JP7187945B2 - 包装材及び該包装材を用いた包装袋、並びに、該包装材の製造方法 - Google Patents

包装材及び該包装材を用いた包装袋、並びに、該包装材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、包装材及び該包装材を用いた包装袋、並びに、該包装材の製造方法に関する。
近年、易開封性を備えた包装袋が数多く商品化されている。このような包装袋は、任意の一方向(通常、幅方向及び幅方向に直交する方向の何れか一方向)に引き裂きやすいが、他の方向には引き裂きにくい性質を備えるものである。
上記のような易開封性を備えた包装袋用の包装材として、例えば特許文献1のように、一軸延伸ポリエステルフィルム及び一軸延伸ポリプロピレンフィルム等の一軸延伸プラスチックフィルムとシーラント層とを積層してなる包装材が提案されている。
また、意匠性の観点から、紙の風合いを生かした包装材が用いられる場合がある(例えば特許文献2)。紙を基材とした包装材では、紙基材とシーラント層との間に、中間基材として一軸延伸プラスチックフィルムが積層される。一軸延伸プラスチックフィルムを適用することにより、紙を基材とする包装材に、一方向に引き裂きやすい性質を付与することができる。このため、紙の風合いを生かしながら易開封性を備える包装袋とすることができる。
紙基材、中間基材、及び、シーラント層との積層方法としては、ドライラミネート法が採用される。ドライラミネート法の場合、中間基材に耐熱性を有するプラスチックフィルムを適用し、中間基材に接着剤層を形成することが一般的である。
特開2017-222393号公報 特開2008-265854号公報
しかし、従来の紙基材を用いた包装材では、積層数が多いために、工程数及び生産コストが増加することが問題となっていた。
本発明は、引き裂き性に優れる包装材、該包装材を用いた包装材、並びに、該包装材の製造方法を提供することを目的とする。
一軸延伸プラスチックフィルムを使わずに易開封性を実現するためには、例えば密度が低い紙とシーラント層とを接着剤層を介して積層させた包装材を用いる手法が考えられる。しかしながら、このような紙基材は表面の凹凸が大きいため、紙基材とシーラント層とを接着する場合に、中間基材と紙基材とが接着していない部分(未接着部分)が生じやすい。未接着部分の影響によって、該包装材は引き裂き性が悪く、包装袋に用いた場合でも開封性は必ずしも良いものではなかった。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、紙基材の表面内で方向依存性のある紙基材、すなわち、繊維に配向性のある紙基材を使用することにより、一軸延伸プラスチックフィルムが無くても引き裂き性に方向性がある包装材を得ることができることを見出した。そして、該包装材を適用することにより、容易に引き裂き包装袋を得ることができることを見出し、上記課題を解決するに至った。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の[1]~[10]を提供する。
[1]紙基材と、該紙基材に接触する接着剤層と、シーラント層とがこの順で積層されてなる包装材であって、前記包装材の第1方向への引張強度をσ、前記第1方向に直交する前記第2方向への引張強度をσと定義したときに、前記包装材が条件式(1)を満たし、前記第1方向における前記紙基材の前記接着剤層側の表面の算術平均粗さをRa、前記第2方向における前記紙基材の前記接着剤層側の表面の算術平均粗さをRaと定義した場合に、前記紙基材が条件式(2)を満たす包装材。
σ/σ≧2.0 (1)
(Ra+Ra)/2≦3.0μm (2)
[2]前記接着剤層と前記シーラント層とが接触する[1]に記載の包装材。
[3]前記接着剤層と前記シーラント層との間にガスバリア層を備え、前記ガスバリア層と前記シーラント層とが接触し、前記ガスバリア層と前記接着剤層とが接触する[1]に記載の包装材。
[4]前記第1方向における前記紙基材の前記接着剤層と反対側の表面の算術平均粗さをRa、前記第2方向における前記紙基材の前記接着剤層と反対側の表面の算術平均粗さをRaと定義したときに、前記紙基材が下記条件式(3)及び(4)を満たす[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の包装材。
Ra>Ra (3)
Ra>Ra (4)
[5]前記紙基材の密度が0.67g/cm以下である[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の包装材。
[6]前記紙基材の厚みA(μm)に対する前記接着剤層の厚みB(μm)の比B/Aが、下記の条件式(5)を満たす[1]乃至[5]のいずれか1項に記載の包装材。
0.02≦B/A≦0.50 (5)
[7]前記接着剤層の厚みが1μm以上15μm以下である[1]乃至[6]のいずれか1項に記載の包装材。
[8]前記紙基材のJIS P8117:2009に準拠した透気度が20s/100ml以下である[1]乃至[7]のいずれか1項に記載の包装材。
[9][1]乃至[8]のいずれか1項に記載の包装材で形成され、シーラント層が内側層である包装袋。
[10][1]乃至[8]のいずれか1項に記載の包装材の製造方法であって、
前記シーラント層の一方の表面に、ノンソルベントラミネート法及びドライラミネート法のいずれかにより前記接着剤層を形成する工程と、前記シーラント層の前記接着剤層側の面に、前記紙基材を積層し、前記接着剤層と前記紙基材とを接着する工程とを含む、包装材の製造方法。
本発明によれば、紙基材を用いた場合でも、引き裂き性に優れる包装材を得ることができる。該包装材を用いることにより、易開封性の包装袋を得ることができる。
本発明の包装材の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の包装材の別の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の包装袋の一実施形態を示す背面図である。
〔包装材〕
本発明は、紙基材と、該紙基材に接触する接着剤層と、シーラント層とがこの順で積層されてなる包装材であって、前記包装材の第1方向への引張強度をσ、前記第1方向に直交する前記第2方向への引張強度をσと定義したときに、前記包装材が条件式(1)を満たし、前記第1方向における前記紙基材の前記接着剤層側の表面の算術平均粗さをRa、前記第2方向における前記紙基材の前記接着剤層側の表面の算術平均粗さをRaと定義した場合に、前記紙基材が条件式(2)を満たす。
σ/σ≧2.0 (1)
(Ra+Ra)/2≦3.0μm (2)
図1は、本発明の包装材の一実施形態を示す概略断面図である。
包装材100は、紙基材110、接着剤層120、及び、シーラント層130がこの順で積層されている。紙基材110の接着剤層120と反対側の表面には、絵柄層140が形成されていても良い。
接着剤層120は紙基材110と接触する。また、図1の例では、接着剤層120はシーラント層130と接触する。
図2は、本発明の包装材の別の実施形態を示す概略断面図である。
包装材200は、シーラント層230と接着剤層220との間にガスバリア層232を有する。接着剤層220は紙基材210と接触する。ガスバリア層232はシーラント層230及び接着剤層220と接触する。包装材200も、紙基材210の接着剤層220と反対側の表面に絵柄層240が形成されていても良い。
本発明の包装材は、具体的には、順に以下のような積層構成を例示することができる。なお、「/」は各層の境界を意味する。
(1)絵柄層/紙基材層/接着剤層/シーラント層
(2)紙基材層/接着剤層/シーラント層
(3)絵柄層/紙基材層/接着剤層/ガスバリア層/シーラント層
(4)紙基材層/接着剤層/ガスバリア層/シーラント層
本発明の包装材は、包装材の第1方向への引張強度をσ、前記第1方向に直交する前記第2方向への引張強度をσと定義したときに、条件式(1)を満たすことを要件とする。
σ/σ≧2.0 (1)
「第1方向」及び「第2方向」は、包装材に含まれる紙基材を平面で見たときの紙基材の繊維の配向方向によって決定される。第1方向は繊維の配向方向であり、第2方向は紙基材の繊維の配向方向に直交する方向である。
紙基材の繊維が一方向に配向していると、配向方向への引張強度が高く、配向方向と直交する方向の引張強度が低くなる傾向がある。すなわち、後述するように、紙基材に引張強度の方向依存性がある。条件式(1)は、紙基材自体の引張強度の方向依存性が、包装材(積層体)の引張強度にも影響を与え、本発明の包装材は引張強度に方向依存性を有していることを示している。後述するようにシーラント層に無延伸フィルムを適用すると、包装材の引張強度の方向依存性は、紙基材の影響を大きく受けることになる。
本発明の包装材は、第1方向への引張強度σが第2方向への引張強度σよりも大きい。σ/σ(引張強度比)は、2.5以上であることが好ましく、3.0以上であることがより好ましい。なお、σ/σが大き過ぎると、包装材の取り扱い性が低下する傾向がある。このため、σ/σは10.0以下であることが好ましく、8.0以下であることがより好ましい。
上記引張強度は、JIS K7127:1999に準拠して測定される引張強度である。
紙基材の繊維に配向性があると、紙基材は繊維の配向方向に引き裂きやすく、配向方向以外の方向(例えば、配向方向に直交する方向や斜め方向)に引き裂き難い性質を有している。
紙基材を用いた従来の包装材の場合、一方向に引き裂きやすい性質を付与するために、紙基材とシーラント層との間に一軸延伸プラスチックフィルムを積層させる必要があると考えられてきた。一方、本発明で用いる紙基材は、繊維の配向によって紙基材自体に引き裂き性の方向依存性がある。このため、本発明の包装材は一軸延伸プラスチックフィルムがなくても特定方向での引き裂き性に優れる。結果として、一軸延伸フィルムを削減できるので、製造工程数及び生産コストの削減につながる。また、包装の減容化という効果も奏することができる。
<紙基材>
本発明で使用される紙基材は、紙基材の第1方向における接着剤層側の表面の算術平均粗さをRa、第1方向に直交する第2方向における接着剤層側の表面の算術平均粗さをRaと定義した場合に、条件式(2)を満たすことを要する。
(Ra+Ra)/2≦3μm (2)
上記Ra及びRaは、JIS B0601:2001に準拠して測定され、カットオフ値を0.8mmとしたときの算術平均粗さである。本明細書において、カットオフ値とは、粗さ曲線用のカットオフ値(λc)のことをいう。
条件式(2)は、紙基材の接着剤層と接触する側の表面の平滑性を表す指標である。本発明で使用する紙基材は繊維の配向性に起因して、表面粗さに方向依存性がある。このため、平滑性をRa及びRaの平均値((Ra+Ra)/2)として表す。紙基材の表面粗さが大きい場合、後述する粘着剤層を形成した場合に、紙基材と粘着剤層とが接着しない部分が生じやすくなる。(Ra+Ra)/2が3.0μmを超えると、紙基材と接着剤層とが接触しない部分の領域が大きくなるため、紙基材の引き裂きやすさがシーラント層に伝播しにくくなり、引き裂き難い包装材となる。条件式(2)を満たすことにより、引き裂き性に優れる包装材を得ることができる。
(Ra+Ra)/2は、2.5μm以下であることがより好ましい。また、(Ra+Ra)/2は、1.2μm以上であることが好ましい。
本発明で使用される紙基材は、第1方向への引張強度が第2方向への引張強度よりも大きい。第2方向への引張強度に対する第1方向への引張強度の比は、4.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましく、6.0以上であることが更に好ましい。なお、紙基材の引張強度の比が大き過ぎると、包装材の製造工程中に紙基材が裂けやすくなるなど、取り扱い性が低下する傾向がある。このため、引張強度の比は10.0以下であることが好ましく、8.0以下であることがより好ましい。
上記引張強度は、JIS P8113:2006に準拠して測定される引張強度である。
紙基材は、第1方向における接着剤層と反対側の表面の算術平均粗さをRa、第2方向における接着剤層と反対側の表面の算術平均粗さをRaと定義したときに、紙基材が下記条件式(3)及び(4)を満たすことが好ましい。
Ra>Ra (3)
Ra>Ra (4)
紙基材の両面で、表面粗さが異なることが知られている。条件式(3)及び(4)は、紙基材の接着剤層側の面の方が、接着剤層と反対側の面よりも平滑であることを意味している。紙基材の平滑面側に接着剤層を設けることによって、紙基材と接着剤層との接着性を高めることができる。
紙基材は、密度が0.67g/cm以下であることが好ましい。紙基材の密度が低いことは、紙基材内において空隙が多く存在することを意味している。このため、密度が0.67g/cm以下とすることにより、紙基材自体がより引き裂きやすくなり、結果として引き裂き性に優れる包装材となる。また、嵩高く風合いに優れた紙基材としやすくできるという意匠面での有利な効果も得られる。紙基材の密度は、0.65g/cm以下であることがより好ましく、0.63g/cm以下であることが更に好ましく、0.60g/cm以下であることが特に好ましい。
なお、密度が小さすぎると、紙基材の強度が低下したりする傾向がある。また、紙基材の表面の凹凸が大きくなり、接着剤層と接触しない部分の領域が大きくなる傾向がある。このため、紙基材の密度は0.50g/cm以上であることが好ましく、0.53g/cm以上であることがより好ましく、0.55g/cm以上であることが更に好ましい。
なお、上記密度は、JIS P8118:2014に準拠して測定した密度である。
また、紙基材は、坪量が15g/m以上30g/m以下であることが好ましい。坪量を15g/m以上とすることにより、紙基材の強度低下を抑制しやすくできる。更に、嵩高く風合いに優れた紙基材としやすくできるという意匠面での有利な効果も得られる。また、坪量を30g/m以下とすることにより、引き裂きやすい包装材とすることができる。坪量は、17g/m以上27g/m以下であることがより好ましく、20g/m以上25g/m以下であることが更に好ましい。
なお、上記坪量は、JIS P8124:2011に準拠して測定した坪量である。
紙基材は、JIS P8117:2009に準拠した透気度が20s/100ml以下であることが好ましい。透気度を20s/100ml以下とすることにより、風合いに優れた紙基材としやすくできるという意匠面での有利な効果も得られる。通気度は、15s/100ml以下であることがより好ましく、10s/100ml以下であることが更に好ましい。
なお、透気度が小さすぎると、紙基材の強度が低下したりする傾向がある。このため、透気度は3s/100ml以上であることが好ましく、5s/100ml以上であることがより好ましい。
<接着剤層>
接着剤層は、紙基材と接触して形成される。
接着剤としては、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂及びメラミン樹脂等のアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム及びスチレン-ブタジエンゴム等のゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート及び低融点ガラス等の無機系接着剤等が挙げられる。接着剤は、上記の中の1種類でも良く、2種類以上を混合しても良い。
接着剤としてガスバリア性を有する接着剤を用いると、包装材のガスバリア性(酸素バリア性、水蒸気バリア性)を更に高めることができるので好ましい。ガスバリア性を有する接着剤としては、ポリエステルポリオールと、イソシアネート化合物と、板状無機化合物とを含む接着剤組成物が挙げられる。このような接着剤の具体例としては、DIC株式会社製の商品名「PASLIM」、「PASLIM VM」などがある。
後述するように、接着剤層はノンソルベントラミネート法(無溶剤式ラミネート)及びドライラミネート法のいずれかにより形成することができる。上記の接着剤をシーラント層またはシーラント層上に形成したガスバリア層に直接塗布して接着剤層を形成する。本発明では中間基材としての一軸延伸プラスチックフィルムを削減し、紙基材と接着剤層とを接触させることができる。
接着剤層の厚みが増すと、接着力が高くなり引き裂き性を良好にしやすくできる。一方、紙基材の厚みに対して接着剤層の厚みが厚くなり過ぎると、紙基材の引き裂きがシーラント層まで伝播しにくくなる。
このため、紙基材の厚みA(μm)に対する接着剤層の厚みB(μm)の比B/Aが、下記の条件式(5)を満たすことが好ましい。
0.02≦B/A≦0.50 (5)
B/Aは、0.025以上0.40以下であることがより好ましい。
<シーラント層>
シーラント層は、包装袋を形成したときに最内層に位置し、包装袋の内層側の面が被包装物と接触し、被包装物を保護するものである。被包装物が液状の場合には、シーラント層は液状物に対する耐浸透性を有していることが好ましい。
また、シーラント層は、包装材を包装袋の形態にしやすくするために、内層側がヒートシール性を有していることが好ましい。
シーラント層の厚みは、特に限定されるものではなく、包装材の用途及び被包装物の種類や性質等に応じて適宜設定される。通常、10~200μm程度であることが好ましい。包装材で包装袋が形成される場合、シーラント層の厚みは、より好ましくは15~150μm、更に好ましくは20~100μmである。
シーラント層を構成する材料としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体、エチレン-プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層は、単層で構成しても、2層以上の多層で構成しても良い。シーラント層は、無延伸のフィルムであることが好ましい。例えば、シーラント層は、無延伸プロピレンフィルム(CPP)であることが好ましい。
<ガスバリア層>
ガスバリア層は、被包装物と包装材の外部環境との間で、酸素や水蒸気等の透過を遮断するものである。また、可視光や紫外線等の透過を遮断する遮光性をも付与するものであっても良い。ガスバリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていても良い。
ガスバリア層は、公知の材料により構成することができる。例えば、シーラント層の表面に蒸着膜やガスバリア性を有する塗布膜を形成した構成とすることができる。本発明の包装材の場合は、ガスバリア層として蒸着膜がシーラント層上に設けられている構成が好ましい。
なお、蒸着膜や塗布膜の密着性向上の観点から、シーラント層には、予め表面処理を施しておいても良い。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等が挙げられる。
前記蒸着膜としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウム等の無機物又はこれらの酸化物により形成することができる。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
蒸着膜の膜厚は、成膜材料や要求されるガスバリア性能等によって異なるが、通常、5~200nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~150nm、更に好ましくは10~100nmである。ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物等の無機酸化物の場合は、5~100nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~50nm、更に好ましくは10~30nmである。
塗布膜としては、例えば、一般式R1 M(OR2m(式中、R1、R2は炭素数1~8の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。)で表される1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン-ビニルアルコール共重合体とを、ゾル-ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾル-ゲル法により重縮合して得られた塗工液をシーラント層上に塗布し、50~300℃で、0.05~60分間加熱処理することにより、塗布膜を形成することができる。
また、塗布膜は、エチレン-ビニルアルコール共重合体であっても良い。エチレン-ビニルアルコール共重合体を溶媒に溶解させた塗工液をシーラント層上に塗布し、その後溶媒を揮発させることにより、塗布膜を形成することができる。
塗布方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段により行うことができる。1回又は複数回の塗布で、塗布膜の乾燥膜厚が0.01~30μm程度となることが好ましく、より好ましくは0.05~20μm、更に好ましくは0.1~10μmである。
また、ガスバリア層としてアルミニウム箔等の金属箔を用い、金属箔とシーラント層とを接着した構成としても良い。金属箔の厚みは通常4~12μm程度である。
また、ガスバリア層を、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムとしても良い。この場合、ガスバリア層とシーラント層とを共押出しすることにより、シーラント層にガスバリア層を設けることができる。
<絵柄層>
包装材は、包装材の意匠性を高めることを目的として、更に絵柄層を有していても良い。絵柄層は、包装袋を形成したときに紙基材よりも外層側に位置する。
絵柄層とは、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン等を含む広い概念である。また、絵柄層はベタ印刷であっても良い。
絵柄層は、例えば印刷により形成することができる。絵柄層は、図1及び図2のように単層であっても良いし、2以上の層から形成されるものであっても良い。
絵柄層の形成に用いられるインキ(絵柄層形成用インキ)としては、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。顔料としては、汎用の有色顔料の他、パール顔料及び金属鱗片等の光輝性顔料を用いても良い。
バインダー樹脂としては特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄層は、絵柄層を構成する各成分を含む絵柄層形成用インキを調製し、該インキを塗布し、必要に応じて乾燥、硬化することにより形成できる。絵柄層形成用インキは、溶剤臭を抑制するため無溶剤であることが好ましい。
絵柄層を塗布する手段としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷が好ましく、グラビア印刷がより好ましい。
絵柄層の総厚みは、特に限定されるものではないが、通常、1~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5~5μmである。
<その他の層>
包装材は、本発明の効果を阻害しない範囲で、表面保護層及び帯電防止層等のその他の層を有していても良い。
〔包装材の製造方法〕
本発明では、接着剤層はノンソルベントラミネート法(無溶剤式ラミネート)及びドライラミネート法のいずれかにより形成することができる。
まず、シーラント層上に上述の接着剤、あるいは、上述の接着剤と溶剤とを含む溶液を塗布し、接着剤層を形成する。シーラント層上にガスバリア層を形成する場合は、ガスバリア層上に接着剤層を形成する。接着剤の塗布には、公知の方法を用いることができる。
その後、接着剤層上に紙基材を積層し、接着剤層と紙基材層とをラミネートして、接着剤層と紙基材とを接着させる。この際、紙基材は表面が滑らかな面(算術平均粗さRa及びRaを有する面)を接着剤層側に配置する。
シーラント層に直接塗布することができる点で、中間基材としての一軸延伸プラスチックフィルムを削減することができる。このため、工程数及び生産コストを削減することができるとともに、包装の減容化に繋がる。
本発明では、ノンソルベントラミネート法により接着剤層を形成することが特に好ましい。ノンソルベントラミネート法では、接着剤に溶剤が含まれていないため、接着剤中の溶媒を高温で乾燥させることがないため、シーラント層の収縮を抑制することができる。また、残留溶剤による臭気の問題も解決することが可能となる。
〔包装袋〕
本発明の包装袋は、上述した本発明の包装材で形成されてなるものである。
より具体的には、本発明の包装袋は、上述した本発明の包装材の少なくとも一部をシールして形成されてなるものである。シール部はシーラント層のヒートシール性を利用することが好ましい。
包装袋の形態は、筒型の胴への背シールと上下のシールがされたピロー袋(合掌袋)、三辺がシールされている三方シール袋、四辺がシールされている四方シール袋、袋の底が立体的に確保されており自立可能なスタンディングパウチ、両サイド又は底がV字型に畳まれているガゼット袋が挙げられる。
図3は、包装袋の一実施形態を示す背面図である。包装袋300はピロー袋(合掌袋)である。
包装袋(ピロー袋)300は、例えば、1枚の長方形のシート状の包装材100(または200)のシーラント層をシールすることにより製袋される。包装袋300の外側層は紙基材110(及び絵柄層140)となる。
包装袋300のシール部には、下シール部310、上シール部320、及び、背シール部330がある。下シール部310及び上シール部320は、包装袋300の側部に位置する。図3のピロー袋の場合、下シール部310及び上シール部320は略平行であり、背シール部330は下シール部310及び上シール部320と略直交する。
紙基材の第1方向(紙基材の繊維の配向方向)と、使用者が包装袋300を開封するために引き裂く方向(引き裂き方向)とが略一致する。
図3のピロー袋の場合、下シール部310と上シール部320の配列方向(図3における矢印Dの方向)と、包装材100(または200)の第1方向とが略一致する。使用者は、上シール部320から下シール部310(または、下シール部310から上シール部320)に向かって、包装袋300を開封する。
なお、包装袋300は図示しないノッチ部等の切れ込み部を有していても良い。切れ込み部は、シール部の任意の箇所に設けることが好ましい。上シール部または下シール部の任意の箇所に、紙基材の第1方向と略平行な方向に延びる切れ込み部を有することが特に好ましい。当該構成を有することにより、切れ込み部を出発点として、引き裂き方向(紙基材の第1方向)に沿って包装袋を開封しやすくすることができる。
図3の包装袋はあくまで一例であり、上述の三方シール袋、四方シール袋、スタンディングパウチ、ガゼット袋等の場合でも、引き裂き方向と紙基材の第1方向とが略一致する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
1.測定及び評価
紙基材、包装材、及び、包装袋について、以下の測定及び評価を行った。なお、測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度40~65%とした。また、測定開始前に、上記雰囲気にサンプルを30分以上晒した。
1-1.紙基材の表面形状
紙基材1の両面、及び、紙基材2のツヤ面に関して、JIS B0601:2001に準拠したカットオフ値(λc)0.8mmとした際の算術平均粗さRaを測定した。紙基材1の測定では、各面の繊維の配向方向(以下、単に「配向方向」と称する場合がある)と該配向方向に直交する方向(以下、単に「直交方向」と称する場合がある)にスキャンした。紙基材2の測定では、各面の縦方向(MD方向)及び横方向(TD方向)にスキャンをした。測定は小坂研究所株式会社製の商品名SE-340を用い、以下の測定条件とし、10点の測定結果の平均値を「算術平均粗さRa」とした。
紙基材1について、配向方向及び直交方向の算術平均粗さの平均値を算出した。また、紙基材2について、縦方向及び横方向の算術平均粗さの平均値を算出した。結果を表1及び表2に示す。
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・測定長さ:10mm
・測定速度:0.03mm/s
・測定レンジ:±32μm
・λs:0.25μm
・縦倍率:2000倍
・横倍率:15.98倍
1-2.紙基材の引張強度
紙基材1について、繊維の配向方向を横として、縦15mm×横220mmの大きさに切断したサンプルA、及び、縦220mm×横15mmの大きさに切断したサンプルBを作製した。
紙基材2について、縦15mm×横220mmの大きさに切断したサンプルC、及び、縦220mm×横15mmの大きさに切断したサンプルDを作製した。
JIS P8113:2006に準じて、株式会社オリエンテック製シングルコラム型材料試験機STA-1150を用い、試験長さ180mm、引張速度を300mm/分の条件で、各サンプルA~Dの引張強度を測定した。10点の測定結果の平均値を「引張強度」とした。
紙基材1について、直交方向の引張強度に対する配向方向の引張強度の比(引張強度比)を算出した。紙基材2について、横方向の引張強度に対する縦方向の引張強度の比(引張強度比)を算出した。結果を表1及び表2に示す。
1-3.包装材の引張強度
紙基材1を用いた包装材について、繊維の配向方向を横として、縦15mm×横70mmの大きさに切断したサンプルE、及び、縦70mm×横15mmの大きさに切断したサンプルFを作製した。
紙基材2について、縦15mm×横70mmの大きさに切断したサンプルG、及び、縦70mm×横15mmの大きさに切断したサンプルHを作製した。
JIS K7127:1999に準じて、株式会社オリエンテック製シングルコラム型材料試験機STA-1150を用い、試験長さ50mm、引張速度を300mm/分の条件で、各サンプルE~Hの引張強度を測定した。5点の測定結果の平均値を「引張強度」とした。
紙基材1を用いた包装材について、直交方向の引張強度に対する配向方向の引張強度の比(引張強度比)を算出した。紙基材2を用いた包装材について、横方向の引張強度に対する縦方向の引張強度の比(引張強度比)を算出した。結果を表1及び表2に示す。なお、比較例1~3の包装材は接着不良が発生したため、引張強度の測定は省略した。
1-4.易開封性
実施例及び比較例で得られた包装袋(ピロー袋)をノッチ部から開封する作業を行った。ノッチ部の切り込み方向(以下、開封方向と称する)に沿って直線的に容易に引き裂けて開封できたものを「A」、引き裂きの方向が斜めにずれ引き裂き難かったもの、及び、容易に引き裂けなかったものを「C」とした。評価結果を表1及び表2に示す。なお、比較例1~3の包装材は接着不良が発生したため、包装袋を作製せず、易開封性の評価は省略した。
2.紙基材
紙基材1として、密度:0.59g/cm、坪量:23.1g/m、透気度:6.4s/100mlの特殊紙を用いた。
紙基材2として、密度:0.73g/cm、坪量:23.5g/m、透気度:36.4s/100mlの普通紙を用いた。
3.包装材及び包装袋(ピロー袋)の作製
(実施例1)
ノンソルベントラミネート法により、実施例1に使用する包装材を作製した。
シーラント層(CPP、エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み25μm)上にポリエステル樹脂及びポリウレタン化合物を含む接着剤(ノンソルベントラミネート用接着剤、表1及び表2では「ノンソル用」と記載する)を塗布し、厚み3μmの接着剤層を形成した。次いで、接着剤層と紙基材1のツヤ面をラミネートして実施例1の包装材を作製した。
得られた包装材を用い、引き裂き方向を紙基材1の配向方向と一致させて(図3参照)、シーラント層をヒートシールして実施例1のピロー袋を作製した。実施例1のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材1の配向方向と一致)のノッチ部を形成した。
(実施例2)
ノンソルベントラミネート法により、実施例1に使用する包装材を作製した。
厚み50nmのアルミ蒸着膜が形成されたシーラント層(CPP、エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み25μm)を用い、アルミ蒸着膜上に実施例1と同じ接着剤を塗布し、厚み3μmの接着剤層を形成した。次いで、接着剤層と紙基材1のツヤ面をラミネートして実施例2の包装材を作製した。
得られた包装材を用い、引き裂き方向を紙基材1の配向方向と一致させて、シーラント層をヒートシールして実施例2のピロー袋を作製した。実施例2のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材1の配向方向と一致)のノッチ部を形成した。
(実施例3)
ドライラミネート法により、実施例3に使用する包装材を作製した。
シーラント層(CPP、エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み25μm)上にガスバリア性接着剤(ドライラミネート用接着剤、DIC株式会社製、商品名「PASLIM」、表1及び表2では「ドライ用」と記載する)を塗布し、厚み3μmの接着剤層を形成した。次いで、接着剤層と紙基材1のツヤ面をラミネートして実施例3の包装材を作製した。
得られた包装材を用い、引き裂き方向を紙基材1の配向方向と一致させて、シーラント層をヒートシールして実施例3のピロー袋を作製した。実施例3のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材1の配向方向と一致)のノッチ部を形成した。
(比較例1)
接着剤層と紙基材のザラ面をラミネートした以外は、実施例1と同じ工程で比較例1の包装材を作製した。
(比較例2)
接着剤層と紙基材のザラ面をラミネートした以外は、実施例2と同じ工程で比較例2の包装材を作製した。
(比較例3)
接着剤層と紙基材のザラ面をラミネートした以外は、実施例3と同じ工程で比較例3の包装材を作製した。
(比較例4)
ノンソルベントラミネート法により、比較例4に使用する包装材を作製した。
シーラント層(CPP、エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み25μm)上にポリエステル樹脂及びポリウレタン化合物を含む接着剤(ノンソルベントラミネート用接着剤)を塗布し、厚み3μmの接着剤層を形成した。次いで、接着剤層と紙基材2のツヤ面をラミネートして比較例4の包装材を作製した。
得られた包装材を用い、引き裂き方向を紙基材2の縦方向と一致させて、シーラント層をヒートシールして比較例4のピロー袋を作製した。比較例4のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材2の縦方向と一致)のノッチ部を形成した。
(比較例5)
引き裂き方向を紙基材2の横方向と一致させてシーラント層をヒートシールした以外は、比較例4と同じ工程で比較例5のピロー袋を作製した。比較例5のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材2の横方向と一致)のノッチ部を形成した。
(比較例6)
ノンソルベントラミネート法により、比較例6に使用する包装材を作製した。
厚み50nmのアルミ蒸着膜が形成されたシーラント層(CPP、エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み25μm)を用い、アルミ蒸着膜上に比較例4と同じ接着剤を塗布し、厚み3μmの接着剤層を形成した。次いで、接着剤層と紙基材2のツヤ面をラミネートして比較例6の包装材を作製した。
得られた包装材を用い、引き裂き方向を紙基材2の縦方向と一致させて、シーラント層をヒートシールして比較例6のピロー袋を作製した。比較例6のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材2の縦方向と一致)のノッチ部を形成した。
(比較例7)
引き裂き方向を紙基材2の横方向と一致させてシーラント層をヒートシールした以外は、比較例6と同じ工程で比較例7のピロー袋を作製した。比較例7のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材2の横方向と一致)のノッチ部を形成した。
(比較例8)
ドライラミネート法により、比較例8に使用する包装材を作製した。
シーラント層(CPP、エチレン-プロピレンブロック共重合体の単層フィルム、厚み25μm)上にガスバリア性接着剤(ドライラミネート用接着剤、DIC株式会社製、商品名「PASLIM」)を塗布し、厚み3μmの接着剤層を形成した。次いで、接着剤層と紙基材2のツヤ面をラミネートして比較例8の包装材を作製した。
得られた包装材を用い、引き裂き方向を紙基材2の縦方向と一致させて、シーラント層をヒートシールして比較例8のピロー袋を作製した。比較例8のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材2の縦方向と一致)のノッチ部を形成した。
(比較例9)
引き裂き方向を紙基材2の横方向と一致させてシーラント層をヒートシールした以外は、比較例8と同じ工程で比較例9のピロー袋を作製した。比較例9のピロー袋の上シール部に、縦方向(紙基材2の横方向と一致)のノッチ部を形成した。
4.結果
Figure 0007187945000001

Figure 0007187945000002
実施例の包装袋はいずれも、開封性が良好であった。一方、普通紙を用いた比較例4~7はいずれも、開封性が悪い結果となった。
なお、ザラ面を接着面とした比較例1~3の包装材は、接着剤が均一に塗布できず、接着不良が発生し、包装材としての品質を満たすものではなかった。
本発明は、従来品と異なり、一方向への引き裂き性に優れる包装袋、及び、該包装袋に用いる包装材を得ることができる点で有用である。
100,200 包装材
110,210 紙基材
120,220 接着剤層
130,320 シーラント層
140,240 絵柄層
232 ガスバリア層
300 包装袋
310 下シール部
320 上シール部
330 背シール部

Claims (8)

  1. 紙基材と、該紙基材に接触する接着剤層と、シーラント層とがこの順で積層されてなる易開封性包装袋用の包装材であって、
    前記紙基材の密度が0.50g/cm 以上0.67g/cm 以下であり、
    前記シーラント層が無延伸のフィルムであり、
    前記包装材の第1方向への引張強度をσ、前記第1方向に直交する前記第2方向への引張強度をσと定義したときに、前記包装材が条件式(1)を満たし、
    前記第1方向における前記紙基材の前記接着剤層側の表面の算術平均粗さをRa、前記第2方向における前記紙基材の前記接着剤層側の表面の算術平均粗さをRaと定義した場合に、前記紙基材が条件式(2)を満たし、
    前記紙基材の厚みA(μm)に対する前記接着剤層の厚みB(μm)の比B/Aが、下記の条件式(5)を満たす包装材。
    σ/σ≧2.0 (1)
    (Ra+Ra)/2≦3.0μm (2)
    0.02≦B/A≦0.50 (5)
  2. 前記接着剤層と前記シーラント層とが接触する請求項1に記載の包装材。
  3. 前記接着剤層と前記シーラント層との間にガスバリア層を備え、前記ガスバリア層と前記シーラント層とが接触し、前記ガスバリア層と前記接着剤層とが接触する請求項1に記載の包装材。
  4. 前記第1方向における前記紙基材の前記接着剤層と反対側の表面の算術平均粗さをRa、前記第2方向における前記紙基材の前記接着剤層と反対側の表面の算術平均粗さをRaと定義したときに、前記紙基材が下記条件式(3)及び(4)を満たす請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の包装材。
    Ra>Ra (3)
    Ra>Ra (4)
  5. 前記接着剤層の厚みが1μm以上15μm以下である請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の包装材。
  6. 前記紙基材のJIS P8117:2009に準拠した透気度が20s/100ml以下である請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の包装材。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の包装材で形成され、シーラント層が内側層である包装袋。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の包装材の製造方法であって、
    前記シーラント層の一方の表面に、ノンソルベントラミネート法及びドライラミネート法のいずれかにより前記接着剤層を形成する工程と、
    前記シーラント層の前記接着剤層側の面に、前記紙基材を積層し、前記接着剤層と前記紙基材とを接着する工程とを含む、包装材の製造方法。
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