JP7201985B2 - 密封装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、回転側部材に取付けられる磁気エンコーダを備えた密封装置に関する。
前記のような密封装置としては、外輪の内周面に嵌合される芯金と、内輪の外周面に嵌合されるスリンガー(これと同等の部材も含む)と、前記芯金に固着されて前記スリンガーに弾接するシールリップとからなる密封装置が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に示された密封装置では、さらにスリンガー(回転側環状部材)にパルサリング(回転磁気エンコーダ)が設けられており、内輪の回転速度が検出されるように構成されている。そして、このような密封装置は、芯金及びシールリップと、スリンガーとが組み合わされた状態で梱包され流通する。特許文献1は、このような密封装置の納品や搬送時において、梱包された密封装置が箱内に複数段積み重ねられて収納される際の問題点に着目している。具体的には、前記密封装置が積み重ねられた状態にあると、一方の密封装置のパルサリングと他方の密封装置の環状芯金とが重なるためにパルサリングの磁力によって環状芯金(固定側環状部材)が吸着される。そのため、密封装置を箱から取り出す際に、環状芯金に吸着力が作用していることにより、環状芯金とスリンガーがずれたり、外れたりするおそれがある。そこで、特許文献1では、環状芯金の外側面の内側から外側の所定範囲を非磁性材からなる密封装置吸着防止部材で覆うようにしている。
特開2004-84795号公報
ところで、特許文献1には、環状芯金に装着される環状シール部材をゴム材等の非磁性材で構成するとともに環状芯金とスリンガーとの対向隙間から芯金の外側面に延設し、この延設部分により前記密封装置吸着防止部材を構成する例が開示されている。また、シール部材の延設部に代えて、別のゴムや樹脂製の密封装置吸着防止部材で芯金の所定範囲を覆うことも可能である旨の記載もある。しかし、特許文献1に開示された例においては、密封装置が積み重ねられた状態で、密封装置吸着防止部材が環状芯金とパルサリングとの間に介在することになるため、密封装置吸着防止部材の厚みの積み重ね段数分余分な容積が必要となる。そのため、所定の容量の梱包箱に収納できる密封装置の数が少なくなり、これにより、搬送効率が低下することが懸念される。
本発明は、前記実情に鑑みなされたもので、複数の密封装置の積み重ね状態において、隣接する密封装置相互の磁気吸着を抑えるとともに、占有容積を縮小することができる磁気エンコーダ付の密封装置を提供することを目的としている。
本発明に係る密封装置は、固定側部材に対して相対的に軸回転する回転側部材に取付けられる磁気エンコーダと、前記固定側部材に取付けられるシール部材とが組み合わさって、前記固定側部材と前記回転側部材との間の環状空間を密封する密封装置であって、前記磁気エンコーダは、径方向に延びる取着板部を備えて前記回転側部材に取付けられる支持部材と、前記取着板部に取着された環状磁石と、を備え、前記シール部材は、前記固定側部材に取付けられる円筒部及び当該円筒部から前記取着板部に対向するように設けられた円板部を備えた芯材と、前記芯材に固着され前記支持部材に近接乃至接触するシールリップを有する弾性材製のシール体と、を備え、少なくとも前記芯材の円板部は、非磁性材料からなり、複数の当該密封装置が軸方向に積み重ねられた際に、隣接する当該密封装置における前記環状磁石と当接するように構成され、前記非磁性材料が、前記環状磁石の耐熱性と同等以上の耐熱性を有する熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
本発明の密封装置によれば、当該密封装置の複数が軸方向に積み重ねられた際、シール部材における芯材の円板部が、隣接する密封装置における磁気エンコーダの環状磁石に当接する。このとき、芯材の円板部は非磁性材料からなるので、円板部が環状磁石に当接していても磁気的に吸着されない。したがって、当該複数の密封装置を積み重ねた状態で収納し、使用時に、他の密封装置から円滑に分離して取り出すことができる。また、密封装置の芯材と隣接する他の密封装置の環状磁石とが当接した状態で積み重ねることができるため、吸着防止のための部材を介在させる場合に比べて、積み重ね状態での軸方向の占有容積を縮小することができる。この結果、収納箱の容積を増加させなくとも、収納可能な密封装置の数を増加させることができる。
また、芯材を構成する非磁性材料を熱可塑性樹脂としているから、芯材が金属製である場合に比べて密封装置の軽量化が図られる。また、芯材における少なくとも円板部が環状磁石の耐熱性と同等以上の耐熱性を有するから、芯材が金属製である場合に比べて密封装置としての耐熱性が低下する懸念が生じ難い
本発明の密封装置おいて、前記芯材の全体が前記熱可塑性樹脂で構成されているものとしてもよい。
これによれば、芯材全体が金属製である場合に比べて密封装置がより軽量化される。
本発明の密封装置において、前記芯材の円筒部は、接着剤を介して前記固定側部材に嵌合されるものとしてもよい。
これによれば、芯材の円筒部は、接着剤を介して固定側部材に嵌合されるから、芯材が非磁性の熱可塑性樹脂からなる場合でも、芯材が固定側部材から外れることを確実に抑制することができる。
本発明の密封装置において、前記磁気エンコーダにおける支持部材の少なくとも取着板部は、非磁性材料からなるものとしてもよい。
これによれば、磁気エンコーダとシール部材とを別にして、複数の磁気エンコーダを積み重ねて梱包する場合、隣接する磁気エンコーダにおける環状磁石と取着板部とは当接しても磁気吸着しない。したがって、各磁気エンコーダを、他の磁気エンコーダから円滑に分離して取出すことができる
また、本発明の密封装置において、前記シール体は、前記円板部の内周縁部を回り込むことなく該内周縁部の端面を覆ったものとしてもよい。
さらに、本発明の密封装置において、前記シール体は、前記円筒部の開放端を回り込み、該円筒部の外周面の全面を覆ったものとしてもよい。
本発明によれば、複数の密封装置の積み重ね状態において、隣接する密封装置相互の磁気吸着を抑えるとともに、占有容積を縮小することができる密封装置を提供することができる。
本発明に係る密封装置が適用される軸受装置の一例を示す概略的縦断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る密封装置の一実施形態を示す図である。 同実施形態の密封装置の複数を同軸的に積み重ねた状態を示す部分破断縦断面図である。 同実施形態の密封装置の変形例を示す図3と同様図である。 同実施形態の密封装置のさらなる変形例を示す図3と同様図である。 同実施形態の密封装置を構成する磁気エンコーダの変形例であり、同磁気エンコーダの複数を同軸的に積み重ねた状態を示す部分破断縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、自動車の車輪(不図示)を軸回転可能に支持する軸受装置1を示す。この軸受装置1は、ハブベアリングであって、大略的に、外輪(固定側部材)2と、ハブ輪3と、ハブ輪3の車体側に嵌合一体とされる内輪部材4と、外輪2とハブ輪3及び内輪部材4との間に介装される2列の転動体(ボール)6…とを含んで構成される。この例では、ハブ輪3及び内輪部材4が内輪(回転側部材)5を構成する。外輪2は、自動車の車体(不図示)に固定される。また、ハブ輪3にはドライブシャフト7が同軸的にスプライン嵌合され、ドライブシャフト7は等速ジョイント8を介して不図示の駆動源(駆動伝達部)に連結される。ドライブシャフト7はナット70によって、ハブ輪3と一体化され、ハブ輪3のドライブシャフト7からの抜脱が防止されている。内輪5(ハブ輪3及び内輪部材4)は、外輪2に対して、軸L回りに回転(同軸回転)可能とされ、外輪2と、内輪5との間に環状空間(以下、軸受空間と言う)Sが形成される。軸受空間S内には、2列の転動体6…が、リテーナ6aに保持された状態で、外輪2の軌道輪2a、ハブ輪3及び内輪部材4の軌道輪3a,4aを転動可能に介装されている。ハブ輪3は、円筒形状のハブ輪本体30と、ハブ輪本体30より立上基部31を介して径方向外側に延出するよう形成されたハブフランジ32を有し、ハブフランジ32にボルト33及び不図示のナットによって車輪が取付固定される。
以下において、軸L方向に沿って車輪に向く側(図1において左側を向く側)を車輪側、車体に向く側(同右側を向く側)を車体側と言う。
軸受空間Sの軸L方向に沿った両端部であって、外輪2とハブ輪3との間、及び、外輪2と内輪部材4との間には、ベアリングシール9,90が装着され、軸受空間Sの軸L方向に沿った両端部が密封される。これによって、軸受空間S内への泥水等の浸入や軸受空間S内に充填される潤滑剤(グリース等)の外部への漏出が防止される。
ベアリングシール9,90のうち、車体側のベアリングシール9に本発明に係る密封装置が適用される。本発明に係る密封装置の一実施形態であるベアリングシール9について図2及び図3をも参照して説明する。本実施形態のベアリングシール(密封装置)9は、外輪2に対して軸回転する内輪5に取付けられる磁気エンコーダ10と、外輪2に取付けられるシール部材20とが組み合わさって構成される。そして、磁気エンコーダ10とシール部材20とが組み合わさった状態で外輪2と内輪部材4(内輪5)との間に装着され、軸受空間Sの車体側端部が密封される。磁気エンコーダ10は、径方向に延びる取着板部112を備えて内輪部材4に取付けられるスリンガー(支持部材)11と、取着板部112の車体側面112aに取着された環状磁石12と、を備える。スリンガー11は、金属環からなり、内輪部材4の外周面4bに嵌合される円筒部(以下、スリンガー円筒部という)111と、スリンガー円筒部111の車体側端部111aから外径側に延びる円輪状の取着板部112とからなる。シール部材20は、外輪2の車体側内周面2bに嵌合される円筒部(以下、芯材円筒部と言う)211及び芯材円筒部211の車輪側端部211aから取着板部112に対向するように設けられた円板部212を備えた芯材21を備える。芯材21には、スリンガー11に近接乃至接触するシールリップ22a,22b,22cを有する弾性材(ゴム材等のエラストマー)製のシール体22が一体に固着されている。本実施形態では、シール体22の材料としてNBRが用いられる。また、芯材21の全体が、非磁性材料である熱可塑性樹脂からなる。さらに、この熱可塑性樹脂は、環状磁石12の耐熱性と同等以上の耐熱性を有するものであり、ポリブチレンテレフタレートが好ましく採用される。
シール体22は、芯材21における円板部212の内周縁部212aから車体側面212b及び芯材円筒部211の内周面211bを覆うように、芯材21に固着されている。さらに、シール体22は、芯材円筒部211の車体側端部211cを回り込んで外周面211dに至るように、芯材21に固着されている。シールリップ22a,22bはアキシャルリップであり、シール体22から車体側に拡径するように延び、その先端部がスリンガー11における取着板部112の車輪側面112bに弾性変形を伴い接触するように形成されている。また、シールリップ22cは、ラジアルリップであり、シールリップ22a,22bとは反対方向に向かいつつ縮径するように延びている。また、シールリップ22cは、その先端部がスリンガー円筒部111の外周面11bに弾性変形を伴い接触するように形成されている。図2及び図3における2点鎖線で示すシールリップ22a,22b,22cは、弾性変形前の原形状を示している。
環状磁石12は、磁性粉を混練させたゴム材を金属環からなるスリンガー11とともにインサート成型してなり、その車体側面12aは、周方向にそって多数のN極及びS極が交互に着磁された着磁面とされている。環状磁石12の外径側部12bは、スリンガー11における取着板部112の外周縁部112cを回り込むように形成されている。環状磁石12の内径側部12cは内輪部材4の車体側面取り角部4cに弾接するリップ状に形成されている。そして、環状磁石12の車体側面(着磁面)12aは、車体に設置される磁気センサー13に対峙するように位置付けられる。内輪5が軸回転すると着磁面12aの磁気変化が磁気センサー13によって検出され、これにより、車輪の回転速度等の回転検出機構が構成される。
前記のように構成されるベアリングシール9は、磁気エンコーダ10と、シール部材20とが組み合わさった状態で、図1に示すような軸受装置1の軸受空間Sにおける車体側端部の外輪2と内輪部材4との間に装着される。より具体的には、スリンガー円筒部111を内輪部材4の外周面4bに嵌合し、芯材円筒部211を外輪2の車体側内周面2bに嵌合することによって、ベアリングシール9は外輪2と内輪部材4との間に装着される。芯材円筒部211を外輪2の車体側内周面2bに嵌合する際には、芯材円筒部211の外周面211dに接着剤(例えば、エポキシ樹脂接着剤)を塗布した状態で行うことが望ましい。これによって、芯材21が非磁性の熱可塑性樹脂からなることで芯材21の剛性が不足するおそれがあっても、芯材21が外輪2にしっかりと固定され、芯材21が外輪2から外れることを確実に抑制することができる。このようにベアリングシール9が軸受装置に装着された状態で、ドライブシャフト7の軸回転に伴い内輪5が外輪2に対して同軸回転すると、シールリップ22a,22b,22cがスリンガー11に対して弾性的に相対摺接する。これによって、外部から軸受空間S内へ泥水等が浸入することが防止される。また、軸受空間S内に充填された潤滑剤が外部に漏出することが防止される。そして、スリンガー11の軸回転によって、環状磁石12の磁気変化が磁気センサーによって検出され、これによって、ハブフランジ32に取付けられる車輪(不図示)の回転速度等が算出される。
本実施形態では、芯材21を熱可塑性樹脂で構成しているから、芯材21が金属製である場合に比べてベアリングシール9の軽量化が図られる。また、芯材21が環状磁石12の耐熱性と同等以上の耐熱性を有するから、芯材21が金属製である場合に比べてベアリングシール9としての耐熱性が低下する懸念が生じ難い。さらに、芯材21を構成する熱可塑性樹脂を他の樹脂(例えば、PAポリアミド(ナイロン)等)に比べて寸法安定性に優れたポリブチレンテレフタレートとしているから、芯材21の寸法公差が大きくなることを抑制できる。したがって、芯材21の寸法公差が抑制されることで、シールリップ22a,22b,22cのスリンガー11に対する近接乃至接触状態の製品ごとのばらつきが大きくなることが抑制される。
なお、本実施形態では、芯材21の全体を前記熱可塑性樹脂で構成しているが、少なくとも円板部212を当該熱可塑性樹脂で構成するようにしてもよい。
前記のように構成されるベアリングシール9は、前記軸受装置1に装着されるに至るまでの流通過程では、磁気エンコーダ10とシール部材20とが前記のように組み合わさった状態で、複数のベアリングシール9が軸L方向に沿って同軸的に積み重ねられ或いは整列されて梱包箱に梱包される。図3は、このように積み重ねられた状態の一部を示している。複数の当該ベアリングシール9が軸L方向に積み重ねられた際、シール部材20における芯材21の円板部212が、隣接するベアリングシール9における磁気エンコーダ10の環状磁石12に当接する。このとき、芯材21は非磁性材料からなるので、円板部212が環状磁石12に当接していても磁気的に吸着されない。したがって、当該複数のベアリングシール9を積み重ねた状態で収納し、使用時に、他のベアリングシール9から円滑に分離して取り出すことができる。また、芯材21と隣接する他の環状磁石12とが当接した状態で複数のベアリングシール9を積み重ねることができるため、吸着防止のための部材を介在させる場合に比べて、積み重ね状態での軸L方向の占有容積を縮小することができる。この結果、収納箱の容積を増加させなくとも、収納可能なベアリングシール9の数を増加させることができる。特に、特許文献1に示されるような密封装置吸着防止部材(例えば、ゴム部材)を設ける場合には、製造時に余分な管理箇所が増える懸念があるが、本実施形態ではこのような懸念が生じない。
図4は、前記実施形態のベアリングシール9の変形例であって、シール体22が、芯材円筒部211の外周面211dの全面を覆うように変更している。この変形例では、芯材21は、その芯材円筒部211の外径が外輪2の内径よりも小さくなるように形成される。また、この変形例では、シール体22は、芯材円筒部211の内周面211bの全面に固着された内面被覆部221から芯材円筒部211の車体側端部211cを回り込んで外周面211dの一部に留まらず、芯材円筒部211の外周面211dの全面に固着された外面被覆部222を含む。外面被覆部222は、その厚みが、芯材円筒部211の厚みよりも小さく(薄く)なるように形成されるとともに、その外径が外輪2の内径よりも若干大きくなるように形成されている。この変形例では、ベアリングシール9が軸受装置1に装着された際に、芯材21の芯材円筒部211は外面被覆部222を介して外輪2に取付けられる。つまり、外面被覆部222が外輪2の車体側内周面2bに嵌合されるため、芯材円筒部211が外輪2の車体側内周面2bに直接嵌合される場合に比べて、芯材円筒部211に作用する応力が緩和される。したがって、芯材211を樹脂によって構成しても、芯材21が破断する等のおそれを低減することができる。
なお、図4では、環状磁石12に環状磁石12の内径側部12cが内輪部材4の車体側面取り角部4cに弾接するリップ状でなく、平坦に形成されている点で異なる例を示しているが、環状磁石12自体の構成は図3に示す例と同様であることは言うまでもない。
またその他の構成は図3に示す例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付してその説明を割愛する。
図5は、前記実施形態のベアリングシール9のさらなる変形例であって、芯材21を樹脂から非磁性の金属材料に変更している。この変形例では、芯材21は、非磁性のステンレス鋼、具体的にはオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS304等)から構成されている。そして、芯材21の円板部212は、芯材円筒部211の車輪側端部211aから径方向に沿って内側に延びるとともに、支持部材11の取着板部112と平行となるように設けられている。円板部212は、ベアリングシール9が他のベアリングシール9に積み重ねられた状態で、少なくとも他のベアリングシール9の環状磁石12と接する部分が、塑性変形しないように形成されている。ここで、円板部が非磁性材料であるオーステナイト系ステンレス鋼によって構成されていても、円板部に屈曲等の塑性変形が施されていると、加工誘起マルテンサイト変態により円板部は磁性体に変態するが、本変形例の円板部212はこのようなおそれが生じることが少ない。したがって、円板部212が隣り合うベアリングシール9の環状磁石12に当接していても、磁気的に吸着されることは未然に回避されている。なお、本変形例では、円板部212は塑性変形のない形状とされているが、円板部212が隣り合うベアリングシール9の環状磁石12に当接しても磁気的に吸着しない程度しか磁化しないのであれば、円板部212を塑性変形させてもよい。
その他の構成は、図3に示す例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付してその説明を割愛する。
図6は、本実施形態のベアリングシール9を構成する磁気エンコーダ10の変形例であり、複数の磁気エンコーダ10を軸L方向に積み重ねた状態を示す。ベアリングシール9は、磁気エンコーダ10と本図では図示を省略するシール部材20とが組み合わさって軸受装置1に装着されるが、磁気エンコーダ10とシール部材20とをそれぞれ個別に積み重ね或いは整列させて梱包することもあり得る。本例は、このような場合に対応し得るように構成されている。支持部材11は、内輪5(内輪部材4)に嵌合される短寸の円筒部111と、円筒部111から外径側に延びる円輪状の取着板部112とからなる。支持部材11は、その全体が非磁性材料からなり、好ましくは、前記例と同様に、熱可塑性樹脂、さらに好ましくは、ポリブチレンテレフタレートからなる。
複数の当該磁気エンコーダ10を軸L方向に積み重ねた際には、隣接する磁気エンコーダ10における支持部材11の取着板部112と環状磁石12とが当接する。しかし、支持部材11は、その全体が非磁性材料からなるから、取着板部112が環状磁石12に当接していても、支持部材11が環状磁石12に磁気的に吸着されない。したがって、当該複数の磁気エンコーダ10を積み重ねた状態で梱包箱に収納し、使用時に、他の磁気エンコーダ10から円滑に分離して取り出すことができる。また、取着板部112と隣接する他の環状磁石12とが当接した状態で複数の磁気エンコーダ10を積み重ねることができるため、吸着防止のための部材を介在させる場合に比べて、積み重ね状態での軸L方向の占有容積を縮小することができる。
このように、磁気エンコーダ10をシール部材20と個別に梱包して流通に供する場合、密封装置を構成せず、回転検出機構のみを構成するように用いたいというユーザーの需要にも適切に対応することができる。
なお、芯材21を構成する材料は、熱可塑性樹脂であるポリブチレンテレフタレートでなくともよい。例えば、芯材21として、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ナイロン/ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、芯材21として、熱可塑性樹脂ではなく、熱硬化性樹脂を用いてもよく、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を用いてもよい。また、図5では、芯材21に用いられる材料の変形例として非磁性のステンレス鋼を例示したが、これに限らず、アルミニウムや銅等の非磁性の金属材料でもよい。
さらに、芯材21を外輪2の車体側内周面2bに嵌合する際に接着剤を塗布することが望ましいとしたが、芯材21が外輪2から外れない程度の充分な剛性を確保できるのであれば、接着剤の塗布を省略してもよい。
さらに、各実施形態では、本発明に係る密封装置が、自動車用の軸受装置に適用される例について述べたが、これに限らず、他の産業分野の軸受装置にも好ましく適用される。また、自動車用の軸受装置であっても、図1に示す軸受装置に限らず他の形態の軸受装置であってもよく、さらに駆動輪用に限らず従動輪用の軸受装置であってよい。さらに、芯材、支持部材、環状磁石の形状は例示のものに限らず他の形状であってもよい。加えて、シールリップは、支持部材に対して弾接する例を示したが、単に接触或いは近接するものであってもよい。また、シールリップの個数や形成態様等も要求される仕様等に応じて適宜変更が可能である。そして、例えば図4に示す外面被覆部222の厚みも、図例に限定されず、芯材円筒部211の厚みより大きく(厚く)なるように形成してもよい。
2 外輪(固定側部材)
5 内輪(回転側部材)
9 ベアリングシール(密封装置)
10 磁気エンコーダ
11 スリンガー(支持部材)
112 取着板部
12 環状磁石
20 シール部材
21 芯材
211 円筒部
211c 開放端(車体側端部)
212 円板部
22 シール体
22a,22b,22c シールリップ
S 軸受空間(環状空間)
L 軸

Claims (6)

  1. 固定側部材に対して相対的に軸回転する回転側部材に取付けられる磁気エンコーダと、前記固定側部材に取付けられるシール部材とが組み合わさって、前記固定側部材と前記回転側部材との間の環状空間を密封する密封装置であって、
    前記磁気エンコーダは、径方向に延びる取着板部を備えて前記回転側部材に取付けられる支持部材と、前記取着板部に取着された環状磁石と、を備え、
    前記シール部材は、前記固定側部材に取付けられる円筒部及び当該円筒部から前記取着板部に対向するように設けられた円板部を備えた芯材と、前記芯材に固着され前記支持部材に近接乃至接触するシールリップを有する弾性材製のシール体と、を備え、
    少なくとも前記芯材の円板部は、非磁性材料からなり、複数の当該密封装置が軸方向に積み重ねられた際に、隣接する当該密封装置における前記環状磁石と当接するように構成され、前記非磁性材料が、前記環状磁石の耐熱性と同等以上の耐熱性を有する熱可塑性樹脂であることを特徴とする密封装置。
  2. 請求項1に記載の密封装置において
    前記芯材の全体が前記熱可塑性樹脂で構成されていることを特徴とする密封装置。
  3. 請求項1または2に記載の密封装置において
    前記芯材の円筒部は、接着剤を介して前記固定側部材に嵌合されることを特徴とする密封装置。
  4. 請求項1~請求項3に記載の密封装置において
    前記磁気エンコーダにおける支持部材の少なくとも取着板部は、非磁性材料からなることを特徴とする密封装置。
  5. 請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の密封装置において
    前記シール体は、前記円板部の内周縁部を回り込むことなく該内周縁部の端面を覆っていることを特徴とする密封装置。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の密封装置において
    前記シール体は、前記円筒部の開放端を回り込み、該円筒部の外周面の全面を覆っていることを特徴とする密封装置。
JP2018149767A 2017-08-31 2018-08-08 密封装置 Active JP7201985B2 (ja)

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