JP7211031B2 - 酸化鉱石の製錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化鉱石の製錬方法に関するものであり、例えば、ニッケル酸化鉱石等の酸化鉱石を原料として炭素質還元剤により還元することで還元物を得る製錬方法に関する。
酸化鉱石の一種であるリモナイトあるいはサプロライトと呼ばれるニッケル酸化鉱石の製錬方法として、熔錬炉を使用してニッケルマットを製造する乾式製錬方法、ロータリーキルンあるいは移動炉床炉を使用して鉄とニッケルの合金(以下、鉄とニッケルの合金を「フェロニッケル」ともいう)を製造する乾式製錬方法、オートクレーブを使用して高温高圧で酸浸出し、ニッケルやコバルトが混在した混合硫化物(ミックスサルファイド)を製造する湿式製錬方法等が知られている。
上述した様々な方法の中で、特に乾式製錬法を用いてニッケル酸化鉱石を還元して製錬する場合、反応を進めるために原料のニッケル酸化鉱石を適度な大きさに破砕する等して塊状物化する処理が前処理として行われる。
具体的に、ニッケル酸化鉱石を塊状物化する、すなわち粉状や微粒状の鉱石を塊状にする際には、そのニッケル酸化鉱石と、それ以外の成分、例えばバインダーやコークス等の還元剤とを混合して混合物とし、さらに水分調整等を行った後に塊状物製造機に装入して、例えば一辺あるいは直径が10mm以上30mm以下程度の成形物(ペレット、ブリケット等を指す。以下、単に「ペレット」ということもある)とするのが一般的である。
塊状物化して得られるペレットには、含有する水分を「飛ばす」ために、ある程度の通気性が必要となる。さらに、その後の還元処理においてペレット内で均一に還元が進まないと、得られる還元物の組成が不均一になり、メタルが分散したり偏在したりする等の不都合が生じる。そのため、ペレットを作製する際には混合物を均一に混合したり、得られたペレットを還元する際には可能な限り均一な温度を維持することが重要となる。
加えて、還元処理により生成するメタル(フェロニッケル)を粗大化させることも非常に重要な技術である。生成したフェロニッケルが、例えば数10μm以上数100μm以下の細かな大きさであった場合、同時に生成するスラグと分離することが困難となり、フェロニッケルとしての回収率(収率)が大きく低下してしまう。そのため、還元後のフェロニッケルを粗大化する処理が必要となる。
例えば、特許文献1には、金属酸化物と炭素質還元剤とを含む塊成物を、移動床型還元溶融炉の炉床上に供給して加熱し、金属酸化物を還元溶融させる粒状金属の製造方法において、塊成物同士の距離を0としたときの塊成物の炉床への最大投影面積率に対する、塊成物の炉床への投影面積率の相対値を敷密度としたとき、平均直径が19.5mm以上32mm以下の塊成物を、敷密度が0.5以上0.8以下になるように炉床上に供給して加熱する方法が開示されている。この方法では、塊成物の敷密度と平均直径とを併せて制御することで、粒状金属鉄の生産性を高められることが記載されている。
しかしながら、特許文献1にあるような、特定の直径を有するものを塊成物として用いる方法では、特定の直径を有しないものを取り除く必要があるため、塊成物を作製する際に収率が低いという問題があった。また、特許文献1の方法では、塊成物の敷密度を0.5以上0.8以下に調整する必要があり、塊成物を積層させることもできないため、生産性が低く、しかも製造コストが高いものであった。
このように、酸化鉱石を混合及び還元して金属や合金を製造する技術には、生産性を高め、製造コストを低減させ、メタルの品質を高める点で、多くの課題があった。
特開2011-256414号公報
本発明は、ニッケル酸化鉱石等の酸化鉱石を含む混合物を還元することでメタルを製造する製錬方法において、得られるメタルの品位を高めることができ、高品質のメタルを効率的に製造することができる酸化鉱石の製錬方法を提供することを目的とする。
本発明者は、燃料として炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hを調整した混合燃料バーナーによって混合物を加熱して還元することにより上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第2は、酸化鉱石と炭素質還元剤とを含む混合物を得る混合工程と、得られた混合物を還元炉に装入し、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ可燃性ガス及び炭素質燃料を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより、該混合物に加熱還元処理を施す還元工程と、を含み、前記混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上1.20以下の範囲である酸化鉱石の製錬方法である。
(2)本発明の第2は、酸化鉱石と炭素質還元剤とを含む混合物を得る混合工程と、得られた混合物を還元炉に装入し、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ炭素質燃料及び重油を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより、該混合物に加熱還元処理を施す還元工程と、を含み、前記混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上0.46以下の範囲である酸化鉱石の製錬方法である。
(3)本発明の第3は、酸化鉱石と炭素質還元剤とを含む混合物を得る混合工程と、得られた混合物を還元炉に装入し、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ重油及び可燃性ガスを含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより、該混合物に加熱還元処理を施す還元工程と、を含み、前記混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上0.46以下の範囲である酸化鉱石の製錬方法である。
(4)本発明の第4は、第1から第3のいずれかの発明において、前記還元工程では、前記加熱還元処理後の還元炉内の酸素濃度が0.5体積%以下となるようにする酸化鉱石の製錬方法である。
(5)本発明の第5は、第1から第4のいずれかの発明において、前記酸化鉱石は、ニッケル酸化鉱石である酸化鉱石の製錬方法である。
本発明に係る酸化鉱石の製錬方法によれば、高品質なメタルを効率的に製造することができる。
ニッケル酸化鉱石の製錬方法の流れの一例を示す工程図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書において、「X~Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.酸化鉱石の製錬方法の概要≫
本実施の形態に係る酸化鉱石の製錬方法は、原料鉱石である酸化鉱石(酸化物)を炭素質還元剤と混合し、その混合物(ペレット)に対して製錬炉(還元炉)内で還元処理を施すことによって、メタルとスラグとを生成させるものである。
例えば、酸化鉱石として、酸化ニッケルや酸化鉄等を含有するニッケル酸化鉱石を原料とし、そのニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して混合物を得て、混合物に含まれるニッケルを優先的に還元し、また鉄を部分的に還元することで、鉄とニッケルの合金であるフェロニッケルを製造する方法が挙げられる。
そして、本実施の形態に係る酸化鉱石の製錬方法においては、所定の空燃比に設定し、且つ炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hを所定の範囲に調整した混合燃料を用いた混焼バーナーによって混合物を加熱して還元処理を施すことを特徴としている。
このように、原子数比C/Hを所定の範囲に調整した混合燃料を燃料として用いた混焼バーナーにより還元処理を施すことで、混合物に対して効果的に還元処理を施すことが可能になるとともに、得られるメタルの品位を高めることができる。
≪2.ニッケル酸化鉱石を用いてフェロニッケルの製造する製錬方法≫
以下では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれるニッケル(酸化ニッケル)と鉄(酸化鉄)を還元することで、鉄-ニッケル合金のメタルを生成させ、さらに、そのメタルを分離することによってフェロニッケルを製造する製錬方法を例に挙げて説明する。
具体的に、本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法は、図1に示すように、ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して混合物を得る混合工程S1と、得られた混合物に還元処理を施す還元工程S2と、還元物からメタルとスラグを分離する分離工程S3と、を含む。
<2-1.混合工程>
混合工程S1は、ニッケル酸化鉱石と還元剤である炭素質還元剤とを混合して混合物を得る工程である。具体的に、混合工程S1では、まず、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に、第1の還元剤である炭素質還元剤を添加して混合し、また任意成分の添加剤として、鉄鉱石、フラックス成分、バインダー等の、例えば粒径が0.1mm以上0.8mm以下程度の粉末を添加して混合し、混合物を得る。なお、混合処理は、混合機等を用いて行うことができる。
原料鉱石であるニッケル酸化鉱石としては、特に限定されないが、リモナイト鉱、サプロライト鉱等を用いることができる。なお、ニッケル酸化鉱石は、酸化ニッケル(NiO)と、酸化鉄(Fe)とを少なくとも含有する。
炭素質還元剤としては、特に限定されないが、例えば、石炭粉、コークス粉等が挙げられる。なお、この炭素質還元剤は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石の粒度や粒度分布と同等の大きさのものであると、均一に混合し易く、還元反応も均一に進みやすくなるため好ましい。
炭素質還元剤の含有量(混合物中に含まれる炭素質還元剤の含有量)としては、ニッケル酸化鉱石を構成する酸化ニッケルの全量をニッケルメタル還元するのに必要な化学当量と、酸化鉄(酸化第二鉄)を金属鉄に還元するのに必要な化学当量との両者合計値(便宜的に「化学当量の合計値」ともいう)を100質量%としたときに、50質量%以下の割合とすることが好ましく、40質量%以下の割合とすることがより好ましい。鉄の還元量を抑えて、ニッケル品位を高めることができ、高品質のフェロニッケルを製造することができる。また、炭素質還元剤の混合量は、化学当量の合計値を100質量%としたときに、10質量%以上の割合とすることが好ましく、15質量%以上の割合とすることがより好ましい。ニッケルの還元を効率的に進行させることができ生産性が向上する。
任意成分の添加剤である鉄鉱石としては、例えば、鉄品位が50質量%程度以上の鉄鉱石、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬により得られるヘマタイト等を用いることができる。また、フラックス成分としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素等を挙げることができる。また、バインダーとしては、例えば、ベントナイト、多糖類、樹脂、水ガラス、脱水ケーキ等を挙げることができる。
混合工程S1では、ニッケル酸化鉱石を含む原料粉末を均一に混合することによって混合物を得る。下記表1に、混合工程S1にて混合する、一部の原料粉末の組成(質量%)の一例を示すが、原料粉末の組成としてはこれに限定されない。
Figure 0007211031000001
混合に際しては、混合性を高めるために混練を同時に行ってもよく、混合後に混練を行ってもよい。混練は、ブラベンダー等のバッチ式ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ヘリカルローター、ロール、一軸混練機、二軸混練機等を用いて行うことができる。混合物を混練することによって、その混合物にせん断力を加え、炭素質還元剤や原料粉末等の凝集を解いて均一に混合できるとともに、各々の粒子の密着性を向上させ、また空隙を減少させることができる。これにより、その混合物において還元反応が起りやすくなるとともに均一に反応させることができ、還元反応の反応時間を短縮することができる。また、品質のばらつきを抑えることができる。
また、混合を行った後、あるいは混合及び混練を行った後、押出機を用いて押出してもよい。これにより、混合物に対して圧力(せん断力)が加えられ、炭素質還元剤や原料粉末等の凝集を解いてその混合物をより均一に混合させた状態とすることができる。さらに、混合物内の空隙を減少させることができる。これらのことから、後述する還元工程S2において混合物の還元反応が均一に起りやすくなり、得られるメタルの品位を高めることができ、高品質なメタルを製造することができる。
押出機は、高圧、高せん断力で混合物を混練して成形できるものであることが好ましく、一軸押出機、二軸押出機等を挙げることができる。特に、二軸押出機を備えたものであることが好ましい。高圧、高せん断で混合物を混練することにより、原料粉の混合物の凝集を解くことができ、また効果的に混練することができるうえ、混合物の強度を高めることができる。また、二軸押出機を備えたものを用いることにより、連続的に高い生産性を保ちながら混合物を得ることができる。
また、混合物を所定形状の成形物(ペレット)に成形してもよい。成形物の形状としては、例えば、球状、直方体状、立方体状、円柱状等とすることができる。このような形状は、簡易な形状であって複雑なものではないため、成形コストを抑制しつつ不良品の発生を抑制することができ、得られる成形物の品質も均一となり、歩留り低下を抑制することができる。
成形物の形状は、特に球状であることが好ましい。球状の成形物であることにより還元処理が均一に施され、ばらつきが少なく、かつ生産性の高い製錬を行うことができる。成形物の形状を球状とする場合には、直径が10mm以上30mm以下程度となるように成形することができる。また、直方体状、立方体状、円柱状等とする場合には、概ね、縦、横の内寸が500mm以下程度となるように成形することができる。
成形物の大きさとしては、特に限定されないが、成形物の体積が8000mm以上であることが好ましい。成形物の体積が8000mm以上であることにより、成形コストが抑制され、さらに、成形物全体に占める表面積の割合が低くなるため、還元処理が均一に施され、ばらつきが少なく、かつ生産性の高い製錬を行うことができる。
また、得られた混合物を所定の還元用の容器に充填してもよい。容器に充填された混合物が容器に充填された状態のまま還元処理が施されることにより、後述する分離工程S3において還元されたメタルが磁選等の処理によりメタルを分離回収し易くなり、ロスを抑制することができる。
混合工程S1では、得られた混合物に乾燥処理を施してもよい。混合物は、混練や成形物の成形等において上記混合物を多量の水と共に混合する。本実施の形態におい乾燥処理を施すことは必須の態様ではないが、多量の水を含む混合物に乾燥処理を施すことにより、後述する還元処理において水分の気化に伴う混合物の膨張を防ぐことができる。
さらに、混合物に乾燥処理を施すことで、還元炉内における混合物に起因する水分混入を抑制することができる。これにより、還元炉内の雰囲気気体に含まれる水分量をより効果的に減らすことができ、還元物に含まれるメタルの酸化をより効果的に抑制することができる。
混合物を乾燥する方法は、特に限定されず、混合物を所定の乾燥温度(例えば、300℃以上400℃以下)に保持する方法や所定の乾燥温度の熱風を混合物に対して吹き付けて乾燥させる方法等、従来公知の手段を用いることができる。このような乾燥処理により、例えば、混合物の固形分が70質量%程度で、水分が30質量%程度となるようにする。なお、この乾燥処理時における混合物自身の温度としては、100℃未満とすることが好ましく、これにより水分の突沸等による混合物の破裂を抑制することができる。
また、乾燥処理は連続して一度に行ってもよいし複数回に分けて行ってもよい。乾燥処理を複数回に分けて行うことにより混合物の破裂をより効果的に抑制することができる。なお、乾燥処理を複数回に分けて行った場合において、2回目以降の乾燥温度としては、150℃以上400℃以下が好ましい。この範囲で乾燥することにより、還元反応が進むことなく乾燥することが可能となる。
下記表2に、乾燥処理後の混合物における固形分中組成(質量部)の一例を示す。なお、成形物の組成としては、これに限定されるものではない。
Figure 0007211031000002
<2-2.還元工程>
還元工程S2は、得られた混合物を還元炉に装入して、混合物に還元処理を施してメタルとスラグとを含む還元物を得る工程である。還元工程S2における還元処理により、混合物中の炭素質還元剤に基づいて製錬反応(還元反応)が進行して、混合物中では、フェロニッケルメタル(以下、単に「メタル」という)と、フェロニッケルスラグ(以下、単に「スラグ」という)とが分かれて生成する。
具体的に、還元工程S2では、バーナーを備えた還元炉を使用し、そのバーナーにより所定の還元温度まで加熱して還元処理を施す。
還元処理では、例えば1分程度のわずかな時間で、先ず還元反応の進みやすい混合物の表面近傍において混合物中のニッケル酸化鉱石及び鉄酸化物が還元されメタル化してフェロニッケルとなり、殻(シェル)を形成する。一方で、殻の中では、その殻の形成に伴ってスラグ成分が徐々に熔融して液相のスラグが生成する。これにより、混合物中では、メタルと、スラグとが分かれて生成する。
そして、処理時間が10分程度経過すると、還元反応に関与しない余剰の炭素質還元剤がメタルに取り込まれて融点を低下させて、メタルも液相となる。
還元処理における温度(還元温度)としては、特に限定されないが、1200℃以上1450℃以下の範囲とすることが好ましく、1300℃以上1400℃以下の範囲とすることがより好ましい。このような温度範囲で還元することによって、均一に還元反応を生じさせることができ、品質のばらつきを抑制したフェロニッケルを生成させることができる。また、より好ましくは1300℃以上1400℃以下の範囲の還元温度で還元することで、比較的短時間で所望の還元反応を生じさせることができる。
還元処理における時間(処理時間)としては、還元炉の温度に応じて設定されるが、10分以上であることが好ましく、15分以上であることがより好ましい。
なお、還元温度(℃)と還元時間(分)の数値を乗じた値を還元に要した熱量は、20000(℃×分)以上40000(℃×分)以下の範囲であることが好ましい。高品質なメタルを効率的に製造することができる。
ここで、従来の酸化鉱石の製錬方法では、バーナーを用いた加熱により還元処理を施すにあたり、バーナーの燃料が燃焼したときに水分が発生することがある。具体的には、例えば、バーナーに用いられるメタン、エタン、プロパン、ブタン等の可燃性ガスや、オクタデカンやノナデカン等の重油は、炭化水素であることから水素(H)を含有するために燃焼時に水が発生する。バーナーの燃料が燃焼したときに発生した水分は、生成したメタルの一部をその酸素によって酸化し、その結果として高品質なメタルを効率的に製造することが困難であるという問題があった。
一方、炭素からなる炭素質燃料をバーナーの燃料として使用した場合には、水分が発生することはないが、重油や可燃性ガスと比較すると燃焼性が低く還元処理が十分に進行せずに混合物に対して効果的に還元処理を施すことができないという問題があった。
そこで、本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法では、炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hを調整した混合燃料を燃料として用いた混焼バーナーによって混合物を加熱して還元することを特徴としている。このように炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hを調整した混合燃料を用いることにより、燃焼により発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すとともに、生成したメタルの酸化を抑制することができる。これにより、高品質なメタルを製造することができる。
しかもこのとき、混焼バーナーの空燃比を0.8以上1.0未満の範囲に制御することによって、加熱還元処理後の還元炉内の酸素量を抑制することができ、その酸素によってメタルの一部が酸化されてしまうことも抑制することができる。
具体的には、加熱還元処理後の還元炉内の酸素濃度として0.5体積%以下の状態になるようにして還元処理を施すことができる。なお、還元炉内の酸素濃度が0.3体積%以下の状態になるようにして還元処理を施すことがより好ましい。
さて、混合燃料に含まれる燃料としては、炭素質燃料と、重油と、可燃性ガスと、が該当し、混合燃料とはこれらのうち少なくとも2つを含む。
(可燃性ガス及び炭素質燃料)
混合燃料として可燃性ガス及び炭素質燃料を用いる場合、混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上1.20以下の範囲となるように調整する。C/Hが0.42未満であると、可燃性ガスが多くなるため燃焼時に水が多く発生して生成したメタルの一部をその酸素によって酸化される。C/Hが1.20超であると、燃焼性が低い炭素質燃料が多くなるため混合物に対して効果的に還元処理を施すことができなくなる。C/Hが0.42以上1.20以下の範囲に調整して還元処理を施すことにより、燃焼により発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すことができる。
しかもこのとき、気体である可燃性ガスと固体である炭素質燃料からなる混合燃料を用いることにより、燃焼により発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すことができる。
(炭素質燃料及び重油)
混合燃料として炭素質燃料及び重油を用いる場合、混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上0.46以下の範囲となるように調整する。C/Hが0.42未満であると、燃焼性が低い炭素質燃料が多くなるため混合物に対して効果的に還元処理を施すことができなくなる。C/Hが0.46超であると、水素(H)を含有する重油が多くなるため燃焼時に水が多く発生して生成したメタルの一部をその酸素によって酸化される。C/Hが0.42以上0.46以下の範囲という極めて厳密な範囲で調整して還元処理を施すことにより、燃焼により発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すことができる。
しかもこのとき、気体である可燃性ガスと固体である炭素質燃料からなる混合燃料を用いることにより、燃焼により発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すことができる。これにより、高品質なメタルを効率的に製造することができる。
(重油及び可燃性ガス)
混合燃料として重油及び可燃性ガスを用いる場合、混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上0.46以下の範囲となるように調整する。C/Hが0.42未満であると、燃焼性が低い重油が多くなるため混合物に対して効果的に還元処理を施すことができなくなる。C/Hが0.46超であると、水素(H)を含有する可燃性ガスが多くなるため燃焼時に水が多く発生して生成したメタルの一部をその酸素によって酸化される。C/Hが0.42以上0.46以下の範囲という極めて厳密な範囲で調整して還元処理を施すことにより、燃焼により発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すことができる。
しかもこのとき、気体である可燃性ガスと固体である炭素質燃料からなる混合燃料を用いることにより、燃焼により発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すことができる。これにより、高品質なメタルを効率的に製造することができる。
以下、混合燃料に含まれる炭素質燃料と、重油と、可燃性ガスと、について各々説明する。
(炭素質燃料)
炭素質燃料は、木炭、石炭、コークス等の炭素を主成分とする固体状の燃料である。炭素質燃料は、重油や可燃性ガスとは異なり、燃焼することにより水分が発生することはないものの、燃焼性は低い。そこで、先述したように炭素質燃料と共に、重油又は可燃性ガスを用いた混合燃料とすることにより、発生する水分量を抑制しつつ、混合物に対して効果的に還元処理を施すことが可能となる。なお、この炭素質燃料は、混合物に含まれる炭素質還元剤と同一であってもよい。
(重油)
重油とは、原油の常圧蒸留によって得られる残油、あるいはそれを処理して得られる重質の石油製品を意味する。重油は、オクタデカンやノナデカン等の炭素数が比較的多い炭化水素を含む液体状の燃料であり、炭素質燃料と比較すると燃焼性は高いものの、可燃性ガスと比較すると水分の発生量は少ない。そこで、先述したように重油と共に、先述したように炭素質燃料又は可燃性ガスを用いた混合燃料とすることにより、発生する水分量を抑制しつつ、混合物に対して効果的に還元処理を施すことが可能となる。
(可燃性ガス)
可燃性ガスは、メタン、エタン等を含む液化天然ガス(LNG)や、プロパン、ブタン等を含む液化石油ガス(LPG)などの炭素数の少ない炭化水素を含む気体状の燃料である。可燃性ガスは、炭素質燃料や重油と比較すると燃焼性は高いものの、燃焼することにより水分がより発生する。そこで、可燃性ガスと共に、先述したように炭素質燃料又は重油を用いた混合燃料とすることにより、発生する水分量を抑制しつつ、混合物に対して効果的に還元処理を施すことが可能となる。
(その他)
なお、上述した異なった複数の相からなる混合燃料を用いなくとも、同一の相からなる混合燃料を用いてもよい。具体的には、複数の炭素質燃料(固体)を混合することによって得られた混合燃料を用いることができる。例えば、炭素質燃料である微粉炭は、コークスと比較すると燃焼性は高いが、水分や水素を多く含み、燃焼時に水が発生しやすい。一方、コークスは微粉炭と比較すると水分や水素を含まず水分が発生しにくい。ただし微粉炭は重油や可燃性ガスと比較すると燃焼性が低い。炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hを調整した混合燃料を燃料として用いることによって燃焼により発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すことができる。
また、複数の可燃性気体を混合することによって得られた混合燃料を用いることができる。混合燃料の炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hを調整して発生する水分量を制御して、混合物に対して効果的な還元処理を施すことができる。
具体的に、同一の相からなる混合燃料を用いる場合、その混合燃料の炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hとしては、0.42以上1.20以下の範囲となるように調整することが好ましく、さらに好ましくは0.42以上0.46以下である。
<2-3.分離工程>
分離工程S3は、還元工程S2より得られた還元物からメタルとスラグを分離する工程である。具体的には、容器に充填させた状態の混合物に対する還元加熱処理によって得られた、メタル相とスラグ相とを含む混在物(混合物)からメタル相を分離して回収する。
固体として得られたメタル相とスラグ相との混在物からメタル相とスラグ相とを分離する方法としては、例えば、篩い分けによる不要物の除去に加えて、比重による分離や、磁力による分離等の方法を利用することができる。
また、得られたメタル相とスラグ相は、濡れ性が悪いことから容易に分離することができ、還元処理で得られた、大きな混在物に対して、例えば、所定の落差を設けて落下させる、あるいは篩い分けの際に所定の振動を与える等の衝撃を与えることで、その混在物からメタル相とスラグ相とを容易に分離することができる。
このようにしてメタル相とスラグ相とを分離することによって、メタルを回収する。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1、比較例1>
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85質量%、平均粒径:約75μm)を、適量の水を添加しながら混合機を用いて混合して混合物を得た。炭素質還元剤(石炭粉)は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe)とを過不足なく還元するのに必要な量を100質量%としたときに28質量%の割合となる量で含有させた。そして、得られた混合物を16個の試料に均等に取り分けた。
次に、パン型造粒機により、得られた混合物に適宜水分を添加して球状に成形された直径15.0±0.5mmの混合物(試料)を16(実施例1-1~1-12、比較例1-1~1-4)得た。
次に、実施例1-1~1-12の試料を還元炉に装入して、可燃性ガス(LPG)及び炭素質燃料(微粉炭)を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した(表3中、「バーナー」について「混焼」と表記。)。
一方、比較例1-1~1-2の試料に対しては、還元炉に装入後、可燃性ガスのみからなる燃料を用いる専焼バーナーにより還元処理を施した(表3中、「バーナー」について「専焼」と表記。)。
また、比較例1-3~1-4の試料に対しては、還元炉に装入後、可燃性ガス(LPG)及び炭素質燃料(微粉炭)を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した。
なお、還元処理においては、還元炉の炉床に予め炉床保護剤(主成分はSiOであり、その他の成分としてAl、MgO等の酸化物を少量含有する)を敷き詰め、その上に試料を載置して処理を施した。
このような還元処理の後、得られた還元物冷却後の実施例1-1~1-12及び比較例1-1~1-4の試料を粉砕し、その後磁力選別によってメタルを回収した。
還元加熱処理後の各試料について、ニッケルメタル化率、メタル中ニッケル含有率、メタル回収率を、ICP発光分光分析器(SHIMAZU S-8100型)により分析して算出した。
ニッケルメタル化率、メタル中のニッケル含有率、ニッケルメタル回収率は、以下の式(1)、(2)、(3)により算出した。
ニッケルメタル化率=メタル中のニッケルの質量/(還元物中の全てのニッケルの質量)×100(%) ・・・(1)式
メタル中ニッケル含有率=メタル中のニッケルの質量/(メタル中のニッケルと鉄の合計質量)×100(%) ・・・(2)式
ニッケルメタル回収率=回収されたニッケルの量/(投入した鉱石の量×鉱石中のニッケル含有割合)×100 ・・・(3)式
下記表3に、加熱還元処理後の還元炉内の酸素濃度、それぞれの試料における、ニッケルメタル化率、メタル中のニッケル含有率、ニッケルメタル回収率を示す。
Figure 0007211031000003
表3の結果からわかるように、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ原子数比C/Hが0.42以上1.20以下の範囲の混合燃料(炭素質燃料及び可燃性ガス)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した実施例1-1~1-12では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも高くなった。
一方、原子数比C/Hが0.42未満の燃料(可燃性ガス)を用いる専焼バーナーにより還元処理を施した比較例1-1~1-2及び原子数比C/Hが0.42未満の燃料(炭素質燃料及び可燃性ガス)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した比較例1-3では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも低くなった。なお、原子数比C/Hが1.20超の燃料(炭素質燃料及び可燃性ガス)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した比較例1-4では、固体である炭素質燃料の割合が高く、また空燃比が低いことからバーナーが燃焼しなかった。
<実施例2、比較例2>
上記実施例1、比較例1と同様に、ニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85質量%、平均粒径:約75μm)を、適量の水を添加しながら混合機を用いて混合して混合物を得た。炭素質還元剤(石炭粉)は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe)とを過不足なく還元するのに必要な量を100質量%としたときに28質量%の割合となる量で含有させた。
次に、得られた混合物に適宜水分を添加してパン型造粒機を使うことにより、球状に成形された直径15.0±0.5mmの混合物(試料)を15個(実施例2-1~2-11、比較例2-1~2-4)得た。
次に、実施例2-1~2-11の試料を還元炉に装入して、重油及び炭素質燃料(微粉炭)を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した(表4中、「バーナー」について「混焼」と表記。)。
一方、比較例2-1~2-2の試料に対しては、還元炉に装入後、重油のみからなる燃料を用いる専焼バーナーにより還元処理を施した(表4中、「バーナー」について「専焼」と表記。)。
また、比較例2-3~2-4の試料に対しては、還元炉に装入後、重油及び炭素質燃料(微粉炭)を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した。
なお、還元処理においては、還元炉の炉床に予め炉床保護剤(主成分はSiOであり、その他の成分としてAl、MgO等の酸化物を少量含有する。)を敷き詰め、その上に試料を載置して処理を施した。
このような還元処理の後、得られた還元物冷却後の実施例2-1~2-11及び比較例2-1~2-4の試料を粉砕し、その後磁力選別によってメタルを回収した。
Figure 0007211031000004
表4の結果からわかるように、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ原子数比C/Hが0.42以上0.46以下の範囲の混合燃料(重油及び炭素質燃料)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した実施例2-1~2-11では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも高くなった。
一方、原子数比C/Hが0.42未満の燃料(重油)を用いる専焼バーナーにより還元処理を施した比較例2-1~2-2及び原子数比C/Hが0.42未満の燃料(重油及び炭素質燃料)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した比較例2-3では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも低くなった。なお、原子数比C/Hが0.46超の燃料(重油及び炭素質燃料)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した比較例2-4では、固体である炭素質燃料の割合が高く、また空燃比が低いことからバーナーが燃焼しなかった。
<実施例3、比較例3>
上記実施例1、比較例1と同様に、ニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85質量%、平均粒径:約75μm)を、適量の水を添加しながら混合機を用いて混合して混合物を得た。炭素質還元剤(石炭粉)は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe)とを過不足なく還元するのに必要な量を100質量%としたときに28質量%の割合となる量で含有させた。
次に、得られた混合物に適宜水分を添加してパン型造粒機を使うことにより、球状に成形された直径15.0±0.5mmの混合物(試料)を26個(実施例3-1~3-17、比較例3-1~3-6)得た。
次に、実施例3-1~3-17、比較例3-1~3-6の試料を還元炉に装入して、重油及び可燃性ガス(液化石油ガス(LPG))を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した(表4中、「バーナー」について「混焼」と表記。)。
一方、比較例3-5、3-6の試料に対しては、還元炉に装入後、可燃性ガス(LPG)又は重油のみからなる燃料を用いる専焼バーナーにより還元処理を施した(表3中、「バーナー」について「専焼」と表記。)。
なお、還元処理においては、還元炉の炉床に予め炉床保護剤(主成分はSiOであり、その他の成分としてAl、MgO等の酸化物を少量含有する)を敷き詰め、その上に試料を載置して処理を施した。
このような還元処理の後、得られた還元物冷却後の実施例3-1~3-17及び比較例3-1~3-6の試料を粉砕し、その後磁力選別によってメタルを回収した。
Figure 0007211031000005
Figure 0007211031000006
表5、表6の結果からわかるように、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ原子数比C/Hが0.42以上0.46以下の範囲の混合燃料(重油及び可燃性ガス)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した実施例3-1~3-17では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも高くなった。
一方、原子数比C/Hが0.42未満の燃料(可燃性ガス)を用いる専焼バーナーにより還元処理を施した比較例3-5及び原子数比C/Hが0.42未満の燃料(重油及び可燃性ガス)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した比較例3-1では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも低くなった。また、原子数比C/Hが0.46超の燃料(重油)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した比較例3-6及び原子数比C/Hが0.46超の燃料(重油及び可燃性ガス)を用いる混焼バーナーにより還元処理を施した比較例3-2~3-4では、Niメタル化率及びメタル中Ni含有率がいずれも低くなった。

Claims (4)

  1. ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを含む混合物を得る混合工程と、
    得られた混合物を還元炉に装入し、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ可燃性ガス及び炭素質燃料を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより、該混合物に加熱還元処理を施す還元工程と、を含み、
    前記混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上1.20以下の範囲である
    ニッケル酸化鉱石の製錬方法。
  2. ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを含む混合物を得る混合工程と、
    得られた混合物を還元炉に装入し、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ炭素質燃料及び重油を含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより、該混合物に加熱還元処理を施す還元工程と、を含み、
    前記混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上0.46以下の範囲である
    ニッケル酸化鉱石の製錬方法。
  3. ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを含む混合物を得る混合工程と、
    得られた混合物を還元炉に装入し、空燃比が0.80以上1.00未満の範囲であり、且つ重油及び可燃性ガスを含む混合燃料を用いる混焼バーナーにより、該混合物に加熱還元処理を施す還元工程と、を含み、
    前記混合燃料における炭素(C)と水素(H)の原子数比C/Hが0.42以上0.46以下の範囲である
    ニッケル酸化鉱石の製錬方法。
  4. 前記還元工程では、前記加熱還元処理後の還元炉内の酸素濃度が0.5体積%以下となるようにする
    請求項1乃至3のいずれかに記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
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