JP7205534B2 - 塗布具 - Google Patents
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Description
一実施形態では、前記着色樹脂粒子の平均粒子径が0.01μm以上1μm以下であり、前記ワックス粒子の平均粒子径が0.005μm以上であってもよい。
一実施形態では、前記水性インキの、前記着色樹脂粒子の添加量をx重量%、前記ワックス粒子の添加量をy重量%としたとき、(式1)-0.12x+23.0≧y>-0.12x+6.8を満たし、xが0.5重量%以上56.0重量%以下、yが0.1重量%以上であってもよい。
一実施形態では、前記塗布先の繊維集束体が、太さが0.5デニール以上50デニール以下の繊維から少なくとも構成され、空孔率が20%以上80%以下であってもよい。
また、前記着色樹脂粒子の平均粒子径が0.01μm以上1μm以下であることで、紙の繊維との衝突や迂回など粒子の移動の障害が大きく減少し、塗布直後、即座に着色樹脂粒子が紙の繊維間に浸入して紙の表面に残り難いという塗布跡の速乾性効果と、着色樹脂粒子に先んじて紙の繊維間に移動する前記ワックス粒子の平均粒子径が、前記着色樹脂粒子の平均粒子径に対して5%以上95%以下であることに加えて、このワックス粒子の平均粒子径が0.005μm以上であることによって、前記着色樹脂粒子が紙の裏面へまで到達することを抑制した裏抜け抑制効果とを両立することが確実にできるものである。
また、前述のとおり、上記塗布具では、水性インキのうち平均粒子径が相対的に小さいワックス粒子を含む成分が、水性インキのうち着色樹脂粒子を含む成分に先行して紙に浸透する傾向がある。ここで、ワックス粒子および着色樹脂粒子は、何れも、紙を構成する繊維(例えば、セルロース繊維)に比べて親水性が低く、水性インキの紙への浸透に際して、ワックス粒子及び着色樹脂粒子の移動速度は水に比べて遅い。このため、紙の内部に進むに従って、液媒体としての水が少なくなり、ワックス粒子又は着色樹脂粒子が最密充填に近似していって、凝集体間の引力が働き、見かけ上嵩高くなって紙繊維内を移動しにくくなる。その結果、着色樹脂粒子が内部に進むにしたがって凝集構造を形成し、既に形成されたワックス粒子の凝集構造と着色樹脂粒子の凝集構造とが重なり、着色樹脂粒子が紙の裏側から抜けることを効果的に抑制することができる。特に、着色樹脂粒子の添加量をx重量%、ワックス粒子の添加量をy重量%としたとき、それぞれの粒子の添加量の関係が、(式1)-0.12x+23.0≧y>-0.12x+6.8の関係を満たし、xが0.5重量%以上56.0重量%以下、yが0.1重量%以上であるとき、着色樹脂粒子を含む水性インキ成分の浸透に先立ってワックス粒子の凝集構造を適切に形成することが可能となり、ワックス粒子の凝集構造と着色樹脂粒子の凝集構造とを効果的に重なり合わせて、着色樹脂粒子が紙の裏側から抜けることを一層抑制することができる。
また、前記塗布先の繊維集束体が、太さが0.5デニール以上50デニール以下の繊維から少なくとも構成され、空孔率が20%以上80%以下であることによって、着色樹脂粒子と、着色樹脂粒子の平均粒子径に対して5%以上95%以下の平均粒子径である潤滑性の高いワックス粒子とが吐出されるバランスが好適となるものと推察され、より裏抜けが抑制されたものとなる。
ここで、塗布先として使用する繊維集束体とは、繊維を束状に集合させたものをいい、合成繊維芯やフェルト芯のことを指す。
塗付先の磨耗などの耐久性を考慮すると合成繊維芯を用いることが好ましい。
また、樹脂粒子を塩基性染料で染着した着色樹脂粒子も使用できる。その具体例としては、C.I.ベーシックレッド1:1とC.I.ベーシックバイオレット11:1とC.I.ベーシックバイオレット15で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックバイオレット11:1で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックレッド1:1とC.I.イエロー28とC.I.ベーシックイエロー40とC.I.ベーシックバイオレット11:1とC.I.ベーシックバイオレット15で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックレッド1:1とC.I.ベーシックイエロー28とC.I.ベーシックイエロー40とC.I.ベーシックバイオレット11:1で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックレッド1:1とC.I.ベーシックイエロー28とC.I.ベーシックイエロー40で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックブルー3とC.I.ベーシックイエロー40で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックブルー3とC.I.ベーシックイエロー40で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックブルー3で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックブルー7とC.I.ベーシックバイオレット15で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)、C.I.ベーシックイエロー28とC.I.ベーシックイエロー40とC.I.ベーシックバイオレット1で染着した着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子(平均粒子径 0.1μm)が挙げられる。
更に、着色樹脂粒子に対して平均粒子径が平均粒子径の33%以上67%以下の粒子径である場合には、ワックス粒子の凝集構造と、着色樹脂粒子の凝集構造との充填密度が一層大きくなり、着色樹脂粒子が紙の裏側から抜けることをより一層抑制できるため好ましい。
合成炭化水素系ワックスとしては、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、これらの誘導体などが挙げられる。これらのワックスは、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
ワックス粒子の具体例として、パラフィンワックス粒子として、SELOSOL R-582(平均粒子径 0.21μm)、同R-585(平均粒子径 0.22μm)、同R-586(平均粒子径 0.21μm)(以上、中京油脂(株)製)、変性パラフィンワックス粒子として、AQUACER537(平均粒子径 0.05μm)(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、カルナバワックス粒子として、SELOSOL524(平均粒子径 0.07μm)(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、変性ポリエチレンワックス粒子として、CERAFLOUR925(平均粒子径 6μm)、同929(平均粒子径 8μm)、同950(平均粒子径 9μm)、同988(平均粒子径 6μm)、AQUACER531(平均粒子径 0.15μm)、同(μm)、同998(平均粒子径 5μm)(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、ポリエチレンワックス粒子として、CERAFLOUR991(平均粒子径 5μm)、同996(平均粒子径 6μm)(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、アマイドワックス粒子として、CERAFLOUR994(平均粒子径 5μm)(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、酸化ポリエチレンワックス粒子として、AQUACER507(平均粒子径 0.04μm)、同515(平均粒子径 0.04μm)(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、HYTEC E-6500(平均粒子径 0.06μm)、同-9015(平均粒子径 0.05μm)、同-6400(平均粒子径 0.055μm)、同-8237(平均粒子径 0.08μm)、同-5403P(平均粒子径 0.05μm)、同-1000(平均粒子径 0.14μm)、同-4A(平均粒子径 0.06μm)(以上、東邦化学工業(株)製)、カルボキシル基含有エチレン系共重合体ワックス粒子として、HYTEC S-3121(平均粒子径 0.035μm)、同-3800(平均粒子径 0.1μm)、同-9242(平均粒子径 0.04μm)、同-9200(平均粒子径 0.04μm)、同-8512(平均粒子径 0.08μm)、同-3148K(平均粒子径 0.045μm)(以上、東邦化学工業(株)製)、マイクロクリスタリンワックス粒子として、Michem Lube 124(平均粒子径 0.05μm)、ProHere L90109(平均粒子径 0.05μm)(以上、Michelman, Inc.製)が挙げられる。
これらのワックス粒子の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1重量%以上50.0重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5重量%以上23.0重量%以下であり、最も好ましくは1.0重量%以上15.0重量%以下である。0.1重量%未満だと裏抜け抑制が不十分の恐れがあり、50.0重量%を越えると水性インキ中での固形分が高くなりすぎて耐ペン先乾燥性に悪影響を与える恐れがある。
(式1)-0.12x+23.0≧y>-0.12x+6.8
の関係を満たす。
上記塗布具では、水性インキのうち平均粒子径が相対的に小さいワックス粒子を含む成分が、水性インキのうち着色樹脂粒子を含む成分に先行して紙に浸透する傾向がある。ここで、ワックス粒子および着色樹脂粒子は、何れも、紙を構成する繊維(例えば、セルロース繊維)に比べて親水性が低く、水性インキの紙への浸透に際して、ワックス粒子及び着色樹脂粒子の移動速度は水に比べて遅い。このため、紙の内部に進むに従って、液媒体としての水が少なくなり、ワックス粒子又は着色樹脂粒子が最密充填に近似していって、凝集体間の引力が働き、見かけ上嵩高くなって紙繊維内を移動しにくくなる。その結果、着色樹脂粒子が内部に進むにしたがって凝集構造を形成し、既に形成されたワックス粒子の凝集構造と着色樹脂粒子の凝集構造とが重なり、着色樹脂粒子が紙の裏側から抜けることを効果的に抑制することができる。特に、上述の(式1)を満たす場合、着色樹脂粒子を含む水性インキ成分の浸透に先立ってワックス粒子の凝集構造を適切に形成することが可能となり、ワックス粒子の凝集構造と着色樹脂粒子の凝集構造とを効果的に重なり合わせて、着色樹脂粒子が紙の裏側から抜けることを一層抑制することが可能である。
なお、xが3.0重量%以上30.0重量%以下、yが1.0重量%以上15.0重量%以下であると更に好ましい。
yが(式1)の範囲を越えるとペン先において粒子の目詰まりが発生しやすく、耐ペン先乾燥性を向上する添加剤を用いても耐ペン先乾燥性が向上しない恐れがあり、yが(式1)の範囲を越えないことが好ましい。
(式2)-0.12x+15.0≧y>-0.12x+8.0
の関係を満たすとき、着色樹脂粒子とワックス粒子の割合になったときにワックス粒子の凝集構造に着色樹脂粒子の凝集構造の重なりが一層密になり、ワックス粒子と着色樹脂粒子との距離が最接近することでお互いの引力が最大限増大し、構造同士の凝集作用が最も強く働くと推察されるため、着色樹脂粒子が紙の裏側から抜けることをより一層抑制するため更に好ましい。
yが(式2)の範囲を越えるとペン先において粒子の目詰まりの恐れがわずかにあり、耐ペン先乾燥性を向上する添加剤を用いても十分に耐ペン先乾燥性が発揮できない恐れがあるが、yが(式2)の関係を満たすことで耐ペン先乾燥性の向上が十分に発揮されるため好ましい。
この水溶性有機溶剤とは、水100gに対して10g以上溶解することのできる有機溶剤を指す。
これらの水溶性有機溶剤の中でも、筆跡の紙への浸透性と耐ペン先乾燥性向上の観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、スルホランを使用することが好ましく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールから単独、あるいは2種以上混合して使用し、更にスルホランを併用すると耐ペン先乾燥性を高い状態で満足しながら着色樹脂粒子とワックス粒子を紙内部へ浸透させることが出来るため、筆跡の速乾性と裏抜け抑制と耐ペン先乾燥抑制効果を両立することが可能になる。
酸性染料の具体例としては、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187-L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN-6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)、などが挙げられる。
塩基性染料の具体例としては、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE-3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL-ED(同28)、ブライトイエロー3Gコンク(同40)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、ローダミン590クロリド(同1:1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE-2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、ローダミンA(同11:1)、C.I.ベーシックバイオレット15、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、ビクトリアピュアブルーBO(同7)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)などが挙げられる。これらの染料は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
313、同Black Fx 8169、同Red Fx 8209、同Red Fx 8172、同Red S Fx 8315、同Red S Fx 8316、同Blue Fx 8170、同Blue Fx 8170、同Blue S Fx 8312、同Green S Fx 8314などが挙げられ、EMFカラーシリーズとして、同イエロー3G、同オレンジO、同レッドHFB、同レッドHR、同ブルーHG、同バイオレットHB(以上、トーヨーカラー(株)製)などが挙げられ、ポルックスカラーシリーズとして、同PC5T1020、同ブラックPC8T135、同レッドIT1030(以上、住化カラー(株)製)などが挙げられ、ビクトリアシリーズとして、同イエロー G-11、同イエロー G-20、同オレンジ G-16、同オレンジ G-21、同レッド G-19、同レッド G-22、同ピンク G-17、同ピンク G-23、同グリーン G-18、同グリーン G-24、同ブルー G-15、同ブルー G-25(以上、御国色素(株)製)などが挙げられる。
これらの顔料分散体は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。ただし、着色された樹脂粒子を着色剤として用いる場合は、樹脂粒子が有機溶剤に溶解しないものを用いる。
例えば、顔料と、溶媒と、分散剤とを混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。分散機の具体例としては、ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ニーダーなどが挙げられる。使用する分散機の種類は、水性インキの溶媒量や、顔料濃度などによって適宜選択できる。
また、これらの分散する工程において、発生した分散熱をそのまま利用して撹拌したり、熱をかけたり、冷却したり、加圧したり、減圧したり、不活性ガス雰囲気中で撹拌することができる。脱泡機による泡の除去やろ過機による粗大物のろ過等を必要に応じて行っても良い。更に、多糖類の分散性を十分にするために水性インキ調整後に加熱処理工程及び/又は冷却処理工程を行っても良い。
これらの混合、分散、ろ過、加熱、冷却、加圧、減圧、不活性ガス雰囲気とすることなどは、それぞれ単独で行ってもよく、あるいは、2種以上の工程を同時に行ってもよい。
これらの粘度調整剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
これらの、保湿剤、潤滑剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、消泡剤は、単独、あるいは2種以上混合して使用しても良い。
グリセリンは紙面上の筆跡を湿潤させる力が強いため極力使用しないことが好ましい。
保湿剤の中でもグリシンはアミノ酸の中でも最も分子量が小さく、立体障害が少ないことなどの理由から、水性インキの粘度を増粘させにくく、着色樹脂粒子とワックス粒子との相互作用を起こすことによって筆跡の紙への浸透を向上させると共に耐ペン先乾燥性を維持することができるため使用することが好ましい。
また、これらの調製工程において、発生した分散熱をそのまま利用して撹拌したり、熱をかけたり、冷却したり、加圧したり、減圧したり、不活性ガス置換したりして、撹拌することができる。脱泡機による泡の除去やろ過機による粗大物のろ過等を必要に応じて行っても良い。更に、多糖類の分散性を十分にするために水性インキ調整後にエージング工程を行っても良い。
これらの種々の混合工程、分散工程、ろ過工程、加熱工程および/又は冷却工程、加圧及び又は減圧工程、不活性ガス置換工程は、それぞれ単独で行ってもよく、あるいは、2種以上の工程を並行して行ってもよい。
表1~7に示すとおり、実施例1~56、比較例1~11に使用した水性インキを、プロペラを用いて攪拌し作製した。作製手順としては、水と水溶性有機溶剤を容器に投入してプロペラで5分攪拌し、その他の添加剤を添加し、プロペラで30分攪拌して水性インキを得た。
市販されていない着色樹脂粒子は染料で着色したスチレン・アクリロニトリルモノマーを水溶性有機溶剤であるプロピレングリコールの添加量を調整しながら水中で乳化重合することで得たり、染料を有機溶剤である変性アルコールとアセトンに溶解させアクリル樹脂粒子と混合、攪拌させた後に有機溶剤を蒸発させて得た。
顔料を内包した着色樹脂粒子はメタクリル酸、スチレン、ポリエチレン(15)グリコールモノメタクリレート、ポリエチレン(5)グリコール・ポリプロピレン(7)グリコールモノメタクリレート、スチレンマクロモノマーをモノマー混合物とし、メチルエチルケトンと2,2‘-アゾビスイソブチロニトリルとオクチルメルカプタンとモノマー混合物を用いて重合することでポリマー溶液を作成し、顔料を加え分散機で混練しながら水を加え、減圧下でメチルエチルケトンを除去、水分を適宜除去して顔料を内包した着色樹脂粒子を得た。
ワックス粒子は、融点以上で水中にてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて乳化させた後冷却することで得たり、ワックスを溶解する水溶性有機溶剤とポリオキシエチレンソルビタンモノオレートを用いて転相乳化することで得た。
また、平均粒子径は、レーザ式粒度分布測定機SALD-7100((株)島津製作所製)を用いて測定し、得られた数値を基に平均粒子径(メジアン径)を体積基準で算出した値である。
また、着色樹脂粒子とワックス粒子の平均粒子径の大きさを比較する場合は下記の通り計算を行った。(着色樹脂粒子の平均粒子径)/(ワックス粒子の平均粒子径)の値を%表記にした時の値の小数点第1を四捨五入して整数の値に丸めた値を用いて比較した。
着色樹脂粒子及びワックス粒子をインキに配合するに当り、それぞれの分散液を使用する場合には、各粒子のインキ中における割合(重量%)は、各分散液の固形分の割合を、各分散液のインキに対する添加量に乗じて計算される値の小数点第2位を四捨五入して小数点第1位の値に丸めた値が、インキ全量に対する着色樹脂粒子又はワックス粒子そのものの配合割合である。
着色樹脂粒子分散液(1):桃色樹脂粒子分散液(NKW3207E、平均粒子径 0.09μmの着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子、固形分37.5重量%、日本蛍光(株)製)
着色樹脂粒子分散液(2):黄色樹脂粒子分散液(NKW3205E、平均粒子径 0.08μmの着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子、固形分37.5重量%、日本蛍光(株)製)の濃縮液(固形分50重量%)
着色樹脂粒子分散液(3):紫色樹脂粒子分散液(SF-3037N、平均粒子径 0.07μmの着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子、固形分40重量%、シンロイヒ(株)製)
着色樹脂粒子分散液(4):茶色樹脂粒子分散液(NKW3226E、平均粒子径 0.1μmの着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子、固形分37.5重量%、日本蛍光(株)製)
着色樹脂粒子分散液(5):青色樹脂粒子分散液(平均粒子径 0.01μmの着色スチレン・アクリロニトリル樹脂粒子をC.I.ベーシックブルー3にて着色、固形分20重量%)
着色樹脂粒子分散液(6):赤色樹脂粒子(平均粒子径 1.0μmのC.I.ピグメントレッド3内包スチレン樹脂粒子、固形分20重量%)
着色樹脂粒子(1):桃色樹脂粒子(MP-1000、平均粒子径 0.4μmのアクリル樹脂粒子、総研化学(株)製をC.I.ベーシックレッド1:1にて染着したもの)
着色樹脂粒子(2):桃色樹脂粒子(MX-1000、平均粒子径 10μmのアクリル樹脂粒子、総研化学(株)製をC.I.ベーシックレッド1:1にて染着したもの)
着色樹脂粒子(3):桃色樹脂粒子(MX-500、平均粒子径 5μmのアクリル樹脂粒子、総研化学(株)製をC.I.ベーシックレッド1:1にて染着したもの)
着色樹脂粒子(4):桃色樹脂粒子(SX-130H、平均粒子径 1.3μmのアクリル樹脂粒子、総研化学(株)製をC.I.ベーシックレッド1:1にて染着したもの)
着色樹脂粒子(5):蛍光橙色樹脂粒子(平均粒子径 3μm、着色アクリル樹脂粒子)顔料分散液(1):黒色顔料分散液(平均粒子径 0.09μmのC.I.ピグメントブラック7分散液、固形分15重量%)
顔料分散液(2):赤色顔料分散液(平均粒子径 0.40μmのC.I.ピグメントレッド4分散液、固形分25重量%)
染料(1):黒色染料(WATER BLACK 31、オリヱント化学工業(株)製)着色ワックス粒子分散液(1):シアン顔料で着色したワックス粒子分散液(平均粒子径 0.18μm、固形分19.9重量%)
ワックス粒子分散液(1):酸化ポリエチレンワックス粒子分散液(平均粒子径 0.03μmの酸化ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分20重量%)
ワックス粒子分散液(2):AQUACER 507(平均粒子径 0.04μmの酸化高密度ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分35重量%、ビックケミー・ジャパン(株)製)
ワックス粒子分散液(3):AQUACER 515(平均粒子径 0.04μmの酸化高密度ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分35重量%、ビックケミー・ジャパン(株)製)
ワックス粒子分散液(4):HYTEC E-8237(平均粒子径 0.08μmの酸化ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分35重量%、東邦化学工業(株)製)
ワックス粒子分散液(5):HYTEC E-4A(平均粒子径 0.06μmの酸化ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分35重量%、東邦化学工業(株)製)
ワックス粒子分散液(6):酸化ポリエチレンワックス粒子分散液(平均粒子径 0.005μmの酸化ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分20重量%)
ワックス粒子分散液(7):Joncryl Wax 26(平均粒子径 0.07μmの酸化ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分25重量%、BASFジャパン(株)製)
ワックス粒子分散液(8):HYTEC E-1000(平均粒子径 0.14μmの酸化ポリエチレンワックス粒子分散液、固形分35重量%、東邦化学工業(株)製)
ワックス粒子分散液(9):カルナバワックス粒子分散液(平均粒子径 0.05μmのカルナバワックス粒子分散液、固形分10重量%)
ワックス粒子分散液(10):カルナバワックス粒子分散液(平均粒子径 0.005μmのカルナバワックス粒子分散液、固形分10重量%)
ワックス粒子分散液(11):HYTEC P-9018(平均粒子径 0.06μmの酸化ポリプロピレンワックス粒子分散液、固形分35重量%、東邦化学工業(株)製)
ワックス粒子分散液(12):Michem Lube 124(平均粒子径 0.05μmのマイクロクリスタリンワックス粒子分散液、固形分42重量%)
ワックス粒子分散液(13):マイクロクリスタリンワックス粒子分散液(平均粒子径 0.007μmのマイクロクリスタリンワックス粒子分散液、固形分20重量%)
ワックス粒子分散液(14):パラフィンワックス粒子分散液(平均粒子径 0.05μmのパラフィンワックス粒子分散液、固形分10重量%)
ワックス粒子分散液(15):パラフィンワックス粒子分散液(平均粒子径 0.08μmのパラフィンワックス粒子分散液、固形分10重量%)
ワックス粒子分散液(16):カルナバワックス粒子分散液(平均粒子径 0.25μmのカルナバワックス粒子分散液、固形分40重量%)
ワックス粒子分散液(17):カルナバワックス粒子分散液(平均粒子径 0.4μmのカルナバワックス粒子分散液、固形分40重量%)
ワックス粒子分散液(18):カルナバワックス粒子分散液(平均粒子径 3μmのカルナバワックス粒子分散液、固形分40重量%)
ワックス粒子分散液(19):カルナバワックス粒子分散液(平均粒子径 9.5μmのカルナバワックス粒子分散液、固形分40重量%)
樹脂エマルション(1):Joncryl 537(平均粒子径 0.07μmのスチレン・アクリルエマルション、固形分46重量%、BASFジャパン(株)製)
ラテックス粒子分散液(1):ナルスター SR-100(平均粒子径 0.18μmのカルボキシ変性スチレンブタジエンゴム粒子を含むラテックス粒子分散液、固形分51重量%、日本エイアンドエル(株)製)
ラテックス粒子分散液(2):Nipol 1571CL(平均粒子径 0.10μmのアクリロニトリルブタジエンゴム粒子を含むラテックス粒子分散液、固形分38重量%、日本ゼオン(株)製)
樹脂粒子(1):ケミスノー MP-1000(平均粒子径 0.4μmのアクリル樹脂粒子、総研化学(株)製)
水溶性有機溶剤(1):エチレングリコール
水溶性有機溶剤(2):グリセリン
水溶性有機溶剤(3):γ-ブチロラクトン
水溶性有機溶剤(4):ヘキシレングリコール
水溶性有機溶剤(5):エチレングリコールモノイソプロピルエーテル
水溶性有機溶剤(6):ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル
水溶性有機溶剤(7):ジエチレングリコールジエチルエーテル
水溶性有機溶剤(8):N,N-ジメチルホルムアミド
水溶性有機溶剤(9):トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル
水溶性有機溶剤(10):1,2-ペンタンジオール
水溶性有機溶剤(11):1,2-ブタンジオール
水溶性有機溶剤(12):1,2-ヘキサンジオール
水溶性有機溶剤(13):ジエチレングリコール
水溶性有機溶剤(14):トリエチレングリコール
水溶性有機溶剤(15):スルホラン
保湿剤(1):トリメチルグリシン(東京化成工業(株)製)
保湿剤(2):ペンタエリスリトール
保湿剤(3):グリシン(磐田化学工業(株)製)
活性剤(1):BYK-348(ポリエーテル変性シロキサン、ビックケミー・ジャパン(株)製)
活性剤(2):サーフィノール DF110D(アセチレングリコール系活性剤、日信化学工業(株)製)
活性剤(3):サーフロンS111N(フッ素系界面活性剤、AGCセイケミカル(株)製)
活性剤(4):ノイゲンXL80(ポリオキシエチレンアルキレン分鎖デシルエーテル、第一工業製薬(株)製)
pH調整剤(1):トリエタノールアミン
防腐剤(1):PROXEL GXL(S)(ベンズイソチアゾリン-3-オン、ロンザジャパン(株)製)
実施例1~56、比較例1~9にて使用した水性インキを、中綿(中綿の材質:ポリエステルとポリプロピレン混合繊維、中綿の空孔率:81%(±2%のばらつきを有する))に1.25ml充填したものを、水性マーキングペン(ノック式ハンディラインS、製品符号SXNS15、ぺんてる(株)製)軸にセットし、ペン先(ペン先の材質:ポリエステル繊維、ペン先の空孔率:60%(±2%のばらつきを有する)、ペン先の材質の繊維の太さ:3デニール)を取り付け、ノックをしてペン先を軸筒内に収納して密閉状態とし、その後2時間静置してペン先まで水性インキを十分に浸透させ、実施例1~56、比較例1~9の塗布具を得た。また、比較例10、11にて使用した水性インキをシリンジ(ハミルトンマイクロシリンジ701、ジーエルサイエンス(株)製)で吸引し、0.1μl吐出出来る状態にした。
上記の各実施例、比較例(比較例10、11を除く)の試験用塗布具を、各実施例、比較例あたり3本ずつ用意し、温度25℃、湿度65%の環境下にて、筆記用紙(アルティマグロス70(米坪80g/m2)、日本製紙(株)製)に手書きで30cmの直線を筆記した後、筆記用紙紙面上の跡を指で横断するように1回擦ることを1秒ごとに繰り返し、筆跡が伸びなくなる時間を乾燥時間とした。比較例10、11の試験用塗布具を用いて、温度25℃、湿度65%の環境下にて、筆記用紙に0.1μl滴下した後、インキの滴下した面上を指で擦ることを1秒ごとに繰り返し、インキの滴下した面が伸びて周囲の筆記用紙に転写されなくなる時間を乾燥時間とした。
表1~7には、乾燥時間を記載した(単位「秒」)。
上記の各実施例、比較例(比較例10、11を除く)の試験用塗布具を各実施例、比較例あたり5本ずつ用意し、温度25℃湿度65%の環境下にて、ノート(TANOSEE ノートブック セミB5 OSF-5A(米坪65g/m2)、(株)大塚商会製)に手書きで0.5cm/秒の筆記速度で筆記した際の裏抜けの様子をデジタルマイクロスコープVHX-5000((株)キーエンス製)にて30倍にて撮影し、画像編集ソフトAdobe Photoshop CC(アドビシステムズ(株)製)によって筆跡全体のピクセル数と、筆記面の筆跡と同じ色としてソフトウェア上で認識される筆記面裏側の筆跡部分を裏抜け部分として裏抜け部分のピクセル数を計測し、筆跡全体に対する裏抜け部分の割合を求めた。比較例10、11の試験用塗布具を用いて、温度25℃、湿度65%の環境下にて、ノートに0.1μl滴下した際の裏抜けの様子をデジタルマイクロスコープにて撮影し、画像編集ソフトによって塗付面全体のピクセル数と、塗付面と同じ色としてソフトウェア上で認識される塗布面裏側を裏抜け部分として裏抜け部分のピクセル数を計測し、塗布面全体に対する裏抜け部分の割合を求めた。表1~7には、裏抜けの割合を記載した(単位「%」)。
上記の各実施例、比較例(比較例10、11を除く)の試験用塗布具を用いて、温度25℃湿度20%の環境下で、ペン先を露出した状態で横向きで放置して、30分後、45分後、60分後、90分後ごとに手書きで筆記し、筆跡のカスレが5cm以下であった最長の時間を筆記可能な時間とした。表1~7には、筆記可能な時間を記載した(単位「分」)。
実施例4~6の塗布具は、実施例1~3の塗布具と比較して平均粒子径が0.01μm以上1.0μm以下の着色樹脂粒子と平均粒子径が0.005μm以上で着色樹脂粒子よりも小さいワックス粒子であることで、速乾性を付与でき、速乾性と裏移りの両立を達成することができた。
実施例24~27、29の塗布具と、実施例7~8、13の塗布具を比較して、着色樹脂粒子の添加量をx重量%、前記ワックス粒子の添加量をy重量%としたとき、(式1)-0.12x+23.0≧y>-0.12x+6.8の関係を満たし、xが0.5重量%以上56.0重量%以下、yが0.1重量%以上であるので、裏抜け抑制と耐ペン先乾燥性を両立できた。
また、実施例36,37、39~41の塗布具は実施例17~20の塗布具と比較して、着色樹脂粒子の添加量をx重量%、前記ワックス粒子の添加量をy重量%としたとき、(式1)-0.12x+23.0≧y>-0.12x+6.8の関係を満たし、xが0.5重量%以上56.0重量%以下、yが0.1重量%以上であるので、裏抜け抑制と耐ペン先乾燥性を両立できた。
実施例10および45の塗布具は、実施例9および44の塗布具と比較して、ワックス粒子が酸化ポリエチレンワックス粒子であることで裏抜け抑制効果が一層向上することができた。
実施例49および54の塗布具は、実施例46および53の塗布具と比較して、着色樹脂粒子と着色樹脂粒子に対して平均粒子径が33%以上67%以下であることで裏抜け抑制効果が一層向上することができた。
実施例55~58の塗布具は、実施例28、30~32の塗布具と比較して、(式2)-0.12x+15.0≧y>-0.12x+8.0の関係を満たし、xが0.5重量%以上56.0重量%以下、yが0.1重量%以上であるので、裏抜け抑制と耐ペン先乾燥性を一層向上できた。
また、実施例23および43および58の塗布具を比較して、(式2)-0.12x+15.0≧y>-0.12x+8.0の関係を満たし、xが0.5重量%以上56.0重量%以下、yが0.1重量%以上であるので、裏抜け抑制と耐ペン先乾燥性を一層向上できた。
実施例22および48の塗布具は、実施例21および47の塗布具と比較して、水溶性有機溶剤にジエチレングリコール、トリエチレングリコールの内少なくとも1つ以上含むことで、速乾性と耐ペン先乾燥性を一層向上することができた。
実施例16および52の塗布具は、実施例15および51の塗布具と比較して、水溶性有機溶剤にジエチレングリコール、トリエチレングリコールの内少なくとも1つ以上含み、更にスルホランを併用することで、速乾性を一層向上することができた。
実施例31および50の塗布具は、実施例30および49の塗布具と比較してグリシンを含むことで、速乾性を維持したまま、耐ペン先乾燥性を一層向上することができた。
比較例2、3、4の塗布具は着色剤が一般顔料であったり、染料であったりすることからノートのような薄い紙では筆跡の裏抜け抑制が十分満足できるものではなかった。
比較例5の塗布具は着色剤としてワックスに着色剤を含有した粒子を用いているが、着色剤樹脂粒子とワックス粒子を併用していないので裏抜け抑制効果を満足できていない。
比較例6の塗布具はワックス粒子の平均粒子径が着色樹脂粒子よりも大きいため、着色樹脂粒子が紙内部に先に浸透してしまうため裏移り抑制効果を満足できていない。
比較例7~9の塗布具はワックス粒子以外の粒子を用いているが、ノートのような薄い紙に筆記すると裏移り抑制効果を発揮することができなかった。
比較例10、11の塗布具は繊維集束体以外の方法で塗布しているため、紙面に水性インキを塗付した際に着色樹脂粒子とワックス粒子の移動速度の差が生じることがないため、着色樹脂粒子とワックス粒子が均等に紙面に塗付されるため着色樹脂粒子が紙に浸透しやすく裏抜けが発生しやすくなってしまった。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
Claims (4)
- 着色樹脂粒子と、着色樹脂粒子の平均粒子径に対して平均粒子径が5%以上95%以下のワックス粒子とを少なくとも含む水性インキと、塗布先として繊維集束体を備え、
前記ワックス粒子は、石油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、または、合成炭化水素系ワックス、あるいは、これらの2種以上の混合物であり、
前記合成炭化水素系ワックスは、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、または、これらの誘導体である
塗布具。 - 着色樹脂粒子と、着色樹脂粒子の平均粒子径に対して平均粒子径が5%以上95%以下のワックス粒子とを少なくとも含む水性インキと、塗布先として繊維集束体を備え、
前記着色樹脂粒子の平均粒子径が0.01μm以上1μm以下であり、前記ワックス粒子の平均粒子径が0.005μm以上である塗布具。 - 前記着色樹脂粒子の添加量をx重量%、前記ワックス粒子の添加量をy重量%としたとき、(式1)-0.12x+23.0≧y>-0.12x+6.8を満たし、xが0.5重量%以上56.0重量%以下、yが0.1重量%以上である請求項1又は請求項2に記載の塗布具。
- 前記繊維集束体が、太さが0.5デニール以上50デニール以下の繊維から少なくとも構成され、空孔率が20%以上80%以下である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗布具。
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