(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光源装置20を備えたプロジェクタ装置(画像投射装置)1を示す概略構成図である。図1に示すように、プロジェクタ装置1は、筐体10と、光源装置20と、照明光学系30と、画像形成素子(画像表示素子)40と、投射光学系50とを有している。
筐体10は、光源装置20と、照明光学系30と、画像形成素子40と、投射光学系50とを収納する。光源装置20は、例えば、RGBの各色に対応する波長を含んだ光を出射する。なお、光源装置20の内部構成については、後に詳細に説明する。
照明光学系30は、後述する光源装置20の均一化光学素子25で均一化された光で画像形成素子40を略均一に照明する。照明光学系30は、例えば、1枚以上のレンズや1面以上の反射面等を有している。
画像形成素子40は、照明光学系30により照明される光(光源装置20の光源光学系からの光)を変調することにより画像を形成する。画像形成素子40は、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)や液晶表示素子で構成される。画像形成素子40は、照明光学系30から照射される光(青色光、緑色光、赤色光、黄色光)と同期して微小鏡面を駆動させ、カラー画像を生成する。
投射光学系50は、画像形成素子40が形成した画像(カラー画像)を、プロジェクタ装置1外に設置されたスクリーン(被投射面)60に拡大投射する。投射光学系50は、例えば、1枚以上のレンズを有している。
図2は、第1実施形態による光源装置20を示す概略構成図である。図2に示すように、光源装置20は、光の伝搬方向に沿って順に配置された、第1の発光部21と、集光レンズ群22と、波長分離部23と、波長変換部24と、均一化光学素子25と、波長選択素子26とを有している。また、光源装置20は、第2の発光部27と、カップリングレンズ28とを有している。
第1の発光部21は、レーザ光源(励起光源)を構成するものであり、第1の波長の光の一例として発光強度の中心が455[nm]の青色帯域の光(青色のレーザ光)を出射する。以下では、青色レーザ光を、単に青色光と称する。第1の発光部21は、例えば、複数のレーザ光を出射する光源がアレイ状に配置されている。第1の発光部21に複数の光源を設けることで更に明るい光源装置20を実現することができる。
第1の発光部21から出射される青色光は、後述する波長変換部24を構成する蛍光体を励起させる励起光として用いられる。なお、第1の発光部21から出射される光は、波長変換部24(蛍光体)を励起させることができる波長の光であればよく、青色波長帯域の光に限定されるものではない。また、第1の発光部21は、複数の光源を有するものとしたが、これに限定されるものではなく、1個の光源で構成されるものとしてもよい。
集光レンズ群22は、全体として正のパワーを有しており、第1の発光部21の側から波長分離部23の側に向かって順に、大口径レンズ22a及び負レンズ22bを有している。大口径レンズ22aは、正のパワーを有し、第1の発光部21から出射された平行光を集光及び合成するレンズで構成される。負レンズ22bは、大口径レンズ22aにより集光された青色光を平行光に変換するレンズで構成される。集光レンズ群22は、第1の発光部21から略平行光となって入射した青色光(励起光)を収束させながら波長分離部23に導く。
波長分離部23は、光路分離部の一例を構成するものであり、例えば、三角プリズムで構成されている。波長分離部23を構成する三角プリズムは、第1の発光部21から出射される青色光の伝播方向に対して傾斜して配置される傾斜面23aを有している。傾斜面23aは、青色光の伝播方向に対して45°傾斜して配置されている。傾斜面23aは、青色光を透過する一方、青色光を励起光として波長変換部24から出射される蛍光光を反射する。なお、第1の発光部21に対する傾斜面23aの角度は、45°に限定されず、任意の角度でよい。
波長変換部24は、例えば、蛍光体で構成される。波長変換部24を構成する蛍光体は、青色光を励起光として作用させ、青色光とは異なる波長域の蛍光光に変換する。例えば、波長変換部24で変換される蛍光光は、第2の波長の光の一例を構成するものであり、発光強度の中心が550[nm]の黄色の波長域の光(黄色光)である。波長変換部24は、第1の発光部21から出射された青色光が入射して蛍光光を出射可能に構成されている。
波長変換部24は、波長分離部23を構成する三角プリズムに接して配置されている。例えば、波長変換部24を構成する蛍光体は、固定して配置されている。その際、蛍光体には、耐熱性の高い単結晶蛍光体を用いることができる。なお、波長変換部24に2種類以上の蛍光体を備え、それぞれに対応する励起光を用いるようにしてもよい。また、波長変換部24には、蛍光体の代わりに燐光体を用いてもよい。
均一化光学素子25は、例えば、4枚のミラーを組み合わせたライトトンネルで構成される。均一化光学素子25を構成するライトトンネルは、4つのミラーが四角柱の内側になるように形成された光学素子で、四角柱の一端の開口部(入射側開口部)から入射した光を内部のミラーで複数回反射させることで光の分布を均一化する素子である。
均一化光学素子25は、波長分離部23を構成する三角プリズムに接して配置されている。また、均一化光学素子25は、後述する第2の発光部27から出射される青色光の光軸上に配置されている。均一化光学素子25は、光ミキシング素子と呼ばれることがあり、ここでは、その一例としてライトトンネルを示しているが、これに限定されず、ロッドインテグレータやフライアイレンズ等を用いることも可能である。
波長選択素子26は、例えば、カラーホイールで構成される。波長選択素子26を構成するカラーホイールは、均一化光学素子25から入射された青色光及び蛍光光を、所望の色に分離する光学部材である。例えば、カラーホイールは、駆動モータ26aにより回転駆動される円環形状部材26bを有している。円環形状部材26bは、円周方向に区画された青透過セグメント、赤透過セグメント、緑透過セグメント及び黄透過セグメントを有している。
駆動モータ26aが回転駆動することにより、円環形状部材26bが円周方向に回転する。円環形状部材26bが円周方向に回転することによって、後述する第2の発光部27から出射された青色光は青透過セグメントへ入射し、波長変換部24から出射された蛍光光は赤透過セグメント、緑透過セグメント及び黄透過セグメントへ順次入射することになる。第1の発光部21、第2の発光部27から出射された光(蛍光光及び青色光)が、カラーホイールを透過することによって、青色光、緑色光、赤色光及び黄色光が順次出射される。
第2の発光部27は、蛍光光の波長と異なる第3の波長の光の一例として、発光強度の中心が460[nm]の青色光を出射する。第2の発光部27は、第1の発光部21と同様の波長の光を出射するようにしてもよい。第2の発光部27は、例えば、複数のレーザ光を出射する光源がアレイ状に配置されている。第2の発光部27から出射される青色光は、第1の発光部21から出射される青色光、波長変換部24から出射される蛍光光と異なる方向から波長分離部23に入射される。光源装置20において、第2の発光部27は、出射される青色光が、第1の発光部21から出射される青色光と直交するように配置されている。また、第2の発光部27は、均一化光学素子25と対向する位置(正対する位置)に配置されている。
カップリングレンズ28は、第2の発光部27から出射された青色光を入射し、平行光(コリメート光)に変換するレンズである。なお、以下において、平行光とは、完全にコリメート(平行化)された光に限らず、略平行化された光を含む概念とする。カップリングレンズ28の数は、第2の発光部27の光源の数に対応していればよく、第2の発光部27の光源の数の増減に応じて増減することができる。
このような構成を有する光源装置20における光路について説明する。まず、第1の発光部21から出射される青色光(励起光)の光路について説明する。第1の発光部21から出射された青色光は、集光レンズ群22の大口径レンズ22aによって集光及び合成された後、負レンズ22bによって平行光に変換される。負レンズ22bから出射された青色光は、波長分離部23を透過し、波長変換部24に入射される。
波長変換部24では、集光レンズ群22から入射した青色光を励起光として作用させ、蛍光光(黄色光)に変換する。波長変換部24で変換された蛍光光は、略ランバート分布で青色光の入射面側(波長分離部23の傾斜面23a側)に出射される。波長変換部24から出射された蛍光光は、主に波長分離部23の傾斜面23aで反射され、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した蛍光光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、均一化光学素子25から出射される。
均一化光学素子25から出射した蛍光光は、波長選択素子26に入射する。第1の発光部21、第2の発光部27及び波長選択素子26は同期されており、第1の発光部21が発光しているタイミングでは波長選択素子26の赤透過セグメント、緑透過セグメント又は黄透過セグメントが光路上に配置される。赤透過セグメントでは入射した蛍光光(黄色光)から赤の波長帯の光のみが透過する。同様に、緑透過セグメント及び黄透過セグメントでは、それぞれ黄色光から緑色及び黄色の波長帯の光が透過する。波長選択素子26を透過した光は、照明光学系30に出射される。
次に、第2の発光部27から出射される青色光の光路について説明する。第2の発光部27から出射された光は、カップリングレンズ28により略コリメート光に変換される。カップリングレンズ28から出射された青色光は、波長分離部23を透過し、そのまま均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した青色光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、均一化光学素子25から出射される。
均一化光学素子25から出射した青色光は、波長選択素子26に入射する。第1の発光部21、第2の発光部27及び波長選択素子26は同期されており、第2の発光部27が発光しているタイミングでは波長選択素子26の青透過セグメントが光路上に配置される。青透過セグメントでは入射した青色光が透過する。均一化光学素子25を透過した光は、照明光学系30に出射される。このようにして光源装置20から各色の光を得ることができる。
第1実施形態に係る光源装置20においては、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23、波長変換部24の順に入射される。より具体的には、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23で反射された後、他の光学部品を介在することなく波長変換部24に入射される。これにより、波長分離部23と波長変換部24とを接近して配置する配置することができるので、光学系のサイズの増大を抑制でき、光源装置20を小型化することができる。また、波長分離部23を透過した青色光を直接的に波長変換部24に入射させることができるので、他の光学部品が配置される場合と比べて光学系における光利用効率を向上することができる。
特に、光源装置20においては、波長分離部23と波長変換部24とが接して配置されている。これにより、更に光学系のサイズを小さくできると共に、波長変換部24から出射された蛍光光を効率良く波長分離部23へ伝達することができる。なお、ここでは、波長分離部23と波長変換部24とが接する場合について説明しているが、これに限定されない。波長分離部23と波長変換部24との間にレンズなどの部品を配置しないことを前提としてこれらを任意の位置に配置することができる。波長分離部23と波長変換部24との間に部品を配置しないことにより、これらを近付けて配置でき、光学系のサイズを小型化することができる。
また、光源装置20においては、波長分離部23に三角プリズムを用いている。このため、波長分離部23と波長変換部24とを押し当てて近接させることが容易となる。これにより、複雑な構造を必要とすることなく、波長分離部23と波長変換部24とを隙間なく密着させることができる。この結果、波長変換部24から出射された光を全て波長分離部23に導くことができるので、光源装置20における光利用効率を向上することができる。
さらに、光源装置20においては、波長分離部23と均一化光学素子25とが接して配置されている。これにより、光源光学系(光源装置20)を小型化することができる。また、波長分離部23から出射された光を光路外に漏れることなく均一化光学素子25に導くことができるので、光源装置20における光利用効率を向上することができる。
上述したように、光源装置20においては、波長分離部23に三角プリズムを用いている。このため、波長分離部23と均一化光学素子25とを押し当てて近接させることが容易となる。これにより、複雑な構造を必要とすることなく、波長分離部23と均一化光学素子25とを隙間なく密着させることができる。この結果、波長変換部24から出射された光を全て均一化光学素子25に導くことができるので、光源装置20における光利用効率を向上することができる。
さらに、光源装置20においては、第2の発光部27から出射される青色光は、第1の発光部21から出射される青色光とは異なる方向から波長分離部23に入射する。また、均一化光学素子25は、第2の発光部27と正対する位置に配置され、第2の発光部27の光軸上に配置されている。このため、第2の発光部27から出射された青色光は、均一化光学素子25に上下左右対称に入射する。これにより、均一化光学素子25を通過した後の青色光を偏りのない均一な分布とすることができる。
以上のように、第1実施形態に係る光源装置20においては、波長変換部24、波長分離部23及び均一化光学素子25を近付けて配置すると共に、波長変換部24の前にレンズ等の光学部品を配置しないことから、光学系のサイズを小型化しながら、光利用効率に優れた光源装置20を実現することができる。
なお、光源装置20において、波長変換部24は、波長変換部接続部材を含んでいてもよい。波長変換部接続部材とは、例えば、波長変換部24上に備えるガラス板や、波長変換部24を固定する固定部材である。図2に示す波長変換部24上にガラス板を備えることにより、組み付け時などの波長変換部24の損傷を防ぐことができる。また、波長変換部24に固定部材を備えることで、振動などによって波長変換部24の位置がずれるのを防ぐことができる。また、第1の発光部21からの青色光(励起光)の入射時に波長変換部24で発生した熱を固定部材に逃すことができるので、波長変換部24の冷却効果を向上でき、波長変換効率の低下や波長変換部24の劣化を防ぐことができる。
また、光源装置20において、波長分離部23を構成する三角プリズムのうち、傾斜面23a、波長変換部24が接触する平面23b及び均一化光学素子25が接触する平面23cの全てに隣り合う平面(図2における紙面の奥側及び手前側の平面)に対して、波長変換部24から出射される蛍光光を反射する誘電体多層膜コートを施すことは実施形態として望ましい。これらの平面に誘電体多層膜コートを施すことにより、波長変換部24から出射される蛍光光を効率よく均一化光学素子25に導くことができ、光利用効率を向上することができる。
同様に、上述した波長変換部24が接触する平面23bのうち、波長変換部24の非接触領域23b1、23b2に対して、同様の誘電体多層膜コートを施すことは実施形態として望ましい(図3参照)。このように非接触領域23b1、23b2に誘電体多層膜コートを施すことにより、図3に示すように、三角プリズムの傾斜面23aで反射後に非接触領域23b1、23b2に進行した蛍光光を再度反射させることができる。これにより、波長分離部23から蛍光光が漏れることが抑制されるので、効率よく均一化光学素子25に導くことができ、光利用効率を更に向上することができる。
さらに、光源装置20においては、装置本体の小型化及び光利用効率の向上の観点から波長分離部23、波長変換部24及び均一化光学素子25の寸法や配置等を選択することが望ましい。例えば、図4に示すように、均一化光学素子25の入射側開口部25aの長辺方向の長さをDとし、均一化光学素子25の開口の法線方向における均一化光学素子25の入射側開口部25aから、波長変換部24に入射される青色光(励起光)の投影範囲24aにおける均一化光学素子25側の端部までの距離をLとするものとする。この場合、光源装置20においては、距離Lが以下の(式1)を満たすことが望ましい。距離Lをこのような範囲に設定することにより、波長変換部24から均一化光学素子25までの光路長を短縮でき、光源装置20が有する光学系のサイズを小型化することができる。
0 ≦ L ≦ D (式1)
図5に、距離Lが(式1)を満たさない場合の波長分離部23の周辺の構成について説明する。図5Aにおいては、距離Lが長さDより大きい場合について示し、図5Bにおいては、距離Lが0より小さい場合について示している。図5において、図4と同一の構成については、共通の符号を付与し、その説明を省略する。
図5Aに示すように、距離Lが長さDよりも大きい場合、波長変換部24から均一化光学素子25までの光路長が長くなり、光源装置20が有する光学系のサイズの増大を招く。また、波長分離部23に三角プリズムを用いた場合、均一化光学素子25のサイズよりも三角プリズムが大きくなり、波長変換部24から照射された蛍光光のうち、均一化光学素子25に入射しない蛍光光が生じ、光利用効率の低下を招く。このことから、光学系サイズの小型化及び光利用効率の向上の観点から距離Lは、長さD以下であることが望ましい。
一方、図5Bに示すように、距離Lが0より小さい場合とは、波長変換部24における青色光(励起光)の投影範囲24aが均一化光学素子25の側面に位置することを意味する。均一化光学素子25がライトトンネルで構成される場合、波長変換部24から出射する光のうち、比較的強度の高い波長変換部24の表面の法線方向の光は、ライトトンネルのミラー面に垂直に当たる。このため、均一化光学素子25の出射側開口部25bには向かわず波長変換部24に戻ることとなり、光利用効率が低下する。更に、波長変換部24の表面の法線方向よりもライトトンネルの入射側開口部25aの方向側に出射される光は、ライトトンネルの出射側開口部25bには向かわないため、光利用効率が低下する。このことから、光利用効率の向上の観点から距離Lは0以上であることが望ましい。
さらに、光源装置20においては、波長分離部23を三角プリズムで構成する場合について説明している。しかしながら、波長分離部23の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、波長分離部23には、四角プリズムやダイクロイックミラーを用いることもできる。
図6は、波長分離部23にダイクロイックミラーを用いた場合の光源装置20の概略構成図である。図6において、図2と共通する構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。図6に示すように、波長分離部23をダイクロイックミラーで構成する場合においても、ダイクロイックミラーは、三角プリズムの傾斜面23aと同様に、第1の発光部21から出射される青色光の伝播方向に対して傾斜して配置される。ダイクロイックミラーは、傾斜面23aと同様に、青色光を透過する一方、青色光を励起光として波長変換部24から出射される蛍光光を反射する光学特性を有している。
なお、図6に示す光源装置20においては、波長変換部24を冷却する冷却部210を備えている。冷却部210は、第1の発光部21から出射される青色光の光路上に配置されている。例えば、冷却部210は、ヒートシンクなどで構成される。冷却部210には、更なる冷却のためにファンを設けても良い。ファンを設けることにより、更に波長変換部24に対する冷却効果を向上することができる。
波長変換部24は、冷却部210における第1の発光部21との対向面上に配置されている。波長変換部24を冷却部210上に配置することにより、波長変換部24の温度上昇を抑制できるので、青色光が入射した場合の波長変換部24の温度上昇に起因して波長変換効率の低下や波長変換部24自体の破損を防止することができる。
なお、波長分離部23にダイクロイックミラーを用いる場合においても、三角プリズムを用いた場合と同様に、図6における波長分離部23の紙面手前側及び奥側の一部に、誘電体多層膜コート等が施された反射面を設けることが望ましい。同様に、冷却部210の表面(図6に示す左方側側面)のうち、波長変換部24の非接触領域210a、210bを同様の反射面とすることが望ましい。これにより、波長分離部23から蛍光光が漏れることが抑制されるので、効率よく均一化光学素子25に導くことができ、光利用効率を更に向上することができる。
また、光利用効率の向上の観点から、波長分離部23と均一化光学素子25とを一体化することは実施形態として望ましい。図7は、波長分離部23と均一化光学素子25とを一体化した場合の模式図である。図7に示す均一化光学素子25は、例えば、4枚のミラーを組み合わせて構成される。均一化光学素子25を構成するミラーにおける波長分離部23側の端部は、波長分離部23の側縁部に接続される。このように波長分離部23と均一化光学素子25とを一体化することにより、図2に示す波長分離部23(三角プリズム)の紙面の手前側及び奥側の側面を反射面とした場合と同様に、波長変換部24から出射した蛍光光を効率良く均一化光学素子25に導くことができる。
なお、図7に示す構成においては、波長変換部24を備える側面のうち、波長変換部24と対向する領域以外の領域を反射面とすることが望ましい。これにより、図2と同様の効果が得られ、波長変換部24から出射された蛍光光を効率良く均一化光学素子25に導くことができる。また、波長分離部23と均一化光学素子25を一体とすることで、波長分離部23と均一化光学素子25の間に隙間が形成されないので、光が漏れることがなく、波長分離部23で反射した光を全て均一化光学素子25に導くことができ、光利用効率を向上することができる。なお、ここでは、波長分離部23と均一化光学素子25とを一体化する場合について説明しているが、これらを隣り合うように配置してもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る光源装置201は、波長分離部23と均一化光学素子25との間に集光レンズを備える点で、第1実施形態に係る光源装置20と相違する。以下、第2実施形態に係る光源装置201の構成について、第1実施形態に係る光源装置20との相違点を中心に説明する。図8は、第2実施形態に係る光源装置201を示す概略構成図である。図8において、図2と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。
図8に示すように、第2実施形態に係る光源装置201においては、波長分離部23と均一化光学素子25とが一定の空間を空けた状態で配置されている。集光レンズ211は、この空間に配置されている。集光レンズ211は、入射面及び出射面が、それぞれ波長分離部23の出射面を構成する平面23c及び均一化光学素子25の入射側開口部25aと対向するように配置されている。例えば、集光レンズ211は、その光軸が第2の発光部27の光軸と一致する位置に配置されている。集光レンズ211は、波長分離部23から出射される青色光及び蛍光光を集光する。これにより、波長分離部23から出射された青色光等が光路外に進行するのを防止でき、青色光等を効率よく均一化光学素子25に導くことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る光源装置202は、均一化光学素子25の構成が異なる点で、第1実施形態に係る光源装置20と相違する。以下、第3実施形態に係る光源装置202の構成について、第1実施形態に係る光源装置20との相違点を中心に説明する。図9は、第3実施形態に係る光源装置202を示す概略構成図である。図9において、図2と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。
図9に示すように、光源装置202は、入射側開口部25aよりも出射側開口部25bの方が大きく構成された均一化光学素子251を備えている。例えば、均一化光学素子251は、テーパー型ライトトンネルで構成される。均一化光学素子251は、直方体形状を有する直方体部251a(第1ライトトンネル)と、テーパー形状を有するテーパー部251b(第2ライトトンネル)とを組み合わせて(連結させて)構成されている。テーパー部251bは、直方体部251aの後段に接続されている。直方体部251aは、波長分離部23の傾斜面23aに対向して配置される入射側開口部25aを有している。テーパー部251bは、波長選択素子26に対向して配置されており、波長選択素子26に対向して出射側開口部25bを有している。
直方体部251aにおいては、入射した光が複数回反射することより均一な光を得ることができるが、光の出射角度が入射角度と同一である。一方、テーパー部251bにおいては、出射光の角度分布は小さくなるが、開口が出射側開口部25bに向けて大きくなっていく。このため、均一化光学素子25の内部における光の反射回数は、直方体部251aの場合よりも少なくなり、均一化効果は得にくくなる。均一化効果を高めるためには,均一化光学素子を長くする必要があり、光学系サイズの増大を招く。そこで、第3実施形態に係る光源装置202においては、直方体部251aとテーパー部251bとを組み合わせることで、直方体部251aでは光を均一にし、テーパー部251bでは光の出射角度分布を小さくしている。これにより、均一化光学素子251より後段の光学系を小型化できると共に、効率よく波長選択素子26に青色光等を導くことができる。
なお、図9に示す光源装置202においては、直方体部251aとテーパー部251bとを組み合わせて均一化光学素子251を構成する場合について示しているが、均一化光学素子25の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、均一化光学素子251は、直方体部251a又はテーパー部251bのいずれかのみで構成してもよい。均一化光学素子251において、入射側開口部25aよりも出射側開口部25bの方が大きく構成されることは実施の形態として望ましい。
また、光源装置202が有する均一化光学素子251においては、図10に示すように、直方体部251aとテーパー部251bとを離間させ、これらの間に光学素子の一例であるカップリングレンズ251cを配置してもよい。このように直方体部251aとテーパー部251bとの間にカップリングレンズ251cを介在させることにより、均一化光学素子251の製造を容易化することができる。また、カップリングレンズ251cによって直方体部251aからの出射光を効率良くテーパー部251bに入射させることができるので、図9に示す均一化光学素子251と同等の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る光源装置203は、波長分離部として四角プリズムを使用する点及び波長変換部24と第2の発光部27とが逆に配置される点で、第1実施形態に係る光源装置20と相違する。以下、第4実施形態に係る光源装置203の構成について、第1実施形態に係る光源装置20との相違点を中心に説明する。図11は、第4実施形態に係る光源装置203を示す概略構成図である。図11において、図2と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。
図11に示すように、光源装置203において、波長分離部23は、四角プリズムで構成されている。波長分離部23を構成する四角プリズムは、その内部に、第1の発光部21から出射される青色光の伝播方向に対して傾斜して配置される傾斜面23dを有している。傾斜面23dは、青色光の伝播方向に対して45°傾斜して配置されている。傾斜面23dは、第1の発光部21及び第2の発光部27から出射される青色光を反射する一方、青色光を励起光として波長変換部24から出射される蛍光光を透過する。なお、第1の発光部21に対する傾斜面23dの角度は、45°に限定されず、任意の角度でよい。
光源装置203において、波長変換部24、第2の発光部27は、それぞれ波長分離部23を構成する四角プリズムの側面23e、23fに接して配置されている。波長変換部24は、波長分離部23及び均一化光学素子25を挟んで波長選択素子26に対向する位置に配置されている。第2の発光部27は、集光レンズ群22及び波長分離部23を挟んで第1の発光部21に対向する位置に配置されている。
このような構成を有する光源装置203における光路について説明する。第1の発光部21から出射された青色光は、集光レンズ群22の大口径レンズ22aによって集光及び合成された後、負レンズ22bによって平行光に変換される。負レンズ22bから出射された青色光は、波長分離部23の傾斜面23dで反射し、波長変換部24に入射される。
波長変換部24で変換された蛍光光は、略ランバート分布で青色光の入射面側(波長分離部23の傾斜面23d側)に出射される。波長変換部24から出射された蛍光光は、波長分離部23の傾斜面23dを透過し、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した蛍光光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した蛍光光は、赤透過セグメント、緑透過セグメント又は黄透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。
一方、第2の発光部27から出射された青色光は、波長分離部23の傾斜面23dで反射し、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した蛍光光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した青色光は、青透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。このようにして光源装置203から各色の光を得ることができる。
第4実施形態に係る光源装置203においては、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23、波長変換部24の順に入射される。より具体的には、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23で反射された後、他の光学部品を介在することなく波長変換部24に入射される。これにより、波長分離部23と波長変換部24とを接近して配置する配置することができるので、光学系のサイズの増大を抑制でき、光源装置20を小型化することができる。また、波長分離部23を透過した青色光を直接的に波長変換部24に入射させることができるので、他の光学部品が配置される場合と比べて光学系における光利用効率を向上することができる。
特に、光源装置203においては、波長分離部23と波長変換部24とが接して配置されている。これにより、光学系のサイズを小型化することができる。また、波長分離部23で反射された青色光を波長変換部24に効率よく伝達することができるので、光学系における光利用効率を向上することができる。なお、ここでは、波長分離部23と波長変換部24とが接する場合について説明しているが、これに限定されない。波長分離部23と波長変換部24とは、所定の空間を挟んで配置されてもよい。
なお、光源装置203においては、第1実施形態の光源装置20と同様に、四角プリズムの側面のうち、図11に示す紙面の奥側及び手前側の平面に対して、波長変換部24から出射される蛍光光を反射する誘電体多層膜コートを施すことは実施形態として望ましい。同様に、波長変換部24が接触する側面23eのうち、波長変換部24の非接触領域23e1、23e2に対して、同様の誘電体多層膜コートを施すことは実施形態として望ましい(図11参照)。また、第2の発光部27が接触する側面23fのうち、第2の発光部27の非接触領域23f1、23f2に対して、同様の誘電体多層膜コートを施すことは実施形態として望ましい(図11参照)。さらに、四角プリズムにおける第1の発光部21側の平面23gは、第1の発光部21からの青色光を透過し、波長変換部24からの蛍光光を反射するコートが施されていることが望ましい。これらにより、第1の発光部21からの青色光を効率良く波長変換部24に導くと共に、波長変換部24、第2の発光部27から出射された光を効率良く均一化光学素子25に導くことができる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る光源装置204は、波長分離部23を構成する三角プリズムの設置角度が異なる点、並びに、第1の発光部21及び第2の発光部27から配置が異なる点で、第1実施形態に係る光源装置20と相違する。以下、第5実施形態に係る光源装置204の構成について、第1実施形態に係る光源装置20との相違点を中心に説明する。図12は、第5実施形態に係る光源装置204を示す概略構成図である。図12において、図2と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。
図12に示すように、第5実施形態に係る光源装置204において、波長分離部23を構成する三角プリズムは、傾斜面23hが均一化光学素子25の入射側開口部25aに対向した状態で配置されている。また、光源装置204においては、波長分離部23を構成する三角プリズムの傾斜面23hと対向する側面23i、23jのうち、側面23jに波長変換部24が接した状態で配置されている。
第1の発光部21及び第2の発光部27は、側面23iの外表面に青色光を出射する位置に配置されている。第1の発光部21は、その光軸が側面23iを介して側面23j上に配置された波長変換部24と交わる位置に配置される。第2の発光部27は、その光軸が側面23iに垂直に交わる位置に配置されている。
波長分離部23を構成する三角プリズムの側面23iは、第1の発光部21及び第2の発光部27から出射される青色光を透過する一方、波長変換部24から出射される蛍光光を反射する。三角プリズムの傾斜面23hは、第1の発光部21から出射される青色光及び波長変換部24から出射される蛍光光を透過する。
このような構成を有する光源装置204における光路について説明する。第1の発光部21から出射された青色光は、集光レンズ群22の大口径レンズ22aによって集光及び合成された後、負レンズ22bによって平行光に変換される。負レンズ22bから出射された青色光は、波長分離部23の側面23iを透過し、波長変換部24に入射される。
波長変換部24で変換された蛍光光は、略ランバート分布で傾斜面23h側に出射される。波長変換部24から出射された蛍光光は、波長分離部23の傾斜面23hを透過し、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した蛍光光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した蛍光光は、赤透過セグメント、緑透過セグメント又は黄透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。
一方、第2の発光部27から出射された青色光は、波長分離部23の側面23i及び傾斜面23hを透過し、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した蛍光光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した青色光は、青透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。このようにして光源装置204から各色の光を得ることができる。
ここで、第5実施形態に係る光源装置204が有する光学系における光路の詳細について、図13を参照して説明する。図13は、第5実施形態に係る光源装置204が有する光学系における光路の説明図である。図13に示すように波長分離部23を配置することにより、強度の高い波長変換部24の表面に対して、法線方向付近を進む蛍光光を含む多くの蛍光光が三角プリズム内で反射されることなく均一化光学素子25に入射する。このため、光源装置204(光源光学系)における光利用効率を向上することができる。
なお、光源装置204においても、第1実施形態の光源装置20等と同様に、三角プリズムの側面のうち、図12に示す紙面の奥側及び手前側の平面等に対して、波長変換部24から出射される蛍光光を反射する誘電体多層膜コートを施すことが望ましい。これらのように誘電体多層膜コートを施すことにより、光源装置204(光源光学系)における光利用効率を更に向上することができる。
図14は、第5実施形態に係る光源装置204が有する波長分離部23及び均一化光学素子25の変形例の説明図である。図14に示すように、波長分離部23は、四角錐形状を有するプリズム(以下、適宜「四角錐プリズム」という)で構成されている。均一化光学素子252は、直方体部252aとテーパー部252bとを組み合わせた(連結させた)ライトトンネルで構成されている。均一化光学素子252の構成は、図9に示す均一化光学素子251と同様である。四角錐形状を有する波長分離部23は、四角形状を有する底面相当部分にて均一化光学素子252の入射側開口部25aに接続されている。
波長変換部24は、波長分離部23を構成する四角錐プリズムの側面23kに配置されている。第1の発光部21、第2の発光部27は、この側面23kの反対側に配置された側面23lに対して青色光を出射可能な位置に配置されている(図12参照)。これらの側面23kと、側面23lとの間に側面23m、側面23nが配置されている。図14においては、第1の発光部21から出射される青色光を実線の矢印で示し、第2の発光部27から出射される青色光を一点鎖線の矢印で示している。
図14に示すように、波長分離部23を四角錐プリズムで構成することにより、図13で説明したような光利用効率改善の効果を、対向する側面23k、23lだけでなく、隣り合う側面23m、23nに対しても得ることができる。つまり、図14において、波長変換部24からの蛍光光は、三次元方向に略ランバート分布で出射される。この場合において、蛍光光は、直接的に均一化光学素子252に入射するか、波長分離部23で少ない回数反射してから均一化光学素子252に入射するので、反射による光利用効率の低下を防ぎ、光利用効率を向上することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る光源装置205は、透過型の波長変換部を使用する点、並びに、第1の発光部21及び集光レンズ群22の位置が異なる点で、第4実施形態に係る光源装置203と相違する。以下、第6実施形態に係る光源装置205の構成について、第4実施形態に係る光源装置203との相違点を中心に説明する。図15は、第6実施形態に係る光源装置205を示す概略構成図である。図15において、図11と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。
図15に示すように、光源装置205においては、透過型の波長変換部241を備えている。波長変換部241は、図11に示す波長変換部24と同様に、波長分離部23を構成する四角プリズムの側面23eに配置されている。波長変換部241は、側面23eに接するように配置されている。
波長変換部241における第1の発光部21側の側面241aには、第1の発光部21から出射された青色光を透過し、波長分離部23から出射された光を反射するコーティングが施されている。波長変換部241の波長分離部23側の側面241bには、第1の発光部21からの青色光を反射し、波長分離部23から出射された蛍光光を透過するコーティングが施されている。青色光の反射率は、100%に近いほど好ましい。波長変換部241の波長分離部23側の側面241bが第1の光源部21からの青色光を反射することにより、青色光の一部が波長変換部で変換されないときでも青色光を波長変換部に戻すことができ、当該青色光を波長変換部で蛍光に変更することができる。これにより、第1の発光部21からの青色光を効率良く波長変換部241での発光に使用でき、波長変換部24から出射された蛍光光を効率良く波長分離部23に向かわせることができる。
また、光源装置205において、波長変換部24及び第2の発光部27は、図15に示すように、波長分離部23を構成する四角プリズムに近接して配置されている。このため、波長分離部23との間にレンズを設ける必要がないため、光学系のサイズを小型化できると共に、光利用効率に優れた光源装置205を実現することができる。
なお、光源装置205においては、第1の発光部21から出射された青色光が波長変換部24に入射し、波長変換部24から出射した蛍光が波長分離部23の順にする。より具体的には、第1の発光部21から出射された青色光が波長変換部24で蛍光に変換された後、他の光学部品を介在することなく波長分離部23に入射される。これにより、波長変換部24と波長分離部23とを接近して配置する配置することができるので、光学系のサイズの増大を抑制でき、光源装置205を小型化することができる。また、波長変換部24から出射した蛍光を直接的に波長分離部23に入射させることができるので、他の光学部品が配置される場合と比べて光学系における光利用効率を向上することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態に係る光源装置206は、第2の発光部27を備えず、第1の発光部21のみを備える点及び第1の発光部21からの出射光を波長分離部23に導く導光部材(導光手段)を備える点で、第1実施形態に係る光源装置20と相違する。以下、第7実施形態に係る光源装置206の構成について、第1実施形態に係る光源装置20との相違点を中心に説明する。図16は、第7実施形態に係る光源装置206を示す概略構成図である。なお、図16において、図2と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。
図16に示すように、光源装置206においては、反射/透過ホイール70、第1の反射部71及び第2の反射部72を有している。これらは、集光レンズ群22と波長分離部23との間において、第1の発光部21から出射される青色光の伝播方向に沿って反射/透過ホイール70、第1の反射部71及び第2の反射部72の順に配置されている。反射/透過ホイール70は、波長変換部24に対する、第1の発光部21から出射される青色光の入射の有無を切り替える導光手段(反射/透過切替え部材)の一例を構成する。
ここで、第7実施形態に係る光源装置206が有する反射/透過ホイール70の構成について、図17を参照して説明する。図17は、光源装置206が有する反射/透過ホイール70の概略構成図である。図17に示すように、反射/透過ホイール70は、円周方向に反射領域70aと透過領域70bとに区画された円盤形状を有している。反射/透過ホイール70は、駆動部70cにより回転駆動可能に構成されている。
反射/透過ホイール70においては、駆動部70cからの駆動力により回転することで、反射領域70aと透過領域70bとが第1の発光部21の光路上に順次配置される。図16Aにおいては、第1の発光部21の光路上に反射領域70aが配置された場合を示し、図16Bにおいては、第1の発光部21の光路上に透過領域70bが配置された場合を示している。
第1の反射部71、第2の反射部72は、反射/透過ホイール70から反射する青色光を波長分離部23に導く位置に配置される。第1の反射部71は、反射/透過ホイール70から反射した青色光を第2の反射部72側に反射する。第2の反射部72は、第1の反射部71から反射した青色光を波長分離部23側に反射する。
このような構成を有する光源装置206における光路について説明する。まず、第1の発光部21の光路上に反射領域70aが配置された場合の光路について説明する(図16A参照)。第1の発光部21から出射された青色光は、集光レンズ群22の大口径レンズ22aによって集光及び合成された後、負レンズ22bによって平行光に変換される。負レンズ22bから出射された青色光は、反射/透過ホイール70の反射領域70aで反射される。
反射/透過ホイール70で反射された青色光は、第1の反射部71及び第2の反射部72で反射された後、波長分離部23を構成する三角プリズムを透過し、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した青色光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、均一化光学素子25から出射して波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した青色光は、青透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。
次に、第1の発光部21の光路上に透過領域70bが配置された場合の光路について説明する(図16B参照)。上述の場合と同様に、第1の発光部21から出射された青色光は、集光レンズ群22の大口径レンズ22aによって集光及び合成された後、負レンズ22bによって平行光に変換される。負レンズ22bから出射された青色光は、反射/透過ホイール70の透過領域70bを透過する。
反射/透過ホイール70を透過した青色光は、波長分離部23を構成する三角プリズムを透過し、波長変換部24に入射される。波長変換部24で変換された蛍光光は、略ランバート分布で青色光の入射面側(波長分離部23の傾斜面23a側)に出射される。波長変換部24から出射された蛍光光は、波長分離部23の傾斜面23aで反射され、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した蛍光光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した蛍光光は、赤透過セグメント、緑透過セグメント又は黄透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。このようにして光源装置206から各色の光を得ることができる。
第7実施形態に係る光源装置206においては、第1の発光部21からの青色光(励起光)のみを用いて各色の光を得ることから、光源装置206における部品点数を削減でき、光源装置206を小型化することができる。また、光源として第1の発光部21のみを備えることから、冷却対象となる部品点数も低減でき、光源装置206を更に小型化することができる。
また、第7実施形態に係る光源装置206においても、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23、波長変換部24の順に入射される。より具体的には、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23を透過した後、他の光学部品を介在することなく波長変換部24に入射される。これにより、波長分離部23と波長変換部24とを接近して配置する配置することができるので、光学系のサイズの増大を抑制でき、光源装置206を小型化することができる。また、波長分離部23を透過した青色光を直接的に波長変換部24に入射させることができるので、他の光学部品が配置される場合と比べて光学系における光利用効率を向上することができる。
(第8実施形態)
第8実施形態に係る光源装置207は、導光部材として第1の発光部21から出射される青色光の偏光方向を操作する光学部品を備える点で、第1実施形態に係る光源装置20と相違する。以下、第8実施形態に係る光源装置207の構成について、第1実施形態に係る光源装置20との相違点を中心に説明する。図18は、第8実施形態に係る光源装置207を示す概略構成図である。なお、図18において、図16と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。
図18に示すように、光源装置207においては、偏光ホイール73、偏光分離部74、1/4波長板75及び反射部76を有している。これらは、集光レンズ群22と均一化光学素子25との間において、第1の発光部21から出射される青色光の伝播方向に沿って偏光ホイール73、偏光分離部74、1/4波長板75及び反射部76の順に配置されている。偏光ホイール73は、波長変換部24に対する、第1の発光部21から出射される青色光の入射の有無を切り替える導光手段(偏光切替え部材)の一例を構成する。
ここで、第8実施形態に係る光源装置207が有する偏光ホイール73の構成について、図19を参照して説明する。図19は、光源装置207が有する偏光ホイール73の概略構成図である。図19に示すように、偏光ホイール73は、円周方向に1/2波長板領域73aと透過領域73bとに区画された円盤形状を有している。1/2波長板領域73aは、第1の発光部21から出射された青色光の偏光方向をP偏光からS偏光に変換する。透過領域73bは、第1の発光部21から出射された光のP偏光を透過する。
偏光ホイール73は、駆動部73cにより回転駆動可能に構成されている。偏光ホイール73においては、駆動部73cからの駆動力により回転することで、1/2波長板領域73aと透過領域73bとが第1の発光部21の光路上に順次配置される。偏光ホイール73は、第1の発光部21の光路上に配置される領域を切り替えることで、第1の発光部21から出射された青色光の偏光方向を、P偏光とS偏光との間で切り替える。図18Aにおいては、第1の発光部21の光路上に1/2波長板領域73aが配置された場合を示し、図18Bにおいては、第1の発光部21の光路上に透過領域73bが配置された場合を示している。
第1の発光部21は、青色のレーザ光(青色光)を出射し、偏光分離部74に対してP偏光である。偏光分離部74は、光路分離部の一例を構成するものであり、例えば、偏光ビームスプリッタ(Polarizing Beam Splitter:PBS)で構成される。偏光分離部74は、青色の波長帯のP偏光(第1の偏光方向の光)を透過する一方、S偏光(第2の偏光方向の光)を反射する。また、偏光分離部74は、黄色の波長帯の光(蛍光光)を反射する。
1/4波長板75は、偏光分離部74と対向する位置に配置されている。1/4波長板75は、偏光分離部74から反射された光の偏光方向をS偏光から円偏光に変換する。反射部76は、1/4波長板75を挟んで偏光分離部74と反対側の位置に配置されている。反射部76は、1/4波長板75を介して入射した円偏光を偏光分離部74側に反射する。
このような構成を有する光源装置207における光路について説明する。まず、第1の発光部21の光路上に1/2波長板領域73aが配置された場合の光路について説明する(図18A参照)。第1の発光部21から出射された青色光は、集光レンズ群22で集光され、偏光ホイール73の1/2波長板領域73aに入射される。そして、1/2波長板領域73aにて、S偏光に変換された後、偏光分離部74に入射される。
偏光分離部74に入射された光はS偏光であるため、偏光分離部74で反射され、1/4波長板75に入射される。そして、1/4波長板75を通過することで円偏光に変換される。円偏光に変換された光は、反射部76で反射され、再び1/4波長板75に入射される。そして、1/4波長板75を通過することでP偏光に変換され、偏光分離部74に入射される。
偏光分離部74に入射された光はP偏光であるため、偏光分離部74を透過し、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、均一化光学素子25から出射して波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した光(青色光)は、青透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。
次に、第1の発光部21の光路上に透過領域73bが配置された場合の光路について説明する(図18B参照)。上述の場合と同様に、第1の発光部21から出射された光は、集光レンズ群22で集光され、偏光ホイール73の透過領域73bを透過し、偏光分離部74に入射される。
偏光分離部74に入射された光はP偏光であるため、偏光分離部74を透過し、波長変換部24に入射される。波長変換部24では、第1の発光部21からの光(青色光)を励起光として黄色の光(蛍光光)を出射する。波長変換部24から出射された光は、偏光分離部74で反射され、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、均一化光学素子25から出射して波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した光は、赤透過セグメント、緑透過セグメント又は黄透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。このようにして光源装置206から各色の光を得ることができる。
第8実施形態に係る光源装置207においては、第7実施形態に係る光源装置206と同様に、第1の発光部21からの光のみを用いて各色の光を得ることから、光源装置207における部品点数を削減でき、光源装置207を小型化することができる。また、光源として第1の発光部21のみを備えることから、冷却対象となる部品点数も低減でき、光源装置207を更に小型化することができる。
また、第8実施形態に係る光源装置207においても、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23、波長変換部24の順に入射される。より具体的には、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23を透過した後、他の光学部品を介在することなく波長変換部24に入射される。これにより、波長分離部23と波長変換部24とを接近して配置する配置することができるので、光学系のサイズの増大を抑制でき、光源装置207を小型化することができる。また、波長分離部23を透過した青色光を直接的に波長変換部24に入射させることができるので、他の光学部品が配置される場合と比べて光学系における光利用効率を向上することができる。
(第9実施形態)
第9実施形態に係る光源装置208は、偏光ホイール73の代わりに、偏光スイッチ素子を備える点で、第8実施形態に係る光源装置207と相違する。以下、第9実施形態に係る光源装置208の構成について、第8実施形態に係る光源装置207との相違点を中心に説明する。図20は、第9実施形態に係る光源装置208を示す概略構成図である。なお、図20において、図18と共通の構成については、同一の符号を付与して説明を省略する。
図20に示すように、光源装置208においては、集光レンズ群22と偏光分離部74との間に偏光スイッチ素子77を有している。偏光スイッチ素子77は、例えば、液晶偏波ローテータで構成される。この場合、偏光スイッチ素子77は、電圧を印加することで偏光を回転することができ、第1の発光部21から出射された光のP偏光をS偏光に変換することができる。図20Aにおいては、偏光スイッチ素子77で偏光が回転された場合を示し、図20Bにおいては、偏光スイッチ素子77で偏光が回転されていない場合を示している。偏光スイッチ素子77は、波長変換部24に対する、第1の発光部21から出射される青色光の入射の有無を切り替える導光手段(偏光切替え部材)の一例を構成する。
このような構成を有する光源装置208における光路について説明する。まず、偏光スイッチ素子77で偏光が回転された場合の光路について説明する(図20A参照)。第1の発光部21から出射された光は、集光レンズ群22で集光され、偏光スイッチ素子77に入射される。偏光スイッチ素子77により偏光が回転されることから、偏光スイッチ素子77にて、S偏光に変換された後、偏光分離部74に入射される。
偏光分離部74に入射された光はS偏光であるため、偏光分離部74で反射され、1/4波長板75に入射される。そして、1/4波長板75を通過することで円偏光に変換される。円偏光に変換された光は、反射部76で反射され、再び1/4波長板75に入射される。そして、1/4波長板75を通過することでP偏光に変換され、偏光分離部74に入射される。
偏光分離部74に入射された光はP偏光であるため、偏光分離部74を透過し、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、均一化光学素子25から出射して波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した光(青色光)は、青透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。
次に、偏光スイッチ素子77で偏光が回転されていない場合の光路について説明する(図20B参照)。上述の場合と同様に、第1の発光部21から出射された光は、集光レンズ群22で集光され、偏光スイッチ素子77に入射される。偏光スイッチ素子77により偏光が回転されないことから、第1の発光部21から出射された光は、P偏光のままで偏光分離部74に入射される。
偏光分離部74に入射された光はP偏光であるため、偏光分離部74を透過し、波長変換部24に入射される。波長変換部24では、第1の発光部21からの光(青色光)を励起光として黄色の光(蛍光光)を出射する。波長変換部24から出射された光は、偏光分離部74で反射され、均一化光学素子25に入射される。均一化光学素子25に入射した光は、均一化光学素子25の内部で複数回反射され、均一化された後、均一化光学素子25から出射して波長選択素子26に入射する。波長選択素子26に入射した光は、赤透過セグメント、緑透過セグメント又は黄透過セグメントを透過して照明光学系30に出射される。このようにして光源装置206から各色の光を得ることができる。
第9実施形態に係る光源装置208においては、第7実施形態に係る光源装置206や第8実施形態に係る光源装置207と同様に、第1の発光部21からの光のみを用いて各色の光を得ることから、光源装置208における部品点数を削減でき、光源装置208を小型化することができる。また、光源として第1の発光部21のみを備えることから、冷却対象となる部品点数も低減でき、光源装置208を更に小型化することができる。
また、第8実施形態に係る光源装置208においても、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23、波長変換部24の順に入射される。より具体的には、第1の発光部21から出射された青色光が波長分離部23を透過した後、他の光学部品を介在することなく波長変換部24に入射される。これにより、波長分離部23と波長変換部24とを接近して配置する配置することができるので、光学系のサイズの増大を抑制でき、光源装置208を小型化することができる。また、波長分離部23を透過した青色光を直接的に波長変換部24に入射させることができるので、他の光学部品が配置される場合と比べて光学系における光利用効率を向上することができる。
なお、上述した各実施形態では、本発明の好適な実施具体例を示したが、本発明はその内容に限定されることはない。特に、各実施形態で例示した各部の具体的形状および数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例にすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。このように、本発明は、本実施形態で説明した内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。