JP7190279B2 - チーズソース - Google Patents

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Description

本発明は、チーズソースとその製造方法、及び、チーズソースに保形性及び滑らかさを付与する方法に関する。
チーズソースは、チーズ由来の蛋白質を水中に分散・安定化して作られる。物性に関して、チーズそのものは通常は加熱時の融解性や曵糸性(とろける感じ)、歯ごたえ等が求められるのに対し、チーズソースは融解性や曵糸性を一部備えながらも、保形性、均一性、滑らかさ等が要求される場合がある。そこで、チーズソースの物性を改善するために、組成や製法の工夫がされてきた。
例えば、特許文献1では、均一化処理されたチーズの水分散液と澱粉を混合してから、加熱することで、凝集が発生せず、滑らかな食感を有するチーズソースの製造方法が提案されている。
また、特許文献2では、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を用いた、高温での曵糸性を抑えて扱いやすいチーズソースが提案されている。
特開第2007-166960号 特開第2015-015929号
チーズソースに保形性を持たせようとすると、成形時に外観がいびつで粗いものとなるという課題が見出された。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、チーズとウェランガムを含むチーズソースが、保形性及び滑らかな外観を兼ね備えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げるチーズソースを提供する。
項1.
チーズとウェランガムを含有する、チーズソース。
項2.
前記チーズの含有量が、固形分として1~50質量%である、項1に記載のチーズソース。
項3.
前記ウェランガムの含有量が、0.01~2質量%である、項1又は2に記載のチーズソース。
また、本発明は、下記に掲げるチーズソースの製造方法を提供する。
項4.
チーズとウェランガムを含有させる工程を含む、チーズソースの製造方法。
項5.
前記チーズソースの全量に対して、前記チーズを1.5~70質量%配合させる、項4に記載のチーズソースの製造方法。
項6.
前記チーズソースの全量に対して、前記ウェランガムを0.01~2質量%配合させる、項4又は5に記載のチーズソースの製造方法。
さらに、本発明は、下記に掲げるチーズソースに保形性及び滑らかさを付与する方法を提供する。
項7.
ウェランガムを含有させる工程を含む、チーズソースに保形性及び滑らかさを付与する方法。
本発明の構成によれば、保形性を有しながら、滑らかな外観のチーズソースが得られる。
キサンタンガムを含むチーズソース(比較例1-2)とウェランガムを含むチーズソース(実施例1)の絞り出し時の外観を示す写真である。 5℃におけるキサンタンガムを含むチーズソース(比較例2)とウェランガムを含むチーズソース(実施例2)の絞り出し時の外観を示す写真である。
本発明のチーズソースは、チーズとウェランガムを含有する。
[チーズソース]
本明細書において、チーズソースとは、チーズを含有し、5~50℃の範囲でソース状であり、流動性を有する食品である。
(チーズ)
本明細書において、チーズとは、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(日本国厚生労働省令第二八号、以下、乳等省令という)に基づく。具体的には、乳等省令第2条16~17項で規定されるナチュラルチーズ、並びに同条16及び18項で規定されるプロセスチーズをいう。
本明細書において、クリームチーズとは、コーデックス規格(Codex STAN 275-1973)において規定されるように、柔らかく、塗り広げることができ、フレッシュチーズを含む熟成されていないチーズに該当する。クリームチーズの乳脂肪分は、乾燥重量あたり、25%以上であり、脂肪以外のチーズ重量中の水分含量(moisture on fat free basis)は、67%以上であり、固形分(dry matter)は22%以上である。この規格を満たすチーズは、乳等省令においてナチュラルチーズに分類されるものであっても、プロセスチーズに分類されるものであってもクリームチーズに含まれるものとする。
本発明のチーズソースに用いられるチーズは、ナチュラルチーズ及び/又はプロセスチーズが含まれる。
本発明のチーズソースに用いられるナチュラルチーズとしては、特に制限されないが、例えば、クリームチーズ、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、カマンベールチーズ、パルメザンチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)、カッテージチーズ、フェタ、ブリア・サヴァラン、フロマージュ・ブラン、マスカルポーネ、モッツァレラ、リコッタ、ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、コンテ、グリエール、エポワス、エダムチーズ、エメンタールチーズ、ペコリーノ・ロマーノ、ミモレット、ラクレット、クロミエ、シャウルス、ヌーシャテル、バラカ、ブリ・ド・ムラン、ブリ・ド・モー、カンボゾラ、スティルトン、ババリアブルー、フルム・ダンベール、ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ、ブルー・デ・コース、ブルー・ド・ジェックス、ショーム、タレッジオ、ポン・レヴェック、マンステル、モン・ドール、ラミ・デュ・シャンベルタン、ラングル、リヴァロ、カンタル、サムソー、サレール、サン・ネクテール、フォンティナ、マリボー、モルビエ、ライオル、ルブロション・ド・サヴォア、アボンダンス、グラナパダーノ、スプリンツ、ボーフォール等のチーズを用いることができ、なかでもクリームチーズ、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、カマンベールチーズ、及びパルメザンチーズからなる群より選択される少なくとも1種以上を含むことが好ましい。
本発明のチーズソースに用いられるプロセスチーズの原料としては、特に制限されず、ナチュラルチーズから選択される少なくとも1種以上が挙げられ、中でもクリームチーズ、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、カマンベールチーズ、及びパルメザンチーズからなる群より選択される少なくとも1種以上を含むことが好ましい。
チーズソースにおけるチーズの含有量は、特に制限されず、例えば、チーズソース全量に対して、固形分として1~50質量%、好ましくは2~40質量%、より好ましくは、3~35質量%である。
本発明のチーズソースには、クリームチーズを含むことが好ましい。チーズソースにおけるクリームチーズの含有量は、特に制限されず、例えば、チーズソース全量に対して固形分として5~50質量%、好ましくは7.5~40質量%、より好ましくは、10~35質量%である。これにより、より均一で滑らかなチーズソースを得ることができる。
(ウェランガム)
本明細書において、ウェランガムは、スフィンゴモナス属細菌(Sphingomonas sp.)の培養液から得られた多糖類を主成分とするものである。簡便には、一般に流通している市販製品を利用することが可能であり、具体的には三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のビストップ(登録商標)W等が例示できる。
本発明のチーズソースにおけるウェランガムの含有量は、特に制限されず、他の成分の種類やその含有量等により適宜調整され、例えば、チーズソース全量に対して0.01~2質量%、好ましくは0.05~1質量%、より好ましくは、0.1~0.5質量%である。
本発明のチーズソースにおける、チーズの総含有量1質量部(固形分換算)に対するウェランガムの含有量は、特に制限されず、他の成分の種類やその含有量等により適宜調整され、好ましくは0.0002~2質量部、より好ましくは0.001~0.5質量部、更に好ましくは0.002~0.1質量部である。
(水分)
本発明のチーズソースの水分含有量は、特に制限されず、所望の保形性、均一性及び滑らかさを得る観点から、例えば、チーズソース全量に対して50~95質量%、好ましくは55~95質量%、より好ましくは60~90質量%に調整される。
(他の成分)
本発明のチーズソースには、チーズ及びウェランガム以外にも、乳原料、澱粉、動植物油脂、増粘多糖類、乳化剤、動植物エキス類、塩類、着色料、香料等を含有することができる。
乳原料としては、乳(例えば、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳、脱脂濃縮乳、生クリーム、練乳等)、乳清タンパク質(ホエー、濃縮ホエー、チーズホエーパウダー、酸ホエーパウダー等)、バターミルクパウダー等が挙げられる。
澱粉としては、特に制限されず、例えば小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、餅米澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、くず澱粉、サゴ澱粉、アマランス、加工澱粉等を挙げることができる。
動植物油脂としては、例えば、動物性油脂(バター等の乳脂肪、ラード、牛脂、魚油等)、植物油脂(ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、カカオ脂、パーム核油等)、又はこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂等が挙げられる。
増粘多糖類は、可食性組成物に対する増粘性を調整する場合に用いられ、ウェランガム以外の増粘多糖類も適宜使用することができる。かかる増粘多糖類としては、特に制限されないが、例えば、キサンタンガム、ガラクトマンナン(例えば、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム等)、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カラギナン(例えば、カッパ型、イオタ型、ラムダ型等)、タマリンドシードガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、寒天、ペクチン(例えば、HMペクチン、LMペクチン等)、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム等)、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガティガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、カラヤガム、ファーセレラン、キチン、セルロース類(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、発酵セルロース、結晶セルロース等)、デンプン類(例えば、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、α化デンプン、リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、酢酸デンプン等)、デキストリン類(例えば、ポリデキストロース、難消化性デキストリン等)及び大豆多糖類等を挙げることができる。
乳化剤としては、特に制限されず、レシチン、サポニン、カゼインナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステル等例示することができる。
動植物エキス類としては、特に制限されず、例えば、オニオンエキス等が挙げられる。
塩類としては、特に制限されず、食塩(塩化ナトリウム)、塩化カリウム、クエン酸塩(クエン酸一ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸一カリウム等)、酒石酸塩(酒石酸ナトリウムカリウム等)、リン酸塩(リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、モノリン酸一ナトリウム、モノリン酸二ナトリウム、モノリン酸三ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、ピロリン酸ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、ピロリン酸四カリウム等)等が挙げられる。これらの塩は、水和物であっても無水物であってもよい。中でも本発明のチーズソースには、リン酸塩、クエン酸塩、及び酒石酸塩から選択される少なくとも1種以上を含有することが好ましい。
着色料としては、特に制限されず、例えば、アナトー色素、パプリカ色素、β-カロチン、クルクミン等のカロテノイド色素、カラメル色素、タマリンド色素、クチナシ色素、フラボノイド色素、コチニール色素、赤色2号、赤色102号、黄色4号等が挙げられる。
香料としては、特に制限されず、例えば、スモークフレーバー、カマンベールフレーバー、ミルクフレーバー、チーズフレーバー等が挙げられる。
これらの乳原料、澱粉、動植物油脂、増粘多糖類、乳化剤、動植物エキス類、塩類、着色料、及び香料は、いずれも、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(その他の特性)
本発明のチーズソースにおける固形分の含有量は、特に制限されず、例えば、チーズソース全量に対して1~50質量%、好ましくは5~45質量%、より好ましくは、10~40質量%である。
本発明のチーズソースにおける脂質の含有量は、特に制限されず、例えば、チーズソース全量に対して0.5~40質量%、好ましくは1~30質量%、より好ましくは、2~20質量%である。
本発明のチーズソースの粘度は、特に制限されず、所望の保形性、均一性及び滑らかさが得られるように、例えば、B型回転粘度計を用いて、60℃、60rpmの条件で測定される粘度が1500~10000mPa・sとすることができ、1900~9000mPa・sとすることが好ましく、2200~9000mPa・sとすることがより好ましい。
(使用形態、用途)
本発明のチーズソースは、特に制限されず、所望の保形性及び滑らかさが得られるように、例えば、5℃~100℃で使用することができる。
本発明のチーズソースに使用される容器の材料は、食品に使用可能なものであれば特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸等の樹脂、アルミ蒸着フィルム、金属(アルミニウム、スチール等)、紙、ガラス等を用いることができるが、チーズソースがレトルト殺菌される場合には、レトルト殺菌に耐えるものが好ましい。
本発明のチーズソースに使用される容器の形態としては、特に制限されず、例えばスパウトパウチ、チアパック、チューブ、カップ、レトルトパウチ、ボトル、瓶、缶等が挙げられるが、スパウトパウチ、チアパック、チューブ、レトルトパウチ、又は瓶が好ましく、さらに絞り出し可能であるという観点から、スパウトパウチ、チアパック又はチューブがより好ましい。
上記の容器には、チーズソースが絞り出し時にチューブ状に成形されるように、絞り出し口を付することができる。
本発明のチーズソースの使用用途は、特に制限されないが、例えば野菜、各種料理等に絞り出してトッピングとして使用したり、パン等に塗り広げて使用したり、食材同士を接着させるのに使用したり、各種加工食品又は飲料に風味、香味、テクスチャー等を付与するために加えて使用したりすることができる。中でも、本発明の効果を顕著に奏する観点から、絞り出してトッピングとして使用するのがより好ましい。
[チーズソースの製造方法]
本発明のチーズソースの製造方法は、チーズとウェランガムを含有させる工程を含む。チーズ及びウェランガムは、上記の[チーズソース]の項に記載したものを用いることができる。
配合させるチーズの量は、特に制限されず、例えば、チーズソース全量に対して1.5~70質量%、好ましくは3~60質量%、より好ましくは、5~50質量%である。
チーズのうち、クリームチーズを用いる場合は、配合させるクリームチーズの量は、特に制限されず、例えば、チーズソース全量に対して5~50質量%、好ましくは7.5~50質量%、より好ましくは、10~50質量%である。これにより、より均一で滑らかなチーズソースを得ることができる。
配合させるウェランガムの量は、特に制限されず、他の成分の種類やその含有量等により適宜調整され、例えば、チーズ全量に対して0.01~2質量%、好ましくは0.05~1質量%、より好ましくは、0.1~0.5質量%である。
本発明のチーズソースの製造方法において、チーズとウェランガムは同時に含有させてもよく、別々に含有させてもよい。
本発明のチーズソースの製造方法には、さらにチーズ、澱粉等を加熱により融解するための加熱融解の工程を含むことが好ましい。加熱融解は攪拌しながら行うことが好ましい。本発明のチーズソースの製造方法において、加熱融解は、特に制限されないが、例えば、80℃、10分間保温することで行われる。
本発明のチーズソースの製造方法には、さらに乳化工程を含むことが好ましい。乳化には、例えばクッカー型乳化機、ケトル型乳化機、ステファン型乳化機、表面掻き取り式乳化機等が用いられる。特に制限されないが、乳化工程は、加熱工程の後に設けることが好ましい。本発明のチーズソースの製造方法において、乳化工程は、特に制限されないが、チーズ及びウェランガムが含まれる組成物に対して行うことが好ましく、チーズ、ウェランガム及び乳化剤が含まれる組成物に対して行うことがより好ましい。
本発明のチーズソースの製造方法には、さらに容器への充填工程を含むことが好ましい。
本発明のチーズソースの製造方法には、さらに殺菌工程を含むことが好ましい。殺菌工程は、容器に充填した後に行われることがより好ましい。本発明のチーズソースの製造方法において、殺菌は、特に制限されないが、例えば、121℃で20分間保温することで行われる。
本発明のチーズソースの製造方法における、その他の原材料、条件等の詳細は、上記の[チーズソース]の項に記載した通りである。
[チーズソースに保形性及び滑らかさを付与する方法]
本発明の、チーズソースに保形性と滑らかさを付与する方法には、ウェランガムを含有させる工程を含む。
本発明の、チーズソースに保形性と滑らかさを付与する方法に用いられるチーズ及びウェランガムの原材料、条件等の詳細は、上記の[チーズソース]に記載した通りである。
本発明の、チーズソースに保形性及び滑らかさを付与する方法には、さらに絞り出し口を備える容器にチーズソースを充填する工程を含むことが好ましい。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」を意味する。また、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製であることを示し、文中「※」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
[試験例1.チーズソースの保形性と滑らかさの比較]
表1の処方に基づき、チーズソースを調製した。具体的には、クリームチーズ、牛乳、バター、メタリン酸ナトリウム、及びイオン交換水を加えて攪拌し、攪拌しながら残りの原料を加えた。そして、80℃に10分間保温し、攪拌しながら加熱融解処理を行った。その後、レトルトパウチに充填し、121℃で20分殺菌処理を行い、5℃で冷却して、増粘多糖類を含まないチーズソース(比較例1-1)、増粘多糖類としてキサンタンガムを含むチーズソース(比較例1-2)、ウェランガムを含むチーズソース(実施例1)を得た。
Figure 0007190279000001
得られたチーズソースのうち、比較例1-2と実施例1を20℃に保温した状態で直径約5mmの円形の絞り出し口から押し出して得られる、チューブ形状のチーズソースの外観を図1に、またチーズソースの状態の評価を表1に示す。ここで、保形性、均一性及び滑らかさの評価には、以下の基準を用いた。
<保形性>
0:液状で、形を保てない
1:とろみがあるが、時間が経つにつれて形が崩れる
2:時間が経っても一定の形状を示す
<ソースの均一性>
0:大きな塊が分離しており、著しく不均一
1:一部に塊が見られ不均一
2:塊は見られず、均一
<滑らかさ>
0:形が崩れて評価できない、又は表面に明らかな凸凹が形成される
1:表面にわずかに凹凸があり、描線にゆがみが見られる
2:表面及び描線にゆがみを生じず、滑らかである
さらに、それぞれのチーズソースの粘度を、B型回転粘度計(東機産業社製、型式 VISCOMETER TVB-10)を用いて、60℃、60rpmの条件で測定した。結果を表1に示す。比較例1-2のチーズソースは、不均一で粘度の測定値が安定しなかったため、測定不能とした。
表1のように、増粘多糖類なしではチーズソースの保形性が著しく悪く、また増粘多糖類としてキサンタンガムを用いても不均一な塊を形成して、チーズソースの滑らかな外観が損なわれることがわかった。それに対して、ウェランガムを用いた場合は、滑らかな外観であり、均一性も高かった。また、絞り出しにおいてもスムーズであり、図1のようにソースによって滑らかな曲線を描くのが容易であった。
[試験例2.チーズソースの冷蔵した際の絞り出しによる外観の比較]
表2の処方に基づき、試験例1と同様の工程を経て、増粘多糖類としてキサンタンガムを含むチーズソース(比較例2)、ウェランガムを含むチーズソース(実施例2)を得た。
Figure 0007190279000002
得られたチーズソースを5℃で保温した状態で、直径約5mmの円形の絞り出し口から押し出して得られるチューブ形状のチーズソースの外観を図2に、またチーズソースの状態の評価を表2に示す。保形性、均一性及び滑らかさの評価は、上記の基準を用いた。
表2のように、増粘多糖類としてキサンタンガムを用いた場合は、5℃ではチーズソースは不均一となった。また硬いペースト状となって絞り出し口から出しにくかった。さらに、図2のようにソースの描線も表面に凹凸が見られ、表面も滑らかでなく凹凸が目立った。一方、ウェランガムを用いた場合は、滑らかな外観であり、均一性も高かった。また、絞り出しにおいてもスムーズであり、図2のように容易に滑らかな曲線を描くことができた。
チーズソースは加工食品にトッピングとして線を描きながら付着させて用いることがある。この結果から、ウェランガムを含有するチーズソースは、冷蔵庫等で低温保存したものを直接使用する場合であっても、外観に優れた描線を得ることができるとともに、絞り出しやすく、描線を描く際の作業効率が高いことがわかった。
[試験例3.ウェランガムを含むチーズソースのチーズの量と外観の関係の検証1]
表3の処方に基づき、試験例1と同様の工程を経て、チーズ含有量を変化させた、増粘多糖類としてキサンタンガムを含むチーズソース(比較例3-1~3-3)、及びウェランガムを含むチーズソース(実施例3-1~3-4)を得た。本試験例では、チーズとして、クリームチーズを用いた。
それぞれのチーズソースの状態の評価を表3に示す。ここで、保形性、均一性及び滑らかさの評価には、試験例1と同じ基準を用いた。
さらに、それぞれのチーズソースの粘度を、上記と同様にB型回転粘度計を用いて、60℃、60rpmの条件で測定した。結果を表3に示す。比較例3-1~3-3のチーズソースは、不均一で粘度の測定値が安定しなかったため、測定不能とした。
Figure 0007190279000003
表3の結果より、0.3質量%のウェランガムに対して、チーズ含有率が10~50質量%の場合に、より保形性、均一性、及び滑らかさに優れたチーズソースが得られた。一方、これらのチーズ含有率であっても、増粘多糖類としてキサンタンガムを用いた場合には、不均一性で滑らかさに欠ける結果となった。
[試験例4.ウェランガムを含むチーズソースのチーズの量と外観の関係の検証2]
表4の処方に基づき、試験例1と同様の工程を経て、チーズ含有量を変化させた、増粘多糖類としてキサンタンガムを含むチーズソース(比較例4-1、4-2)、及びウェランガムを含むチーズソース(実施例4-1、4-2)を得た。本試験例では、チーズとして、ゴーダチーズを原料チーズとして製造された市販のプロセスチーズを用いた。
Figure 0007190279000004
それぞれのチーズソースの状態の評価を表4に示す。ここで、保形性、均一性及び滑らかさの評価には、試験例1と同じ基準を用いた。
さらに、それぞれのチーズソースの粘度を、B型回転粘度計を用いて、60℃、60rpmの条件で測定した。結果を表4に示す。比較例4-2のチーズソースは、不均一で粘度の測定値が安定しなかったため、測定不能とした。
表4の結果より、0.3質量%のウェランガムに対して、ゴーダチーズベースのプロセスチーズの含有率が15質量%又は35質量%の場合に、保形性、均一性、及び滑らかさに優れたチーズソースが得られた。一方、増粘多糖類としてキサンタンガムを用いた場合には、不均一で滑らかさに欠ける結果となった。

Claims (4)

  1. チーズとウェランガムを含有し、前記チーズの含有量が、固形分として3~50質量%であり、絞り出し口を備える容器に充填された、チーズソース。
  2. 前記ウェランガムの含有量が、0.01~2質量%である、請求項1記載のチーズソース。
  3. チーズ及びウェランガムを含有し、前記チーズの含有量が、固形分として3~50質量%である組成物を加熱融解する工程、
    前記加熱融解した組成物を乳化する工程、及び
    前記乳化した組成物を、絞り出し口を備える容器に充填する工程を含む、チーズソースの製造方法。
  4. 記ウェランガムの含有量が、0.01~2質量%である、請求項に記載のチーズソースの製造方法。
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