JP6641767B2 - 熱収縮性フィルムの製造方法。 - Google Patents
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本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、塗剤等の乾燥工程では低収縮性であることから皺などがなく平面性を維持し、その後、より高温領域においては高収縮性を示すフィルムを製造するものである。ここで、本発明の乾燥工程における低温収縮性の低温と、乾燥した後にフィルムを一方向に偏向収縮させる際の高収縮工程における高温は、必要性能によってある程度の範囲内にて変化するものであるが、本発明においては、熱収縮性フィルムを構成する樹脂の温度変調DSCから得られるガラス転移温度Tg+20℃以下を低温領域とし、ガラス転移温度Tg+20℃を超えると高温領域とする。
また、本発明に使用される熱可塑性樹脂としては、各種機能層の塗工工程および、乾燥工程での耐熱性の観点から、製造後のフィルムのガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。ここで、製造後のフィルムのガラス転移温度は、温度変調DSCによって測定することができる。
本発明の熱収縮フィルムの製造方法においては、幅方向に1.5倍以上6倍以下で延伸(TD−1)する工程を有することが必要である。フィルムのガラス転移温度は延伸によって上昇するが、低温領域における熱収縮性を付与するために熱収縮性フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度を上昇させるためには、幅方向の延伸倍率を1.5倍以上とする必要がある。一方、幅方向の高倍率延伸は配向に伴うガラス転移温度上昇、および生産性や平面性の向上にとって有利であるが、延伸倍率が6倍を超えると、延伸工程においてフィルム破れが起きやすくなる場合があり、生産性が低下するおそれがある。低温領域における低収縮性と生産性の両立の観点からは、幅方向の延伸倍率は2.0倍以上、5.5倍以下が好ましく、2.5倍以上、5.0倍以下が好ましく、3.0倍以上、4.5倍以下が最も好ましい。延伸方法としては、特に限定されないが、ステンター方式にてフィルム幅方向両端をクリップやピンなどの把持具で把持して延伸する方法を好ましく用いることができる。延伸温度としては、熱収縮性フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度以上、ガラス転移温度+30℃以下であることが好ましい。延伸温度がガラス転移温度よりも低い場合、延伸工程においてフィルムが破れやすくなる可能性があり、ガラス転移温度+30℃を超えると、フィルムのガラス転移温度を上昇させるために必要な配向が得られないことがある。ここで、本発明における幅方向の延伸温度とは、延伸区間における最高温度のことであり、たとえばステンター方式で延伸する場合には、延伸区間のステンター内の温度のうち最高温度を意味する。また、生産性とハンドリング性の点から延伸速度は1,000%/分以上200,000%/分以下であることが好ましい。さらに、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、TD−1の後に熱処理(i−HS)を施してもよい。熱処理を行う場合、熱処理温度は、延伸による配向を維持させるためには、延伸温度+40℃以下が好ましく、配向の維持と後の長手方向の延伸(MD−1)における延伸性の両立のためには、延伸温度−50℃以上、延伸温度+30℃以下がより好ましく、延伸温度−30℃以上、延伸温度+20℃以下が最も好ましい。熱処理温度とは、延伸温度と同様に、熱処理区間のステンター内の温度のうち最高温度を意味する。
本発明の製造方法においては、TD−1の後に長手方向に1.1倍以上、4倍以下で延伸(MD−1)する工程を有することが必要である。本工程にて、長手方向への偏向高収縮特性を付与することができる。長手方向の延伸倍率が1.1倍よりも低い場合、高温領域における熱収縮性を十分に発現しないおそれがあり、4倍を超えると低温領域における熱収縮性が高くなり、本発明の目的である低温領域における低熱収縮性を達成できない恐れがある。高温領域における高熱収縮性と低温領域における低熱収縮性の両立のためには、延伸倍率を1.2倍以上3.5倍以下とすることが好ましく、1.4倍以上3.0倍以下とすることがより好ましく、1.6倍以上3.0倍以下とすることが最も好ましい。また、延伸方法としては、ロールの速度差を利用して延伸するロール延伸法、ステンター方式にてフィルム幅方向両端をクリップやピンなどの把持具で把持し、延伸速度を徐々に上昇させて延伸するステンター法などがあるが、フィルムの両端を把持しない状態で長手方向に延伸できるロール延伸方式とすると、予熱工程での幅方向配向緩和、延伸時のネックダウンにより、幅方向の収縮を低減することができ、長手方向への偏向収縮性が向上するため好ましい。また、生産性とハンドリング性の点から、延伸速度は1,000%/分以上200,000%/分以下であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、長手方向に偏向収縮させる目的から、MD−1の延伸温度が、90℃以上であることが好ましい。延伸温度が90℃未満であると、幅方向への配向が弱まるとともに長手方向への配向が強くなり過ぎ、低温領域における熱収縮率が高くなる場合がある。低温領域における低熱収縮性と高温領域における高熱収縮性の両立のためには、延伸温度を100℃以上150℃以下とすることがより好ましく、110℃以上140℃以下とすることが最も好ましい。ここで、長手方向の延伸温度とは、フィルムに熱を付与する作用を有する部分の温度であって、延伸区間における最高温度のことを指し、たとえばロール延伸法で延伸する場合には、延伸区間のロール表面温度のうち最高温度を意味し、ステンター延伸法で延伸する場合には、延伸区間のステンター内の温度のうち最高温度を意味する。
本発明の製造方法においては、MD−1の延伸温度とHS温度との関係が下記式(2)を満たすことが好ましい。
(MD−1の延伸温度)≧(HS温度)・・・(2)
逐次二軸延伸では、延伸方向に対して強く配向させることが一般的であり、そのために延伸倍率は高く、延伸温度は低く設定される。これに対し、本発明の製造方法では、延伸温度をHS温度以上とすることにより、高収縮性を維持した状態で、低温収縮性を向上させることができる。
本発明の製造法においては、MD−1の後に、100℃以下の冷却(CL)工程を有することが必要である。MD−1延伸後に冷却工程を設けることにより、延伸による長手方向ひずみの緩和を抑制させることができ、高収縮性を維持することができる。冷却工程における冷却温度は、80℃以下であるとより好ましく、50℃以下であると特に好ましく、30℃以下であると最も好ましい。冷却工程はMD−1の延伸装置中において延伸直後に設ける方法、MD−1の延伸後、延伸装置から搬出されたフィルムをエア吹付ないしは空冷により冷却する方法、延伸装置から搬出されたフィルムを冷却装置中に導入して冷却する方法などがあるが、工程の簡略化のためには、延伸装置中において延伸直後に設けることが好ましい。延伸装置中に冷却工程を設ける場合、MD−1工程がロール延伸法の場合は延伸区間の後のロール構成中に冷却ロール等を設けることにより冷却工程を設定することができ、ステンター延伸法の場合には、延伸区間の後に冷却区間を設けることにより冷却工程を設定することができる。ここで、冷却温度とは、フィルムを冷却する作用を有する部分の温度であって、冷却区間における最低温度のことを指し、たとえば冷却ロールにより冷却する場合には、冷却ロールの表面温度のうち最低温度を、空冷の場合にはMD−1工程後次の工程までの区域における吹付エアないしは空気の温度のうち最低温度を、冷却装置やステンターでの冷却の場合には、冷却装置やステンター内の冷却区間の温度のうち最低温度を意味する。
本発明の製造方法では、冷却(CL)工程の後に101℃以上150℃以下の熱処理(HS)工程を有することが必要である。熱処理温度が101℃未満であると低熱収縮性を得ることができず、150℃を超えると高収縮性を得ることができない。熱処理温度は、上記範囲内であれば望ましい収縮開始温度などの特性に応じて調整すればよいが、たとえば低熱収縮を示す温度、すなわち熱収縮フィルムに設ける機能層などの層の蒸着時の到達温度、塗布温度や乾燥温度などの加工温度のうち最も高い温度と、高熱収縮を示す温度すなわち収縮工程の温度の両温度に対し、その中間点にあたる温度−15℃以上、+15℃未満程度の温度で熱処理を行うことが好ましい。熱処理の方法はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行うことができる。ここで熱処理温度は、熱処理工程の中で最も高い温度を指し、延伸温度や冷却温度と同様に温度設定することができる。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意の時間とすることができ、好ましくは5秒以上60秒以下、より好ましくは10秒以上40秒以下、最も好ましくは15秒以上30秒以下で行うことができる。熱処理中には弛緩を行うこともでき、必要な寸法安定性に合わせて適宜調整すれば良い。例えば、弛緩をすれば、幅方向の寸法安定性は向上する。
本発明では、HS工程の最高温度とCL工程での最低温度が下記式(1)を満たすことが好ましい。
80℃≦(HS最高温度)−(CL最低温度)≦130℃・・・(1)
上記温度範囲とすることで、低温領域の収縮に起因するひずみを緩和することができるため、高温領域の高収縮性を維持したまま低温領域の低収縮性を向上させることができる。HS−CLが130℃を超えると高温領域の高収縮性が低下することがあり、80℃未満であると低温領域の収縮性は向上しないことがある。高温領域の高収縮性と低温領域の低収縮性の両立のためには、式(1‘)を満たすことがより好ましく、式(1“)を満たすことが最も好ましい。
85℃≦(HS最高温度)−(CL最低温度)≦120℃・・・(1‘)
90℃≦(HS最高温度)−(CL最低温度)≦110℃・・・(1“)
本発明の熱収縮性フィルムの製造方法は、各種熱可塑性樹脂に適用することができる。適用される熱可塑性樹脂は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、環状オレフィンといったオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体といったスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルといったアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリエチレンナフタレート系などのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などといったポリアミド系樹脂、トリアセチルセルロースといったセルロース系樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体といったフッ素系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン共重合体)系樹脂などが挙げられ、これらを2種類以上含んでいてもよい。本発明の製造方法では、熱収縮性フィルムの構成成分は、本発明の効果が発現するのであれば特に限定されないが、TD−1工程にて幅方向への配向を促進させる点からオレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂の少なくともいずれかを主たる構成成分とすることが好ましく、配向の制御が容易であるポリエステル系樹脂を主たる構成成分とすることがより好ましい。また、配向促進の観点からは、結晶性を有するポリエステル系樹脂を主たる構成成分とすることが最も好ましい。ここで、配向とは、例えば、延伸フィルムの屈折率を指標とすることができ、延伸前に比べて屈折率が高くなっているほど、その方向に配向していると言える。屈折率はナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃にてアッベ屈折計を用いて測定すればよい。また、結晶性とはDSCより得られる結晶融解エネルギーから判断することができ、融解エネルギーが大きいほど結晶性がある、といえる。また、主たる構成成分とは、得られたフィルム全体である100質量%に対して、成分が占める重量の割合が60質量%以上であることを示し、特性の制御の容易性の観点からは、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが最も好ましい。
本発明に用いるポリエステルを与えるグリコールあるいはその誘導体としては、エチレングリコールが80モル%以上であることが好ましいが、その他の成分として、たとえば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、並びに、それらの誘導体を含んでいてもよい。
本発明においては、配向を促進しやすい観点からポリエステルの結晶性は高い方が好ましく、グリコール成分中、エチレングリコールの占める割合が85モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。また、ジカルボン酸成分中、テレフタル酸の占める割合が85モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。また、収縮率を高めようとした場合、特にポリエチレンテレフタレートに対しては共重合成分を導入し、非晶性を高めることにより収縮率を向上させることも好ましく、収縮性と耐熱性の両立の観点からは、共重合成分を3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、特に好ましくは10モル%以上含むことが好ましい。ポリエチレンテレフタレートに共重合成分を導入する場合、共重合成分としては、上に挙げたジカルボン酸成分又はグリコール成分のいずれを用いてもよいが、耐熱性の観点から、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく用いられる。
本発明の製造方法より得られる熱収縮性フィルムの厚みは、本発明の目的を阻害しない範囲であれば特に制限はなく、目的に合わせて、たとえば3μm〜300μm程度とすればよい。
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
熱収縮性フィルムを構成する樹脂、例えばポリエチレンテレフタレートの場合、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、1H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基成分や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量することができる。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、本発明では、フィルム製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
フィルム長手方向および幅方向にそれぞれ長さ150mm×幅10mmのサイズに切り出したサンプルに、100mm(L0)の間隔の両端位置にマークを入れ、3gの錘を吊して100℃および150℃に加熱したそれぞれの熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離(L1)を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から下記式にて熱収縮率を算出した。測定は各方向とも5サンプル実施して平均値で評価を行った。
熱収縮率(%) = 100×(L0−L1)/L0
得られた低温領域および、高温領域の熱収縮率より、以下の判定を行った。尚、◎が最も良好である。
低温収縮性の判定
低温領域における長手方向の熱収縮率が10%未満:◎
低温領域における長手方向の熱収縮率が10%以上14%未満:○
低温領域における長手方向の熱収縮率が14%以上:×
高温収縮性の判定
高温領域における長手方向の熱収縮率が25%以上:◎
高温領域における長手方向の熱収縮率が20%以上25%未満:○
高温領域における長手方向の熱収縮率が10%以上20%未満:△
高温領域における長手方向の熱収縮率が10%未満:×
(4)温度変調DSCガラス転移温度
TA Instrument社製温度変調DSCを用いて下記条件にて測定を行った。
加熱温度:270〜570K(RCS冷却法)
温度校正:高純度インジウムおよび錫の融点
温度変調振幅:±1K
温度変調周期:60秒
温度ステップ:5K
試料重量:5mg
試料容器:アルミニウム製開放型容器(22mg)
参照容器:アルミニウム製開放型容器(18mg)
なお、ガラス転移点は下記式より算出した。
ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温度+補外ガラス転移終了温度)/2。
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエチレンテレフタレート樹脂(固有粘度0.65)。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が90モル%、イソフタル酸成分が10モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が100モル%であるポリエステル樹脂(固有粘度0.65)。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール成分が90モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が10モル%であるポリエステル樹脂(固有粘度0.65)。
(ポリエステルD)
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸が100モル%、グリコール成分としてエチレングリコールが100モルであるポリエチレンナフタレート樹脂(固有粘度0.8)
(環状オレフィン系樹脂E)
ポリプラスチックス製“TOPAS 8007F−04”と、ポリプラスチックス製“TOPAS 6013F−04”を質量比40:60で混合した環状オレフィン系樹脂(ガラス転移温度115℃)
(アクリル系樹脂F)
住友化学製“スミペックスMGSS”(ガラス転移温度105℃)
(粒子マスターの製造)
(粒子マスターA)
ポリエステルA中に数平均粒子径0.2μmの凝集シリカを粒子濃度5質量%で含有したポリエチレンテレフタレート粒子マスター(固有粘度0.63)。
用いたポリエステルおよび粒子マスター樹脂の組成を表1の通りとして、原料を酸素濃度0.2体積%としたベント同方向二軸押出機に供給し、押出機シリンダー温度を270℃で溶融し、短管温度を275℃、口金温度を280℃で、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸シートを得た。TD−1、MD−1、CL、熱処理を順に行い、それぞれ表2に示した延伸倍率、延伸温度、熱処理温度として厚み75μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表3に示す。
用いた樹脂および粒子マスター樹脂の組成を表1の通りとして、原料を酸素濃度0.2体積%としたベント同方向二軸押出機に供給し、押出機シリンダー温度を290℃で溶融し、短管温度を290℃、口金温度を290℃とした事以外は実施例1と同様に熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表3に示す。
表1に示した組成の熱可塑性樹脂を混合して押出機に投入した後、270℃で溶融させて、Tダイより90℃に温度制御した温調ドラム上にシート状に吐出した。その際、弾性金属ロールにてニップをし(ニップ圧:0.2MPa)、温調ドラムに密着させ未延伸シートを得た。次いで、TD−1、MD−1、CL、熱処理をそれぞれ表2に示した条件にて実施し、フィルム厚み75μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表3に示す。
表1に示した組成の熱可塑性樹脂を混合して押出機に投入した後、240℃で溶融させて、Tダイより70℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、弾性金属ロールにてニップをし(ニップ圧:0.2MPa)、温調ドラムに密着させ未延伸シートを得た。次いで、TD−1、MD−1、CL、熱処理をそれぞれ表2に示した条件にて実施し、フィルム厚み75μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表3に示す。
比較例3はMD−1の延伸倍率が1.1倍未満であったため150℃における高温収縮性を得ることができなかった。
比較例4は、MD−1の延伸倍率が4.0倍を超えたため、100℃にて低熱収縮性を得ることができなかった。
比較例5は、熱処理(HS)工程における熱処理温度が101℃未満であったため、100℃にて低熱収縮性を得ることができなかった。
比較例6は、熱処理(HS)工程における熱処理温度が150℃を超えていたため、150℃における高温収縮性を得ることができなかった。
比較例7は、MD−1後の冷却(CL)温度が100℃を超えていたため、150℃における高熱収縮性を得ることができなかった。
Claims (2)
- 幅方向に1.5倍以上6倍以下で延伸(TD−1)し、さらにその後に長手方向に1.1倍以上4倍以下、延伸温度が110℃以上140℃以下で延伸(MD−1)する工程を有する熱収縮性フィルムの製造方法であって、MD−1の後に、100℃以下の冷却(CL)工程、101℃以上150℃以下の熱処理(HS)工程を有する、MD−1の延伸温度とHS温度との関係が下記式(2)を満たすオレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂の少なくともいずれかを主たる構成成分とする熱収縮性フィルムの製造方法。
(MD−1の延伸温度)≧(HS温度)・・・(2) - HS温度とCL温度が下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性フィルムの製造方法。
80≦(HS温度)−(CL温度)≦130・・・(1)
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