JP7194536B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法、及び繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法、及び繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、強化用繊維束に熱可塑性樹脂を主体とするマトリックス樹脂組成物を含浸してなる未硬化状線状物を樹脂被覆してなる繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法、該プリプレグ及び該プリプレグから得られる繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法に関する。
強化用繊維を合成樹脂で結着した繊維強化熱硬化性樹脂(以下、「FRP」と称することがある。)製物品は強度が高くかつ軽量であるという点から、金属製物品に代わる材料として、自動車部材、電子部品、農林資材、建築材、家具等の多くの分野で利用されている。このFRP技術を使用した製品のひとつであるガラスロービング等の長繊維束を強化用繊維とし、熱硬化性樹脂をマトリックスとするパイプ、ロッド、線状物等も古くから各種産業分野で使用されている。
近年、この様な長繊維強化樹脂製の長尺材料を、製品内の個々の部材としても使用したいという要求が高まっている。この様な個々の部材として使用することを可能にするためには長尺材料が、その使用される製品を加工する時点で、その製品の形状に適合するべく、賦形できることが必要である。特に加熱による温度刺激によって目的の形状に賦形すると共にその形を安定化できることが求められている。
しかしながら、一般にFRPは、マトリックス樹脂としての熱硬化性樹脂が強化用繊維の内部まで完全に含浸し、硬化後においては、熱硬化性樹脂硬化物の特性から、加熱変形することによって所望の形状に塑性加工することが困難である。
一方、強化用繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた繊維強化熱可塑性樹脂(以下、「FRTP」と称することがある。)製物品は、加熱による塑性変形がある程度可能である。しかしながら、長繊維状の強化用繊維にマトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を含浸したFRTP線状物においては、加熱賦形による曲げ加工が必ずしも容易ではない。
特許文献1には、連続した強化用繊維を引きながら溶融熱可塑性樹脂を含浸させる長繊維強化複合材料の製造方法において、繊維に溶融樹脂を含浸もしくは被覆させた後、スリットノズルで過剰量の樹脂を絞り込みながら連続的に引き抜き、次いで賦形ノズルを通して目的形状に整えることを特徴とする長繊維強化複合材料の製造方法が開示されている。そして、特許文献1の製造方法によれば、得られる複合材料中の繊維の分散および樹脂の含浸性も良好で、高品質の複合材料を効率よく安定して得ることができるという効果が挙げられている。
また、特許文献2には、長繊維状の炭素繊維束に熱可塑性樹脂を含浸した直径1~5mmの炭素繊維強化複合材料を複数本撚合せてなる炭素繊維強化複合材料からなるロープ及びその製造方法が開示されている。特許文献2には、一般に熱可塑性樹脂の溶融粘度は高いので、炭素繊維束内に均一に樹脂を含浸するのは難しいが、熱可塑性樹脂をエクストルーダーで一定量の割合で吐出し、樹脂含浸部で炭素繊維束を開繊しながら加圧下で樹脂を含浸し、エクストルーダーとは分離して設置されたダイスで繊維束を円形に整形し巻き取り装置で巻き取る技術が開示されている。
上記の特許文献1及び2に記載のFRTPの製造方法は、いずれも長繊維状の強化用繊維束に溶融した熱可塑性樹脂を均一に含浸させることを課題としており、未(不完全)硬化状のFRTPプリプレグを得て、これをさらに完全硬化したり、熱賦形することについての開示はない。
一方、特許文献3には、エポキシ樹脂を使用した引抜成形でありながら、繊維強化熱硬化性樹脂では困難なリユース、リサイクル及び2次加工が可能となる繊維強化熱可塑性樹脂を製造する引抜成形方法を提供することを目的として、重付加反応により直鎖状に重合する2官能化合物を含浸させた強化用繊維を加熱金型で引き抜きつつ2官能化合物を重合させることにより繊維強化熱可塑性樹脂を成形する方法が開示されている。しかしながら、FRTPロッドの製造方法において、加熱したモノマーと硬化剤を直前に混合して金型に注入する方式として、未反応のマトリックス樹脂のポットライフを改善しているが、金型での硬化(重合)が律速となって、生産速度を向上することが難しい。
さらに、特許文献4には、曲げ応力が発生する用途で使用する場合においても、高強力繊維糸本来の引張強度を得ることが可能な高強力繊維複合材及びその応用品を提供することを目的として、高強力繊維束がその周囲に拘束材を巻き回して結束され、前記高強力繊維束に撚りがかかった状態で当該拘束材と共に固化剤によって一体化して前記芯線を構成してなる高強力繊維複合材が提案されている。そして、マトリックス樹脂となる固化剤として、重合型の熱可塑性エポキシ樹脂が提案されているが、繊維へのマトリックス樹脂の含浸性を高めるため、有機溶剤により高粘度のモノマーを希釈して、低粘度化して含浸させた後、乾燥工程を経て硬化工程へと移行させる。そのため、有機溶剤が気化するので、環境性が悪く、さらに、FRTP内の有機溶剤気化部にはボイドもでき易く、物性が低下する懸念があった。
また、繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)ロッドは熱変形させることができるが、直に加熱体に接触させて熱賦形を行う加工方法によるときは、溶融したマトリックス樹脂が、加熱体に付着して、加工性が低下したり、FRTPが部分的に剥離するなどして、十分な機械的物性が得られない等の問題があった。
特開平5-147116号公報 特開平5-33278号公報 特許第5074672号公報 特許第6129963号公報
本発明者らは、上記の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、生産速度を向上できる繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)プリプレグの製造技術の提供、強化用繊維(束)への含浸用マトリックス樹脂組成物の含浸性向上のため、含浸用マトリックス樹脂組成物を有機溶剤で低粘度化することを回避できる、繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法の提供、製造ラインの機台における加熱接触部でのFRTPのマトリックス樹脂の付着を回避できるプリプレグの提供を目的として鋭意検討した。
その結果、繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法として、(1)下記(a)と(b)とを重付加反応により直鎖状に重合可能な重合型熱可塑性エポキシ樹脂による含浸用マトリックス樹脂組成物を調製し、含浸槽に供給する工程、
(a):エポキシ基を2つ有する第1の2官能化合物
(b):フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を2つ有する第2の2官能化合物
(2)前記含浸用マトリックス樹脂組成物が20~1,000mPa・sの粘度範囲となるよう含浸槽内温度を調整し、含浸槽出口側に備えた絞りダイスに強化用繊維束を導いて、該強化用繊維束へ含浸用マトリックス樹脂組成物を含浸しつつ、該絞りダイスにより余剰の樹脂組成物を絞り成形する含浸、絞り成形工程、
(3)該絞り成形された、強化用繊維束と含浸用マトリックス樹脂からなる未硬化状線状物を、溶融した表面被覆用の熱可塑性樹脂で被覆して樹脂被覆層を形成する工程、
(4)該樹脂被覆層を冷却固化する工程、
(5)冷却固化された樹脂被覆層を有する未硬化状ないし半硬化状線状物を引取る工程、
を順次有する製造方法とすることで、上記目的が達成できることを確認して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔7〕を提供する。
〔1〕強化用繊維束と、マトリックス樹脂を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法であって、
(1)下記(a)と(b)とを重付加反応により直鎖状に重合可能な重合型熱可塑性エポキシ樹脂による含浸用マトリックス樹脂組成物を調製し、含浸槽に供給する工程、
(a):エポキシ基を2つ有する第1の2官能化合物
(b):フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を2つ有する第2の2官能化合物
(2)前記含浸用マトリックス樹脂組成物が20~1,000mPa・sの粘度範囲となるよう含浸槽内温度を調整し、含浸槽出口側に備えた絞りダイスに強化用繊維束を導いて、該強化用繊維束へ含浸用マトリックス樹脂組成物を含浸しつつ、該絞りダイスにより余剰の樹脂組成物を絞り成形する含浸、絞り成形工程、
(3)該絞り成形された、強化用繊維束と含浸用マトリックス樹脂からなる未硬化状線状物を、溶融した表面被覆用の熱可塑性樹脂で被覆して樹脂被覆層を形成する工程、
(4)該樹脂被覆層を冷却固化する工程、
(5)冷却固化された樹脂被覆層を有する未硬化状ないし半硬化状線状物を引取る工程、
を順次有することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
[2]前記絞り成形において、未硬化状線状物を所定の線径および線形に整形する前記[1]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
[3]前記(4)樹脂被覆層を冷却固化する工程に引き続いて、(6)プレ硬化又は熱硬化工程をさらに有する、前記[1]又は[2]に記載の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
[4]前記樹脂被覆層を形成する表面被覆用の熱可塑性樹脂は、その融点が熱硬化後のマトリックス樹脂の融点以上で、かつ、該マトリックス樹脂と接着性を有する樹脂から選択されてなる、前記[1]~[3]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
[5]前記樹脂被覆層を形成する表面被覆用の熱可塑性樹脂は、その融点が熱硬化後のマトリックス樹脂の融点以上で、かつ、該マトリックス樹脂と非接着性の樹脂から選択されてなる、前記[1]~[3]のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
[6]強化用繊維束と未反応のエポキシ基を有し、重量平均分子量が30,000未満であるマトリックス樹脂を有する、前記[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法により得られる繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ。
[7]前記[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法により得られたプリプレグを加熱してマトリックス樹脂組成物を熱硬化又は重合反応を完結させ、重量平均分子量が30,000以上であるマトリックス樹脂を有することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法。
本発明の樹脂被覆層を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法によれば、強化用繊維束へ含浸用未硬化状マトリックス樹脂組成物を含浸し、次いで絞りダイスに挿通して絞り成形して、該成形された未硬化状線状物を、溶融した熱可塑性樹脂で被覆して樹脂被覆層を形成しているので、金型中で接触加熱して未硬化状マトリックス樹脂を半硬化や硬化させることなく、蒸気、熱媒等で固定物に非接触状態でプレ硬化処理や硬化処理を行うことができるので、金型硬化の場合において引抜き抵抗等に起因する生産速度の律速の問題が解決でき、大幅に生産性を向上させることができる。
また、樹脂被覆層を有しているので、プリプレグの製造工程や、直接硬化したFRTPを製造する工程、或はアフタキュア時や、加熱加工(賦形)工程等において、引取り時にある程度外力が掛かっても、形状の崩れのない状態にすることができ、各生産機台の加熱接触部でのFRTPのマトリックス樹脂の付着、転写等を回避できる。
さらに、強化用繊維束への含浸用マトリックス樹脂組成物の含浸において、有機溶剤による低粘度化を回避しているので、有機溶剤の揮散による環境の悪化を防止できる。
樹脂被覆層を有しているので、プリプレグとしての取り扱いがし易い。
また、樹脂被覆層の熱可塑性樹脂を、マトリックス樹脂と接着性を有するものを選択することで、樹脂被覆層にも、着色による意匠性、質感の付与、耐侯性、耐光性、帯電防止性等の機能を持たせたプリプレグの用途展開を可能とすることができる。
さらに、樹脂被覆層の熱可塑性樹脂を、マトリックス樹脂と非接着性の熱可塑性樹脂を使用すれば、最終形態において樹脂被覆層を必要としない場、これを容易に剥離して、FRTP自体として、軽量化と、単位断面積当たりの強度を確保できる。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法に用いられる製造工程の説明図である。 本発明の製造方法で得られる繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ又は繊維強化熱可塑性樹脂を模式的に示す斜視図である。 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法で得られた繊維強化熱可塑性樹脂の断面のマイクロスコープ写真である。
以下、本発明の樹脂被覆層を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法について、図面を参照して説明する。なお、本発明において、図面は、本発明の技術思想を説明するためのものであり、各工程の装置及び部材間の寸法上のバランスや、構成要素等が図面に表わされたものに限定されることはない。
本発明の樹脂被覆層を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法について、図1を用いて説明する。
<(1)含浸用マトリックス樹脂組成物の調製及び供給工程>
先ず、(1)(a)エポキシ基を2つ有する第1の2官能化合物と、フェノール性水酸基等の官能基を2つ有する第2の2官能化合物とを含む重付加反応により直鎖状に重合可能な重合型熱可塑性エポキシ樹脂による含浸用マトリックス樹脂組成物を調製し、クリール1から強化用繊維束Fを含浸槽2に供給可能に準備する。
含浸用マトリックス樹脂組成物は、温調された主剤uMのタンク3及び温調された硬化剤Hのタンク4から各々所定量ずつ計量されて混合部5においてスタテックミキサー6により攪拌混合され、温調により概ね適正な粘度を有する含浸用マトリックス樹脂組成物uMCとして、温調された含浸槽2に供給される。
<(2)含浸、絞り成形工程>
クリール1より強化用繊維束Fを所要本数引き出し、集束して、上記の調製された液状の含浸用マトリックス樹脂組成物が充填され、20~1,000mPa・sの粘度範囲となるよう含浸槽内温度が調整された含浸槽2に導入される。強化用繊維束Fが含浸槽2中を走行するのに伴い、マトリックス樹脂組成物が繊維間に含浸する。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法において、含浸用マトリックス樹脂組成物の粘度は40~300mPa・sであることがより好ましい。粘度がmPa・s未満であると、含浸は良好であるが、強化用繊維束からの液だれなどのトラブルや、樹脂が偏在して、強化用繊維密度が不均一となり、線状物の場合は、完全硬化後に直線性が損なわれて偏りが生じるなどの問題が生じるおそれがある。1,000mPa・sを超えると高粘度であるため、強化用繊維束への含浸性が悪くなり、硬化後においてボイドが発生し物性低下につながったり、後述する絞りダイス7での通過抵抗が上昇して、繊維束が部分的に切断したり、引取り自体が不可能になることがある。
含浸用マトリックス樹脂組成物の粘度を調整するためには、含浸用マトリックス樹脂の温度を、好ましくは80~150℃、より好ましくは90~130℃に調整すればよい。
本発明において、含浸用マトリックス樹脂組成物の粘度は、任意の温度において、振動式粘度計(アズワン(株):VM-10A-M)で測定する。
含浸槽2中の含浸用マトリックス樹脂組成物は、粘度を下げるために加熱しているが、その温度が高ければ高いほど、重付加反応が進み、高粘度化して、連続生産性が阻害される(いわゆるポットライフが悪くなる)ので、含浸用マトリックス樹脂組成物の温度範囲の調整と、含浸槽内での含浸用マトリックス樹脂組成物の滞留をなるべく短くする必要がある。このため、含浸槽からの強化用繊維束に含浸して持ち出される消費量Ro(mL/min)と、(1)の工程で調製し供給する量Ri(mL/min)、及び含浸槽内に平衡状態で貯留する含浸用マトリックス樹脂組成物の量Rs(mL)との関係を考慮する必要がある。
含浸槽への供給量Riと、消費量Roを一致させ、液面を一定にする(平衡にさせる)こととして、貯留する含浸用マトリックス樹脂組成物の量Rs(mL)と含浸用マトリックス樹脂組成物の消費量Ro(mL/min)との関係を含浸用マトリックス樹脂使用率とすると式(1)で表わされる。
含浸用マトリックス樹脂使用率=(Ro/Rs)×100(%)/min (1)
好ましい含浸用マトリックス樹脂の使用率は5%/min以上、より好ましい含浸用マトリックス樹脂の使用率は50%/min以上とすることが、含浸槽中での硬化の防止等の観点から好ましい。
これを換言すれば、含浸槽内に貯められる含浸用マトリックス樹脂組成物量に対する、製造時の単位時間当たりの使用率(消費量の比率)はなるべく高い方が、よりフレッシュな混合液を使用できる。また、消費量と含浸槽への供給量を等しくすることによって、含浸槽の液面も均一に保たれ(平衡状態)、安定的な連続生産を確保できる。
<絞り成形>
含浸槽2の出口側(引取側)には、得ようとするFRTPの形状に対応した孔が穿設された絞りダイス7が配設されており、強化用繊維束Fに含浸された含浸用マトリックス樹脂組成物のうち余剰のものが絞り成形され、未硬化状線状物20として引取側へ連続的に引取られる。絞りダイスは、含浸槽入口と出口の間に複数個配置することで、より含浸性を高めることができる。絞りダイス7に穿設される孔は、入口側に面取り加工を施したり、入口側から出口側に向かって緩やかなテーパー状となっていることが好ましい。
<(3)樹脂被覆層の形成>
次いで、成形された未硬化状線状物20を溶融押出機に取着された被覆ダイス8により、溶融した熱可塑性樹脂で被覆し、樹脂被覆層を有する未硬化状線状物21として、これを直ちに冷却槽9に導いて樹脂被覆層を冷却固化する。この状態で引取装置11により引取、樹脂被覆層を有し内部がほぼ未硬化状の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ22としてもよいが、熱硬化槽10に高圧水蒸気を満たして、プレ硬化により樹脂被覆層を有し内部が半硬化状態の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ(23)とすることができる。
絞り成形された未硬化状線状物を、溶融した熱可塑性樹脂で被覆して樹脂被覆層を形成する工程においては、例えば、溶融押出機のクロスヘッド内部は、絞りノズル孔形状に対応した案内孔を設けた案内ジャケット(図示省略)を取り付け可能として、案内ジャケットの先端側をなるべく溶融樹脂による被覆点に近づけることが、より均一な形状の樹脂被覆層を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグを製造する観点から好ましい。
溶融した熱可塑性樹脂で被覆して樹脂被覆層を形成するには、被覆ダイスとして、未硬化状線状物の外径(形)より径大の吐出口より溶融樹脂を押出して、被覆ダイスの吐出面より引取機側で被覆する引落とし型の被覆ダイスを用いる方式と、被覆ダイス内で、未硬化状線状物と接触させる加圧ダイスの方式のいずれであってもよいが、樹脂被覆層を冷却固化する工程において、被覆樹脂と未硬化線状物の接触点を冷却水槽の先端とすることができ、被覆樹脂との接触による部分硬化を抑制できる観点から、引落とし型の被覆ダイスを用いる方式がより好ましい。
<(4)樹脂被覆層の冷却固化工程、(5)引取工程>
(4)の樹脂被覆層を冷却固化する工程に引き続いて、直ちに(5)引取るか、或は(6)熱硬化(プレ硬化)工程をさらに有する場合は、得ようとするプリプレグの状態、すなわち、硬化性熱可塑性樹脂の重合度合いに応じて、熱硬化槽10の温度、硬化時間(滞在時間)を調整して、引取られる。引取は、ベルト式、キャタピラー式等の引取機やドラム巻取り機などで連続的に引取るか、或は定尺に切断して引取るか、用途に合わせて適宜対応すればよい。
また、含浸槽出口での絞りダイス7による絞り成形においては、長手方向断面においてプリプレグとして使用する際の所望の形状に近似した孔形状を有する絞りダイスを用いることによって、所定の線径および円状、楕円、矩形、樋状、平板状等の線形に整形することができる。
(強化用繊維束)
本発明において用いられる強化用繊維束は、連続長繊維束、繊維編組物(織物、編物、組物)の形態を有する基材であることが好ましい。上記のような基材を用いることにより、連続含浸性、樹脂被覆層の連続形成性が確保でき、生産性に優れた樹脂被覆層を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造が可能になる。
強化用繊維束を構成する繊維としては、例えば、アラミド繊維等の有機繊維や、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維を用いることができるが、ガラス繊維や炭素繊維を用いることが好ましい。
ガラス繊維としては、ガラス繊維モノフィラメント、ガラス繊維ストランド、ガラス繊維ロービング、ガラス繊維ヤーン等の長繊維を用いることができる。
また、ガラス繊維織物、ガラス繊維組物、ガラス繊維編物等のガラス繊維編組物をも適用可能である。なお、ガラス繊維はエポキシシランカップリング剤やアクリルシランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理を行ったものでもよい。
ガラス繊維としては、ガラス繊維ロービング又はガラス繊維織物が好ましい。ガラス繊維ロービングは、直径3~100μmのガラス繊維モノフィラメントが100~2,000本束ねられたガラス繊維束を、10~200本更に束ねたものが好ましい。
ガラス繊維織物とは、5~500TEX(好ましくは22~68TEX)のガラス繊維束を経糸及び緯糸として用い、織り密度が、経方向で16~64本/25mm、緯方向で15~60本/25mmになるように織られたものであることが好ましい。そして、ガラス繊維織物を構成するガラス繊維束は、ガラス繊維モノフィラメント(フィラメント径は3~23μmが好ましい)が50~1,200本集束されてなるものが好ましい。
また、ガラス繊維織物としては、所望の幅寸法に切断された5~100mm幅程度の連続したテープ状のものであることが好ましい。
上記ガラス繊維のガラス組成としては、例えば、Eガラス、Sガラス、Cガラス等が挙げられ、なかでもEガラスが好ましい。また、ガラス繊維モノフィラメントの断面は円形でも、楕円形等の扁平形状でもよい。
上記炭素繊維はコールタールピッチや石油ピッチを原料にした「ピッチ系」と、ポリアクリロニトリルを原料とする「PAN系」と、セルロース繊維を原料とする「レーヨン系」の3種類があり、どの炭素繊維でも本発明に用いることができる。
これらの強化用繊維束は、必要に応じて、周知の方法により所望の尺長に織り上げるか組み上げるか又は編み上げる等の方法により調製しておくことができ、又は、長尺のものをロールに巻き取って使用してもよい。
また、強化用繊維への樹脂の含浸性を高めるためや、強化用繊維中の水分を除去させるために、強化用繊維束を加熱してもよい。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ又は硬化後の繊維強化熱可塑性樹脂における強化用繊維(束)の配合比率は、これらの体積に対して、強化用繊維40~80体積%(以下、「Vf」と称する場合がある。)であることが好ましい。40体積%未満では、強化用繊維束による補強性が低くなったり、そりやうねりが大きくなる傾向にあり、80体積%を超えると、繊維に樹脂が未含浸となり、ボイドが発生したり、絞りダイスでの引取り抵抗が増加し、円滑な連続生産に支障を来たすなどの問題が生じる危惧がある。
(熱可塑性を有する硬化性樹脂)
本発明において、マトリックス樹脂を構成する熱可塑性を有する硬化性樹脂は、(a)エポキシ基を2つ有する第1の2官能化合物と、(b)フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を2つ有する第2の2官能化合物と、を含む化合物を重付加反応により直鎖状に重合した重合型熱可塑性エポキシ樹脂である。
(a)エポキシ基を2つ有する第1の2官能化合物としては、例えば、カテコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、t-ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエーテル等のベンゼン環を1個有する一核体芳香族ジエポキシ化合物類、ジメチロールシクロヘキサンジグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3,4-エポキシシクロヘキセニルカルボキシレート、リモネンジオキシド等の脂環式エポキシ化合物類、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル等のビスフェノール型エポキシ化合物及びこれらが部分縮合したオリゴマー混合物(ビスフェノール型エポキシ樹脂)、3,3’,5,5’-テトラメチルビス(4-ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’-テトラメチルビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテルジグリシジルエーテル等が挙げられる。
ヒドロキノンジグリシジルエーテル、メチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、ビフェニル型又はテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂類、ビスフェノールフルオレン型又はビスクレゾールフルオレン型エポキシ樹脂等の、単独では結晶性を示し、室温で固形であっても200℃以下の温度で融解し液状となるエポキシ樹脂は使用することができる。
前記(b)フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を2つ有する第2の2官能化合物としては、例えば、1分子中にフェノール性水酸基を2つ有する化合物が好ましい。
この種の化合物としては、例えば、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン等のベンゼン環1個を有する一核体芳香族ジヒドロキシ化合物類、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン等のビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレン等の縮合環を有する化合物、ジアリルレゾルシン、ジアリルビスフェノールA、トリアリルジヒドロキシビフェニル等のアリル基を導入した2官能フェノール化合物等が挙げられる。
これらの中でも、第1の2官能化合物として、上述のビスフェノール型エポキシ樹脂類を選択した場合には、軟化温度が低く取り扱い性が良いという理由から、例えばビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類を使用するのが好ましい。
さらに、上記第1の2官能化合物の少なくとも一部及び/又は第2の2官能性化合物の少なくとも一部に、フルオレン骨格を有する化合物を使用することができ、この場合重合された樹脂の溶融温度を調節して高温溶融性の樹脂とすることができる。
上記化合物(a)と上記化合物(b)との配合量は、化合物(a)1モルに対して化合物(b)0.9~1.1モルが好ましく、0.95~1.05モルがより好ましい。
上記化合物(a)と化合物(b)とは、次に例示するように重付加反応により直鎖状に重合することができる。直鎖状に重合したことは、溶剤への可溶性、熱溶融性等で確かめることができる。なお、本発明の目的を阻害しないかぎり、一部に架橋構造が存在することを排除するものではない。
Figure 0007194536000001
(重合触媒)
この重合反応には重合触媒を使用することができる。上記重合触媒としては、リン系触媒の他、1,2-アルキレンベンズイミダゾール(TBZ)、及び2-アリール-4,5-ジフェニルイミダゾール(NPZ)が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。リン系触媒は、再流動性を向上させるので好適である。
上記リン系触媒としては、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン-トリフェニルボラン錯体、トリ-m-トリルホスフィン-トリフェニルボラン錯体等が挙げられる。これらの中では、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン-トリフェニルボラン錯体が好ましい。
重合触媒の使用量は、通常は、上記化合物(a)100重量部に対して、0.1~10重量部、更には0.4~6重量部、特には1~5重量部であるのが、短時間重合性と可使時間とのバランスが優れている点から好ましい。
上記化合物(a)、化合物(b)及び重合触媒の混合物が室温で液状であると、強化用繊維への含浸工程において加温を必要としないか、あるいは混合物の重合開始に伴う増粘を著しく引き起こさない程度の加温により、十分粘度が低下して強化用繊維への含浸が容易になる点から好ましい。
また、上記化合物(a)及び化合物(b)がそれぞれ単独で固形であっても、上記化合物(a)、化合物(b)及び重合触媒の混合物が200℃以下の温度で加温した場合の粘度が1,000mPa・s以下となるような組み合わせにすれば、上記化合物(a)と化合物(b)配管を通して混合部5にスタティックミキサーを備えた2液混合装置を用いて、含浸槽2に注入することができる。
なお、上記化合物(a)及び化合物(b)は、上記含浸槽内において、すべてが溶融状態にあるのではなくてもよく、一部が溶融せずに、例えば、ペースト状になっていても構わない。
(反応遅延剤)
本発明にはまた、反応遅延剤を用いることができる。上記化合物(a)、化合物(b)及び硬化剤の混合、並びに強化用繊維束への含浸工程では、樹脂を均一液状化するとともに粘度をできるだけ低下させる必要性から、しばしば加温されるため、強化用繊維への樹脂の含浸が完了する前に重合反応が開始され、粘度が上昇し、含浸不良を引き起こす可能性がある。それを防止するために、粘度低下のための加温時には反応を遅らせ、含浸後の重合反応の際には反応を阻害しない反応遅延剤が好適に使用される。
そのような反応遅延剤としては、トリ-n-ブチルボレート、トリ-n-オクチルボレート、トリ-n-ドデシルボレート等のトリアルキルボレート類、トリフェニルボレート等のトアリールボレート類が使用できる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、室温で液状であるため混和性に優れ、且つ80℃以下での反応を著しく遅延する点から、トリ-n-オクチルボレートが好ましい。
反応遅延剤の使用量は、リン系触媒のリン原子1モルに対しホウ酸エステルのホウ素原子が0.1~2.0モルとなるように、更には0.5~1.2モル、特には0.7~1.0モルであるのが、強化用繊維への樹脂の含浸が完了する前に重合反応が開始され、粘度が上昇するのを防止でき、且つ重合を行うときには、短時間重合が可能である点から好ましい。
(任意添加成分)
本発明においては、更に、任意の添加成分として、有機パウダーや水酸化アルミ等の無機パウダーによる充填材や公知の難燃剤等を添加してもよい。
上記重合触媒、反応遅延剤、添加剤等は、予め強化用繊維束に含浸させる以前に反応性化合物のいずれか、又は、両方に、添加しておくことができる。
本発明のプリプレグの製造方法においては、反応性化合物の含浸後、重合は熱硬化槽で進行させることができるが、得ようとするプリプレグの性状に合わせて、熱硬化槽で加温することなく引取るか、熱硬化槽を適宜加温して、半硬化状のプリプレグとすることができる。さらに、熱硬化槽の温度、滞在時間(重合時間)を調整することによって、重合反応を進行させ完全硬化の繊維強化熱可塑性樹脂とすることができる。熱硬化槽を加温する場合は、その設定温度近傍が重合条件となる。熱硬化槽の温度は、温水加熱などによる80℃程度から蒸気加熱、電気加熱ヒーター等による300℃程度までが一般的である。使用する反応性化合物、重合触媒、反応遅延剤の種類にしたがって、重合反応を生じさせる温度域が異なるが、通常、重合温度としては、120~200℃、重合時間としては、1~20分程度である。この重合時間は、反応性化合物の熱硬化槽の内部滞在時間程度であることが好ましい。
加温した熱硬化槽に通して、部分的に重合反応を硬化させ半硬化物を得るプリプレグの製造工程、または完全に硬化させる重合反応工程において得られる繊維強化熱可塑性エポキシ樹脂成形体は、重合温度近傍のTgを有しているため、冷却工程を経て切断又は巻き取りされることが望ましい。冷却は冷却水槽を通過させればよい。また、引取速度は5~100m/min程度とすることができる。
(樹脂被覆層形成用の熱可塑性樹脂)
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法において、(3)「絞り成形された、強化用繊維束と含浸用マトリックス樹脂からなる未硬化状線状物を、表面被覆用の溶融した熱可塑性樹脂で被覆して樹脂被覆層を形成する工程」に用いられる熱可塑性樹脂(以下、単に「被覆樹脂」ということがある。)は、含浸用樹脂組成物に侵されることがなく、溶融押出機の被覆ダイスより押出して被覆できる樹脂であって、被覆樹脂の融点が、マトリックス樹脂の融点よりも高く、且つ、90~300℃であることが好ましく、100~300℃であることがさらに好ましい。
被覆樹脂は、融点が上記の範囲であって、マトリックス樹脂と接着性を有する樹脂から選択することができる。マトリックス樹脂と接着性を有する樹脂としては、ナイロン12などポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリル樹脂等を挙げることができる。
また、被覆樹脂は、その融点が熱硬化後のマトリックス樹脂の融点以上で、かつ、該マトリックス樹脂と非接着性の樹脂から選択することができる。マトリックス樹脂と非接着性の樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、フッ化エチレン-プロピレン共重合体(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)などフッ素系の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
(繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ)
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグは、未反応のエポキシ基を有するか、重量平均分子量が30,000未満となるようなマトリックス樹脂を有している。本発明のプリプレグは、マトリックス樹脂の熱可塑性エポキシ樹脂が、完全硬化に至っていない、いわゆる半硬化状態で、その後プリプレグを賦形して使用する際等の加熱により、さらにはアフタキュアにより完全硬化することができる形態であり、その重量平均分子量が30,000未満である。重量平均分子量が30,000を超えると、プリプレグとしての使用時に柔軟性に欠け、ハンドリング性が損なわれる。
なお、本発明において、完全硬化状態及び半硬化状態の判定は、FT-IR(Nicolet NEXUS 470 FT-IR、Thermo Fisher Scientific(株)製)と、アクセサリー(AVATAR OMNIC-Sampler HATR Accessory、Thermo Fisher Scientific(株)製)を用い、一回反射ATR法によるFT-IR測定を行い、得られたスペクトルに対して解析することにより行った。すなわち、完全硬化状態とは、フェニル基(1,500cm-1付近)の基準ピークと、エポキシ基(930cm-1付近)の比較対象ピークとで反応の進行度を確認した場合に、140℃で1時間の再加熱によっても、比率が5%未満の変動しか見られない場合とし、半硬化状態とは、変動が5%以上起こる場合とした。
本発明において、重量平均分子量は、ジメチルフォルムアミド(DMF)でマトリックス樹脂を抽出(0.1wt%前後)し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)〔HLC-8220GPC、東ソー(株)製〕にて、展開溶媒としてDMF、充填剤としてα-M(極性溶媒用、東ソー(株)製)を用いて測定し、ポリスチレン換算(検量線)で算出した。
(繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法)
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法は、上記のいずれかに記載のプリプレグの製造方法により得られたプリプレグを加熱して、マトリックス樹脂組成物を熱硬化又は重合反応させて、重量平均分子量が30,000以上であるマトリックス樹脂と強化用繊維とからなる繊維強化熱可塑性樹脂を形成する方法である。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法において、プリプレグの加熱とは、対象物体の補強等のため、プリプレグを物体に巻回したり、物体の外周に編組したり、あるいは物体の構成部材として構造を形成した後、プリプレグをさらに加熱して、未硬化状含浸用マトリックス樹脂組成物を或は半硬化状のマトリックス樹脂組成物の熱硬化又は重合反応を完結させるための加熱をいう。なお、熱硬化又は重合反応の完結は、前述のように、フェニル基(1,500cm-1付近)の基準ピークと、エポキシ基(930cm-1付近)の比較対象ピークとで反応の進行度を確認し、140℃で1時間の再加熱によっても、比率が5%未満の変動しか見られない場合を完全硬化と判断するものとする。加熱硬化後の繊維強化熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、マトリックス樹脂としての強度を発現させる観点から30,000以上であることを要する。
重量平均分子量が30,000未満では、マトリックス樹脂の強度が十分に発現されない。本発明に用いられるマトリックス樹脂としての直鎖状に重合可能な重合型熱可塑性エポキシ樹脂の重量平均分子量の上限は、通常150,000以下とされる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
実施例、比較例による樹脂被覆層を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグを製造し、以下に示す評価項目について評価した。
(1)生産性:連続して安定生産が可能なライン(引取)速度により、以下のように評価した。
◎:ライン速度が15m/min以上
○:ライン速度が10m/min以上、15m/min未満
△:ライン速度が3m/min以上、10m/min未満
×:ライン速度が3m/min未満
(2)成形性:樹脂被覆層を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの長手方向断面を観察した。
◎:真円度90%以上、
○:真円度70%以上、90%未満
△:長手方向にうねりがある
×:真円度70%未満
(3)ボイド:1断面当たりの強化用繊維との界面等におけるボイド、空隙の有無を観察し含浸性を評価した。
◎:ミクロン(μm)サイズのボイド(以下、「マイクロボイド」という。)なし
○:空隙がなく、マイクロボイドが10個以下
△:空隙がなく、マイクロボイドが10個以上
×:空隙が存在する
(4)環境性:含浸用マトリックス樹脂組成物の調製に際して、希釈用有機溶剤の使用の有無で評価した。
◎:希釈用溶剤の使用なし
×:希釈剤使用
(5)ハンドリング性:プリプレグを145℃のオーブン内で1時間アフタキュア(後硬化)する際のハンドリング性、アフタキュア後のサンプルを120℃で熱プレスする際のハンドリング性を評価した。
◎:加熱時にベタツキなし
×:加熱時にベタツキあり
(6)総合評価:上記の各評価項目を勘案して総合的な評価を行った。
実施例1
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物プリプレグを以下の工程に沿って製造した。
<(1)含浸用マトリックス樹脂組成物の調製>
(a)エポキシ基を2つ有する第1の2官能化合物と、(b)フェノール性水酸基を2つ有する第2の2官能化合物とを予め調合されてなる熱可塑性エポキシ樹脂(XNR6850A、ナガセケムテックス(株)製)を主剤タンク3に投入し、触媒及び反能遅延剤を含む硬化剤(XNH6850EY、ナガセケムテックス(株)製)を、硬化剤タンク4に投入し、タンク3及び4からそれぞれギヤポンプにて、100質量部及び2質量部となるように計量して、混合部5に連続的に供給し、スタテックミキサー6にて攪拌混合して、含浸用マトリックス樹脂組成物を調製した。なお、タンク3、4及び混合部5は、含浸用マトリックス樹脂組成物の液温が110℃になるように加温して温調した。調製された含浸用マトリックス樹脂組成物を、内径が40mmで長さが100mmの含浸槽2の80%の容積が充填されるよう、最終的に得ようとする繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)の外径1.12mm、及びガラス繊維の繊維体積含有率56%に基づいて、マトリックス樹脂断面積及びライン(引取)速度から決定される単位時間樹脂使用量を6.50(mL/min)と算出して、混合部からの供給量(mL/min)も同量として、110℃に温調された含浸槽2に供給することとした。
<(2)含浸、絞り工程>
強化用繊維束として、ガラス繊維(日東紡積(株)製、RS-28、2,800dtex)を5本、クリール1から引き出して、含浸用マトリックス樹脂組成物を充填していない含浸槽2、及び内径が1.12mmの絞りダイス7に通し、さらに、被覆ダイス8、冷却槽9、熱硬化槽10、を通して引取装置11まで延長して、引取可能に準備した。
ガラス繊維束Fを15m/minで引取りながら、110℃に加温され粘度が60mPa・sの含浸用マトリックス樹脂組成物が充填された含浸槽2中で、ガラス繊維束Fに含浸用マトリックス樹脂組成物を含浸しつつ、絞りダイス7により、絞り成形して外径1.12mmの円状の未硬化状線状物20とした。
<(3)樹脂被覆層を形成する工程>
溶融押出機の被覆ダイス8からポリプロピレン(プライムポリマー(株)製、プライムポリプロJ702LJ、融点159℃)を溶融押し出して、上記の未硬化状線状物20の外周を溶融樹脂で被覆してなる線状物21を得た。
<(4)樹脂被覆層を冷却固化する工程、(6)プレ硬化工程、(5)引取工程>
上記線状物21を冷却水槽9に通して、表面の樹脂被覆層を冷却固化した。次いで、145℃に蒸気加熱された長さ30mの熱硬化槽10に挿通し、半硬化させた後、ゴムベルト式引取機11により、15m/minの速度で引取った。熱硬化槽10の滞在時間は2分であった。
得られた半硬化処理されたプリプレグ(23)は、外周に厚み0.125mmの樹脂被覆層を有し、FRTPプリプレグ部の外径が1.12mm、ガラス繊維の体積含有率が56%で、未完全硬化のマトリックス樹脂の重量平均分子量が12,500であった。製造中で走行時の含浸槽2における含浸用マトリックス樹脂使用率は、6.47%であり、連続製造時間12時間において、含浸槽2内の局所的粘度上昇等のトラブルもなく、安定的に製造することができた。
製造条件、評価結果をまとめて表1に示す。
実施例2及び実施例3
実施例1における引取速度15m/minに変えて、実施例2においては20m/minで、実施例3では80m/minの引取速度で樹脂被覆層を有するFRTPプリプレグを製造した。熱硬化槽10の滞在時間は1.5分及び0.375分であった。
なお、含浸用樹脂温度を10℃高い120℃とし、樹脂粘度を40mPa・sとした。また、含浸槽への含浸用樹脂の供給量と、強化用繊維束への含浸による消費量とバランスさせつつ、含浸用マトリックス樹脂使用率8.62%(実施例2)、61.33%(実施例3)とした。
これらの製造条件及び評価結果を表1に示す。
実施例4~6
実施例1において含浸用マトリックス樹脂組成物の樹脂温度を80℃として、粘度を400mPa・sとし、引取速度を10m/minとした実施例4、実施例1において絞りダイスの径を1.80mmとして強化用繊維の体積含有率Vfを45%とし、引取速度15m/minとした実施例5、及び実施例1において、絞りダイスの径を0.90mmとして強化用繊維の体積含有率Vfを72%とし、引取速度を10m/minとした実施例6により、PPによる樹脂被覆層を有するFRTPプリプレグを製造した。
これらの製造条件及び評価結果を表1に示す。
Figure 0007194536000002
比較例1及び2
実施例1において含浸用マトリックス樹脂組成物の温度を60℃として粘度を1,700mPa・sとした。また、比較例2では、含浸用マトリックス樹脂組成物の温度を40℃として粘度を16,000Pa・sとし、ライン速度を調整しながらプリプレグを製造した。
これらの製造条件及び評価結果を表2に示す。
比較例3及び4
実施例1において、含浸用マトリックス樹脂組成物の粘度を低下させるため、同一組成の含浸用マトリックス樹脂組成物の主剤uMをメチルエチルケトン(MEK)により固形分80質量%に希釈して、25℃で100mPa・sの粘度とした比較例3、同一組成の含浸用マトリックス樹脂組成物の主剤uMをメチルエチルケトン(MEK)により固形分20質量%に希釈して、25℃で12mPa・sとし、かつ、絞りダイス径を1.8mmとして、Vfを45%とした比較例4によりプリプレグを得た。
これらの製造条件及び評価結果を表2に示す。
比較例5
実施例1において、絞り成形ノズル7を含浸槽の出口から400mm離し、かつ、110℃に温調していない絞り成形ノズルにより成形を行ったところ、樹脂含浸した強化繊維束を引取る(引抜く)ことが困難であった。製造条件及び評価結果を表2に示す。
比較例6
実施例1において、絞り成形の効果を確認するため、1.12mmの絞り成形ノズルを用いることなく、外径フリーの状態でPP樹脂による被覆を行った。得られたプリプレグは、成形性に劣るものであった。製造条件及び評価結果をまとめて表2に示す。
比較例7及び比較例8
実施例1において、PP樹脂による被覆を行わず、従って樹脂被覆層の冷却固化も行うことなく引取り、プリプレグを製造した(比較例7)。引取ベルトへ未硬化状樹脂のベタツキがあり、ハンドリング性に著しく欠けていた。製造条件及び評価結果をまとめて表2に示す。
また、実施例1において被覆用樹脂をPPから直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)((株)プライムポリマー製、エボリュー1071C、融点100℃)に代えた他は、実施例1と同様にして、プリプレグを製造した(比較例8)。得られたプリプレグは、被覆用樹脂が低融点であるため、145℃のアフタキュア時及び120℃での熱プレス加工時の双方でベタツキが生じ、ハンドリング性に劣っていた。製造条件及び評価結果をまとめて表2に示す。
Figure 0007194536000003
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法は、強化用繊維束へ含浸用未硬化状マトリックス樹脂組成物を含浸し、次いで絞りダイスに挿通して絞り成形して、該成形された未硬化状線状物を、溶融した熱可塑性樹脂で被覆して樹脂被覆層を形成しているので、金型中で接触加熱して未硬化状マトリックス樹脂を半硬化や硬化させることなく、蒸気、熱媒等で固定物に非接触状態でプレ硬化処理や硬化処理を行うことができるので、金型硬化の場合における引抜き抵抗等に起因する生産速度の律速の問題が解決でき、大幅に生産性を向上させることができるプリプレグの製造方法として利用できる。
また、樹脂被覆層を有しているので、アフタキュア時や、加熱加工(賦形)工程等において、引取り時にある程度外力が掛かっても、形状の崩れのない状態にすることができ、かつ、各生産機台の加熱接触部でのFRTPのマトリックス樹脂の付着、転写等を回避できるプリプレグとして利用できる。
さらに、強化用繊維束への含浸用マトリックス樹脂組成物の含浸において、有機溶剤による低粘度化を回避しているので、有機溶剤の揮散による環境の悪化を防止できる製造方法及びプリプレグとして利用できる。
また、樹脂被覆層の熱可塑性樹脂を、マトリックス樹脂と接着性を有するものを選択することで、樹脂被覆層にも、着色による意匠性、質感の付与、耐侯性、耐光性、帯電防止性等の機能を持たせたプリプレグのとして各種の用途に利用できる。
さらに、樹脂被覆層の熱可塑性樹脂を、マトリックス樹脂と非接着性の熱可塑性樹脂を使用すれば、最終形態において樹脂被覆層を必要としない場合、これを容易に剥離して、FRTP自体として、軽量化と、単位断面積当たりの強度を確保した用途に利用できる。
1 強化用繊維束Fのクリール
2 含浸槽
3 含浸用マトリックス樹脂の主剤タンク
4 含浸用マトリックス樹脂の硬化剤タンク
5 混合部
6 スタテックミキサー
7 絞りダイス
8 被覆ダイス
9 冷却槽
10 熱硬化槽
11 引取装置
20 未硬化状線状物
21 樹脂被覆層を有する未硬化状線状物
22 内部がほぼ未硬化状の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ
(23)プレ硬化による半硬化状態の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグ
F 強化用繊維束
uM 主剤
H 硬化剤
uMC 含浸用樹脂組成物

Claims (6)

  1. 強化用繊維束と、マトリックス樹脂を有する繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法であって、
    (1)下記(a)と(b)とを重付加反応により直鎖状に重合可能な重合型熱可塑性エポキシ樹脂による含浸用マトリックス樹脂組成物を調製し、含浸槽に供給する工程、
    (a):エポキシ基を2つ有する第1の2官能化合物
    (b):フェノール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を2つ有する第2の2官能化合物
    (2)前記含浸用マトリックス樹脂組成物が20~1,000mPa・sの粘度範囲となるよう含浸槽内温度を調整し、含浸槽出口側に備えた絞りダイスに強化用繊維束を導いて、該強化用繊維束へ含浸用マトリックス樹脂組成物を含浸しつつ、該絞りダイスにより余剰の樹脂組成物を絞り成形する含浸、絞り成形工程、
    (3)該絞り成形された、強化用繊維束と含浸用マトリックス樹脂組成物からなる未硬化状線状物を、その融点が熱硬化後のマトリックス樹脂の融点以上、アフタキュア温度以上、及び加熱加工温度以上である表面被覆用の熱可塑性樹脂で溶融被覆して樹脂被覆層を形成する工程、
    (4)該樹脂被覆層を冷却固化する工程、
    (5)冷却固化された樹脂被覆層を有する未硬化状ないし半硬化状線状物を引取る工程、
    を順次有することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  2. 前記絞り成形において、未硬化状線状物を所定の線径および線形に整形する請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  3. 前記(4)樹脂被覆層を冷却固化する工程に引き続いて、(6)プレ硬化又は熱硬化工程をさらに有する、請求項1又は2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  4. 前記樹脂被覆層を形成する表面被覆用の熱可塑性樹脂は、前記マトリックス樹脂と接着性を有する樹脂から選択されてなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  5. 前記樹脂被覆層を形成する表面被覆用の熱可塑性樹脂は、前記マトリックス樹脂と非接着性の樹脂から選択されてなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の繊維強化熱可塑性樹脂プリプレグの製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法により得られたプリプレグを加熱してマトリックス樹脂組成物を熱硬化又は重合反応させて、重量平均分子量が30,000以上であるマトリックス樹脂とすることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法。
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