JP7209289B2 - 熱硬化性樹脂化粧板 - Google Patents

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本発明は熱硬化性樹脂化粧板に関する。
現在の社会で、家電やモバイル機器への充電方法として、無線給電がある。
特開平11-105474号公報
しかしながら、近年モバイル機器のワイヤレス充電機能搭載のニーズが高まる中で、無線給電装置のデスク等への埋め込みによる一体化の試みが行われてきたが、埋め込む箇所に基材加工が必要であった。
本発明はかかる状況に鑑み検討されたもので、積層構造中にシート状給電コイルを有する熱硬化性樹脂化粧板を用いることで、前記課題を解決することができる
本発明の熱硬化性樹脂化粧板は豊富な色柄と、表面強度、メインテナンス性など優れ、シート状給電コイルを内蔵するため、机、テーブル、カウンターなどの家具・什器、壁、床、天井などの内装の表面材として適用することで、非接触で化粧板の表面で給電できる。
本発明の熱硬化性樹脂化粧板の製造方法を示す分解構成断面図。 座ぐり加工する部分を示す分解構成断面図。 座ぐり加工した熱硬化性樹脂化粧板の構成断面図。
本発明の熱硬化性樹脂化粧板の積層構造は、図1に示すように樹脂含浸化粧紙2からなる化粧層と複数枚の絶縁性樹脂含浸紙5からなる絶縁層とシート状給電コイル9を含む。
化粧層は化粧板用の化粧紙に、熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂液が含浸、乾燥された樹脂含浸化粧紙からなり、熱硬化性樹脂としては、アミノ-ホルムアルデヒド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、或いはこれらの混合物が挙げられる。とりわけ好ましいのは、耐熱性、耐摩耗性などに優れるアミノ-ホルムアルデヒド樹脂である。
アミノ-ホルムアルデヒド樹脂は、メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合によって得ることができる。樹脂液の化粧紙に対する樹脂の含浸率は数1で示される算出方法で100~200%とであればよく、含浸後は乾燥される。アミノ-ホルムアルデヒド樹脂の中でも特に好ましいのは、耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性に優れるメラミン-ホルムアルデヒド樹脂である。
Figure 0007209289000001
更に化粧層の絵柄を保護する目的で樹脂含浸化粧紙の上に樹脂含浸表面紙を配しても良い。樹脂含浸表面紙はα-セルロ-スを主成分とする表面紙に、前記同様の熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂液を含浸し、乾燥したもので、熱圧成形後には透明となる。含浸率は数1で示される含浸率が200~350%となるように含浸し、乾燥する。樹脂の中でも、とりわけ好ましいのは、前記同様アミノ-ホルムアルデヒド樹脂であり、特に好ましいのは、耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性に優れるメラミン-ホルムアルデヒド樹脂である。
絶縁層を構成する絶縁性樹脂含浸紙は厚みが0.20~0.30mmであり、化粧板用の未晒しクラフト紙、化粧板用の晒しクラフト紙、アルミナ、アスベスト、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニアなどの無機繊維からなる不織布、織布、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カーボン、セルロース等の有機繊維などからなる不織布、織布などのコア紙にフェノール-アルデヒド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ビスマレイミド-トリアジン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの縮合反応により製造された縮合系樹脂を主成分とする樹脂液を含浸し、乾燥した樹脂含浸コア紙を用いることができる。
耐熱性、強度、耐衝撃性、絶縁性に優れるフェノール-アルデヒド樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール性水酸基1モルに対してアルデヒド類を1~1.3モルの割合で塩基性触媒下にて反応させて得られレゾール型フェノール樹脂が好適で、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられ、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザールなどが挙げられる。また、必要に応じてパラスルフォンアミド、桐油、燐酸エステル類、グリコール類などの可塑化を促す変性剤で変性されたものも適用でき、塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、及びトリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、アンモニアが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル),ポリ(2-メチル-6-エチル-1,4-フェニレンエーテル),ポリ(2,6-ジフェニル-1,4-フェニレンエーテル),ポリ(2-メチル-6-フェニル-1,4-フェニレンエーテル),ポリ(2,6-ジクロロ-1,4-フェニレンエーテル
)、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体、2,6-ジメチルフェノールと2-メチル-6-ブチルフェノール)との共重合体等が挙げられる。
ビスマレイミド-トリアジン樹脂としては、例えば、ビスマレイミド成分とシアネ-ト基を有するトリアジンモノマ-又はプレポリマ-とから得られた、イミド基とトリアジン環とを有する樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノフェニルメタン、トリグリシジルーpーアミノフェノール、トリグリシジルーmーアミノフェノール、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ペンタエリストール骨格を有するエポキシ樹脂などが挙げられる。
ポリイミド樹脂としては、縮合型ポリイミド、ビスマレイド系樹脂、付加型ポリイミド樹脂等が挙げられる。
複数枚の絶縁性樹脂含浸紙からなる絶縁層の厚みは0.8~20.0mmが好ましく、下限に満たないと後述のシート状給電コイルの跡が化粧板の表面に現われやすく、上限を超えると下方にシート状給電コイルを組み込んだ場合に給電コイルからの距離が遠くなる為、給電効率が低下する。
化粧紙にアミノ-ホルムアルデヒド樹脂を適用する場合は、樹脂含浸紙、特にクラフト紙にフェノール-アルデヒド樹脂を含浸し、乾燥されたフェノール-アルデヒド樹脂含浸紙を用いると仕上がった熱硬化性樹脂化粧板の反りが少なく好ましい。
次にシート状給電コイルについて説明する。シート状給電コイルは典型的には金属ナノインクをプラスチックフィルム上に渦巻き状に描画して導電パターンを得た後、メッキを施すことにより得られる。メッキを施す手段としては、電気エネルギーにより、溶液中の金属イオンを金属に還元させることで金属を皮膜として析出させる、いわゆる電解メッキや、化学反応によりメッキ溶液中に含まれる還元剤により金属イオンを還元し、メッキ対象物に金属を皮膜として析出させる、いわゆる無電解メッキが採用できる。
後者の無電解メッキは通電を必要としないため、素材の形状や種類にかかわらず均一な厚みの皮膜が得られ、プラスチックやセラミックスのような不導体にもめっき可能であるため好適に用いられる。
本発明においては、複数の複雑な配線を有する導電パターン全てに外部から均一な電流を流すことが困難であるため、無電解銅メッキを採用している。メッキの厚さは1~35μmが好ましく、3~20μmがより好ましい。厚みが薄すぎると給電効率が悪くなり、厚すぎると生産効率が低下する。銅は柔軟性、伝導性に優れることから好適である。シート状給電コイルのシート抵抗は23.6mΩ/□以下、より好ましくは8.5mΩ/□以下であれば充分に給電効果を発揮する。
配線をコイル状に描画してシート状給電コイルを得る手段としては、インクジェット印刷と無電解めっきを組み合わせた方法(以下インクジェット法)が挙げられる。一般的に導電パターンを形成する際に最もよく用いられる方法はフォトリソグラフィであるが、本熱硬化性樹脂化粧板に用いるシート状給電コイルの導電パターンは巻回されたフィルムを用いて製造することが経済的に望ましいことと、サイズが例えば4尺×8尺(約1230×2430mm)と大型であることから、一般的なフォトリソグラフィ工程で作ることが困難であった。それに対し、インクジェット法では巻回されたフィルムから巻き出して適
用することが容易であり、また大型化も容易であることから、好ましい。
シート状給電コイルは熱硬化性樹脂化粧板の積層構造中に少なくとも1箇所に離型フィルムを介して絶縁性樹脂含浸紙に挟持されて組み込まれる。シート状給電コイルが挟持される位置は絶縁層の中であれば任意の位置で良いが、好ましくは、最下層の絶縁性樹脂含浸紙と下から2番目の絶縁性樹脂含浸紙の間であれば、座ぐり加工しやすく、充分な給電が可能である。
シート状給電コイルを例えば、距離を隔てて2つ組み込んだ場合、一方のシート状給電コイルに送電すると電力を同じ共鳴周波数を有する隣の給電コイルに磁界共鳴により伝搬させ、無線による給電を行うことができ、他方のシート状給電コイルから受電できる。すなわちシート状給電コイルの大きさにもよるが複数個組み込むことのより給電コイルの距離が離れていても送電側から受電側に電力を伝送することが可能である。
尚、図示はしないが、磁束を集束し給電効率を向上させる目的で給電コイルの直下に軟質磁性材料、例えばフェライトシートを配しても良い。
シート状給電コイルのベース材として用いられるプラスチックフィルムの材質としてはポリプロピレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイドフイルムなどが挙げられ、耐候性、加工性、寸法安定性などの点から二軸延伸処理されたPETフィルム、OPP(オリエンテッドポリプロピレン)フィルムが好ましい。プラスチックフィルムには、易接着処理が施される。易接着処理としてはプライマーの塗布やコロナ放電処理やプラズマ処理等の表面活性化処理を施すことで接着シートとの密着性が向上する。プラスチックフィルムの厚みは10~300μm、より好ましくは20~75μmであれば取り扱いが容易である。
プラスチックフィルム上に描画する際に用いる金属ナノインクは金属ナノ粒子を水及び/又は金属ナノ粒子を保護・被覆する有機化合物と親和性を示すアルコール、ケトン、エーテル、エステル、アミド等の有機溶媒に分散させて得られるコロイド分散液のインクであり、印刷用の繊維質基材に印刷される。好ましい溶媒は炭素数1~10のアルコール類であり、中でも、メタノール、エタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールが好適である。
金属ナノインクの粘度は印刷する手段により適宜調整される。例えば、インクジェット印刷の場合は、1~50mPa・sec、スクリーン印刷の場合であれば1000~10000mPa・secが好ましい。金属の含有量は、インク全体に対して、10~50重量%であれば良い。この範囲を外れると金属ナノインクの表面が荒れて、均一で平滑になりにくくなる。その他インク中に、界面活性剤を配合しても良い。
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤や、シリコン系界面活性剤が挙げられる。
金属ナノインク中の金属ナノ粒子の含有量は電気伝導性の観点から、10~50重量%が好ましく、下限に満たないとい良好な電気伝導性が得られにくく、上限を超えると薄膜化しづらくなる。
金属ナノインクの塗布厚みとしては乾燥状態で0.1~1μmの範囲であれば良い。これ以上薄くなると十分な導電性が得られず、これより厚くなると化粧表面に凹凸が現れやすくなる。インクを塗布した後は,インク中の溶媒を乾燥し、常温、或いは必要に応じて導電性を高めるため熱照射、マイクロ波照射、フラッシュランプによる光照射によってインク中の金属ナノ粒子を焼結する。焼結温度は、用いられる金属または合金の融点などの性質に応じて適宜設定する。好ましくは60~500℃、より好ましくは100~300℃である。マイクロ波としては1GHz~1THzの周波数のもので、照射投入電力は500~1000W,照射時間は1~200分で良い。
金属ナノインクに係る金属ナノ粒子とは平均粒子径が数ナノから数百ナノメートルの金属の粒子をいい、本発明では1nm~500nm、より好ましくは10nm~300nmの金属粒子が好適に用いられる。金属ナノ粒子の平均粒子径は、金属ナノ粒子の分散液を乾燥させ、得られた乾燥物を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影し、画像解析ソフトにより測定することができる。平均粒子径が下限未満のものは製造が困難で、上限を超えると薄膜化が困難になりやすく、インクジェットで印刷する際にノズルが詰まりやすくなる。尚、平均粒子径は、後述の表面を保護・被覆する有機化合物を除いた金属のみの大きさを意味する。
金属には金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、コバルトなどが用いられ、これらは単独で用いても、複数種用いた合金であってもよい。特に金、銀、ニッケル、銅等の比較的導電性の良好な金属が好ましく、とりわけ銀は、電磁波遮蔽の機能だけではなく、酸化されにくく、低抵抗率で優れた電気伝導性を持ち、静電気発生の防止にも大きい役割を果たす。
本発明では銀前駆体として、ギ酸銀、酢酸銀、シュウ酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、硫酸銀、燐酸銀、炭酸銀、フッ化銀、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀及びこれらの誘導体などを用いることができ、これらは加熱により分解しやすく好適に用いられる。
金属ナノ粒子の製造については、公知の方法、例えば、プラズマ法、気相法、液相法、固相法などを用いればよい。特に、液相中で金属塩化合物を還元処理する湿式還元法が好適である。金属ナノ粒子は、表面を金属元素と配位的な結合が可能な基、例えば、アミノ基、チオール基、カルボキシ基、スルフィドからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機基を含む有機化合物で表面を保護・被覆するのが望ましく、保護・被覆することによって金属ナノ粒子の表面エネルギーが低下して金属ナノ粒子同士の凝集を防ぐことができ、有機溶媒中に均一に分散することができる。
保護・被覆する方法は、例えば、金属ナノ粒子を調製する際に前記の有機基を含む有機化合物を共存させれば良い。有機溶媒は金属ナノインクを塗布した後に蒸散するものを適宜選択して用いると、金属ナノ粒子は常温で乾燥或いは焼成する際に前記の有機化合物が剥離して凝集と融着が進み薄膜化する。
特に好ましい有機化合物としては、ジエタノールアミン,ジエチルメチルアミン,2-ジメチルアミノエタノール,メチルジエタノールアミンなどのアミン化合物や、エチレンジアミン、ブチルアミン、ジプロピルアミン、ヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-ノニルアミン、1-アミノデカン、1-アミノウンデカンなどのアルキルアミン類が挙げられ、これらは、金属微粒子の凝集を抑制する性能に優れ、低温でも金属粒子表面から除去されやすい。
次に熱硬化性樹脂化粧板の製造方法を図1に基づいて説明する。下から順に、切り込み6を入れた絶縁性樹脂含浸紙5、接着シート7、切り込み6の上方に端子を露出するための離型フィルム8、離型フィルム8の上のシート状給電コイル9、接着シート7を積層して、シート状給電コイル9が積層構造中で離型フィルム8を介して接着シート7により挟持されるようにする。更に絶縁性樹脂含浸紙5、樹脂含浸化粧紙2を積層し、熱圧成形することにより得られる。熱圧成形の条件は、温度125~160℃、時間50~90分、圧力40~70kgf/cmであればよい。
接着シートは坪量21~25g/mの繊維質基材にポリビニルブチラールを数1で示す含浸率で160~220%含浸、乾燥する。繊維質基材にはα-セルロース紙、チタン紙、クラフト紙、有機繊維布、無機繊維布などを用いる。
離型用のプラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPPフィルムが挙げられる。
次いで図2の太線で示されるように切り込み6から座ぐり加工して、裏面側から絶縁性含浸紙5、接着シート7、離型フィルム8を除去する。
図3は座ぐり加工した熱硬化性樹脂化粧板の構成断面図であり、使用に際しては一方の座ぐり加工部からシート状給電コイルに配線し、その上方、或いは他方の座ぐり加工部の上方に例えばスマートフォーンを置き給電する。
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。
シート状給電コイル(A)の製造
厚み50μmのPETフィルムに対し、シュウ酸銀を前駆体とし、平均粒子径30nm、粘度5mPa・secの銀ナノ粒子を、水を主たる溶媒とするインク全体重量の20重量%含むインクジェット用アミン修飾銀ナノ粒子インクを、インクジェットにより27ml/mの割合で渦巻き状に塗布し、120℃に加熱したオーブンに入れて180分加熱し銀ナノ粒子を焼結させて導電パターンを形成した後に、厚みが3μmとなるように無電解銅メッキを施し、シート抵抗6.7mΩ/□のシート状給電コイル(A)を得た。
樹脂含浸化粧紙の製造
厚み0.127mm、坪量が80g/mの化粧板用の化粧紙に、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂を主成分とし、硬化剤としてキャタニットAを含む樹脂液を数1で示される含浸率が150%となるように含浸し、乾燥してメラミン-ホルムアルデヒド樹脂含浸化粧紙を得た。
接着シートの製造
厚み54μm、坪量23g/mのα-セルロース紙にポリビニルブチラール樹脂を数1で示される含浸率が190%となるように含浸し、乾燥して接着シートを得た。
絶縁性樹脂含浸紙の製造
厚み0.247mm、坪量190g/mの未晒しクラフト紙にフェノール-アルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を、数1に示す含浸率が50%となるように含浸、乾燥してフェノール樹脂含浸クラフト紙を得た。
熱硬化性樹脂化粧板の製造
下から順に、4箇所に切り込みを入れたフェノール樹脂含浸クラフト紙を1枚、接着シートを1枚、切り込みの上方に離型用の厚み35μmのPETフィルムを載置し、離型用のPETフィルムを覆うようにシート状給電コイルを2個、接着シートを1枚、フェノー
ル樹脂含浸クラフト紙を3枚、メラミン樹脂含浸化粧紙を1枚を積層し、厚み3mmのステンレス鋼板(SUS304)を鏡面研磨し、硬質クロムメッキ処理したステンレス板を載置して、加熱加圧プレス機により、加熱温度130℃、圧力70kgf/cm、1時間の成形条件下で熱圧した。
次いで、切り込み6から座ぐり加工して、裏面側から絶縁性含浸紙5、接着シート7、離型フィルム8を除去して実施例1の熱硬化性樹脂化粧板を得た。
シート状給電コイル(B)の製造
実施例1のシート状給電コイル(A)の製造工程において、PETフィルム厚みを125μmに代えて製造したところ、シート抵抗6.7mΩ/□のシート状給電コイル(B)を得た。次いで、実施例1においてシート状給電コイル(A)に代えて、シート状給電コイル(B)を用いた以外は同様に実施した。
シート状給電コイル(C)の製造
実施例1のシート状給電コイル(A)の製造工程において、PETフィルム厚みを188μmに代えて製造したところ、シート抵抗7.3mΩ/□のシート状給電コイル(C)を得た。次いで、実施例1においてシート状給電コイル(A)に代えて、シート状給電コイル(C)を用いた以外は同様に実施した。
シート状給電コイル(D)の製造
実施例1のシート状給電コイル(A)の製造工程において、厚みが1μmとなるように無電解銅メッキを施し、シート抵抗23.6mΩ/□のシート状給電コイル(D)を得た。次いで、実施例1においてシート状給電コイル(A)に代えて、シート状給電コイル(D)を用いた以外は同様に実施した。
シート状給電コイル(E)の製造
実施例1のシート状給電コイル(A)の製造工程において、厚みが10μmとなるように無電解銅メッキを施し、シート抵抗2.1mΩ/□のシート状給電コイル(E)を得た。次いで、実施例1においてシート状給電コイル(A)に代えて、シート状給電コイル(E)を用いた以外は同様に実施した。
シート状給電コイル(F)の製造
実施例1のシート状給電コイル(A)の製造工程において、PETフィルムをアクリルフィルムに、フィルム厚みを75μmに代えて製造したところ、シート抵抗6.4mΩ/□のシート状給電コイル(F)を得た。次いで、実施例1においてシート状給電コイル(A)に代えて、シート状給電コイル(F)を用いた以外は同様に実施した。
シート状給電コイル(G)の製造
実施例6のシート状給電コイル(F)の製造工程において、アクリルフィルム厚みを300μmに代えて製造したところ、シート抵抗7.4mΩ/□のシート状給電コイル(G)を得た。次いで、実施例1においてシート状給電コイル(A)に代えて、シート状給電コイル(G)を用いた以外は同様に実施した。
シート状給電コイル(H)の製造
実施例1のシート状給電コイル(A)の製造工程において、PETフィルムをポリイミドフィルムに、フィルム厚みを23μmに代えて製造したところ、シート抵抗8.5mΩ/□のシート状給電コイル(H)を得た。次いで、実施例1においてシート状給電コイル(A)に代えて、シート状給電コイル(H)を用いた以外は同様に実施した。
評価結果を表1に示す。

Figure 0007209289000002


シート抵抗の測定:温度25℃で、幅1mm、長さ50mmの線分の抵抗値を、日置電機製RM3544を用いて四端子計測し50で除することにより計算した。
シート抵抗は低い程、導電性に優れる。シート抵抗が低いと給電時の熱損失が少なく、シート抵抗が高い場合と比べ高効率となる。
2 樹脂含浸化粧紙
5 絶縁性樹脂含浸紙
6 切り込み
7 接着シート
8 離型フィルム
9 シート状給電コイル
10 座ぐり加工部
12 熱硬化性樹脂化粧板


Claims (6)

  1. 積層構造中にシート状給電コイルを有し、
    前記シート状給電コイルは離型フィルムを介して接着シートに挟持されていることを特徴とする熱硬化性樹脂化粧板。
  2. 前記積層構造は、化粧層と、複数枚の絶縁性樹脂含浸紙からなる絶縁層を含むことを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂化粧板。
  3. 前記接着シートの外側には絶縁性樹脂含浸紙が配されていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂化粧板。
  4. 前記シート状給電コイルは最下層の絶縁性樹脂含浸紙と下から2番目の絶縁性樹脂含浸紙の間に組み込まれていることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の熱硬化性樹脂化粧板。
  5. 前記シート状給電コイルは、ベース材上に導電パターンが形成され、前記導電パターンの上には金属メッキが施されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の熱硬化性樹脂化粧板。
  6. 前記導電パターンは金属ナノインクを用いたインクジェット印刷により形成されていることを特徴とする請求項記載の熱硬化性樹脂化粧板。
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