JP7185470B2 - ハードコートフィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、従来、シクロオレフィンポリマーフィルムにハードコート層との易接着性を付与する方法が特許文献1、特許文献2等に開示されている。
したがって、従来のハードコートフィルムでは、シクロオレフィンポリマーフィルムを基材として用いた場合のハードコート層との密着性の改善が大きな課題となっていた。
すなわち、本発明は上記課題を解決するため以下の構成を有するものである。
シクロオレフィンポリマー系基材フィルムの少なくとも片面に、プライマー層を介して、電離放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層が積層されたハードコートフィルムであって、前記プライマー層は、ポリオレフィン樹脂が、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体、及び(メタ)アクリル酸エステルでグラフト変性されている変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、前記変性ポリオレフィン系樹脂を100重量%とした場合に、前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体のグラフト重量が0.4~7重量%の範囲であり、かつ、融点が60℃~90℃の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
前記ポリオレフィン樹脂は、プロピレン-エチレン系共重合体であることを特徴とする第1の発明に記載のハードコートフィルム。
前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、及び(メタ)アクリル酸から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする第1又は第2の発明に記載のハードコートフィルム。
前記ハードコート層は、前記電離放射線硬化型樹脂として、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレートを含有することを特徴とする第1乃至第3の発明のいずれかに記載のハードコートフィルム。
シクロオレフィンポリマー系基材フィルム上に、プライマー層を介して、電離放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を有するハードコートフィルムの製造方法であって、前記シクロオレフィンポリマー系基材フィルム上に、ポリオレフィン樹脂が、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体、及び(メタ)アクリル酸エステルでグラフト変性され、前記変性ポリオレフィン系樹脂を100重量%とした場合の前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体のグラフト重量が0.4~7重量%の範囲であり、かつ、融点が60℃~90℃の範囲である変性ポリオレフィン系樹脂を含有するプライマー層用塗料を塗布し、乾燥してプライマー層を形成し、次いで、該プライマー層上に、電離放射線硬化型樹脂を含むハードコート層用塗料を塗布し、乾燥してハードコート層を形成した後、電離放射線照射を施すことを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。
前記ポリオレフィン樹脂は、プロピレン-エチレン系共重合体であることを特徴とする第5の発明に記載のハードコートフィルムの製造方法。
前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、及び(メタ)アクリル酸から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする第5又は第6の発明に記載のハードコートフィルムの製造方法。
なお、本明細書において、「○○~△△」とは、特に断りのない限り、「○○以上△△以下」を意味するものとする。
以下、このハードコートフィルムの構成を詳しく説明する。
まず、上記ハードコートフィルムの基材フィルムについて説明する。
本発明において、ハードコートフィルムの基材フィルムとしては、透明性、耐熱性、寸法安定性、低吸湿性、低複屈折性、及び光学的等方性等に優れるシクロオレフィンポリマー系フィルムを用いる。具体的には、シクロオレフィン類単位がポリマー骨格中に交互に又はランダムに重合し分子構造中に脂環構造を有するものであり、ノルボルネン系化合物、単環の環状オレフィン、環状共役ジエンおよびビニル脂環式炭化水素から選択される少なくとも一種の化合物を含んでなる共重合体であるシクロオレフィンコポリマーフィルム又はシクロオレフィンポリマーフィルムが対象となり何れかを適宜選択し使用できる。
次に、上記ハードコートフィルムのプライマー層について説明する。
本発明のハードコートフィルムにおいては、上記プライマー層は、ポリオレフィン樹脂が、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体、及び(メタ)アクリル酸エステルでグラフト変性されている変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、この変性ポリオレフィン系樹脂は、変性ポリオレフィン系樹脂を100重量%とした場合に、前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体のグラフト重量が0.4~7重量%の範囲であり、かつ、融点が60℃~90℃の範囲であることが重要である。
この成分(A)としての共重合型ポリオレフィン樹脂は、公知の合成方法で得ることが可能である。
なお、後述の実施例を含む本発明では、上記成分(A)としての共重合型ポリオレフィン樹脂における各成分の比率は、上記の測定法によって測定された値をいうものとする。
CH2=CR1COOR2 ・・・(I)
JIS K7121-1987に準拠し、DSC測定装置(セイコー電子工業社製)を用い、約5mgの試料を150℃で10分間加熱融解状態を保持後、10℃/分の速度で降温して-50℃で安定保持した後、更に10℃/分で150℃まで昇温して融解した時の融解ピーク温度を測定し、当該温度をTmとして評価する。
JIS K7121-1987に準拠し、DSC測定装置(セイコー電子工業社製)を用い、約5mgの試料を150℃で10分間加熱融解状態を保持後、10℃/分の速度で降温して-50℃で安定保持した後、更に10℃/分で150℃まで昇温してDSC曲線のベースラインとガラス転移の変曲点の接線との交点をTgとして評価する。
無機微粒子としては、アルミナ、酸化亜鉛、シリカ、酸化チタン、酸化セリウム等の微粒子を例示することができ、有機微粒子としては、アクリル、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ポリエチレン、スチレンアクリル、ポリエステル等の微粒子を例示することができる。粒子径としては、例えば0.05μm~0.20μmの微粒子の使用が好ましい。
次に、上記ハードコートフィルムのハードコート層について説明する。
本発明は、以上説明した構成のハードコートフィルムの製造方法についても提供する。
すなわち、本発明は、シクロオレフィンポリマー系基材フィルム上に、プライマー層を介して、電離放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を有するハードコートフィルムの製造方法であって、前記シクロオレフィンポリマー系基材フィルム上に、ポリオレフィン樹脂が、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体、及び(メタ)アクリル酸エステルでグラフト変性され、前記変性ポリオレフィン系樹脂を100重量%とした場合に、前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体のグラフト重量が0.4~7重量%の範囲であり、かつ、融点が60℃~90℃の範囲である変性ポリオレフィン系樹脂を含有するプライマー層用塗料を塗布し、乾燥してプライマー層を形成し、次いで、該プライマー層上に、電離放射線硬化型樹脂を含むハードコート層用塗料を塗布し、乾燥してハードコート層を形成した後、電離放射線照射を施すことを特徴とするハードコートフィルムの製造方法である。
なお、特に断りのない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
<変性ポリオレフィン系樹脂1の製造>
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレンーエチレン共重合体(プロピレン成分88重量%、エチレン成分12重量%、重量平均分子量60,000、Tm=65℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸4.2重量部、ラウリルメタクリレート2.6重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド2重量部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量50,000、Tm=65℃、Tg=-27℃、無水マレイン酸のグラフト重量が3.2重量%、ラウリルメタクリレートのグラフト重量が2.0重量%の変性ポリオレフィン系樹脂1を得た。なお、無水マレイン酸のグラフト重量はアルカリ滴定法により測定し、ラウリルメタクリレートのグラフト重量は、1H-NMRにより測定した。また、重量平均分子量(Mw)は前述のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(標準物質:ポリスチレン)によって測定し、算出された値であり、融点(Tm)およびガラス転移点(Tg)は前述の示差走査型熱量計(DSC)により測定した値である。以下の実施例等においても同様の方法により測定した。
上記のようにして製造した変性ポリオレフィン系樹脂1を、酢酸ブチル/トルエン=85/15(重量%)にて固形分濃度(塗料濃度)が5.5%となるまで希釈しプライマー層塗料を調製した。
ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂「ARTRESIN UN-908(商品名)」(固形分100%、(メタ)アクリロイルオキシ基数:9、重量平均分子量:3600、根上工業株式会社製)100部を主剤とし、Omnirad 184(光重合開始剤、IGM Resins社製)3.5部と、TINUVIN 292(ヒンダードアミン系光安定化剤、BASF社製)2.5部と、レベリング剤メガファックRS75(フッ素系レベリング剤、DIC株式会社製)0.3部を酢酸ブチル/n-プロピルアルコール=50/50(重量部)で紫外線硬化型樹脂の塗料中の固形分濃度が35%となるまで希釈し十分攪拌してハードコート層塗料を調製した。
シクロオレフィンフィルムとして厚さ40μmのゼオノアフィルムZF14(日本ゼオン株式会社製)の片面に、上記のプライマー層塗料を、バーコーター(#4)を用いて塗工し、100℃の乾燥炉で、炉内の風速1m/秒とし、60秒間熱風乾燥させて乾燥固化し、塗膜厚み0.4μmのプライマー層を形成させ、プライマー層塗布フィルムを得た。
<変性ポリオレフィン系樹脂2の製造>
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレンーエチレン共重合体(プロピレン成分88重量%、エチレン成分12重量%、重量平均分子量100,000、Tm=65℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸1.0重量部、オクチルメタクリレート1.2重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド1重量部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量70,000、Tm=65℃、Tg=-27℃、無水マレイン酸のグラフト重量が0.8重量%、オクチルメタクリレートのグラフト重量が1.0重量%の変性ポリオレフィン系樹脂2を得た。
実施例1のプライマー層塗料に配合した樹脂を、上記の変性ポリオレフィン系樹脂2に変更したプライマー層塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルム(実施例2)を作製した。
<変性ポリオレフィン系樹脂3の製造>
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレンーエチレン共重合体(プロピレン成分88重量%、エチレン成分12重量%、重量平均分子量100,000、Tm=65℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸2.5重量部、ラウリルメタクリレート1.8重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド1重量部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量70,000、Tm=65℃、Tg=-27℃、無水マレイン酸のグラフト重量が2.2重量%、ラウリルメタクリレートのグラフト重量が1.6重量%の変性ポリオレフィン系樹脂3を得た。
実施例1のプライマー層塗料に配合した樹脂を、上記の変性ポリオレフィン系樹脂3に変更したプライマー層塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルム(実施例3)を作製した。
<変性ポリオレフィン系樹脂4の製造>
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレンーエチレン共重合体(プロピレン成分73重量%、エチレン成分27重量%、重量平均分子量200,000、Tm=80℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸4.2重量部、オクチルメタクリレート2.6重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド2重量部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量90,000、Tm=80℃、Tg=-29℃、無水マレイン酸のグラフト重量が3.1重量%、オクチルメタクリレートのグラフト重量が2.0重量%の変性ポリオレフィン系樹脂4を得た。
実施例1のプライマー層塗料に配合した樹脂を、上記の変性ポリオレフィン系樹脂4に変更したプライマー層塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルム(実施例4)を作製した。
<変性ポリオレフィン系樹脂5の製造>
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレンーエチレン共重合体(プロピレン成分80重量%、エチレン成分20重量%、重量平均分子量170,000、Tm=72℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸4.2重量部、オクチルメタクリレート2.6重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド2重量部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量80,000、Tm=72℃、Tg=-29℃、無水マレイン酸のグラフト重量が3.2重量%、オクチルメタクリレートのグラフト重量が2.1重量%の変性ポリオレフィン系樹脂5を得た。
実施例1のプライマー層塗料に配合した樹脂を、上記の変性ポリオレフィン系樹脂5に変更したプライマー層塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルム(実施例5)を作製した。
<変性ポリオレフィン系樹脂6の製造>
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレンーエチレン共重合体(プロピレン成分89重量%、エチレン成分11重量%、重量平均分子量300,000、Tm=60℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸4.2重量部、ラウリルメタクリレート2.6重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド2重量部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量140,000、Tm=60℃、Tg=-25℃、無水マレイン酸のグラフト重量が3.1重量%、ラウリルメタクリレートのグラフト重量が2.0重量%の変性ポリオレフィン系樹脂6を得た。
実施例1のプライマー層塗料に配合した樹脂を、上記の変性ポリオレフィン系樹脂6に変更したプライマー層塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルム(実施例6)を作製した。
<変性ポリオレフィン系樹脂7の製造>
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレンーエチレン-1-ブテン共重合体(プロピレン成分57重量%、エチレン成分31重量%、1-ブテン成分12重量%、重量平均分子量220,000、Tm=85℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸8.0重量部、オクチルメタクリレート8.0重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド4.5重量部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量100,000、Tm=85℃、Tg=-28℃、無水マレイン酸のグラフト重量が6.2重量%、オクチルメタクリレートのグラフト重量が6.5重量%の変性ポリオレフィン系樹脂7を得た。
実施例1のプライマー層塗料に配合した樹脂を、上記の変性ポリオレフィン系樹脂7に変更したプライマー層塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルム(実施例7)を作製した。
<変性ポリオレフィン系樹脂8の製造>
攪拌機、冷却管、及び滴下漏斗を取り付けた四つ口フラスコ中で、プロピレンーエチレン共重合体(プロピレン成分88重量%、エチレン成分12重量%、重量平均分子量100,000、Tm=65℃)100重量部をトルエン400g中に加熱溶解させた後、系内の温度を110℃に保持して撹拌しながら、無水マレイン酸10重量部、ラウリルメタクリレート6.5重量部、ジ-t-ブチルパーオキサイド3.6重量部をそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後、反応物を大過剰のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量90,000、Tm=65℃、Tg=-27℃、無水マレイン酸のグラフト重量が8.1重量%、ラウリルメタクリレートのグラフト重量が4.9重量%の変性ポリオレフィン系樹脂8を得た。
実施例1のプライマー層塗料に配合した樹脂を、上記の変性ポリオレフィン系樹脂8に変更したプライマー層塗料を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルム(比較例1)を作製した。
密着性は、JIS-K5600-5-6に準じて評価した。具体的には、各ハードコートフィルムについて、通常条件下、すなわち恒温恒湿条件下(23℃、50%RH)で、碁盤目剥離試験治具を用い1mm2のクロスカットを100個作製し、積水化学工業株式会社製の粘着テープNo.252をその上に貼り付け、ヘラを用いて均一に押し付け後、60度方向に剥離し、ハードコート層の残存個数を残存率(%)として評価した。ハードコート層の残存率90%(残存個数90個)以上を密着性は合格と判定した。
各ハードコートフィルムについて、JIS-K-5600-5-4に準じた試験法により鉛筆硬度を測定した。表面に傷の発生なき硬度を測定した。判定基準については、硬度3B以上は合格とした。
各ハードコートフィルムについて、JIS-K-5600-5-10に準じた試験法にて、ハードコート層面を、スチールウール#0000を用い、荷重1kgを掛け10往復摩擦し、傷のつき具合を次の基準で評価した。○評価品を耐擦傷性は良好とした。△評価品も製品として使用可能である。
○:傷の発生なし
△:傷が少し発生する
×:傷が無数に発生する
Claims (5)
- シクロオレフィンポリマー系基材フィルムの少なくとも片面に、プライマー層を介して、電離放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層が積層されたハードコートフィルムであって、
前記プライマー層は、ポリオレフィン樹脂が、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体、及び(メタ)アクリル酸エステルでグラフト変性されている変性ポリオレフィン系樹脂を含有し、
前記ポリオレフィン樹脂は、プロピレン成分とエチレン成分の比率(重量%)が、プロピレン成分/エチレン成分=60/40~92/8の範囲であるプロピレン-エチレン系共重合体であり、
前記変性ポリオレフィン系樹脂を100重量%とした場合に、前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体のグラフト重量が0.8~6.2重量%の範囲であり、かつ、融点が60℃~85℃の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。 - 前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、及び(メタ)アクリル酸から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層は、前記電離放射線硬化型樹脂として、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレートを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
- シクロオレフィンポリマー系基材フィルム上に、プライマー層を介して、電離放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を有するハードコートフィルムの製造方法であって、
前記シクロオレフィンポリマー系基材フィルム上に、ポリオレフィン樹脂が、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体、及び(メタ)アクリル酸エステルでグラフト変性され、前記ポリオレフィン樹脂は、プロピレン成分とエチレン成分の比率(重量%)が、プロピレン成分/エチレン成分=60/40~92/8の範囲であるプロピレン-エチレン系共重合体であり、変性ポリオレフィン系樹脂を100重量部とした場合に、前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体のグラフト重量が0.8~6.2重量%の範囲であり、かつ、融点が60℃~85℃の範囲である変性ポリオレフィン系樹脂を含有するプライマー層用塗料を塗布し、乾燥してプライマー層を形成し、
次いで、該プライマー層上に、電離放射線硬化型樹脂を含むハードコート層用塗料を塗布し、乾燥してハードコート層を形成した後、電離放射線照射を施すことを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。 - 前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、及び(メタ)アクリル酸から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項4に記載のハードコートフィルムの製造方法。
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