JP2024010510A - ニッケル酸化鉱石の製錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニッケル酸化鉱石を含む混合物を還元することによってフェロニッケルを製造する方法において、製錬コストを抑えながら、高品質なフェロニッケルを、CO2排出量の少ない方法で効果的に製造することができる技術を提供すること。【解決手段】原料鉱石であるニッケル酸化鉱石を含む混合物を還元することによってフェロニッケルを製造するニッケル酸化鉱石の製錬方法であって、前記ニッケル酸化鉱石と、炭素質還元剤と、を混合して塊状の混合物とし、前記混合物を、熱源として電気を用いた電気加熱式の還元炉1に装入し、還元炉1内で所定の還元温度に加熱して還元処理を施し、還元炉1は、本体側面部32と本体頂部35とにおける炉内部16に電気ヒーター50が設けられる、ニッケル酸化鉱石の製錬方法。【選択図】図2

Description

本発明は、ニッケル酸化鉱石の製錬方法に関する。
リモナイト又はサプロライトと呼ばれるニッケル酸化鉱石の製錬方法として、熔錬炉を使用してニッケルマットを製造する乾式製錬方法、ロータリーキルン又は移動炉床炉を使用してフェロニッケルを製造する乾式製錬方法、オートクレーブを使用してミックスサルファイドを製造する湿式製錬方法等が知られている。
ニッケル酸化鉱石を製錬する場合、まず、その原料鉱石を塊状物化、スラリー化等するための前処理が行われる。具体的には、ニッケル酸化鉱石を塊状物化、すなわち粉や微粒状から塊状にする際には、そのニッケル酸化鉱石以外の成分、例えばバインダーや還元剤と混合して混合物とし、さらに水分調整等を行った後に、塊状物製造機に装入して10~30mm程度の塊状物(ペレット、ブリケット等を指す。以下、単に「ペレット」ともいう)とするのが一般的である。
このようにして形成されるペレットでは、水分を飛ばすため、ある程度の通気性が必要である。また、ペレット内で還元が均一に行われないと組成が不均一になり、メタルが分散し、偏在してしまう。このため、原料を均一に混合して混合物とすることや、ペレットを還元する際に可能な限り均一な温度で処理することが重要となる。
加えて、還元して生成するメタル(フェロニッケル)を粗大化させることも非常に重要な技術である。なぜならば、生成したフェロニッケルが、例えば数10μm以下の大きさである場合、スラグと分離することが困難となり、フェロニッケルの収率が大きく低下してしまうからである。そのため、還元により生成するフェロニッケルを粗大化することによって、スラグとの分離性を高めて収率を向上させることが重要となる。
また、近年、ニッケル品位が高い鉱石や、メタル化したときに不純物が混入し難い鉱石が少なくなりつつあり、高品質のフェロニッケルを製造するためには、さらなる高い製錬技術が必要とされる。さらに、金属価格は乱高下することがしばしばあり、価格が下落した際でも採算が取れるような体制にしておかなくてはならず、製錬コストを如何に低く抑えられるかが重要な課題となっている。
以上述べたように、ニッケル酸化鉱石からニッケルを製錬する技術においては、多くの技術課題が残されている。一方で、近年では、環境負荷低減への要望が非常に高まっており、製錬分野においては特に、温室効果ガスの削減、具体的にはCO削減への要望が非常に強くなっている。CO低減対策に関しては、各分野で様々な研究、開発が進められているが。一例として、CO排出量が多い鉄鋼製錬では、文献1「2050年における世界の鉄鋼部門からのCO排出量削減ポテンシャルの推計」のような論文が出されており、CO排出量は2005年比で6%~12%増加すると推計されている。
ニッケル乾式製錬においてもCOの排出量は多く、その一因として、還元工程での処理において、ロータリーキルンを用いるクルップレン法、予備還元にロータリーキルンを用いるエルケム法等の方法で、キルンの燃料として石炭を用いている点が挙げられる。
さらに、これら化石燃料やLNG等のガスでは、燃料自身に若干の水分が含まれているため、燃焼に伴って水蒸気が発生し、その発生した水蒸気が熱分解されて、還元工程での処理において還元物を再酸化させ、還元効率を著しく低下させることも知られている。
このように、ニッケル酸化鉱石を混合し、還元して、フェロニッケル等のメタルを製造する技術には、生成するメタルの高品質化のみならず、生産性の向上や製錬コストの抑制、そしてCO排出量の削減等、多くの重要な課題がある。
土木学会論文集G(環境),Vol.70,No.6(環境システム研究論文 第42巻),II_239-II_247,2014
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル酸化鉱石を含む混合物を還元することによってフェロニッケルを製造する方法において、製錬コストを抑えながら、高品質なフェロニッケルを、CO排出量の少ない方法で効果的に製造することができる技術を提供することを目的とする。
本発明者は、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを含む混合物を還元する際のエネルギーに電気を利用することによって、還元時に起こり得るその混合物の部分的な酸化を抑制することが可能となり、その結果、ニッケルメタル化率やニッケル含有率の高いフェロニッケルを製造でき、かつCO排出量を大幅に削減できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石を含む混合物を還元することによってフェロニッケルを製造するニッケル酸化鉱石の製錬方法であって、前記ニッケル酸化鉱石と、炭素質還元剤と、を混合して塊状の混合物とし、前記混合物を、熱源として電気を用いた電気加熱式の還元炉に装入し、該還元炉内で所定の還元温度に加熱して還元処理を施し、前記還元炉は、本体側面部と本体頂部とにおける炉内部に電気ヒーターが設けられる、ニッケル酸化鉱石の製錬方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記還元処理の還元温度は、1200℃以上1500℃以下である、ニッケル酸化鉱石の製錬方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記還元炉は、回転炉床炉である、ニッケル酸化鉱石の製錬方法である。
本発明によれば、ニッケル酸化鉱石を含む混合物を還元することによってフェロニッケルを製造する方法において、製錬コストを抑えながら、高品質なフェロニッケルを、CO排出量の少ない方法で効果的に製造することができる技術を提供することができる。
ニッケル酸化鉱石の製錬方法の流れの一例を示す工程図である。 実施形態に係る還元炉の一例を示す斜視図である。 図2の還元炉の平面図である。 図2のA-A線に沿った断面図である。 図4のB-B線に沿った断面図である。 図2のC-C線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態(以下、単に、「実施形態」ともいう)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書において、「X~Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪ニッケル酸化鉱石の製錬方法≫
本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石を炭素質還元剤等と混合し、その混合物に対して製錬炉(還元炉)内で還元処理を施すことによって、メタルとスラグとを生成させるものである。この製錬方法においては、少なくともニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して塊状の混合物とする。
そして、本実施の形態に係る製錬方法では、混合物を還元処理するにあたり、熱源として電気を用いた電気加熱式の還元炉を使用することを特徴としている。このように、電気加熱式還元炉内で還元処理を施すことによって、酸素による酸化の影響を効果的に低減でき、高い品質のフェルニッケルを製造することができる。そして炉内の均熱帯域を広くとることができバーナー加熱式等に比べ同じ大きさの炉であってもより多くの鉱石を処理できる。そして電気加熱方式では非常に高い精度で温度制御が可能であり、高特性かつ品質ばらつきの小さいフェロニッケルを製造できる。また、還元炉の加熱用燃料として石炭、コークス、LNG、LPG等の化石燃料を用いた場合と比較して、電力であれば、原理的に火力発電以外にも水力発電や、太陽光や風力等の再生可能エネルギーによっても得ることができるため、トータルとしてのCO排出量を削減することができる。
以下では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれるニッケル(酸化ニッケル)と鉄(酸化鉄)を還元することで、鉄-ニッケル合金(フェロニッケル)のメタルを生成させ、さらにそのメタルを分離することによってフェロニッケルを製造する製錬方法を例に挙げてより具体的に説明する。
本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法は、図1に示すように、ニッケル酸化鉱石を含む原料を混合する混合処理工程S1と、得られた混合物を所定の形状に成形する混合物成形工程S2と、成形された混合物を還元炉に装入し所定の還元温度で還元処理する還元工程S3と、を有する。また、還元処理により生成し、かつ成長したメタルとスラグとを分離してメタル(フェロニッケルメタル)を回収する分離工程S4を有する。
[混合処理工程]
混合処理工程S1は、ニッケル酸化鉱石を含む原料粉末を混合して混合物を得る工程である。具体的には、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石と共に、炭素質還元剤を添加して混合し、また任意成分の添加剤として、鉄鉱石、フラックス成分、バインダー等の、例えば粒径が0.1mm~0.8mm程度の粉末を混合して混合物を得る。なお、混合処理は、混合機等を用いて行うことができる。
また、混合処理では、混合性を高めるために混練を行ってよい。例えば、二軸混練機等を用いて混合物を混練することで、混合物にせん断力を加え、炭素還元剤や原料粉末等の凝集を解いてより均一に混合できると共に、各々の粒子の密着性を高めて、還元工程S3にて均一な還元処理を行い易くすることができる。
原料鉱石であるニッケル酸化鉱石としては、特に限定されないが、リモナイト鉱、サプロライト鉱等を用いることができる。なお、ニッケル酸化鉱石は、構成成分として、酸化ニッケル(NiO)と、酸化鉄(Fe)と、を含有する。
本実施の形態においては、ニッケル酸化鉱石に対して、特定量の炭素質還元剤を混合して混合物とする。炭素質還元剤としては、特に限定されないが、例えば、石炭粉、コークス粉等が挙げられる。なお、炭素質還元剤は、上述の原料鉱石であるニッケル酸化鉱石の粒度と同等のものであることが好ましい。ニッケル酸化鉱石の粒度や粒度分布と同等の炭素質還元剤を用いて混合することで、均一に混合し易く、よって還元反応も均一に生じさせることができ好ましい。
炭素質還元剤の混合量としては、ニッケル酸化鉱石を構成する酸化ニッケルと酸化鉄とを過不足なく還元するのに必要な炭素質還元剤の量を100質量%としたとき、50.0質量%以下の割合とすることが好ましく、40.0質量%以下の割合とすることがより好ましい。なお、酸化ニッケルと酸化鉄とを過不足なく還元するのに必要な炭素質還元剤の量とは、酸化ニッケルの全量をニッケルメタルに還元するのに必要な化学当量と、酸化鉄を鉄メタルに還元するのに必要な化学当量との合計値(以下、「化学当量の合計値」ともいう)と言い換えることができる。
このように、炭素質還元剤の混合量を、化学当量の合計値を100質量%としたときに50.0%質量以下の割合とすることで、還元反応を効率的に進行させることができる。
なお、炭素質還元剤の混合量の下限値としては、特に限定されないが、化学当量の合計値100質量%に対して、10.0質量%以上の割合とすることが好ましく、15.0質量%以上の割合とすることがより好ましい。
また、上述のように、ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤のほか、任意成分として鉄鉱石、フラックス成分、バインダー等の添加剤を添加して混合することができる。
鉄鉱石としては、例えば、鉄品位が50質量%程度以上の鉄鉱石、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬により得られるヘマタイト(Fe)等を用いることができる。また、バインダーとしては、例えば、ベントナイト、多糖類、樹脂、水ガラス、脱水ケーキ等を挙げることができる。また、フラックス成分としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素等を挙げることができる。
下記表1に、混合処理工程S1にて混合する、一部の原料粉末の組成(質量%)の一例を示す。なお、原料粉末の組成としてはこれに限定されない。
Figure 2024010510000002
[混合物成形工程]
混合物成形工程S2は、混合処理工程S1で得られた混合物を成形する工程である。すなわち、原料粉末を混合して得られた混合物を、ある程度の大きさの塊状物(以下、「ペレット」ともいう)にする。なお、混合物は、成形して得られた塊状物の形態で、次工程の還元工程S3における還元処理に供され、還元炉内に装入される。
混合物を塊状化して得られるペレットの形状としては、直方体状、円柱状、球状等の種々の形状とすることができ、特に限定されない。その中でも、混合物を成形し易い形状とすることで、成形にかかるコストを抑えることができる。また、形状を単純化することで、不良品が出ることが殆どなくなり、成形における収率を高めることができる。
成形(塊状化)した混合物の体積(ペレットの体積)としては、特に限定されないが、8000mm以上であってよい。ペレットの体積が小さすぎると、成形コストが高くなり、また、還元炉に装入するのに手間がかかる可能性がある。さらに、ペレットの体積が小さいと、ペレット全体に占める表面積の割合が高くなるため、還元処理を行ったときに表面と内部とで還元の差の現れ易くなって、高い品質のフェロニッケルが得られないこともある。その点、ペレットの体積が8000mm以上となるように成形することで、成形コストを抑えることができ、また取扱いが容易となるだけでなく、高い品質のフェルニッケルを製造することが可能になる。
また、所定の形状に成形した後、その成形した混合物(塊状物)に対して乾燥処理を施してペレットとしてもよい。還元する前に乾燥処理を行っておくことで、還元処理においてペレットが急減に加熱され破裂するといった不具合を抑えることができる。乾燥処理において、その乾燥温度としては、150℃~400℃程度とすることが好ましい。このような温度範囲で乾燥することで、混合物内での還元反応が進むこと無く、効果的に乾燥することが可能となる。
下記表2に、乾燥処理後の混合物(ペレット)における固形分中組成(質量%)の一例を示す。なお、混合物の組成としてはこれに限定されるものではない。
Figure 2024010510000003
[還元工程]
還元工程S3では、混合物成形工程S2で得られた混合物(ペレット)を還元炉内に装入し、所定の還元温度に加熱して還元処理を施す。このような還元処理によって、製錬反応(還元反応)が進行し、メタル(フェロニッケルメタル)と、スラグと、が生成する。
還元処理においては、ニッケル酸化鉱石を含むペレットを還元炉の炉床上に載置し、そのペレットに対して、加熱する。加熱は、還元温度が、例えば1200℃以上1500℃以下、好ましくは1250℃以上1400℃以下になるようにする。
このような還元処理によって、例えば1分程度のわずかな時間で、先ず還元反応の進み易いペレット表面近傍においてペレットに含まれる酸化ニッケル及び酸化鉄が還元されメタル化して鉄-ニッケル合金となり、シェル(以下、「殻」ともいう)を形成する。一方で、殻の中では、その殻の形成に伴ってペレット中のスラグ成分が徐々に溶融して液相のスラグが生成する。これにより、1個のペレットの中で、フェロニッケルメタル(以下、単に「メタル」ともいう)と、酸化物からなるスラグ(以下、単に「スラグ」という)とが分かれて生成する。そして、加熱による還元処理の処理時間が10分程度を経過すると、還元反応に関与しない余剰の炭素質還元剤の炭素成分が、鉄-ニッケル合金に取り込まれて融点を低下させる。その結果、鉄-ニッケル合金は溶解して液相となる。
ここで、本実施の形態に係る製錬方法では、還元炉として、熱源に電気を用い炉内の側壁である本体側面部と天井である本体頂部との両方に電気ヒーターを設置した電気加熱式の還元炉を使用して還元処理を行うことを特徴としている。
従来、主として、加熱用燃料として石炭やコークス、LNG、LPG等の化石燃料を用いたバーナー炉(バーナー加熱式の還元炉)を使用して還元処理が行われていた。ところが、石炭のような固体はもちろん、重油等の液体を燃料として用いた場合、燃焼を100%行うことは難しく、空気(酸素)を過剰に入れて燃焼加熱することが必要になる。さらに、LNGのようなガスでは、水素を含むため、燃焼時に多量の水が発生する。そのため、これらの化石燃料を熱源として用いた還元処理では、不可避的に多量の酸素や水が炉内に存在するようになり、還元反応が進まないことや、還元できたとしても生成したメタルが部分的に酸化(再酸化)してしまう等の問題が生じ、その結果、高品質なフェロニッケルが得られないことがある。
そこで、本実施の形態に係る製錬方法では、熱源に電気を用いた電気加熱式還元炉を使用して還元処理を行うようにしており、このように電気を熱源として用いた還元炉内での還元処理によって、炉内への酸素の混入や水の発生を無くことができ、不可避的に酸化してしまう混合物の酸化を極力抑えることができる。これにより、メタル化率やメタル中ニッケル含有量を向上させて、高い品質のフェロニッケルを製造することが可能となる。
具体的に、電気加熱式還元炉では、その炉内に不活性ガスを流しながら炉内をプラス圧(1気圧以上)に保った状態で、電気エネルギーにより所定の温度に加熱して還元処理を行う。このような電気加熱式還元炉では、実質的に炉内に酸素が存在しない状態を維持でき、また水も発生しない状態を実現することができる。そして、このような炉内雰囲気であることで、混合物に対して均一に還元処理が進行していき、生成したメタルが再酸化するおそれがなく、よって高い品質のフェロニッケルが得られる。
そして還元炉内の側壁と天井の両方に熱源、すなわち電気ヒーター、を設置していることにより炉内の均熱帯域を広くとることができバーナー加熱式等に比べ同じ大きさの炉であってもより多くの鉱石を処理できる。そして電気加熱方式では非常に高い精度で温度制御が可能であり、高特性かつ品質ばらつきの小さいフェロニッケルを製造できる。
また、本実施の形態に係る製錬方法は、電気による加熱であることから、加熱時には二酸化炭素(CO)が発生することもない。したがって、加熱用燃料に石炭や重油、LNG等を用いた場合と比較して、特に製錬所でのCO排出量を有効に削減することができる。さらに、バーナーによる加熱方式と比較して、排ガス量が非常に少なくなるため、排ガスと共に持ち去られる熱エネルギーが極めて少なくなる。具体的に、電気を使用した場合では、石炭やLNG(液化天然ガス)等のバーナーを用いた場合と比較して、数10~50%程度のエネルギー消費を抑えることができ、極めて効率的な製錬操業を行うことが可能となる。
加えて、排ガス量が少ないことから、ダストの発生を大きく抑えることができる。そのため、排ガス処理やダスト回収にかかる費用や設備費を有効に低減できる。
さらに、電気による加熱では、温度を容易にかつ精度よく制御できるという利点がある。このことから、還元炉としてはより具体的に、一連の加熱や冷却処理を連続して行う移動炉床炉(電気加熱式の移動炉床炉)を用いることが特に適している。
移動炉床炉としては、特に限定されず、例えば、円形状であって複数の処理領域に区分けされた回転炉床炉を用いることができる。回転炉床炉では、所定の方向に回転しながら、各領域においてそれぞれの処理を行う。回転炉床炉では、各領域を通過する際の時間(移動時間、回転時間)を制御することで、それぞれの領域での処理温度、処理時間を調整することができ、回転炉床炉が1回転する毎に混合物が製錬処理される。また、移動炉床炉としては、ローラーハースキルン等を用いてもよい。
(還元炉)
以下、本発明で用いられる還元炉について詳述する。
図2は、実施形態に係る還元炉の一例を示す斜視図である。図3は、図2の還元炉の平面図である。図4は、図2のA-A線に沿った断面図である。図5は、図4のB-B線に沿った断面図である。図6は、図2のC-C線に沿った断面図である。
図2~図4に示すように、実施形態に係る還元炉1は、移動炉床炉の一種である回転炉床炉10になっている。具体的には、回転炉床炉10(還元炉1)は、ペレット状等に成形された混合物Pの還元処理が行われる円筒又は円柱状の炉床炉本体11と、混合物Pを回転炉床炉10(還元炉1)の炉内部16に投入する投入部21と、混合物Pの還元処理が行われた後に得られる生成物を回収する回収部25と、を備える。
ここで、炉内部16とは、還元炉1である回転炉床炉10の内部を意味する。なお、炉床炉本体11の内部を本体内部36、投入部21の内部を投入部内部26、回収部25の内部を回収部内部27とする。炉内部16は、本体内部36と投入部内部26と回収部内部27との合計である。
図4に示すように、炉床炉本体11の本体内部36には、載置された混合物Pを矢印Mの方向に回転可能な回転炉床12が設けられる。投入部21の投入部内部26、には、矢印Iの方向に導入された混合物Pを回転炉床12上に搬送可能な搬送部321が設けられる。回収部25の回収部内部27には、混合物Pの還元処理が行われた後に得られる生成物を回転炉床12から受け取り、矢印Oの方向に排出して回収するために搬送可能な搬送部325が設けられる。回転炉床炉10では、投入部21に投入された混合物Pを、炉床炉本体11の回転炉床12上で還元し、混合物Pの還元処理が行われた後に得られる生成物を回収部25で回収することができるようになっている。
図5に示すように、回転炉床炉10の炉床炉本体11は、本体底部31と、本体側面部32のうちの内側側面である本体第1側面部33と、本体側面部32のうちの外側側面である本体第2側面部34と、本体頂部35と、で囲繞されることにより本体内部36が形成されている。
炉床炉本体11では、本体底部31と、本体第1側面部33と、本体第2側面部34と、本体頂部35とは、それぞれ、外部側に外面部材41が配置され、本体内部36側に断熱材42が配置される。
図5に示すように、炉床炉本体11では、本体側面部32(33、34)と本体頂部35とにおける本体内部36の断熱材42の表面に、電気ヒーター50が設けられる。すなわち、還元炉1は、本体側面部32(33、34)と本体頂部35とにおける本体内部36に、電気ヒーター50が設けられる。
具体的には、炉床炉本体11は、本体側面部32のうちの本体第1側面部33における本体内部36に、電気ヒーター50としての第1側面電気ヒーター53が設けられる。また、炉床炉本体11は、本体側面部32のうちの本体第2側面部34における本体内部36に、電気ヒーター50としての第2側面電気ヒーター54が設けられる。さらに、炉床炉本体11は、本体頂部35における本体内部36に、電気ヒーター50としての頂部電気ヒーター55が設けられる。
第1側面電気ヒーター53、第2側面電気ヒーター54、頂部電気ヒーター55等の電気ヒーター50の構造は特に限定されない。図5には、棒状の発熱体58が図5の紙面の表裏にU字状の屈曲を複数回繰り返すことにより、図5の紙面の垂直方向に沿って全体的に略矩形になるように形成された構造の電気ヒーター50を示した。図2~図4では、本体内部36に配置された電気ヒーター50を、破線の矩形や実線の矩形で示しているが、これらは、全体的に略矩形になるように形成された構造の電気ヒーター50を示す。
電気ヒーター50を構成する発熱体58としては、例えば、炭化ケイ素SiC発熱体、二ケイ化モリブデンMoSiO発熱体、グラファイト発熱体等が用いられる。このうち、炭化ケイ素SiC発熱体及び二ケイ化モリブデンMoSiO発熱体は、混合物Pの還元処理に影響を及ぼすおそれが小さく、また取り扱いが容易であり、さらに耐久性が高く、比較的安価であるため好ましい。
電気ヒーター50は、全体的に略矩形に形成された発熱体58からなり、一般的に厚みが小さく、かつ非常に高い精度での温度制御が可能である。このため、本体側面部32と本体頂部35とに電気ヒーター50を設けた回転炉床炉10によれば、非常に高い精度で温度制御が可能な均熱帯域を、本体内部36中で広くとることが容易である。したがって、本体側面部32と本体頂部35とに電気ヒーター50を設けた回転炉床炉10によれば、外形の大きさに比較して混合物Pの効率的な還元反応を行い易い。
これに対し、バーナーを用いる従来の回転炉床炉では、炉床上の混合物Pの周囲に均熱帯域を形成するための大きな均熱化補助領域が必要であり、また、均熱帯域を高い精度で温度制御することも困難である。例えば、バーナーを用いる従来の回転炉床炉では、炉床上の混合物Pの周囲に均熱帯域を形成するために加熱気体の安定した流れを形成する必要がある。このため、バーナーを用いる従来の回転炉床炉では、通常、炉床炉本体の本体内部に給気を行う給気部と、本体内部から排気を行う排気部とが、それぞれ、混合物Pから大きな距離を有するように形成される。すなわち、バーナーを用いる従来の回転炉床炉では、通常、混合物Pと炉床炉本体の給気部との間に大きな均熱化補助領域が必要であり、かつ混合物Pと炉床炉本体の排気部との間に大きな均熱化補助領域が必要である。
また、LNGバーナーを用いる従来の回転炉床炉では、通常、回転炉床炉の炉床炉本体の周囲にLNG供給装置や排気装置等の補機が設けられるため、回転炉床炉全体がさらに大型化する。さらに、微粉炭バーナーを用いる従来の回転炉床炉では、排気装置等の補機に加え、回転炉床炉の炉床炉本体の内周側面に投炭装置等の補機が設けられることで回転炉床炉全体がさらに大型化する。このように、バーナーを用いる従来の回転炉床炉は、回転炉床炉の大きさに比較して混合物Pの効率的な還元反応を行い難い。
なお、バーナー炉では加熱気体の流れを用いて均熱帯域を形成する。しかし、電気ヒーター50を用いる電気炉では、加熱気体の流れを用いないために均熱帯域が電気ヒーター50の近傍に形成される。このため、仮に、回転炉床炉10において本体側面部32及び本体頂部35の一方のみに電気ヒーター50を設けた場合は、均熱帯域を本体内部36中で広くとることが困難になり易い。
これに対し、本体側面部32と本体頂部35とに電気ヒーター50を設けた回転炉床炉10によれば、均熱帯域を本体内部36中で広くとることが容易であり、バーナー加熱式の従来の回転炉床炉に比較して、同じ大きさの炉であってもより多くの鉱石を処理することができる。そして、電気加熱方式の回転炉床炉10によれば、非常に高い精度で温度制御が可能であり、高特性かつ品質ばらつきの小さいフェロニッケルを製造することができる。
なお、回転炉床炉10では、本体側面部32(33、34)と本体頂部35とにおける本体内部36の断熱材42の表面に、電気ヒーター50が設けられる例を示した。しかし、回転炉床炉10の変形例として、本体底部31に電気ヒーター50がさらに設けられる回転炉床炉や、本体側面部32の本体第1側面部33及び本体第2側面部34の一方だけに電気ヒーター50が設けられる回転炉床炉としてもよい。
また、回転炉床炉10では、第1側面電気ヒーター53が12個、第2側面電気ヒーター54が20個、頂部電気ヒーター55が12個設けられる例を示した。しかし、回転炉床炉10の変形例として、第1側面電気ヒーター53、第2側面電気ヒーター54、及び頂部電気ヒーター55の数を、それぞれ、適宜変更した回転炉床炉としてもよい。
さらに、回転炉床炉10では、炉床炉本体11のみに、電気ヒーター50が設けられる例を示した。しかし、回転炉床炉10の変形例として、投入部21及び回収部25の1種以上に電気ヒーター50が設けられる回転炉床炉としてもよい。
<処理ゾーン>
還元炉1である回転炉床炉10は、異なる反応温度に制御可能に仕切られた処理ゾーン60を炉内部16に複数個備える移動炉床炉10になっている。具体的には、図3及び図4に示すように、回転炉床炉10は、炉内部16に、複数個の処理ゾーン60として、投入ゾーン61、昇温ゾーン62、温度保持ゾーン63、冷却ゾーン64、及び回収ゾーン65を含む。
より具体的には、図3及び図4に示すように、回転炉床炉10は、投入部21に設けられた投入ゾーン61と、炉床炉本体11に設けられた昇温ゾーン62、温度保持ゾーン63及び冷却ゾーン64と、回収部25に設けられた回収ゾーン65とを含む。
処理ゾーン60を異なる反応温度に制御可能にするため、隣接する処理ゾーン60は仕切り部材120で仕切られている。具体的には、炉床炉本体11において、隣接して設けられた昇温ゾーン62、温度保持ゾーン63及び冷却ゾーン64は、それぞれ、仕切り部材122、123、124で仕切られている。より具体的には、炉床炉本体11において、昇温ゾーン62と温度保持ゾーン63との間が仕切り部材122で仕切られ、温度保持ゾーン63と冷却ゾーン64との間が仕切り部材123で仕切られ、冷却ゾーン64と昇温ゾーン62との間が仕切り部材124で仕切られている。
また、回転炉床炉10において、投入部21に設けられた投入ゾーン61と炉床炉本体11に設けられた昇温ゾーン62との間が仕切り部材121で仕切られ、炉床炉本体11に設けられた冷却ゾーン64と回収部25に設けられた回収ゾーン65との間が仕切り部材125で仕切られている。
図5に仕切り部材122を示し、図6に仕切り部材121を示す。なお、図5に示す仕切り部材122、及び図6に示す仕切り部材121は、共に、混合物Pよりも紙面奥側に配置されている。図5及び図6では、混合物Pよりも紙面奥側に配置された仕切り部材122及び仕切り部材121の表面を示している。
仕切り部材120の形状は、特に限定されないが、例えば、板状体が用いられる。仕切り部材120の材質は、十分な耐熱性を有する限り特に限定されないが、例えば、SiC等の耐火セラミックス、アルミナ、シリカ、マグネシア等を主成分とする耐火煉瓦や耐火ボード、及び高温用金属が用いられる。
処理ゾーン60を異なる反応温度に制御可能にするため、各電気ヒーター50の出力を個別に制御可能になっている。なお、電気ヒーター50の出力の制御は、電気ヒーター50の1個以上において、必要により同一値に設定してもよい。電気ヒーター50の出力の制御は、例えば、図示しない温度計で測定した値に基づいて行う。各処理ゾーン60は、仕切り部材120及び各電気ヒーター50の出力の制御により、それぞれ異なる反応温度に制御可能になっている。
なお、回転炉床炉10では処理ゾーン60が投入ゾーン61、昇温ゾーン62、温度保持ゾーン63、冷却ゾーン64、及び回収ゾーン65を含む。しかし、回転炉床炉10の変形例として、これらの1個以上の処理ゾーン60を含まない態様、又は上記以外の処理ゾーン60をさらに含む態様の回転炉床炉としてもよい。
[分離工程]
分離工程S4では、還元工程S3にて生成した還元物からスラグを分離して、メタル(フェロニッケル)を回収する。具体的には、ペレットに対する還元処理によって得られた、メタル相(メタル固相)とスラグ相(スラグ固相)とを含む混在物(還元物)から、メタル相を回収する。
固体として得られたメタル相とスラグ相との混在物からメタル相とスラグ相とを分離する方法としては、例えば、篩い分けによる不要物の除去に加えて、比重による分離や、磁力による分離等の方法を利用することができる。
また、得られたメタル相とスラグ相は、濡れ性が悪いことから容易に分離することができ、上述の還元工程S3における処理で得られた大きな混在物に対して、例えば、所定の落差を設けて落下させる、又は篩い分けの際に所定の振動を与える等の衝撃を与えることで、その混在物からメタル相とスラグ相とを容易に分離することができる。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[混合処理工程]
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:72重量%、平均粒径:約63μm)を、適量の水を添加しながら混合機を用いて混合して混合物を得た。炭素質還元剤は、ニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe)とを過不足なく還元するのに必要な量100質量%に対して34質量%の割合となる量で含有させた。
[混合物成形工程]
次に、得られた混合物を、パン型造粒機を用いて造粒してペレットとし、φ16.0±0.5mmの大きさに篩った。その後、篩ったペレット試料を8つに分け、各試料を次の還元工程に供した。
[還元工程]
各試料を図2に示す還元炉1(回転炉床炉10)又はこれと部分的に異なる構造の還元炉に装入して、下記表3に示す条件で還元処理を施した。
還元処理は、熱源に関わらず炉床炉本体11又はこれに相当する部分のサイズが全て同じ大きさの還元炉を用い、還元温度は1380℃、還元時間(1380℃での保持時間)は25分とした。還元炉内には、その炉床に灰(主成分はSiO、その他の成分としてAl、MgO等の酸化物を少量含有する)を敷き、その上にペレットを載置するようにした。
なお、還元炉1の炉床炉本体11又はこれに相当する部分のサイズは全ての実施例、比較例で同じとした。実施例は電気加熱、比較例1、2は電気加熱、実施例3は微粉炭バーナーでの加熱、実施例4はLNGバーナーでの加熱とした。また、処理量は実施例3、4で処理できる最大量を100%として相対的に比較した。
より具体的に、実施例1~4では、熱源として電気を用いた電気加熱式の回転炉床炉を用いて還元処理を行った。電気ヒーター50は炉内の側壁と天井の両方に設けた。また、炉内に酸素が入り込まないように窒素ガスを流し、炉内がプラス圧になるようにした。
また、比較例1~2は実施例1~4と同じく電気加熱式の回転炉床炉を用いたが、電気ヒーターは炉内の側壁(比較例1)又は天井(比較例2)のいずれかに設けた。
一方、比較例3では、微粉炭バーナーを用いて加熱する回転炉床炉を用い、比較例4では、LNGバーナーを用いて加熱する回転炉床炉を用いて還元処理を行った。このとき、炉内はプラス圧になるように排気量を調整した。
このようにして還元処理を行って得られた還元物について、ニッケル(Ni)メタル率、メタル中ニッケル(Ni)含有率を、ICP発光分光分析器(SHIMAZU S-8100)により分析して算出した。下記表3に、分析結果から算出した値を示す。
なお、ニッケルメタル率は[1]式、メタル中ニッケル含有率は[2]式で算出した。
Niメタル率=ペレット中のメタル化したNiの量÷(ペレット中の全てNiの量)×100(%) ・・・[1]式
メタル中Ni含有率=ペレット中のメタル化したNiの量÷(ペレット中のメタルしたNiとFeの合計量)×100(%) ・・・[2]式
また、得られた還元物については、湿式処理よる粉砕を行った後、磁力選別によってメタルを回収した。そして、投入したニッケル酸化鉱石のニッケル含有率と投入量、そして回収したニッケル量からニッケル(Ni)メタル回収率を算出した。なお、ニッケルメタルの回収率は[3]式のとおりである。
Niメタル回収率=回収されたNiの量÷(投入した鉱石の量×鉱石中のNi含有割合)×100 ・・・・・[3]式
Figure 2024010510000004
表3に示されるように、電気加熱式還元炉を使用して還元処理を行った実施例1~4では、良好な結果が得られた。すなわち、ニッケルメタル化率は95.5%以上であり、メタル中ニッケル含有量は17.5%以上であり、またメタル回収率は95.7%以上であった。また実施例4に示されるように鉱石の処理量を130%にしても高い特性が得られ生産性の向上も実現できた。
一方で、電気を用いない加熱方式や電気ヒーターを本発明の側壁及び天井の両方に設けなかった還元炉を使用して還元処理を行った比較例1~4では、実施例と比較して悪い結果となった。
このような結果となった理由として、実施例1~4では、電気加熱式還元炉を使用した還元処理を行ったことから、温度を高い精度で制御できたうえに、実質的に酸素や水がない雰囲気で処理することができ、これにより、還元反応が均一に生じ、かつ生成されたメタルの再酸化が起きなかったためと考えられる。また、電気加熱式還元炉であることから、炉周辺でのCOの排出はなく、微粉炭やLNGによるバーナー加熱と比較して大幅にCO排出量を削減できた。
1 還元炉
10 回転炉床炉(移動炉床炉)
11 炉床炉本体
12 回転炉床(炉床)
16 炉内部
21 投入部
22 昇温部
23 温度保持部
24 冷却部
25 回収部
26 投入部内部
27 回収部内部
31 本体底部
32 本体側面部
33 本体第1側面部(内側側面)
34 本体第2側面部(外側側面)
35 本体頂部
36 本体内部
41 外面部材
42 断熱材
50 電気ヒーター
53 第1側面電気ヒーター
54 第2側面電気ヒーター
55 頂部電気ヒーター
58 発熱体
60 処理ゾーン
61 投入ゾーン
62 昇温ゾーン
63 温度保持ゾーン
64 冷却ゾーン
65 回収ゾーン
120、121、122、123、124、125 仕切り部材
221、225 外面部材
321、325 搬送部
P ペレット(混合物)
R 還元剤


Claims (3)

  1. 原料鉱石であるニッケル酸化鉱石を含む混合物を還元することによってフェロニッケルを製造するニッケル酸化鉱石の製錬方法であって、
    前記ニッケル酸化鉱石と、炭素質還元剤と、を混合して塊状の混合物とし、
    前記混合物を、熱源として電気を用いた電気加熱式の還元炉に装入し、該還元炉内で所定の還元温度に加熱して還元処理を施し、
    前記還元炉は、本体側面部と本体頂部とにおける炉内部に電気ヒーターが設けられる、
    ニッケル酸化鉱石の製錬方法。
  2. 前記還元処理の還元温度は、1200℃以上1500℃以下である、
    請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
  3. 前記還元炉は、回転炉床炉である、
    請求項1又は2に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
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