JP7190395B2 - 分割型メカニカルシール - Google Patents

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Description

本発明は、分割型メカニカルシールに関する。
回転機械のケーシングに固定されたシールカバー内に、回転軸と一体に回転可能な回転環と、回転軸とは一体に回転しない固定環とを配置したメカニカルシールが知られている。回転環及び固定環等の摺動環は、摺動によって消耗するため、定期的に交換する必要がある。この交換時に回転機械のモータを取り外す必要がある場合、作業が大掛かりになるためコスト高になる。
特許文献1には、シールカバー、回転環、及び固定環を周方向に2分割して構成した分割型メカニカルシールが開示されている。この分割型メカニカルシールでは、回転軸に対するシールカバー、回転環及び固定環の着脱作業を、回転軸の径方向から行うことができるため、モータを取り外すことなく、消耗部品である回転環と固定環を交換できる。
米国特許公開第2014/0159315号明細書
この種のメカニカルシールでは、外部への液漏れを防ぐために、摺動環を正確に取り付ける必要がある。特許文献1の分割型メカニカルシールでは、シールカバーに対して複数のクリップ部材を周方向に間隔をあけて配置することで、シールカバーの定位置に摺動環を配置しているため、その取付構造が複雑であり、部品交換時の作業性が悪い。
本発明は、摺動環の取付構造の簡素化を図り、部品交換時の作業性を向上することを課題とする。
本発明の分割型メカニカルシールは、環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、前記シールカバーに配置された固定環と、前記回転軸に配置された回転環とを有する摺動環とを備え、前記固定環は、環状体を周方向に分割した第1固定部材と第2固定部材を有し、周方向の回転が規制されるように前記シールカバー内に配置され、前記回転環は、環状体を周方向に分割した第1回転部材と第2回転部材を有し、前記固定環に対して前記回転軸の軸方向に隣接し、前記回転軸と一体に回転するように前記回転軸に配置されている。
そして、第1態様の分割型メカニカルシールでは、前記回転環及び前記固定環のうちの一方の摺動環は、前記一方の摺動環の内周及び外周のうちの一方を支持する支持部を有する支持部材と、環状体を周方向に分割した第1部材と第2部材を有し、前記一方の摺動環の内周及び外周のうちの他方に配置されたシール部材とによって支持され、前記回転軸の軸方向から見て、前記支持部材は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。この場合、前記一方の摺動環は、前記支持部が配置される窪みを有することが好ましい。
第2態様の分割型メカニカルシールでは、前記回転環及び前記固定環のうちの一方の摺動環は、前記回転環及び前記固定環のうちの他方の摺動環とは反対側に位置する前記一方の摺動環の端部を支持する支持部を有する支持部材と、環状体を周方向に分割した第1部材と第2部材を有し、前記一方の摺動環の内周又は外周に配置されたシール部材とによって支持され、前記回転軸の軸方向から見て、前記支持部材は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。この場合、前記一方の摺動環は、前記支持部が圧入される穴を有することが好ましい。
第1態様及び第2態様の分割型メカニカルシールによれば、支持部材とシール部材によって一方の摺動環(回転環又は固定環)が支持され、シールカバー内の定位置に保持される。よって、複数のクリップ部材を用いる場合と比較して取付構造が簡素であり、摺動環(回転環及び固定環)の部品交換時の作業性も向上できる。
第2態様の分割型メカニカルシールは、前記一方の摺動環に対して前記他方の摺動環とは反対側に配置された押金と、前記押金を介して前記一方の摺動環を前記他方の摺動環に向けて付勢するスプリングとを更に備え、前記支持部材は前記押金に配置されている。
第1態様及び第2態様の分割型メカニカルシールは、環状体を周方向に分割した第1保持部材と第2保持部材を有し、前記回転軸に取り付けられたホルダを備え、前記一方の摺動環である前記回転環は、前記支持部材及び前記シール部材を介して前記ホルダに回転不可能に保持されている。ここで、第1態様における前記一方の摺動環を回転環、第2態様における前記一方の摺動環を固定環とすると、ボールポイントとして機能する支持部材とシール部材によって、固定環及びシールカバーと回転環及びホルダとを、それぞれ一対の半割ユニットとして組み立てることができる。その結果、回転軸の周囲には、一対の回転側分割ユニットと一対の固定側ユニットとを組み付ければ良いため、メカニカルシールの組立性を飛躍的に向上できる。
前記支持部材は、前記支持部から突出した柱状の取付部を有する。前記取付部は、前記支持部に隣接するように、外周を切り欠いて形成した収縮部を有する。この態様によれば、収縮部によって取付部に対して支持部が変位可能であるため、第1態様では回転軸の軸方向における回転環の誤差を吸収でき、第2態様では回転軸の径方向における固定環の誤差を吸収できる。
また、第3態様の分割型メカニカルシールでは、前記回転環及び前記固定環のうちの一方の摺動環は、前記一方の摺動環の内周及び外周のうちの一方を支持する支持部を有する支持部材と、環状体を周方向に分割した第1部材と第2部材を有し、前記一方の摺動環の内周及び外周のうちの他方に配置されたシール部材とによって支持され、前記支持部材は、前記支持部から突出した柱状の取付部を有する。
また、第4態様の分割型メカニカルシールでは、前記回転環及び前記固定環のうちの一方の摺動環は、前記回転環及び前記固定環のうちの他方の摺動環とは反対側に位置する前記一方の摺動環の端部を支持する支持部を有する支持部材と、環状体を周方向に分割した第1部材と第2部材を有し、前記一方の摺動環の内周又は外周に配置されたシール部材とによって支持され、前記支持部材は、前記支持部から突出した柱状の取付部を有する。
本発明の分割型メカニカルシールでは、支持部材とシール部材によって回転環又は固定環を定位置に支持するため、これらの取付構造が簡素であり、回転環又は固定環の交換時の作業性を向上できる。
本発明の実施形態に係る分割型メカニカルシールの断面図。 ホルダ、シート、ワッシャ、及び押金の分解斜視図。 図1の一部の拡大断面図。 図3の一部を分解した断面図。 図1の他部の拡大断面図。 第2の支持部材の拡大図。 回転側ユニットを示す断面図。 固定側ユニットを示す断面図。 シートの取付構造の第1変形例を示す断面図。 シートの取付構造の第2変形例を示す断面図。 シートの取付構造の第3変形例を示す断面図。 シートの取付構造の第4変形例を示す断面図。 シートの取付構造の第5変形例を示す断面図。 シートの取付構造の第6変形例を示す断面図。 第1の支持部材の変形例を示す断面図。 第1の支持部材の他の変形例を示す断面図。 ワッシャの取付構造の第1変形例を示す断面図。 ワッシャの取付構造の第2変形例を示す断面図。 第2の支持部材の変形例を示す断面図。 第2の支持部材の他の変形例を示す断面図。 第2の支持部材の他の変形例を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る分割型メカニカルシール(以下「メカニカルシール」と略す。)10を示す。このメカニカルシール10は、シール面28を形成する摺動環として、シート(回転環)30とワッシャ(固定環)40を備える。シート30は、第1の支持部材37と第1のシール部材38とによってホルダ12内の定位置に支持され、ワッシャ40は、第2の支持部材46と第2のシール部材47とによってシールカバー50内の定位置に支持されている。
(メカニカルシールの概要)
図1に示すように、メカニカルシール10は、回転機械(例えば排水ポンプ)のケーシング1の内部の液体が外部(大気側)に漏出することを防ぐために、ケーシング1における回転軸2が貫通される部分に配置される。図1では、メカニカルシール10の左側がケーシング1内に連通している。以下の説明では、図1において左側を内部側といい、図1において右側を外部側ということがある。
メカニカルシール10は、ホルダ12、シート30、及びワッシャ40を備え、これらがシールカバー50(封止液室52)内に配置されている。ワッシャ40をシート30に付勢するために、ワッシャ40の外部側には押金65とコイルスプリング71が更に配置されている。このメカニカルシール10は、シート30とワッシャ40によって、ケーシング1内に連通した封止液室52から、大気に連通した回転軸2側(径方向内側)への液体の流出を防ぐインサイド型である。
ホルダ12は、円環状であり、回転軸2におけるケーシング1の貫通部1aの近傍に配置され、セットボルト(図示せず)によって回転軸2に対する周方向の回転が規制されている。ホルダ12は、シート30を取り付ける円環状の取付凹部18を備え、シート30を回転軸2と一体に回転させる。
シート30は、円環状であり、取付凹部18に対して、周方向の回転が規制され、軸方向の移動が許容された状態で取り付けられている。シート30は、ホルダ12を介して回転軸2と一体に回転することで、図1において右側に位置するワッシャ40に対して摺接し、封止液室52から回転軸2に向けた液体の流動(漏出)を阻止する。
ワッシャ40は、円環状であり、シート30の外部側に隣接して配置されている。シールカバー50に対してワッシャ40は、周方向の回転が規制され、軸方向の移動が許容された状態で取り付けられている。ワッシャ40には、シート30に向けて突出する断面四角形状の凸部40aが設けられており、この凸部40aの先端面がシート30との摺接によりシール面28を構成する。
シールカバー50は、回転軸2が貫通される貫通孔51と、環状の封止液室52とを備える環状体である。回転軸2に沿って貫通されたボルト60をボルト穴1bに締め付けることで、シールカバー50はケーシング1に固定されている。
押金65は、円環状であり、シールカバー50の外端に形成されたフランジ部50aとワッシャ40の間に配置されている。コイルスプリング71の一端がフランジ部50aの装着穴50bに配置され、コイルスプリング71の他端が押金65の外端面に配置されている。コイルスプリング71の付勢によって押金65は、回転軸2の軸線に沿って、シート30に向けてワッシャ40を押圧する。
図2を併せて参照すると、メカニカルシール10は、ホルダ12、シート30、ワッシャ40、シールカバー50、及び押金65を、それぞれ周方向に2分割した全分割型である。つまり、ホルダ12は、環状体を周方向に分割したそれぞれ半円環状の第1保持部材13Aと第2保持部材13Bを備える。シート30は、環状体を周方向に分割したそれぞれ半円環状の第1回転部材31Aと第2回転部材31Bを備える。ワッシャ40は、環状体を周方向に分割したそれぞれ半円環状の第1固定部材41Aと第2固定部材41Bを備える。シールカバー50は、環状体を周方向に分割したそれぞれ半円環状の第1カバー部材53Aと第2カバー部材53Bを備える。押金65は、環状体を周方向に分割したそれぞれ半円環状の第1押圧部材66Aと第2押圧部材66Bを備える。
全分割型のメカニカルシール10では、ケーシング1からシールカバー50を径方向外向きに取り外すことで、シート30とワッシャ40を露出させ、これらの取り外しと取り付けが可能である。よって、回転軸2の先端に配置したモータ(図示せず)を取り外すことなく、消耗部品であるシート30、ワッシャ40、及びコイルスプリング71等を交換できる。以下、シート30とワッシャ40の取付構造について、より具体的に説明する。
(ホルダの概要)
図1及び図2に示すように、ホルダ12を構成する保持部材13A,13Bの分割面には、図示しないピンを配置する位置決め用のピン穴14が形成されている。また、第1保持部材13Aの分割面にはボルト穴15が形成され、第2保持部材13Bの外周にはボルト穴15に対応する貫通孔16が形成されている。貫通孔16を通してボルト(図示せず)をボルト穴15に締め付けることで、回転軸2の周囲に保持部材13A,13Bが取り付けられる。さらに、第1保持部材13Aの分割面には凹溝17が設けられ、この凹溝17に保持部材13A,13B間をシールするガスケット24が配置される。
保持部材13A,13Bは、回転軸2の軸線に沿って外部側の端から内部側に窪む取付凹部18を備える。取付凹部18内に突出するように、保持部材13A,13Bには、シート30の周方向の回転を阻止するピン25がそれぞれ配置されている。保持部材13A,13Bの内周には、径方向外向きに窪み、周方向に延びる凹溝19が形成され、この凹溝19にホルダ12と回転軸2の間をシールするシール部材26が配置される。シール部材26には、無端状のOリングを用いてもよいし、1本の線条部材の両端に連結構造を設けた連結式シールリングを用いてもよい。また、シール部材26は、後述するシール部材38と同様に、Oリングを周方向に二分割した半円環状の第1部材と第2部材によって構成してもよい。
(シートの概要)
図1及び図2に示すように、シート30を構成する回転部材31A,31Bには、回転軸2の軸方向において内部側の端から外部側へ窪み、かつ、内周から径方向外向きに窪む係止溝32がそれぞれ設けられている。ホルダ12のピン25を係止溝32に係止することで、ホルダ12(回転軸2)に対するシート30の周方向の回転が規制され、ホルダ12に対するシート30の軸方向の移動は許容される。
回転軸2の軸方向から見て、支持部材37は、周方向に間隔をあけて取付凹部18内に複数(本実施形態では4個)取り付けられ、回転部材31A,31Bの内周面をそれぞれ支持している。シール部材38は、Oリングを周方向に二分割した半円環状の第1部材38aと第2部材38bとを備える。第1部材38a及び第2部材38bは、回転部材31A,31Bの外周面と保持部材13A,13Bの内周面との間にそれぞれ配置され、これらの間をシールする。
図3及び図7Aを併せて参照すると、シート30は、弾性を有する支持部材37とシール部材38によって、取付凹部18内にフローティング状態で保持されている。より具体的には、回転部材31Aの分割面が保持部材13Aの分割面と同一平面上に位置するように、保持部材13A内に回転部材31Aが配置され、回転部材31Aは、外周側の第1部材38aと内周側の支持部37aに挟まれて保持されることで、これらユニット化される。また、回転部材31Bの分割面が保持部材13Bの分割面と同一平面上に位置するように、保持部材13B内に回転部材31Bが配置され、回転部材31Bは、外周側の第2部材38bと内周側の支持部37aに挟まれて保持されることで、これらユニット化される。
(ワッシャの概要)
図1及び図2に示すように、ワッシャ40を構成する固定部材41A,41Bは、シート30に当接してシール面28を形成する円環状の凸部40aを備える。外部側に位置する固定部材41A,41Bの端面には、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では4個)の係止穴42が設けられている。押金65に配置したピン70を係止穴42に配置することで、押金65(シールカバー50)に対するワッシャ40の周方向の回転が規制され、押金65に対するワッシャ40の軸方向の移動は許容される。
回転軸2の軸方向から見て、支持部材46は、周方向に間隔をあけて押金65に複数(本実施形態では4個)取り付けられ、固定部材41A,41Bの外端側をそれぞれ支持している。シール部材47は、Oリングを周方向に二分割した半円環状の第1部材47aと第2部材47bとを備える。第1部材47a及び第2部材47bは、固定部材41A,41Bの外周面とカバー部材53A,53Bの内周面との間にそれぞれ配置され、これらの間をシールする。
図3及び図7Bを併せて参照すると、ワッシャ40は、弾性を有する支持部材46とシール部材47によって、シールカバー50内に保持されている。より具体的には、固定部材41Aの分割面がカバー部材53Aの分割面と同一平面上に位置するように、カバー部材53A内に固定部材41Aが配置され、固定部材41Aは、外周側の第1部材47aと内周側の支持部材46に挟まれて保持されることで、これらがユニットされる。固定部材41Bの分割面がカバー部材53Bの分割面と同一平面上に位置するように、カバー部材53B内に固定部材41Bが配置され、固定部材41Bは、外周側の第2部材47bと内周側の支持部材46に挟まれて保持されることで、これらがユニットされる。
(シールカバーの概要)
図1に示すように、シールカバー50を構成するカバー部材53A,53Bの分割面には、図示しないピンを配置する位置決め用のピン穴54が形成されている。また、第1カバー部材53Aの分割面には一対のボルト穴55が形成され、第2カバー部材53Bの外周にはボルト穴55に対応する貫通孔(図示せず)が形成されている。貫通孔を通してボルト(図示せず)をボルト穴55に締め付けることで、カバー部材53A,53Bが円環状に保持される。さらに、第1カバー部材53Aの分割面には凹溝56が設けられ、この凹溝56にカバー部材53A,53B間をシールするガスケット61が配置される。
カバー部材53A,53Bは、封止液室52の外部側にシール部材47を配置する凹溝57を備える。カバー部材53A,53Bの組付状態で円環状をなすように、凹溝57は周方向に延びている。凹溝57は、カバー部材53A,53Bにおける径方向内側へ突出した部分に設けられている。凹溝57の外部側には、組付状態で円環状をなすように係止段部58が形成されている。
(押金の概要)
図1及び図2に示すように、押金65を構成する押圧部材66A,66Bは、ピン70を配置する取付穴67を備える。取付穴67は、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では合計で4個)設けられている。取付穴67は、回転軸2の軸方向に沿って内部側から外部側へ延びる窪み(凹部)であり、外部側には閉鎖された壁を有する。また、押圧部材66A,66Bには、組付状態で円環状をなすように径方向外向きに突出するストッパ部68が設けられている。ストッパ部68が係止段部58に係止することで、コイルスプリング71の付勢による内部側に向けた押金65の移動が規制される。
押圧部材66A,66Bには、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では合計で4個)の貫通孔72が設けられている。シールカバー50のフランジ部50aには、貫通孔72に対応する貫通孔(図示せず)が設けられている。フランジ部50aを貫通させた棒状のドライブピン(図示せず)を貫通孔75に挿入することで、シールカバー50に対する押金65の周方向の回転が規制され、軸方向の移動が許容されている。
(シートの取付構造の詳細)
図3及び図4に示すように、シート30は、取付凹部18内に配置され、第1の支持部材37と第1のシール部材38とによって回転軸2の径方向の定位置に保持されている。
支持部材37は、弾性的に変形可能なゴム製であり、シート30を支持する支持部37aと、取付凹部18に取り付けるための取付部37bとを備える。シート30には支持部材37に係着するための位置決め溝33が設けられ、取付凹部18には支持部材37を取り付けるための取付穴20が設けられている。
支持部37aは、概ね半球状であり、取付凹部18における径方向内側の壁から突出し、シート30(回転部材31A,31B)の内周面の一部を支持する。回転軸2の軸方向及び周方向における支持部37aの先端部分の横幅は、シート30に向けて次第に小さくなっている。
図2を併せて参照すると、位置決め溝33は、支持部37aが配置される窪みであり、回転部材31A,31Bの内周にそれぞれ設けられ、回転部材31A,31Bの組付状態で円環状をなす。回転軸2を径方向から見た位置決め溝33の形状は、半球状の支持部37aの直径の50%以上200%以下の直径の円弧状に形成されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝33の最大幅は、支持部37aの直径の20%以上200%以下に設定されている。より具体的には、位置決め溝33の最大幅及び位置決め溝33の直径は、支持部37aの直径に対してゴム弾性で挿入可能な締め代30%以内に設定することが好ましい。
取付部37bは、円柱状であり、支持部37aから突出し、取付凹部18におけるシート30との対向部分に取り付けられる。取付部37bの直径は、半球状の支持部37aの直径よりも小さい。
取付穴20は、取付部37bが圧入される貫通した孔であり、シート30との対向部分である取付凹部18の内周壁(径方向内側の部分)に設けられている。取付穴20の直径は、取付部37bの直径の50%以上150%以下で、取付部37bを挿入できる範囲で形成されている。より具体的には、取付穴20の直径は、取付部37bの直径に対して、隙間があっても良いが、ゴム弾性で挿入可能な締め代30%以内に設定することが好ましい。
シール部材38は、前述のように、Oリングを周方向に二分割した半円環状の第1部材38aと第2部材38bとを備える。図2を参照すると、これらの両端は、それぞれ平坦面であり、組立状態では互いに圧接される。但し、第1部材38a及び第2部材38bを専用に設け、これらの一端と他端に、ボールジョイントのように互いに連結される連結構造をそれぞれ設けてもよい。
シール部材38を配置するために、シート30には段部34が設けられ、取付凹部18には段部21が設けられている。第1部材38aと第2部材38bを合わせたシール部材38の全長は、円環状とした際の内径が段部34の外径以上の寸法に設定されている。シール部材38の線条部分は断面円形状であり、その直径は段部21,34間の隙間よりも大きい。
シート30の段部34は、回転部材31A,31Bの外周面から径方向に内向きに窪み、内部側の端から外部側に向けて延びている。図3に最も明瞭に示すように、段部34によって回転部材31A,31Bの外部側には、シール部材38を覆うように径方向外向きに突出する突出部35が形成されている。
取付凹部18の段部21は、取付凹部18における径方向外側の壁に環状の凹溝を設けることで形成されている。図3に最も明瞭に示すように、段部21によって取付凹部18の外部側には、シール部材38の一部を覆うように径方向内向きに突出する突出部22が形成されている。突出部22によって外部側へのOリング38の移動を規制することで、Oリング38を定位置に保持できる。
(ワッシャの取付構造の詳細)
図3及び図5に示すように、ワッシャ40は、シールカバー50内に配置され、第2の支持部材46と第2のシール部材47とによって回転軸2の径方向の定位置に保持されている。
支持部材46は、弾性的に変形可能なゴム製であり、ワッシャ40に圧入される支持部46aと、押金65に取り付けるための取付部46bとを備える。ワッシャ40には支持部材46を係着するための位置決め穴43が設けられ、押金65には支持部材46を取り付けるための取付穴69が設けられている。
支持部46aは、概ね球状であり、回転軸2の軸方向に沿って押金65(押圧部材66A,66B)から内部側へ突出し、ワッシャ40の外端の一部を支持する。回転軸2の軸方向及び周方向における支持部46aの先端部分の横幅は、ワッシャ40に向けて次第に小さくなっている。
位置決め穴43は、支持部46aが配置される窪み(凹部)であり、回転軸2の軸方向に沿ってワッシャ40の外部側の端面から内部側へ延びている。図2を参照すると、ワッシャ40の端面には位置決め穴43の他に係止穴42が設けられており、これらが周方向に間隔をあけて交互に配置されている。位置決め穴43の直径は、球状の支持部46aの直径の50%以上150%以下で、支持部46aを挿入できる範囲で形成されている。より具体的には、位置決め穴43の直径は、支持部46aの直径に対して、隙間があっても良いが、ゴム弾性で挿入可能な締め代30%以内に設定することが好ましい。
取付部46bは、円柱状であり、支持部46aから突出し、押金65におけるワッシャ40との対向部分に取り付けられる。取付部46bの直径は、球状の支持部46aの直径よりも小さい。取付部46bには、外周から突出する突起46cが設けられている。突起46cは、取付部46bを取り囲む円環状であり、取付部46bの軸線に沿って間隔をあけて複数(本実施形態では4個)設けられている。突起46cは、取付部46bから断面三角形状に突出しているが、断面四角形状に突出してもよく、その形状は必要に応じて変更が可能である。第1の支持部材37の取付部37bにも、このような突起を設けてもよい。
取付穴69は、取付部46bが圧入される貫通した孔であり、回転軸2の軸方向に貫通するように押金65(押圧部材66A,66B)に設けられている。図2を併せて参照すると、押金65には取付穴69の他に取付穴67が設けられており、これらが周方向に間隔をあけて交互に配置されている。取付穴69の直径は、突起46cの外径の50%以上150%以下で、突起46c(取付部46b)を挿入できる範囲で形成されている。より具体的には、取付穴69の直径は、支持部46aの直径に対して、隙間があっても良いが、ゴム弾性で挿入可能な締め代30%以内に設定することが好ましい。
シール部材47は、前述のように、Oリングを周方向に二分割した半円環状の第1部材47aと第2部材47bとを備える。図2を参照すると、これらの両端は、それぞれ平坦面であり、組立状態では互いに圧接される。但し、第1部材47a及び第2部材47bを専用に設け、これらの一端と他端に、ボールジョイントのように互いに連結される連結構造を設けてもよい。
第1部材47aと第2部材47bを合わせたシール部材47の全長は、円環状とした状態でシールカバー50の凹溝57内に配置され、内径がワッシャ40の外径以上となる寸法に設定されている。シール部材47の線条部分は断面円形状であり、その直径は径方向における凹溝57の外面とワッシャ40の外周面との間の隙間よりも大きい。シール部材47は、組付時にワッシャ40をシールカバー50の定位置に位置決めする機能を兼ね備える。
ワッシャ40(固定部材41A,41B)の外周には、シール部材47に係着するための位置決め溝44が設けられている。位置決め溝44は、固定部材41A,41Bの外周にそれぞれ設けられた窪みであり、固定部材41A,41Bの組付状態で円環状をなす。回転軸2の径方向から見た位置決め溝44の形状は、シール部材47の線条部分の直径付近(概ね同一)の直径の円弧状に形成されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝44の最大幅は、シール部材47の線条部分の直径よりも小さい。
位置決め溝44は、図3に示す組付状態でシール部材47よりも外部側に位置する。図7Bに示すように、ストッパ部68が係止段部58に当接し、押金65の内部側端面にワッシャ40の外部側端面が当接した状態で、シール部材47が係着する位置に位置決め溝44が形成されている。
(メカニカルシールの交換作業)
回転軸2からメカニカルシール10を取り外す際には、ケーシング1とシールカバー50を締結したボルト60を取り外すとともに、カバー部材53A,53Bを締結したボルトを取り外す。その後、ケーシング1から一対の静止側半割ユニット11B(図7B参照)を取り外した後、回転軸2の周囲から一対の回転側半割ユニット11A(図7A参照)を取り外す。一対の回転側半割ユニット11Aのうち、一方は第1保持部材13A、第1回転部材31A、支持部材37、及び第1部材38aからなり、他方は第2保持部材13B、第2回転部材31B、支持部材37、及び第2部材38bからなる。一対の静止側半割ユニット11Bのうち、一方は第1固定部材41A、支持部材46、第1部材47a、第1カバー部材53A、及び第1押圧部材66Aからなり、他方は第2固定部材41B、支持部材46、第2部材47b、第2カバー部材53B、及び第2押圧部材66Bからなる。
回転軸2にメカニカルシール10を取り付ける際には、まず、一対の回転側半割ユニット11A及び一対の静止側半割ユニット11Bを組み立てる。その後、組み立てた半割ユニット11A,11Bをケーシング1及び回転軸2に組み付ける。
回転側半割ユニット11Aの組み立ては、次のように行われる。まず、保持部材13A,13Bの取付凹部18内に支持部材37とシール部材38a,38bをそれぞれ配置し、これらの間に回転部材31A,31Bを圧入する。これにより、支持部材37とシール部材38a,38bの弾性によって、回転部材31A,31Bが保持部材13A,13Bにフローティング状態でそれぞれ保持される。
静止側半割ユニット11Bの組み立ては、次のように行われる。まず、シールカバー50の装着穴50bにコイルスプリング71をそれぞれ配置した後、カバー部材53A,53Bの内周に押圧部材66A,66Bをそれぞれ配置する。この際、図7Bに示すように、ストッパ部68を係止段部58に当接させ、コイルスプリング71の先端を押金65の外部側の端面に配置する。続いて、フランジ部50aを貫通させてドライブピンを貫通孔72に差し込むことで、シールカバー50、押金65、及びコイルスプリング71を半割状態のサブユニットとする。
これにより、コイルスプリング71の付勢によってストッパ部68と係止段部58の当接状態を維持し、押圧部材66A,66Bがカバー部材53A,53B内に保持される。この状態で、カバー部材53A,53Bの凹溝57にシール部材47a,47bを取り付けるとともに、押金65の内部側にピン70と支持部材46を取り付ける。
その後、カバー部材53A,53B内に固定部材41A,41Bをそれぞれ配置し、ピン70を係止穴42にそれぞれ差し込むとともに、支持部材46の支持部46aを位置決め穴43に圧入する。これにより、支持部材46とシール部材47a,47bの弾性によって、カバー部材53A,53B内に固定部部材41A,41Bがフローティング状態でそれぞれ保持される。
回転軸2の周囲への半割ユニット11A,11Bの取り付けは、次のように行われる。
まず、一対の回転側半割ユニット11Aを回転軸2の所定位置に配置し、ピン穴14にピンを差し込んで保持部材13A,13Bの軸方向、周方向の位置合わせを行う。その後、貫通孔16を通してボルトをボルト穴15に締め付けることで、一対の回転部材31A,31Bを締結する。この際、支持部材37とシール部材38が弾性的に変形することで、回転部材31A,31Bの分割面同士の接触を阻害することなく組み付けることができる。よって、回転部材31A,31B間での段差の発生を防止できる。
次に、一対の静止側半割ユニット11Bを締結した一対の回転側半割ユニット11Aの外側に配置し、ピン穴54にピンを差し込んでカバー部材53A、53Bの軸方向、周方向の位置合わせを行う。その後、貫通穴を通してボルト穴55にボルトを締付けることで、一対のカバー部材53A、53Bを締結する。この際、支持部材46とシール部材47が弾性的に変形することで、固定部材41A,41Bの分割面同士の接触を阻害することなく組み付けることができる。よって、固定部材41A,41B間での段差の発生を防止できる。また、シート30の外部側端面にワッシャ40の凸部40aが当接することで、より段差を生じさせることなく、組み立てることができる。この時、ワッシャ40とシート30の摺動面同士を接触させながらカバー部材53A,53Bを固定することで、固定部材41A,41B間での段差をより小さくできる。
以上のように、支持部材37とシール部材38によってシート30を支持し、支持部材46とシール部材47によってワッシャ40を支持することで、これらがシールカバー50内の定位置に保持される。よって、複数のクリップ部材を用いる場合と比較して取付構造が簡素であり、シート30とワッシャ40の交換作業性も向上できる。
シート30は支持部37aが配置される位置決め溝33を備え、ワッシャ40は支持部46aが配置される位置決め穴43を備えるため、支持部材37,46によってシート30とワッシャ40をシールカバー50内の定位置に確実に配置できる。また、ワッシャ40はシール部材47が配置される位置決め溝44を備え、シールカバー50の定められた保持位置にワッシャ40を仮保持できるため、組付時の作業性を向上できる。但し、支持部材46とシール部材47によってワッシャ40を仮保持できるため、位置決め溝44は設けなくてもよい。
特に、本実施形態では、回転軸2の周囲にメカニカルシール10の構成部品を個別に組み付ける必要がなく、一対の回転側半割ユニット11Aと一対の静止側半割ユニット11Bをそれぞれ組み立てて、組み付けることができる。言い換えれば、ボールポイントとして機能する支持部材37,46を使用することで、シート30をホルダ12に簡単に支持でき、ワッシャ40をシールカバー50に簡単に支持できる。よって、組立時には、メカニカルシール10を構成するホルダ12、シート30、支持部材37、シール部材38、ワッシャ40、支持部材46、シール部材47、シールカバー50、及び押金65を、二対の半割ユニット11A,11Bとしてユニット化できる。その結果、回転軸2の周囲には、一対の回転側分割ユニット11Aと一対の固定側ユニット11Bとを組み付ければ良いため、メカニカルシール10の組立性を飛躍的に向上できる。
支持部材37,46の支持部37a,46aは、先細の先端部分を有する半球状又は球状であり、回転軸2の周方向へ間隔をあけて複数配置されている。よって、シート30及びワッシャ40を効果的に支持できる。しかも、シート30及びワッシャ40との間の抵抗を最小限に抑えることができるため、シート30とワッシャ40の着脱時の作業性を向上できる。
支持部材37,46は、支持部37a,46aから突出する取付部37b,46bを備えるため、シート30及びワッシャ40と対向する部材(取付凹部18及び押金65)への支持部材37,46の取付状態を確実に維持できる。
(シートの取付構造の変形例)
シート30の取付構造は前記実施形態の構成に限られず、図8から図13のようにしてもよい。
支持部材37は、図8の第1変形例から図11の第4変形例では支持部37aと取付部37bによって構成され、図12の第5変形例と図13の第6変形例では支持部37aのみによって構成されている。
具体的には、図8に示す第1変形例では、支持部材37は前記実施形態と同一の構成である。位置決め溝33は断面三角形状の窪みによって構成されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝33の最大幅は、半球状の支持部37aの直径の20%以上200%以下に設定されている。より具体的には、位置決め溝33の深さは、支持部37aの直径に対してゴム弾性で挿入可能な締め代30%以内とすることが好ましい。
図9に示す第2変形例では、支持部材37の支持部37aは、取付部37bの先端に連続した円柱状の第1部分37cと、第1部分37cの先端に連続した円錐台形状の第2部分37dとで構成されている。第1部分37cの直径は取付部37bの直径よりも大きい。第2部分37dの最大直径は第1部分37cの直径と同一であり、第2部分37dの最小直径は取付部37bの直径よりも小さい。位置決め溝33は、断面台形状の窪みによって構成されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝33の最大幅は、第2部分37dの最小直径よりも大きく、第2部分37dの最大直径の20%以上200%以下に設定されている。より具体的には、位置決め溝33の深さは、第2部分37dの直径に対してゴム弾性で挿入可能な締め代30%以内に設定することが好ましい。
図10に示す第3変形例では、支持部材37の支持部37aは、取付部37bの先端に連続した円柱状の第1部分37cと、第1部分37cの先端に連続した円錐形状の第2部分37dとで構成されている。第1部分37cの直径は取付部37bの直径よりも大きい。第2部分37dの最大直径は第1部分37cの直径と同一である。位置決め溝33は、断面台形状の第1部分33aと、第1部分33aと連通した断面四角形状の第2部分33bとを有する窪みによって構成されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝33の第1部分33aの最大幅は、支持部37aの第2部分37dの最大直径の20%以上200%以下に設定されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝33の第2部分33bの幅は、第1部分33aの最大幅よりも小さい。
図11に示す第4変形例では、支持部材37の支持部37aは、取付部37bの先端に連続した円柱状の膨出部によって構成されている。支持部37aの直径は取付部37bの直径よりも大きい。位置決め溝33は断面四角形状の窪みによって構成されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝33の幅は、支持部37aの直径の70%以上130%以下に設定されている。
以上の第1変形例から第4変形例に示すように、支持部材37の支持部37aの形状は必要に応じて変更が可能である。また、支持部37aを配置する位置決め溝33の形状も必要に応じて変更が可能である。そして、支持部37aの形状と位置決め溝33の形状の組み合わせも、必要に応じて変更が可能である。
図12に示す第5変形例では、位置決め溝33は円弧状の窪みによって構成され、取付穴20は球面状(球の一部)の窪み(凹部)によって構成されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝33の幅は支持部37aの直径の20%以上200%以下に設定されている。取付穴20の直径は球状の支持部37aの直径の50%以上200%以下に設定されている。
図13に示す第6変形例では、位置決め溝33は断面三角形状の窪みによって構成され、取付穴20を円錐状の窪み(凹部)によって構成されている。回転軸2の軸方向における位置決め溝33の幅は支持部37aの直径の20%以上200%以下に設定されている。取付穴20の最大部分の直径は球状の支持部37aの直径の50%以上200%以下に設定されている。
支持部37aと取付部37bを備える支持部材37は図14のようにしてもよく、支持部37aのみからなる支持部材37は図15のようにしてもよい。
図14に示す変形例では、断面円形状の線条からなる支持部37aと、支持部37aの長手方向の中央から突出する1個の取付部37bとによって、支持部材37が構成されている。図15に示す他の変形例では、断面円形状の線条からなる支持部37aのみによって、支持部材37が構成されている。
図15に示す支持部材37は、市販されているOリングを切断して用いることが好ましい。図15の支持部材37は、Oリングを4分割した構成であるが、Oリングを2分割して構成してもよく、分割数は必要に応じて変更が可能である。図14に示す支持部材37は、射出成形によって形成してもよいし、市販されているOリングを切断して取付部37bを固着することで形成してもよい。Oリングを切断して形成する場合、その分割数は必要に応じて変更が可能である。線条の支持部37aに突設する取付部37bの数も必要に応じて変更が可能である。
(ワッシャの取付構造の変形例)
ワッシャ40の取付構造は前記実施形態の構成に限られず、図16及び図17のようにしてもよい。
図16と図17の変形例では、支持部材46は、概ね球状に形成された支持部46a,46dと、突起46cを有する円柱状の取付部46bとを備える。支持部46a,46dの直径は、同一であるが、異なっていてもよい。取付部46b及び突起46cの直径は、支持部46a,46dの直径よりも小さい。また、図16と図17の変形例では、ワッシャ40の位置決め穴43と押金65の取付穴69とは、抜止機能を有する段付穴によって構成されている。
図16に示す第1変形例では、位置決め穴43は、ワッシャ40の外部側の端面に隣接する第1部分43aと、第1部分43aの内部側に連続した第2部分43bとを備える。第1部分43aは断面円形状の孔であり、その直径は、球状の支持部46aの直径よりも小さく、円柱状の取付部46b(突起46c)の直径よりも大きい。第2部分43bは第1部分43aと同軸の凹部であり、その直径は支持部46aの直径の50%以上150%以下に設定されている。
取付穴69は、押金65を貫通した孔であり、押金65の内部側の端面に隣接する第1部分69aと、第1部分69aの外部側に連続した第2部分69bと、第2部分69bの外部側に連続した第3部分69cとを備える。第1部分69aは断面円形状の孔であり、その直径は円柱状の取付部46bと概ね同一である。つまり、第1部分69aの直径は、球状の支持部46dの直径よりも小さく、取付部46bから突出した突起46cの直径よりも小さい。第2部分69bは第1部分69aと同軸の孔であり、その直径は、支持部46dの直径よりも小さく、取付部46b(突起46c)の直径よりも大きい。第3部分69cは他の部分69a,69bと同軸の孔であり、その直径は支持部46dの直径よりも大きい。
図17に示す第2変形例では、位置決め穴43は、第1部分43aと第2部分43bの間に、第1部分43aから第2部分43bに向けて次第に拡開した傾斜部43cを備える。取付穴69は、第2部分69bと第3部分69cの間に、第2部分69bから第3部分69cに向けて次第に拡開した傾斜部69dを備える。
これらの変形例では、第1部分43aを通して支持部46aを第2部分43bに配置することで、第1部分43aと第2部分43bの間の段差(第2変形例の場合には傾斜部43c)に支持部46aが引っ掛かることで、抜け止めが図られる。また、第1部分69aと第2部分69bを通して支持部46dを第3部分69cに配置することで、第2部分69bと第3部分69cの間の段差(第2変形例の場合には傾斜部69d)に支持部46dが引っ掛かることで、抜け止めが図られる。
支持部材46は、図18から図20のようにしてもよい。なお、図18から図20に示す支持部材46の変形例は、1個の支持部46aのみを備える構成であるが、一対の支持部46a,46dを備える構成であってもよい。
図18に示す支持部材46の変形例では、取付部46bの外周に、突起46cの代わりに切欠溝46eが設けられている。切欠溝46eは、取付部46bの外周から内向き窪み、周方向へ円環状に延びている。切欠溝46eの形状は、三角形状としているが、四角形状としてもよく、必要に応じて変更が可能である。図19に示す支持部材46の変形例では、取付部46bの外周に、軸方向に沿って突起46cと切欠溝46eの両方が交互に設けられている。
図20に示す支持部材46の変形例では、支持部46aに隣接するように、取付部46bの端に収縮部46fが形成されている。収縮部46fは、円柱状の取付部46bの外周を円環状に切り欠くことで形成されている。取付部46bの軸方向における収縮部46fの断面形状は、半円状に形成されているが、三角形状や四角形状であってもよく、必要に応じて変更が可能である。取付部46bは、図18のように切欠溝46eを備える構成であってもよく、図19のように突起46cと切欠溝46eの両方を備える構成であってもよい。第1の支持部材37の取付部37bにも、このような収縮部を設けてもよい。
支持部材46と同様に、支持部材37の取付部37bにも、突起及び/又は切欠溝を設けてもよいし、支持部37aに隣接するように収縮部を設けてもよい。
取付部に収縮部を形成した支持部材では、取付部に対して支持部が変位可能である。よって、ワッシャ40を支持する支持部材46の場合、回転軸2の径方向における位置決め穴43の形成位置の誤差を吸収できる。また、シート30を支持する支持部材37の場合、回転軸2の軸方向における位置決め溝33の形成位置の誤差を吸収できる。
なお、本発明の分割型メカニカルシール10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、各変形例に示すように、支持部の形状は必要に応じて変更が可能であり、位置決め溝及び位置決め穴の形状も必要に応じて変更が可能であり、支持部の形状と位置決め溝及び位置決め穴の形状との組み合わせも必要に応じて変更が可能である。
シート30の外周を支持部材37によって支持し、シート30の内周をシール部材38によって支持してもよい。シール部材47によってワッシャ40の内周を支持してもよい。支持部材(ボールポイント)とシール部材(Oリング)によって、シート30とワッシャ40の両方をそれぞれ支持したが、シート30及びワッシャ40のうちの一方だけを支持してもよい。
支持部37aが配置されるシート30の窪みは、連続した円環状(無端状)の位置決め溝33に限られず、断続的に設けられた溝であってもよいし、円柱状又は円錐状の凹部であってもよい。支持部46aが圧入されるワッシャ40の穴は、凹状の位置決め穴43に限られず、ワッシャ40の周方向に延びる溝状であってもよい。
ホルダ12を含むシート30を内部側(ケーシング1側)に配置するとともに、ワッシャ40を外部側に配置したが、ワッシャ40を内部側に配置するとともに、ホルダ12を含むシート30を外部側に配置してもよい。
メカニカルシール10は、押金65を介してコイルスプリング71によって付勢するワッシャ40を固定環としてシールカバー50に取り付けるとともに、付勢されないシート30を回転環としてホルダ12(回転軸2)に取り付けた静止形としたが、ワッシャ40を回転環としてホルダ12に取り付けるとともに、シート30を固定環としてシールカバー50に取り付けた回転形としてもよい。つまり、ホルダ12に、回転環としてのワッシャ40、支持部材46、シール部材47、押金65、及びコイルスプリング71配置し、シールカバー50に設けた取付凹部18と同様の取付凹部内に、固定環としてのシート30、支持部材37、及びシール部材38を配置してもよい。
メカニカルシール10は、シート30、ワッシャ40、押金65及びシールカバー50を周方向に分割すれば、ホルダ12は非分割の環状体としてもよい。
1…ケーシング
1a…貫通部
1b…ボルト穴
2…回転軸
10…分割型メカニカルシール
11A…回転側半割ユニット
11B…静止側半割ユニット
12…ホルダ
13A,13B…保持部材
14…ピン穴
15…ボルト穴
16…貫通孔
17…凹溝
18…取付凹部
19…凹溝
20…取付穴
21…段部
22…突出部
24…ガスケット
25…ピン
26…シール部材
28…シール面
30…シート(回転環又は固定環)
31A,31B…回転部材
32…係止溝
33…位置決め溝(窪み)
33a…第1部分
33b…第2部分
34…段部
35…突出部
37…支持部材
37a…支持部
37b…取付部
37c…第1部分
37d…第2部分
38…シール部材
38a…第1部材
38b…第2部材
40…ワッシャ(固定環又は回転環)
40a…凸部
41A,41B…固定部材
42…係止穴
43…位置決め穴(穴)
43a…第1部分
43b…第2部分
43c…傾斜部
44…位置決め溝
46…支持部材
46a…支持部
46b…取付部
46c…突起
46d…支持部
46e…切欠溝
46f…収縮部
47…シール部材
47a…第1部材
47b…第2部材
50…シールカバー
50a…フランジ部
50b…装着穴
51…貫通孔
52…封止液室
53A,53B…カバー部材
54…ピン穴
55…ボルト穴
56…凹溝
57…凹溝
58…係止段部
60…ボルト
61…ガスケット
65…押金
66A,66B…押圧部材
67…取付穴
68…ストッパ部
69…取付穴
69a…第1部分
69b…第2部分
69c…第3部分
69d…傾斜部
70…ピン
71…コイルスプリング
72…貫通孔

Claims (10)

  1. 環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、
    前記シールカバーに配置された固定環と、前記回転軸に配置された回転環とを有する摺動環と
    を備え、
    前記固定環は、環状体を周方向に分割した第1固定部材と第2固定部材を有し、周方向の回転が規制されるように前記シールカバー内に配置され、
    前記回転環は、環状体を周方向に分割した第1回転部材と第2回転部材を有し、前記固定環に対して前記回転軸の軸方向に隣接し、前記回転軸と一体に回転するように前記回転軸に配置されており、
    前記回転環及び前記固定環のうちの一方の摺動環は、
    前記一方の摺動環の内周及び外周のうちの一方を支持する支持部を有する支持部材と、
    環状体を周方向に分割した第1部材と第2部材を有し、前記一方の摺動環の内周及び外周のうちの他方に配置されたシール部材と
    によって支持され
    前記回転軸の軸方向から見て、前記支持部材は、周方向に間隔をあけて複数配置されている、分割型メカニカルシール。
  2. 前記一方の摺動環は、前記支持部が配置される窪みを有する、請求項1に記載の分割型メカニカルシール。
  3. 環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、
    前記シールカバーに配置された固定環と、前記回転軸に配置された回転環とを有する摺動環と
    を備え、
    前記固定環は、環状体を周方向に分割した第1固定部材と第2固定部材を有し、周方向の回転が規制されるように前記シールカバー内に配置され、
    前記回転環は、環状体を周方向に分割した第1回転部材と第2回転部材を有し、前記固定環に対して前記回転軸の軸方向に隣接し、前記回転軸と一体に回転するように前記回転軸に配置されており、
    前記回転環及び前記固定環のうちの一方の摺動環は、
    前記回転環及び前記固定環のうちの他方の摺動環とは反対側に位置する前記一方の摺動環の端部を支持する支持部を有する支持部材と、
    環状体を周方向に分割した第1部材と第2部材を有し、前記一方の摺動環の内周又は外周に配置されたシール部材と
    によって支持され
    前記回転軸の軸方向から見て、前記支持部材は、周方向に間隔をあけて複数配置されている、分割型メカニカルシール。
  4. 前記一方の摺動環は、前記支持部が圧入される穴を有する、請求項3に記載の分割型メカニカルシール。
  5. 前記一方の摺動環に対して前記他方の摺動環とは反対側に配置された押金と、
    前記押金を介して前記一方の摺動環を前記他方の摺動環に向けて付勢するスプリングと
    を更に備え、
    前記支持部材は前記押金に配置されている、請求項3又は4に記載の分割型メカニカルシール。
  6. 環状体を周方向に分割した第1保持部材と第2保持部材を有し、前記回転軸に取り付けられたホルダを備え、
    前記一方の摺動環である前記回転環は、前記支持部材及び前記シール部材を介して前記ホルダに回転不可能に保持されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
  7. 前記支持部材は、前記支持部から突出した柱状の取付部を有する、請求項1からのいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
  8. 環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、
    前記シールカバーに配置された固定環と、前記回転軸に配置された回転環とを有する摺動環と
    を備え、
    前記固定環は、環状体を周方向に分割した第1固定部材と第2固定部材を有し、周方向の回転が規制されるように前記シールカバー内に配置され、
    前記回転環は、環状体を周方向に分割した第1回転部材と第2回転部材を有し、前記固定環に対して前記回転軸の軸方向に隣接し、前記回転軸と一体に回転するように前記回転軸に配置されており、
    前記回転環及び前記固定環のうちの一方の摺動環は、
    前記一方の摺動環の内周及び外周のうちの一方を支持する支持部を有する支持部材と、
    環状体を周方向に分割した第1部材と第2部材を有し、前記一方の摺動環の内周及び外周のうちの他方に配置されたシール部材と
    によって支持され、
    前記支持部材は、前記支持部から突出した柱状の取付部を有する、分割型メカニカルシール。
  9. 環状体を周方向に分割した第1カバー部材と第2カバー部材を有し、回転機械のケーシングに固定され、前記回転機械の回転軸を貫通させるシールカバーと、
    前記シールカバーに配置された固定環と、前記回転軸に配置された回転環とを有する摺動環と
    を備え、
    前記固定環は、環状体を周方向に分割した第1固定部材と第2固定部材を有し、周方向の回転が規制されるように前記シールカバー内に配置され、
    前記回転環は、環状体を周方向に分割した第1回転部材と第2回転部材を有し、前記固定環に対して前記回転軸の軸方向に隣接し、前記回転軸と一体に回転するように前記回転軸に配置されており、
    前記回転環及び前記固定環のうちの一方の摺動環は、
    前記回転環及び前記固定環のうちの他方の摺動環とは反対側に位置する前記一方の摺動環の端部を支持する支持部を有する支持部材と、
    環状体を周方向に分割した第1部材と第2部材を有し、前記一方の摺動環の内周又は外周に配置されたシール部材と
    によって支持され、
    前記支持部材は、前記支持部から突出した柱状の取付部を有する、分割型メカニカルシール。
  10. 前記取付部は、前記支持部に隣接するように、外周を切り欠いて形成した収縮部を有する、請求項7から9のいずれか1項に記載の分割型メカニカルシール。
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