JP7202999B2 - 身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム - Google Patents

身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム Download PDF

Info

Publication number
JP7202999B2
JP7202999B2 JP2019204646A JP2019204646A JP7202999B2 JP 7202999 B2 JP7202999 B2 JP 7202999B2 JP 2019204646 A JP2019204646 A JP 2019204646A JP 2019204646 A JP2019204646 A JP 2019204646A JP 7202999 B2 JP7202999 B2 JP 7202999B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gravity
center
subject
excretion
trajectory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019204646A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021074379A5 (ja
JP2021074379A (ja
Inventor
清 大森
信貴 清水
匡信 藤井
敦史 田坂
雄介 秀島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MinebeaMitsumi Inc
Original Assignee
MinebeaMitsumi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MinebeaMitsumi Inc filed Critical MinebeaMitsumi Inc
Priority to JP2019204646A priority Critical patent/JP7202999B2/ja
Priority to PCT/JP2020/033610 priority patent/WO2021095332A1/ja
Publication of JP2021074379A publication Critical patent/JP2021074379A/ja
Publication of JP2021074379A5 publication Critical patent/JP2021074379A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7202999B2 publication Critical patent/JP7202999B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F5/00Orthopaedic methods or devices for non-surgical treatment of bones or joints; Nursing devices; Anti-rape devices
    • A61F5/44Devices worn by the patient for reception of urine, faeces, catamenial or other discharge; Portable urination aids; Colostomy devices
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61GTRANSPORT, PERSONAL CONVEYANCES, OR ACCOMMODATION SPECIALLY ADAPTED FOR PATIENTS OR DISABLED PERSONS; OPERATING TABLES OR CHAIRS; CHAIRS FOR DENTISTRY; FUNERAL DEVICES
    • A61G7/00Beds specially adapted for nursing; Devices for lifting patients or disabled persons
    • A61G7/047Beds for special sanitary purposes, e.g. for giving enemas, irrigations, flushings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61GTRANSPORT, PERSONAL CONVEYANCES, OR ACCOMMODATION SPECIALLY ADAPTED FOR PATIENTS OR DISABLED PERSONS; OPERATING TABLES OR CHAIRS; CHAIRS FOR DENTISTRY; FUNERAL DEVICES
    • A61G7/00Beds specially adapted for nursing; Devices for lifting patients or disabled persons
    • A61G7/05Parts, details or accessories of beds

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nursing (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Invalid Beds And Related Equipment (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

本発明は、身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステムに関する。
病院の入院患者の看護や、介護施設の入所者の介護においては、患者や要介護者がおむつを着用している場合もある。また、おむつの中に***があったことを検知して適切なタイミングでおむつ交換を行うことを可能とすべく、特許文献1や特許文献2に記載のシステムが提案されている。
特許文献1には、被験者の***の有無を、ベッドに加えられる荷重に基づいて求めた全体重心の位置と、ベッドに加えられる荷重から分離した呼吸成分(被験者の呼吸に応じて振動する成分)に基づいて求めた呼吸重心の位置との比較に基づいて判定する身体状態モニタリングシステムが記載されている。
特許文献2には、被介護者等が載置される載置台からガス経路を介して吸引されたガスの湿度変化に基づいて、被介護者等の***を検知する***検知システムが記載されている。
特開2018-19763号 特開2013-78566号
患者や被介護者等に***があった場合にこれを適切に検知できなければ、患者や被介護者等は、例えばおむつが汚れた状態のまま放置されてしまう恐れがある。反対に、患者や被介護者等に***がない場合に***があったとの誤検知がなされれば、患者や被介護者等への不要なアクセスが増え、患者や被介護者等にとって煩わしいばかりでなく、医療従事者、介護従事者等に不要な負担をかけることになる。
したがって、患者や被介護者等に***があったことの適切な検知を可能として、必要な処置、例えばおむつ交換等を適切なタイミングで行うことを可能とすることが望まれている。これにより、患者や被介護者等のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させることができ、同時に医療従事者、介護従事者等の負担も軽減できる。
上記に鑑み、本発明は、被験者に***があったことをより高い精度で検知することのできる身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、
ベッド上の被験者の身体状態をモニタする身体状態モニタリングシステムであって、
ベッド又はベッドの脚下に設けられて前記被験者の荷重を検出する複数の荷重検出器と、
前記検出された荷重に基づいて前記被験者の重心位置の時間的変動を求める重心位置算出部と、
所定時間内に移動する前記重心位置の移動距離に基づいて、前記重心位置の時間的変動から前記被験者の呼吸とは異なる大きな体動に応じて変動する大きな体動成分を決定し、前記重心位置の時間的変動から該大きな体動成分を除去する大きな体動成分除去部と、
前記重心位置の移動方向に基づいて、前記重心位置の時間的変動から前記被験者の呼吸とは異なる小さな体動に応じて変動する小さな体動成分を決定し、前記重心位置の時間的変動から該小さな体動成分を除去する小さな体動成分除去部と、
前記大きな体動成分と前記小さな体動成分とが除去された前記重心位置の時間的変動に基づいて前記被験者による***の有無を判定する***判定部とを備える身体状態モニタリングシステムが提供される。
第1の態様の身体状態モニタリングシステムは、前記重心位置の移動距離に基づいて、前記大きな体動成分と前記小さな体動成分とが除去された前記重心位置の時間的変動から前記被験者の***に応じて変動する***成分を特定する***成分特定部を更に備えてもよい。
第1の態様の身体状態モニタリングシステムは、前記検出された荷重の時間的変動の周波数に基づいて、前記大きな体動成分と前記小さな体動成分とが除去された前記重心位置の時間的変動から前記被験者の***に応じて変動する***成分を特定する***成分特定部を更に備えてもよい。
第1の態様の身体状態モニタリングシステムは、前記ベッドに設けられて前記ベッド上の湿度を検出する湿度センサを更に備えてもよく、前記***判定部は、前記大きな体動成分と前記小さな体動成分とが除去された前記重心位置の時間的変動と、前記湿度センサの検出値とに基づいて前記被験者による***の有無を判定してもよい。
第1の態様の身体状態モニタリングシステムにおいて、前記***判定部は、前記被験者の***により前記重心位置が変動した後、所定の期間内に前記湿度センサの検出値が上昇した場合に、前記被験者による***があったと判定してもよい。
本発明の第2の態様に従えば、
ベッド上の被験者の身体状態をモニタする身体状態モニタリングシステムであって、
ベッド又はベッドの脚下に設けられて前記被験者の荷重を検出する複数の荷重検出器と、
前記検出された荷重に基づいて前記被験者の重心位置の時間的変動を求める重心位置算出部と、
前記被験者の重心位置の時間的変動に基づいて前記被験者の体幹の移動を伴う大きな体動の有無を判定する体動判定部と、
前記ベッドに設けられて前記ベッド上の湿度を検出する湿度検出器と、
前記体動判定部の判定結果と前記湿度検出器の検出値とに基づいて前記被験者における***の有無を判定する***判定部とを備える身体状態モニタリングシステムが提供される。
第2の態様の身体状態モニタリングシステムにおいて、前記***判定部は、前記湿度センサの検出値が上昇し、且つ該検出値の上昇が生じた時点から遡った所定の期間内に前記被験者に大きな体動が生じていない場合に、前記被験者による***があったと判定してもよい。
第1又は第2の態様の身体状態モニタリングシステムにおいて、前記複数の荷重検出器は、前記ベッドの四隅に設けられた四つの脚部の下にそれぞれが設置される4つの荷重検出器であってもよい。
本発明の第3の態様に従えば、
ベッドと、
第1の態様又は第2の態様の身体状態モニタリングシステムとを備えるベッドシステムが提供される。
本発明の身体状態モニタリングシステム及びベッドシステムによれば、被験者に***があったことをより高い精度で検知することができる。
図1は、本発明の第1、第2実施形態に係る身体状態モニタリングシステムの構成を示すブロック図である。 図2は、荷重検出器及び湿度検出器のベッドに対する配置を示す説明図である。 図3は、身体状態モニタリングシステムを用いた身体状態のモニタリング方法の手順を示すフローチャートである。 図4は、湿度センサによる検出結果の一例を示すグラフである。 図5は、本発明の第1実施形態に係る身体状態モニタリングシステムが備える***判定部の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る身体状態モニタリングシステムが行う***判定工程の手順を示すフローチャートである。 図7(a)は被験者の重心軌跡の一例を示し、図7(b)は図7(a)に示す重心軌跡を低いサンプリング周波数に変換することにより得られる重心軌跡を示す。 図8(a)、図8(b)、図8(c)は、図7(a)に示すベッド上での被験者の重心軌跡から、大きな体動軌跡を取り除いた軌跡を示す。 図9は動きベクトルの解析により小さな体動軌跡を特定する方法を説明する説明図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係る身体状態モニタリングシステムが備える***判定部の構成を示すブロック図である。 図11は、本発明の第2実施形態に係る身体状態モニタリングシステムが行う***判定工程の手順を示すフローチャートである。 図12は、動きベクトルの移動方向を判断する方法を説明する説明図である。 図13は、変形例に係るベッドシステムの全体構成を示すブロック図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100(図1)について、これをベッドBD(図2)と共に使用して、ベッドBD上の被験者Sの身体状態、主に***の有無をモニタする場合を例として説明する。
図1に示す通り、第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100は、荷重検出部1、湿度検出部2、制御部4、記憶部5を主に有する。荷重検出部1及び湿度検出部2と制御部4とは、A/D変換部3を介して接続されている。制御部4には更に表示部6、報知部7、入力部8が接続されている。
荷重検出部1は、4つの荷重検出器11、12、13、14を備える(図2)。荷重検出器11、12、13、14のそれぞれは、例えばビーム形のロードセルを用いて荷重を検出する荷重検出器である。このような荷重検出器は例えば、特許第4829020号や特許第4002905号に記載されている。荷重検出器11、12、13、14はそれぞれ、配線又は無線によりA/D変換部3に接続されている。
図2に示す通り、荷重検出部1の4つの荷重検出器11~14は、被験者Sが使用するベッドBDの四隅の脚BL、BL、BL、BLの下端部に取り付けられたキャスターC、C、C、Cの下にそれぞれ配置される。
湿度検出部2は、6つの湿度センサ2a、2b、2c、2d、2e、2fを備える(図2)。6つの湿度センサ2a~2fの各々は、電気抵抗式、静電容量式などのセンサチップとし得る。
6つの湿度センサ2a~2fは、ベッドBDの長さ方向(X方向)の中央部の一方側且つ幅方向(Y方向)の中央部、即ち、長さ方向に沿ってベッドBD上に横たわる被験者の臀部近傍の領域に、マトリックス状に配置されている。長さ方向に隣接する2つの湿度センサの間の距離、及び幅方向に隣接する2つの湿度センサの間の距離は、一例として30~100mm程度とし得る。
本実施形態では6つの湿度センサ2a~2fが、長さ方向に2行、幅方向に3列の2×3のマトリックス状に配置されているが、湿度検出部2が備える湿度センサの数及び配置は任意であり、湿度検出(詳細後述)に適した任意の数及び配置とし得る。
6つの湿度センサ2a~2fはそれぞれ、被験者Sが着用したおむつから放出される水分による湿度変化を検出できるように配置されており、具体的には例えばシーツの下側に配置されている。6つの湿度センサ2a~2fの各々は、配線又は無線によりA/D変換部3に接続されている。6つの湿度センサ2a~2fをシート状のベースの上に一体に配置した湿度検出シートを湿度検出部2として用いて、これをシーツの下に引いてもよい。
A/D変換部3は、荷重検出部1及び湿度検出部2からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を備え、荷重検出部1、湿度検出部2、及び制御部4にそれぞれ配線又は無線で接続されている。
制御部4は、専用又は汎用のコンピュータであり、内部に重心位置算出部41、及び***判定部42が構築されている。
記憶部5は、身体状態モニタリングシステム100において使用されるデータを記憶する記憶装置であり、例えばハードディスク(磁気ディスク)を用いることができる。
表示部6は、制御部4から出力される情報を身体状態モニタリングシステム100の使用者に表示する液晶モニタ等の画像表示装置である。
報知部7は、制御部4からの情報に基づいて所定の報知を聴覚的に行う装置、例えばスピーカを備える。
入力部8は、制御部4に対して所定の入力を行うためのインターフェイスであり、キーボード及びマウスにし得る。
このような身体状態モニタリングシステム100を使用して、ベッド上の被験者の身体状態(主に***の有無)をモニタする動作について説明する。
身体状態モニタリングシステム100を使用した被験者の身体状態のモニタは、図3のフローチャートに示す通り、被験者の荷重を検出する荷重検出工程S1と、検出した荷重(荷重値)に基づいて被験者の重心位置、及び該重心位置の時間的変動の軌跡(重心軌跡)を算出する重心軌跡算出工程S2と、ベッド上の湿度を検出する湿度検出工程S3と、重心軌跡算出工程S2において算出した被験者の重心軌跡と湿度検出工程S3において検出したベッド上の湿度とに基づいて被験者に***があったか否かを判定する***判定工程S4と、***判定工程S4の判定結果を表示する表示工程S5とを含む。
[荷重検出工程]
荷重検出工程S1では、荷重検出器11、12、13、14を用いてベッドBD上の被験者Sの荷重を検出する。ベッドBD上の被験者Sの荷重は、ベッドBDの四隅の脚BL~BLの下に配置された荷重検出器11~14に分散して付与され、これらによって分散して検出される。なお、ここでは、ベッドBDの重量は風袋引きされているものとするが、風袋引きは必須ではない。
荷重検出器11~14はそれぞれ、荷重(荷重変化)を検出してアナログ信号としてA/D変換部3に出力する。A/D変換部3は、サンプリング周期を例えば5ミリ秒として、アナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号(以下「荷重信号」)として制御部4に出力する。以下では、荷重検出器11、12、13、14から出力されたアナログ信号をA/D変換部3においてデジタル変換して得られる荷重信号を、それぞれ荷重信号s、s、s、sと呼ぶ。
[重心軌跡算出工程]
重心軌跡算出工程S2では、重心位置算出部41が、荷重検出器11~14からの荷重信号s~sに基づいてベッドBD上の被験者Sの重心Gの位置G(X、Y)を所定の周期T(例えば上記のサンプリング周期である5ミリ秒に等しい)で算出し、被験者Sの重心Gの位置の時間的変動(重心軌跡GT)を求める。ここで、(X、Y)は、ベッドBDの中心部を原点Oとして長さ方向にXを、幅方向にYを取ったXY座標面上における座標を示す(図2)。
重心位置算出部41による重心Gの位置G(X、Y)の算出は、次の演算により行われる。すなわちG(X、Y)は、荷重検出器11、12、13、14の座標をそれぞれ(X11、Y11)、(X12、Y12)、(X13、Y13)、(X14、Y14)、荷重検出器11、12、13、14の荷重の検出値をそれぞれW11、W12、W13、W14として、次式により算出される。
Figure 0007202999000001
Figure 0007202999000002
重心位置算出部41は、上記の数式1、数式2に基づいて重心Gの位置G(X、Y)を所定のサンプリング周期Tで算出しながら、重心Gの位置G(X、Y)の時間的変動、即ち重心軌跡GTを求め、例えば記憶部5に記憶させる。
[湿度検出工程]
湿度検出工程S3では、湿度検出部2の6つの湿度センサ2a~2fを用いて、ベッドBD上の湿度を検出する。6つの湿度センサ2a~2fの各々は、湿度(湿度変化)を検出してアナログ信号としてA/D変換部3に出力する。A/D変換部3は、サンプリング周期を例えば5ミリ秒として、アナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号(以下「湿度信号」)として制御部4に出力する。以下では、湿度センサ2a、2b、2c、2d、2e、2fから出力されたアナログ信号をA/D変換部3においてデジタル変換して得られる湿度信号を、それぞれ湿度信号sa、sb、sc、sd、se、sfと呼ぶ。制御部4は受け取った湿度信号sa~sfを記憶部5に記憶させる。
図2に示す状態において、おむつを着用した被験者Sが時刻t(図4)に排尿を行った場合、被験者Sの尿を吸収したおむつは周囲に水分を放出する。これにより、時刻tよりも少し遅れた(一例として60秒程度遅れた)時刻tから、被験者Sの股間近くに配置された湿度センサ2b、2eからの湿度信号sb、seが上昇を始める。一方で、被験者Sの股間から離れた位置に配置された湿度センサ2a、2c、2d、2fからの湿度信号sa、sc、sd、sfには大きな変化は見られない。
[***判定工程]
***判定工程S4では、***判定部42が、重心軌跡算出工程S2において算出した重心軌跡GTと、湿度検出工程S3において検出したベッド上の湿度とに基づいて、被験者Sによる***の有無、即ち被験者Sが***行為を行ったか否かを判定する。
***判定部42における被験者による***の有無の判定は、次の原理に基づいて行われる。
特開2018-126423号に記載の通り、被験者Sの生体活動は「大きな体動」、「小さな体動」、及び「呼吸」に分類することができる。大きな体動に応じた重心Gの位置の時間的変動の軌跡(以下「大きな体動軌跡」と呼ぶ)、小さな体動に応じた重心Gの位置の時間的変動の軌跡(以下「小さな体動軌跡」と呼ぶ)、及び呼吸に応じた重心Gの位置の時間的変動の軌跡(以下「呼吸振動軌跡」と呼ぶ)はそれぞれ異なる特徴を示す。
本明細書及び本発明において、「大きな体動」とは、被験者の体動のうち胴体部(体幹)の移動を伴う比較的大きなものを意味し、具体的には例えば、寝返りや起き上がり等である。被験者に大きな体動が生じた時には、一般的に、被験者の体軸の向き(被験者の背骨の延びる向き)が変化する。
大きな体動を重心Gの位置の時間的変動の様子という観点でとらえると、一般的に大きな体動は、所定期間内に生じる所定距離以上の比較的長い距離の重心Gの移動、例えば重心Gの比較的高速度での移動を生じる体動である。そのため例えば、所定期間PPに所定距離PD1を越える重心移動を生じる体動、及び/又は所定値V1を越える速度での重心移動を生じる体動を大きな体動と定義することができる。あるいは、小さな体動により生じる重心Gの位置の時間的変動との相違に基づき、例えば、単位時間内に、小さな体動による重心Gの移動距離と比較して、所定倍程度よりも大きく重心Gを移動させる体動を大きな体動と定義することもできる。大きな体動軌跡は、このような重心Gの移動の軌跡である。
本明細書及び本発明において、「小さな体動」とは、被験者の体動のうち胴体部(体幹)の移動を伴わない比較的小さいものを意味し、具体的には例えば、手足や頭部のみの運動等である。
小さな体動を重心Gの位置の時間的変動の様子という観点でとらえると、一般的に小さな体動は、単位時間内の比較的短い距離の重心Gの移動、例えば重心Gの比較的低速度での移動を生じる体動である。そのため例えば、所定期間PPに所定距離PD2(<PD1)程度の重心移動を生じる体動及び/又は、移動速度が所定値V2(<V1)程度の重心移動を生じる体動を小さな体動と定義することができる。
また、小さな体動を、所定期間PPに所定距離PD2程度の重心移動を生じ又は移動速度が所定値V2程度であり、且つ周期性を有さず、被験者Sの体軸方向とは異なる方向に向かう重心移動を生じる体動を小さな体動と定義してもよい。小さな体動軌跡は、このような重心Gの移動の軌跡である。
呼吸に応じた重心Gの位置の時間的変動の様子は次の通りである。人間の呼吸は胸郭及び横隔膜を移動させて、肺を膨張及び収縮させることにより行われる。ここで吸気時、すなわち肺が膨張する時には横隔膜は下方に下がり、内臓も下方に移動する。一方で呼気時、すなわち肺が収縮する時には横隔膜は上方に上がり、内臓も上方に移動する。本出願人に発行された特許第6,105,703号に記載の通り、呼吸はこの内臓の上下移動に伴うために、呼吸により重心Gが被験者の上下方向(背骨の方向)即ち体軸方向にほぼ沿って振動する。したがって、体軸方向の重心の振動として現れる呼吸と、体軸方向とは異なる方向の重心の移動として現れる小さな体動とは区別できる。
本発明の発明者は、ベッド上における被験者の重心移動を更に詳細に検討し、被験者の体動及び呼吸に応じた上記の重心移動のほか、被験者が排尿行為を行った場合にも特徴的な重心移動が観察できることを見出した。
具体的には、ベッドの長手方向に体軸を一致させた状態でベッド上に横たわっている被験者がおむつへと排尿を行うと、排尿に合わせて、被験者の重心が、被験者の体軸方向に沿って比較的低い速度V3(<V2)で、被験者の足側へと移動する。これは、所定の重量を有する被験者の尿が、排尿により、被験者の足側に移動するためである。また、被験者が排便を行った場合も同様に、被験者の重心が、被験者の体軸方向に沿って比較的低い速度V4(<V2)で、被験者の足側へと移動する。本発明及び本明細書では、このような重心Gの移動の軌跡を、「***軌跡」と呼ぶ。
ここで、第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100は、被験者Sの重心の位置を、被験者の衣服やおむつも含めた重量の重心の位置として算出している。したがって、おむつ内に***された尿や便(即ち、被験者Sの体外に排出された尿や便)も、被験者Sの体内に存在していた場合と同様に、被験者Sの重心位置の算出に影響を及ぼす。
第1実施形態の***判定部42は、大きな体動軌跡、小さな体動軌跡、呼吸振動軌跡が、上記の通り異なる特徴を有することに基づき、被験者の重心軌跡中の大きな体動軌跡、小さな体動軌跡、及び呼吸振動軌跡を特定し、***軌跡を特定する。その後、ベッド上の湿度上昇の有無を確認し、湿度上昇の存在が確認された場合に被験者に***があったと判定する。
***判定部42が、上記の原理に基づいて被験者Sによる***の有無を判定する方法の具体例は次の通りである。
***判定部42は、図5に示す通り、記憶部5から被験者Sの重心軌跡を取り出す重心軌跡取得部420と、取り出した重心軌跡に含まれる被験者Sの大きな体動軌跡を特定して除去する大きな体動軌跡決定部(大きな体動成分除去部、体動判定部)421と、取り出した重心軌跡GTに含まれる被験者Sの小さな体動軌跡を特定して除去する小さな体動軌跡決定部(小さな体動成分除去部)422と、大きな体動軌跡及び小さな体動軌跡が除去された重心軌跡GTを呼吸振動軌跡と***軌跡とに区別する呼吸振動軌跡/***軌跡決定部(***成分特定部)423と、記憶部5からベッド上の湿度情報を取り出す湿度情報取得部424と、湿度情報と重心軌跡GTに含まれる被験者Sの***軌跡とに基づいて被験者による***の有無を判定する判定部425とを備える。
***判定部42が実行する***判定工程S4は、図6に示す通り、大きな体動決定工程S41と、小さな体動決定工程S42と、呼吸振動軌跡/***軌跡決定工程S43と、判定工程S44とを含む。
[大きな体動決定工程]
大きな体動決定工程S41においては、まず、重心軌跡取得部420を用いて所定期間における被験者Sの重心軌跡GTを記憶部5から取り出す。取り出される重心軌跡GTの一例は図7(a)に示す通りである。
図7(a)に示す重心軌跡GTは、被験者Sが大きな体動(寝返り等)によりベッド上を左右方向に一往復していることを示している。また、大きな体動が生じていない期間(以下、「安定***期間」と呼ぶ)において、被験者Sの重心Gが、領域A、B、C内でそれぞれ移動する様子を示している。領域A、B、C内での重心Gの移動は、被験者Sの小さな体動、呼吸、及び***に起因して生じている。
***判定部42は、次いで、大きな体動軌跡決定部421を用いて、重心軌跡GTから被験者Sの大きな体動軌跡を特定する。大きな体動軌跡決定部421は、各サンプリング時刻における重心Gの位置を解析し、「大きな体動」の定義に基づき適宜大きな体動に応じた重心Gの移動の軌跡(大きな体動軌跡)を特定することができる。具体的には例えば、重心Gが、所定時間内に所定距離を越えて移動している場合に、この移動の軌跡が大きな体動軌跡であると特定する。
大きな体動軌跡決定部421は、重心Gが所定時間内に所定距離を越えて移動したか否かを、次の方法を用いて判断する。まず、図7(a)に示す重心軌跡GTを、より低いサンプリング周波数に変換した重心軌跡GT1に変換する(図7(b))。より低いサンプリング周波数への変換は、サンプリング周期5ミリ秒で取得されている重心位置Gのデータを間引いたり、移動平均処理を施すことによって行うことができる。又は重心軌跡GTを周波数分解してローパスフィルタにより所定の低周波数成分を取り出すことによっても行うことができる。
なお、低いサンプリング周波数は、大きい体動を抽出するのに十分な程度に短い周期(大きい周波数)であり、且つ小さな体動や呼吸等の他の要因による重心の変動の影響を受けない程度に長い周期(小さい周波数)とすることが望ましい。
図7(b)において、点A1と点B1との間の軌跡は、例えば、右方向に、所定時間内に所定距離を越えて移動している。従って大きな体動軌跡決定部421は、この区間における軌跡を大きな体動軌跡であると特定する。同様に、点B2と点C1との間の軌跡も、例えば、左方向に、所定時間内に所定距離を越えて移動している。従って大きな体動軌跡決定部421は、この区間における軌跡を大きな体動軌跡であると特定する。
大きな体動軌跡決定部421は、大きな体動軌跡を特定した後、重心軌跡GTから大きな体動軌跡を除去し、大きな体動軌跡が除去された重心軌跡GTを小さな体動軌跡決定部422に送る。図7(a)に示す重心軌跡GTから、大きな体動軌跡を除去したものを図8(a)~図8(c)に示す。図8(a)は図7(a)の領域Aにおける重心軌跡GT、図8(b)は図7(a)の領域Bにおける重心軌跡GT、図8(c)は図7(a)の領域Cにおける重心軌跡GTである。これらはそれぞれ、安定***期間における重心軌跡GTに相当する。
[小さな体動決定工程]
続く小さな体動決定工程S42において、***判定部42は、小さな体動軌跡決定部422を用いて、大きな体動軌跡が除去された重心軌跡GTに含まれる小さな体動軌跡を特定する。具体的な工程を、領域Cの重心軌跡GT(図8(c))を小さな体動軌跡と呼吸振動軌跡とに分離する工程を例に説明する。
図8(c)において、重心軌跡GTは、呼吸による重心Gの振動を表す部分gt1、gt3、gt5と、小さな体動による重心Gの移動を表す部分gt2と、排尿による重心Gの移動を表す部分gt4とを含んでいる。呼吸による重心Gの移動を表す部分gt1、gt3、gt5は周期的な振動を示している。なお、部分gt1、gt3、gt5の振動軌跡は、実際には振動方向に沿った一軸上に重複して現れているが、図8(c)においては、説明のため、体軸方向に直交する方向にずらして描いている。図8(a)、図8(b)、図9においても同様である。
小さな体動による重心Gの移動を表す部分gt2は、体軸方向とは異なる方向に延びる軌跡であり、排尿による重心Gの移動を表す部分gt4は体軸方向に延びる軌跡である。
したがって、小さな体動軌跡決定部422は、一例として、外れ値除去の方法により被験者Sの小さな体動軌跡を特定することができる。
具体的には、図8(c)に示す重心軌跡が、図9のように、v~v48までの48個の動きベクトルを含んでいるものとする。小さな体動軌跡決定部422はまず、これらの48個の動きベクトルから最頻値ベクトルvの向きを求める。動きベクトルv~v48はそれぞれ向きを有するが、図9に示されるように、動きベクトルv~v48の多くは、それぞれ互いに同一の向きを有している。最頻値ベクトルvの向きは、動きベクトルv~v48の向きのうち、最も多く表れる向きに等しく、図9から明らかなように動きベクトルv~v11、v15~v48のいずれかの向きに等しい(上述の通り、これらの動きベクトルは、図示の都合上互いに対して傾いているが、実際はいずれもがほぼ体軸方向に沿っている)。
次に、小さな体動軌跡決定部422は、動きベクトルv~v48の内、自らの向きと最頻値ベクトルvの向き(又は最頻値ベクトルvに対して180°の角度を有する向き)との間の相違が一定の閾値以下の動きベクトルを多数派ベクトルとみなし、自らの向きと最頻値ベクトルvの向き(及び最頻値ベクトルvに対して180°の角度を有する向き)との間の相違が一定の閾値よりも大きい動きベクトルを少数派ベクトルとみなす。具体的には、被験者Sの体軸方向にほぼ沿った向きを有する動きベクトルv~v11、v15~v48を多数派ベクトルとみなし、その他の動きベクトルv12~v14を少数派ベクトルとみなし、抽出する。このように抽出された少数派ベクトルにより表される軌跡が、小さな体動軌跡に相当する。
小さな体動軌跡決定部422は、小さな体動軌跡を決定した後、重心軌跡GTから小さな体動軌跡を除去し、小さな体動軌跡が除去された重心軌跡GTを呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423に送る。
[呼吸振動軌跡/***軌跡決定工程]
続く呼吸振動軌跡/***軌跡決定工程S43において、呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423は、大きな体動軌跡及び小さな体動軌跡が取り除かれた重心軌跡GTを、呼吸振動軌跡と***軌跡とに区別する。呼吸振動軌跡と***軌跡との区別は、具体的には例えば、重心Gの、同一方向又は略同一方向に沿った所定距離以上の直線移動を特定することにより行う。
具体的には以下の手順による。呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423は、小さな体動軌跡決定部422より、小さな体動軌跡が除去された重心軌跡GTを受け取る。受け取られる重心軌跡GTは例えば、図9の重心軌跡GTにおいて、動きベクトルv12~v14が除去された軌跡である。
呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423は、受け取った重心軌跡GTを解析して、重心Gが、同一方向又は略同一方向に沿って所定距離以上の直線移動を行う領域を特定する。この特定は例えば、向きが同一又は略同一の動きベクトルが、所定数を超えて連続して生じる領域を特定することにより行う。或いは、大きな体動軌跡決定部421と同様に、各サンプリング時刻における重心Gの位置を参照して、重心Gが、同一方向又は略同一方向に沿って所定距離以上の直線移動を行う領域を特定してもよい。
呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423は、重心Gが同一方向又は略同一方向に沿って所定距離以上の直線移動を行う領域を特定した後、当該領域における重心Gの移動の軌跡を***軌跡であると決定し、その他の領域を呼吸振動軌跡であると決定する。
判定工程S44においては、判定部425が次の手順により被験者Sによる***の有無を判定する。
判定部425は、まず、呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423が***軌跡を特定した場合に、***軌跡フラグを立てる。次いで、湿度情報取得部424を介して記憶部5から取得する湿度信号sa~sfを参照し、***軌跡フラグを立てた後の所定の期間(一例として60秒程度)の内に湿度信号sa~sfの少なくとも1つが所定値を超えて上昇した場合に、被験者Sに***があったと判定する。
一方で判定部425は、***軌跡フラグを立てた後の所定期間内に、湿度信号sa~sfのいずれにおいても所定値を超える上昇が生じない場合は、被験者Sに***があったとの判定は行わない。そして所定期間経過後に***軌跡フラグを下げる。
このように、判定部425は、***軌跡が特定されたことに基づいて被験者Sによる***があったと推定し、推定後の所定期間内に、***に伴う湿度上昇が確認された場合にのみ、被験者Sによる***があったと判定する。一方で、***軌跡の特定に基づいて被験者Sによる***があったと推定した場合も、推定後の所定期間内に***に伴う湿度上昇が確認されない場合には、被験者Sによる***があったとの判定は行わない。
<表示工程>
表示工程S5では、***判定部42が判定した被験者Sによる***の有無をモニタに表示する。使用者は、モニタを目視することで、被験者Sに***があったか否か、換言すれば被験者Sのおむつ交換が必要であるか否かを容易に確認することができる。
身体状態モニタリングシステム100の使用者は、被験者Sによる***があった場合に報知部7により報知がなされるよう設定することもできる。
第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100の効果を以下にまとめる。
第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100は、***に応じて生じる重心位置の特徴的な移動が特定されたことと、***に応じた湿度上昇が生じたこととの両方に基づいて、被験者Sによる***の有無を判定しているため、被験者による***の有無の判定を、非常に高い精度で行うことができる。
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態の身体情報モニタリングシステム100において、次の変形態様を採用することもできる。
第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100においては、***軌跡が特定され且つ、その後の所定期間内に湿度上昇が検知された場合に、被験者Sに***があったと判定している。しかしながらこれには限られず、湿度上昇の有無を考慮することなく、被験者Sの***軌跡が特定されたことのみに基づいて被験者Sに***があったと判定してもよい。このような判定を行うシステムにおいては、湿度検出部2等の、湿度検出に関連する構成は省略してもよい。
ベッド上の被験者の体動や呼吸により、***軌跡のような、被験者の体軸方向に沿った重心Gの移動が生じる可能性は、ゼロではないまでも高くはない。したがって、***軌跡の特定のみに基づいて被験者による***の有無を判定する態様であっても、判定の精度は十分に高い。
第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100においては、***判定部42が呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423を備え、***軌跡を明示的に特定した上で被験者Sの***の有無を判定しているがこれには限られない。判定部425は、大きな体動軌跡及び小さな体動軌跡が除去された重心軌跡に基づいて、具体的には例えば当該軌跡が軸方向に所定値を越える広がりを有していること(即ち、当該軌跡が***軌跡を含むことを示す)に基づいて、明示的に***軌跡を特定することなく***フラグを立ててもよい。
第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100において、小さな体動軌跡決定部422や呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423を、被験者Sの呼吸振動軌跡の振動方向(例えば最頻値ベクトルvの方向)に基づいて、当該方向を被験者Sの体軸の延びる方向であると決定する体軸方向決定部として機能させてもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態の身体状態モニタリングシステム200(図1)について、第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100との相違点を中心に説明する。
第2実施形態の身体状態モニタリングシステム200は、***判定部42の内部構成、及び***判定部42により実行される***判定工程S4の内容が第1実施形態とは異なる点を除いては、第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100と同一である。
第2実施形態の身体状態モニタリングシステム200の***判定部42は、図10に示す通り、湿度情報取得部426、重心軌跡取得部427、大きな体動軌跡決定部428、判定部429を備える。
第2実施形態の身体状態モニタリングシステム200の***判定部42により実行される***判定工程S4は、図11に示す通り、湿度情報取得工程S46、大きな体動決定工程S47、判定工程S48を含む。
[湿度情報取得工程S46]
湿度情報取得工程S46においては、判定部429が、湿度情報取得部426を介して記憶部5から湿度信号sa~sfを常時取得する。判定部429は、湿度信号sa~sfの少なくとも一つに所定値を越える上昇があった場合に、湿度フラグを立てる。
[大きな体動決定工程S47]
大きな体動決定工程S47においては、大きな体動軌跡決定部428が、重心軌跡取得部427を介して記憶部5から取得される被験者Sの重心軌跡に含まれる大きな体動軌跡を特定する。大きな体動軌跡の特定は例えば、第1実施形態と同様の手順で特定される。大きな体動軌跡の特定は常時行われてもよく、後述する湿度フラグが立てられた場合にのみ行われてもよい。
[判定工程S48]
判定工程S48は、湿度情報取得工程S46において、湿度フラグが立てられた場合に行われる。この場合、判定部429は、湿度フラグが立てられた時刻から遡った所定期間の内に、大きな体動軌跡の特定がなされていたか否かを確認する。
判定部429は、湿度フラグを立てた時刻から遡った所定期間(一例として60秒程度の期間)の内に大きな体動軌跡の特定がなされていない場合には、被験者Sによる***があったと判定する。一方で判定部429は、湿度フラグを立てた時刻から遡った所定期間内に大きな体動軌跡の特定がなされていた場合は、被験者Sに***があったとの判定は行わなず、湿度フラグを下げる。
このように、判定部429は、湿度上昇が生じたことに基づいて被験者Sによる***があったと推定し、湿度上昇に先立って被験者Sに大きな体動が生じていないことが確認された時点で、被験者Sによる***があったと判定する。一方で、湿度上昇に基づいて被験者Sに***があったと推定した場合も、湿度上昇に先立って被験者Sに大きな体動が生じていた場合には、被験者Sによる***があったとの判定は行わない。このような場合の湿度上昇は、被験者Sと寝具(マットレス等)との間に閉じ込められていた、発汗等により生じた***とは無関係な水分が、被験者Sの大きな体動に伴って放出されたことに起因する湿度上昇であると考えられるためである。
このように、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100は、湿度上昇が生じたことと、湿度上昇を引き起こし得る***以外の要因である大きな体動が生じていないこととの両方に基づいて、被験者Sによる***の有無を判定しているため、非常に精度の高い判定を行うことができる。
<第1、第2実施形態の変形例>
第1、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100、200において、次の変形態様を採用することもできる。
第1、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100、200において、大きな体動軌跡決定部421、428は、被験者Sの重心Gが略一方向に所定時間内に所定距離を超えて移動した場合に大きな体動が生じたと判断し、この期間の重心軌跡GTが大きな体動軌跡であると特定してもよい。重心Gが略一方向に移動しているか否かは、一例として、所定のサンプリング期間における重心Gの動きベクトルと、次のサンプリング期間における重心Gの動きベクトルとの間の角度が所定の角度以下であるか否かに基づいて判断することができる。
具体的には例えば、図12に示すように、重心Gの動きベクトルv52~v54は、その直前のサンプリング期間における動きベクトルに対して、約5°以下の角度を有しているが、動きベクトルv55は、その直前のサンプリング期間における動きベクトルv54に対して5°以上の角度を有している。このような場合、重心Gは、動きベクトルv51~v54に対応するサンプリング期間においては略一定方向に移動し、動きベクトルv55に対応するサンプリング期間においては移動方向が変更されたとみなすことができる。
大きな体動軌跡決定部421、428は、移動方向が変更されたとみなした場合には、移動方向の変更があった時点の前の動きベクトル(ここでは動きベクトルv51~v54)に基づき、所定時間内に所定距離を越える移動が生じていたか否かを判定する。そして、所定時間内に所定距離を越える移動が生じていた場合は、これらの動きベクトルにより表される軌跡は大きな体動軌跡であると特定する。
なお、動きベクトルを用いた大きな体動軌跡の特定を行う前に、重心軌跡GTをローパスフィルタでフィルタリングしてもよい。これにより高周波成分(ノイズ)が除去され、特定の精度を向上させることができる。
第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100においては、呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423は、重心Gの位置の直線的な移動の量に基づいて呼吸振動軌跡と***軌跡とを分離していたが、これには限られない。呼吸振動軌跡/***軌跡決定部423は、小さな体動軌跡決定部422から受け取った重心軌跡GTに対応する荷重信号にフィルタリングを適用して高周波成分を除去し、残った荷重成分に基づく重心軌跡を***軌跡と特定してもよい。
このように、周波数フィルタリングを適用して、呼吸振動軌跡と***軌跡との特定を行うこともできる。
第1実施形態、第2実施形態においては、被験者Sがおむつを装着している場合を例として説明したが、被験者がおむつを装着していない場合も、第1、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100、200を用いて、第1、第2実施形態と同様の原理で、被験者の***検知を行うことができる。
第1、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100、200は、必ずしも荷重検出器11~14の全てを備える必要はなく、このいずれか一つを備えるのみでもよい。また、荷重検出器は、必ずしもベッドの四隅に配置される必要はなく、ベッド上の被験者の荷重及びその変動を検出しうるように、任意の位置に配置し得る。また、荷重検出器11~14は、ビーム形ロードセルを用いた荷重センサに限られず、例えばフォースセンサを使用することもできる。
第1、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100、200においては、荷重検出器11~14の各々は、ベッドBDの脚の下端に取り付けられたキャスターC~Cの下に配置されていたがこれには限られない。荷重検出器11~14の各々は、ベッドBDの4本の脚とベッドBDの床板との間に設けられてもよいし、ベッドBDの4本の脚が上下に分割可能であれば、上部脚と下部脚との間に設けられても良い。
第1、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100、200においては、ベッド上に横たわる被験者の下方、一例としてシーツの下にマトリックス状に配置された多数の感圧センサ(圧力センサ)により荷重検出部1を構成することもできる。この態様においては、多数の感圧センサの出力に基づいて、被験者の重心の位置を求めることができる。また、荷重検出部1を構成する多数の感圧センサと、湿度検出部2を構成する複数の湿度センサとを同一のシート上に設け、荷重検出部1と湿度検出部2とを単一のシート状構造としてもよい。
荷重検出部1とベッドBDと一体に又は着脱可能に組み合わせて、ベッドBDと第1実施形態の身体状態モニタリングシステム100又は第2実施形態の身体状態モニタリングシステム200とからなるベッドシステムBDSを構成してもよい(図13)。
第1、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100、200において、荷重検出部1及び/又は湿度検出部2とA/D変換部3との間に、荷重検出部1及び/又は湿度検出部2からの信号を増幅する信号増幅部や、信号からノイズを取り除くフィルタリング部を設けても良い。
第1、第2実施形態の身体状態モニタリングシステム100、200において、表示部6は、モニタに代えて、又はこれに加えて、身体状態を表わす情報を印字して出力するプリンタや、身体状態を表示するランプ等の簡易な視覚表示手段を備えてもよい。報知部7はスピーカに代えて、又はこれに加えて、振動により報知を行う振動発生部を備えてもよい。
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の身体状態モニタリングシステムによれば、被験者による***があったことを高い精度で検知して、医療、介護等の質の向上に資することができる。
1 荷重検出部、11,12,13,14 荷重検出器、2 湿度検出部、3 A/D変換部、4 制御部、41 重心位置算出部、42 ***判定部、5 記憶部、6 表示部、7 報知部、8 入力部、100、200 身体状態モニタリングシステム、BD ベッド、BDS ベッドシステム、S 被験者

Claims (8)

  1. ベッド上の被験者の身体状態をモニタする身体状態モニタリングシステムであって、
    ベッド又はベッドの脚下に設けられて前記被験者の荷重を検出する複数の荷重検出器と、
    前記検出された荷重に基づいて前記被験者の重心位置の時間的変動を求める重心位置算出部と、
    所定時間内に移動する前記重心位置の移動距離に基づいて、前記重心位置の時間的変動から前記被験者の呼吸とは異なる大きな体動に応じて変動する大きな体動成分を決定し、前記重心位置の時間的変動から該大きな体動成分を除去する大きな体動成分除去部と、
    前記重心位置の移動方向に基づいて、前記重心位置の時間的変動から前記被験者の呼吸とは異なる小さな体動に応じて変動する小さな体動成分を決定し、前記重心位置の時間的変動から該小さな体動成分を除去する小さな体動成分除去部と、
    前記大きな体動成分と前記小さな体動成分とが除去された前記重心位置の時間的変動に基づいて前記被験者による***の有無を判定する***判定部とを備える身体状態モニタリングシステム。
  2. 前記重心位置の移動距離に基づいて、前記大きな体動成分と前記小さな体動成分とが除去された前記重心位置の時間的変動から前記被験者の***に応じて変動する***成分を特定する***成分特定部を更に備える請求項1に記載の身体状態モニタリングシステム。
  3. 前記検出された荷重の時間的変動の周波数に基づいて、前記大きな体動成分と前記小さな体動成分とが除去された前記重心位置の時間的変動から前記被験者の***に応じて変動する***成分を特定する***成分特定部を更に備える請求項1に記載の身体状態モニタリングシステム。
  4. 前記ベッドに設けられて前記ベッド上の湿度を検出する湿度センサを更に備え、
    前記***判定部は、前記大きな体動成分と前記小さな体動成分とが除去された前記重心位置の時間的変動と、前記湿度センサの検出値とに基づいて前記被験者による***の有無を判定する請求項1~3のいずれか一項に記載の身体状態モニタリングシステム。
  5. 前記***判定部は、前記被験者の***により前記重心位置が変動した後、所定の期間内に前記湿度センサの検出値が上昇した場合に、前記被験者による***があったと判定する請求項4に記載の身体状態モニタリングシステム。
  6. ベッド上の被験者の身体状態をモニタする身体状態モニタリングシステムであって、
    ベッド又はベッドの脚下に設けられて前記被験者の荷重を検出する複数の荷重検出器と、
    前記検出された荷重に基づいて前記被験者の重心位置の時間的変動を求める重心位置算出部と、
    前記被験者の重心位置の時間的変動に基づいて前記被験者の体幹の移動を伴う大きな体動の有無を判定する体動判定部と、
    前記ベッドに設けられて前記ベッド上の湿度を検出する湿度検出器と、
    前記体動判定部の判定結果と前記湿度検出器の検出値とに基づいて前記被験者における***の有無を判定する***判定部とを備え
    前記***判定部は、前記湿度センサの検出値が上昇し、且つ該検出値の上昇が生じた時点から遡った所定の期間内に前記被験者に大きな体動が生じていない場合に、前記被験者による***があったと判定する身体状態モニタリングシステム。
  7. 前記複数の荷重検出器は、前記ベッドの四隅に設けられた四つの脚部の下にそれぞれが設置される4つの荷重検出器である請求項1~のいずれか一項に記載の身体状態モニタリングシステム。
  8. ベッドと、
    請求項1~のいずれか一項に記載の身体状態モニタリングシステムとを備えるベッドシステム。
JP2019204646A 2019-11-12 2019-11-12 身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム Active JP7202999B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019204646A JP7202999B2 (ja) 2019-11-12 2019-11-12 身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム
PCT/JP2020/033610 WO2021095332A1 (ja) 2019-11-12 2020-09-04 身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019204646A JP7202999B2 (ja) 2019-11-12 2019-11-12 身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021074379A JP2021074379A (ja) 2021-05-20
JP2021074379A5 JP2021074379A5 (ja) 2022-11-01
JP7202999B2 true JP7202999B2 (ja) 2023-01-12

Family

ID=75899444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019204646A Active JP7202999B2 (ja) 2019-11-12 2019-11-12 身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7202999B2 (ja)
WO (1) WO2021095332A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013078566A (ja) 2011-09-19 2013-05-02 Yoshimi Ui ***検知システム
JP2018019763A (ja) 2016-08-01 2018-02-08 ミネベアミツミ株式会社 身体状態モニタリングシステム
JP2018126436A (ja) 2017-02-10 2018-08-16 ミネベアミツミ株式会社 ベッドモニタリングシステム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013078566A (ja) 2011-09-19 2013-05-02 Yoshimi Ui ***検知システム
JP2018019763A (ja) 2016-08-01 2018-02-08 ミネベアミツミ株式会社 身体状態モニタリングシステム
JP2018126436A (ja) 2017-02-10 2018-08-16 ミネベアミツミ株式会社 ベッドモニタリングシステム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021095332A1 (ja) 2021-05-20
JP2021074379A (ja) 2021-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6594399B2 (ja) 生体情報モニタリングシステム
EP3659565B1 (en) On-bed state monitoring system
CN107949315B (zh) 异常通知***、异常通知方法以及程序
JP2017205411A (ja) 生体情報モニタリングシステム
JP6284574B2 (ja) 生体情報モニタリングシステム
EP3581106B1 (en) Bed monitoring system
CN110996791B (zh) 身体活动判定***以及生物体状态监测***
JP7202999B2 (ja) 身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム
JP6767193B2 (ja) 身体状態モニタリングシステム
JP7325576B2 (ja) 端末装置、出力方法及びコンピュータプログラム
JP6328884B2 (ja) 体動レベル判定装置
JP4531656B2 (ja) 離床前動作検出装置、離床前動作検出システム、離床前動作検出プログラム、記録媒体及び離床前動作検出方法
JP6934982B1 (ja) 身体状態モニタリングシステム、及びベッドシステム
JP6487081B2 (ja) 生体情報モニタリングシステム
JP2018015210A (ja) 在床状態モニタリングシステム
JP6534729B1 (ja) 在床状態監視システム、及びこれを備えるベッド
JP6535770B2 (ja) 生体情報モニタリングシステム
US20230127922A1 (en) Bed scale noise compensation using a reference transducer
JP2024022523A (ja) 情報処理システム、情報処理装置、判定装置、制御方法、およびプログラム
JP5982835B2 (ja) 検出装置、検出方法、および検出プログラム
JP2018015209A (ja) 在床状態モニタリングシステム
JP2023041168A (ja) 監視システム、監視方法、および監視プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221024

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221024

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20221024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7202999

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150