JP7208815B2 - クレーン共用制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、侵入禁止範囲へのクレーンのブーム先端部の侵入を規制するクレーン共用制御システムに関する。
従来、例えば、特許文献1には、ステレオカメラやレーザースキャナ等によって3次元で周囲をスキャンして空間情報を取得し、この空間情報を他のクレーンと共有してクレーン同士の接触を防止する発明が記載されている。
また、特許文献2には、レーザー光により、送電線から安全離隔距離を確保した位置に制限バリアを作成し、ブーム先端に設けた反射体が制限バリア(光壁)に接触したことに応じて警報を発信する発明が記載されている。
特開2018-95364号公報 特開2009-249910号公報
しかしながら、上記特許文献1の従来技術では、レーザースキャナやステレオカメラ等によって、障害物の3次元情報を取得する必要があり、また、3次元情報の取得後に、この情報に基づいてクレーンの立ち入り禁止の範囲を設定する必要がある。そのため、3次元情報の取得等のための知識や準備が必要となり、設定に手間と時間がかかるという問題があった。また、上記特許文献2 の従来技術では、制限バリアを構成するために目印線の張設やレーザー光を投影する手段が別途必要となりバリアの設定のための手間やコスト等の問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、作業現場における複数点の座標の測位のみで侵入禁止範囲を手軽に設定することが可能なクレーン共用制御システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るクレーン制御システムは、クレーンの動作を規制する制御を行うクレーン制御システムであって、作業現場において測定された座標を代表点として設定する代表点設定部と、前記代表点設定部で設定した複数の前記代表点に基づき、侵入禁止範囲を設定する侵入禁止範囲設定部と、前記クレーンのブーム先端部に設けられたGNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナと、前記GNSSアンテナで受信した複数のGNSS衛星からの測位用信号に基づき、前記ブーム先端部の座標を測定する先端座標測定部と、前記先端座標測定部で測定した前記ブーム先端部の座標と、前記侵入禁止範囲の座標情報とに基づき、前記ブーム先端部が前記侵入禁止範囲内に侵入したか否か又は前記侵入禁止範囲に接近したか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づき、前記ブーム先端部が前記侵入禁止範囲内に侵入し続けないように又は前記侵入禁止範囲内に侵入しないように前記クレーンの動作を制御する動作制御部と、を備える。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の態様に係るクレーンは、上記第1の態様のクレーン制御システムを備える。
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の態様に係るクレーン共用制御システムは、通信回線を介して接続されたサーバ装置及び複数の上記第2の態様のクレーンを備える。各前記クレーンは、前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を前記通信回線を介して前記サーバ装置に送信する第1の情報送信部と、前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報の取得要求を前記通信回線を介して前記サーバ装置に送信する取得要求送信部と、前記サーバ装置から前記通信回線を介して送信された前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を受信する第1の情報受信部と、を備える。前記サーバ装置は、前記クレーンから前記通信回線を介して送信された前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を受信する第2の情報受信部と、前記第2の情報受信部で受信した前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を記憶する情報記憶部と、前記クレーンから前記通信回線を介して送信された前記取得要求を受信したことに応じて、前記情報記憶部に記憶された前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を前記取得要求の送信元の前記クレーンに送信する第2の情報送信部と、を備える。
また、上記目的を達成するために、本発明の第4の態様に係るクレーン制御システムは、上記第1の態様において、前記代表点設定部は、前記先端座標測定部で測定した前記ブーム先端部の座標に基づき前記代表点を設定可能に構成されている。
また、上記目的を達成するために、本発明の第5の態様に係るクレーン制御システムは、上記第1又は第4の態様において、前記侵入禁止範囲設定部は、前記複数の代表点を直線で結んだ境界線を設定し、該境界線に基づき前記侵入禁止範囲を設定する。
また、上記目的を達成するために、本発明の第6の態様に係るクレーン制御システムは、上記第5の態様において、前記侵入禁止範囲設定部は、前記境界線を延長した線に基づき前記侵入禁止範囲を設定する。
また、上記目的を達成するために、本発明の第7の態様に係るクレーン制御システムは、上記第5の態様において、前記代表点設定部は、前記複数の代表点として、前記ブーム先端の侵入を禁止すべき領域を平面視して、その角部を形成する2辺のうちの一方の辺の近傍の2次元座標からなる第1代表点と、他方の辺の近傍の2次元座標からなる第2代表点と、前記一方の辺と前記他方の辺との交点の近傍の2次元座標からなる第3代表点とを設定可能に構成されており、前記侵入禁止範囲設定部は、前記第1代表点と前記第3代表点とを直線で結び且つ前記第2代表点と前記第3代表点とを直線で結んだ線を前記境界線として設定する。
また、上記目的を達成するために、本発明の第8の態様に係るクレーン制御システムは、上記第5又は第6の態様において、前記代表点設定部は、前記複数の代表点として、前記ブーム先端の侵入を禁止すべき領域を平面視して、その角部を形成する2辺のうちの一方の辺の近傍における該一方の辺に沿って並んだ位置の2次元座標からなる第1代表点及び第2代表点と、他方の辺の近傍における該他方の辺に沿って並んだ位置の2次元座標からなる第3代表点及び第4代表点とを設定可能に構成されており、前記侵入禁止範囲設定部は、前記第1代表点と前記第2代表点とを直線で結んだ第1直線と、前記第3代表点と前記第4代表点とを直線で結んだ第2直線とを設定し、前記第1直線及び前記第2直線とを両者が交わる位置まで延長した線を前記境界線として設定する。
また、上記目的を達成するために、本発明の第9の態様に係るクレーン制御システムは、上記第5の態様において、前記代表点設定部は、前記複数の代表点として、平面視で建築建屋を囲むように形成された荷取ステージの4隅の2次元の座標を設定可能に構成されており、前記侵入禁止範囲設定部は、前記4隅の座標を直線で結んだ四角線を前記境界線として設定し、前記四角線の外側を前記侵入禁止範囲として設定する。
また、上記目的を達成するために、本発明の第10の態様に係るクレーン制御システムは、上記第1、第4~第9の態様のいずれか1において、前記GNSSの機能を有した携帯型の端末によって測定された前記作業現場における複数の座標を、前記代表点設定部に、前記端末から無線若しくは有線を介して、又は入力部を介して手入力により入力可能に構成されている。
また、上記目的を達成するために、本発明の第11の態様に係るクレーン制御システムは、上記第1、第4~第10の態様において、前記代表点設定部は、前記複数の代表点として、同一平面上のそれぞれ異なる3つ以上の3次元座標からなる3つ以上の第1平面座標と、前記第1平面座標とは高さ方向の座標のみが異なる同一平面上の3つ以上の3次元座標からなる3つ以上の第2平面座標とを設定可能に構成されており、前記侵入禁止範囲設定部は、前記第1平面座標を結んで構成される多角線である第1多角境界線と、前記第2平面座標を結んで構成される多角線である第2多角境界線とに基づき前記侵入禁止範囲を設定する。
また、上記目的を達成するために、本発明の第12の態様に係るクレーン制御システムは、上記第1、第4~第11の態様のいずれか1において、前記クレーンの旋回動作の規制対象として前記侵入禁止範囲の少なくとも一部を含む旋回範囲である規制領域範囲を設定する規制領域範囲設定部と、前記規制領域範囲の前後に、旋回用アクチュエータの出力変化を緩和する旋回範囲である出力緩衝範囲を設定する出力緩衝範囲設定部と、前記クレーンのブーム先端部が前記出力緩衝範囲内にあると判定したときに、前記旋回用アクチュエータの出力を、前記旋回動作を停止しない範囲で制限し、前記ブーム先端部が前記規制領域範囲内にあると判定したときに、前記旋回用アクチュエータの出力を、前記規制領域範囲内へと侵入を続ける方向の前記旋回動作を停止するように制御する旋回規制制御部と、を備える。
本発明によれば、作業現場における代表の座標の測位のみで侵入禁止範囲を手軽に設定することが可能となるので、従来と比較して、侵入禁止範囲の設定にかかる手間及び時間並びにコストを低減することが可能である。
第1実施形態に係るクレーンの構成を示す側面図である。 第1実施形態に係るGNSS受信装置の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係るGNSS受信装置の取付構成を示す斜視図である。 クレーンの運転室内の構成を示す模式図である。 機関室の内部構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るクレーン制御システムの構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る第1コントローラの具体的な機能構成を示すブロック図である。 範囲設定部の具体的な構成を示すブロック図である。 (a)は、第1実施形態に係る侵入禁止範囲の一例を示す図であり、(b)は、第1実施形態に係る旋回範囲の一例を示す図である。 第1実施形態に係るモード設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る侵入禁止範囲設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る旋回範囲設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 規制動作モード設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る動作規制制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る旋回規制制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 (a)及び(b)は、代表点指定モードにおける代表点の設定動作の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、設定された代表点に基づく侵入禁止範囲の設定動作の一例を示す図である。 (a)は、特定停車状態の一例を示す図であり、(b)は、旋回範囲の設定動作の一例を示す図である。 (a)~(c)は、旋回規制制御を実施時のクレーン1の旋回動作の一例を示す図である。 (a)及び(b)は、動作規制制御を実施時のクレーン1の走行動作の一例を示す図である。 (a)~(d)は、代表点受信モードにおいて代表点座標群MCPの測定から境界線を生成するまでの動作の流れの一例を示す図である。 (a)~(c)は、第1実施形態の応用例1に係る拡張侵入禁止範囲を設定する場合の動作例を示す図である。 拡張侵入禁止範囲に対する動作規制制御を実施時のクレーンの動作例を示す図である。 (a)~(c)は、第1実施形態の応用例2の角部を有する侵入不可領域に対して特殊な3点指定によって代表点を生成する場合の動作例を示す図である。 (a)は、応用例2に係る境界線の設定動作の一例を示す図であり、(b)は、応用例2に係る侵入禁止範囲及び拡張侵入禁止範囲の設定動作の一例を示す図である。 (a)は、応用例2に係る侵入禁止範囲に対する動作規制制御を実施時のクレーンの動作例を示す図であり、(b)は、応用例2に係る拡張侵入禁止範囲に対する動作規制制御を実施時のクレーンの動作例を示す図である。 第1実施形態の応用例3の角部を有する侵入不可領域に対して特殊な4点指定によって代表点及び境界線を設定する場合の動作例を示す図である。 応用例3に係る侵入禁止範囲の設定動作及びこの侵入禁止範囲に対する動作規制制御を実施時のクレーンの動作例を示す図である。 (a)は、第1実施形態の応用例4に係る代表点の設定動作の一例を示す図であり、(b)は、応用例4に係る境界線の設定動作の一例を示す図である。 応用例4に係る侵入禁止範囲の設定動作の一例を示す図である。 第2実施形態に係るタワークレーンの構成及び侵入禁止範囲の設定動作の一例を示す図である。 第3実施形態に係るクレーン共用制御システムの構成例を示す図である。 第3実施形態に係る共用システム管理用サーバの構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る共用システム管理用サーバの具体的な機能構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る第1コントローラの具体的な機能構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る共用管理処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る共用制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
次に、図面を参照して、本発明の第1~第3実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、部材ないし部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1~第3実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
〔第1実施形態〕
〔全体構成〕
本発明の第1実施形態に係るクレーン制御システムを搭載した自走式の油圧クレーン1(以下、単に「クレーン1」と称す)は、図1に示すように、機体2と、機体2上部の前方側中央に設けられたクレーン装置3とを備える。機体2は、上部旋回体4と、この上部旋回体4の下部に設けられた走行装置6とを備える。上部旋回体4は、その後方側に設けられた機関室4EGと、クレーン装置3の左側方に設けられた運転室5とを備える。
クレーン装置3は、上部旋回体4上に起伏自在に設けられた伸縮式のブーム30と、荷吊用のフック34とを備える。ブーム30の基端部にはウインチ(図示略)が設けられており、このウインチからワイヤロープ33をブーム30の先端部32に導いて、先端部32の滑車(図示略)を介してフック34に掛回すことにより、フック34をブーム30の先端部32から吊下している。ブーム30の内側には、ブーム30の伸縮用の油圧シリンダであるブーム伸縮用油圧シリンダ35が設けられている。更に、ブーム30の先端部32(以下、「ブーム先端部32」と称す)には、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信装置71が設けられている。
GNSS受信装置71は、図2に示すように、軸部71aと、板状部材71bと、ベース部材71cと、GNSS受信機71dと、GNSSアンテナ71eとを備えている。
軸部71aは、その一端部がブーム先端部32の左側面に固定されている。板状部材71bは、平面視で矩形状をなし、その長手方向の一端部が軸受(図示略)を介して軸部71aの他端部に軸部71a回りに回動自在に支持されている。
ベース部材71cは、矩形面を有する立方体形状を有し、その長手方向の一端部が板状部材71bの長手方向の他端部に、板状部材71bと共に側面視で略L字状をなすように固定されている。なお、ベース部材71cは、ウエイトの役割を有しており、板状部材71bと比較して厚めに構成されている。
GNSS受信機71dは、ベース部材71cの長手方向の他端側の上部に立設された円筒状の筐体を有し、その内側にGNSS衛星からの測位用信号を受信するための受信回路等の各種回路を搭載している。
GNSSアンテナ71eは、円盤状をなし、その一方の面(図2では下側の面)の中心部に突設された取付用の軸部を有している。GNSSアンテナ71eは、取付用の軸部を介して、GNSS受信機71dの筐体の上端部に例えば接着剤やネジ止め等により固定されている。加えて、GNSSアンテナ71eは、その端子部が電気ケーブル等を介してGNSS受信機71dの受信回路と電気的に接続されている。
かかる構成によって、GNSS受信装置71は、例えば、ブーム30が図3(a)に示す状態から起方向に動作して図3(b)に示す起状態になっても、ベース部材71cの重みによって、ベース部材71cが下側にくるように軸部71a以外の部分の全体が軸部71a回りに回動する。即ち、GNSS受信装置71は、ブーム30がどのような起伏状態でも、GNSSアンテナ71eが常に上を向くように構成されている。
運転室5の内部5iには、図4に示すように、左操作レバー5rL及び右操作レバー5rRを含む各種操作レバーを備えたクレーン操作装置と、後述するクレーン制御システム7を構成するコントロールボックス70とが配置されている。具体的に、コントロールボックス70は、内部5iに設けられた運転席(図示略)に着座したオペレータが視認可能な位置である正面窓の右枠部に取り付けられている。
機関室4EGの内部には、図5に示すように、例えばディーゼルエンジンや電動モータ等から構成される動力源40と、この動力源40を駆動源とした油圧ポンプ41と、この油圧ポンプ41で発生した圧油を各種油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータに供給する圧油供給装置42とが収容されている。
具体的に、圧油供給装置42は、油圧ポンプ41からの圧油を、ブーム伸縮用油圧シリンダ35、ブーム起伏用油圧シリンダ36と、ウインチ用油圧モータ37と、走行用油圧モータ60L,60Rとに供給する。加えて、第1実施形態では、油圧ポンプ41からの圧油を、比例電磁弁50を介して上部旋回体4の旋回用アクチュエータである旋回用油圧モータ51に供給する。
上部旋回体4は、オペレータの左操作レバー5rL(図2参照)の操作に応じて旋回作動するように構成されている。具体的に、左操作レバー5rLが操作されると、油圧ポンプ41で発生した圧油が、圧油供給装置42の備える旋回用切替制御弁(不図示)を介して比例電磁弁50に供給される。
ここで、比例電磁弁50は、後述する第2コントローラ20からの駆動電流信号である開度制御信号Octrに基づき、該信号Octrによって供給される電流量に比例した開度となるように作動する。即ち、比例電磁弁50は、供給電流量0で開度0%(遮断状態)となり、供給電流量が0よりも大きいときに供給電流量に比例した開度(~100%)となるように作動する。従って、比例電磁弁50に供給された圧油は、この比例電磁弁50の開度に応じた流量で旋回用油圧モータ51に供給される。これにより、旋回用油圧モータ51は、供給された圧油の流量に応じた速度で回転駆動し、上部旋回体4が旋回作動する。
オペレータが、クレーン操作装置を操作することによって、油圧ポンプ41で発生した圧油が圧油供給装置42の備える各種切替制御弁(不図示)を介して各種油圧アクチュエータに供給される。これによって、ブーム伸縮用油圧シリンダ35が伸縮すると、ブーム30が伸縮する。一方、ブーム起伏用油圧シリンダ36が伸縮すると、ブーム30が起伏する。また、ウインチ用油圧モータ37が正回転又は逆回転することで、ワイヤロープ33がウインチドラム(図示略)から繰り出されるか又はウインチドラムに巻き取られる。これによって、フック34が上下動する。
図1に戻って、走行装置6は、機体2下部の左右に装着された左クローラ装置6L及び右クローラ装置6R(図示略)を有する。そして、これら左クローラ装置6L及び右クローラ装置6Rに個別に対応する二つの走行用油圧モータ60L,60R(図5参照)を備えている。走行用油圧モータ60L,60Rは、何れも圧油供給装置42から走行用切替制御弁(不図示)を介して圧油を個別に供給することによりそれぞれが独立して作動するようになっている。
これにより、左操作レバー5rL及び右操作レバー5rRを個別に前進または後退操作することで、対応する左クローラ装置6L及び右クローラ装置6Rを個別に駆動することが可能となっている。
そして、オペレータが、各種操作レバーを操作することによって、ブーム30の起伏動作、ブーム30の伸縮動作、ワイヤロープの繰り出し又は巻き取り動作、上部旋回体4の旋回動作及び走行装置6の走行動作を行う。これにより、吊り具等を用いてフック34に吊り下げられた建築資材等の吊荷を、オペレータの所望の位置へと移動させることが可能である。
〔クレーン制御システム7の構成〕
次に、図6に基づき、クレーン制御システム7の具体的な構成を説明する。
第1実施形態のクレーン1は、図6に示すように、クレーン制御システム7を備える。このクレーン制御システム7は、上述したブーム先端部32に設けられたGNSS受信機71d及びGNSSアンテナ71eを備える。加えて、このクレーン制御システム7は、上部旋回体4の旋回軸(不図示)に設けられた旋回角度センサ75を備える。更に、このクレーン制御システム7は、機体2及びクレーン装置3の作動を制御するコントローラである第2コントローラ20と、旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量を調整するための比例電磁弁50とを備える。
コントロールボックス70は、図6に示すように、第1コントローラ70aと、メモリリーダ70bと、記憶装置70cと、表示入力装置70dと、無線通信装置70eとを備える。
第1コントローラ70aには、例えばCAN(Controller Area Network)等の不図示の車載ネットワークを介して、GNSS受信機71dと、旋回角度センサ75とが接続されている。
GNSS受信機71dは、GNSSアンテナ71eを介して受信した複数(例えば5つ以上)のGNSS衛星からのGNSS電波に応じた測位用信号GNSSを、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
旋回角度センサ75は、上部旋回体4の旋回角度θtを検出する。旋回角度センサ75は、検出した旋回角度θtを、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
第1コントローラ70aは、例えばマイクロコントローラから構成されており、図示省略するが、CPU、ROM、RAM、内外バス、I/F回路等を有する。なお、ROM又は後述する記憶装置70cには、クレーン制御システム7の制御プログラム等の各種プログラムやプログラムで使用するデータが記憶されている。
そして、第1コントローラ70aは、ROM又は記憶装置70cに記憶された制御プログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込んだ制御プログラムをCPUで実行することで、クレーン制御システム7の各機能を実現させる。
具体的に、第1実施形態のクレーン制御システム7は、侵入禁止範囲設定機能と、旋回範囲設定機能と、クレーン動作規制制御機能とを備えている。
第1実施形態の侵入禁止範囲設定機能は、クレーン1の操作ミス等による規制対象の損傷や破損を防ぐことを目的に、規制対象の近傍にクレーン1のブーム先端部32及び吊荷の侵入を禁止する範囲を設定する機能である。
ここで、規制対象は、荷役作業によって破損や損傷してはならない構造物を含むと共に、クレーン1のブーム先端部32及び吊荷が侵入してはいけない領域等も含むものである。即ち、規制対象の構造物は、例えば、足場などの一時的に設けられる仮設物、電柱や家屋等の地上構造物、電線等の架空線、鉄道敷に近接した場所で施工する場合の鉄道線路や踏切等の鉄道構造物を含む。また、規制対象の領域は、例えば、鉄道境界線の先の領域、道路の工事する側とは反対側の車線、建物の屋上の外周部よりも外側の領域等の領域を含む。更に、工事用桟橋の開口部や掘削により地上に形成された開口部等の付近や内部(例えば開口部下など)に作業員等の人員がいる可能性のある領域等も含む。
また、第1実施形態の旋回範囲設定機能は、クレーン1の旋回操作ミスや荷ブレによる規制対象の損傷や破損を防ぐことを目的に、旋回速度を段階的に制限する範囲を設定する機能である。
また、第1実施形態のクレーン動作規制制御機能は、上述した侵入禁止範囲、旋回範囲に基づいて、クレーン1の動作を規制する制御を行う機能である。
メモリリーダ70bは、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成されるメモリ媒体(例えば、メモリカード、USBメモリ等)を不図示の挿入部に挿入することで、挿入されたメモリ媒体に対してデータの読み出しを行う装置である。第1実施形態において、このメモリリーダ70bは、外部で作成された代表点座標群MCP(後述)や侵入禁止範囲IPR(後述)等のデータを記憶装置70cに取り込むために用いられる。
記憶装置70cは、例えばハードディスク等の比較的容量の大きい不揮発性の記憶媒体から構成されている。記憶装置70cは、第1実施形態では、表示入力装置を介して入力された代表点座標群MCPのデータや、メモリリーダ70bを介してメモリ媒体に記憶された各種データを記憶するのに用いられる。他にも、制御プログラムや制御プログラムの実行に必要な各種データを記憶していてもよい。
表示入力装置70dは、液晶表示パネルとタッチパネルとを組み合わせた表示パネルを有する。表示入力装置70dは、上記各機能を実現する処理であるモード設定処理、侵入禁止範囲設定処理、旋回範囲設定処理、規制動作モード設定処理、動作規制制御処理、旋回規制制御処理等を実行する際の各種表示情報を表示する。また、タッチパネルの機能によって、オペレータが表示画面を指等でタッチすることでタッチ位置に応じた情報を入力することが可能である。
第1実施形態では、表示入力装置70dに、上記各処理の設定指示ボタン画像、各種モードの選択ボタン画像等を含む複数のボタン画像を表示し、オペレータがボタン画像上をタッチパネル越しにタッチすることで、タッチしたボタンの種類に応じた情報を第1コントローラ70aに入力する。
無線通信装置70eは、外部の無線通信機能を有する装置との間で無線通信を行う機器である。第1実施形態では、不図示のGNSS基準局からの補正信号CORの受信や、不図示のスマートフォンやタブレット等の携帯通信端末との通信などに用いる。また、TS(Total Station)との通信に用いてもよい。無線通信装置70eは、外部装置から受信したデータを、I/F回路を介して第1コントローラ70aに送信する。
ここで、GNSS基準局は、施工現場の基準点(明確な位置)に設置されたGNSS受信機であり、GNSSアンテナと無線機とを有し、複数(例えば5つ以上)の測位衛星からのGNSS電波を受信し、受信した複数の衛星からのGNSS電波に応じたGNSS信号とGNSS基準局の位置情報とを含む補正信号CORを外部装置へと無線送信する。
〔第1コントローラ70aの機能構成〕
次に、図7に基づき、第1コントローラ70aの具体的な機能構成を説明する。
第1コントローラ70aは、その機能構成部として、図7に示すように、測位情報補正部170と、代表点設定部171と、画像表示処理部172と、範囲設定部173と、動作規制制御部174とを備える。
測位情報補正部170は、RTK(Real Time Kinematic)測位機能を有している。測位情報補正部170は、GNSS受信機71dから入力された測位用信号GNSSと、無線通信装置70eを介して入力されるGNSS基準局からの補正信号CORとに基づき、これらのGNSS信号の位相差と波数(整数値バイアス)とを算出する。そして、算出した位相差と波数とに基づきGNSS受信機71dの3次元座標情報である受信機座標(X,Y,Z)を算出する。測位情報補正部170は、算出した受信機座標(X,Y,Z)を、ブーム先端座標BCとして、代表点設定部171に出力する。
代表点設定部171は、作業現場における侵入禁止範囲IPRを設定するための代表の座標MCP(以下、「代表点座標群MCP」と称す)を設定する。ここで、侵入禁止範囲IPRは、作業現場において、クレーン1のブーム先端部32及び吊荷の侵入を禁止する範囲である。侵入禁止範囲IPRは、侵入を禁止する範囲の座標情報を含む情報となる。
具体的に、代表点設定部171は、画像表示処理部172からの代表点の設定モード情報の入力に応じて、入力された設定モード情報の示すモードへと移行する。ここで、第1実施形態において、代表点の設定モードには、代表点指定モードと、代表点読出モードと、代表点受信モードとがある。
代表点指定モードは、GNSS受信機71dを利用した設定モードであり、クレーン1を規制対象の近くへと移動させると共に、ブーム先端部32を、侵入禁止範囲IPRとして設定したい境界位置へと移動させてそのときのブーム先端座標BCを代表点CPとして設定するモードである。なお、代表点CPは、境界位置に沿って異なる複数箇所の位置で測定し、複数の代表点CPを代表点座標群MCP1として設定する。また、代表点指定モードでは、代表点の指定方法を複数の方法のうちから選択することが可能となっている。具体的に、侵入を禁止したい領域の形状や範囲等に応じて、代表点の数等の指定方法を選択できるようになっている。
代表点読出モードは、メモリリーダ70b等を介して記憶装置70cに予め記憶された代表点座標群の情報を読み出して、読み出した代表点座標群を代表点座標群MCP2として設定するモードである。
代表点受信モードは、例えば、GNSSによる測位機能を有したスマートフォンやタブレット等の携帯型の通信端末にて予め測定された代表点座標群の情報を、無線通信装置70eを介して受信し、受信した代表点座標群を代表点座標群MCP3として設定するモードである。なお、第1実施形態において、通信端末には、代表点CPを測定するためのアプリケーションソフトがインストールされているものとする。
以下、代表点座標群MCP1~MCP3を区別しない場合は、単に「代表点座標群MCP」と称す。
代表点設定部171は、各モードに応じて設定した代表点座標群MCPの情報を範囲設定部173に出力すると共に、代表点座標群MCP1及びMCP3の情報を記憶装置70cに記憶する。
画像表示処理部172は、上述したモード設定処理、侵入禁止範囲設定処理、旋回範囲設定処理、規制動作モード設定処理、動作規制制御処理、旋回規制制御処理等の各種処理において必要な画像を表示入力装置70dに表示する処理を行う。
具体的に、画像表示処理部172は、モード設定処理では、侵入禁止範囲設定モードと、旋回範囲設定モードと、クレーン動作規制制御設定モードとを設定するための選択ボタン画像を含むモード設定画像を表示するための画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。加えて、画像表示処理部172は、侵入禁止範囲設定モードの選択ボタンが押下されたときに、侵入禁止範囲設定モードが選択されたことを示す通知情報を代表点設定部171に出力する。
更に、画像表示処理部172は、侵入禁止範囲設定モードが設定された場合に、代表点設定部171からの指示に応じて、代表点設定画像を表示するための画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。代表点設定画像は、代表点指定モードの選択ボタン画像である代表点指定ボタン画像と、代表点読出モードの選択ボタン画像である代表点読出ボタン画像と、代表点受信モードの選択ボタン画像である代表点受信ボタン画像と、設定完了ボタン画像とを含むものである。また、画像表示処理部172は、代表点設定画像内の選択ボタン画像のタッチ入力に基づき、選択されたモードの情報を代表点設定部171に出力する。
更に、画像表示処理部172は、代表点指定モードが設定された場合に、代表点設定部171からの指示に応じて、代表点の具体的な指定方法を選択する選択ボタン画像を表示するための画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。例えば、代表点の指定数などが選択可能となっている。また、画像表示処理部172は、指定方法の選択ボタン画像のタッチ入力に基づき、選択された指定方法の情報を代表点設定部171に出力する。
一方、画像表示処理部172は、旋回範囲設定モードの選択ボタンが押下されたときに、旋回範囲設定モードが選択されたことを示す通知情報を範囲設定部173に出力する。加えて、画像表示処理部172は、旋回範囲設定モードが設定された場合に、範囲設定部173からの指示に応じて、旋回範囲8(後述)の設定を補助する旋回範囲設定案内画像を表示するための画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。この旋回範囲設定案内画像は、例えば、停車位置を指示する画像、停車完了を示すボタン画像、侵入禁止範囲IPRを示す画像、侵入禁止範囲IPRに対するブーム先端座標BCの相対位置を示す画像等を含むものである。
また、画像表示処理部172は、クレーン動作規制制御設定モードの選択ボタンが押下されたときに、クレーン動作規制制御設定モードが選択されたことを示す通知情報を動作規制制御部174に出力する。加えて、画像表示処理部172は、クレーン動作規制制御設定モードが設定された場合に、動作規制制御部174からの指示に応じて、規制動作モード設定画像を表示するための画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。
ここで、規制動作モード設定画像は、動作規制制御モードのON/OFFを選択する選択ボタン画像と、旋回規制制御モードのON/OFFを選択する選択ボタン画像と、禁止モードの種類を選択する選択ボタン画像と、設定完了ボタン画像とを含むものである。また、動作規制制御モードは、侵入禁止範囲IPRに基づくクレーン1の動作規制制御処理を実行するモードであり、旋回規制制御モードは、旋回範囲8に基づくクレーン1の旋回規制制御処理を実行するモードである。また、禁止モードは、侵入禁止範囲IPRに対して禁止する動作内容に応じたモードであり、ブーム先端部32の侵入禁止範囲IPRへの侵入に応じて動作を規制する第1禁止モードと、ブーム先端部32の侵入禁止範囲IPRへの接近距離が所定距離以下となったことに応じて動作を規制する第2禁止モードとがある。
更に、画像表示処理部172は、動作規制制御モードのON/OFFを選択する選択ボタンの押下に応じて、動作規制制御モードのON/OFFの状態を示す通知情報を動作規制制御部174に出力する。更に、旋回規制制御モードのON/OFFを選択する選択ボタンの押下に応じて、旋回規制制御モードのON/OFFの状態を示す通知情報を動作規制制御部174に出力する。なお更に、禁止モードの種類を選択する選択ボタンの押下に応じて、禁止モードが第1禁止モードに設定されているか第2禁止モードに設定されているかを示す通知情報を、範囲設定部173に出力する。
範囲設定部173は、図8に示すように、侵入禁止範囲設定部173aと、旋回範囲設定部173bとを備える。
侵入禁止範囲設定部173aは、代表点設定部171から入力された代表点座標群MCPに含まれる複数の代表点CPの情報に基づき、侵入禁止範囲IPRを設定する。
以下、図9(a)に示すように、2つの代表点CP1及びCP2を含む代表点座標群MCPに基づき侵入禁止範囲IPR1を設定する場合を例に挙げて、侵入禁止範囲IPRの具体的な設定方法を説明する。なお、代表点座標群MCPとしては3つ以上の代表点CPを設定してもよい。
図9(a)中の一点鎖線で示した実境界線BL1は、同図中に斜線で示したブーム先端部32が侵入不可の領域(以下、「侵入不可領域」と称す)側と、斜線の無い侵入可能な領域(以下、「侵入可能領域」と称す)側との境界線である。なお、実境界線BL1及び斜線で示した領域は、説明の便宜上図示したものであり、予め座標情報等が解っていなければ画面表示できない情報となる。第1実施形態では、座標情報が解っていないものとし、画面表示等はしないものとする。また、侵入禁止範囲IPR1を設定するにあたって、ブーム先端座標BCに対して侵入不可領域の方向を示す情報を予め設定する必要がある。例えば、ブーム先端座標BCに対して、GNSSの座標値が増加する側を侵入不可領域側とし、減少する側を侵入可能領域側として設定するなどして方向を示す情報を設定する。この情報は、例えば、オペレータが手入力することで設定する。なお、この構成に限らず、例えば、GNSS受信装置を上部旋回体4側にも設けて、上部旋回体4の座標位置を取得するようにし、実境界線BL1又は境界線L(後述)に対して、上部旋回体4の存在しない側を侵入不可領域側として自動で設定する構成としてもよい。また、例えば、オペレータに、クレーン1を実境界線BL1に向かって走行させて、そのときのブーム先端座標BCの変化から計算により自動設定する構成としてもよい。
代表点CP1及びCP2は、実境界線BL1に沿って、実境界線BL1よりも侵入可能領域側に所定距離(マージン)を空けて設定された座標となっている。即ち、代表点CP1及びCP2は、吊荷の大きさや荷ブレの範囲などを考慮して、余裕をもった座標位置を設定することが望ましい。なお、第1実施形態では、別途、旋回範囲8を設定することで、旋回動作に対して、吊荷の大きさや荷ブレ等の対策が可能となっている。図9(a)中の実線で示した境界線L1は、代表点CP1及びCP2を直線で結んでなる境界線である。図9(a)の例では、境界線L1から侵入不可領域側の矩形の領域を侵入禁止範囲IPR1として設定している。ここでは、2つの代表点を設定する例を説明したが、3つ以上の代表点を設定する場合は、予め設定された順番で各代表点を直線で結ぶことで境界線Lを設定する。また、代表点CP1及びCP2の設定方法の詳細は後述する。
旋回範囲設定部173bは、旋回範囲設定モードが設定されている場合に、オペレータに対して、クレーン1を、荷役作業を行う位置に特定の姿勢で停車させる案内画像を表示する。以下、この停車状態を、「特定停車状態」と称す。ここで、特定停車状態は、クレーン装置3が荷役作業時にとりうる径方向に最長(旋回半径が最大)となる姿勢での停車状態とすることが望ましい。第1実施形態では、クレーン1が、ブーム30の長さを検出するセンサや起伏角度を検出するセンサを装備していないため、径方向の長さとして最大長が設定されている。なお、これらのセンサを設け、作業内容に応じて、オペレータがブーム長や起伏角度を指示する(例えば、手入力する)ことで適切な最大長を指示できるようにしてもよい。または、オペレータがブーム30を伸長動作及び伏動作させて荷役作業時の最大長となる姿勢をとることで自動で認識させるようにしてもよい。
旋回範囲設定部173bは、オペレータによって、クレーン1が特定停車状態にされたことを認識すると、この状態を基準として、予め設定された旋回範囲設定用データに基づき、図9(b)に示す旋回範囲8を設定する。なお、旋回範囲設定用データについての詳細は後述する。
具体的に、オペレータのクレーン1の操作によって、クレーン1が特定停車状態になると、旋回範囲設定部173bは、特定停車状態時の旋回角度を基準角度として、まず、旋回禁止範囲80を自動設定する。その後、図9(b)に示す、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bと、通常旋回範囲83とを自動設定する。これによって、旋回禁止範囲80と、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bと、通常旋回範囲83とを含む旋回範囲8が設定される。
以下、旋回禁止範囲80と、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとを総じて「旋回規制範囲80~82」と略記する。また、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとを総じて「油圧緩衝範囲81~82」と略記する。
なお、旋回禁止範囲80は、旋回動作を禁止する制御を行う旋回角度範囲である。第1実施形態では、クレーン装置3が径方向に最長(旋回半径が最大)となる姿勢(図9(b)に示す姿勢)のときに、旋回動作によって、クレーン1のブーム先端部32又は吊荷の少なくとも一方が規制対象を回避不能な旋回位置を含む範囲である。具体的に、規制対象が規制対象物の場合は、ブーム先端部32及び吊荷が規制対象物に衝突する旋回位置を含む範囲であり、規制対象が回避すべき領域の場合は、ブーム先端部32及び吊荷がその領域内に侵入する旋回位置を含む範囲である。
また、油圧緩衝範囲81~82は、旋回禁止範囲80の前後の所定旋回角度範囲において旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量変化を緩和する制御を行う旋回角度範囲である。また、通常旋回範囲83は、通常の旋回制御を行う旋回角度範囲である。
図7に戻って、動作規制制御部174は、画像表示処理部172からの各種通知情報に基づき、動作規制フラグ、旋回規制フラグ及び禁止モードフラグを設定する。
ここで、動作規制フラグは、例えば、動作規制制御モードがONに設定された状態のときに値が「1」となり、OFFに設定された状態のときに値が「0」となるフラグである。また、旋回規制フラグは、例えば、旋回規制制御モードがONに設定された状態のときに値が「1」となり、OFFに設定された状態のときに値が「0」となるフラグである。また、禁止モードフラグは、例えば、第1禁止モードが設定された状態のときに値が「1」となり、第2禁止モードが設定された状態のときに値が「0」となるフラグである。
更に、動作規制制御部174は、設定された動作規制フラグ、旋回規制フラグ及び禁止モードフラグと、測位情報補正部170からのブーム先端座標BCと、旋回角度センサ75からの旋回角度θtと、RAM又は記憶装置70cに記憶された、現在設定されている侵入禁止範囲IPR及び旋回範囲8の情報とに基づき、クレーン1の動作を規制する制御を実行する。
具体的に、動作規制制御部174は、動作規制制御モードがONに設定され且つ第1禁止モードが設定されている場合に、第1禁止モード及び侵入禁止範囲IPRに基づく第1の動作規制制御処理を実行する。即ち、動作規制制御部174は、ブーム先端座標BCと、侵入禁止範囲IPRの情報とに基づき、クレーン1の起伏動作や走行動作等によって、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPR内へと侵入したときに、ブーム先端部32が侵入を続ける方向の動作を禁止する制御を行う。
一方、動作規制制御部174は、動作規制制御モードがONに設定され且つ第2禁止モードが設定されている場合に、第2禁止モード及び侵入禁止範囲IPRに基づく第2の動作規制制御処理を実行する。即ち、動作規制制御部174は、ブーム先端座標BCと、侵入禁止範囲IPRの情報とに基づき、起伏動作や走行動作等によって、ブーム先端部32の侵入禁止範囲IPRへの接近距離が所定距離以下となったときにブーム先端部32が接近を続ける方向の動作を禁止する制御を行う。
より具体的に、第1実施形態の動作規制制御部174は、ブーム先端座標BCが侵入禁止範囲IPR内又は侵入禁止範囲IPRに対して所定距離以下の接近距離となる座標のときに、クレーン1の動作を規制する第1の規制制御信号RC1を第2コントローラ20に送信する。なお、第1の規制制御信号RC1には、設定中の禁止モードの情報が含まれている。
また、動作規制制御部174は、旋回規制制御モードがONに設定されている場合に、旋回角度センサ75からの旋回角度θtと、旋回範囲8の情報とに基づき、旋回角度θtが油圧緩衝範囲81~82内にあるときに圧油の流量変化を緩和する制御を行う。加えて、旋回角度θtが旋回禁止範囲80内となったときにクレーン1のブーム先端部32が侵入を続ける方向への旋回動作を禁止する制御を行う。なお、第1実施形態では、旋回範囲8に基づく旋回規制制御処理よりも侵入禁止範囲IPRに基づく動作規制制御処理を優先するように構成されている。
ここで、第1実施形態では、図9(b)に示すように、油圧緩衝範囲81~82を、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとの左右旋回方向にそれぞれ応じた2段階の緩衝範囲としている。そして、第1実施形態では、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの開度をA[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの開度をB[%]とした場合に、「0<B<A<100」の関係となるように開度を設定している。
そして、第1実施形態の旋回範囲8に基づく旋回規制制御は、上部旋回体4の旋回角度θtが通常旋回範囲83内のときに、比例電磁弁50の開度を100[%]にする第2の規制制御信号RC2を第2コントローラ20に送信し、旋回角度θtが第1又は第2の油圧緩衝範囲81A又は81B内のときに比例電磁弁50の開度をA[%]にする第3の規制制御信号RC3を第2コントローラ20に送信する制御となる。加えて、旋回角度θtが第3又は第4の油圧緩衝範囲82A又は82B内のときに比例電磁弁50の開度をB[%]にする第4の規制制御信号RC4を第2コントローラ20に送信し、旋回角度θtが旋回禁止範囲80内又は所定角度以下の旋回角度差となる旋回角度となったときに比例電磁弁50の開度を0[%]にする第5の規制制御信号RC5を第2コントローラ20に送信する制御となる。ここで、第2~第5の規制制御信号RC2~RC5は、制御目標値となる各開度の情報を含む信号である。
即ち、第1実施形態では旋回禁止範囲80では比例電磁弁50の開度を0[%]として旋回動作を強制的に停止し、油圧緩衝範囲81~82では、開度A及びB(B<A)を0[%]と100[%]の間の開度として、通常旋回範囲83から旋回禁止範囲80までの間の圧油の流量変化を緩和する制御を行う。また、通常旋回範囲83では、開度100[%](規制なし)として、通常の旋回動作を実行可能とする制御を行う。
また、第1実施形態では、図9(b)に示すように、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの旋回角度範囲をそれぞれβ1[°]とし、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの旋回角度範囲をそれぞれβ2[°]として、「β1=β2」の関係となるように角度範囲を設定している。なお、この構成に限らず、「β1<β2」、「β1>β2」など他の構成としてもよい。
なお、旋回禁止範囲80の旋回角度範囲をγ[°]、通常旋回範囲83の旋回角度範囲をα[°]とすると、「α=360-2×(β1+β2)+γ」の関係が成立する。
即ち、図9(b)に示すように、上部旋回体4が通常旋回範囲83から左旋回した場合は、「通常旋回範囲83→第1の油圧緩衝範囲81A→第3の油圧緩衝範囲82A→旋回禁止範囲80」の順番で旋回することになる。一方、右旋回した場合は、「通常旋回範囲83→第2の油圧緩衝範囲81B→第4の油圧緩衝範囲82B→旋回禁止範囲80」の順番で旋回することになる。従って、上部旋回体4が通常旋回範囲83から旋回禁止範囲80に向かって旋回すると、油圧緩衝範囲81~82にて、100[%]から0[%]に向かって段階的に開度が減少変化することになる。例えば、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの開度を80[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの開度を60[%]に設定したとする。この場合、開度が100[%]→80[%]→60[%]→0[%]の順で変化することになり、例えば100[%]から0[%]へと急変させた場合と比較して開度の変化が緩やかになる。その結果、圧油の流量変化が緩やかになるため、旋回速度の変化が緩やかとなり、吊荷の荷ブレを小さくすることが可能となる。
一方、第1実施形態の第2コントローラ20は、第1の規制制御信号RC1を受信すると、受信した第1の規制制御信号RC1で特定される禁止モードに応じて、侵入禁止範囲IPRに対してブーム先端部32が侵入し続ける動作又は侵入する方向への動作を停止する制御信号Ctrを生成し、生成した制御信号Ctrを圧油供給装置42に送信する。これによって、圧油供給装置42は、ブーム先端部32が侵入し続ける動作又は侵入する方向への動作に係る各油圧アクチュエータの動作を停止する。
また、第1実施形態の第2コントローラ20は、第2~第5規制制御信号RC2~RC5の受信に応じて、受信した規制制御信号RCで特定される開度となる電流量の開度制御信号Octrを生成し、生成した開度制御信号Octrを比例電磁弁50に送信する。
これによって、比例電磁弁50は、受信した開度制御信号Octrの電流量に比例した開度となるように動作し、旋回用油圧モータ51に供給される圧油の流量が開度に応じた量となる。
なお、動作規制制御部174は、ブーム先端座標BCを監視しており、クレーン1が旋回範囲8の外へと移動した場合に、旋回規制制御を停止すると共に、旋回規制フラグを「0」に設定して、旋回規制制御モードをOFF状態にする。また、現在設定されている旋回範囲8を無効とする。
〔モード設定処理〕
次に、図10に基づき、第1実施形態のモード設定処理の処理手順を説明する。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、制御プログラムが実行されモード設定処理が開始されると、図10に示すように、まずステップS100に移行する。
ステップS100では、画像表示処理部172において、モード設定画像を表示するための画像表示信号を表示入力装置70dに出力して、表示入力装置70dにモード設定画面を表示させる。その後、ステップS102に移行する。
これにより、表示入力装置70dには、侵入禁止範囲設定モードと、旋回範囲設定モードと、クレーン動作規制制御設定モードとを設定するための選択ボタン画像を含むモード設定画像が表示される。
ステップS102では、画像表示処理部172において、オペレータのタッチ入力に応じて、侵入禁止範囲設定モードの選択ボタンが押下された否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、侵入禁止範囲設定モードが選択されたことを示すモード情報を代表点設定部171に出力して、ステップS104に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS106に移行する。
ステップS104に移行した場合は、代表点設定部171及び侵入禁止範囲設定部173aにおいて、侵入禁止範囲IPRの設定処理を実行して侵入禁止範囲IPRを設定する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
一方、ステップS102において、侵入禁止範囲設定モードの選択ボタンが押下されずにステップS106に移行した場合は、画像表示処理部172において、オペレータのタッチ入力に応じて、旋回範囲設定モードの選択ボタンが押下された否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、旋回範囲設定モードが選択されたことを示すモード情報を範囲設定部173に出力して、ステップS108に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS110に移行する。
ステップS108に移行した場合は、旋回範囲設定部173bにおいて、旋回範囲8の設定処理を実行して旋回範囲8を設定する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
また、ステップS106において、旋回範囲設定モードの選択ボタンが押下されずにステップS110に移行した場合は、画像表示処理部172において、オペレータのタッチ入力に応じて、クレーン動作規制制御設定モードの選択ボタンが押下された否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、クレーン動作規制制御設定モードが選択されたことを示すモード情報を動作規制制御部174に出力して、ステップS112に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS102に移行する。
ステップS112では、動作規制制御部174において、クレーン動作規制制御のモード設定処理を実行して、動作規制制御モード、旋回規制制御モード、禁止モードの設定を行う。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
〔侵入禁止範囲設定処理〕
次に、図11に基づき、第1実施形態の侵入禁止範囲設定処理の処理手順を説明する。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、制御プログラムが実行され侵入禁止範囲設定処理が開始されると、図11に示すように、まずステップS200に移行する。
ステップS200では、代表点設定部171において、画像表示処理部172に、代表点設定画像を表示入力装置70dに表示させる処理を実行して、ステップS202に移行する。
これにより、表示入力装置70dには、代表点指定ボタン画像と、代表点読出ボタン画像と、代表点受信ボタン画像とが表示される。
ステップS202では、代表点設定部171において、画像表示処理部172からのモード情報の入力に基づき、代表点指定ボタンが押下された否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS214に移行する。
ステップS204に移行した場合は、代表点設定部171において、座標指定モードへと移行し、画像表示処理部172に、座標指定モード用の画像を表示入力装置70dに表示させる処理を実行する。これにより、表示入力装置70dには、代表点の指定方法を選択するための選択ボタン画像、選択された指定方法にて代表点座標群MCP1を設定するための案内画像、現在のブーム先端座標BCを代表点CPとして設定するための代表点設定ボタン画像等が表示される。その後、画像表示処理部172からの情報に基づき、代表点CPの指定方法が選択されたと判定すると、ステップS206に移行する。
ステップS206では、代表点設定部171において、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、代表点設定ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS208に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、押下されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS208に移行した場合は、代表点設定部171において、現在のブーム先端座標BCを代表点CPの1つとして決定する。そして、決定した代表点CPの座標情報を記憶装置70cに記憶して、ステップS210に移行する。
即ち、オペレータがクレーン1を操作して、代表点CPとして設定したい位置へとブーム先端部32を移動させ、その位置で代表点設定ボタン画像を押下することで、そのときのブーム先端座標BCが代表点CPの1つとして設定される。
ステップS210では、代表点設定部171において、設定された指定方法と既に設定された代表点CPの数とに基づき、代表点CPの設定が終了したか否かを判定する。そして、終了したと判定した場合(Yes)は、設定した複数の代表点CPを含む代表点座標群MCP1の情報を範囲設定部173に出力して、ステップS212に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS206に移行する。
ステップS212に移行した場合は、範囲設定部173の侵入禁止範囲設定部173aにおいて、入力された代表点座標群MCPの情報に基づき、侵入禁止範囲IPRを設定する。その後、設定した侵入禁止範囲IPRの情報を記憶装置70cに記憶して、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ここで、侵入禁止範囲設定部173aは、具体的に、代表点の指定方法毎に予め決められた範囲設定方法にて、侵入禁止範囲IPRを設定するように構成されている。
一方、ステップS202において、代表点指定ボタンが押下されずにステップS214に移行した場合は、代表点設定部171において、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、代表点読出ボタンが押下された否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS216に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS222に移行する。
ステップS216に移行した場合は、代表点設定部171において、代表点読出モードへと移行し、画像表示処理部172に、代表点読出モード用の画像を表示入力装置70dに表示させる処理を実行する。その後、ステップS218に移行する。
これにより、表示入力装置70dには、読み出す代表点座標群を選択するための選択リスト画像が表示される。選択リストとしては、外部機器やメモリリーダ70bを介して予め記憶された代表点座標群の識別情報や、座標指定モードで設定された代表点座標群の識別情報などが表示される。
ステップS218では、代表点設定部171において、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、読み出す代表点座標群が選択されたか否かを判定する。そして、選択されたと判定した場合(Yes)は、ステップS220に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、選択されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS220では、代表点設定部171において、記憶装置70cから、選択された代表点座標群を読出し、読出した代表点座標群をを代表点座標群MCP2として範囲設定部173に出力する。その後、ステップS212に移行する。
また、ステップS214において、ステップS222に移行した場合は、代表点設定部171において、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、代表点受信ボタンが押下された否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS224に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS202に移行する。
ステップS224に移行した場合は、代表点設定部171において、代表点読出モードへと移行し、画像表示処理部172に、代表点読出モード用の画像を表示入力装置70dに表示させる処理を実行させる。その後、ステップS226に移行する。
これにより、表示入力装置70dには、外部装置から代表点座標群MCPを受信するための案内画像等が表示される。
ステップ226では、代表点設定部171において、外部装置から代表点座標群を受信したか否かを判定する。そして、受信したと判定した場合(Yes)は、受信した代表点座標群を代表点座標群MCP3として範囲設定部173に出力して、ステップS212に移行する。一方、受信していないと判定した場合(No)は、受信するまで判定処理を繰り返す。
〔旋回範囲設定処理〕
次に、図12に基づき、第1実施形態の旋回範囲設定処理の処理手順を説明する。
旋回範囲設定モードが設定され、第1コントローラ70aのCPUにおいて旋回範囲設定処理が開始されると、図12に示すように、まずステップS300に移行する。
ステップS300では、範囲設定部173の旋回範囲設定部173bにおいて、画像表示処理部172に、旋回範囲設定案内画像を表示入力装置70dに表示させる処理を実行する。その後、ステップS302に移行する。
これによって、旋回範囲設定案内画像が表示入力装置70dに表示される。この旋回範囲設定案内画像は、クレーン1を、荷役作業を行う位置に特定の姿勢で停車するように指示する画像、作業位置への特定の姿勢での停車が完了したことを通知するための停車完了ボタン画像を含む。加えて、旋回範囲8を再設定するための再設定ボタン画像、旋回範囲8の設定を完了するための設定完了ボタン画像等を含む画像である。即ち、旋回範囲8を設定するための案内画像となる。この案内画像には、作業位置の目安として、例えば、ブーム先端座標BCと境界線Lとの間の直線距離D1の情報を表示するなど、オペレータを補助する情報を表示してもよい(図17を参照)。
オペレータは、画面の案内に従って、クレーン1を走行移動させて作業位置に停車させ、更に、上部旋回体4を旋回作動させると共に、ブーム30を伸長作動及び起伏作動させて特定の姿勢へと移行させる。即ち、クレーン1を特定停車状態に移行させる。
ステップS302では、旋回範囲設定部173bにおいて、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、停車完了ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS304に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、押下されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS304に移行した場合は、旋回範囲設定部173bにおいて、特定停車状態時の旋回角度θtの情報と旋回範囲設定用データとに基づき、旋回禁止範囲80を設定する。その後、ステップS306に移行する。
具体的に、現在のクレーン1の旋回位置(θt)を基準位置(θt=0°)として、記憶装置70cに予め記憶された旋回範囲設定用データに基づき、旋回禁止範囲80を設定する。この設定情報は、RAM又は記憶装置70cに記憶される。
旋回範囲設定用データには、例えば、クレーン1の旋回中心を通って境界線L1と平行な仮想直線を設定し、この仮想直線に対して、侵入禁止範囲IPR側の180°の旋回角度範囲を旋回禁止範囲80として設定する情報等が含まれている。他に、旋回禁止範囲80と、旋回禁止範囲80に隣接する第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bに隣接する第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bとの割合の情報が含まれている。
ステップS306では、旋回範囲設定部173bにおいて、ステップS304で設定された旋回禁止範囲80と旋回範囲設定用データとに基づき、油圧緩衝範囲81~82を設定する。その後、ステップS308に移行する。
即ち、旋回禁止範囲80が決まれば、計算によって油圧緩衝範囲81~82も決定することができる。
ステップS308では、旋回範囲設定部173bにおいて、ステップS304で設定された旋回禁止範囲80の設定結果と、ステップS306の油圧緩衝範囲81~82の設定結果とに基づき、通常旋回範囲83を設定する。その後、ステップS310に移行する。
即ち、旋回範囲360[°]における旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81~82以外の範囲を通常旋回範囲83として設定する。
ステップS310では、旋回範囲設定部173bにおいて、画像表示処理部172に、設定された旋回範囲8の画像を表示入力装置70dに表示させる処理を実行する。その後、ステップS312に移行する。具体的に、図9(b)に示すような、旋回範囲8の画像を表示する。
ステップS312では、旋回範囲設定部173bにおいて、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、再設定ボタン画像が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、旋回範囲の再設定が可能な状態に移行して、ステップS302に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS314に移行する。
即ち、第1実施形態において、例えば、作業位置を誤っていた場合や、吊荷の大きさを失念していた場合などに、クレーン1の特定停車状態への停車から旋回範囲8を再設定することが可能となっている。
ステップS314では、旋回範囲設定部173bにおいて、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、設定完了ボタン画像が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS312に移行する。
〔規制動作モード設定処理〕
次に、図13に基づき、第1実施形態の規制動作モード設定処理の処理手順を説明する。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、規制動作モード設定処理が開始されると、図13に示すように、まずステップS400に移行する。
ステップS400では、動作規制制御部174において、画像表示処理部172に、規制動作モード設定画像を表示入力装置70dに表示させる処理を実行する。その後、ステップS402に移行する。
これによって、規制動作モード設定画像が表示入力装置70dに表示される。即ち、動作規制制御モードのON/OFFを選択する選択ボタン画像と、旋回規制制御モードのON/OFFを選択する選択ボタン画像と、禁止モードの種類を選択する選択ボタン画像と、設定完了ボタン画像とを含む画像が表示される。
ステップS402では、動作規制制御部174において、画像表示処理部172からの通知情報に基づき、動作規制制御モードの選択ボタン(以下、「動作規制ON/OFFボタン」と称す)が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS404に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS410に移行する。
ステップS404に移行した場合は、動作規制制御部174において、現在の動作規制フラグが「0」のときは、動作規制フラグを「1」に設定し、現在の動作規制フラグが「1」のときは動作規制フラグを「0」に設定する。その後、ステップS406に移行する。
ここで、動作規制ON/OFFボタンは、単体のボタン画像から構成されており、動作規制制御部174は、動作規制ON/OFFボタンが押下される毎にフラグの値を変更するように構成されている。動作規制制御モードのON/OFFの状態は、例えば、ON状態とOFF状態とで動作規制ON/OFFボタンの表示色を変更することで視認可能としてもよい。また、例えば、ボタンを長押しすることでON/OFFの状態が変化するようにしてもよい。即ち、画像表示処理部172は、所定時間以上長押しされたときのみ通知情報を出力する。
ステップS406では、動作規制制御部174において、画像表示処理部172からの通知情報に基づき、設定完了ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS402に移行する。
一方、ステップS402において、動作規制ON/OFFボタンが押下されずにステップS408に移行した場合は、動作規制制御部174において、画像表示処理部172からの通知情報に基づき、旋回規制制御モードの選択ボタン(以下、「旋回規制ON/OFFボタン」と称す)が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS410に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS414に移行する。
ステップS410に移行した場合は、動作規制制御部174において、現在の旋回規制フラグが「0」のときは、旋回規制フラグを「1」に設定し、現在の旋回規制フラグが「1」のときは旋回規制フラグを「0」に設定する。その後、ステップS408に移行する。
ここで、旋回規制ON/OFFボタンは、単体のボタン画像から構成されており、動作規制制御部174は、旋回規制ON/OFFボタンが押下される毎にフラグの値を変更するように構成されている。旋回規制制御モードのON/OFFの状態は、例えば、ON状態とOFF状態とで旋回規制ON/OFFボタンの表示色を変更することで視認可能としてもよい。また、例えば、ボタンを長押しすることでON/OFFの状態が変化するようにしてもよい。即ち、画像表示処理部172は、所定時間以上長押しされたときのみ通知情報を出力する。
また、ステップS408において、旋回規制ON/OFFボタンが押下されずにステップS412に移行した場合は、動作規制制御部174において、画像表示処理部172からの通知情報に基づき、禁止モードの種類を選択する選択ボタン(以下、「禁止モードボタン」と称す)が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS414に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS408に移行する。
ここで、第1実施形態では、表示入力装置70dに、第1禁止モードボタン画像と、第2禁止モードボタン画像との2つの選択ボタン画像が表示されるように構成されている。
ステップS414に移行した場合は、動作規制制御部174において、画像表示処理部172からの通知情報に基づき、第1禁止モードボタンが押下されたと判定したときは、禁止モードフラグを「1」に設定し、第2禁止モードボタンが押下されたと判定したときは禁止モードフラグを「0」に設定する。その後、ステップS408に移行する。
ここで、第1実施形態では、第1禁止モードボタンが押下されると第1禁止モードが設定され、この状態で第2禁止モードボタンが押下されると第1禁止モードの設定が解除されて第2禁止モードが設定されるようになっている。同様に、第2禁止モードが設定中に第1禁止モードボタン画像を押下すると第2禁止モードの設定が解除されて第1禁止モードが設定されるようになっている。
〔動作規制制御処理〕
次に、図14に基づき、第1実施形態の動作規制制御処理の処理手順を説明する。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、動作規制制御処理が開始されると、図14に示すように、まずステップS500に移行する。
ステップS500では、動作規制制御部174において、動作規制制御フラグに基づき、動作規制制御モードが設定されているか否かを判定する。そして、設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS502に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS502に移行した場合は、動作規制制御部174において、禁止モードフラグに基づき、第1禁止モードが設定されているか否かを判定する。そして、設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS504に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS510に移行する。
ステップS504に移行した場合は、動作規制制御部174において、測位情報補正部170から現在のブーム先端座標BCを取得して、ステップS506に移行する。
ステップS506では、動作規制制御部174において、記憶装置70cから侵入禁止範囲IPRを読出す。その後、読出した侵入禁止範囲IPRと、ステップS504で取得したブーム先端座標BCとに基づき、ブーム先端部32の侵入禁止範囲IPRに対する接近距離が所定距離以下か否かを判定する。そして、所定距離以下であると判定した場合(Yes)は、ステップS508に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS508では、動作規制制御部174において、第1の規制制御信号RC1を第2コントローラ20に出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第1の規制制御信号RC1を受信すると、受信した第1の規制制御信号RC1に含まれる禁止モードの情報に基づき、クレーン装置3の各種油圧アクチュエータの制御信号Ctrを生成する。
具体的に、第1禁止モードが設定されている場合は、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPRに接近し続ける方向の動作を禁止するための油圧アクチュエータの駆動を制御する制御信号Ctrを生成する。そして、生成した制御信号Ctrを圧油供給装置42に出力する。これにより、接近に関連する油圧アクチュエータの接近し続ける方向への動作が強制的に停止される。
一方、第2禁止モードが設定されている場合は、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPRに侵入し続ける方向の動作を禁止するための油圧アクチュエータの駆動を制御する制御信号Ctrを生成する。そして、生成した制御信号Ctrを圧油供給装置42に出力する。これにより、侵入に関連する油圧アクチュエータの侵入し続ける方向への動作が強制的に停止される。
一方、ステップS502において、第1禁止モードではなく第2禁止モードが設定されていてステップS510に移行した場合は、動作規制制御部174において、測位情報補正部170から現在のブーム先端座標BCを取得して、ステップS512に移行する。
ステップS512では、動作規制制御部174において、記憶装置70cから侵入禁止範囲IPRを読出す。その後、読出した侵入禁止範囲IPRと、ステップS510で取得したブーム先端座標BCとに基づき、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPR内に侵入したか否かを判定する。そして、侵入したと判定した場合(Yes)は、ステップS508に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
〔旋回規制制御処理〕
次に、図15に基づき、第1実施形態の旋回規制制御処理の処理手順を説明する。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、旋回規制制御処理が開始されると、図15に示すように、まずステップS600に移行する。
ステップS600では、動作規制制御部174において、旋回規制制御フラグに基づき、旋回規制制御モードが設定されているか否かを判定する。そして、設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS602に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS602では、動作規制制御部174において、旋回角度センサ75からの旋回角度θtを取得して、ステップS604に移行する。
ステップS604では、動作規制制御部174において、ステップS602で取得した旋回角度θtが、通常旋回範囲83内か否かを判定する。そして、通常旋回範囲83内であると判定した場合(Yes)は、ステップS606に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS608に移行する。
ステップS606に移行した場合は、動作規制制御部174において、開度100[%]の情報を含む第2の規制制御信号RC2を第2コントローラ20に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第2の規制制御信号RC2を受信すると、受信した第2の規制制御信号RC2に含まれる開度100[%]の情報に基づき、比例電磁弁50の開度を100[%]とする電流量の開度制御信号Octrを生成する。そして、生成した開度制御信号Octrを比例電磁弁50に出力する。
これにより、比例電磁弁50の開度が100[%]となり、圧油が最大流量で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、旋回用油圧モータ51が、供給された圧油の流量に応じた回転速度で回転し、上部旋回体4が旋回用油圧モータ51の回転速度に応じた旋回速度で旋回する。
一方、ステップS604において旋回角度θtが通常旋回範囲83内になくステップS608に移行した場合は、動作規制制御部174において、ステップS602で取得した旋回角度θtが、第1の油圧緩衝範囲81A又は第2の油圧緩衝範囲81B内か否かを判定する。そして、第1の油圧緩衝範囲81A又は第2の油圧緩衝範囲81B内であると判定した場合(Yes)は、ステップS610に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS612に移行する。
ステップS610に移行した場合は、動作規制制御部174において、開度A[%]の情報を含む第3の規制制御信号RC3を第2コントローラ20に送信して、ステップS612に移行する。
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第3の規制制御信号RC3を受信すると、受信した第3の規制制御信号RC3に含まれる開度A[%]の情報に基づき、比例電磁弁50の開度をA[%]とする電流量の開度制御信号Octrを生成する。そして、生成した開度制御信号Octrを比例電磁弁50に出力する。
これにより、比例電磁弁50の開度が100[%]からA[%](例えば80[%])となり、圧油が開度A[%]に応じた流量(開度100[%]のときよりも少ない流量)で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、旋回用油圧モータ51が、供給された圧油の流量に応じた回転速度で回転し、上部旋回体4が旋回用油圧モータ51の回転速度に応じた旋回速度(開度100[%]のときよりも遅い旋回速度)で旋回する。
一方、ステップS608において旋回角度θtが第1の油圧緩衝範囲81A又は第2の油圧緩衝範囲81B内になくステップS612に移行した場合は、動作規制制御部174において、ステップS602で取得した旋回角度θtが、第3の油圧緩衝範囲82A又は第4の油圧緩衝範囲82B内か否かを判定する。そして、第3の油圧緩衝範囲82A又は第4の油圧緩衝範囲82B内であると判定した場合(Yes)は、ステップS614に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS616に移行する。
ステップS614に移行した場合は、動作規制制御部174において、開度B[%]の情報を含む第4の規制制御信号RC4を第2コントローラ20に送信して、ステップS614に移行する。
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第4の規制制御信号RC4を受信すると、受信した第4の規制制御信号RC4に含まれる開度B[%]の情報に基づき、比例電磁弁50の開度をB[%]とする電流量の開度制御信号Octrを生成する。そして、生成した開度制御信号Octrを比例電磁弁50に出力する。
これにより、比例電磁弁50の開度がA[%]からB[%](例えば60[%])となり、圧油が開度B[%]に応じた流量(開度A[%]のときよりも少ない流量)で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、旋回用油圧モータ51が、供給された圧油の流量に応じた回転速度で回転し、上部旋回体4が旋回用油圧モータ51の回転速度に応じた旋回速度(開度A[%]のときよりも遅い旋回速度)で旋回する。
また、ステップS612において旋回角度θtが第3の油圧緩衝範囲82A又は第4の油圧緩衝範囲82B内になく旋回禁止範囲80内にあると判定してステップS616に移行した場合は、動作規制制御部174において、開度0[%]の情報を含む第5の規制制御信号RC5を第2コントローラ20に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第5の規制制御信号RC5を受信すると、受信した第5の規制制御信号RC5に含まれる開度0[%]の情報に基づき、比例電磁弁50の開度を0[%]にすべく開度制御信号Octrの出力を停止する。
これにより、比例電磁弁50の開度がB[%]から0[%]となり、旋回用油圧モータ51に対する圧油の供給が停止される。その結果、旋回用油圧モータ51が停止し、上部旋回体4の旋回動作も停止する。
〔動作〕
以下、図16~図21に基づき、第1実施形態に係るクレーン1の具体的な動作を説明する。
いま、オペレータが、表示入力装置70dに表示されたモード設定画像内の侵入禁止範囲設定モードの選択ボタン画像を押下したとする。これにより、第1コントローラ70aにおいて侵入禁止範囲設定処理が実行され、表示入力装置70dには、代表点設定画像が表示される。そして、オペレータが、代表点設定画像内の代表点指定ボタン画像を押下したとする。これにより、表示入力装置70dには、代表点の指定方法の選択ボタン画像が複数表示される。ここでは、例えば、2点指定、3点指定、4点指定、立体指定の4種類の指定方法を選択する選択ボタン画像が表示されたとする。そして、オペレータが2点指定の選択ボタン画像を押下したとする。これにより、表示入力装置70dには、2点指定の指定方法の案内画像が表示される。この案内画像には、代表点設定ボタン画像が含まれている。なお、3点指定、4点指定、立体指定については、第1実施形態の応用例として別途説明する。
オペレータは、画面の案内に従って、例えば、図16(a)に示すように、侵入不可領域と侵入可能領域との境界位置の近くにクレーン1を停止する。ここでは、荷役作業を行う位置に停止したとする。次に、各種操作レバーを操作して、ブーム30を伸縮動及び起伏動させると共に上部旋回体4を反時計回りに旋回させ、ブーム先端部32を実境界線BL1の近傍へと近づける。実際には、オペレータは、作業現場における予め区分け等された侵入不可領域と侵入可能領域との境界を目視で確認しながらブーム先端部32を、境界位置からやや侵入可能領域側の位置へと旋回移動させる。そして、目標位置で停止後に、表示入力装置70dに表示された代表点設定ボタン画像をタッチする。これにより、クレーン1では、現在のブーム先端座標BCが、代表点CP1として決定され、代表点座標群MCP1を構成する代表点の1つとして記憶装置70cに記憶される。
引き続き、オペレータは、図16(b)に示すように、クレーン1の上部旋回体4を時計方向に旋回させて、境界位置を目視で確認しながらブーム先端部32を、境界位置からやや侵入可能領域側の位置へと旋回移動させる。そして、目標位置で停止後に、表示入力装置70dに表示された代表点設定ボタン画像をタッチする。これにより、現在のブーム先端座標BCが、代表点CP2として決定され、代表点座標群MCP1を構成する代表点の1つとして記憶装置70cに記憶される。
第1コントローラ70aは、代表点の指定方法として2点指定が設定されているので、2点の指定が完了したと判定して代表点の設定処理を終了する。続いて、図16(b)に示す代表点CP1及びCP2の座標情報を含む代表点座標群MCP1と、予め設定された2点指定に対する侵入禁止範囲の設定方法とに基づき、まずは、図17(a)に示すように、代表点CP1とCP2とを直線で結んでなる境界線L1を生成する。なお、図17(a)には、実境界線BL1が図示されているが、実際の表示入力装置70dには、実境界線BL1の情報は表示されず、境界線L1と、代表点CP1及びCP2と、現在のブーム先端座標BCとが表示される。
引き続き、オペレータは、境界線L1に対して、どちら側が侵入不可領域となるのかを指示する。例えば、表示入力装置70dの境界線L1の侵入不可領域側(図17(a)では左側)を指でタッチするなどして指定する。
第1コントローラ70aは、侵入不可領域側の情報が入力されると、図17(b)に示すように、境界線L1から侵入不可領域側の矩形の網掛けの範囲を侵入禁止範囲IPR1として設定する。なお、網掛けの範囲は、自動で予め指定された範囲を設定しても良いし、手動で範囲を設定してもよいし、自動設定後に手動で変更できるようにしてもよい。また、2点指定では、平面的に(例えば、XY座標で)侵入禁止範囲が設定される。
このようにして、侵入禁止範囲IPR1が設定され、オペレータが設定完了ボタン画像を押下することで、表示入力装置70dには、再びモード設定画像が表示される。
引き続き、オペレータが、モード設定画像内の旋回範囲設定モードの選択ボタン画像を押下したとする。これにより、第1コントローラ70aにおいて旋回範囲設定処理が実行され、表示入力装置70dには、旋回範囲設定案内画像が表示される。即ち、表示入力装置70dには、クレーン1を荷役作業を行う位置に特定の姿勢で停車するように指示する画像や、作業位置への特定の姿勢での停車が完了したことを通知するための停車完了ボタン画像等を含む画像が表示される。
オペレータは、画面の案内に従って、例えば、図18(a)に示すように、上部旋回体4が境界線L1を背にした姿勢となるように、上部旋回体4を旋回作動させる。ここでは、代表点を設定したときの位置及び姿勢のまま、ブーム先端部32を侵入禁止範囲IPR1とは反対方向に向けた姿勢にする。このとき、表示入力装置70dには、ブーム先端座標BCと境界線L1との間の距離D1の情報が表示される。今回は、2点指定で且つ旋回動作によって代表点CP1及びCP2を設定したが、旋回動作だけでは距離が足りずに2点を設定できない場合や、4点指定や立体指定の場合は、クレーン1の移動が必要となる。そのため、例えば、特定停車状態での距離D1を予め記録しておくことで、表示入力装置70dに表示された距離D1を見ながら、境界線Lとの間の距離を調整することが可能である。
その後、オペレータが、旋回範囲設定案内画像内の停車完了ボタン画像を押下することで、クレーン1が特定停車状態となったことが第1コントローラ70aに認識される。
第1コントローラ70aは、特定停車状態時の旋回角度θtの情報と記憶装置70cに記憶された旋回範囲設定用データとに基づき、まず、旋回禁止範囲80を設定する。
ここでは、特定停車状態時の旋回角度θtを0[°]に設定し、時計回りに90[°]、180[°]、270[°]と旋回角度が増加する設定とする。そして、旋回禁止範囲80として、図18(b)に示すように、上部旋回体4の背面側の90[°]~270[°]の角度範囲(180[°]の範囲)を設定する。
引き続き、第1コントローラ70aは、旋回禁止範囲80の前後に、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとして、それぞれ22.5[°]の角度範囲を設定する。続いて、第1コントローラ70aは、第2の油圧緩衝範囲81Bの後に、第1の油圧緩衝範囲81Aとして、22.5[°]の角度範囲を設定し、第4の油圧緩衝範囲82Bの前に第3の油圧緩衝範囲82Aとして、22.5[°]の角度範囲を設定する。そして、残りの90[°]の角度範囲を通常旋回範囲83として設定する。
なお、ここでは、旋回範囲設定用データによって、角度の割合が、旋回禁止範囲80を50[%]、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bを6.25[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bを6.25[%]にそれぞれ設定されていることとする。加えて、旋回禁止範囲80の開度が0[%]、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの開度Aが80[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの開度Bが60[%]、通常旋回範囲83の開度が100[%]にそれぞれ設定されていることとする。
このようにして、旋回範囲8が設定され、オペレータが設定完了ボタン画像を押下することで、表示入力装置70dには、再びモード設定画像が表示される。
引き続き、オペレータが、モード設定画像内のクレーン動作規制制御設定モードの選択ボタン画像を押下したとする。これにより、第1コントローラ70aにおいてクレーン動作規制制御のモード設定処理が実行され、表示入力装置70dには、規制動作モード設定画像が表示される。即ち、表示入力装置70dには、動作規制ON/OFFボタン画像と、旋回規制ON/OFFボタン画像と、第1禁止モードボタン画像と、第2禁止モードボタン画像と、設定完了ボタン画像とを含む画像が表示される。なお、デフォルトで、動作規制制御モード及び旋回規制制御モードはOFF状態となっており、禁止モードは第1禁止モードが設定されているとする。
ここでは、オペレータが、動作規制ON/OFFボタン画像と、旋回規制ON/OFFボタン画像と、第2禁止モードボタン画像とを押下したとする。これにより、第1コントローラ70aは、動作規制フラグ及び旋回規制フラグを共に「1」に且つ禁止モードフラグを「0」に設定する。その後、オペレータが、設定完了ボタン画像を押下したとする。これにより、第1コントローラ70aは、動作規制制御及び旋回規制制御を実行する。即ち、動作規制制御モード及び旋回規制制御モードがON状態となる。
この状態で、オペレータが、旋回用の操作レバーを操作して、例えば、通常旋回範囲83から図19(a)に示す旋回位置へと上部旋回体4を旋回させたとする。この場合、旋回角度θtが第1の油圧緩衝範囲81A内となるため、第1コントローラ70aは、開度80[%]の情報を含む第3の規制制御信号RC3を第2コントローラ20に送信する。
これにより、比例電磁弁50の開度が100[%]から80[%]となり、圧油が開度80[%]に応じた流量で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、上部旋回体4が、開度100[%]のときよりも遅い旋回速度で旋回する。なお、旋回角度θtが第1の油圧緩衝範囲81A内にある間は、比例電磁弁50の開度は80[%]に保持される。
引き続き、オペレータが、旋回用の操作レバーを継続操作して、例えば、図19(b)に示す旋回位置へと上部旋回体4を旋回させたとする。この場合、旋回角度θtが第3の油圧緩衝範囲82A内となるため、第1コントローラ70aは、開度60[%]の情報を含む第4の規制制御信号RC4を第2コントローラ20に送信する。
これにより、比例電磁弁50の開度が80[%]から60[%]となり、圧油が開度60[%]に応じた流量で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、上部旋回体4が、開度80[%]のときよりも遅い旋回速度で旋回する。なお、旋回角度θtが第3の油圧緩衝範囲82A内にある間は、比例電磁弁50の開度は60[%]に保持される。
引き続き、オペレータが、旋回用の操作レバーを継続操作して、例えば、図19(c)に示す旋回位置へと上部旋回体4を旋回させたとする。この場合、旋回角度θtが旋回禁止範囲80内となるため、第1コントローラ70aは、開度0[%]の情報を含む第5の規制制御信号RC5を第2コントローラ20に送信する。
これにより、比例電磁弁50の開度が60[%]から0[%]となり、旋回用油圧モータ51への圧油の供給が停止される。その結果、上部旋回体4の旋回動作が停止する。
即ち、通常旋回範囲83から旋回禁止範囲80に向かって旋回動作させた場合に、上部旋回体4の旋回速度は、開度100[%]のときの旋回速度から急に0とならず、段階的に遅くなっていきその後に停止する。従って、急停止による吊荷の大きな揺れの発生を防止することが可能となる。
その後、例えば、荷役作業が終了して、オペレータの走行レバーの操作によって、クレーン1が作業位置から旋回範囲8の範囲外へと移動した場合に、第1コントローラ70aは、現在設定されている旋回範囲8を無効にすると共に、旋回規制制御モードをOFF状態にする。
この状態では、動作規制制御モードのみが有効となる。そして、オペレータの走行用レバーの操作によって、クレーン1が、例えば図20(a)に示す位置から前進して、図20(b)に示す位置へと向かって移動したとする。この場合、第1コントローラ70aは、現在は第2禁止モードが設定されているため、ブーム先端座標BCと侵入禁止範囲IPR1の座標情報とに基づき、ブーム先端座標BCが侵入禁止範囲IPR1内に侵入した時点で、第1の規制制御信号RC1を第2コントローラ20に送信する。なお、侵入禁止範囲IPR1内への侵入の判定は、ブーム先端座標BCのXY座標によってのみ判定し、Z座標(高さ方向の座標)については無視する。即ち、クレーン1の荷を吊った状態での動作を考慮している。
これにより、オペレータによる走行用レバーの前進方向の操作に対して、走行用油圧モータ60L,60Rの駆動が停止される。そして、以降は、走行用レバーの前進方向の操作に対して、走行用油圧モータ60L,60Rの駆動が禁止される。一方、侵入禁止範囲IPR1からの脱出のために、走行用油圧モータ60L,60Rについて、後進方向のレバー操作に対しては駆動を許可する。
また、第1実施形態では、侵入の要因となった走行用油圧モータ60L,60R以外の他の油圧アクチュエータについて、どのようなレバー操作に対しても駆動を禁止するようになっている。
なお、走行用油圧モータ60L,60R以外の、旋回用油圧モータ51、ブーム伸縮用油圧シリンダ35、ブーム起伏用油圧シリンダ36及びウインチ用油圧モータ37についても同様の動作となる。
一方、第1禁止モードが設定されている場合は、オペレータによる走行用レバーの前進方向の操作に対して、図20(a)の位置で、走行用油圧モータ60L,60Rの駆動が停止される。即ち、ブーム先端部32の侵入禁止範囲IPR1内への侵入自体を禁止する。
なお、このことは、走行用油圧モータ60L,60R以外の、旋回用油圧モータ51、ブーム伸縮用油圧シリンダ35、ブーム起伏用油圧シリンダ36及びウインチ用油圧モータ37についても同様の動作となる。
次に、現場の作業員Wが、GNSS測位機能を有する携帯型の通信端末90(例えば、スマートフォン)を用いて代表点座標群MCPを設定する場合の動作を説明する。なお、通信端末90は、タッチパネルを備えているものとする。
通信端末90を用いて代表点座標群MCPを取得する場合、作業員Wは、まず、専用のアプリケーションソフトを起動する。これにより、通信端末90の表示画面には、代表点の指定方法の選択ボタン画像が表示される。ここでは、例えば、2点指定、3点指定及び4点指定の3種類の指定方法を選択する選択ボタン画像が表示されたとする。そして、作業員Wが2点指定の選択ボタン画像を押下したとする。これにより、通信端末90の表示画面には、2点指定の座標の取得方法の案内画像が表示される。この案内画像には、代表点取得ボタン画像が含まれている。
作業員Wは、画面の案内に従って、歩行等により移動して、例えば、図21(a)に示すように、通信端末90を実境界線BL1の近傍(目標位置)へと位置させる。実際には、作業員Wは、作業現場における予め区分け等された侵入不可領域と侵入可能領域との境界を目視で確認しながら通信端末90を、境界位置からやや侵入可能領域側の位置へと持っていく。そして、通信端末90が目標位置にある状態で、表示画面に表示された代表点取得ボタン画像をタッチする。これにより、GNSS測位機能を用いて測定された、現在の通信端末90の機体座標(X,Y,Z)が、代表点CP1として決定され、代表点座標群MCPを構成する代表点の1つとして通信端末90のメモリに記憶される。
引き続き、作業員Wは、例えば、図21(b)に示すように、通信端末90を所持した状態で境界位置の近傍の代表点CP1から離れた別の目標位置へと移動する。そして、通信端末90が別の目標位置にある状態で、表示画面に表示された代表点取得ボタン画像をタッチする。これにより、GNSS測位機能を用いて測定された、現在の通信端末90の機体座標が、代表点CP2として決定され、代表点座標群MCPを構成する代表点の1つとして通信端末90のメモリに記憶される。
通信端末90は、代表点の指定方法として2点指定が設定されているので、2点の取得が完了したとして代表点の取得処理を終了する。
続いて、作業員Wは、代表点座標群MCPの記憶された通信端末90を所持して、クレーン1の置いてある場所へと移動する。そして、図21(c)に示すように、クレーン1に搭載されたコントロールボックス70との間で無線通信を行い、通信端末90に記憶された代表点座標群MCPの情報を無線送信する。
このとき、クレーン1のオペレータ(ここでは、作業員Wと別人)は、通信端末90と無線通信を行う前に、表示入力装置70dに表示された代表点設定画像内の代表点受信ボタン画像を押下する。これにより、第1コントローラ70aは、代表点受信モードへと移行する。これにより、コントロールボックス70が、通信端末90からの代表点座標群MCP3の情報を受信可能な状態とする。
一方、作業員Wも、専用のアプリケーションソフトの操作画面から、代表点座標群MCPを送信する操作を行い、代表点座標群MCPを無線送信する。
第1コントローラ70aは、無線通信装置70eを介して通信端末90からの代表点座標群MCPの情報を受信し、受信した代表点座標群MCPを代表点座標群MCP3として設定する。
続いて、第1コントローラ70aは、代表点座標群MCP3と、予め設定された2点指定に対する侵入禁止範囲の設定方法とに基づき、まずは、図21(d)に示すように、代表点CP1とCP2とを直線で結んでなる境界線L1を生成する。以降は、上記代表点指定モードで指定した場合と同様の動作となる。
ここで、第1実施形態において、GNSS受信装置71及び測位情報補正部170が、先端座標測定部に対応し、動作規制制御部174が、判定部及び動作制御部に対応する。
〔第1実施形態の作用及び効果〕
第1実施形態に係るクレーン制御システム7は、代表点設定部171が、作業現場において、例えばGNSSで測定された座標を代表点CPとして設定する。侵入禁止範囲設定部173aが、代表点設定部171で設定した複数の代表点CP(代表点座標群MCP)に基づき、侵入禁止範囲IPRを設定する。GNSS受信装置71及び測位情報補正部170が、クレーン1のブーム先端部32に設けられたGNSSアンテナで受信した複数のGNSS衛星からの測位用信号GNSSに基づき、ブーム先端部32の座標BCを測定する。動作規制制御部174が、GNSS受信装置71及び測位情報補正部170で測定したブーム先端部32の座標BCと、侵入禁止範囲IPRの座標情報とに基づき、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPR内に侵入したか否か又は侵入禁止範囲IPRに接近したか否かを判定する。加えて、この判定結果に基づき、クレーン1のブーム30が侵入禁止範囲IPR内に侵入し続けないように又は侵入禁止範囲IPR内に侵入しないようにクレーン1の動作を制御する。
この構成であれば、GNSSによる代表点CPの測位のみで侵入禁止範囲IPRを手軽に設定することが可能となるので、従来と比較して、侵入禁止範囲IPRの設定にかかる手間及び時間並びにコストを低減することが可能である。
また、第1実施形態に係るクレーン制御システム7は、更に、代表点設定部171が、GNSS受信装置71及び測位情報補正部170で測定したブーム先端座標BCに基づき代表点CPを設定可能に構成されている。
この構成であれば、クレーン1を操作して、代表点CPとして設定したい位置にブーム先端部32を移動させるといった簡単な操作で手軽に代表点CPの設定を行うことが可能となる。
また、第1実施形態に係るクレーン制御システム7は、更に、侵入禁止範囲設定部173aが、複数の代表点CPを直線で結んだ境界線Lを設定し、この境界線Lに基づき侵入禁止範囲IPRを設定する。
この構成であれば、複数の代表点CP(少なくとも2点)を設定するだけで、その間の座標範囲を直線で補完した範囲を侵入禁止範囲IPRとして設定できるので、簡易に広範囲の侵入禁止範囲IPRを設定することが可能である。
また、第1実施形態に係るクレーン制御システム7は、更に、GNSS測位機能を有した携帯型の通信端末90によって測定された作業現場における複数の代表点CPを、代表点設定部171に、通信端末90から無線を介して入力可能に構成されている。
この構成であれば、スマートフォン等の通信端末によって、手軽に代表点CPを取得することが可能になると共に、取得した代表点CPをクレーン1と同様の機能を有する他のクレーンにも適用することが可能となる。
また、第1実施形態に係るクレーン制御システム7は、更に、旋回範囲設定部173bが、クレーン1の旋回動作の規制対象として侵入禁止範囲IPRの少なくとも一部を含む旋回範囲である旋回禁止範囲80を設定する。加えて、旋回禁止範囲80の前後に、旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量変化を緩和する旋回範囲である油圧緩衝範囲81~82を設定する。動作規制制御部174が、クレーン1のブーム先端部32(実施形態ではブーム先端部32の位置に対応した旋回角度θt)が油圧緩衝範囲81~82内にあると判定したときに、旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量を、旋回動作を停止しない範囲で制限し、前記ブーム先端部が旋回禁止範囲80内にあると判定したときに、旋回用油圧モータ51の出力を、旋回禁止範囲80内へと侵入を続ける方向の旋回動作を停止するように制御する。
この構成であれば、油圧緩衝範囲81~82内では旋回動作を停止しない範囲で旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量を段階的に減少することが可能である。これによって、旋回動作を急停止させる構成と比較して、旋回停止時の旋回速度変化を緩和することが可能となる。その結果、旋回停止時の旋回速度変化によるクレーン1の接地バランスの崩れや大きな荷ブレ等の不具合の発生を防止又は低減することが可能となる。
〔第1実施形態の応用例1〕
次に、上記第1実施形態の応用例1について説明する。本応用例1は、2点指定によって設定した2つの代表点CPから生成した境界線Lを延長して、侵入禁止範囲を拡大可能にした応用例となる。
以下、上記第1実施形態と同じ構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
〔構成〕
本応用例1に係る侵入禁止範囲設定部173aは、代表点設定部171にて設定された複数の代表点CPを直線で結んで境界線Lを形成後に、この境界線Lを延長して延長境界線Lexを生成することが可能となっている。更に、延長境界線Lexに基づき、拡張侵入禁止範囲IPRexを設定することが可能となっている。
延長境界線Lexは、例えば、表示入力装置70dに、延長境界線Lexの設定用画像を表示して、オペレータが画面の案内に従って適宜タッチ入力を行うことで設定する。
例えば、タッチ入力によって延長する長さ等を指定可能とする。また、具体的な数値を入れるのではなく、例えば、倍率ボタン画像や、無限延長ボタン画像などを表示して、このボタン画像を押下することで各ボタン画像に設定された内容で延長するようにしてもよい。例えば、倍率ボタン画像が押下された場合、このボタンに設定された倍率で境界線L1を延長した延長境界線L1exを設定し、無限延長ボタン画像が押下された場合、境界線L1を無限長にした延長境界線L1exを設定する。
〔動作〕
次に、図22及び図23に基づき、本応用例1に係るクレーン1の動作例を説明する。
いま、図22(a)に示すように、代表点設定部171にて設定された代表点CP1及びCP2を直線で結んだ境界線L1が生成されたとする。
第1コントローラ70aは、境界線L1が生成されると、表示入力装置70dに、延長境界線Lexの設定用画像を表示する。この設定用画像は、延長する長さを設定するための数値入力ボタン画像、倍率ボタン画像、無限延長ボタン画像等を含むものである。
ここでは、オペレータが無限延長ボタン画像を押下したとする。これにより、第1コントローラ70aは、図22(b)に示すように、境界線L1を無限延長した延長境界線L1exを生成する。引き続き、第1コントローラ70aは、上記第1実施形態と同様に、オペレータのタッチ入力等による侵入不可領域側の指示入力に応じて、図22(c)に示すように、延長境界線L1exとその侵入不可領域側とを拡張侵入禁止範囲IPR1exとして設定する。
本応用例1の第1コントローラ70aは、このようにして設定された拡張侵入禁止範囲IPR1exに対して、図23に示すように、延長された範囲についても、設定された禁止モードの種類に応じてクレーン1の動作を規制する制御を行う。即ち、第1禁止モードが設定されているときは、拡張侵入禁止範囲IPR1ex内にブーム先端部32が侵入しないように動作を規制する制御を行う。一方、第2禁止モードが設定されているときは、拡張侵入禁止範囲IPR1ex内にブーム先端部32が侵入したときに、侵入し続ける方向の動作を規制する制御を行う。
また、旋回範囲8については、クレーン1の作業位置毎に設定し、設定した旋回範囲8に対して、上記第1実施形態と同様に旋回動作を規制する制御を行う。
〔第1実施形態の応用例1の作用及び効果〕
第1実施形態の応用例1に係るクレーン制御システム7は、侵入禁止範囲設定部173aが、境界線Lを延長した延長境界線Lexに基づき拡張侵入禁止範囲IPRexを設定する。
この構成であれば、境界線Lの延長を指示するだけで、侵入禁止範囲を拡大することができるので、簡易に侵入禁止範囲IPRを拡大した拡張侵入禁止範囲IPRexを設定することが可能である。特に、侵入付加領域と侵入可能領域との実境界線が略直線で長い場合に、近場の2点を設定して延長を指示するだけで略全域に対応した拡張侵入禁止範囲IPRexを設定することが可能である。
〔第1実施形態の応用例2〕
次に、上記第1実施形態の応用例2について説明する。本応用例2は、代表点CPを3点設定して、建物等の角部を含む侵入不可領域に対して侵入禁止範囲IPRを設定する応用例である。
以下、上記第1実施形態と同じ構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
〔構成〕
本応用例2に係る代表点設定部171は、3点指定の指定方法が選択されたときに、例えば、侵入不可領域が建物等の角部を有する場合に、特定の設定方法にて代表点CPを3点設定することで、簡易に角部を含む領域に侵入禁止範囲IPRを設定することが可能に構成されている。
具体的に、本応用例2では、例えば、図24(a)に示すように、ブーム先端部32の侵入を禁止すべき領域(図24の例では建物BLD1)を平面視して、その角部を形成する2辺のうちの一方の辺(図24の例では実境界線BL2)の近傍に代表点CP1を設定する。加えて、図24(b)に示すように、実境界線BL2と他方の辺(図24の例では実境界線BL3)との交点の近傍に代表点CP2を設定し、図24(c)に示すように、実境界線BL3の近傍に代表点CP3を設定する。なお、設定の順番はこの順番に限定されない。
また、図24の例では、クレーン1を用いてそのブーム先端座標BCを、旋回動作とブーム30の伸縮動作のみで測定することで代表点CP1~CP3を設定しているが、この方法に限らない。例えば、クレーン1を都度走行移動させながら代表点となる座標を測定してもよいし、上記3箇所の位置座標(XY座標)を、スマートフォン等の通信端末90によって測定し、代表点受信モード又は代表点読出モードを利用して設定するようにしてもよい。
一方、本応用例2に係る侵入禁止範囲設定部173aは、図25(a)に示すように、代表点CP1と代表点CP2とを直線で結び且つ代表点CP3と代表点CP2とを直線で結んだ略L字状の線を境界線L2として設定する。そして、図25(b)中に濃い網掛けで示すように、設定した境界線L2に基づき、境界線L2を含む侵入不可領域側に平面視矩形の侵入禁止範囲IPR2を設定する。
なお、本応用例2では、図25(b)の薄い網掛けで示すように、上記第1実施形態の応用例1と同様に、境界線L2を延長した延長境界線L2exを設定し、設定した延長境界線L2exに基づき拡張侵入禁止範囲IPR2exを設定することも可能である。なお、拡張侵入禁止範囲IPR2exは、侵入禁止範囲IPR2を含む範囲である。
本応用例2の第1コントローラ70aは、このようにして設定された侵入禁止範囲IPR2に対して、図26(a)に示すように、上記第1実施形態と同様に、設定された禁止モードの種類に応じてクレーン1の動作を規制する制御を行う。また、図26(b)に示すように、拡張侵入禁止範囲IPR2exに対しても、上記第1実施形態の応用例1と同様に、設定された禁止モードの種類に応じてクレーン1の動作を規制する制御を行う。
また、旋回範囲8については、クレーン1の作業位置毎に設定し、設定した旋回範囲8に対して、上記第1実施形態と同様に旋回動作を規制する制御を行う。
〔第1実施形態の応用例2の作用及び効果〕
第1実施形態の応用例2に係るクレーン制御システムは、代表点設定部171が、複数の代表点CPとして、ブーム先端部32の侵入を禁止すべき領域を平面視して、その角部を形成する2辺のうちの一方の辺の近傍の2次元座標からなる代表点CP1と、他方の辺の近傍の2次元座標からなる代表点CP3と、一方の辺と他方の辺との交点の近傍の2次元座標からなる代表点CP2とを設定可能に構成されている。加えて、侵入禁止範囲設定部173aが、代表点CP1と代表点CP2とを直線で結び且つ代表点CP3と代表点CP2とを直線で結んだ線を境界線L2として設定する。
この構成であれば、3点の代表点を設定するだけで、建物の角部等を含む侵入不可領域に対して、簡易に侵入禁止範囲IPRを設定することが可能である。
〔第1実施形態の応用例3〕
次に、上記第1実施形態の応用例3について説明する。本応用例3は、代表点CPを4点設定して、建物等の角部を含む領域に侵入禁止範囲IPRを設定する応用例である。
以下、上記第1実施形態と同じ構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
〔構成〕
本応用例3に係る代表点設定部171は、4点指定の指定方法が選択されたときに、例えば、侵入不可領域が建物等の角部を有する場合に、特定の設定方法にて代表点CPを4点設定することで、簡易に角部を含む領域に侵入禁止範囲IPRを設定することが可能に構成されている。
具体的に、本応用例3では、例えば、図27に示すように、まず、オペレータがクレーン1を操作して、ブーム先端部32の侵入を禁止すべき領域(図27の例では建物BLD2)を平面視して、その角部を形成する2辺のうちの一方の辺(図27の例では実境界線BL4)の正面側にクレーン1を移動する。そして、実境界線BL4の近傍における、実境界線BL4に沿って所定距離を空けて並ぶ(例えば同一Y軸座標上の)2箇所の座標位置にブーム先端部32をそれぞれ位置させて、これら2箇所のブーム先端座標BCを代表点CP1及びCP2として設定する。本応用例3では、高さ方向(Z軸座標)を考慮せず、2次元座標(XY座標)を得るようにしている。
引き続き、オペレータがクレーン1を操作して、図27に示すように、他方の辺(図27の例では実境界線BL5)の正面側にクレーン1を移動する。そして、実境界線BL5の近傍における、実境界線BL5に沿って所定距離を空けて並ぶ(例えば同一X軸座標上の)2箇所の座標位置にブーム先端部32をそれぞれ位置させて、これら2箇所のブーム先端座標BC(2次元座標)を代表点CP3及びCP4として設定する。
なお、実境界線BL4及びBL5は、表示入力装置70dには表示されない情報である。そのため、実際には、建物BLD2の側面を目視で確認しながら、クレーン1を操作して、側面の近傍に且つ側面に沿って代表点CP1及びCP2並びにCP4及びCP5を設定する。また、設定の順番はこの順番に限定されない。
また、図27の例では、クレーン1を用いてそのブーム先端座標BCを測定することで代表点CP1~CP4を設定しているが、この方法に限らない。例えば、上記4箇所の2次元の位置座標(XY座標)を、スマートフォン等の通信端末90によって測定し、代表点受信モード又は代表点読出モードを利用して設定するようにしてもよい。
一方、本応用例3に係る侵入禁止範囲設定部173aは、図27に示すように、代表点CP1と代表点CP2とを直線で結んだ第1直線L3と、代表点CP3と代表点CP4とを直線で結んだ第2直線L4とを生成する。続いて、生成した第1直線L3と第2直線L4とが交差するまで両者を延長すると共に交点で両者を繋ぎ略L字状の境界線L5を生成する。ここで、第1及び第2直線L3及びL4との延長上の交点(L字の角部)の座標を代表点CP5とする。そして、図28に網掛けで示すように、設定した境界線L5に基づき、境界線L5を含む侵入不可領域側に平面視矩形の侵入禁止範囲IPR3を設定する。
なお、図示省略するが、上記第1実施形態の応用例1と同様に、境界線L5の線L3部分及びL4部分を延長した延長境界線L5exを設定し、設定した延長境界線L5exに基づき侵入禁止範囲IPR3を拡大した拡張侵入禁止範囲IPR3exを設定することも可能である。
本応用例3の第1コントローラ70aは、このようにして設定された侵入禁止範囲IPR3に対して、図28に示すように、上記第1実施形態と同様に、設定された禁止モードの種類に応じてクレーン1の動作を規制する制御を行う。また、図示省略するが、拡張侵入禁止範囲IPR3exに対しても、上記第1実施形態の応用例1と同様に、設定された禁止モードの種類に応じてクレーン1の動作を規制する制御を行う。
また、旋回範囲8については、クレーン1の作業位置毎に設定し、設定した旋回範囲8に対して、上記第1実施形態と同様に旋回動作を規制する制御を行う。
〔第1実施形態の応用例3の作用及び効果〕
第1実施形態の応用例3に係るクレーン制御システム7は、代表点設定部171が、複数の代表点CP(代表点座標群MCP)として、ブーム先端部32の侵入を禁止すべき領域(例えば、建物BLD2)を平面視して、その角部を形成する2辺のうちの一方の辺の近傍における該一方の辺に沿って並んだ位置の2次元座標からなる代表点CP1及びCP2を設定する。加えて、他方の辺の近傍における該他方の辺に沿って並んだ位置の2次元座標からなる第3代表点及び第4代表点を設定する。侵入禁止範囲設定部173aが、代表点CP1とCP2とを直線で結んだ第1直線L3と、代表点CP3とCP4とを直線で結んだ第2直線L4とを設定し、第1直線L3及び第2直線L3とを両者が交わる位置まで延長した線を境界線L5として設定する。
この構成であれば、4点の代表点を設定するだけで、建物の角部等を含む侵入不可領域に対して、簡易に侵入禁止範囲IPRを設定することが可能である。
〔第1実施形態の応用例4〕
次に、上記第1実施形態の応用例4について説明する。本応用例4は、代表点CPを空中にも設定して、高架線等の高い位置にある障害物を含む領域に侵入禁止範囲IPRを設定する応用例である。
以下、上記第1実施形態と同じ構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
〔構成〕
本応用例4に係るクレーン制御システム7の代表点設定部171は、空中指定の指定方法が選択されたときに、作業範囲の空中にも侵入禁止範囲IPRを設定することが可能に構成されている。例えば、侵入不可領域が高架線等の高い位置にある障害物(以下、「高位置障害物」と称す)を含む場合に、特定の設定方法にて代表点CPを8点設定することで、簡易に高位置障害物の存在する領域を含む侵入禁止範囲IPRを設定することが可能となっている。
具体的に、本応用例4では、例えば、図29(a)に示すように、まず、オペレータが作業領域内にてクレーン1を操作して、侵入不可領域と侵入可能領域(作業領域)との地上での境界位置である下側の四角線で示す実多角境界線BL6の各角部の近傍に、順にクレーン1のブーム先端部32が位置するようにクレーン1を移動する。そして、各角部近傍の同一平面上のブーム先端座標BC(ここでは、Z軸座標値が共通の3次元座標)を順に代表点CP1、CP2、CP3及びCP4として設定する。
引き続き、オペレータがクレーン1を操作して、作業領域内の任意の位置における電線等の高位置障害物のある侵入不可領域と高位置障害物の無い侵入可能領域との境界位置(実多角境界線BL7で囲まれた平面)の近傍に、クレーン1のブーム先端部32が位置するようにクレーン1を移動する。そして、本応用例4では、近傍位置のブーム先端座標BCにおける高さ座標(Z座標)を1つ設定することで、自動的に、代表点CP1、CP2、CP3及びCP4の高さ座標を、設定した高さ座標に置換した座標が代表点CP5、CP6、CP7及びCP8として設定される。即ち、同一平面上の4点が代表点として設定される。
なお、実多角境界線BL6及びBL7は、表示入力装置70dには表示されない情報である。そのため、実際には、地上の境界位置や高位置障害物を目視で確認しながら、クレーン1を操作して、上記代表点CP1~CP4並びに上記高さ座標を設定する。
一方、本応用例4に係る侵入禁止範囲設定部173aは、図29(b)に示すように、代表点CP1とCP2とを直線で結び、代表点CP2とCP3とを直線で結び、代表点CP3とCP4とを直線で結び、代表点CP4とCP1とを直線で結んだ四角線からなる多角境界線L6を生成する。続いて、代表点CP5とCP6とを直線で結び、代表点CP6とCP7とを直線で結び、代表点CP7とCP8とを直線で結び、代表点CP8とCP5とを直線で結んだ四角線からなる多角境界線L7を生成する。
そして、図30に示すように、多角境界線L6を含む侵入不可領域側(作業領域の外側)に多角境界線L6を囲む平面視でロ字状(四角環形状)の侵入禁止範囲IPR4(図30中の薄い網掛け部分)を設定する。加えて、多角境界線L7を含む侵入不可領域側(上空側)に直方体形状の侵入禁止範囲IPR5を設定する(図30中の濃い網掛け部分)。
本応用例4の第1コントローラ70aは、このようにして設定された侵入禁止範囲IPR4に対して、上記第1実施形態と同様に、設定された禁止モードの種類に応じてクレーン1の動作を規制する制御を行う。即ち、ブーム先端座標BCのZ座標に関係なく、XY座標によって、侵入禁止範囲IPR4への侵入や接近の有無を判定する。一方、侵入禁止範囲IPR5に対しては、ブーム先端座標BCのZ座標と、設定された禁止モードの種類とに基づきクレーン1の動作を規制する制御を行う。即ち、第1禁止モードが設定されているときは、ブーム先端部32のZ座標に基づき、ブーム30の起動作や伸長動作によって、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPR5内に侵入しないように動作を規制する。一方、第2禁止モードが設定されているときは、ブーム先端部32のZ座標に基づき、ブーム30の起動作や伸長動作によって、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPR5内に侵入したときに、侵入し続ける方向の動作を規制する制御を行う。
(第1実施形態の応用例4の作用及び効果)
第1実施形態の応用例4に係るクレーン制御システム7は、代表点設定部171が、複数の代表点として、同一平面上のそれぞれ異なる3つ以上の3次元座標からなる3つ以上の第1平面座標(例えば、上記CP1~CP4)と、第1平面座標とは高さ方向の座標のみが異なる同一平面上の3つ以上の3次元座標からなる3つ以上の第2平面座標(例えば、上記CP5~CP8)とを設定可能に構成されている。加えて、侵入禁止範囲設定部173aが、第1平面座標を結んで構成される多角線である第1多角境界線(例えば、上記多角境界線L6)と、第2平面座標を結んで構成される多角線である第2多角境界線(例えば、上記多角境界線L7)とに基づき侵入禁止範囲IPR(例えば、上記IPR4及びIPR5)を設定する。
この構成であれば、3つ以上の第1平面座標と、第1平面座標とは高さ方向の座標のみが異なる3つ以上の第2平面座標とを設定するだけで、作業領域の外側及び作業領域の上空の高位置障害物を含む侵入不可領域に対して、簡易に侵入禁止範囲IPRを設定することが可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、上記第1実施形態のクレーン制御システム7を固定型のタワークレーンに搭載した点が上記第1実施形態と異なる。
以下、上記第1実施形態と同じ構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
〔構成〕
第2実施形態に係るタワークレーン1T(以下、単に「クレーン1T」と称す)は、図31に示すように、建築建屋310上に設けられたベース320と、ベース320上に立設されたマスト38と、マスト38の上端に旋回可能に支持された旋回体4Tとを備える。加えて、旋回体4Tの上部に設けられたクレーン装置3T及び運転室5Tとを備える。
クレーン装置3Tは、旋回体4Tの上部に起伏可能に設けられたブーム(ジブとも呼ばれる)30Tと、旋回体4Tの上部のブーム30Tの後方に設けられたAフレーム39と、旋回体4Tの上部且つAフレーム39の内側に設けられた巻上げ用ウインチ31Aと、Aフレーム39の上部に設けられた起伏用ウインチ31Bと、フック34Tとを備える。巻上げ用ウインチ31Aからワイヤロープ33T1をAフレーム39を介してブーム30Tの先端部32T(以下、「ブーム先端部32T」と称す)に導いて、ブーム先端部32Tの滑車を介してフック34Tに掛回すことにより、フック34Tをブーム先端部32Tから吊下している。一方、クレーン装置3Tは、起伏用ウインチ31Bからワイヤロープ33T2をブーム先端部32Tに掛け回し、起伏用ウインチ31Bを巻上げ又は巻下げ動作することでブーム30Tを起伏動作させるようになっている。
また、図示省略するが、クレーン1Tは、運転室5Tの後部に設けられた機関室を備える。加えて、機関室から供給される動力(電力や油圧等)によって駆動する、旋回体4Tを旋回動作させるための旋回用モータと、巻上げ用ウインチ31Aのウインチドラムを回転動作させるための巻上げモータと、起伏用ウインチ31Bのウインチドラムを回転動作させるための起伏モータとを備える。更に、図示省略するが、旋回体4Tの旋回角度θtを検出する旋回角度センサを備える。
第2実施形態に係る第2コントローラ20は、運転室5Tの内部5Tiに設けられたクレーンT1の操作装置からの指示や、第1コントローラ70aからの指示に応じて、これら各種モータの駆動を制御するように構成されている。
また、第2実施形態では、図31に示すように、ブーム30Tの先端部32Tに、GNSS受信装置71が設けられている。また、図示省略するが、運転室5Tの内部5Tiに、コントロールボックス70が設けられている。
そして、第2実施形態に係る第1コントローラ70aは、上記第1実施形態と同様に、GNSS受信装置71により得られるブーム30Tの先端座標JC(以下、「ブーム先端座標JC」と称す)や、通信端末90のGNSS測位機能にて得られる機体座標等に基づき代表点CPを設定する。更に、設定した代表点CPに基づき侵入禁止範囲IPRを設定する。なお、第2実施形態においては、旋回範囲8の設定処理及び旋回規制制御処理については行わないようになっている。
〔動作〕
以下、図31に基づき、第2実施形態に係るクレーン1Tの動作例を説明する。
図31に示すように、建築建屋310の周囲には、荷取ステージ330が設けられており、荷取ステージ330の外周の四角線が実多角境界線BL8となっている。即ち、実多角境界線BL8の内側が侵入可能領域となっており、外側が侵入不可領域となっている。
オペレータは、クレーン1Tを操作して、旋回体4Tを旋回動作させると共に、ブーム30Tを起伏動作させて、ブーム先端部32Tを実多角境界線BL8の近傍の荷取ステージ330の4隅へと順に位置させる。そして、オペレータが、各位置において、表示入力装置70dに表示された代表点設定ボタン画像をタッチすることで、第1コントローラ70aにおいて、各位置のブーム先端座標JCが代表点CP1、CP2、CP3及びCP4として設定される。ここで、第2実施形態では、3次元座標であるブーム先端座標JC(X,Y,Z)のうちXY座標を代表点CP1~CP4として設定する。
なお、実多角境界線BL8は、表示入力装置70dには表示されない情報である。そのため、オペレータは、実際には、荷取ステージ330の4隅や境界位置を目視で確認しながら、クレーン1を操作して、上記代表点CP1~CP4を設定する。
一方、第2実施形態に係る侵入禁止範囲設定部173aは、図31に示すように、代表点CP1とCP2とを直線で結び、代表点CP2とCP3とを直線で結び、代表点CP3とCP4とを直線で結び、代表点CP4とCP1とを直線で結んだ四角線からなる多角境界線L8を生成する。そして、多角境界線L8を含む侵入不可領域側(外側)に、多角境界線L8を囲む平面視でロ字状(四角環形状)の侵入禁止範囲IPR6(図31中の網掛け部分)を設定する。
第1コントローラ70aは、このようにして設定された侵入禁止範囲IPR6に対して、上記第1実施形態と同様に、設定された禁止モードの種類に応じてクレーン1Tの動作を規制する制御を行う。即ち、第1禁止モードが設定されているときは、ブーム先端部32TのXY座標に基づき、ブーム30Tの伏動作によって、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPR6内に侵入しないように動作を規制する。一方、第2禁止モードが設定されているときは、ブーム先端部32TのXY座標に基づき、ブーム30Tの伏動作によって、ブーム先端部32が侵入禁止範囲IPR6内に侵入したときに、侵入し続ける方向の動作を規制する制御を行う。
〔第2実施形態の作用及び効果〕
第2実施形態に係るクレーン制御システム7は、代表点設定部171が、複数の代表点として、平面視で建築建屋310を囲むように形成された荷取ステージ330の4隅の2次元の座標(上記代表点CP1~CP4)を設定可能に構成されている。侵入禁止範囲設定部173aは、代表点CP1~CP4を直線で結んだ四角線を多角境界線L8として設定し、多角境界線L8の外側のロ字状(四角環形状)の範囲を侵入禁止範囲IPR6として設定する。
この構成であれば、上記第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、上記第1実施形態のクレーン1を複数台と、サーバ装置とを備え、いずれかのクレーン1で生成された代表点CPや侵入禁止範囲IPRの情報などを複数台のクレーン1で共用可能な点が上記第1実施形態と異なる。
以下、上記第1実施形態と同じ構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
〔構成〕
第3実施形態に係るクレーン共用制御システム9は、図32に示すように、クレーン1A、1B及び1Cと、共用システム管理用サーバ400と、基地局500と、ネットワーク600とを含んで構成される。そして、基地局500及びネットワーク600を介して、共用システム管理用サーバ400と、クレーン1A~1Cとは、それぞれ互いにデータ通信可能に接続されている。以下、クレーン1A~1Cを、区別する必要が無い場合に「クレーン1」と称する。
共用システム管理用サーバ400は、図33に示すように、第3コントローラ410と、記憶装置430と、表示装置440と、通信装置450とを備える。
第3コントローラ410は、例えばマイクロコントローラから構成されており、図示省略するが、CPU、ROM、RAM、内外バス、I/F回路等を有する。なお、ROM又は記憶装置430には、クレーン共用制御システム9の制御プログラム等の各種プログラムやプログラムで使用するデータが記憶されている。
そして、第3コントローラ410は、ROM又は記憶装置430に記憶された制御プログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込んだ制御プログラムをCPUで実行することで、クレーン共用制御システム9の各機能を実現させる。
第3コントローラ410は、上記各機能として、クレーン1A~1Cから基地局500及びネットワーク600を介して送信されてきた、代表点座標群MCP及び侵入禁止範囲IPRのデータなどを受信して、受信したデータを記憶装置430に記憶する受信機能を有する。加えて、クレーン1A~1Cから基地局500及びネットワーク600を介して送信されてきた、取得要求の受信に応じて、記憶装置430に記憶された代表点座標群MCP及び侵入禁止範囲IPRのデータなどを要求元のクレーン1に送信する送信機能を有する。
記憶装置430は、例えばハードディスク等の比較的容量の大きい不揮発性の記憶媒体から構成されている。記憶装置430は、第3実施形態では、通信装置450を介して受信した代表点座標群MCP及び侵入禁止範囲IPRのデータ、制御プログラム、制御プログラムの実行に必要な各種データを記憶している。
表示装置440は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの周知の表示装置であり、CPUからの指令に応じて、各種情報の表示を行う。表示装置440は、例えば、クレーン1A~1Cから受信した、代表点座標群MCP及び侵入禁止範囲IPRのデータなどを、サーバ管理者が確認するための情報を表示する。
通信装置450は、LAN、WAN、インターネット等のネットワーク上の外部装置と通信するためのデバイスであり、例えばLANカード等と呼ばれる周知のネットワークアダプタから構成される。通信装置450は、ネットワークケーブルを介してルータやハブ等に接続され、これらを介して、共用システム管理用サーバ400をネットワーク600に接続する。
なお、この共用システム管理用サーバ400は、例えば、周知のパーソナルコンピュータなどに実装されるものとして構成される。
〔第3コントローラ410の機能構成〕
次に、図34に基づき、第3コントローラ410の具体的な機能構成を説明する。
第3コントローラ410は、その機能構成部として、図34に示すように、通信制御部410aを備える。通信制御部410aは、情報送信部410bと、情報受信部410cとを備える。
情報送信部410bは、通信装置450を介して受信したクレーン1からの取得要求Reqaに応じて、記憶装置430に記憶されている代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを読み出す。そして、通信装置450を介して、読み出した代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを、要求元のクレーン1に送信する。具体的に、読み出した代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRの情報と要求元のクレーン1の情報とを含む送信指示を通信装置450に出力する。
情報受信部410cは、通信装置450を介して受信したクレーン1からの登録要求Reqrに基づき、登録要求Reqrと共に受信した代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを記憶装置430に記憶する。
〔第1コントローラ70aの機能構成〕
次に、図35に基づき、第3実施形態に係るクレーン1の第1コントローラ70aの具体的な機能構成を説明する。
第3実施形態に係る第1コントローラ70aは、上記第1実施形態の機能構成において、通信制御部175を新たに追加した構成となっている。
また、第3実施形態の画像表示処理部172は、上記第1実施形態の機能に加えて、登録ボタン画像と、取得ボタン画像とを含む共用システム画像を表示入力装置70dに表示する機能を有している。登録ボタン画像は、共用システム管理用サーバ400に、代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを登録する操作を選択するためのボタン画像である。また、取得ボタン画像は、共用システム管理用サーバ400に登録された代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを取得する操作を選択するためのボタン画像である。
更に、画像表示処理部172は、登録ボタン画像が押下された場合に、登録情報選択用画像と、登録要求送信ボタン画像とを含む登録案内画像を表示入力装置70dに表示する機能を有している。登録情報選択用画像は、記憶装置70cに記憶されている代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを選択するための画像であり、登録要求送信ボタン画像は、選択された代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを共用システム管理用サーバ400に登録するための指示ボタン画像である。
また、画像表示処理部172は、取得ボタン画像が押下された場合に、取得情報選択用画像と、取得要求送信ボタン画像とを含む取得案内画像を表示入力装置70dに表示する機能を有している。取得情報選択用画像は、共用システム管理用サーバ400が記憶保持している代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRの中から取得したいものを選択するための画像であり、取得要求送信ボタン画像は、選択された代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを共用システム管理用サーバ400から取得するための指示ボタン画像である。
通信制御部175は、登録要求送信ボタン画像が押下された場合は、選択された代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを含む登録要求Reqrを、無線通信装置70eを介して共用システム管理用サーバ400に送信する処理を行う。一方、取得要求送信ボタン画像が押下された場合は、選択された代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRの選択情報と送信元の情報とを含む取得要求Reqを、無線通信装置70eを介して共用システム管理用サーバ400に送信する処理を行う。
また、通信制御部175は、共用システム管理用サーバ400から取得要求Reqaに応じた代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRの情報を受信すると、受信した情報を記憶装置70cに記憶する処理を行う。
代表点設定部171は、このようにして記憶装置70cに記憶された代表点座標群MCPを、代表点読出モードによって代表点座標群MCP2として設定することが可能である。一方、動作規制制御部174は、記憶装置70cに記憶された、共用システム管理用サーバ400からの侵入禁止範囲IPRに基づき動作規制制御を行うことが可能である。
〔共用管理処理〕
次に、図36に基づき、共用システム管理用サーバ400で実行される共用管理処理の処理手順を説明する。
第3コントローラ410のCPUにおいて、制御プログラムが実行され共用管理処理が開始されると、図36に示すように、まずステップS700に移行する。
ステップS700では、通信制御部410aの情報受信部410cにおいて、クレーン1からの登録要求Reqrを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS702に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS704に移行する。
ステップS702に移行した場合は、情報受信部410cにおいて、受信した登録要求Reqrに含まれる代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRの情報を、記憶装置430に記憶する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
一方、ステップS700において、登録要求Reqrを受信せずにステップS704に移行した場合は、クレーン1からの取得要求Reqaを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS706に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS700に移行する。
ステップS706に移行した場合は、情報送信部410bにおいて、取得要求Reqaで指定された代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRの情報を、記憶装置430から読み出す。その後、ステップS708に移行する。
ステップS708では、情報送信部410bにおいて、ステップS706で読み出したデータを、取得要求元のクレーン1に送信する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
〔共用制御処理〕
次に、図37に基づき、クレーン1の第1コントローラ70aで実行される共用制御処理の処理手順を説明する。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、制御プログラムが実行され共用制御処理が開始されると、図37に示すように、まずステップS800に移行する。
ステップS800では、画像表示処理部172において、共用システム画像を表示するための画像表示信号を表示入力装置70dに出力して、表示入力装置70dに共用システム画像を表示させる。その後、ステップS802に移行する。
これにより、表示入力装置70dには、登録ボタン画像と、取得ボタン画像とを含む共用システム画像が表示される。
ステップS802では、通信制御部175において、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、登録ボタン画像が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS804に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS810に移行する。
ステップS804に移行した場合は、通信制御部175において、画像表示処理部172に、登録案内画像を表示入力装置70dに表示させる指示を出力する。その後、ステップS806に移行する。これにより、画像表示処理部172は、表示入力装置70dに登録案内画像を表示する画像表示信号を出力して、表示入力装置70dに登録案内画像を表示させる。即ち、表示入力装置70dには、登録情報選択用画像と、登録要求送信ボタン画像とを含む登録案内画像が表示される。
ステップS806では、通信制御部175において、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、登録するデータが選択され且つ登録要求送信ボタン画像が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS808に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、判定処理を繰り返す。
ここで、登録情報選択用画像内には、登録可能なデータのタイトルの一覧が表示され、オペレータは、表示されたタイトルをタッチすることで、登録したいデータを選択することが可能となっている。また、データを選択後は、登録要求送信ボタン画像をタッチすることで、選択したデータの登録要求の送信を指示することが可能となっている。
ステップS808では、通信制御部175において、ステップS806で選択されたデータを含む登録要求Reqrを、無線通信装置70eを介して、共用システム管理用サーバ400に送信する処理を行う。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。これにより、無線通信装置70eによって、登録要求Reqrが、基地局500及びネットワーク600を介して、共用システム管理用サーバ400へと送信される。
一方、ステップS802において、登録ボタン画像が押下されずにステップS810に移行した場合は、通信制御部175において、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、取得ボタン画像が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS812に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS802に移行する。
ステップS812に移行した場合は、通信制御部175において、画像表示処理部172に、取得案内画像を表示入力装置70dに表示させる指示を出力する。その後、ステップS814に移行する。これにより、画像表示処理部172は、表示入力装置70dに取得案内画像を表示する画像表示信号を出力して、表示入力装置70dに取得案内画像を表示させる。即ち、表示入力装置70dには、取得情報選択用画像と、取得要求送信ボタン画像とを含む取得案内画像が表示される。
ステップS814では、通信制御部175において、画像表示処理部172からのタッチ入力の情報に基づき、取得するデータが選択され且つ取得要求送信ボタン画像が押下されたか否かを判定する。そして、押下されたと判定した場合(Yes)は、ステップS816に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、判定処理を繰り返す。
ここで、取得情報選択用画像内には、取得可能なデータのタイトルの一覧が表示され、オペレータは、表示されたタイトルをタッチすることで、取得したいデータを選択することが可能となっている。また、データを選択後は、取得要求送信ボタン画像をタッチすることで、選択したデータの取得要求の送信を指示することが可能となっている。
ステップS816に移行した場合は、通信制御部175において、ステップS814で選択されたデータの識別情報を含む取得要求Reqaを、無線通信装置70eを介して、共用システム管理用サーバ400に送信する処理を行う。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。これにより、無線通信装置70eによって、取得要求Reqaが、基地局500及びネットワーク600を介して、共用システム管理用サーバ400へと送信される。
〔動作〕
次に、第3実施形態に係るクレーン共用制御システム9の動作例を説明する。
ここでは、上記第1実施形態のモード設定画像内に、共用モード選択ボタン画像が追加で表示されており、且つこの共用モード選択ボタン画像をオペレータがタッチして、表示入力装置70dに、共用システム画像が表示されていることとする。
まず、図32に示すクレーン1Aが、自己で設定した代表点座標群MCPを、共用システム管理用サーバ400に登録する場合の動作を説明する。
いま、クレーン1AのオペレータOPAが、代表点座標群MCPを登録すべく、表示入力装置70dに表示された共用システム画像内の登録ボタン画像を押下したとする。これにより、クレーン1Aの第1コントローラ70aは、表示入力装置70dに、登録案内画像を表示させる処理を行う。
オペレータは、表示入力装置70dに登録案内画像が表示されると、登録案内画像内の登録情報選択用画像内に表示された登録可能な代表点座標群MCPのタイトル一覧のうちから、登録したいタイトルをタッチする。これにより、第1コントローラ70aでは、タッチされたタイトルが選択された状態となる。引き続き、オペレータが、登録要求送信ボタン画像を押下することで、第1コントローラ70aは、記憶装置70cから、選択されたタイトルに対応する代表点座標群MCPのデータを読み出す。そして、読み出した代表点座標群MCPのデータと、このデータに対応する作業現場の情報とを含む登録要求Reqrを生成し、生成した登録要求Reqrを、無線通信装置70eを介して共用システム管理用サーバ400に送信する。
一方、共用システム管理用サーバ400は、クレーン1Aからの登録要求Reqrを通信装置450を介して受信すると、第3コントローラ410の情報受信部410cにおいて、受信した登録要求Reqrに含まれる代表点座標群MCPと作業現場の情報とを、識別情報に対応付けて記憶装置430に記憶する。これにより、登録処理が完了する。
次に、図32に示すクレーン1Cが、共用システム管理用サーバ400に登録された代表点座標群MCPを取得する場合の動作を説明する。
いま、クレーン1CのオペレータOPCが、共用システム管理用サーバ400に登録された代表点座標群MCPを取得すべく、表示入力装置70dに表示された共用システム画像内の取得ボタン画像を押下したとする。これにより、クレーン1Cの第1コントローラ70aは、共用システム管理用サーバ400から登録情報の一覧を表示するための情報を無線通信装置70eを介して取得する。その後、取得した情報に基づき、表示入力装置70dに、取得案内画像を表示させる処理を行う。
オペレータは、取得案内画像が表示されると、取得案内画像内の取得情報選択用画像内に表示された取得可能な代表点座標群MCP及び侵入禁止範囲IPRのタイトル及び作業現場の一覧のうちから、取得したい作業現場に対応するタイトルをタッチする。ここでは、クレーン1Aによって登録された代表点座標群MCPのタイトルの1つがタッチされたとする。これにより、クレーン1Cの第1コントローラ70aでは、タッチされたタイトルが選択された状態となる。引き続き、オペレータが、取得要求送信ボタン画像を押下することで、第1コントローラ70aは、選択されたタイトルの識別情報を含む取得要求Reqaを生成する。そして、生成した取得要求Reqaを、無線通信装置70eを介して共用システム管理用サーバ400に送信する。
一方、共用システム管理用サーバ400は、クレーン1Cからの取得要求Reqaを通信装置450を介して受信すると、第3コントローラ410の情報送信部410bにおいて、受信した取得要求Reqaに含まれる取得したい代表点座標群MCPの識別情報を抽出する。そして、記憶装置430から、抽出した識別情報に対応する代表点座標群MCPを読出し、読み出した代表点座標群MCPのデータを通信装置450を介して取得要求元のクレーン1Cに送信する。
クレーン1Cは、共用システム管理用サーバ400から送信されてきた代表点座標群MCPを無線通信装置70eを介して受信すると、受信した代表点座標群MCPを記憶装置70cに記憶する。これにより、取得処理が終了し、クレーン1Cにおいて、クレーン1Aにて設定された代表点座標群MCPを用いて侵入禁止範囲IPRの設定が可能となる。
次に、図32に示すクレーン1Bが、共用システム管理用サーバ400に登録された侵入禁止範囲IPRを取得する場合の動作を説明する。
この場合は、上記代表点座標群MCPを取得時と同様に、オペレータが、取得情報選択用画像内に表示された取得可能な代表点座標群MCP及び侵入禁止範囲IPRのタイトル及び作業現場の一覧のうちから、取得したい作業現場の侵入禁止範囲IPRのタイトルをタッチする。そして、取得要求送信ボタン画像を押下する。これにより、クレーン1Bの第1コントローラ70aは、選択されたタイトルの識別情報を含む取得要求Reqaを生成し、生成した取得要求Reqaを、無線通信装置70eを介して共用システム管理用サーバ400に送信する。
一方、共用システム管理用サーバ400は、クレーン1Bからの取得要求Reqaを通信装置450を介して受信すると、第3コントローラ410の情報送信部410bにおいて、受信した取得要求Reqaに含まれる取得したい侵入禁止範囲IPRの識別情報を抽出する。そして、記憶装置430から、抽出した識別情報に対応する侵入禁止範囲IPRを読出し、読み出した侵入禁止範囲IPRのデータを通信装置450を介して取得要求元のクレーン1Bに送信する。
クレーン1Bは、共用システム管理用サーバ400から送信されてきた侵入禁止範囲IPRを無線通信装置70eを介して受信すると、受信した侵入禁止範囲IPRを記憶装置70cに記憶する。これにより、取得処理が終了し、クレーン1Bにおいて、共用システム管理用サーバ400に登録された侵入禁止範囲IPRを用いて動作規制制御を実施することが可能となる。
ここで、ネットワーク600が通信回線に対応し、共用システム管理用サーバがサーバ装置に対応し、通信制御部175が取得要求送信部、第1の情報送信部及び第2の情報受信部に対応する。また、情報送信部410bが第2の情報受信部及び第2の情報送信部に対応し、情報受信部410cが
〔第3実施形態の作用及び効果〕
第3実施形態に係るクレーン共用制御システム9は、ネットワーク600を介して接続された共用システム管理用サーバ400及び複数のクレーン1(例えば上記クレーン1A~1C)を備える。各クレーンは、通信制御部175が、複数の代表点の情報(代表点座標群MCP)又は侵入禁止範囲IPRの情報をネットワーク600を介して共用システム管理用サーバ400に送信する。加えて、代表点座標群MCPの情報又は侵入禁止範囲IPRの情報の取得要求をネットワーク600を介して共用システム管理用サーバ400に送信する。更に、共用システム管理用サーバ400からネットワーク600を介して送信された代表点座標群MCPの情報又は侵入禁止範囲IPRの情報を受信する。
共用システム管理用サーバ400は、情報受信部410cが、クレーン1からネットワーク600を介して送信された代表点座標群MCPの情報又は侵入禁止範囲IPRの情報を受信する。加えて、受信した代表点座標群MCPの情報又は侵入禁止範囲IPRの情報を記憶する。情報送信部410bが、クレーン1からネットワーク600を介して送信された取得要求Reqaを受信したことに応じて、記憶装置430に記憶された代表点座標群MCPの情報又は侵入禁止範囲IPRの情報を取得要求Reqaの送信元のクレーンに送信する。
この構成であれば、共用システム管理用サーバ400を介して、複数台のクレーン1によって、代表点座標群MCP及び侵入禁止範囲IPRを共用することが可能となる。これにより、同じ作業現場において、複数台のクレーン1のうちいずれか1台のクレーン1によって代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを作成することで、残りのクレーン1にて代表点座標群MCP又は侵入禁止範囲IPRを作成する手間を省くことが可能となる。
〔変形例〕
上記各実施形態では、旋回範囲8を設定し、動作規制制御部174にて旋回規制制御処理を行う構成としたが、この構成に限らず、旋回範囲8の設定及び設定した旋回範囲8に基づく旋回規制制御処理を行わない構成としてもよい。この場合は、侵入禁止範囲IPRによって旋回動作に対する動作規制制御を行う。
また、上記各実施形態では、侵入禁止範囲IPRとして、境界線Lを含む侵入不可領域側の所定の領域を設定する構成としたが、この構成に限らず、境界線Lを含む侵入不可領域側の無限の領域を侵入禁止範囲IPRとして設定する構成とするなど他の構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、GNSSの測位機能を有する携帯型の通信端末90にて測定したGNSSの座標系(WGS-84座標系)の座標によって、代表点CPを設定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、TS(トータルステーション)等の作業現場の測位が可能な装置によって測定した、WGS-84座標系とは異なる座標系(例えば、平面直角座標系)の座標に基づき代表点を設定する構成としてもよい。この場合は、例えば、WGS-84座標系とは異なる座標系の座標を、WGS-84座標系に変換して代表点CPを設定する。
また、上記各実施形態では、旋回範囲8を設定し、クレーンの旋回速度を制限する構成としたが、この構成に限らない。例えば、侵入禁止範囲IPRに対して、侵入する方向のクレーンの走行動作、ブームの伏動作に対しても速度を制限する構成としてもよい。例えば、ブームの伏動作であれば、起伏範囲に対して旋回範囲8と同様に伏動作禁止範囲、油圧緩衝範囲、通常動作範囲を設定し、伏動作によってブーム先端部が侵入禁止範囲IPRに近づくほど動作速度を段階的に制限する構成とする。
また、上記第1実施形態の応用例2及び3では、角部を有する侵入不可領域として、建物を例に挙げたが、建物等の構造物に限らず、ブーム先端部32や吊荷が侵入してはいけない土地をロープ等で四角く囲った領域なども角部を有する侵入不可領域としてよい。
また、上記各実施形態では、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとにより、上部旋回体4の左右旋回動作に対して、比例電磁弁50の開度を2段階に制限する構成としたが、この構成に限らない。例えば、1段階又は3段階以上に制限する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、上部旋回体4の旋回動作を行うアクチュエータとして旋回用油圧モータ51を用いる構成としたが、この構成に限らない。例えば、エンジンや電動モータ等の他のアクチュエータを用いてもよい。この場合は、圧油の流量(比例電磁弁50の開度)に代えて、例えばエンジンの出力(回転数等)や電動モータの出力(回転数等)を制御することで旋回規制制御を行う。
また、上記各実施形態では、開度Aとして80[%]を、開度Bとして60[%]を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、「A>B」の関係であれば他の開度としてもよい。
また、上記各実施形態では、角度の割合について、旋回禁止範囲80を50[%]、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bを6.25[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bを6.25[%]とする構成に限らず、他の割合及び大小関係としてもよい。
また、上記各実施形態では、クローラ装置で走行する構成のクレーン及び固定型のタワークレーンを例に挙げて説明したが、この構成に限らず、車輪等の他の走行手段で走行する構成のクレーン、自走式のタワークレーン、ラフテレーンクレーン、クレーン装置を装備したバックホウなどのクレーン装置を備えた作業車両であれば他の車両に対しても本発明は適用可能である。
1,1A~1C クレーン
1T タワークレーン
2 機体
3,3T クレーン装置
4 上部旋回体
5 運転室
6 走行装置
7 クレーン制御システム
8 旋回範囲
9 クレーン共用制御システム
20 第2コントローラ
30,30T ブーム
31A 巻上げ用ウインチ
31B 起伏用ウインチ
32,32T ブーム先端部
33,33T1,33T2 ワイヤロープ
34,34T フック
35 ブーム伸縮用油圧シリンダ
36 ブーム起伏用油圧シリンダ
37 ウインチ用油圧モータ
38 マスト
39 Aフレーム
40 動力源
41 油圧ポンプ
42 圧油供給装置
50 比例電磁弁
51 旋回用油圧モータ
70 コントロールボックス
70a 第1コントローラ
70b メモリリーダ
70c 記憶装置
70d 表示入力装置
70e 無線通信装置
71 GNSS受信装置
71a 軸部
71b 板状部材
71c ベース部材
71d GNSS受信機
71e GNSSアンテナ
75 旋回角度センサ
80 旋回禁止範囲
81A,81B 第1,第2の油圧緩衝範囲
82A,82B 第3,第4の油圧緩衝範囲
83 通常旋回範囲
170 測位情報補正部
171 代表点設定部
172 画像表示処理部
173 範囲設定部
173a 侵入禁止範囲設定部
173b 旋回範囲設定部
174 動作規制制御部
175,410a 通信制御部
310 建築建屋
320 ベース
330 荷取ステージ
400 共用システム管理用サーバ
410 第3コントローラ
410b 情報送信部
410c 情報受信部
430 記憶装置
440 表示装置
450 通信装置
500 基地局
600 ネットワーク
BC ブーム先端座標
BL1~BL5 実境界線
BL6~BL8 実多角境界線
BLD1,BLD2 建物
CP,CP1~CP8 代表点
IPR,IPR1~IPR6 侵入禁止範囲
IPRex,IPR2ex,IPR3ex 拡張侵入禁止範囲
L,L1,L2,L5 境界線
L3 第1直線
L4 第2直線
L6~L8 多角境界線
Lex,L2ex,L5ex 延長境界線
MCP 代表点座標群

Claims (3)

  1. 通信回線を介して接続されたサーバ装置及び複数のクレーンを備え、
    各前記クレーンは、それぞれクレーンの動作を規制する制御を行うクレーン制御システムを有し、
    当該クレーン制御システムは、作業現場において測定された座標を代表点として設定する代表点設定部と、
    前記代表点設定部で設定した複数の前記代表点に基づき、侵入禁止範囲を設定する侵入禁止範囲設定部と、
    前記クレーンのブーム先端部に設けられたGNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナと、
    前記GNSSアンテナで受信した複数のGNSS衛星からの測位用信号に基づき、前記ブーム先端部の座標を測定する先端座標測定部と、
    前記先端座標測定部で測定した前記ブーム先端部の座標と、前記侵入禁止範囲の座標情報とに基づき、前記ブーム先端部が前記侵入禁止範囲内に侵入したか否か又は前記侵入禁止範囲に接近したか否かを判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に基づき、前記ブーム先端部が前記侵入禁止範囲内に侵入し続けないように又は前記侵入禁止範囲内に侵入しないように前記クレーンの動作を制御する動作制御部と、を備え、
    さらに、各前記クレーンは、
    前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を前記通信回線を介して前記サーバ装置に送信する第1の情報送信部と、
    前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報の取得要求を前記通信回線を介して前記サーバ装置に送信する取得要求送信部と、
    前記サーバ装置から前記通信回線を介して送信された前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を受信する第1の情報受信部と、を備え、
    前記サーバ装置は、
    前記クレーンから前記通信回線を介して送信された前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を受信する第2の情報受信部と、
    前記第2の情報受信部で受信した前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を記憶する情報記憶部と、
    前記クレーンから前記通信回線を介して送信された前記取得要求を受信したことに応じて、前記情報記憶部に記憶された前記複数の代表点の情報又は前記侵入禁止範囲の情報を前記取得要求の送信元の前記クレーンに送信する第2の情報送信部と、
    を備えることを特徴とするクレーン共用制御システム。
  2. 前記代表点設定部は、前記先端座標測定部で測定した前記ブーム先端部の座標に基づき前記代表点を設定可能に構成されている請求項1に記載のクレーン共用制御システム。
  3. 前記侵入禁止範囲設定部は、前記複数の代表点を直線で結んだ境界線を設定し、該境界線に基づき前記侵入禁止範囲を設定する請求項1又は2に記載のクレーン共用制御システム。
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