来ポリエチレン樹脂の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、熱収縮性フィルムのヘイズ値が高くなり過ぎることがなく、熱収縮性フィルムの透明性は透明性に優れる。
本実施形態の熱収縮性フィルムは、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂以外の成分(他の成分)を含んでいてもよい。
他の成分としては、有機滑剤(長鎖脂肪酸エステル等)、安定剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
複合樹脂層における他の成分の含有量は、ポリスチレン系樹脂を100質量部とした場合、4.5質量部~25質量部であることが好ましく、10質量部~25質量部であることがより好ましい。
「熱収縮性フィルムの製造方法」
本実施形態の熱収縮性フィルムは、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含む樹脂材料を溶融押出しして未延伸フィルムを得る押出成形工程と、未延伸フィルムを長手方向に延伸し、ついで幅方向に延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、延伸フィルムを熱処理する熱処理工程とを有する方法によって製造される。
押出成形工程においては、例えば、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含む樹脂材料を押出機で溶融し、Tダイからキャストロール上に吐出する。溶融温度は、例えば、190℃~210℃である。キャストロールの温度は、常温付近が好ましい。
延伸工程において、未延伸フィルムを長手方向に延伸する際に用いる縦延伸装置としては、低速で回転する加熱ロール群と、加熱ロール群よりも高速で回転する非加熱ロール群とを備え、これらの回転速度差によってフィルムを縦延伸する装置が挙げられる。
未延伸フィルムを長手方向に延伸する際の延伸倍率は、3.5倍~5倍であることが好ましく、4倍~4.5倍であることがより好ましい。
未延伸フィルムを長手方向に延伸する際の延伸倍率が前記範囲の下限値以上であれば、100℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が60%以上である熱収縮性フィルムを製造し易い。一方、未延伸フィルムを長手方向に延伸する際の延伸倍率が前記範囲の上限値以下であれば、延伸時にフィルムの白化や破断が生じ難い。
未延伸フィルムを長手方向に延伸する際の延伸温度は、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含む樹脂材料のガラス転移温度(Tg)よりも5℃~15℃高い温度であることが好ましく、ガラス転移温度(Tg)よりも7℃~12℃高い温度であることがより好ましい。
未延伸フィルムを長手方向に延伸する際の延伸温度が前記範囲の下限値以上であれば、延伸時に未延伸フィルムの白化や破断が生じ難い。一方、未延伸フィルムを長手方向に延伸する際の延伸温度が前記範囲の上限値以下であれば、樹脂の軟化による延伸装置への未延伸フィルムの粘着によるトラブルが起こり難い。
延伸工程において、未延伸フィルムを幅方向に延伸する際に用いる横延伸装置としては、未延伸フィルムの幅方向の両端部をクリップで把持して横延伸するテンター装置が挙げられる。
未延伸フィルムを幅方向に延伸する際の延伸倍率は、1倍~1.3倍であることが好ましく、1倍~1.1倍であることがより好ましい。
未延伸フィルムを幅方向に延伸する際の延伸倍率が前記範囲の下限値以上であれば、フィルムの幅方向の厚さ均一性を向上させるうえで好ましい。一方、未延伸フィルムを幅方向に延伸する際の延伸倍率が前記範囲の上限値以下であれば、幅方向のフィルムの収縮が抑えられ、熱収縮性フィルムを容器に装着する際、容器の縦方向にヒケが発生し難い。
未延伸フィルムを幅方向に延伸する際の延伸温度は、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含む樹脂材料のガラス転移温度(Tg)よりも-5℃~10℃高い温度であることが好ましく、ガラス転移温度(Tg)よりも-5℃~5℃高い温度であることがより好ましい。
未延伸フィルムを幅方向に延伸する際の延伸温度が前記範囲の下限値以上であれば、延伸時に未延伸フィルムの白化や破断が生じ難い。一方、未延伸フィルムを幅方向に延伸する際の延伸温度が前記範囲の上限値以下であれば、100℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が60%以上である熱収縮性フィルムを製造し易い。
熱処理工程においては、延伸フィルムの幅方向の両端部をクリップで把持した状態で熱処理することが好ましい。このような熱処理は、例えば、前記横延伸装置に用いられるテンター装置において、横延伸に続けて付設された熱処理ゾーンにて行うことが好ましい。
熱処理温度は、未延伸フィルムを幅方向に延伸する際の延伸温度よりも0℃~20℃高い温度であることが好ましく、未延伸フィルムを幅方向に延伸する際の延伸温度よりも5℃~15℃高い温度であることがより好ましい。
熱処理温度が前記範囲の下限値以上であれば、70℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が15%以下である熱収縮性フィルムを製造し易い。一方、熱処理温度が前記範囲の上限値以下であれば、熱収縮性フィルムの収縮率が低下し難い。
熱収縮性フィルムには、グラビア印刷機等の印刷機によって印刷を施してもよい。
熱収縮性フィルムには、特定の性能を付与するために、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、活性エネルギー線照射処理(紫外線、α線、β線、γ線、電子線等)、樹脂被覆処理(ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等)、金属蒸着等を施してもよい。
本実施形態の熱収縮性フィルムによれば、ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含有する層を少なくとも1層有するため、環境負荷が少なく、従来の化石燃料由来樹脂のみからなるフィルムと比べて遜色がない優れた透明性および成形加工性を有する熱収縮性フィルムを提供することができる。すなわち、本実施形態の熱収縮性フィルムは、ポリスチレン系樹脂を含有するため、透明性に優れる。また、本実施形態の熱収縮性フィルムは、植物由来ポリエチレン樹脂を含有するため、環境負荷が少なく、成形加工性に優れる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1、実施例2、比較例1~比較例6]
表1に示すベース樹脂と植物由来樹脂を含む樹脂材料を、真空ベント式二軸押出機に供給して200℃で溶融し、25℃にコントロールした水冷式キャストロール上にTダイから押出して、未延伸フィルムを得た。なお、ベース樹脂を100質量部とした場合、樹脂材料における植物由来樹脂の含有量(質量部)を表1に示す。
未延伸フィルムを縦延伸装置に供給して延伸した後、テンター(横延伸装置)に導いて延伸した。
その後、85℃で熱処理して巻取機でロール状に巻取って、厚さ45μmの熱収縮性フィルムを得た。
表1に示すベース樹脂のSBCとしては、ブタジエン成分を共重合してなり、アタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂(商品名:クリアレン、電気化学工業社製)を用いた。
表1に示すベース樹脂のポリエステルAとしては、非晶性ポリエステル系樹脂(商品名:PETG 6763、イーストマンケミカル社製)を用いた。
表1に示す植物由来樹脂のPE(植物由来PE樹脂)としては、低密度ポリエチレン(植物度:95%、商品名:SEB853、ブラスケム社製)を用いた。
表1に示す植物由来樹脂のPBS(植物由来PBS樹脂)としては、ポリブチレンサクシネート(植物度:51%、商品名:BioPBS FZ091、バイオケム社製)を用いた。
SBC、ポリエステルA、PEおよびPBSについて、ビカット軟化温度、メルトマスフローレイト(MFR)、ガラス転移温度(Tg)、IV値(固有粘度)、密度および植物度を表2に示す。
ビカット軟化温度を、JIS K 7206「プラスチック-熱可塑性プラスチック-ビカット軟化温度(VST)の求め方」のB50法に準拠した方法で測定した。
メルトマスフローレイト(MFR)JIS K 7210-1「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方-第1部:標準的試験方法」に準拠した方法で測定した。なお、SBCに関しては、荷重5kg、試験温度200℃でメルトマスフローレイト(MFR)を測定した。PEおよびPBSに関しては、荷重2.16kg、試験温度190℃でメルトマスフローレイト(MFR)を測定した。
ガラス転移温度(Tg)を、JIS K 7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠した方法で測定した。
IV値(固有粘度)を、JIS K7367-1「プラスチック-毛細管形粘度計を用いたポリマー希釈溶液の粘度の求め方-第1部:通則」に準拠した方法で測定した。
密度を、ASTM D 792に基づいて測定した。
植物度を、ASTM D 6866に基づいて測定した。
「評価」
(1)植物度
実施例1、実施例2および比較例1~比較例6の熱収縮性フィルムの植物度を、ASTM D 6866に基づいて測定した。
植物度が4.5%以上の場合を「○」、植物度が4.5%未満の場合を「×」とした。結果を表1に示す。
(2)ヘイズ値
実施例1、実施例2および比較例1~比較例6の熱収縮性フィルムのヘイズ値を、JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠した方法で測定した。
ヘイズ値が10%以下の場合を「○」、ヘイズ値が10%を超える場合を「×」とした。結果を表1に示す。
(3)収縮率(70℃、10秒)
実施例1、実施例2および比較例1~比較例6の熱収縮性フィルムについて、JIS Z 1709「収縮包装用フィルム」に準拠した方法で、70℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率を測定した。
熱収縮率が15%以下の場合を「○」、熱収縮率が15%を超える場合を「×」とした。結果を表1に示す。
(4)収縮率(98℃、10秒)
実施例1、実施例2および比較例1~比較例6の熱収縮性フィルムについて、JIS Z 1709「収縮包装用フィルム」に準拠した方法で、98℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率を測定した。
熱収縮率が60%以上の場合を「○」、熱収縮率が60%未満の場合を「×」とした。結果を表1に示す。
Figure 0007213079000001
Figure 0007213079000002
表1の結果から、実施例1および実施例2の熱収縮性フィルムは、植物由来PE樹脂を含むため、植物由来樹脂を含まない比較例1の熱収縮性フィルムと比べて、植物度が高く、環境負荷が少ない。
実施例1および実施例2の熱収縮性フィルムは、植物由来PE樹脂を含むため、植物由来PBS樹脂を3質量部含む比較例2の熱収縮性フィルムと比べて、植物度が高く、環境負荷が少ないとともに、ヘイズ値が低く、透明性に優れることが分かった。
実施例1および実施例2の熱収縮性フィルムは、植物由来PE樹脂を含むため、植物由来PBS樹脂を含む比較例3の熱収縮性フィルムと比べて、ヘイズ値が低く、透明性に優れることが分かった。
実施例1および実施例2の熱収縮性フィルムは、植物由来PE樹脂を含むため、植物由来PBS樹脂を含む比較例4の熱収縮性フィルムと比べて、ヘイズ値が低く、透明性に優れるとともに、98℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が高く、成形加工性に優れることが分かった。
実施例1および実施例2の熱収縮性フィルムは、ベース樹脂としてポリスチレン系樹脂を含むため、ベース樹脂として非晶性ポリエステル系樹脂を含む比較例5の熱収縮性フィルムと比べて、ヘイズ値が低く、透明性に優れることが分かった。
実施例1および実施例2の熱収縮性フィルムは、ベース樹脂としてポリスチレン系樹脂を含み、植物由来PE樹脂を含むため、ベース樹脂として非晶性ポリエステル系樹脂を含み、植物由来PBS樹脂を含む比較例6の熱収縮性フィルムと比べて、ヘイズ値が低く、透明性に優れることが分かった。
本発明の熱収縮性フィルムは、飲料用のPETボトルに装着されるラベル用途等に有用である。

Claims (7)

  1. ポリスチレン系樹脂と植物由来ポリエチレン樹脂を含有する層を少なくとも1層有
    前記ポリスチレン系樹脂は、ブタジエン成分を共重合してなる樹脂であり、アタクチック構造を有する、熱収縮性フィルム。
  2. ASTM D 6866に基づいて測定した植物度が4.5%以上である、請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
  3. JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠した方法で測定したヘイズ値が10%以下である、請求項1または2に記載の熱収縮性フィルム。
  4. JIS Z 1709「収縮包装用フィルム」に準拠した方法で測定した70℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が15%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルム。
  5. JIS Z 1709「収縮包装用フィルム」に準拠した方法で測定した98℃の温水中に10秒間浸漬した場合の熱収縮率が60%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルム。
  6. ASTM D 6866に基づいて測定した前記植物由来ポリエチレン樹脂の植物度が80%以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルム。
  7. ASTM D 792に基づいて測定した前記植物由来ポリエチレン樹脂の密度が0.910g/cm以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルム。
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