JP7202826B2 - 燃料供給装置 - Google Patents
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Description
これにより、逆流防止弁から燃料が漏れた場合でも、フィルタは残留した燃料に浸漬した状態に保つことができ、燃料を吸い込むことができる(例えば、特許文献1参照)。
さらに、特許文献1の燃料供給装置によると、燃料ポンプの吸入口にフィルタが接続されている。これにより、例えば、車両が傾いたり、急加減速したりすることにより燃料液面が傾いた場合に、フィルタが低い箇所の燃料に浸漬させた状態に保たれ、燃料を吸い込むことができる。
また、特許文献2の燃料供給装置によれば、燃料ポンプ吸込み部の近傍に燃料を留めておくために、シール部材と燃料ポンプとの間に燃料貯留部材を固定する必要があり、そのことが部品点数を抑える妨げになっている。
さらに、特許文献3には、燃料タンクの頂部に設けられた燃料供給装置について記載されているが、車両の傾き等により燃料液面が傾いた場合に燃料を吸い込む構成については記載されていない。
また、ロアカップと燃料ポンプとの間に燃料貯留部を形成することにより、燃料貯留部に燃料を蓄えることができる。これにより、車両の傾き等により燃料液面が傾いた場合に、燃料貯留部に蓄えられた燃料を燃料ポンプで吸い込むことができる。
さらに、ロアカップの底壁に形成された貯留開口部から、燃料貯留部に蓄えられた燃料を流出させることができる。ロアカップの底壁の下方にはフィルタが配置されている。よって、燃料貯留部に蓄えられた燃料を貯留開口部からフィルタに迅速に導くことができる。これにより、車両の傾き等により燃料液面が傾いてフィルタ内の燃料が減少した場合に、貯留開口部からフィルタに導かれた燃料を燃料ポンプで好適に吸い込むことができる。
また、ロアカップの軸中心に対して燃料ポンプの軸中心をオフセットさせることによる簡単な構成で、ポンプモータの軸中心の対称側に比較的大きな空間を確保できる。これにより、確保した空間を燃料貯留部として利用することにより、新たな部材を備えることなく簡単な構成で、ポンプモータの軸中心の対称側に燃料貯留部を備えることができる。
さらに、ロアカップの内面側に保持リブを一体に形成するだけの簡単な構成で、燃料ポンプを保持リブで保持することができる。さらに、この状態において、ロアカップと燃料ポンプとの間に燃料貯留部を形成することができる。これにより、新たな部材を備えることなく、簡単な構成で燃料貯留部を形成することができる。
ここで、ロアカップの外部にはフィルタが配置されている。よって、ロアカップとフィルタとの間に好適な空間を確保できる。これにより、フィルタの交換を脱気通路の形成壁で遮らないようにでき、フィルタを簡単に交換することができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、燃料供給装置1の側面図、図2は、燃料供給装置1の正面図、図3は、燃料供給装置1の断面図である。
なお、以下の説明においては、燃料タンク2に燃料供給装置1を取り付けた状態で、鉛直方向上側(図1~図3における上側)を単に上側、鉛直方向下側(図1~図3における下側)を単に下側等と表現して説明する場合がある。
燃料供給装置1は、燃料ポンプ3と、ホルダ部4と、燃料貯留部5と、サクションフィルタ(フィルタ)6とを備えている。
燃料ポンプ3は、燃料タンク2の上壁(上部)2aに取り付けられ、燃料タンク2の内部2bから燃料を汲み上げて内燃機関へ圧送する上付きポンプである。燃料ポンプ3は、サクションフィルタ6側に配設されたポンプ部Pと、ポンプ部Pの上側に取り付けられたポンプモータMとを有している。
ポンプモータMとしては、例えば、ブラシ付きの直流モータが使用される。ポンプモータMの径方向中央には出力軸10が配置されており、ポンプモータMの上側と、ポンプ部Pの下側とにより回動自在に枢支されている。
インペラ16は、樹脂からなる略円板状に形成された部材であり、ポンプモータMの出力軸10に相対回転不能に連結されている。インペラ16の上面および下面には、外周側に複数の羽根部が形成されている。これら複数の羽根部の間は、インペラ16の肉厚方向に貫通形成されている。
インペラ16の全体を覆うポンプケース17の下部17a(すなわち、燃料ポンプ3の底部)には吸入管21が設けられている。吸入管21からポンプ部P内に燃料が汲み上げられる。
ポンプモータMおよびポンプ部P(すなわち、燃料ポンプ3)はホルダ部4の内部に支持されている。この状態において、ホルダ部4の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2がオフセットされた(ずれた)状態に配置されている。
ホルダ部4は、燃料タンク2の上壁2aに固定され、フランジユニット25と、アッパカップ26と、ロアカップ27とにより構成されている。
係合片35は、燃料ポンプ3のポンプモータMまで延出されている。係合片35には、ロアカップ27に形成されている係合凸部36に係合する係合孔35aが形成されている。
アッパカップ26にロアカップ27が同軸上に取り付けられている。ロアカップ27は、燃料ポンプ3の吸入側に配設されている。ロアカップ27は、底壁27aと、周壁27bとにより有底筒状に形成されている。有底筒状のロアカップ27により燃料ポンプ3の底部が覆われた状態で、燃料ポンプ3がロアカップ27により支持されている。
ロアカップ27の周壁27bは、内径が燃料ポンプ3を嵌合可能、かつ外径がアッパカップ26(カップ本体34)の周壁34bの内径よりもやや小さくなる程度に設定されている。
図3~図5に示すように、ロアカップ27は、複数の係合凸部36と、第1~第6の台座部41~46と、第1~第5の保持リブ51~55と、一対の貯留開口部58と、第1~第3の脱気通路(脱気通路)61~63(図7参照)と、支持プレート66とを備える。
係合凸部36にアッパカップ26の係合片35がスナップフィットすることによって、アッパカップ26、およびロアカップ27が一体化される。これにより、アッパカップ26とロアカップ27とにより燃料ポンプ3が支持されている。
第1~第6の台座部41~46が配置される円周は、中心が燃料ポンプ3の軸中心O2と同軸に配置され、ホルダ部4の軸中心O1に対してオフセットされている。
第1台座部41の時計回り方向に間隔をおいて第2台座部42が形成されている。第2台座部42は、平面視において、燃料ポンプ3の外周壁3bに沿うように湾曲状に形成され、ロアカップ27の周壁27bの内側に間隔をおいて形成されている。第2台座部42の外端部から第2保持リブ(保持リブ)52が、ロアカップ27の周壁27bに沿って立ち上げられている。
第3台座部43の外端部から第3保持リブ(保持リブ)53が、ロアカップ27の周壁27bに対して間隔をおいて立ち上げられている。第3保持リブ53は、第1補強リブ68でロアカップ27の周壁27bに連結されることにより、第1補強リブ68で補強されている。
第4台座部44の外端部から第4保持リブ(保持リブ)54が、ロアカップ27の周壁27bに対して間隔をおいて立ち上げられている。第4保持リブ54は、第2補強リブ69でロアカップ27の周壁27bに連結されることにより、第2補強リブ69で補強されている。
第5台座部45の時計回り方向に間隔をおいて第6台座部46が形成されている。第6台座部46は、ロアカップ27の周壁27bの内側に間隔をおいて形成されている。第6台座部46の外端部から第5保持リブ(保持リブ)55がロアカップ27の周壁27bに沿って立ち上げられている。
第1~第6の台座部41~46に燃料ポンプ3の底部外周3aが載置された状態において、燃料ポンプ3の外周壁3bが第1~第5の保持リブ51~55に保持される。
この空間で燃料貯留部5が形成される。すなわち、燃料貯留部5は、ロアカップ27の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2の対称側に備えられている。
さらに、ロアカップ27の内面側に第1~第5の保持リブ51~55を一体に形成するだけの簡単な構成で、第1~第5の保持リブ51~55により燃料ポンプ3を保持することができる。これにより、燃料供給装置1に新たな部材を備えることなく、一層簡単な構成で燃料貯留部を形成することができる。
図5、図6に示すように、ポンプケース17の下部17a(すなわち、燃料ポンプ3の底部)から吸入管21がロアカップ27の底壁27aへ向けて突出されている。吸入管21は、燃料ポンプ3の軸中心O2に対してロアカップ27の軸中心O1の反対側にオフセットされた位置に配置されている。
ロアカップ27の底壁27aには吸入管21に対応する部位に***部75が形成されている。***部75は、ロアカップ27の底壁27aから燃料ポンプ3の底部に向けて、平面視円形状に***されている。***部75は、ロアカップ27の周壁27b寄りの部位75aが第1台座部41および段差を介して中央部41aに一体に形成されている。
また、燃料供給装置1のアッパカップ26とロアカップ27との境界が燃料に浸漬されていない場合には、プレッシャレギュレータ31から下側に排出される燃料が燃料貯留部5に蓄えられる。
すなわち、チェックバルブ12を通過して燃料取出管29へと流れ込む際の燃圧が所定値以内である場合、燃料取出管29を通って内燃機関に燃料が搬送される。
これにより、例えば、アッパカップ26とロアカップ27との境界が燃料に浸漬されていない場合においても、プレッシャレギュレータ31から排出された燃料を、アッパカップ26の内面側を経て燃料貯留部5に蓄えることができる。
燃料貯留部5は、下端部5aが燃料案内部72に連通されている。
一対の貯留開口部58は、抜止壁82のうち底壁27a側の面と、脚部81のうち吸入管21とは反対側の面と、を金型で成形する際に入れ子の型抜き用開口部として機能する。
ここで、一対の貯留開口部58は、吸入管21および接続管78を挟んで両側に隣接して形成されている。これにより、一対の貯留開口部58から排出された燃料は、サクションフィルタ6の内部において接続管78(すなわち、吸入管21)の下側近傍(下方近傍)に効率よく迅速に導かれる。サクションフィルタ6の内部に導かれた燃料は、サクションフィルタ6を介して再び燃料ポンプ3によって汲み上げられる。
また、ロアカップの周壁27bと燃料ポンプ3との間隔を徐々に狭くすることにより、一対の貯留開口部58に好適な量の燃料を導くことができる。これにより、一対の貯留開口部58から燃料を効率よく排出することができる。
図5、図7に示すように、ロアカップ27に第1~第3の脱気通路61~63が形成されている。第1脱気通路61は、ロアカップ27の底壁27aのうち、***部75に隣接する部位27cから、ロアカップ27の底壁27a対して直交するように立ち上げられている。第1脱気通路61は、ロアカップ27の内面側に開口する脱気開口84を上端部に有する。脱気開口84は、燃料ポンプ3の底部に備えられた脱気孔85に連通されている。
よって、形成壁87をロアカップ27の底壁27aからサクションフィルタ6(図3参照)側に向けて突出させることなく、第2脱気通路62を形成することができる。これにより、ロアカップ27の底壁27aとサクションフィルタ6との間に好適な空間88(図3参照)が確保されている。
第3脱気通路63の上端部63bに第4脱気通路64の下端部64aが連通されている。第4脱気通路64は、アッパカップ26の周壁26aの外周面に沿って第3脱気通路63の上端部63bから立ち上げられている。第4脱気通路64は、上端部64b(図2参照)がアッパカップ26の内面側に開口されている。
図4、図6、図8に示すように、ポンプケース17の下部17a(すなわち、燃料ポンプ3の底部)から吸入管21が下側に向けて突出されている。吸入管21は、ロアカップ27の底壁27aの開口部76に挿通されている。開口部76には接続管78の上端部78aが嵌合されている。この状態において、吸入管21に接続管78の上端部78aが連通されている。よって、吸入管21は接続管78を経てサクションフィルタ6に連通されている(図3参照)。
よって、吸入管21に開口部76を介して接続管78を外嵌した後、接続管78を係合爪91の先端91a側に向けて軸線周りに回転させることにより、抜止壁82と底壁27aとの間に係合爪91が挿入される。この状態において、係合爪91が脚部81に係止した状態に保たれる。
これにより、接続管78を吸入管21に連通させた状態において、接続管78が一対の係合爪91,91と、一対の脚部81および抜止壁82とを介してロアカップ27の底壁27aに連結されている。
これにより、例えば、サクションフィルタ6を交換する際に、第2脱気通路62の形成壁87でサクションフィルタ6を遮らないようにでき、サクションフィルタ6を簡単に交換することができる。
図3、図8に示すように、サクションフィルタ6は、燃料貯留部5の下側(下方)に配置されている。具体的には、サクションフィルタ6は、燃料ポンプ3の吸入側(すなわち、ロアカップ27の底壁27aの下側)に配設され、濾材92と、溶着部93とで構成されている。溶着部93は、濾材92の外周縁に形成されている。濾材92は、袋状に形成された不織布であって、溶着部93は、袋状に形成された濾材92の外周縁を溶着し形成されたものである。
燃料タンク2内の燃料が濾材92を介して接続管78内に流れ込み、この接続管78内に流れ込んだ燃料が燃料ポンプ3に汲み上げられる。
図1、図4に示すように、ロアカップ27の周壁27bにおいて、底壁27a側の部位から支持プレート66が径方向外側に突出するように一体成形されている。支持プレート66の先端66aには、ゲージ取付板94が軸方向に沿うように一体成形されている。このゲージ取付板94には、センダゲージ95が設けられている。センダゲージ95は、燃料タンク2内の燃料の残量、すなわち、液面位置を検出する液面計である。
具体的には、センダゲージ95は、ゲージ本体96と、揺動アーム97と、フロート98とを備えている。ゲージ本体96は、ボックス状に形成されている。揺動アーム97は、ゲージ本体24に対して回動自在に設けられている。フロート98は、揺動アーム97の先端に設けられて燃料の液面に浮遊可能に形成されている。
次に、図3、図5に基づいて燃料供給装置1の動作について説明する。
図3、図5に示すように、燃料ポンプ3のポンプモータMを駆動させることにより、出力軸10が回転し、これに相対回転不能に連結されているインペラ16が回転する。ポンプ部Pのインペラ16が回転することにより、燃料タンク2内の燃料がサクションフィルタ6を経て濾過された状態で吸入管21から吸入される。吸入された燃料がポンプ部P内で昇圧され、昇圧された燃料が燃料流路孔(図示せず)を経てポンプモータM内に吐出される。
一方、燃圧が所定値よりも高い場合、プレッシャレギュレータ31を経てフランジユニット25の内面側から燃料が排出される。
これにより、燃料ポンプ3の外周壁3bを伝う燃料を、空間8を経て燃料貯留部5に効率よく導くことができる。燃料貯留部5に蓄えられた燃料は、燃料案内部72を経て一対の貯留開口部58からロアカップ27の外部に排出される。
したがって、車両の傾き等により燃料タンク2の内部の燃料液面が傾いた場合に、燃料貯留部5からサクションフィルタ6の内部に導かれた燃料を燃料ポンプ3で吸い込むことができる。
例えば、上述の実施形態では、ロアカップ27の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2をオフセットさせことにより、軸中心O1に対して軸中心O2の反対側に燃料貯留部5を形成する例について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、ロアカップ27の軸中心O1に対して燃料ポンプ3の軸中心O2を同軸上に配置した状態において、ロアカップ27の周壁27bと燃料ポンプ3との間に燃料貯留部5を形成することも可能である。
2 燃料タンク
2a 燃料タンクの上壁(上部)
2b 燃料タンクの内部
3 燃料ポンプ
4 ホルダ部
5 燃料貯留部
6 サクションフィルタ(フィルタ)
21 吸入管
26 アッパカップ
27 ロアカップ
27a ロアカップの底壁
27b ロアカップの周壁
31 プレッシャレギュレータ
41~46 第1~第6の台座部
51~55 第1~第5の保持リブ(保持リブ)
58 貯留開口部
61,62,63 第1~第3の脱気通路(脱気通路)
78 接続管
85 脱気孔
87 形成壁
O1 ロアカップの軸中心
O2 燃料ポンプの軸中心
Claims (5)
- 燃料タンクの上部に取り付けられ、前記燃料タンクの内部から燃料を汲み上げる燃料ポンプと、
前記燃料ポンプを支持する有底筒状のロアカップと、
前記ロアカップと前記燃料ポンプとの間に形成される燃料貯留部と、
前記燃料貯留部の下方に配置され、前記燃料ポンプに設けられる吸入管を介して連通するフィルタと、
前記ロアカップの底壁に形成されて、前記燃料貯留部に連通する一対の貯留開口部と、
を備え、
前記一対の貯留開口部は、前記吸入管を挟んで形成されており、
前記ロアカップの軸中心に対して前記燃料ポンプの軸中心がオフセットされた状態に配置されることにより、
前記燃料貯留部は、
前記ロアカップの軸中心に対して前記燃料ポンプの軸中心の対称側に備えられており、
前記ロアカップは、該ロアカップの内面側に形成されて、前記燃料ポンプを保持する複数の保持リブを備え、
前記複数の保持リブは、前記燃料ポンプの外周に沿う円周上に間隔をおいて配置されることを特徴とする燃料供給装置。 - 前記貯留開口部は、前記燃料ポンプの吸入管に隣接して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
- 前記燃料貯留部は、
前記貯留開口部に向かうに従い、前記ロアカップと前記燃料ポンプとの間隔が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料供給装置。 - 前記燃料ポンプに備えられる脱気孔と、
前記ロアカップに形成され、前記脱気孔に連通する脱気通路と、を備え、
前記脱気通路を形成する形成壁は、
前記ロアカップの内面側に突出するように形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料供給装置。 - 前記燃料貯留部の軸方向上方にプレッシャレギュレータが配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
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