以下に、本発明の実施の形態にかかる空気調和システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和システム100の構成を模式的に示す構成図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和機10の機能構成を示す機能ブロック図である。図2においては、空気調和システム100の構成のうち、空気調和機10の室内機11と、コントローラ14とについて示している。
図1に示すように、本実施の形態1にかかる空気調和機システム100は、室内に設置された室内機11、室外に設置された室外機12、室内機11と室外機12との間で冷媒を循環させるための冷媒管13を備えて構成される空気調和機10、および空気調和機10に対する制御指示命令を室内機11に送信するコントローラ14を備える。室外機12は、図示しない通信線を介して室内機11と通信可能とされている。
空気調和機10は、一つの完結した冷凍サイクルを室内機11と室外機12とで形成している。空気調和機10は、冷媒管13を通って室内機11と室外機12との間を循環する冷媒を使用して、空気調和対象空間である室内の空気と室外の空気との間で熱移動を行い、室内に対する空気調和を実現している。すなわち、室内機11と室外機12とは冷媒管13により接続されており、冷媒管13中を流れる冷媒の圧力を室外機12の備える圧縮機により変化させて冷媒の吸熱、放熱により空気調和を行う。
室内機11は、室内情報取得部21と、室内情報処理部22と、室内機通信部23と、空気調和制御部24と、空気調和変更部25と、を備えている。また、コントローラ14は、操作部31と、撮像部32と、コントローラ通信部33と、画像処理部34と、表示部35と、を備えている。
以下、空気調和機10の各構成部について説明する。まず、室内機11の構成部について説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和機10における室内機11の外観を示す正面図である。図4は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和機10における室内機11の空気調和設定の変更時の様子を模式的に示した正面図である。室内機11は、前面に、室内情報取得部21、室内機通信部23および空気調和変更部25を備えている。
室内情報取得部21は、室内の状態に関する情報である室内情報を取得する。室内情報取得部21の一例として、赤外線センサーが例示される。図5は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和機10の室内機11に設けられる赤外線センサーを示す斜視図である。図6は、本発明の実施の形態1にかかる赤外線センサーにおける温度検出範囲の一例を示す模式図である。図6において、部屋の幅方向に対応する左右方向をX方向とし、部屋の高さ方向に対応する縦方向をY方向とする。赤外線センサーは、離れた地点の表面温度を検出することができ、室内全体の表面温度を網羅して検出することが可能である。すなわち、赤外線センサーは、室内情報として室内の表面温度を取得することができる。
赤外線センサーの一例として、サーモパイルセンサが例示される。サーモパイルセンサは、サーモパイル素子で計測した温度を室内情報処理部22に送信可能な形式に変換して室内の表面温度の温度分布を示す温度分布情報61を生成する。サーモパイルセンサが備えるサーモパイル素子は、1つであってもよく、複数であってもよい。図5に示す赤外線センサーは、7個のサーモパイル素子であるサーモパイル素子41、サーモパイル素子42、サーモパイル素子43、サーモパイル素子44、サーモパイル素子45、サーモパイル素子46およびサーモパイル素子47がこの順で縦方向に並べられて設置されている。図5に示す赤外線センサーは、部屋の天井面から室内機11の真下の床面までの表面温度を検出する。
図6においては、Y方向に1列に並べられたサーモパイル素子41からサーモパイル素子47を備える赤外線センサーにより、室内の表面温度の温度情報を取得する状態を示している。赤外線センサーが監視して表面温度の温度情報を取得する室内の監視領域は、Y方向において、上方から監視範囲A1、監視範囲A2、監視範囲A3、監視範囲A4、監視範囲A5、監視範囲A6および監視範囲A7に分割される。
サーモパイル素子41は、監視範囲A1を監視して、室内情報を取得する。すなわち、サーモパイル素子41は、監視範囲A1の室内の表面温度を取得する。同様に、サーモパイル素子42は、監視範囲A2を監視して、室内情報を取得する。サーモパイル素子43は、監視範囲A3を監視して、室内情報を取得する。サーモパイル素子44は、監視範囲A4を監視して、室内情報を取得する。サーモパイル素子45は、監視範囲A5を監視して、室内情報を取得する。サーモパイル素子46は、監視範囲A6を監視して、室内情報を取得する。サーモパイル素子47は、監視範囲A7を監視して、室内情報を取得する。
室内機11は、赤外線センサーの向きをX方向において変更する不図示の方向変更部を備える。赤外線センサーの向きは、表面温度の検出対象部を向く向きである。方向変更部は、赤外線センサーの向きをX方向において駆動する機構を備え、赤外線センサーの向きを左右方向に変更し、赤外線センサーを一定間隔で水平方向に動かす。赤外線センサーは、方向変更部の駆動により表面温度の検出対象部をX方向において変化させながら、室内全体の表面温度を検出し、XY平面における室内の温度情報である温度分布を作成する。
室内情報処理部22は、室内情報取得部21が取得した室内情報から、室内の特徴および室内の状況といった、室内の状態を把握するために用いられる室内特徴情報63を抽出する。室内特徴情報63は、室内における特徴を示す情報である。また、室内情報処理部22は、室内情報取得部21が取得した室内情報から、人体を抽出して、室内特徴情報63の一部として人体情報を生成することができる。人体情報は、室内情報における、人の顔、手および足などの人体に関する情報である。室内情報処理部22は、たとえば人体情報における人体の形状および大きさに対応する人体判定情報を予め記憶しており、人体判定情報と室内特徴情報63とを比較して室内特徴情報63における人体を抽出することができる。
室内機通信部23は、室内機11が室内機11の外部の機器と通信を行うための空気調和機通信部である。室内機通信部23は、コントローラ14のコントローラ通信部33から送信された情報を受信して空気調和制御部24に送信し、また室内情報処理部22において処理されて送信された情報および空気調和制御部24から送信された情報をコントローラ通信部33へ送信する。なお、室内機通信部23は、コントローラ14に搭載されたコントローラ通信部33と互いに通信できるものであればよく、通信方法は問わない。室内機通信部23とコントローラ通信部33との通信方法の例としては、赤外線通信および無線通信が例示される。
例えば、室内機通信部23とコントローラ通信部33との通信方法が赤外線通信である場合には、波長が750nmから1000nm程度の近赤外帯域の赤外線通信が利用される。近赤外光は、室内の壁を透過できないため、送信側である発光部から発光された赤外光が受信側である受光部に届くように同一の部屋で使用され、近距離通信であることが多い。また、赤外線通信は、通信速度が遅い反面、発光の部材と受光の部材とが簡素で安価に構成される特徴がある。
一方、無線通信については、無線LAN(Local Area Network)通信、特定小電力通信など様々な規格がある。本実施の形態1において室内機通信部23とコントローラ通信部33との通信方法に用いる無線方式の種類に限定はない。無線LANは、世界共通で使用できる2.4GHzの帯域の通信であり、パーソナルコンピュータをはじめ広く使用されている規格であり、汎用性があり高速で通信できる。
空気調和制御部24は、室内情報処理部22から受信した情報、コントローラ14から受信した指示情報、およびあらかじめ空気調和制御部24に記憶している情報といった、空気調和機10の運転に関する各種情報に基づいて空気調和機10の動作を制御する。すなわち、空気調和制御部24は、空気調和機10の運転に関する各種情報に基づいて、室内機11から室内に吹き出す気流の温度、室内機11から室内に吹き出す気流の強さおよび方向といった空気調和運転の設定を制御し、空気調和機10の動作を制御する。
空気調和変更部25は、空気調和制御部24から送信される指令に基づいて、室内機11から室内に吹き出す気流の状態、すなわち気流の風向および風量などを変更して空気調和運転の変更を行う。空気調和変更部25は、図4に示すように、室内機11から室内に吹き出す気流の鉛直方向における風向きを変更するルーバーを有する第1風向変更部25aおよび第2風向変更部25bと、室内機11から室内に吹き出す気流の水平方向における風向きを変更するルーバーを有する第3風向変更部25cと、気流の強さを変更する図示しないファンのモーターと、気流の温度を変更する図示しない熱交換器とを備えている。第3風向変更部25cは、空気調和変更部25において第1風向変更部25aおよび第2風向変更部25bよりも内部側に設けられている。空気調和変更部25は、空気調和制御部24からの指令に基づいて、第1風向変更部25a、第2風向変更部25b、第3風向変更部25c、ファンのモーター、および熱交換器を動作させて、空気調和運転の変更を行う。
例えば、室内機11から室内に吹き出す気流を上向きに変更する場合、空気調和制御部24は、空気調和変更部25の第1風向変更部25aおよび第2風向変更部25bの向きを変更させて、風向を下向きから上向きに変更させる制御を行えばよい。また、例えば室内に2人の人が在室しており、2人の各々が希望する空気調和設定が異なる場合は、空気調和制御部24は、図4に示すように第1風向変更部25aと第2風向変更部25bとを独立して可動させる制御を行えばよい。ここで、図4において、第1風向変更部25aについては室内機11から室内に吹き出す気流の風向を下向きにした様子を示しており、第2風向変更部25bについては室内機11から室内に吹き出す気流の風向を上向きにした様子を示している。また、第3風向変更部25cは左右に風向を変更できるものであり、例えば複数のフィンで構成されている。
また、室内機11から室内に吹き出す気流の強さは、空気調和変更部25に設けられたファンのモーターの回転数を調整することで変更する。また、室内機11から室内に吹き出す気流の温度は、空気調和変更部25に設けられた熱交換器の冷媒の温度を変更することで変更する。
また、空気調和制御部24は、例えば、図7に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図7は、本発明の実施の形態1にかかる処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。空気調和制御部24が図7に示す処理回路により実現される場合、空気調和制御部24は、例えば、図7に示すメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、空気調和制御部24の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。
また、室内情報処理部22および室内機通信部23のうちの少なくとも1つを、同様にメモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することにより、実現されるように構成してもよい。また、室内情報処理部22および室内機通信部23のうちの少なくとも1つを実現するためのプロセッサおよびメモリは、空気調和制御部24を実現するプロセッサおよびメモリと同一であってもよいし、別のプロセッサおよびメモリであってもよい。
つぎに、コントローラ14の構成部について説明する。図2に示すように、コントローラ14は、操作部31、撮像部32、コントローラ通信部33、画像処理部34および表示部35を備えている。図8は、本発明の実施の形態1にかかるコントローラ14の一例を示す正面図である。なお、本実施の形態1において示すコントローラ14は、室内機11とは別体のリモートコントローラである。
操作部31は、ユーザーの要求する空気調和設定の設定操作を受け付ける。すなわち、操作部31は、空気調和機10の運転を遠隔制御するためのインタフェースであり、ユーザーから空気調和機10の運転についての指示であり空気調和機10の運転を設定する運転設定情報を受け付ける。操作部31は、空気調和機10の運転開始、空気調和機10の運転停止、空気調和機10の運転モードの選択、設定温度の変更、設定湿度の変更、風量の設定、風向の設定、操作禁止事項の設定変更といった、空気調和機10における空気調和運転に係わる様々な機能をユーザーが任意に選択できるように構成されている。また、操作部31は、日付および時刻といった情報も設定することができる。操作部31は、受け付けた各種情報をコントローラ通信部33および画像処理部34に送信する。コントローラ14の操作部31は、図8に示すようにボタン式の操作部とすることができる。
撮像部32は、カメラなど可視画像を撮影する機器であり、空気調和対象空間である室内を撮影して室内の状態を示す画像である室内画像を生成する。撮像部32は、室内を撮影できれば、コントローラ14における搭載位置は限定されない。なお、撮像部32の撮像範囲は室内広域を撮影できるように広角であることが好ましい。
コントローラ通信部33は、空気調和機10の運転を遠隔制御するための指示情報を操作部31から受信する。コントローラ通信部33は、操作部31から受信した指示情報を室内機11の室内機通信部23に送信する。また、コントローラ通信部33は、室内機11の室内機通信部23から各種情報を受信する。コントローラ通信部33は、受信した情報を画像処理部34に送信する。なお、コントローラ通信部33は、室内機11に搭載された室内機通信部23と互いに通信できるものであればよく、通信方法は問わない。コントローラ通信部33は、データ量の大きい画像通信に対応できる2.4GHzの帯域の無線LAN通信が選定されることが多い。
画像処理部34は、室内機11から送信された情報および操作部31から送信された設定情報、および撮像部32が撮影した室内画像の情報といった、空気調和機10の運転に関する各種の情報をユーザーに示すために可視化するための処理を行う。画像処理部34は、撮像部32が撮影した室内画像を背景画像として表示部35に表示させる。また、画像処理部34は、室内情報処理部22から送信される室内情報の少なくとも一部を背景画像に重畳して表示部35に表示させる。
画像処理部34は、撮像部32において撮影された室内画像から人体を検出することができる。画像処理部34は、撮像部32において連続して撮影された2枚の室内画像の輝度の差分から人体を検出することが可能である。連続して撮影された2枚の画像の差分を抽出した場合、人体などの動体がない状態では、差分は常に0となる。一方、動体が存在する場合には、差分が0以外となる。このため、画像処理部34は、連続して撮影された2枚の画像において差分が0以外となる位置に動体が存在することを検出できる。また、画像処理部34は、室内情報処理部22において生成された人体情報における特徴から、室内情報処理部22で抽出された人体の個人を特定して、すなわち人体がだれであるかを特定して、認識することができる。
表示部35は、操作部31で受け付けた操作内容および画像処理部34で処理された画像を含む、空気調和機10の運転に関する各種情報を表示する。
また、表示部35は、カラー表示する表示部であってもよく、モノクローム表示するものであってもよい。表示部35がカラー表示する表示部である場合は、視認性が良く高級感もあるが、表示部材が高価であり消費電力が大きい。このため、ワイヤーレスとして使用するコントローラ14に、カラー表示する表示部35を使用した場合は、電池容量の低下が早いため、例えば携帯電話端末のように充電システムが必要になる。一方、表示部35がモノクローム表示する表示部である場合は、カラー表示する表示部を表示部35に用いる場合と比べて消費電力を抑えられるため、充電式ではない乾電池で対応することが可能であるが、視認性は低くなる。
なお、表示部35に表示する内容は、リアルタイムに表示される必要はなく、テレビおよびビデオ動画のようなストリーム画像であってもよく、また一定間隔で更新される静止画像であってもよい。表示部35は、操作部31が操作されて空気調和機10の設定が変更されたり、撮像部32において撮影が行われて画像処理部34で処理された処理画像の変化を表示部35に出力するときだけ、表示を変更すればよい。表示部35には、電子棚札などに使用されているメモリー液晶を使用してもよい。メモリー液晶は、表示内容の書換時には電力を消費するが、表示内容に変化が無いときには低消費電力で駆動できる特徴を有する。このため、コントローラ14を空気調和機10の専用コントローラとして使用する場合は、表示部35にメモリー液晶を用いることで、コントローラ14の電池寿命を長くできる。
また、コントローラ14は、空気調和機10専用のものでなくても、操作部31、撮像部32、コントローラ通信部33、画像処理部34および表示部35として使用できる機能を備えており、室内機11の室内機通信部23と通信できるものであればよい。コントローラ14は、例えば、ユーザーが使用しているスマートフォンなどの携帯電話端末、またはタブレット端末などの機器を使用することで実現できる。
一般的な携帯電話端末であれば、ボタン式またはタッチパネル式の表示部、表示のための画像処理部および通信部は必ず搭載されている。通信部については、多くの携帯電話端末に赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信または無線LAN通信の機能が搭載されている。したがって、室内機11の室内機通信部23をこれらの通信に対応させることで携帯電話端末をコントローラ14として使用することができる。
図9は、本発明の実施の形態1にかかるコントローラ14の他の例を示す正面図であり、タッチパネル式の表示部35aを備えるコントローラ14を示す正面図である。コントローラ14の操作部31は、図8に示すようなボタン式の操作部31に限定されず、図9に示すように、操作部31の機能と表示部35の機能とを兼ね備えたタッチパネル式の表示部35aとして構成されてもよい。図9では、コントローラ14を操作しているユーザーを含めて、コントローラ14を操作しているユーザー側から見える仮想的な室内画像を示している。なお、タッチパネル式の表示部35aは公知であるため、タッチパネル式の表示部35aについての詳細な説明は省略する。
タッチパネル式の表示部35aは、画面上に仮想ボタンが表示されるため、ある操作場面で必要な操作ボタンだけを表示することで操作ボタンの選択数を限定できる。また、タッチパネル式の表示部35aは、ユーザーの年齢または好みに対応させてボタンの大きさを変えることで操作性が向上する。ボタン式の操作部は、ユーザーが操作したときにクリック感覚が得られるという利点がある。タッチパネル式の表示部35aにおいても、タッチパネル式の表示部35aに例えば振動パネルを搭載し、タッチパネルを操作した指先に振動パネルの振動の刺激を与えることでユーザーにクリック感覚を与えてもよい。
一方で、タッチパネル式の表示部35aは、コントローラ14を操作しようと意図しない場合でも、タッチパネル式の表示部35aに触れるだけで操作したものと誤認識されるおそれがある。このため、例えば操作部31の一部として図9に示すような物理ボタンである決定ボタン31aが設けられてもよい。操作部31は、決定ボタン31aが押されることでタッチパネルの動作の有効またはタッチパネルの動作の無効が切り替えられるように構成されて、タッチパネルにおける操作の開始と終了とを特定できるように構成されてもよい。
つぎに、空気調和システム100の動作について説明する。図10は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和システム100における室内機11の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS110において、室内情報取得部21が室内情報を取得する。ステップS120において、室内情報処理部22は、室内情報取得部21が取得した室内情報から室内特徴情報63を抽出する。
例えば、室内情報取得部21が図5に示す赤外線センサーである場合、室内情報取得部21は、監視範囲である室内における広域の表面温度を測定する。赤外線センサーは、予め設定された既定の時間をおいて既定の周期で定期的に監視範囲の赤外線強度を検出する。
赤外線センサーは、検出した赤外線強度の検出結果に対して既定の変換処理を行うことにより、検出した監視範囲の赤外線強度を温度に変換して室内の表面温度の温度分布を示す温度分布情報61を生成し、室内情報である室内の温度情報として室内情報処理部22に送信する。温度分布情報61は、室内情報である。室内情報処理部22は、室内情報取得部21から室内の温度情報である温度分布情報61を受け取り、記憶して保持する。
室内情報処理部22は、室内情報取得部21から受け取った温度分布情報61から、室内の表面温度の温度分布を色温度で表現する熱画像の情報である熱画像情報62を生成する。熱画像情報62は、室内情報を画像として示す情報である。そして、室内情報処理部22は、室内における特徴を示す情報である室内特徴情報63を、熱画像情報62から抽出する。
図11は、本発明の実施の形態1にかかる熱画像の一例を示す図である。熱画像をモノクローム画像で表示する場合には、例えば図11に示すように温度によって色の濃淡が異なるように表示する。また、熱画像をカラー画像で表示する場合には、例えば高温を赤で表示し、低温を青で表示する。
図11は、夏場に取得される温度分布情報61から生成される熱画像を示している。夏場であるので、空気調和機10は冷房運転を行っており、室内は涼しく、室外は高温であるため、窓71と壁72とでは温度差が発生している。図11に示す熱画像では、図11に示す熱画像における温度表示の規則および室内空間における物の配置を理解していれば、右側の四角い範囲が窓71であることが推測できる。しかしながら、熱画像の視認性は写真に比べて低い。このため、一般には、窓が配置されているかどうかを熱画像から推測することは難しい。
そこで、室内情報処理部22は、室内の特徴および室内の状況といった室内における特徴を示す情報である室内特徴情報63を、熱画像情報62から抽出する。室内情報処理部22は、たとえば図11に示す熱画像における温度の変化点を線で結ぶことで、温度の変化点が接続された線分の情報である室内特徴情報63を取得する。
図12は、本発明の実施の形態1にかかる熱画像の他の例を示す図である。図12では、人物が存在する状態の熱画像を示している。室内に人物が存在する場合は、壁および床の温度に比べて人体の温度が高い状態であることが多い。この場合には、室内情報処理部22は、図11の場合と同様に図12に示す熱画像における温度の変化点を線で結ぶことで室内特徴情報63を抽出し、室内特徴情報63の形状および大きさから、図12に示す熱画像における人体66を抽出することができる。室内情報処理部22は、熱画像における人体の室内特徴情報63の形状および大きさに対応する人体判定情報を予め記憶しており、人体判定情報と室内特徴情報63とを比較して熱画像における人体66を抽出する。
なお、人は移動するため、室内情報取得部21が定期的に室内の表面温度を取得して、温度分布情報61を室内情報処理部22に送信する。室内情報処理部22は、定期的に熱画像情報62を生成し、熱画像情報62から時間経過に伴う室内の表面温度の変化の情報と室内の表面温度の変化の大きさを抽出する。そして、室内情報処理部22は、抽出した情報から、室内の表面温度の変化が予め決められた判定基準よりも速く、周囲に比べて室内の表面温度が高い部分を人体66として抽出してもよい。また、室内情報処理部22は、熱画像において温度の絶対値が36℃付近であるものを人体66として抽出してもよい。
また、室内情報処理部22は、室内情報取得部21において連続して取得された2つの室内の表面温度の温度分布における差分から、人体を検出することが可能である。連続して取得された2つの室内の表面温度の温度分布の差分を抽出した場合、人体などの動体がない状態では、差分は常に0となる。一方、動体が存在する場合には、差分が0以外となる。このため、室内情報処理部22は、連続して撮影された2枚の画像において差分が0以外となる位置に動体が存在することを検出できる。
そして、室内情報処理部22は、検出された動体が予め決められた判定基準よりも小さい場合は、検出された動体がペットまたは落下物であると判定することができる。また、室内情報処理部22は、検出された動体が予め決められた判定基準よりも大きい場合は、検出された動体がカーテン等の調度品または照明といった人体検出における外乱であると判定することで、人体検出の精度を向上することができる。
すなわち、室内情報処理部22は、熱画像における位置、大きさ、形状および温度の絶対値などから、人の顔、手および足などの人体情報と、床、壁、家具等の室内の物体の情報である物体情報を検出し、認識することができる。人体情報と物体情報には、熱画像における位置の情報、すなわち室内における位置の情報も含まれる。すなわち、室内情報処理部22は、室内情報から人体を抽出し、室内情報における人体に関する情報である人体情報を抽出して空気調和制御部24および画像処理部34に送信する。また、室内情報処理部22は、室内情報から物体を抽出し、室内情報における物体に関する情報である物体情報を抽出して空気調和制御部24および画像処理部34に送信する。
図13は、本発明の実施の形態1にかかる室内情報処理部22の内部の記憶部221を示す図である。室内情報処理部22は、温度分布情報61と、熱画像情報62と、室内特徴情報63と、を室内情報処理部22の内部の記憶部221に記憶する。人体情報および室内情報は、室内特徴情報63に含めて記憶される。なお、人体情報および室内情報は、室内特徴情報63から独立して取り扱うことも可能である。
ステップS130において、室内情報処理部22は、熱画像情報62と室内特徴情報63とを、コントローラ14に送信する。具体的に、室内情報処理部22は、熱画像情報62と室内特徴情報63とを、室内機通信部23とコントローラ通信部33とを介して画像処理部34に送信する。画像処理部34は、熱画像情報62と室内特徴情報63とを受信し、記憶する。
つぎに、コントローラ14の動作について説明する。図14は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和システム100におけるコントローラ14の動作を示すフローチャートである。図15は、本発明の実施の形態1にかかる室内画像の一例を示す図である。
まず、ステップS210において、撮像部32が、室内の状態を示す画像である室内画像を撮影する。撮像部32は、室内において室内情報取得部21が室内情報を取得する範囲を撮影する。撮像部32は、撮影した室内画像の情報である室内画像情報64を画像処理部34に送信する。画像処理部34は、撮像部32から送信された室内画像情報64を受信して記憶する。
ステップS220において、画像処理部34は、室内画像から室内画像の特徴を抽出する処理を行って、室内画像の特徴である室内画像特徴情報65を室内画像の画像情報上で抽出する。画像処理部34は、抽出した室内画像特徴情報65を、室内画像情報64と関連付けして記憶する。室内画像特徴情報65は、例えば壁、床、窓、テーブルなど、室内において大きい物体の形状および位置、室内画像における壁と床との間の境界線、室内画像における床と窓との間の境界線などが例示される。室内画像特徴情報65は、撮影場所である室内の特徴とも換言できる。
例えばコントローラ14の撮像部32が、室内機11の室内情報取得部21の近くに配置され、室内情報取得部21が室内情報を取得する場合に室内情報取得部21が向く方向と同じ方向に撮像部32が向いた状態で、撮像部32が室内を撮影する。上述したように室内情報取得部21である赤外線センサーが室内の表面温度の検出方向を変化させながら室内の表面温度を取得する場合には、赤外線センサーが温度検出範囲の中心を向く方向と同じ方向に撮像部32を向ける。このようにして撮像部32が室内画像を撮影することにより、室内情報処理部22が抽出した室内特徴情報63と同じ位置となる室内画像特徴情報65を画像処理部34が取得することができる。
撮像部32は、たとえば室内機11の前面に設けられてコントローラ14を保持する保持部にコントローラ14が保持された状態で室内を撮影する。なお、ユーザーがコントローラ14を保持した状態で撮像部32が室内を撮影することも可能である。
ステップS230において、画像処理部34は、熱画像情報62と、室内特徴情報63と、室内画像情報64と、室内画像特徴情報65とを用いて、熱画像と室内画像とを重ね合わせた状態で室内における同一の部分を示す室内特徴情報63と室内画像特徴情報65とが一致するように、室内画像を拡大または縮小する処理を行う。すなわち、画像処理部34は、室内における同一の部分を示す室内特徴情報63と室内画像特徴情報65とが一致するように室内画像の縮尺を調整する。画像処理部34は、縮尺が調整された後の室内画像情報64を記憶する。また、画像処理部34は、必要な場合は室内画像の位置を移動させる処理およびトリミングといった画像処理を室内画像に対して行って、室内における同一の部分を示す室内特徴情報63と室内画像特徴情報65とが一致するように室内画像を補正する。
そして、画像処理部34は、縮尺が調整された後の室内画像を背景画像として、図15のようにコントローラ14のタッチパネル式の表示部35aに表示させる。
このようにして背景画像がタッチパネル式の表示部35aに表示されることで、ユーザーは、室内情報取得部21が取得した熱画像だけでは判別しにくかった窓および家具等を、タッチパネル式の表示部35aに表示された背景画像によって視覚的におよび直感的に認識することができ、室内の状態の視認性が改善される。
ステップS240において、画像処理部34は、タッチパネル式の表示部35aに表示する背景画像に、熱画像情報62で表される熱画像の少なくとも一部を重畳する。すなわち、画像処理部34は、タッチパネル式の表示部35aに表示する背景画像に、室内情報の少なくとも一部を重畳する。図16は、本発明の実施の形態1における人体を含む熱画像の一例を示す図である。図17は、本発明の実施の形態1において熱画像の人体エリアが重畳された背景画像の一例を示す図である。
図16に示すように、画像処理部34に記憶された熱画像情報62で表される熱画像に人体66が含まれる場合に、画像処理部34は、室内情報処理部22から送信された人体情報に基づいて、人体66および人体66の周囲を含む人体エリアを熱画像上で抽出する。そして、画像処理部34は、図17に示すように、タッチパネル式の表示部35aに表示する背景画像に、抽出した人体エリアの熱画像73を重畳して表示してもよい。上述したように、室内における同一の部分を示す室内特徴情報63と室内画像特徴情報65とが一致するように室内画像の縮尺が調整されているため、背景画像に重畳される人体エリアの熱画像73は背景画像において人体66に一致した状態で重畳される。
これにより、ユーザーは、室内情報取得部21が取得した熱画像だけでは判別しにくかった室内の状態を、タッチパネル式の表示部35aに表示された背景画像、および背景画像に重畳された人体エリアの熱画像73によって視覚的におよび直感的に認識することができ、タッチパネル式の表示部35aに表示される室内の状態の視認性が改善される。したがって、空気調和システム100では、室内の熱画像だけで室内の状態をタッチパネル式の表示部35aに表示する場合に比べて、室内の状態の視認性を改善できる。
さらに、画像処理部34は、タッチパネル式の表示部35aに表示する背景画像に、画像処理部34に記憶された熱画像情報62で表される熱画像を半透過の状態で重畳してもよい。この場合も、ユーザーは、室内情報取得部21が取得した熱画像だけでは判別しにくかった室内の状態を、タッチパネル式の表示部35aに表示された背景画像、およびタッチパネル式の表示部35aに重畳された熱画像によって視覚的におよび直感的に認識することができ、タッチパネル式の表示部35aに表示される室内の状態の視認性が改善される。
なお、ステップS220において、コントローラ14の撮像部32は、室内情報取得部21が室内情報を取得する場合に室内情報取得部21が向く方向と完全に同じ方向に撮像部32が向いた状態で室内を撮影する必要はない。すなわち、室内画像は、背景画像に熱画像の少なくとも一部を重畳することにより、背景画像と熱画像とによって室内の状態を視覚的におよび直感的に認識することができ、タッチパネル式の表示部35aに表示される室内の状態の視認性が改善される程度に、室内情報取得部21が室内情報を取得する場合に室内情報取得部21が向く方向とおよそ同じ方向を向いた状態で撮影された画像であればよい。したがって、コントローラ14の撮像部32は、室内情報取得部21が室内情報を取得する場合に室内情報取得部21が向く方向と完全に同じ方向に撮像部32が向いた状態で室内を撮影できなくてもかまわない。
そして、ステップS230において、熱画像と室内画像とを重ね合わせた状態で室内における同一の部分を示す室内特徴情報63と室内画像特徴情報65とは、完全に一致しなくてもよい。すなわち、熱画像と室内画像とを重ね合わせた状態で室内における同一の部分を示す室内特徴情報63と室内画像特徴情報65とは、背景画像に熱画像の少なくとも一部を重畳することにより、背景画像と熱画像とによって室内の状態を視覚的におよび直感的に認識することができ、タッチパネル式の表示部35aに表示される室内の状態の視認性が改善される程度に、一致していればよい。
したがって、室内画像は、熱画像と室内画像とを重ね合わせた状態で室内における同一の部分を示す室内特徴情報63と室内画像特徴情報65とは、室内特徴情報63で表される室内の部分と、室内画像特徴情報65で表される室内の部分とが、予め決められた範囲内に入る程度に、拡大または縮小されればよい。一例として、室内特徴情報63で表される室内の部分と室内画像特徴情報65で表される室内の部分とが、室内画像を拡大または縮小することにより、室内画像において予め決められた距離の範囲内に入る状態とされていればよい。また、他の例として、室内画像を拡大または縮小することにより、室内の1つの部分について、室内特徴情報63で表される室内の部分と室内画像特徴情報65で表される室内の部分とが一致しており、室内の他の1つの部分について、室内特徴情報63で表される室内の部分と室内画像特徴情報65で表される室内の部分とが、室内画像において予め決められた距離の範囲内に入る状態とされていればよい。
上記においては、撮像部32によって撮影される撮影対象が、室内情報取得部21が室内情報を取得する範囲とされた場合について説明した。撮像部32は、さらにユーザーの顔の撮影画像を撮影してもよい。図18は、本発明の実施の形態1において熱画像の人体66の顔部分にユーザーの顔画像74が重畳された状態を拡大して示す図である。図18に示される熱画像は、夏場に取得される温度分布情報61から生成される熱画像を示している。
例えば、上述した図12に示すように、人体66を含む熱画像がある場合に、熱画像における人体66の顔部分に、ユーザーの顔画像74を重畳してもよい。この場合、ユーザーの顔画像74が、撮像部32により撮影される。そして、画像処理部34が、図12に示す熱画像における人体66の顔部分の大きさに合うように、ユーザーの顔画像74を拡大または縮小し、必要な場合にはトリミングをして、ユーザーの顔画像74を加工する。画像処理部34は、加工後のユーザーの顔画像74を、図18に示すように熱画像における人体66の顔部分に重畳する処理を行う。
そして、同様の処理を行うことにより、加工後のユーザーの顔画像74を、上述した図16に示すような熱画像における人体66の顔部分に重畳することができる。そして、図17に示したようにタッチパネル式の表示部35aに表示された背景画像に人体エリアの熱画像73を重畳する際に、ユーザーの顔画像74が重畳された熱画像から人体エリアを抽出して、ユーザーの顔画像74が重畳された人体エリアの熱画像73を背景画像に重畳することができる。
この場合も、ユーザーは、室内情報取得部21が取得した熱画像だけでは判別しにくかった室内の状態を、タッチパネル式の表示部35aに表示された背景画像、背景画像に重畳された人体エリアの熱画像、および人体エリアの熱画像に重畳されたユーザーの顔画像74によって視覚的におよび直感的に認識することができ、タッチパネル式の表示部35aに表示される室内の状態の視認性が改善される。
また、ユーザーの顔画像74の代わりに、ユーザーによって作成された似顔絵の画像またはアイコンが図16に示す熱画像の顔部分に重畳されて、図17に示す人体エリアの熱画像の顔部分に重畳されてもよい。画像処理部34は、ユーザーによって作成された似顔絵の画像またはアイコンを、コントローラ通信部33経由で外部の機器から直接取得することができる。また、画像処理部34は、その他の絵の画像またはアイコンを、コントローラ通信部33およびインターネット経由で外部の機器から取得することができる。
すなわち、画像処理部34は、撮像部32において撮影された画像、またはコントローラ14の外部の機器から取得した画像もしくはアイコンを、室内画像において人体情報により特定される人体の位置に重畳することができる。撮像部32において撮影された画像、コントローラ14の外部の機器から取得した画像およびコントローラ14の外部の機器から取得したアイコンは、室内の状態に関する情報である室内情報に基づいて特定されて選択されるものであり、室内情報の1つといえる。
また、人体エリアの熱画像に重畳される顔画像等が1パターンのみである場合には、空気調和空間である室内に複数人が存在した場合に、どの位置に誰が存在するのかという観点で視認性が低下する。このため、画像処理部34に予め記憶されている画像が、人体エリアの熱画像に重畳されてもよい。画像処理部34は、室内情報処理部22から取得した室内特徴情報63に含まれる人体情報の特徴に基づいて、画像処理部34に予め記憶されている複数の画像から人体情報の特徴に対応する画像を選択して、選択した画像を人体エリアの熱画像に重畳する。人体情報の特徴は、人体の大きさ、人体が検出された時間帯、室内における人体の位置、人体の温度の絶対値などが例示される。
画像処理部34は、人体情報の特徴に対応する、予め画像処理部34に記憶された画像またはアイコンを、タッチパネル式の表示部35aに表示された室内画像において人体情報の特徴により特定される人の検出位置に重畳する。例えば空気調和システム100が住宅に設置されている場合、画像処理部34は、検出された大きさが大きい人体はお父さん、日中に動いている状態が検出された人体はお母さん、ソファーに座っている状態が検出された人体は子供、検出された温度が予め決められた温度よりも高い人体は赤ちゃん、と判定してもよい。すなわち、画像処理部34は、人体情報の特徴に基づいて人体の個人を特定して認識できる。
このように人体情報の特徴によって人体の個人、すなわち人体の種別を判定するための判定基準は、画像処理部34に予め記憶される。ユーザーは簡易な選択により家族の人体情報の特徴をコントローラ14に入力することができるようにすることで、熱画像において検出される人体が家族のだれであるかを画像処理部34が識別できる。そして、画像処理部34は、識別される個人ごとに画像またはアイコン等を関連付けて記憶しておく。これにより、画像処理部34は、複数人が室内に存在している場合でも、検出された人体情報の特徴に対応する個人に対応した画像またはアイコン等をコントローラ14のタッチパネル式の表示部35aに表示された背景画像に重畳表示し、誰がどの位置に存在しているかを視覚的におよび直感的に判断できる。
また、人体の表面的な特徴だけでなく、個人ごとの顔情報に加えて、ユーザーの各個人が好む空気調和設定の情報である好みの空気調和設定情報67が画像処理部34に記憶されてもよい。タッチパネル式の表示部35aに表示された人の画像、背景画像に重畳された顔画像、絵の画像またはアイコンに対応する領域がタップされることにより、予め登録された好みの空気調和設定情報67がタッチパネル式の表示部35aに表示されてもよい。すなわち、画像処理部34は、人体情報の特徴により特定される、タッチパネル式の表示部35aに表示されている個人を選択する情報が操作部31に入力された場合に、背景画像に表示されている個人を選択する情報を受信して、選択された人の情報に対応する好みの空気調和設定情報67をタッチパネル式の表示部35aに表示させてもよい。好みの空気調和設定情報67は、上述した人体情報の特徴によって人体の個人を判定するための判定基準に関連付けられているため、背景画像に表示されている個人が選択されることにより、好みの空気調和設定情報67が選択される。
そして、画像処理部34は、タッチパネル式の表示部35aに表示された好みの空気調和設定情報67がタップされた場合に、タップされた好みの空気調和設定情報67をコントローラ通信部33および室内機通信部23を介して空気調和制御部24に送信する。すなわち、画像処理部34は、選択した人の好みの空気調和設定情報67を選択する情報が操作部31により入力された場合に、選択された好みの空気調和設定情報67を新たな空気調和設定情報として空気調和制御部24に送信する。空気調和制御部24は、好みの空気調和設定情報67を受信し、好みの空気調和設定情報67に基づいて空気調和機10の運転を制御する。
このようにユーザーの好みの空気調和設定情報67が自動で空気調和機10の運転に反映されることにより、ユーザーにおける空気調和機10の空気調和設定の操作性を改善できる。このとき、1回のタップで設定が反映されると誤操作になるおそれがあるため、画像処理部34は、2回のタップで設定が反映される制御、または1回目のタップで同意確認が表示される制御を行ってもよい。また、空気調和設定の一部の情報を変更したい場合は、タッチパネル式の表示部35aに表示された画面において変更したい情報を長押しすると画像処理部34において編集ができるようにされてもよい。
なお、室内情報処理部22は、上述したように人の顔、手および足などの人体情報と、床、壁、家具等の室内の物体の情報である物体情報を検出し、認識することができる。人体情報と物体情報には、熱画像における位置の情報、すなわち室内における位置の情報も含まれる。室内情報処理部22は、人体情報と物体情報とを、空気調和制御部24に送信する。
そして、画像処理部34は、操作部31によって選択された人の人体情報と、操作部31によって選択された人に対応する好みの空気調和設定情報67とを関連付けて空気調和制御部24に送信してもよい。選択された人の人体情報には、背景画像における位置の情報、すなわち室内における位置の情報も含まれる。
空気調和制御部24は、室内情報処理部22から送信された人体情報と、操作部31によって選択された人の人体情報と、画像処理部34から送信された選択された人の好みの空気調和設定情報67とに基づいて、操作部31によって選択された人の室内における位置を特定する。そして、空気調和制御部24は、操作部31によって選択された人に対応する好みの空気調和設定情報67に基づいて、例えば暑がりの人体が右方向にいる場合には、気流が暑がりの人体に当たるように、第1風向変更部25aおよび第2風向変更部25bが右方向に向くように空気調和変更部25を制御する。空気調和制御部24は、操作部31によって選択された人の好みの空気調和設定情報67の内容から操作部31によって選択された人が暑がりである、または寒がりであるなどの体質を判定できる。暑がりである体質または寒がりである体質を判定するための空気調和設定の基準は、予め空気調和制御部24に記憶されている。
また、空気調和制御部24は、画像処理部34から送信された、操作部31によって選択された人の人体情報のみによって、操作部31によって選択された人の室内における位置を特定することも可能である。
図19は、本発明の実施の形態1にかかる画像処理部34の記憶部341を示す図である。画像処理部34は、室内画像情報64と、室内画像特徴情報65と、好みの空気調和設定情報67とを画像処理部34の内部の記憶部341に記憶する。
図20は、本発明の実施の形態1におけるコントローラ14の操作により空気調和設定を設定する状態を示す図である。図20では、人体のアイコンが重畳された背景画像がタッチパネル式の表示部35aに表示された状態を示している。ユーザーは、コントローラ14の操作によって空気調和設定を操作することができる。ユーザーは、室内に居るユーザーの近くの現在の室内温度が何度であるかを認識することができると、現在の室内温度より何度上げ下げすればよいのかを判断しやすくなる。
このため、図20に示すように、画像処理部34は、タッチパネル式の表示部35aにおいてタッチされた位置の温度を示す温度表示81をタッチパネル式の表示部35aに表示させる。温度表示81により表示される温度は、空気調和機10における設定温度ではなく、室内情報取得部21により検出される室内温度または室内機11から吹き出される気流の吹き出し温度から算出される気流温度である。
図21は、本発明の実施の形態1におけるコントローラ14の操作により空気調和設定における室内温度を設定する方法を示す図である。図20に示すようにタッチパネル式の表示部35aに表示された温度表示81をタップする、または1秒以上長押しすると、図21に示すように空気調和設定画面に切り替わる。空気調和設定画面では、温度表示81の横に、温度表示81で示される現在の温度を中心に上下幅を有する複数の温度候補82が表示され、希望する室内温度83を選択可能とされる。タッチパネル式の表示部35aに表示された温度候補82をタップして選択することで室内温度の空気調和設定を変更することができる。図21においては、希望する室内温度83として21℃が選択された状態を示している。
希望する室内温度83の選択時に誤った選択が反映されないように、タッチパネル式の表示部35aにおける希望する室内温度83の選択後に、希望する室内温度83の選択の反映の同意を確認するメッセージがタッチパネル式の表示部35aに表示されるようにしてもよい。そして、ユーザーがメッセージをタップすることで、希望する室内温度83の選択が空気調和設定に反映されるようにしてもよい。
図21に示す例では、温度表示81で示される現在の室内温度から0.5℃刻みに上下2℃において変更できる。一般に定常的に空気調和機を使用している状態であれば、室内温度を0.5℃上げるだけでもユーザーの寒さの体感は解消されることが多い。したがって、室内温度の設定の変更幅が2℃あれば、ユーザーの寒さの体感の解消に対応できる。仮に室内温度の設定を2℃変更した後でもユーザーの寒さの体感の解消が不十分である場合は、温度表示81を再度タッチすると変更後の温度を中心に温度候補82が上下2℃の幅で表示され、さらに希望する室内温度83を変更できる。したがって、必ずしも当初の室内温度から2℃の範囲でしか希望する室内温度83が変更できないということはない。
図21に示す例では、希望する室内温度83の選択幅が2℃である例を説明したが、図21の希望する室内温度83として21℃が選択された状態において、さらにタッチパネル式の表示部35aをタッチしたまま22℃より下までスライドするときに22℃より高い温度、22.5℃、23℃・・・と温度がスライドして希望の温度を選択できるまで表示できるようにしてもよい。
ユーザーがタッチパネル式の表示部35aをタッチすると、現在の設定気流情報が、気流表示として方向と大きさの情報を含むベクトル情報として矢印のアイコン84で表示される。図20に示す矢印は、ユーザーが空気調和機10に設定している設定気流情報を表す気流表示のアイコンである。設定気流情報は、ユーザーによって空気調和機10に設定された空気調和設定の1つである気流の情報であり気流の強さを含む。矢印のアイコン84の向きは室内における気流の向きを表し、矢印のアイコン84の長さは室内における気流の強さを表している。
図20に示したタッチパネル式の表示部35aの画像を見ることにより、ユーザーは、ユーザーが空気調和機10に設定した気流の状態を理解できる。画像処理部34は、操作部31からユーザーによって空気調和機10に設定された設定気流情報を受信して、タッチパネル式の表示部35aに表示された背景画像に設定気流情報を合成して表示することができる。
図22は、本発明の実施の形態1においてタッチパネル式の表示部35aを用いて空気調和設定における設定気流情報を変更する方法を示す模式図である。空気調和機10に設定されている設定気流情報を変更する場合は、図22に示すように現在の設定気流情報の状態が矢印のアイコン84の状態のとき、矢印のアイコン84をタップまたは1秒以上長押しすると、矢印のアイコン84の基点の隣に気流の軸が黒丸85で表示される。黒丸85が表示された状態でユーザーが矢印のアイコン84の先端付近をドラッグアンドドロップ操作することで、矢印のアイコン84の形状もしくは大きさ、または形状および大きさの両方が変化する。図22における破線矢印アイコン86は、矢印のアイコン84が変化した後のアイコンである。
気流を強くする場合は、黒丸85が表示された状態でユーザーが矢印のアイコン84の先端付近をドラッグアンドドロップ操作して矢印のアイコン84の先端を伸ばす。また、気流の方向を変更する場合は、黒丸85が表示された状態でユーザーが矢印のアイコン84の先端付近をドラッグアンドドロップ操作して、黒丸85を中心に矢印のアイコン84の先端を回転させてスライドさせる。
変化した矢印のアイコン84の形状もしくは大きさ、または形状および大きさの両方の情報は、画像処理部34に送信される。画像処理部34は、矢印のアイコン84の情報を空気調和設定の気流の設定値に変換して空気調和制御部24に送信する。空気調和制御部24は、画像処理部34から受信した気流の設定値に基づいて、気流の向きおよび気流の強さといった空気調和運転の設定を制御する。すなわち、タッチパネル式の表示部35aに表示されて空気調和機10に設定された気流の情報を示す矢印のアイコン84の形状もしくは大きさ、または形状および大きさの両方が変更されることによって、破線矢印アイコン86の形状および大きさに対応した気流の設定値が空気調和制御部24に送信される。
また、気流表示は、風のイメージが表示されてもよい。タッチパネル式の表示部35aがカラー表示に対応している場合、画像処理部34は、暖房時の気流は、風の暖かみを示すように赤色またはオレンジ色の矢印のアイコン84で表示する。また、画像処理部34は、冷房時の気流は、風の冷たさを示すように水色または青色の矢印のアイコン84で表示する。これにより、矢印のアイコン84が風の表示であることがわかるとともに、どのような運転モードで運転しているのかをタッチパネル式の表示部35aの表示により、見た目で判別しやすくなる。
上記の操作を行うことで、ユーザーは、タッチパネル式の表示部35aに表示された室内を示す画像である室内画像、室内画像に重畳された室内情報および人***置を見ながら視覚的に室内の状態を把握した上で、矢印のアイコン84を操作することによりソファーおよび家具などの障害物を避けるように設定気流情報を変更することができる。また、ユーザーは、温度ムラがある方向に気流を向けるように設定気流情報を変更することもでき、効率良く快適な空気調和と空気調和設定の操作性の改善とを実現できる。
また、画像処理部34は、前述のように個人および物体を認識することができるので、認識結果をタッチパネル式の表示部35aにおける背景画像に表示してもよい。例えば、画像処理部34は、テレビ、ソファーおよび窓といった物体と、お父さんおよびお母さんという個人と、を認識してタッチパネル式の表示部35aの背景画像上に重畳して表示する。また、画像処理部34は、個人および物体の認識結果の形状に合わせて背景画像上の個人および物体を縁取り表示してもよい。また、画像処理部34は、背景画像上の個人および物体の近くに認識結果のコメントを表示してもよい。これにより、ユーザーは、タッチパネル式の表示部35aの表示を見ることにより、空気調和機10が室内の状態を正しく識別して正常に運転できているのかを確認することもできる。
また、認識結果のコメントが仮に誤っている場合は、認識結果のコメントを修正することができる。認識結果のコメントを修正する場合には、タッチパネル式の表示部35aに表示されて誤っている認識結果のコメントをタッチすると、認識結果のコメントが入力モードとなり直接文字入力できるようになる。例えばタッチパネル式の表示部35aに「お父さん」と表示されている認識結果のコメントを修正したい場合に「お父さん」の表示をタッチすると、「お母さん」、「子供」、「お客様」といった修正候補がタッチパネル式の表示部35aに表示され、正しい内容の修正候補をタッチパネル式の表示部35aで選択できるようにしてもよい。
上記のように空気調和システム100では、室内空間の広域を撮影して認識し、室内空間における人体の認識結果に対応して空気調和運転を制御する場合に、空気調和機10がどのように空気調和空間を認識しているかを、タッチパネル式の表示部35aの表示によってユーザーが確認できる。また、空気調和システム100では、空気調和空間の認識結果が誤っていることに起因して無駄な空気調和運転が行われている場合は、空気調和機10における認識結果を簡単に修正して無駄の無い適切な空気調和運転をすることができる。
また、画像処理部34は、人体の認識結果が子供である場合、子供が操作部31を操作しても操作部31の操作を無効にして、タッチパネル式の表示部35aには例えば「チャイルドロック中」と表示しておくことで、子供によるコントローラ14の誤操作を防止することができる。また、コントローラ14の操作を操作可能なユーザーとしてコントローラ14に登録された特定の登録者以外が操作した場合も、操作部31の操作を無効にすることで、無駄な空気調和運転を抑制して空気調和機10の省エネルギー運転を実現することもできる。
画像処理部34は、人体の個人が認識された場合に、個人の認識結果に対応して、予め登録された個人の好みの空気調和設定情報67をタッチパネル式の表示部35aに表示するだけでなく、現在の室内環境に基づいて変更されると推測される空気調和設定または空気調和設定の操作メニューを推測してタッチパネル式の表示部35aに表示したり、必要な設定機能と推測される空気調和設定機能を表示して操作性を改善してもよい。現在の室内環境は、例えば熱画像情報62から認識される現在の室内温度が例示される。必要な設定機能は、例えば「風量のみの設定機能」とされる。すなわち、画像処理部34は、人体の個人が特定された場合に、現在の室内環境を加味して、特定した個人の好みと推測される空気調和設定または特定した個人に必要とされると推測される空気調和設定の操作メニューを推測して、タッチパネル式の表示部35aに候補として表示する。
また、画像処理部34は、ユーザーが空気調和設定の操作設定に悩まないように、画像処理部34における人体の認識結果と予め登録された個人の好みの空気調和設定情報67により、質問形式で操作を選択できるようにしてもよい。すなわち、画像処理部34は、人体情報の特徴により特定した個人の識別結果から、個人の空気調和設定の好みを推測し、推測した空気調和設定を質問形式でタッチパネル式の表示部35aに表示してもよい。
画像処理部34は、予め登録された個人の好みの空気調和設定情報67に基づいて、タッチパネル式の表示部35aに空気調和設定の変更の有無を確認する表示、空気調和設定をどのように変更するかの選択肢の表示などをタッチパネル式の表示部35aに表示し、操作部31による設定指示の入力をユーザーに促す。ユーザーは、タッチパネル式の表示部35aの表示に従って所望の空気調和設定の条件を操作部31から入力する。
また、撮像部32が撮像した室内画像は、ユーザーが見ている光景ではなく、空気調和機10の室内機11から見た光景の画像である。このため、画像処理部34は、物体および人体の認識結果に基づいて、ユーザーを基準としてどのような物体が室内に存在しており、ユーザーからどのように見えるかの情報を算出して、ユーザーから見える仮想的な画像を生成してタッチパネル式の表示部35aに表示してもよい。上述した図9では、コントローラ14を操作しているユーザーを含めて、コントローラ14を操作しているユーザー側から見える仮想的な室内画像を示している。図9に示す仮想的な室内画像には、空気調和機10の室内機11も表示している。このように実際には室内画像に撮影されない室内機11を仮想的な室内画像に表示することで、風がどこからどこに向かって吹いているのかわかりやすく表示することもできる。
上述したように、本実施の形態1にかかる空気調和システム100は、空気調和機10の室内機11が、室内の状態に関する情報である室内情報を取得する室内情報取得部21を備える。また、コントローラ14が、室内の状態を示す画像である室内画像を撮影する撮像部32と、空気調和機の運転に関する情報を表示する表示部35とを備える。そして、撮像部32は、室内情報である熱画像の少なくとも一部を室内画像に重畳して表示部35に表示させる。
これにより、ユーザーは、室内の熱画像だけでは判別しにくかった室内の状態を、表示部35に表示された背景画像、および背景画像に重畳された熱画像73によって視覚的におよび直感的に認識することができ、室内の状態の視認性が改善される。また、熱画像を背景画像に重畳して表示することで、室内の温度状態を同時に認識でき、室内の熱画像だけで室内の状態を認識する場合および室内画像だけで室内の状態を認識する場合に比べて室内の状態を容易に把握できる。
空気調和システム100は、空気調和機10に高価なカメラ等の撮像部を搭載せずに、コントローラ14の撮像部32で撮影された画像である室内画像を背景画像として使用して表示部35に表示させる。そして、室内情報の少なくとも一部を室内画像に重畳して表示部35に表示させる。これにより、空気調和機10に撮像機器を備えることによる空気調和機10の大型化が生じず、安価で省スペースな空気調和機10を実現できる。
また、空気調和システム100は、空気調和機10における人および物体の識別結果を背景画像に合成して表示することができる。これにより、ユーザーは、空気調和機10が室内空間の状態を正しく認証しているか否かを表示部35の表示によって容易に直感的に認識することができ、空気調和機10の運転が誤って無駄な運転になっていないかを表示部35の表示によって容易に直感的に認識することができる。そして、空気調和機10が室内空間の状態を誤って識別している場合には、識別結果を修正することで、無駄の無い空気調和機10の省エネルギー運転を実現できる。
また、空気調和システム100は、熱画像情報62より特定されたユーザーの顔を、ユーザーの顔画像74に置き換えて表示部35の背景画像に合成表示することができる。さらに、熱画像情報62より特定されたユーザーの顔は、ユーザーの似顔絵またはアイコンに置き換えて表示部35の背景画像に合成表示することで、個人のプライバシーを確保しながら容易に在室人物を表示部35で認識できる。
また、空気調和システム100は、熱画像情報62より特定された個人の好みの空気調和設定を表示部35に表示することで、ユーザーは限定された空気調和設定の中から、期待する設定を容易に選択することができ、空気調和設定の設定操作の操作性を改善することができる。
また、表示部35としてタッチパネル式の表示部35aを使用し、空気調和設定の気流の設定を矢印のアイコンによってタッチパネル式の表示部35aに表示させることで、タッチパネル感覚で気流の向きおよび風量といった気流の空気調和設定を直感的にモニターでき、さらに設定もできる。これにより、ユーザーの利便性が向上した空気調和システムを実現できる。
また、空気調和システム100は、気流の設定を矢印のアイコンによってタッチパネル式の表示部35aに表示させることで、障害物により空気調和が阻害されないように気流を調整し、その調整された空気調和が不適切であれば空気調和設定をタッチパネルなどで修正することで適切な省エネルギー運転を実現できる。ユーザーは、タッチパネル式の表示部35aの表示を見ることで、視覚的におよび直感的に気流を調整できるため、特に意識することなく気流の設定を行うことができる。
したがって、本実施の形態1にかかる空気調和システム100によれば、空気調和機10に撮像機器を備えることによる空気調和機10の大型化を伴うことなく、室内の状態を直感的に把握することが可能である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。