<本発明の概要>
まず本発明の実施形態の概要構成について説明する。図1は、本発明の光通信装置の概要を示す構成図である。光通信装置1には送信側と受信側があり、本発明では送信側のみを示し、以降も同様とする。図1に示すように、光通信装置1は、信号生成部11と、クロックデータ再生器12と、送信レーザ部13と、位相変調部14と、クロックデータ再生器電流異常検出部15と、信号断検出部16と、クロックデータ再生器電源制御部17を有する光送信機2と、高出力光増幅器18と、を有する。
信号生成部11は、入力データD1を、主信号I1に変換することで、主信号I1を生成する。主信号I1はクロックデータ再生器12に入力され、クロックデータ再生器12は、主信号I1の波形等化を行う。波形等化された主信号は、位相変調部13に入力される。送信レーザ部13は、レーザ光を出力する。一方で、出力されたレーザ光は、位相変調部14に入力される。位相変調部14は、波形等化された主信号を元にレーザ光を位相変調し、光位相変調信号を出力する。光位相変調信号は、高出力光増幅器18に入力され、高出力光増幅器18は、光位相変調信号を高出力光増幅する。高出力光増幅された光位相変調信号は、光通信装置1から出力される。
クロックデータ再生器電流異常検出部15には、クロックデータ再生器12に流れる電流値が入力され、クロックデータ再生器12の電流異常が発生した場合、クロックデータ再生器電流異常検出部15は、これを検出し、高出力光増幅器18をシャットダウンする。クロックデータ再生器12の電流異常とは、例えば、ラッチアップが起きて、クロックデータ再生器12に電流値が通常の値よりも大幅に上昇した状態である。クロックデータ再生器電流異常検出部15は、例えば、クロックデータ再生器12に流れる電流を検出するモニタ回路(図示せず)を備え、閾値を基準にして電流値が通常の値よりも大幅に上昇した状態を検出することで電流異常を検出してよい。以下、各実施形態のクロックデータ再生器電流異常検出部も同様である。また電流異常を検出するとクロックデータ再生器電流異常検出部15は、例えば、シャットダウン信号SD1を高出力光増幅器18に出力する。シャットダウン信号SD1を受信した高出力光増幅器18は、例えば、内部の電源供給を停止するか、または、内部の励起レーザのレーザ電流値をゼロにすることでシャットダウンする。
またクロックデータ再生器電流異常検出部15は、シャットダウン信号SD1を信号生成部11にも出力する。シャットダウン信号SD1を受信した信号生成部11は、主信号I1の生成を停止する。クロックデータ再生器電流異常検出部15は、その後、クロックデータ再生器電源制御部16に電流異常を検出したことを通知する。
また、信号断検出部16は、信号生成部11からクロックデータ再生器12への主信号の入力をモニタし、主信号断になった場合は、これを検出し、クロックデータ再生器電流異常検出部15と同様、例えば高出力光増幅器18にシャットダウン信号SD1を出力することで高出力光増幅器18をシャットダウンする。クロックデータ再生器12の信号断とは、例えば、信号生成部から主信号が出力されなくなり、クロックデータ再生器12に主信号が入力されてない状態である。クロックデータ再生器12には、入力信号断を検出しアラーム信号を出す機能が一般的に実装されており、信号断検出部16は、例えばこのアラーム信号を検出することで信号断を検出してよい。以下、各実施形態の信号断検出部も同様である。また信号断検出部16は、シャットダウン信号SD1を信号生成部11にも出力し、シャットダウン信号SD1の送信後、クロックデータ再生器電源制御部17に信号断検出信号を送信する。
クロックデータ再生器電源制御部17は、高出力光増幅器18及び信号生成部11のシャットダウン後にクロックデータ再生器12の電源供給停止を行う。具体的には、例えばクロックデータ再生器電源制御部16は、電流異常検出信号または信号断検出信号を受信すると、クロックデータ再生器の電源を制御してクロックデータ再生器12への電源電圧供給を停止する。
図2は、図1の光通信装置1の光送信制御方法を説明するフローチャートである。まずクロックデータ再生器電流異常検出部15が、クロックデータ再生器12の電流異常を検出したか判断し(ステップS11)、電流異常を検出すると、高出力光増幅器18をシャットダウンし(ステップS13)、信号生成部11をシャットダウンする(ステップS14)。クロックデータ再生器電流異常検出部15は、その後、クロックデータ再生器電源制御部17に電流異常を検出したことを通知し、クロックデータ再生器電源制御部17は、クロックデータ再生器12への電源電圧供給を停止する(ステップS15)。
また信号断検出部16は、ステップS11において電流異常が検出されなければ、信号生成部11からクロックデータ再生器12へ入力される主信号の主信号断をクロックデータ再生器から検出したか判断する(ステップS12)。信号断検出部16は、主信号断を検出すると、クロックデータ再生器電流異常検出部15と同様に、高出力光増幅器18をシャットダウンし(ステップS13)、信号生成部11をシャットダウンする(ステップS14)。
また、信号断検出部16は、その後、クロックデータ再生器電源制御部17に電流異常を検出したことを通知し、クロックデータ再生器電源制御部17は、クロックデータ再生器12への電源電圧供給を停止する(ステップS15)。ステップS12において主信号断が検出されなければ、ステップS11に戻り、クロックデータ再生器電流異常検出部15が、クロックデータ再生器12の電流異常を検出したか判断する。
このように本発明によれば、クロックデータ再生器12の電流異常の検知、及び、クロックデータ再生器12からの主信号の主信号断の検知、の少なくとも1つに基づいて高出力光増幅器18及び信号生成部11がシャットダウンされ、シャットダウン後にクロックデータ再生器12の電源供給停止が行われる。この構成により、クロックデータ再生器12の異常を検知すると速やかに高出力光増幅器18のシャットダウン及び主信号の停止が行われるため、クロックデータ再生器12の放射線による主信号異常により発生する光サージが防止でき、高出力光増幅器18の保護が実現できる。
<第1の実施形態:光通信装置50>
次に本発明の第1の実施形態に係る、光通信装置について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る光通信装置50の構成図である。光位相変調信号は、単一偏波の2値位相変調信号(BPSK:Binary Phase Shift Keying)である。光通信装置50は、光送信機10と、高出力光増幅器40とを有する。光送信機10は、ディジタル信号処理部20と、光送信部30とを有する。
ディジタル信号処理部20は、信号生成部210と、信号断検出部220と、クロックデータ再生器電源制御部230と、クロックデータ再生器電流異常検出部240とを有する。ここで、ディジタル信号処理部20は、地上で使われているSRAM型FPGA等であってよい。光送信部30は、送信レーザ部310と、位相変調部320と、クロックデータ再生器330と、クロックデータ再生器電流監視部340と、クロックデータ再生器電源供給部350とを有する。
信号生成部210は、入力データD1を、主信号I1に変換し、主信号を生成する。
主信号I1はクロックデータ再生器330に入力され、クロックデータ再生器330は、主信号I1の波形等化を行う。波形等化された主信号は、位相変調部320に入力される。送信レーザ部310は、レーザ光を出力する。一方で、出力されたレーザ光は、位相変調部320に入力される。
位相変調部320は、波形等化された主信号を元にレーザ光を変調し、光位相変調信号を出力する。光位相変調信号は、高出力光増幅器40に入力され、高出力光増幅器40は、光位相変調信号を高出力光増幅する。高出力光増幅された光位相変調信号は、光通信装置50から出力される。
クロックデータ再生器電流監視部340は、クロックデータ再生器330に流れる電流をモニタし、電流値をクロックデータ再生器電流異常検出部240に出力する。クロックデータ再生器330の電流異常が発生した場合、クロックデータ再生器電流異常検出部240がクロックデータ再生器330の電流異常を検出し、高出力光増幅器40及び信号生成部210にシャットダウン信号SD1を送信して高出力光増幅器40及び信号生成部210をシャットダウンする。クロックデータ再生器電流異常検出部240は、高出力光増幅器40と信号生成部210にシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230に電流異常検出信号を送信する。シャットダウン信号SD1を受信した信号生成部210は、主信号I1の生成を停止する。なおクロックデータ再生器電流異常検出部240は、送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信して送信レーザ部310をシャットダウンしてよい。
一方で、クロックデータ再生器330に入力される主信号I1が断になった場合、信号断検出部220が信号断を検出し、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信して高出力光増幅器40をシャットダウンする。なお信号断検出部220は、信号生成部210および送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信してシャットダウンしてよい。信号断検出部220は、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230に信号断検出信号を送信する。
クロックデータ再生器電源制御部230は、高出力光増幅器及び前記信号生成部のシャットダウン後に、電流異常検出信号または信号断検出信号を受信すると、クロックデータ再生器電源供給部350にシャットダウン信号SD2を送信してクロックデータ再生器330の電源供給停止を行う。クロックデータ再生器電源供給部350は、シャットダウン信号SD2を受信すると、クロックデータ再生器330への電源電圧供給を停止する。
なお光送信部30は、位相変調部320の代わりに、強度変調部を有し、強度変調部が光強度変調信号を出力する構成としてもよい。なお送信レーザ部310は、シャットダウン信号SD1を受信後に、シャットダウンされる構成としてもよい。
またディジタル信号処理部20は、クロック信号を生成するクロック生成部を有し、光送信部30は、位相変調部320の後に強度変調部を有する構成にし、クロック生成部が、クロック信号を強度変調部に入力することで、RZ(Return-to-zero)変調の信号が出力される構成にしてもよい。
図4は、図3の高出力光増幅器40の構成図である。高出力光増幅器40は、電源部410と、励起レーザ制御部420と、励起レーザ電流制御部430aおよび励起レーザ電流制御部430bと、ディジタル・アナログ変換器440aおよびディジタル・アナログ変換器440bと、励起レーザ部450aおよび450bと、プリ光増幅部460と、ブースタ光増幅部470とを有する。
光送信機10からの光位相変調信号は、励起レーザ部450aからの励起レーザ光と共にプリ光増幅部460に入力され、プリ光増幅部460が光増幅を行う。プリ光増幅部460で光増幅された光位相変調信号は、ブースタ光増幅部470に出力され、ブースタ光増幅部470はプリ光増幅部460で光増幅された光位相変調信号を高出力光増幅する。高出力光増幅された光位相変調信号は、光通信装置50から出力される。
光送信機10からのシャットダウン信号SD1は、高出力光増幅器40に入力され、励起レーザ制御部420で受信される。シャットダウン信号SD1を受信した励起レーザ制御部420は、電源部410に電源供給停止を指示するか、または、ディジタル・アナログ変換器440aおよび440bを介して励起レーザ電流制御部430aおよび430bに励起レーザ部450aおよび450bのレーザ電流値をゼロにするよう指示を行う。これにより、励起レーザ部450aおよび450bからのレーザ光が出力されなくなり、高出力光増幅器40内部のプリ光増幅部460の光増幅とブースタ光増幅部470の高出力光増幅が停止される。
<第1の実施形態:システム動作>
図5Aは、第1の実施形態の光送信制御方法を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50内部の光送信機10と、高出力光増幅器40が正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS101において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210の主信号I1をモニタする。ステップS102において、クロックデータ再生器電流異常検出部240がクロックデータ再生器330の電流異常を検出すれば、ステップS104に進む。
ステップS102において電流異常の検出がなければ、ステップS103に進む。ステップS103において、信号断検出部220が信号生成部210の信号断を検出すれば、ステップS104に進む。ステップS103において信号断検出がなければ、ステップS101に戻り、クロックデータ再生器330の電流、信号生成部210の主信号I1をモニタする。
ステップS104において、クロックデータ再生器電流異常検出部240又は信号断検出部220が、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS105またはステップS106に進む。ステップS105では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の電源部410の電圧供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンし、ステップS107に進む。ステップS106では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の励起レーザ部450aおよび450bの電流供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンし、ステップS107に進む。
ステップS107において信号断が検出されてない場合は、ステップS108に進み、クロックデータ再生器電流異常検出部240又は信号断検出部220が、信号生成部210にシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS109に進む。ステップS107において信号断が検出された場合は、ステップS109に進む。ステップS109において、クロックデータ再生器電源制御部230が、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行い、ステップS110に進む。ステップS110において、クロックデータ再生器電流異常検出部240又は信号断検出部220が送信レーザ部310をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
なお、ステップS106において、励起レーザ制御部420は、ブースタ光増幅部470の高出力光増幅に必要な励起レーザ部450bのみの電流供給停止を行ってもよい。
このように第1の実施形態によれば、クロックデータ再生器330の電流異常の検知、及び、クロックデータ再生器330からの主信号の主信号断の検知、の少なくとも1つに基づいて、高出力光増幅器40及び信号生成部210がシャットダウンされ、シャットダウン後にクロックデータ再生器330の電源供給停止が行われる。この構成により、クロックデータ再生器330の異常を検知すると速やかに高出力光増幅器40のシャットダウン及び主信号の停止が行われる。したがって、クロックデータ再生器の放射線による主信号異常により発生する光サージが防止でき、高出力光増幅器40の保護が実現できる。
なお上記の光送信制御方法の説明において、高出力光増幅器40及び信号生成部210をシャットダウンし、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行い、その後、送信レーザ部310をシャットダウンするとしたが、この順番に限らない。
図5Bは、第1の実施形態の光送信制御方法の変形例を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50内部の光送信機10と、高出力光増幅器40が正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS121において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210の主信号I1をモニタする。ステップS122において、クロックデータ再生器電流異常検出部240がクロックデータ再生器330の電流異常を検出すれば、ステップS124に進む。
ステップS122において電流異常の検出がなければ、ステップS123に進む。ステップS123において、信号断検出部220が信号生成部210の信号断を検出すれば、ステップS124に進む。ステップS123において信号断検出がなければ、ステップS121に戻り、クロックデータ再生器330の電流、信号生成部210の主信号I1をモニタする。
ステップS124において、クロックデータ再生器電流異常検出部240又は信号断検出部220が送信レーザ部310にシャットダウン信号SD1を送信し、送信レーザ部310をシャットダウンし、ステップS125に進む。
ステップS125において信号断が検出されてない場合は、ステップS126に進み、クロックデータ再生器電流異常検出部240又は信号断検出部220が、信号生成部210にシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS127に進む。ステップS125において信号断が検出された場合は、ステップS127に進む。ステップS127において、クロックデータ再生器電源制御部230が、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行い、ステップS128に進む。
ステップS128において、クロックデータ再生器電流異常検出部240又は信号断検出部220が、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS129またはステップS130に進む。ステップS129では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の電源部410の電圧供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンする。ステップS130では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の励起レーザ部450aおよび450bの電流供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
このようにまず送信レーザ部310をシャットダウンし、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行い、高出力光増幅器40及び信号生成部210をシャットダウンしても、光サージが防止でき、高出力光増幅器の保護が実現できる。
<第1の実施形態の変形例:光通信装置50a、50b>
本発明の第1の実施形態に係る光通信装置の変形例について説明する。図6は、第1の実施形態の第1の変形例に係る、光通信装置50aの構成図である。光送信機10aは、ディジタル信号処理部20aと、耐放射線型ディジタル信号処理部21と、光送信部30とを有する。ここで、耐放射線型ディジタル信号処理部21は、衛星搭載用として実績があり、かつ放射線耐性のあるFPGA等を示している。図6は、クロックデータ再生器電源制御部230が、耐放射線型ディジタル信号処理部21に含まれる場合を示している。光通信装置51の動作処理は、第1の実施形態と同様である。
図7は、第1の実施形態の第2の変形例に係る、光通信装置50bの構成図である。光送信機10bは、ディジタル信号処理部20bと、耐放射線型ディジタル信号処理部21aと、光送信部30とを有する。ここで、耐放射線型ディジタル信号処理部21aは、衛星搭載用として実績があり、かつ放射線耐性のあるFPGA等を示している。図7は、信号断検出部220と、クロックデータ再生器電源制御部230と、クロックデータ再生器電流異常検出部240が、耐放射線型ディジタル信号処理部21aに含まれる場合を示している。光通信装置52の動作処理は、第1の実施形態と同様である。
これらの変形例によって、第1の実施形態と同様な効果が得られると共に、耐放射線型ディジタル信号処理部を用いることで、放射線による主信号異常を確実に検出することが可能となる。
<第2の実施形態:光通信装置50c>
本発明の第2の実施形態に係る、光通信装置について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る光通信装置50cの構成図である。本実施形態においては、光位相変調信号は、単一偏波の4値位相変調信号(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)である。図8に示すように、信号生成部210aは、複数の主信号I1及びI2を生成し、クロックデータ再生器331は、複数の主信号I1及びI2をそれぞれ波形等化する複数のクロックデータ再生回路330aおよび330bを有している。
クロックデータ再生器電流異常検出部240aは、複数のクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流異常を検出して高出力光増幅器40及び信号生成部210aをシャットダウンし、信号断検出部220aは、複数の主信号I1及びI2の主信号断を検出して高出力光増幅器40及び信号生成部210aをシャットダウンする。また本実施形態においては、複数のクロックデータ再生回路330aおよび330bのいずれかの電流異常の検出、及び、クロックデータ再生回路330aおよび330bからの複数の主信号のいずれかの主信号断、の少なくとも1つに基づいて高出力光増幅器40及び信号生成部210aがシャットダウンされる。
光通信装置50cは、光送信機10cと、高出力光増幅器40とを有する。光送信機10cは、ディジタル信号処理部20cと、光送信部30とを有する。
ディジタル信号処理部20cは、信号生成部210aと、信号断検出部220aと、クロックデータ再生器電源制御部230aと、クロックデータ再生器電流異常検出部240aとを有する。ここで、ディジタル信号処理部20cは、地上で使われているSRAM型FPGA等を示している。光送信部30aは、送信レーザ部310と、IQ変調部360と、クロックデータ再生回路330aおよび330bを有するクロックデータ再生器331と、クロックデータ再生器電流監視部340aと、クロックデータ再生器電源供給部350aとを有する。
入力データD1およびD2は、信号生成部210aで主信号I1およびにI2に変換される。主信号I1およびにI2はクロックデータ再生回路330aおよび330bに入力され、主信号I1およびにI2の波形等化が行われる。波形等化された主信号I1およびにI2は、IQ変調部360に入力される。送信レーザ部310から、レーザ光が出力される。一方で、出力されたレーザ光は、IQ変調部360に入力される。IQ変調部360では、主信号I1およびにI2を元にレーザ光が変調され、光位相変調信号が出力される。光位相変調信号は、高出力光増幅器40に入力され、高出力光増幅される。高出力光増幅された光位相変調信号は、光通信装置53から出力される。
クロックデータ再生回路330aおよび330bに流れる電流は、クロックデータ再生器電流監視部340aでモニタされる。クロックデータ再生回路330aおよび330bの電流異常が発生した場合は、クロックデータ再生器電流異常検出部240aが電流異常を検出し、高出力光増幅器40と信号生成部210aにシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230aに電流異常検出信号を送信する。シャットダウン信号SD1を受信した信号生成部210aは、主信号I1およびにI2の生成を停止する。なおクロックデータ再生器電流異常検出部240aは、送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信して送信レーザ部310をシャットダウンしてよい。
一方で、クロックデータ再生回路330aおよび330bに入力される主信号I1またはI2が断になった場合は、信号断検出部220aが信号断を検出し、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230aに信号断検出信号を送信する。なお信号断検出部220は、高出力光増幅器40のみではなく信号生成部210aおよび送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信してシャットダウンしてよい。クロックデータ再生器電源制御部230aは、電流異常検出信号または信号断検出信号を受信すると、クロックデータ再生器電源供給部350aにシャットダウン信号SD2を送信する。クロックデータ再生器電源供給部350aは、シャットダウン信号SD2を受信すると、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源電圧供給停止を行う。
なおディジタル信号処理部20cは、クロック信号を生成するクロック生成部を有し、光送信部30aは、IQ変調部360の後に強度変調部を有する構成にし、クロック生成部が、クロック信号を強度変調部に入力することで、RZ(Return-to-zero)変調の信号が出力される構成にしてもよい。なお送信レーザ部310は、シャットダウン信号SD1を受信後に、シャットダウンされる構成としてもよい。
高出力光増幅器40の動作については、第1の実施形態の光通信装置50と同様の処理が行われる。
QPSK信号に対して例を示したが、Mが4値以上のM-PSKや、M-QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、M-APSK(Amplitude Phase Shift Keying)の光信号にも適用可能である。
<第2の実施形態:システム動作>
図9は、第2の実施形態の光送信制御方法を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50c内部の光送信機10cと、高出力光増幅器40が正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS201において、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210aの主信号I1およびI2をモニタする。ステップS202において、クロックデータ再生器電流異常検出部240aがクロックデータ再生回路330aまたは330bの電流異常を検出すれば、ステップS204に進む。
ステップS202において電流異常の検出がなければ、ステップS203に進む。ステップS203において、信号断検出部220aが信号生成部210aの信号断を検出すれば、ステップS204に進む。ステップS203において信号断検出がなければ、ステップS201に戻り、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210aの主信号I1およびI2をモニタする。
ステップS204において、クロックデータ再生器電流異常検出部240a又は信号断検出部220aが、高出力光増幅器40と信号生成部210aにシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS205またはステップS206に進む。ステップS205では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の電源部410の電圧供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンし、ステップS207に進む。ステップS206では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の励起レーザ部450aおよび450bの電流供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンし、ステップS207に進む。
ステップS207において信号断が検出されてない場合は、ステップS208に進み、クロックデータ再生器電流異常検出部240又は信号断検出部220aがが、信号生成部210aにシャットダウン信号SD1を送信し、主信号I1およびI2が停止され、ステップS209に進む。ステップS207において信号断が検出された場合は、ステップS209に進む。ステップS209において、クロックデータ再生器電源制御部230aが、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行い、ステップS210に進む。ステップS210において、送信レーザ部310をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
なお、ステップS206において、励起レーザ制御部420は、ブースタ光増幅部470の高出力光増幅に必要な励起レーザ部450bのみの電流供給停止を行ってもよい。
このように第2の実施形態によれば、複数のクロックデータ再生回路330aおよび330bのいずれかの電流異常の検知、及び、クロックデータ再生回路330aおよび330bからの複数の主信号のいずれかの主信号断の検知、の少なくとも1つに基づいて、高出力光増幅器40及び信号生成部210aがシャットダウンされる。クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止は、その後に行われる。この構成により、クロックデータ再生回路330aおよび330bの異常を検知すると速やかに高出力光増幅器40のシャットダウン及び主信号の停止が行われる。したがって、第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様、クロックデータ再生回路330aおよび330bの放射線による主信号異常により発生する光サージが防止でき、高出力光増幅器40の保護が実現できる。
なお上記の光送信制御方法の説明において、高出力光増幅器40及び信号生成部210aをシャットダウンし、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行い、その後、送信レーザ部310をシャットダウンするとしたが、この順番に限らない。
図9Bは、第2の実施形態の光送信制御方法の変形例を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50c内部の光送信機10cと、高出力光増幅器40が正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS221において、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210aの主信号I1およびI2をモニタする。ステップS222において、クロックデータ再生器電流異常検出部240aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流異常を検出すれば、ステップS224に進む。
ステップS222において電流異常の検出がなければ、ステップS223に進む。ステップS223において、信号断検出部220aが信号生成部210aの信号断を検出すれば、ステップS224に進む。ステップS223において信号断検出がなければ、ステップS221に戻り、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電流、信号生成部210aの主信号I1およびI2をモニタする。
ステップS224において、クロックデータ再生器電流監視部340a又は信号断検出部220aが送信レーザ部310にシャットダウン信号SD1を送信し、送信レーザ部310をシャットダウンし、ステップS125に進む。
ステップS225において信号断が検出されてない場合は、ステップS226に進み、クロックデータ再生器電流異常検出部240a又は信号断検出部220aが、信号生成部210aにシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS227に進む。ステップS225において信号断が検出された場合は、ステップS127に進む。ステップS127において、クロックデータ再生器電源制御部230aが、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行い、ステップS228に進む。
ステップS228において、クロックデータ再生器電流異常検出部240aが、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS229またはステップS230に進む。ステップS229では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の電源部410の電圧供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンする。ステップS230では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の励起レーザ部450aおよび450bの電流供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
このようにまず送信レーザ部310をシャットダウンし、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行い、その後、高出力光増幅器40及び信号生成部210aをシャットダウンしても、光サージが防止でき、高出力光増幅器及び、高出力光増幅器の出力により影響を受ける装置の保護が実現できる。高出力光増幅器の出力により影響を受ける装置の例として、送信側の光通信装置を構成する光捕捉追尾装置や、受信側の光通信装置を構成する光捕捉追尾装置、低雑音光増幅器、光受信機などがある。
<第2の実施形態の変形例:光通信装置50d、50e>
本発明の第2の実施形態に係る光通信装置の変形例について説明する。図10は、第2の実施形態の第1の変形例に係る、光通信装置50dの構成図である。光送信機10dは、ディジタル信号処理部20dと、耐放射線型ディジタル信号処理部21bと、光送信部30とを有する。ここで、耐放射線型ディジタル信号処理部21bは、衛星搭載用として実績があり、かつ放射線耐性のあるFPGA等を示している。図10は、クロックデータ再生器電源制御部230aが、耐放射線型ディジタル信号処理部21bに含まれる場合を示している。光通信装置50dの動作処理は、第2の実施形態と同様である。
図11は、第2の実施形態の第2の変形例に係る、光通信装置50eの構成図である。光送信機10eは、ディジタル信号処理部20eと、耐放射線型ディジタル信号処理部21cと、光送信部30とを有する。図11は、信号断検出部220aと、クロックデータ再生器電源制御部230aと、クロックデータ再生器電流異常検出部240aが、耐放射線型ディジタル信号処理部21cに含まれる場合を示している。光通信装置50eの動作処理は、第2の実施形態と同様である。
これらの変形例によって、第2の実施形態と同様な効果が得られると共に、耐放射線型ディジタル信号処理部を用いることで、放射線による主信号異常を確実に検出することが可能となる。
<第3の実施形態:光通信装置50f>
本発明の第3の実施形態に係る、光通信装置について説明する。図12は、本発明の第3の実施形態に係る光通信装置50fの構成図である。本実施形態の光通信装置50fは、位相変調部320aからパワー異常を検出して高出力光増幅器40a及び信号生成部210bをシャットダウンする変調部制御部250を有する点で、第1の実施形態と異なる。
光位相変調信号は、単一偏波の2値位相変調信号である。光通信装置50fは、光送信機10fと、高出力光増幅器40aとを有する。光送信機10fは、ディジタル信号処理部20fと、光送信部30bとを有する。ディジタル信号処理部20fは、信号生成部210bと、信号断検出部220と、クロックデータ再生器電源制御部230bと、クロックデータ再生器電流異常検出部240と、変調部制御部250とを有する。ここで、ディジタル信号処理部20fは、地上で使われているSRAM型FPGA等を示している。光送信部30bは、送信レーザ部310と、位相変調部320aと、クロックデータ再生器330と、クロックデータ再生器電流監視部340と、クロックデータ再生器電源供給部350とを有する。
入力データD1は、信号生成部210bで主信号I1に変換される。主信号I1はクロックデータ再生器330に入力され、主信号I1の波形等化が行われる。波形等化された主信号I1は、位相変調部320aに入力される。送信レーザ部310から、レーザ光が出力される。一方で、出力されたレーザ光は、位相変調部320aに入力される。位相変調部320aでは、主信号I1を元にレーザ光が変調され、光位相変調信号が出力される。光位相変調信号は、高出力光増幅器40に入力され、高出力光増幅される。高出力光増幅された光位相変調信号は、光通信装置50fから出力される。
クロックデータ再生器330に流れる電流は、クロックデータ再生器電流監視部340でモニタされる。クロックデータ再生器330の電流異常が発生した場合は、クロックデータ再生器電流異常検出部240が電流異常を検出し、高出力光増幅器40と信号生成部210bにシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230に電流異常検出信号を送信する。シャットダウン信号SD1を受信した信号生成部210は、主信号I1の生成を停止する。なおクロックデータ再生器電流異常検出部240は、送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信して送信レーザ部310をシャットダウンしてよい。
一方で、クロックデータ再生器330に入力される主信号I1が断になった場合は、信号断検出部220が信号断を検出し、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230bに信号断検出信号を送信する。なお信号断検出部220は、信号生成部210bおよび送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信してシャットダウンしてよい。クロックデータ再生器電源制御部230bは、電流異常検出信号または信号断検出信号を受信すると、クロックデータ再生器電源供給部350にシャットダウン信号SD2を送信する。クロックデータ再生器電源供給部350は、シャットダウン信号SD2を受信すると、クロックデータ再生器330の電源電圧供給停止を行う。
変調部制御部250は、位相変調部320aのバイアス電圧設定と、位相変調部320aのパワーモニタを行う。また、光信号送信の開始時は、変調部制御部250は、バイアス電圧の初期設定を行う。位相変調部320aの光出力のパワー異常が発生した場合は、高出力光増幅器40aと信号生成部210bにシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230bにパワー異常検出信号を送信する。ここで位相変調部320aの光出力の光パワー異常とは、位相変調部320aからの光出力の光パワーが所定の量以上に低下または増加または変動している状態である。位相変調部320aは、例えば、光検出器を備え、変調による光パワーの変化が発生しない期間に、光出力の光パワーをモニタし、光パワーがその期間の平均値に対し所定の量以上、低下または増加または変動している状態を検知することで、光パワー異常を検出してよい。以下、各実施形態の位相変調部も同様である。シャットダウン信号SD1を受信した信号生成部210bは、主信号I1の生成を停止する。なお変調部制御部250は、送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信してシャットダウンしてよい。
クロックデータ再生器電源制御部230bは、パワー異常検出信号を受信すると、クロックデータ再生器電源供給部350にシャットダウン信号SD2を送信する。クロックデータ再生器電源供給部350は、シャットダウン信号SD2を受信すると、クロックデータ再生器330の電源電圧供給停止を行う。
図13は、図12の位相変調部の構成図である。位相変調部320aは、光変調器321と、バイアス電圧制御部322と、光分岐部323と、光電変換部324とを有する。
送信レーザ部310からのレーザ光は、主信号I1とともに、光変調器321に入力され、光位相変調信号が生成される。光位相変調信号は、光分岐部323で分岐され、一方は位相変調部320aから出力される。もう片方は、光電変換部324で電気信号に変換され、バイアス電圧制御部322に入力される。このとき、バイアス電圧制御部322は、光位相変調信号を生成できるように、光電変換部324からの電気信号を元にバイアス電圧の制御を行い、変調部制御部250に、位相変調部320aのパワーモニタ情報を送信する。また、変調部制御部250から、バイアス電圧設定の指示が行われた場合は、そのバイアス電圧値を光変調器321に設定する。
図14は、図12の位相変調部の変形例の構成図である。本変形例の位相変調部320bは、光変調器321と、バイアス電圧制御部322とを有する。送信レーザ部310からのレーザ光は、主信号I1とともに、光変調器321に入力され、光位相変調信号が生成される。このとき、バイアス電圧制御部322は、光位相変調信号を生成できるように、光変調器321内部の光電変換部324からの電気信号を元にバイアス電圧の制御を行い、変調部制御部250に、位相変調部320bのパワーモニタ情報を送信する。また、変調部制御部250から、バイアス電圧設定の指示が行われた場合は、そのバイアス電圧値を光変調器321に設定する。
なお光送信部30bは、位相変調部320a、320bの代わりに、強度変調部を有し、強度変調部が光強度変調信号を出力する構成としてもよい。
またディジタル信号処理部20fは、クロック信号を生成するクロック生成部を有し、光送信部30bは、位相変調部320aまたは320bの後に強度変調部を有する構成にし、クロック生成部が、クロック信号を強度変調部に入力することで、RZ(Return-to-zero)変調の信号が出力される構成にしてもよい。なお送信レーザ部310は、シャットダウン信号SD1を受信後に、シャットダウンされる構成としてもよい。
高出力光増幅器40aの動作については、第1の実施形態の光通信装置50と同様の処理が行われる。高出力光増幅器40aの構成は、励起レーザ制御部420に入力されるシャットダウン信号SD1の制御線に、変調部制御部250からのシャットダウン信号SD1の制御線が1本追加された構成になる。
<第3の実施形態:システム動作>
図15Aは、第3の実施形態の第1の光送信制御方法を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50f内部の光送信機10fと、高出力光増幅器40aが正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS301において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210bの主信号I1をモニタし、変調部制御部250が位相変調部320aのパワーをモニタする。ステップS302において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流異常を検出すれば、ステップS305に進む。電流異常の検出がなければ、ステップS303に進む。ステップS303において、変調部制御部250が位相変調部320aのパワー異常を検出すれば、ステップS305に進む。パワー異常の検出がなければ、ステップS304に進む。ステップS304において、信号断検出部220が信号生成部210bの信号断を検出すれば、ステップS305に進む。信号断検出がなければ、ステップS301に戻り、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210bの主信号I1をモニタし、変調部制御部250が位相変調部320aのパワーをモニタする。
ステップS305において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が、高出力光増幅器40aにシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS306またはステップS307に進む。ステップS306では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の電源部410の電圧供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンし、ステップS308に進む。ステップS307では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の励起レーザ部450aおよび450bの電流供給停止を行い、高出力光増幅器40をシャットダウンし、ステップS308に進む。
ステップS308において、信号断が検出されてない場合は、ステップS309に進み、クロックデータ再生器電流異常検出部240が、信号生成部210bにシャットダウン信号SD1を送信し、主信号が停止され、S310に進む。信号断が検出された場合は、ステップS310に進む。ステップS310において、クロックデータ再生器電源制御部230bが、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行い、ステップS311に進む。ステップS311において、送信レーザ部310をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
また、ステップS307において、励起レーザ制御部420は、ブースタ光増幅部470の高出力光増幅に必要な励起レーザ部450bのみの電流供給停止を行ってもよい。
このように第3の実施形態によれば、クロックデータ再生器330の電流異常の検出、クロックデータ再生器330からの主信号の主信号断の検出、及び、位相変調部320aのパワー異常の検出、の少なくとも1つに基づいて、高出力光増幅器40a及び信号生成部210bがシャットダウンされる。クロックデータ再生器330の電源供給停止は、その後に行われる。この構成により、クロックデータ再生器330の異常を検出すると速やかに高出力光増幅器40aのシャットダウン及び主信号の停止が行われ、第3の実施形態によっても、第1、第2の実施形態と同様、クロックデータ再生器330の放射線による主信号異常により発生する光サージが防止でき、高出力光増幅器40aの保護が実現できる。また位相変調部320aのパワー異常の検出に基づいて、高出力光増幅器40a及び信号生成部210bがシャットダウンされるため、クロックデータ再生器330の放射線による主信号異常をより確実に検出できる。
なお上記の光送信制御方法の説明において、高出力光増幅器40a及び信号生成部210bをシャットダウンし、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行い、その後、送信レーザ部310をシャットダウンするとしたが、この順番に限らない。
図15Bは、第3の実施形態の第1の光送信制御方法の変形例を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50f内部の光送信機10fと、高出力光増幅器40aが正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS321において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210bの主信号I1をモニタする。ステップS322において、クロックデータ再生器電流異常検出部240がクロックデータ再生器330の電流異常を検出すれば、ステップS325に進む。
ステップS322において電流異常の検出がなければ、ステップS323に進む。ステップS323において、変調部制御部250が位相変調部320aのパワー異常を検出すれば、ステップS325に進む。パワー異常の検出がなければ、ステップS324に進む。ステップS324において、信号断検出部220が信号生成部210の信号断を検出すれば、ステップS325に進む。ステップS324において信号断検出がなければ、ステップS321に戻り、クロックデータ再生器330の電流、信号生成部210の主信号I1、位相変調部320aのパワーをモニタする。
ステップS325において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が送信レーザ部310にシャットダウン信号SD1を送信し、送信レーザ部310をシャットダウンし、ステップS326に進む。
ステップS326において信号断が検出されてない場合は、ステップS327に進み、クロックデータ再生器電流異常検出部240が、信号生成部210にシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS328に進む。ステップS326において信号断が検出された場合は、ステップS328に進む。ステップS328において、クロックデータ再生器電源制御部230bが、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行い、ステップS329に進む。
ステップS329において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS330またはステップS331に進む。ステップS330では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の電源部410の電圧供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンする。ステップS331では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の励起レーザ部450aおよび450bの電流供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
このようにまず送信レーザ部310をシャットダウンし、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行い、その後、高出力光増幅器40a及び信号生成部210bをシャットダウンしても、光サージが防止でき、高出力光増幅器及び、高出力光増幅器の出力により影響を受ける装置の保護が実現できる。高出力光増幅器の出力により影響を受ける装置の例として、送信側の光通信装置を構成する光捕捉追尾装置や、受信側の光通信装置を構成する光捕捉追尾装置、低雑音光増幅器、光受信機などがある。
次に第3の実施形態の第2の光送信制御方法について説明する。図16は、第3の実施形態の第2の光送信制御方法を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50f内部の光送信機10fと、高出力光増幅器40aが正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS341において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210bの主信号I1をモニタし、変調部制御部250が位相変調部320aのパワーをモニタする。ステップS342において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流異常を検出すれば、ステップS345に進む。電流異常の検出がなければ、ステップS343に進む。ステップS343において、変調部制御部250が位相変調部320のパワー異常を検出すれば、ステップS345に進む。パワー異常の検出がなければ、ステップS344に進む。ステップS344において、信号断検出部220が信号生成部210の信号断を検出すれば、ステップS345に進む。信号断検出がなければ、ステップS341に戻り、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210bの主信号I1をモニタし、変調部制御部250が位相変調部320aのパワーをモニタする。
ステップS345において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が、信号生成部にシャットダウン信号SD1を送信し、主信号I1が停止され、ステップS346に進む。ステップS346において、クロックデータ再生器電源制御部230bが、クロックデータ再生器330の電源供給停止を行う。ステップS347において、変調部制御部250がバイアス電圧をスロースタートで変化し、位相変調部320aのパワーが増加する方向に制御され、ステップS348に進む。このとき、変調部制御部250は、位相変調部320aのパワーがパワー最大値の半分以上になるように、バイアス電圧値の制御を行う。ステップS348において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が、高出力光増幅器40aにシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS349に進む。ステップS349では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40内の励起レーザ部450aおよび450bの電流値をスロースタートで変化させて電流供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンし、ステップS350に進む。ステップS350において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が送信レーザ部310をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
このように第3の実施形態の第2の光送信制御方法によれば、クロックデータ再生器330の電流異常、主信号の主信号断の検出、位相変調部320aのパワー異常の検出の少なくとも1つに基づいて、まず、信号生成部210bがシャットダウンされ、クロックデータ再生器330の電源供給停止は、その後に行われる。そして、高出力光増幅器40内の励起レーザ部450aおよび450bの電流値がスロースタートで変化させられて電流供給停止が行われ、高出力光増幅器40aがシャットダウンされる。このような制御方法により、高出力光増幅器40aに光が入力された状態で、高出力光増幅器40aの正規のシャットダウンを行えるようになるため、より安全な制御が可能になる。
なお、ステップS349において、励起レーザ制御部420は、ブースタ光増幅部470の高出力光増幅に必要な励起レーザ部450bのみの電流供給停止を行ってもよい。
図17Aは、位相変調部から出力される光位相変調信号の生成原理を示す図である。光変調器321に入力される主信号は、変調曲線を介し、光出力として光位相変調信号が生成される。このとき、バイアス点は、変調曲線の最小点に位置している。図17Bは、図16のステップS347の制御動作を示す図である。主信号が停止した場合は、バイアス点は最小点に位置しているため、光出力がゼロになる。その後、パワーが増加する方向にバイアス電圧値をスロースタートで変化させることで、バイアス点は最小点から最大点に移動する。これにより、光出力はゆっくりと増加するため、急激な光パワーの増加による光サージの影響がなくなる。
次に第3の実施形態の第3の光送信制御方法について説明する。図18は、第3の実施形態の第3の光送信制御方法を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50f内部の光送信機10fと、高出力光増幅器40aが正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。また、光送信部30bは、位相変調部の代わりに、強度変調部を有する構成であると想定している。
ステップS361において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210bの主信号I1をモニタし、変調部制御部250が強度変調部のパワーをモニタする。ステップS362において、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流異常を検出すれば、ステップS365に進む。電流異常の検出がなければ、ステップS363に進む。ステップS363において、変調部制御部250が強度変調部のパワー異常を検出すれば、ステップS365に進む。パワー異常の検出がなければ、ステップS364に進む。ステップS364において、信号断検出部220が信号生成部210の信号断を検出すれば、ステップS365に進む。信号断検出がなければ、ステップS361に戻り、クロックデータ再生器電流監視部340がクロックデータ再生器330の電流をモニタし、信号断検出部220が信号生成部210bの主信号I1をモニタし、変調部制御部250が強度変調部のパワーをモニタする。
ステップS365において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が、信号生成部にシャットダウン信号SD1を送信し、主信号I1が停止され、ステップS366に進む。ステップS366において、クロックデータ再生器電源制御部230bが、クロックデータ再生器330の電源供給停止が行う。ステップS367において、信号断検出部220がバイアス電圧値を主信号停止前と同じ値に保持するように制御することで、強度変調部のパワーは、主信号停止前と同じパワー値を保持でき、ステップS368に進む。ステップS368において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が、高出力光増幅器40aにシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS369に進む。ステップS369では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の励起レーザ部450aおよび450bの電流値をスロースタートで変化させて電流供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンし、ステップS370に進む。ステップS370において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が送信レーザ部310をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
なお、ステップS369において、励起レーザ制御部420は、ブースタ光増幅部470の高出力光増幅に必要な励起レーザ部450bのみの電流供給停止を行ってもよい。
図19Aは、強度変調部から出力される光強度変調信号の生成原理を示す図である。光変調器321に入力される主信号は、変調曲線を介し、光出力として光強度変調信号が生成される。このとき、バイアス点は、変調曲線の中間点に位置している。図19Bは、図18のステップS347の制御動作を示す図である。主信号が停止した場合は、バイアス点は中間点に位置しているため、光出力は主信号前と同じ値になる。その後、光出力が主信号前と同じ値になるように、バイアス電圧値を主信号前と同じ値を保持するように制御を行う。
このように第3の実施形態の第3の光送信制御方法によれば、クロックデータ再生器330の電流異常の検出、主信号の主信号断の検出、位相変調部320aのパワー異常の検出の少なくとも1つに基づいて、まず、信号生成部210bがシャットダウンされ、クロックデータ再生器330の電源供給停止は、その後に行われる。そして、バイアス電圧値が主信号停止前と同じ値に保持されて、高出力光増幅器40aがシャットダウンされる。このような制御方法により、バイアス点が中間点で維持されることで、光出力が変わらないため、急激な光パワーの増加による光サージの影響がなくなる。
<第3の実施形態の変形例:光通信装置50g、50h>
本発明の第3の実施形態に係る光通信装置の変形例について説明する。図20は、第3の実施形態の第1の変形例に係る、光通信装置50gの構成図である。光送信機10gは、ディジタル信号処理部20gと、耐放射線型ディジタル信号処理部21dと、光送信部30bとを有する。ここで、耐放射線型ディジタル信号処理部21dは、衛星搭載用として実績があり、かつ放射線耐性のあるFPGA等を示している。図20は、クロックデータ再生器電源制御部230bが、耐放射線型ディジタル信号処理部21dに含まれる場合を示している。光通信装置50gの動作処理は、第3の実施形態と同様である。
図21は、第3の実施形態の第2の変形例に係る、光通信装置50hの構成図である。光送信機10hは、ディジタル信号処理部20hと、耐放射線型ディジタル信号処理部21eと、光送信部30bとを有する。図21は、信号断検出部220と、クロックデータ再生器電源制御部230bと、クロックデータ再生器電流異常検出部240と、変調部制御部250が、耐放射線型ディジタル信号処理部21eに含まれる場合を示している。ここで、耐放射線型ディジタル信号処理部21eは、衛星搭載用として実績があり、かつ放射線耐性のあるFPGA等を示している。光通信装置50hの動作処理は、第3の実施形態と同様である。
これらの変形例によって、第3の実施形態と同様な効果が得られると共に、耐放射線型ディジタル信号処理部を用いることで、放射線による主信号異常を確実に検出することが可能となる。
<第4の実施形態:光通信装置50i>
本発明の第4の実施形態に係る、光通信装置について説明する。図22は、本発明の第4の実施形態に係る光通信装置50iの構成図である。本実施形態の光位相変調信号は、第2の実施形態と同様、単一偏波の4値位相変調信号である。しかしながら第2の実施形態における位相変調部に対応するIQ変調部360aは、波形等化された複数の主信号のそれぞれを元に位相変調を行って光位相変調信号を出力する複数の光変調器361aおよび361bを有する。また本実施形態に係る光通信装置50iは、複数の光変調器361aおよび361bからパワー異常を検出して高出力光増幅器40a及び信号生成部210cをシャットダウンする変調部制御部250aを有する。これらの点で本実施形態は第2の実施形態と異なる。
光通信装置50iは、光送信機10iと、高出力光増幅器40aとを有する。光送信機10iは、ディジタル信号処理部20iと、光送信部30cとを有する。ディジタル信号処理部20iは、信号生成部210cと、信号断検出部220aと、クロックデータ再生器電源制御部230cと、クロックデータ再生器電流異常検出部240aと、変調部制御部250aとを有する。ここで、ディジタル信号処理部20iは、地上で使われているSRAM型FPGA等を示している。光送信部30cは、送信レーザ部310と、IQ変調部360aと、クロックデータ再生回路330aおよび330bを有するクロックデータ再生器331と、クロックデータ再生器電流監視部340aと、クロックデータ再生器電源供給部350aとを有する。
入力データD1およびD2は、信号生成部210cで主信号I1およびI2に変換される。主信号I1およびI2はクロックデータ再生回路330aおよび330bに入力され、主信号I1およびI2の波形等化が行われる。波形等化された主信号およびは、IQ変調部360aに入力される。送信レーザ部310から、レーザ光が出力される。一方で、出力されたレーザ光は、IQ変調部360aに入力される。IQ変調部360aでは、主信号I1およびI2を元にレーザ光が変調され、光位相変調信号が出力される。光位相変調信号は、高出力光増幅器40aに入力され、高出力光増幅される。高出力光増幅された光位相変調信号は、光通信装置50iから出力される。
クロックデータ再生回路330aおよび330bに流れる電流は、クロックデータ再生器電流監視部340aでモニタされる。クロックデータ再生回路330aまたは330bの電流異常が発生した場合は、クロックデータ再生器電流異常検出部240aが電流異常を検出し、高出力光増幅器40aと信号生成部210cにシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230cに電流異常検出信号を送信する。シャットダウン信号SD1を受信した信号生成部210cは、主信号I1およびI2の生成を停止する。なおクロックデータ再生器電流異常検出部240aは、送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信して送信レーザ部310をシャットダウンしてよい。
一方で、クロックデータ再生回路330aに入力される主信号I1またはクロックデータ再生回路330bに入力される主信号I2が断になった場合は、信号断検出部220aが信号断を検出し、高出力光増幅器40aにシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230cに信号断検出信号を送信する。なお信号断検出部220aは、信号生成部210cおよび送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信してシャットダウンしてよい。クロックデータ再生器電源制御部230cは、電流異常検出信号または信号断検出信号を受信すると、クロックデータ再生器電源供給部350aにシャットダウン信号SD2を送信する。クロックデータ再生器電源供給部350aは、シャットダウン信号SD2を受信すると、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源電圧供給停止を行う。
変調部制御部250aは、IQ変調部360aのバイアス電圧設定と、IQ変調部360aのパワーモニタを行う。また、光信号送信の開始時は、変調部制御部250は、バイアス電圧の初期設定を行う。IQ変調部360aの光出力のパワー異常が発生した場合、変調部制御部250aは、高出力光増幅器40aと信号生成部210cにシャットダウン信号SD1を送信後、クロックデータ再生器電源制御部230cにパワー異常検出信号を送信する。シャットダウン信号SD1を受信した信号生成部210cは、主信号I1およびI2の生成を停止する。なお変調部制御部250aは、送信レーザ部310にもシャットダウン信号SD1を送信してシャットダウンしてよい。クロックデータ再生器電源制御部230cは、パワー異常検出信号を受信すると、クロックデータ再生器電源供給部350aにシャットダウン信号SD2を送信する。クロックデータ再生器電源供給部350aは、シャットダウン信号SD2を受信すると、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源電圧供給停止を行う。
図23は、図22のIQ変調部の構成図である。IQ変調部360aは、光変調器361aおよび361bと、バイアス電圧制御部362と、光分岐部363aおよび363bおよび363cおよび363dと、光電変換部364aおよび364bおよび364cおよび364dと、光位相調整部365とを有する。
送信レーザ部310からのレーザ光は2分岐され、主信号I1およびI2とともに、光変調器361aおよび光変調器361bにそれぞれ入力され、光信号が生成される。光変調器361aおよび361bからの光信号は、光分岐部363aおよび363bで分岐される。光分岐部363aおよび363bからの一方の出力は、光電変換部364aおよび光電変換部364bで電気信号に変換され、バイアス電圧制御部362に入力される。光分岐部363bのもう片方の出力は、光位相調整部365に入力され、π/2の位相シフトが行われる。
光位相調整部365で位相シフトが行われた光信号は、光分岐部363cに入力される。光分岐部363cからの一方の出力は、光電変換部364cで電気信号に変換され、バイアス電圧制御部362に入力される。光分岐部363aのもう片方の出力は、光分岐部363cのもう片方の出力と合成され、光位相変調信号が生成される。
光位相変調信号は、光分岐部363dで分岐される。光分岐部363dの一方の出力は、光電変換部364dで電気信号に変換され、バイアス電圧制御部362に入力される。光分岐部363dのもう片方の出力は、IQ変調部360aからの光位相変調信号として送信される。
バイアス電圧制御部362は、光位相変調信号を生成できるように、光電変換部364aおよび364bおよび364cおよび364dからの電気信号を元にバイアス電圧の制御を行い、変調部制御部250aに、IQ変調部360aのパワーモニタ情報を送信する。また、変調部制御部250aから、バイアス電圧設定の指示が行われた場合は、そのバイアス電圧値を光変調器361aおよび361bと、光位相調整部365に設定する。
図24は、図22のIQ変調部の変形例の構成図である。本変形例のIQ変調部360bは、光変調器361cおよび361dと、バイアス電圧制御部362aと、光分岐部363eと、光電変換部364dと、光位相調整部365aとを有する。
送信レーザ部310からのレーザ光は2分岐され、主信号I1およびI2とともに、光変調器361cおよび361dにそれぞれ入力され、光信号が生成される。光変調器361dからの光信号は、光位相調整部365aに入力され、π/2の位相シフトが行われる。光位相調整部365aで位相シフトが行われた光信号は、光変調器361cからの光信号と合成され、光位相変調信号が生成される。
光位相変調信号は、光分岐部363eで分岐される。光分岐部363eの一方の出力は、光電変換部364dで電気信号に変換され、バイアス電圧制御部362aに入力される。光分岐部363のもう片方の出力は、IQ変調部360bからの光位相変調信号として送信される。
バイアス電圧制御部362aは、光位相変調信号を生成できるように、光変調器361cおよび361dと光位相調整部365aの内部の光電変換部からの電気信号と、光分岐部363eに接続されている光電変換部364dからの電気信号を元にバイアス電圧の制御を行う。そしてバイアス電圧制御部362aは、変調部制御部250aに、IQ変調部360bのパワーモニタ情報を送信する。また、変調部制御部250aから、バイアス電圧設定の指示が行われた場合は、そのバイアス電圧値を光変調器361cおよび361dと光位相調整部365aに設定する。
なお本実施形態のディジタル信号処理部20iは、クロック信号を生成するクロック生成部を有し、光送信部30cは、IQ変調部360a、360bの後に強度変調部を有する構成にし、クロック生成部が、クロック信号を強度変調部に入力することで、RZ(Return-to-zero)変調の信号が出力される構成にしてもよい。なお送信レーザ部310は、シャットダウン信号SD1を受信後に、シャットダウンされる構成としてもよい。
本実施形態の高出力光増幅器40aの動作については、第3の実施形態の光通信装置50fの高出力光増幅器40aと同様の処理が行われる。
QPSK信号に対して例を示したが、Mが4値以上のM-PSKや、M-QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、M-APSK(Amplitude Phase Shift Keying)の光信号にも適用可能である。
<第4の実施形態:システム動作>
図25は、第4の実施形態の第1の光送信制御方法を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50i内部の光送信機10iと、高出力光増幅器40aが正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS401において、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210cの主信号I1およびI2をモニタし、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワーをモニタする。ステップS402において、クロックデータ再生器電流異常検出部240aがクロックデータ再生回路330aまたは330bの電流異常を検出すれば、ステップS405に進む。電流異常の検出がなければ、ステップS403に進む。ステップS403において、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワー異常を検出すれば、ステップS405に進む。パワー異常の検出がなければ、ステップS404に進む。ステップS404において、信号断検出部220aが信号生成部210cの信号断を検出すれば、ステップS405に進む。信号断検出がなければ、ステップS401に戻り、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210cの主信号I1およびI2をモニタし、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワーをモニタする。
ステップS405において、クロックデータ再生器電流異常検出部240a、変調部制御部250a、又は信号断検出部220aが、高出力光増幅器40aにシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS406またはステップS407に進む。ステップS406では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の電源部410の電圧供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンし、ステップS408に進む。ステップS407では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の励起レーザ部450aおよび450bの電流供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンし、ステップS408に進む。
ステップS408において、信号断が検出されてない場合は、ステップS409に進み、クロックデータ再生器電流異常検出部240a、変調部制御部250a、又は信号断検出部220aが、信号生成部210cにシャットダウン信号SD1を送信し、主信号が停止され、S410に進む。信号断が検出された場合は、ステップS410に進む。ステップS410において、クロックデータ再生器電源制御部230cが、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行い、ステップS411に進む。ステップS411において、クロックデータ再生器電流異常検出部240a、変調部制御部250a、又は信号断検出部220aが、送信レーザ部310をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
このように第4の実施形態によれば、複数のクロックデータ再生回路330aおよび330bのいずれかの電流異常の検出、複数の主信号のいずれかの主信号断の検出、IQ変調部360aのパワー異常の検出の少なくとも1つに基づいて、高出力光増幅器40a及び信号生成部210cがシャットダウンされる。クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止は、その後に行われる。この構成により、クロックデータ再生回路330aおよび330bの異常を検出すると速やかに高出力光増幅器40aのシャットダウン及び主信号の停止が行われる。したがって、第4の実施形態によっても、第1、第2、第3の実施形態と同様、クロックデータ再生回路330aおよび330bの放射線による主信号異常により発生する光サージが防止でき、高出力光増幅器40aの保護が実現できる。またIQ変調部360aのパワー異常の検出に基づいて、高出力光増幅器40a及び信号生成部210cがシャットダウンされるため、クロックデータ再生回路330aおよび330bの放射線による主信号異常をより確実に検出できる。
なお、ステップS407において、励起レーザ制御部420は、ブースタ光増幅部470の高出力光増幅に必要な励起レーザ部450bのみの電流供給停止を行ってもよい。
なお上記の光送信制御方法の説明において、高出力光増幅器40a及び信号生成部210cをシャットダウンし、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行い、その後、送信レーザ部310をシャットダウンするとしたが、この順番に限らない。
図25Bは、第4の実施形態の第1の光送信制御方法の変形例を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50i内部の光送信機10iと、高出力光増幅器40aが正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS421において、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210cの主信号I1およびI2をモニタし、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワーをモニタする。
ステップS422において、クロックデータ再生器電流異常検出部240aがクロックデータ再生回路330aまたは330bの電流異常を検出すれば、ステップS425に進む。電流異常の検出がなければ、ステップS423に進む。ステップS423において、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワー異常を検出すれば、ステップS425に進む。パワー異常の検出がなければ、ステップS424に進む。ステップS424において、信号断検出部220aが信号生成部210cの信号断を検出すれば、ステップS405に進む。信号断検出がなければ、ステップS421に戻り、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210cの主信号I1およびI2をモニタし、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワーをモニタする。
ステップS425において、クロックデータ再生器電流異常検出部240a、変調部制御部250a、又は信号断検出部220aが送信レーザ部310にシャットダウン信号SD1を送信し、送信レーザ部310をシャットダウンし、ステップS426に進む。
ステップS426において信号断が検出されてない場合は、ステップS427に進み、クロックデータ再生器電流異常検出部240a、変調部制御部250a、又は信号断検出部220aが、信号生成部210cにシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS428に進む。ステップS426において信号断が検出された場合は、ステップS428に進む。ステップS428において、クロックデータ再生器電源制御部230cが、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行い、ステップS429に進む。
ステップS429において、クロックデータ再生器電流異常検出部240、変調部制御部250、又は信号断検出部220が、高出力光増幅器40にシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS430またはステップS431に進む。ステップS430では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の電源部410の電圧供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンする。ステップS431では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の励起レーザ部450aおよび450bの電流供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
このようにまず送信レーザ部310をシャットダウンし、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行い、その後、高出力光増幅器40a及び信号生成部210cをシャットダウンしても、光サージが防止でき、高出力光増幅器及び、高出力光増幅器の出力により影響を受ける装置の保護が実現できる。高出力光増幅器の出力により影響を受ける装置の例として、送信側の光通信装置を構成する光捕捉追尾装置や、受信側の光通信装置を構成する光捕捉追尾装置、低雑音光増幅器、光受信機などがある。
次に第4の実施形態の第2の光送信制御方法について説明する。図26は、第4の実施形態の第2の光送信制御方法を説明するフローチャートである。本フローチャートは、光通信装置50i内部の光送信機10iと、高出力光増幅器40aが正常に稼働している状態から、放射線の影響による異常が発生した場合に実施される。
ステップS441において、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210cの主信号I1およびI2をモニタし、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワーをモニタする。ステップS442において、クロックデータ再生器電流異常検出部240aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流異常を検出すれば、ステップS445に進む。電流異常の検出がなければ、ステップS443に進む。ステップS423において、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワー異常を検出すれば、ステップS445に進む。パワー異常の検出がなければ、ステップS444に進む。ステップS444において、信号断検出部220aが信号生成部210cの信号断を検出すれば、ステップS445に進む。信号断検出がなければ、ステップS441に戻り、クロックデータ再生器電流監視部340aがクロックデータ再生回路330aおよび330bの電流をモニタし、信号断検出部220aが信号生成部210cの主信号I1およびI2をモニタし、変調部制御部250aがIQ変調部360aのパワーをモニタする。
ステップS445において、クロックデータ再生器電流異常検出部240a、変調部制御部250a、又は信号断検出部220aが、信号生成部210cにシャットダウン信号SD1を送信し、主信号I1が停止され、ステップS426に進む。ステップS426において、クロックデータ再生器電源制御部230cが、クロックデータ再生回路330aおよび330bの電源供給停止を行う。ステップS427において、変調部制御部250aが光変調器361aおよび361b、光位相調整部365のバイアス電圧値はスロースタートで変化させ、IQ変調部360aのパワーが増加する方向に制御し、ステップS428に進む。このとき変調部制御部250aは、IQ変調部360aのパワーがパワー最大値の半分以上になるように、バイアス電圧値の制御を行う。ステップS428において、クロックデータ再生器電流異常検出部240aが、高出力光増幅器40aにシャットダウン信号SD1を送信し、ステップS429に進む。ステップS429では、励起レーザ制御部420が、高出力光増幅器40a内の励起レーザ部450aおよび450bの電流値をスロースタートで変化させて電流供給停止を行い、高出力光増幅器40aをシャットダウンし、ステップS430に進む。ステップS430において、クロックデータ再生器電流異常検出部240a、変調部制御部250a、又は信号断検出部220aが、送信レーザ部310をシャットダウンする。以上で、本フローチャートは終了する。
このように第4の実施形態の第2の光送信制御方法によれば、クロックデータ再生回路のいずれかの電流異常の検出、複数の主信号のいずれかの主信号断の検出、光変調器のいずれかのパワー異常の検出の少なくとも1つに基づいて、信号生成部がシャットダウンされ、クロックデータ再生回路の電源供給停止は、その後に行われる。そして、高出力光増幅器40a内の励起レーザ部450aおよび450bの電流値がスロースタートで変化させられて電流供給停止が行われ、高出力光増幅器40aがシャットダウンされる。このような制御方法により、このフローチャートにより、高出力光増幅器40aに光が入力された状態で、高出力光増幅器40aの正規のシャットダウンを行えるようになるため、より安全な制御が可能になる。
なお、ステップS449において、励起レーザ制御部420は、ブースタ光増幅部470の高出力光増幅に必要な励起レーザ部450bのみの電流供給停止を行ってもよい。
<第4の実施形態の変形例:光通信装置50j、50k>
本発明の第4の実施形態の変形例に係る光通信装置について説明する。図27は、第4の実施形態の第1の変形例に係る、光通信装置50jの構成図である。光送信機10jは、ディジタル信号処理部20jと、耐放射線型ディジタル信号処理部21fと、光送信部30cとを有する。ここで、耐放射線型ディジタル信号処理部21fは、衛星搭載用として実績があり、かつ放射線耐性のあるFPGA等を示している。図27は、クロックデータ再生器電源制御部230cが、耐放射線型ディジタル信号処理部21fに含まれる場合を示している。光通信装置50jの動作処理は、第4の実施形態と同様である。
図28は、第4の実施形態の第2の変形例に係る、光通信装置50kの構成図である。光送信機10kは、ディジタル信号処理部20kと、耐放射線型ディジタル信号処理部21gと、光送信部30cとを有する。ここで、耐放射線型ディジタル信号処理部21gは、衛星搭載用として実績があり、かつ放射線耐性のあるFPGA等を示している。図28は、信号断検出部220aと、クロックデータ再生器電源制御部230cと、クロックデータ再生器電流異常検出部240a、変調部制御部250aが、耐放射線型ディジタル信号処理部21gに含まれる場合を示している。光通信装置50kの動作処理は、第4の実施形態と同様である。
これらの変形例によって、第4の実施形態と同様な効果が得られると共に、耐放射線型ディジタル信号処理部を用いることで、放射線による主信号異常を確実に検出することが可能となる。
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における光通信装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
主信号を生成する信号生成部と、
前記主信号の波形等化を行うクロックデータ再生器と、
レーザ光を出力する送信レーザ部と、
波形等化された主信号を元に前記レーザ光を位相変調し、光位相変調信号を出力する位相変調部と、
前記光位相変調信号を高出力光増幅する高出力光増幅器と、
前記クロックデータ再生器の電流異常を検出し、前記高出力光増幅器、前記信号生成部及び前記送信レーザ部をシャットダウンするクロックデータ再生器電流異常検出部と、
前記クロックデータ再生器から前記主信号の主信号断を検出し、前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンする信号断検出部と、
前記高出力光増幅器及び前記信号生成部のシャットダウン後に前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行うクロックデータ再生器電源制御部と、
を有する光通信装置。
(付記2)
前記信号生成部は、複数の主信号を生成し、
前記クロックデータ再生器は、前記複数の主信号の波形等化を行う複数のクロックデータ再生回路を有し、
前記クロックデータ再生器電流異常検出部は、前記複数のクロックデータ再生回路の電流異常を検出し、前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンし、
前記信号断検出部は、前記複数の主信号の主信号断を検出し、前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンする、
付記1に記載の光通信装置。
(付記3)
前記位相変調部からパワー異常を検出し、前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンする第1の変調部制御部を有する付記1に記載の光通信装置。
(付記4)
前記位相変調部は、前記波形等化された複数の主信号のそれぞれを元に位相変調を行い、光位相変調信号を出力する複数の光変調器を有し、
前記複数の光変調器からパワー異常を検出し、前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンする第2の変調部制御部を有する付記2に記載の光通信装置。
(付記5)
耐放射線型ディジタル信号処理部を有し、
前記クロックデータ再生器電源制御部が、前記耐放射線型ディジタル信号処理部に備えられる、
付記1から4のいずれかに記載の光通信装置。
(付記6)
耐放射線型ディジタル信号処理部を有し、
前記信号断検出部と、前記クロックデータ再生器電流異常検出部と、前記クロックデータ再生器電源制御部とが、前記耐放射線型ディジタル信号処理部に備えられる、
付記1から4のいずれかに記載の光通信装置。
(付記7)
高出力光増幅器に光位相変調信号を出力する光送信機であって、
主信号を生成する信号生成部と、
前記主信号の波形等化を行うクロックデータ再生器と、
レーザ光を出力する送信レーザ部と、
波形等化された主信号を元に前記レーザ光に位相変調を行い、前記光位相変調信号を出力する位相変調部と、
前記クロックデータ再生器の電流異常を検出し、前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンするクロックデータ再生器電流異常検出部と、
前記クロックデータ再生器から前記主信号の主信号断を検出し、前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンする信号断検出部と、
前記高出力光増幅器及び前記信号生成部のシャットダウン後に前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行うクロックデータ再生器電源制御部と、
を有する光送信機。
(付記8)
前記信号生成部は、複数の主信号を生成し、
前記クロックデータ再生器は、前記複数の主信号の波形等化を行う複数のクロックデータ再生回路を有し、
前記クロックデータ再生器電流異常検出部は、前記複数のクロックデータ再生回路の電流異常を検出すると前記シャットダウン信号を送信し、
前記信号断検出部は、前記複数の主信号の主信号断を検出すると前記シャットダウン信号を送信する、
付記7に記載の光送信機。
(付記9)
前記位相変調部からパワー異常を検出すると前記シャットダウン信号を送信する第1の変調部制御部を有する付記7に記載の光送信機。
(付記10)
前記位相変調部は、前記波形等化された複数の主信号のそれぞれを元に位相変調を行い、光位相変調信号を出力する複数の光変調器を有し、
前記複数の光変調器からパワー異常を検出し、前記シャットダウン信号を送信する第2の変調部制御部を有する付記7に記載の光送信機。
(付記11)
耐放射線型ディジタル信号処理部を有し、
前記クロックデータ再生器電源制御部が、前記耐放射線型ディジタル信号処理部に備えられる、
付記7から10のいずれかに記載の光送信機。
(付記12)
耐放射線型ディジタル信号処理部を有し、
前記信号断検出部と、前記クロックデータ再生器電流異常検出部と、前記クロックデータ再生器電源制御部とが、前記耐放射線型ディジタル信号処理部に備えられる、
付記7から10のいずれかに記載の光送信機。
(付記13)
付記1に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記クロックデータ再生器の電流異常を検出し、
前記主信号の主信号断を前記クロックデータ再生器から検出し、
前記クロックデータ再生器の前記電流異常の検出及び前記クロックデータ再生器からの前記主信号断の検出の少なくとも1つに基づいて前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンし、
前記高出力光増幅器及び前記信号生成部のシャットダウン後に前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行う、
光送信制御方法。
(付記14)
付記1に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記クロックデータ再生器の電流異常を検出し、
前記主信号の主信号断を前記クロックデータ再生器から検出し、
前記クロックデータ再生器の前記電流異常の検出及び前記クロックデータ再生器からの前記主信号断の検出の少なくとも1つに基づいて前記送信レーザ部をシャットダウンし、
前記送信レーザ部のシャットダウン後に前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行う、
光送信制御方法。
(付記15)
付記2に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記複数のクロックデータ再生回路の電流異常を検出し、
前記複数の主信号の主信号断を前記複数のクロックデータ再生回路から検出し、
前記複数のクロックデータ再生回路のいずれかの電流異常の検出及び前記クロックデータ再生器からの前記複数の主信号のいずれかの主信号断の少なくとも1つに基づいて前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンし、
前記高出力光増幅器及び前記信号生成部のシャットダウン後に前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行う、
光送信制御方法。
(付記16)
付記2に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記複数のクロックデータ再生回路の電流異常を検出し、
前記複数の主信号の主信号断を前記複数のクロックデータ再生回路から検出し、
前記複数のクロックデータ再生回路のいずれかの電流異常の検出及び前記クロックデータ再生器からの前記複数の主信号のいずれかの主信号断の少なくとも1つに基づいて前記送信レーザ部をシャットダウンし、
前記送信レーザ部のシャットダウン後に前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行う、
光送信制御方法。
(付記17)
付記3に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記クロックデータ再生器の電流異常を検出し、
前記位相変調部からのパワーのパワー異常を検出し、
前記主信号の主信号断を前記クロックデータ再生器から検出し、
前記電流異常、前記パワー異常、及び前記主信号断の少なくとも1つの検出に基づいて前記高出力光増幅器及び前記信号生成部をシャットダウンし、
前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行う、
光送信制御方法。
(付記18)
付記3に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記クロックデータ再生器の電流異常を検出し、
前記位相変調部からのパワーのパワー異常を検出し、
前記主信号の主信号断を前記クロックデータ再生器から検出し、
前記電流異常、前記パワー異常、及び前記主信号断の少なくとも1つの検出に基づいて前記送信レーザ部をシャットダウンし、
前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行う、
光送信制御方法。
(付記19)
付記3に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記クロックデータ再生器の電流異常を検出し、
前記位相変調部からのパワーのパワー異常を検出し、
前記主信号の主信号断を前記クロックデータ再生器から検出し、
前記電流異常、前記パワー異常、及び前記主信号断の少なくとも1つの検出に基づいて前記信号生成部をシャットダウンし、
前記クロックデータ再生器の電源供給停止を行い、
前記位相変調部のバイアス電圧値をスロースタートで変化させ、前記位相変調部からのパワーを増加方向に制御し、
前記高出力光増幅器をシャットダウンする、
光送信制御方法。
(付記20)
付記4に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記複数のクロックデータ再生回路の電流異常を検出し、
前記複数の光変調器からのパワーのパワー異常を検出し、
前記複数の主信号の主信号断を前記複数のクロックデータ再生回路から検出し、
前記複数のクロックデータ再生器のいずれかの電流異常、前記複数の光変調器のいずれかのパワー異常、及び前記複数の主信号のいずれかの主信号断の少なくとも1つの検出に基づいて前記高出力光増幅器をシャットダウンし、
前記信号生成部をシャットダウンし、
前記複数のクロックデータ再生回路の電源供給停止を行う、
光送信制御方法。
(付記21)
付記4に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記複数のクロックデータ再生回路の電流異常を検出し、
前記複数の光変調器からのパワーのパワー異常を検出し、
前記複数の主信号の主信号断を前記複数のクロックデータ再生回路から検出し、
前記複数のクロックデータ再生器のいずれかの電流異常、前記複数の光変調器のいずれかのパワー異常、及び前記複数の主信号のいずれかの主信号断の少なくとも1つの検出に基づいて前記送信レーザ部をシャットダウンし、
前記信号生成部をシャットダウンし、
前記複数のクロックデータ再生回路の電源供給停止を行う、
光送信制御方法。
(付記22)
付記4に記載の光通信装置の光送信制御方法であって、
前記複数のクロックデータ再生回路の電流異常を検出し、
前記複数の光変調器からのパワーのパワー異常を検出し、
前記複数の主信号の主信号断を前記複数のクロックデータ再生回路から検出し、
前記複数のクロックデータ再生器のいずれかの電流異常、前記複数の光変調器のいずれかのパワー異常、及び前記複数の主信号のいずれかの主信号断の少なくとも1つの検出に基づいて前記信号生成部をシャットダウンし、
前記複数のクロックデータ再生回路の電源供給停止を行い、
前記複数の位相変調器のバイアス電圧値をスロースタートで変化させ、前記複数の位相変調器からのパワーを増加方向に制御し、
前記高出力光増幅器をシャットダウンする、
光送信制御方法。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。