JP7183714B2 - 画像形成システム及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成システム及び画像形成方法に関する。
従来、画像形成装置が用紙やシート等の記録材にトナー像を転写すると、トナー像に電荷が蓄積される。トナー像に蓄積された電荷は、記録材にトナー像が定着され、印刷が完了した後も、記録材表面に残る。特に、画像形成装置が両面印刷を行った際、記録材表面には電荷が残りやすい傾向にある。記録材表面に残る電荷を、一般的に、「静電気」とも呼ぶ。また、記録材が静電気を帯びている状態を「帯電」と呼び、記録材に帯電しているときの電荷量を「帯電量」とも呼ぶ。
画像形成システムでは、通常、画像形成装置の定着処理が行われた後に、トナー像が定着された記録材にバイアス電圧を印加することにより、トナー像や記録材に存在する電荷を除去、すなわち除電できる。また、記録材に水分を塗布することにより冷却と共に除電が行われる。
しかし、静電気が発生する要因は様々である。例えば、搬送される記録材が搬送ローラ等のローラニップから分離する時の剥離帯電、ローラニップにより記録材の表面が摩擦されることにより発生する摩擦帯電、ガイド部材への電荷移動等の様々な要因により静電気が発生する。そのため、従来、記録材の搬送経路上に配置された複数の除電ブラシを用いた除電が行われていた。しかし、除電ブラシによる除電効果は小さく、除電ブラシによる除電を繰り返し行ったとしても、十分な除電効果は得られない。そのため、記録材の搬送速度を下げたり、記録材に水分を塗布したりすることで、記録材への帯電防止が試みられていた。
しかし、記録材上の電荷をバイアス電圧や塗布した水分で除電しても、剥離帯電、摩擦帯電、及びガイド部材への電荷移動により、記録材が再び帯電することがある。剥離帯電、摩擦帯電、及びガイド部材への電荷移動は、容易に制御できるものではなく、記録材が通過する装置内の温湿度環境、記録材の種類、記録材のトナー付着量、又は記録材のガイド部材の蓄電量等により容易に変化する。さらに、記録材の帯電量は、画像形成装置等の設置環境や稼働状況、画像形成システムの各装置の設定などによっても増減する。
しかし、従来の画像形成システムは、剥離帯電、摩擦帯電及び電荷移動等の影響を考慮せず、ジョブに設定されたジョブ条件に応じて、予め設定されたバイアス電圧値及び加湿量が決められ、記録材の除電が行われていた。
例えば、両面にベタ画像が形成された記録材に対して適切なバイアス電圧を印加できなければ、バイアス電圧を印加した一方の面(例えば、表面)を除電できても、他方の面(例えば、裏面)に電荷が蓄積され、記録材の表裏面の電位差が大きくなる。記録材の表裏面の電位差が大きくなると、重なり合った記録材の同極電荷が向き合う面同士が反発し合ったり、又は異極電荷が向き合う面同士が引き付け合ったりする。このため、排紙後の排紙部等に積み重ねられた複数の記録材が反発して記録材の先後端の整合性が悪くなったり、又は記録材同士が吸着したりする等の不具合が起こる。また、記録材が帯電すると、画像形成装置内の何らかの部材に貼り付いて、ジャム等が発生しやすくなる。ジャム等が発生すると、記録材を取り除く作業が必要となり、ダウンタイムが増加したり、後処理の品質が下がったりする恐れがある。後処理の品質を下げないようにするためには、帯電した記録材を適切に除電することが望ましい。
従来、帯電した記録材を除電するために、例えば、特許文献1~3に開示された技術が知られている。
特許文献1には、抵抗器を介して接地される除電部材を転写部と定着部の間に配置させ、周囲の温度及び湿度、記録用紙の種類及び坪量に基づいて抵抗器の抵抗値を切替えることにより、安定した記録用紙の除電を行う技術が開示されている。
特許文献2には、用紙の坪量情報、画像が形成される用紙の面を表す面情報、画像形成装置が設置された場所の周囲の湿度を示す湿度情報に基づいて、除電に用いる加湿量が変更される技術が開示されている。また、特許文献2には、用紙の面積に占めるトナー画像の面積の割合であるカバレッジに応じて、用紙にバイアス電圧を印加するか否かを判定する技術が開示されている。
特許文献3には、搬送路上の定められた搬送区間において、用紙の搬送時間が所定時間より長い場合、ローラの回転速度を遅くさせることにより、除電ブラシと接触する時間を長くする技術が開示されている。
特開2008-013280号公報 特開2016-122154号公報 特開2011-025489号公報
ところで、特許文献1及び2に開示された技術では、記録材に印刷する前のジョブ条件や印刷環境に基づいて、各種除電の制御が行われている。そのため、連続印刷のジョブの途中から何らかの影響により記録材に対して除電の過多又は不足が発生しても除電の調整を行うことができない。また、記録材が除電された後にも、記録材が帯電することがあるが、このような事態への対処が考慮されていない。
また、特許文献3に開示された技術では、記録材に除電ブラシを接触させる時に記録材の搬送速度を下げている。そのため、通常の搬送速度で搬送された記録材に生じる剥離帯電などの影響が考慮されていない。また、除電ブラシに接触させる記録材毎に搬送速度が下げられるので、ジョブ全体の終了時間が遅れてしまう。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、帯電した記録材に応じて適切な除電を行うことを目的とする。
本発明の画像形成システムは、記録材に画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された記録材に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、画像が形成された記録材の帯電量を調整する調整部と、記録材の搬送時間を監視する監視部と、ジョブの実行に関するメッセージの表示、及び操作入力が可能な操作表示部と、監視部から取得した記録材の搬送時間に基づいて、記録材の除電不足を判定した場合に、記録材に合わせて調整部の動作を制御してジョブを実行し、除電不足を判定した後、記録材の片面に画像を形成するジョブ条件が設定されたジョブを優先して実行する提案を行うメッセージを操作表示部に表示する制御部と、を備える。
また、本発明の画像形成システムは、記録材に画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された記録材に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、画像が形成された記録材の帯電量を調整する調整部と、記録材の搬送時間を監視する監視部と、ジョブの実行に関するメッセージの表示、及び操作入力が可能な操作表示部と、監視部から取得した記録材の搬送時間に基づいて、記録材の除電不足を判定した場合に、記録材に合わせて調整部の動作を制御してジョブを実行し、除電不足を判定した後、標準よりも低い密度の記録材に画像を形成するジョブ条件が設定されたジョブを優先して実行する提案を行うメッセージを操作表示部に表示する制御部と、を備える。
なお、上記の画像形成システムは本発明の一態様であり、本発明の一側面を反映した画像形成方法についても、本発明の一側面を反映した画像形成システムと同様の構成を有する。
本発明によれば、記録材に合わせて調整部の動作を制御することで、記録材を適切に除電することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの全体構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの各装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る画像形成システムでのフィードバック制御の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る搬送ローラの形状変化に応じた用紙の搬送時間の比較例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る用紙の帯電量に応じた搬送時間のバラつき例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る用紙の種類に応じた除電機能の組み合わせの例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る搬送速度を下げる提案が行われるメッセージの表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る片面印刷に切り替える提案が行われるメッセージの表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る低密度の種類の用紙に切り替える提案が行われるメッセージの表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る機外の湿度を上げる提案が行われるメッセージの表示例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る制御部が複数の除電機能から選択した1種類の除電機能を単独で実行する処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る制御部が2種類の除電機能のうち組み合わせて実行する処理例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[一実施の形態]
<画像形成装置の構成例>
まず、本実施の形態に係る画像形成装置1の構成例について説明する。
図1では、本発明の説明に必要と考える要素又はその関連要素が記載されるが、画像形成装置1はこの例に限られない。
画像形成装置1は、例えば複写機などの電子写真方式の画像形成装置が一例として挙げられる。図1に示す画像形成装置1は、いわゆるタンデム型カラー画像形成装置とも言われ、一本の中間転写ベルトに対面させた複数の感光体を縦方向に配列することにより、中間転写ベルトにフルカラーの画像を形成することが可能である。
画像形成装置1は、画像読取部20、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60及び操作表示部70備える。
画像読取部20は、走査露光装置の光学系により原稿の画像を走査露光し、その反射光をラインイメージセンサにより読み取って画像信号を得る。
画像形成部40は、用紙P(記録材の一例)に画像を形成する。画像形成部40は、イエロー(Y)の画像を形成する画像形成部40Y、マゼンタ(M)の画像を形成する画像形成部40M、シアン(C)の画像を形成する画像形成部40C及びブラック(K)の画像を形成する画像形成部40Kを備える。画像形成部40Y、40M、40C、40Kは、記録材の一例である樹脂製のシートにもトナー像を転写することが可能である。
画像形成部40Yは、感光体ドラムY及びその周辺に配置された帯電部42Y、レーザーダイオード41Yを有した光書込部43Y、現像装置44Y及びドラムクリーナー45Yを備える。同様に、画像形成部40M、41C、41Kは、感光体ドラムM、C、K及びその周辺に配置された帯電部42M、42C、42K、レーザーダイオード41M、41C、41Kを有した光書込部43M、43C、43K、現像装置44M、44C、44K及びドラムクリーナー45M、45C、45Kを備える。
感光体ドラムYは、帯電部42Yにより表面が一様に帯電しており、感光体ドラムYには、光書込部43Yのレーザーダイオード41Yからの走査露光により潜像が形成される。さらに、現像装置44Yは、トナーで現像することによって感光体ドラムY上の潜像を顕像化する。これにより、感光体ドラムY上には、イエローに対応する画像が形成される。
同様に、感光体ドラムMは、帯電部42Mにより表面が一様に帯電しており、感光体ドラムMには、光書込部43Mのレーザーダイオード41Mからの走査露光により潜像が形成される。さらに、現像装置44Mは、トナーで現像することによって感光体ドラムM上の潜像を顕像に変える。これにより、感光体ドラムM上には、マゼンタに対応する画像が形成される。
感光体ドラムCは、帯電部42Cにより表面が一様に帯電しており、感光体ドラムCには、光書込部43Cのレーザーダイオード41Cからの走査露光により潜像が形成される。さらに、現像装置44Cは、トナーで現像することによって感光体ドラムC上の潜像を顕像に変える。これにより、感光体ドラムC上には、シアンに対応する画像が形成される。
感光体ドラムKは、帯電部42Kにより表面が一様に帯電しており、感光体ドラムKには、光書込部43Kのレーザーダイオード41Kからの走査露光により潜像が形成される。さらに、現像装置44Kは、トナーで現像することによって感光体ドラムK上の潜像を顕像に変える。これにより、感光体ドラムK上には、ブラックに対応する画像が形成される。
感光体ドラムY、M、C、K上に形成された画像は、1次転写ローラ47Y、47M、47C、47Kにより、ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト46上の所定位置に逐次1次転写される。中間転写ベルト46上に転写された各色よりなる画像は、用紙搬送部50により所定のタイミングで搬送される用紙Pに対して、2次転写部48で2次転写される。
用紙搬送部50は、用紙Pが収納される複数の給紙装置51と、給紙装置51に収納された用紙Pを繰り出して給紙する給紙部51aを備える。また、用紙搬送部50は、給紙装置51から給紙された用紙Pが搬送される主搬送路53、定着部60の下流側で主搬送路53から分岐し用紙Pの表裏を反転させる反転搬送路54を備える。主搬送路53を搬送される用紙Pは、画像形成装置1の後段に接続される各種の処理装置(後処理装置等)に排出される。
用紙搬送部50は、反転搬送路54と主搬送路53との分岐箇所に設けた切換ゲート53aを備える。主搬送路53を搬送され、2次転写部48及び定着部60を通過した用紙Pには、画像形成装置1内で上側を向いた面(第一面)に画像が形成される。用紙Pの両面に画像を形成する場合、上側を向いた面に画像が形成された用紙Pが主搬送路53から反転搬送路54に搬送される。そして、反転搬送路54に設けられた用紙反転搬送路56にて用紙Pが反転されて、用紙Pの画像形成面(第一面)が下側を向く。その後、用紙Pが主搬送路53へ搬送される。これにより、表裏反転された用紙Pの上側を向いた他の面(第二面)に画像を形成することが可能となる。
定着部60は、画像形成部40により形成されたトナー像を用紙Pに定着するため、定着ローラ61及び加圧ローラ62を備える。この定着部60は、中間転写ベルト46の下流に配置される。そして、定着部60は、圧着した一対の定着ローラ61と加圧ローラ62により、用紙Pを搬送すると共に、トナー像が2次転写された用紙Pに対して、トナー像を定着させる定着処理を行う。定着ローラ61と加圧ローラ62は、共に定着部材として用いられる。定着ローラ61の内部には、ヒーターHが設けられている。ヒーターHは、定着ローラ61を加熱することで、定着ローラ61と、加圧ローラ62との定着ニップNを通過する用紙Pに熱が伝わるように定着ローラ61の表面を加熱する。加熱された定着ローラ61は、定着ローラ61の軸に対して回転することにより、定着ニップNを通過中の用紙Pに熱を伝える。用紙Pが加熱されることで、用紙P上のトナー像が融解し、用紙Pにトナー像が定着する。
また、操作表示部70は、操作部71、表示部72を備える。操作部71は、複数の操作ボタンからなり、ユーザの操作を受け付ける。表示部72は、タッチパネルと、ディスプレイとを備えるタッチパネルディスプレイから構成され、案内画面等のような各種画面をユーザに提示する。表示部72は、タッチ操作用の操作ボタンの画像を表示すると共に、ユーザのタッチ操作を受け付ける。
操作表示部70は、後述する図8~図11に示すような、ジョブの実行に関するメッセージの表示、及び、ユーザにより行われる選択ボタン73を用いた操作入力が可能である。
<画像形成システムの全体構成例>
図2は、画像形成システム10の全体構成例を示すブロック図である。
画像形成システム10は、画像形成装置1、加湿装置2、画像読取装置3、後処理装置4及び大容量給紙装置5を備える。各装置に設けられた用紙搬送部は、大容量給紙装置5、画像形成装置1、加湿装置2、画像読取装置3、後処理装置4の順に用紙Pを搬送させる。
大容量給紙装置5は、給紙部5a、用紙搬送部5bを有する。大容量給紙装置5は、ジョブに応じて、いずれかの給紙部5aから用紙Pを画像形成装置1へ搬送する。用紙搬送部5bは、各給紙部5aから画像形成装置1まで接続されており用紙Pを搬送する。給紙部5aは、各種の用紙Pを収納する。
画像形成装置1は、画像形成システム10全体を制御する。上述したように画像形成装置1は、大容量給紙装置5から搬送された用紙Pに画像を形成する。そして、画像形成装置1は、電圧印加部30(第1調整部の一例)を備える。
電圧印加部30は、トナー画像が定着された用紙Pにバイアス電圧を印加する。電圧印加部30は、例えば、所定の電圧が印加される一対の伝導性ゴムローラを備え、伝導性ゴムローラの間を通過する用紙Pに電圧を印加する。一対の伝導性ゴムローラのうち、一方の伝導性ゴムローラはバイアス電圧を印加する電源に接続されており、他方の伝導性ゴムローラは接地されている。電圧印加部30は、バイアス電圧の印加時に流れる電流の大きさ(電流値)に応じた電荷量を用紙Pに付与する。
電圧印加部30は、図2では、画像形成装置1の内部に設置されているが、画像形成装置1の下流側にある、加湿装置2、画像読取装置3、又は後処理装置4に設けられてもよい。
用紙搬送部50は、大容量給紙装置5から給紙され、又は画像形成装置1の各給紙装置51から給紙された用紙Pを、画像形成部40、定着部60を通過させて画像を形成させた後、加湿装置2に搬送する。
加湿装置2は、画像形成装置1の下流側、かつ後処理装置4の上流側に配置される。加湿装置2は、水分を用紙Pに塗布して用紙Pを加湿する。このため、加湿装置2は、加湿された用紙Pを冷却することもできる。この加湿装置2は、加湿部2a(第2調整部の一例)、用紙搬送部2b、待機搬送路2c、排紙部2dを備える。
加湿部2aは、画像形成装置1により画像が形成された用紙Pを加湿する。加湿部2aは、例えば、水を蓄えている容器と、容器に蓄えられた水を吸い上げて、用紙Pの表面に塗布する一対の吸水ローラを備える。加湿部2aは、画像形成装置1の定着部60によりトナー画像が定着された用紙Pが吸水ローラに接触することで用紙Pを加湿する。吸水ローラは、相互に近接離間可能に構成されており、ニップ幅を調整することによって、用紙Pの加湿量を調整することができる。
排紙部2dは、加湿装置2の上部に設けられ、加湿部2aにより加湿された用紙Pが加湿装置2の外部に排出される。
用紙搬送部2bは、画像形成装置1から排出された用紙Pを、加湿部2aに通過させた後、画像読取装置3へ搬送し、又は排紙部2dに排出する。待機搬送路2cは、搬送過多による用紙Pの停滞を防いだり、又は水分が過剰に付与された用紙Pを乾燥させたりするための迂回路であり、待機搬送路2cに用紙Pが適宜搬送される。
画像読取装置3は、例えば、加湿装置2の下流側に配置され、用紙Pの片面又は両面に印刷された画像を読み取る。画像読取装置3は、用紙Pに印刷された画像の色、位置、及び倍率等の読取結果に基づいて画像の補正量を求め、求めた補正量を画像形成装置1に送信する。
画像読取装置3は、上面読取スキャナ3a、下面読取スキャナ3b、測色計3c、用紙搬送部3dを備える。上面読取スキャナ3a、下面読取スキャナ3b及び測色計3cは、例えば、用紙搬送部3dの近傍で用紙Pの搬送方向の順に並べて配置される。例えば、上面読取スキャナ3a、下面読取スキャナ3bは、CCDセンサー等のラインセンサによって構成され、測色計3cは分光測色計によって構成される。
上面読取スキャナ3a及び測色計3cは用紙Pの上面に印刷された画像の読み取りが可能であり、下面読取スキャナ3bは用紙Pの下面に印刷された画像の読み取りが可能である。画像読取装置3で取得した読取結果(読取データ)は、画像形成装置1の制御部90(図3参照)へ送信される。画像形成装置1(制御部90)は、画像読取装置3から受信した読取結果に基づいて用紙Pの画像検査を行う。そして、画像形成装置1は、画像検査の結果に基づいて画像形成部40の動作を制御し、例えば、用紙Pに形成される画像の画質調整を行うことができる。画質調整としては階調補正や位置合わせ等がある。
用紙搬送部3dは、加湿装置2から搬入された用紙Pを、上面読取スキャナ3a、下面読取スキャナ3b及び測色計3cを経由した後、後処理装置4へ搬出する。
後処理装置4は、除電スプレー4a、センサ監視部4b、用紙搬送部4c、除電ブラシ4d、排紙部4e,4fを備える。
後処理装置4は、不図示の折りユニットやステープルユニット等を有し、画像読取装置3から搬送された用紙Pに折りやステープル留め等の後処理を施す。
除電スプレー4aは、紙やシートなどの絶縁物である用紙Pに界面活性剤を噴射することで、用紙Pの帯電を防ぐ。
センサ監視部4bは、用紙搬送部4cにより搬送される用紙Pの搬送時間を計測する。搬送時間は、例えば、センサ監視部4bの監視領域を、用紙Pが搬送方向の先端から後端まで通過する時間である。そして、後処理装置4は、センサ監視部4bが計測した搬送時間を画像形成装置1に送信する。
除電ブラシ4dは、用紙Pと接触することで、用紙Pの表面から電荷を取り除く。図2では、除電ブラシ4dは一つであるが、用紙搬送部4cに沿って、複数設けられていてもよい。
用紙搬送部4cは、用紙Pを画像読取装置3から後処理を施した印刷物として搬送切替部を介して排紙部4e又は排紙部4fに排出する。排紙部4e,4fに排出される印刷物は、ジョブ毎に分けられてよい。
<画像形成システムの各装置の構成例>
図3は、画像形成システム10の各装置の構成例を示すブロック図である。
画像形成装置1、加湿装置2、画像読取装置3、後処理装置4及び大容量給紙装置5は、各装置が有する通信部を介して情報の送受信が可能に接続されている。
ここでは、画像形成装置1、加湿装置2、後処理装置4について詳細な内部構成例を説明し、画像読取装置3、大容量給紙装置5については、図中における内部構成の記載、及び詳細な説明を省略する。画像形成装置1、加湿装置2、後処理装置4についても、本実施の形態に必要な構成のみ説明する。
画像形成装置1は、上述した画像読取部20、電圧印加部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、操作表示部70の他に、通信部80及び制御部90を備える。画像形成装置1の各部は、バスを介して相互に接続されている。
通信部80は、例えば、NIC(Network Interface Card)やモデム等で構成され、外部のLAN(Local Area Network)等のネットワークと接続されるインターフェースである。通信部80は、例えば、不図示のPC(Personal Computer)端末、プリントコントローラとの間で接続を確立し、各種データの送受信を実行する。また、通信部80は、他の装置と通信を確立するためのインターフェースでもあり、各種データを送受信する。例えば、通信部80は画像読取装置3から読取結果(読取データ)を受信したり、後処理装置4から用紙P毎の搬送時間を受信したりする。また、通信部80は、加湿装置2、画像読取装置3、後処理装置4及び大容量給紙装置5との間で、各種設定値や動作制御に必要な情報、用紙Pの検出情報、ジャムの発生を示す情報等の各種情報の送受信を行う。
制御部90は、後処理装置4から受信した各用紙Pの搬送時間に基づいて、用紙Pの除電不足を判定する。そして、制御部90は、搬送された用紙Pが除電不足と判定した場合、用紙搬送部(以下、用紙搬送部50,2b,3d,4c,5bを区別しない場合に、「用紙搬送部」と総称する)を制御して、用紙Pの搬送速度を制御する。用紙搬送部は、第3調整部の一例である。制御部90により搬送速度が制御されると、画像形成装置1、加湿装置2、画像読取装置3、後処理装置4及び大容量給紙装置5内の用紙Pの搬送速度は、全て同じ速度となる。
上述した電圧印加部30、加湿部2a、用紙搬送部はいずれも調整部の一例であり、後処理装置に設けられる。本実施の形態では、加湿装置2により行われる用紙Pへの加湿の処理を後処理に含める。このため、後処理装置4だけでなく、加湿装置2も後処理装置の一例とする。なお、用紙搬送部は、上述したように画像形成装置1、加湿装置2、画像読取装置3及び後処理装置4に設けられる。
制御部90は、用紙P毎の搬送時間に基づいて、用紙Pの除電不足を判定した場合、用紙Pの帯電量を調整する電圧印加部30、加湿部2a、又は用紙搬送部から選択した、1又は2以上の組み合わせによる制御を行ってジョブを実行する。上述したように用紙P毎の搬送時間は、画像形成装置1が、通信部80を介して後処理装置4から取得した、センサ監視部4bにより計測された値である。例えば、制御部90は、電圧印加部30が用紙Pに付与する電荷の電荷量を制御する。また、制御部90は、加湿部2aが用紙Pを加湿する加湿量を制御する。また、制御部90は、用紙搬送部が用紙Pを搬送する搬送速度を制御する。
このように電圧印加部30、加湿部2a、又は用紙搬送部は、調整部として用いられるため、ジョブの実行により画像が形成された用紙Pの帯電量を調整する機能を有しており、制御部90により各動作が制御される。
また、制御部90は、操作表示部70に表示するメッセージを、用紙P及びジョブの状態に応じて変更することが可能である。操作表示部70に表示されるメッセージの例は、後述する図8~図11に示される。
ここで、制御部90のハードウェア構成について説明する。
制御部90は、いわゆるコンピュータとして用いられるハードウェア資源により実現される機能である。制御部90は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)90a、ROM(Read Only Memory)90b、RAM(Random Access Memory)90c、HDD(Hard Disk Drive)90dを備える。制御部90の各部は、不図示のバスを介して接続されている。
CPU90aは、本実施の形態例に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM90bから読み出して実行する。
ROM90bは、不揮発性メモリの一例として用いられ、CPU90aが動作するために必要なプログラムやデータ等を記憶している。
RAM90cは、揮発性メモリの一例として用いられ、CPU90aが行う各処理に必要な演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等を一時的に記憶する。
HDD90dは、不揮発性ストレージの一例で用いられ、HDD90dには、CPU90aが各部を制御するためのプログラム、OS、コントローラ等のプログラム、データが記憶される。HDD90dに記憶されるプログラム、データの一部は、ROM90bにも記憶されてよい。ROM90b及びHDD90dは、CPU90aによって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。なお、制御部90によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体としては、ROM90b及びHDD90dに限定されず、例えば、SSD(Solid State Drive)、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体であってもよい。HDD90dには、用紙P毎の搬送時間のデータが保存されてもよい。
加湿装置2は、加湿部2a、用紙搬送部2b、通信部2e及び制御部91を備える。加湿装置2の各部は、バスを介して相互に接続されている。制御部91は、加湿装置2内の各部の動作、特に加湿部2a、用紙搬送部2bの動作を制御する。例えば、制御部91は、制御部90の指示に基づいて、加湿部2aにより用紙Pを加湿する加湿量を制御する。
通信部2eは、画像形成装置1からの指示を受信したり、画像形成装置1に処理結果を送信したりする。
制御部91は、CPU91a、ROM91b、RAM91c、HDD91dを備える。CPU91a、ROM91b、RAM91c、HDD91dが有する各機能は、画像形成装置1のCPU90a、ROM90b、RAM90c、HDD90dと同様の機能を有する。
後処理装置4は、除電スプレー4a、センサ監視部4b、用紙搬送部4c、通信部4g及び制御部92を備える。
後処理装置4の各部は、バスを介して相互に接続されている。制御部92は、CPU92a、ROM92b、RAM92c、HDD92dを備える。制御部92は、後処理装置4内の各部の動作、特に除電スプレー4a、センサ監視部4b、用紙搬送部4cの動作を制御する。
制御部92が備えるCPU92a、ROM92b、RAM92c、HDD92dが有する各機能は、画像形成装置1のCPU90a、ROM90b、RAM90c、HDD90dと同様の機能を有する。
センサ監視部4bは、搬送される用紙P毎の搬送方向の先端を検出してから用紙Pの後端を検出するまでの時間(搬送時間)を常に監視する。例えば、センサ監視部4bの監視領域に用紙Pの先端が進入するとセンサ監視部4bがON状態となる。監視領域に用紙Pが入っている間はセンサ監視部4bがON状態を続ける。そして、監視領域から用紙Pの後端が出るとセンサ監視部4bがOFF状態となる。このため、制御部92は、センサのON状態とOFF状態の切替タイミングから求めたON状態の継続時間と、用紙Pの搬送方向の用紙長とに基づいて、用紙Pの搬送時間を求めることができる。
なお、センサ監視部4bからON状態で制御部92に出力するON信号の継続時間に基づいて、制御部92が用紙Pの搬送時間を計測してもよい。このため、本実施の形態に係る監視部は、センサ監視部4bと制御部92を組み合わせたものとしてよい。また、制御部92は、求めた搬送時間に基づいて、用紙Pの搬送速度も求めることができる。
制御部92は、センサ監視部4bの動作を制御し、用紙P毎の搬送時間を常に監視するよう制御する。そして、制御部92は、センサ監視部4bの動作結果により求めた用紙Pの搬送時間をHDD92dに保存する。また、制御部92は、HDD92dに保存した搬送時間のデータを画像形成装置1へ送信する。
除電スプレー4aは、画像形成システム10に加湿装置がなかった場合や用紙Pが薄紙で加湿部2aによる加湿が行えない場合、加湿の代替として用いられる。例えば、除電スプレー4aから用紙Pに界面活性剤が噴射されることで、用紙Pが除電される。除電スプレー4aが用紙Pに界面活性剤を噴射するタイミングは、制御部92により制御される。
<画像形成システムでのフィードバック制御の例>
図4は、画像形成システム10でのフィードバック制御の例を示すフローチャートである。図2に示したように、後処理装置4の排紙部4fの排紙口にのみ除電ブラシ4dがあり、用紙Pの搬送時間を監視するセンサ監視部4bが排紙部4f付近に設置されている。
まず、センサ監視部4bは、用紙P毎の搬送方向の先端を検出してから用紙Pの後端を検出するまでの時間(搬送時間)を監視し、計測する(L1)。そして、制御部92は、センサ監視部4bが、監視した用紙P毎の搬送時間をHDD92dに保存する。そして、制御部92は、HDD92dに保存された用紙P毎の搬送時間を制御部90に送信する。
画像形成装置1の制御部90は、後処理装置4から用紙P毎の搬送時間を受信する。そして、制御部90は、用紙P毎の搬送時間に応じて用紙Pの除電不足を判定する。搬送時間は、例えば、ジョブ毎にまとめられたデータでもよいし、連続印刷のジョブであれば所定枚数毎のデータでもよい。
仮に、制御部90の制御により、電圧印加部30だけが選択されて用紙Pの除電が行われたとする。しかし、電圧印加部30による除電が行われても、用紙Pの除電不足を判定すると、制御部90は、電圧印加部30のバイアス電圧により付与された電荷だけでは除電不足が発生すると予測する(L2)。
制御部90は、除電不足の発生を予測すると、電圧印加部30による除電機能だけでは用紙Pを除電しきれないので、さらに加湿部2aを起動する除電制御の実行、又は用紙搬送部による搬送速度の調整を実行する(L3)。これにより、用紙Pが加湿され、又は用紙Pの搬送速度が下げられて、用紙Pの帯電が防止される。このように制御部90は、後処理装置4から送信された、用紙P毎の搬送時間に応じて、除電不足を判定し、用紙Pを適切に除電可能な調整部を選択するフィードバック制御を行うことが可能である。
以上のステップL1~L3に示したフィードバック制御は、ジョブの実行中に行ってよい。このため、ジョブの実行中に除電不足が判定された場合に、用紙Pを適切に除電できるような除電機能を実行可能である。また、ジョブの実行後に、このフィードバック制御が行われてもよい。また、例えば、制御部92が後処理装置4でジャムの発生があったと判定した後に、このフィードバック制御が行われてもよい。
<搬送ローラの形状変化に応じた用紙の搬送時間の比較例>
次に、搬送ローラの形状変化に応じて、用紙Pの搬送時間が変わる様子について、図5を参照して説明する。
図5は、摩耗の有無により変化する搬送ローラの形状に応じた用紙Pの搬送時間の比較例を示す説明図である。
ここでは、ローラ摩耗の有無、ローラ形状、用紙長と搬送時間の関係を一覧表にして、搬送ローラの形状に応じた用紙Pの搬送時間を説明する。図中及び説明において、用紙搬送部を構成する搬送ローラを「ローラ」と略記する。
ローラ摩耗の有無の項目には、搬送ローラの半径方向の摩耗有無について示される。ローラ摩耗の有無の項目には、「ローラ摩耗無し」又は「ローラ摩耗有り」と示されている。
ローラ形状の項目には、ローラ摩耗無しにおける搬送ローラの断面形状、及びローラ摩耗有りにおける搬送ローラの断面形状の略図が示される。
ローラ摩耗無しとは、例えば、新品の搬送ローラの形状変化の様子を表す。この搬送ローラの断面形状は半径r1の円形で表される。ローラ摩耗有りとは、例えば、搬送に伴う用紙Pとの摩擦によりすり減った搬送ローラの形状変化の様子を表す。この搬送ローラの断面形状は半径r2の円形で表される。ここで、半径r1は、半径r2よりも長い。
用紙長と搬送時間の関係の項目には、例えば、様々な用紙長とした1枚の用紙Pがセンサ監視部4bを搬送する際に計測される、用紙長に対する搬送時間の実測値がグラフとして示される。
用紙長と搬送時間の関係の項目に示されたグラフは、横軸に用紙長x[mm]、縦軸に搬送時間y[ms]をとって、搬送ローラを搬送される用紙Pの用紙長に対する搬送時間の関係を表す。搬送時間は、所定長の用紙Pの先端がセンサ監視部4bに到達し、センサ監視部4bがONされた時点を開始とし、用紙Pの後端がセンサ監視部4bを通過することでセンサ監視部4bがOFFされた時点を終了とする時間である。
図5の上段における用紙長と搬送時間の関係の項目には、新品の搬送ローラにより用紙Pを搬送した場合の用紙長に対する搬送時間が実測値として計測されたグラフ101が表される。グラフ101は、例えば、用紙長が200[mm]である用紙Pの搬送時間が、430[ms]であり、用紙長が400[mm]である用紙Pの搬送時間が、580[ms]であることを表す。グラフ101は、新品の搬送ローラを用いて搬送される用紙Pの搬送時間を表すため、用紙Pの搬送時間は理論値とほぼ同じである。
図5の下段における用紙長と搬送時間の関係の項目には、摩耗有りの搬送ローラにより用紙Pを搬送した場合の用紙長に対する搬送時間が実測値として計測されたグラフ102が表される。グラフ102は、例えば、用紙長が200[mm]である用紙Pの搬送時間が、460[ms]であり、用紙長が400[mm]である用紙Pの搬送時間が、620[ms]であることを表す。グラフ102で示されるように、摩耗有りの搬送ローラを用いて搬送される用紙Pの搬送時間は、理論値とは異なる値となる。
上述したように、用紙長が200[mm]である用紙Pを例に挙げると、新品の搬送ローラにより搬送される用紙Pの搬送時間が430[ms]であるのに対し、摩耗有りの搬送ローラにより搬送される用紙Pの搬送時間が460[ms]である。つまり、搬送ローラが摩耗すると、用紙Pの搬送時間が長くなることが示される。搬送ローラに摩耗があると、用紙Pの搬送時間が長くなる根拠は、次式(1)、(2)、(3-1)~(3-3)で表される。
v=r×ω …(1)
式(1)のvは用紙搬送速度[mm/s]、rはローラ半径[mm]、ωはローラ回転速度[1/s]の値を表す。
t=L/v …(2)
式(2)のtは搬送時間[s]、Lは用紙長[mm]の値をそれぞれ表す。
r2<r1 …(3-1)
v2<v1 …(3-2)
t2>t1 …(3-3)
式(3-1)は、摩耗有りの搬送ローラの半径r2が、摩耗無しの搬送ローラの半径r1よりも小さいことを表す。式(3-2)のv1は半径r1の搬送ローラにて搬送された場合の用紙Pの用紙搬送速度[mm/s]、v2は半径r2の搬送ローラにて搬送された場合の用紙Pの用紙搬送速度[mm/s]の値を表す。式(3-3)のt1は半径r1の搬送ローラで搬送された用紙Pの搬送時間[s]、t2は半径r2の搬送ローラで搬送された用紙Pの搬送時間[s]の値をそれぞれ表す。
式(1)において、回転速度ωが一定と仮定すると、式(3-1)と式(3-2)が導かれる。また、式(2)において、用紙長Lが一定と仮定すると、式(3-2)と式(3-3)が導かれる。以上から、式(3-1)が成り立つ場合、式(3-3)も成り立つ。これらの式より、新品の半径r1の搬送ローラにより用紙Pが搬送されると、搬送時間は短くなり、摩耗して半径r2となった搬送ローラにより用紙Pが搬送されると、搬送時間は長くなることが示される。そのため、搬送ローラが摩耗している場合は、単位時間当りの用紙Pの搬送枚数が、摩耗無しの搬送ローラが搬送可能な用紙Pの搬送枚数より少なくなる。つまり、画像形成装置1の制御部90は、連続印刷した用紙Pの単位時間当りの搬送枚数に応じて、搬送ローラの摩耗有無を判定できる。
<用紙の帯電量に応じた搬送時間のバラつき例>
図6は、用紙Pの帯電量に応じた搬送時間のバラつき例を示す説明図である。
図6のグラフには、用紙長が同じであるが、異なる紙種の用紙Pに、異なるカバレッジの画像を300枚印刷し、用紙Pの搬送時間を測定した実測値が示される。
図6のグラフは、横軸に実験時期[月]、縦軸に搬送時間[ms]を表す。ここで、用紙Pの搬送時間の差を明確にするため、湿度が低く静電気が発生しやすい1月と、湿度が比較的高く静電気が発生しにくい4月に測定した300枚の用紙P毎の搬送時間の例を示す。
グラフの縦軸に示された「理論値」は、帯電していない所定長の用紙Pが搬送されたときに測定されると想定される搬送時間を表す。用紙Pが帯電していなければ、同じ用紙長の用紙Pに形成される画像の種類、用紙Pの紙種によらず、用紙Pが同じ搬送時間(理論値)で搬送されると考えられる。
1月は乾燥して静電気が発生しやすいので、用紙Pの帯電量が多くなる。このため、厚紙の用紙Pにベタ画像を形成して行われた実験により、理論値に対して用紙Pの搬送時間のバラつきが大きいことが示される。一方、4月は乾燥しておらず、静電気が発生しにくいので、用紙Pの帯電量が少なくなる。このため、薄紙の用紙Pに線画像を形成して行われた実験により、理論値に対して用紙Pの搬送時間のバラつきが小さい様子が示される。
つまり、用紙Pの帯電量が多くなると、新品の搬送ローラにより用紙Pが搬送されるとしても搬送時間にバラつきが生じることが示される。このため、用紙Pから除電するための本実施の形態に係る処理が必要とされる。
<除電機能の組み合わせの例>
図7は、用紙Pの種類に応じた除電機能の組み合わせの例を示す説明図である。
図7を説明する前に、画像形成システム10において、帯電した用紙Pを除電する機能(除電機能)について説明する。
画像形成システム10は、以下の除電機能(1)~(3)に示される各パラメータを制御することで、帯電した用紙Pの除電を実行する。
除電機能(1):搬送速度v[mm/s]
除電機能(2):電荷量に応じた電流値I[A]
除電機能(3):加湿量Hum[%]
除電機能(1)は、制御部90の制御で動作する用紙搬送部が実現する機能である。除電機能(1)により、画像形成システム10全体の搬送速度が下がり、搬送ローラと用紙Pが接触することによる用紙Pへの帯電が抑制される。
除電機能(2)は、制御部90の制御で動作する電圧印加部30が実現する機能である。除電機能(2)により、電圧印加部30により帯電している用紙Pの極性とは逆極性のバイアス電圧及び電流を用紙Pにかけられ、用紙Pの電圧印加面に帯電した電荷が中和される。例えば、制御部90は、予め用意された用紙Pの帯電量と電流値との関係を示すテーブルに基づいて、用紙Pの帯電量に応じて電流値を変更する制御を電圧印加部30に指示する。例えば、電流値を「弱」から「強」に変更すると、電圧印加部30が用紙Pに印加する電圧が高くなり、多くの電流が用紙Pに掛けられるため、用紙Pから多くの電荷が除去される。
除電機能(3)は、制御部90の指示を受けて加湿装置2の制御部91の制御で動作する加湿部2aが実現する機能である。除電機能(3)により、加湿部2aが帯電している用紙Pへ水分が塗布される。用紙Pが加湿されると、表面の電気抵抗が下がり用紙Pの電荷が移動しやすくなったり、用紙Pへの帯電が抑制されたりする。例えば、加湿量が「小」から「大」に変更されると、加湿部2aが用紙Pに加湿する加湿量が多くなり、用紙Pから電荷が除去される。
制御部90は、ジョブに応じて、除電機能(1)~(3)から選択した、1又は2以上の組み合わせにより、帯電した用紙Pを除電するための制御を行う。
帯電した用紙Pを除電するための最良の組み合わせは、除電機能(1)~除電機能(3)を全て組み合わせることである(以下、「除電機能(1)+(2)+(3)」と表記する)。しかし、除電機能(1)+(2)+(3)は、除電能力が高い反面、実行するための条件(カバレッジ、用紙種類など)が厳しい。例えば、用紙Pが薄紙である場合、加湿することで用紙Pが搬送ローラに貼付くおそれがあるため、除電機能(3)を選択できない。そのため、制御部90は、除電機能(1)~(3)のいずれかを単独で実行する、又は除電機能(1)~(3)のうち2種類を組み合わせて実行する制御を行うことが多い。
仮に、連続印刷により画像形成システム10内の装置内環境に既に静電気が蓄積された状態とする。ただし、搬送ローラが摩耗しておらず用紙Pの搬送性が良好である場合には、各装置の動作設定に支障を与えない範囲で用紙Pから除電するための除電機能として、以下の除電機能(1)~(3)が選択される。制御部90は、除電機能(1)~(3)のいずれかを単独で選択する場合、除電機能(1)、(2)、(3)に選択の優先順位を付ける。
図7の縦方向及び横方向の項目が一致する欄には、単独で実行する除電機能(1)~(3)が、1位~3位の優先順位で表される。優先順位の1位は、除電機能(1)である。除電機能(1)が選択される理由は、装置構成、紙種、温湿度環境などに関わらず搬送速度の調整を行いやすく、画像形成システム10が設置される現場でも採用されやすいからである。
次に、優先順位の2位は、除電機能(2)である。除電機能(2)が選択される理由は、紙種や温湿度環境などに関わらず用紙Pにかける電流を制御しやすいからである。しかし、用紙Pに印加する電流が過多となり、用紙Pが逆極性に帯電しないよう、電流値に注意が必要である。また、用紙Pへ電流をかけるのは、両面印刷の時のみである。
最後に、優先順位の3位は、除電機能(3)である。除電機能(3)の優先順位が低い理由は、用紙Pの種類に制限があるからである。例えば、薄紙の用紙Pに加湿量「大」で水分を塗布すると、用紙Pが湿っぽくなったり、歪んだりするため、用紙Pの搬送に支障がでる。そのため、薄紙の用紙Pに対して加湿量を「大」とする設定は禁止されている。
そして、図7の縦方向及び横方向の項目が異なる欄には、制御部90が用紙Pの除電を行う際、用紙Pの紙種や面情報に応じて選択可能な2種類の除電機能の組み合わせが示される。制御部90は、用紙Pの紙種、及び画像が形成される用紙Pの面が両面か片面かを示す面情報等のジョブ条件に基づいて、除電機能の組み合わせを行う。
図7に基づいて、「面情報/紙種」のジョブ条件毎に、制御部90が組み合わせる除電機能を順番に説明する。画像形成システム10において、ジョブ条件が片面印刷であれば電圧印加部30は作動せず、両面印刷の時にのみ電圧印加部30が作動する。
「両面/薄紙」のジョブ条件の時、制御部90は、除電機能(1)+(2)の組み合せを選択する。「両面/薄紙」のジョブ条件で除電機能(1)+(2)が選択される理由は、両面印刷では電圧印加部30が作動することに加え、薄紙は加湿に弱いためである。
「片面/厚紙」のジョブ条件の時、制御部90は、除電機能(1)+(3)の組み合せを選択する。「片面/厚紙」のジョブ条件で除電機能(1)+(3)が選択される理由は、片面印刷では電圧印加部30が作動しないことに加え、厚紙は加湿に強いためである。
「両面/厚紙」のジョブ条件の時、制御部90は、除電機能(2)+(3)の組み合せを選択する。「両面/厚紙」のジョブ条件で除電機能(2)+(3)が選択される理由は、両面印刷では電圧印加部30が作動することに加え、厚紙は加湿に強いためである。また、両面印刷の場合、用紙Pは最低速度で搬送されている場合があるので、除電機能(2)+(3)の組み合わせによる除電効果は高い。仮に、両面印刷の場合であっても、用紙Pの搬送速度が最低速度でなければ、制御部90は、除電機能(1)+(2)+(3)の組み合わせを選択し、用紙Pの搬送速度を下げて除電してもよい。
次に、操作表示部70に表示されるメッセージの例について、図8~図11を参照して説明する。以下のメッセージは、センサ監視部4bが検知した搬送時間の遅れに基づいて、制御部90により提案される。
<搬送速度を下げる提案が行われるメッセージの例>
図8は、搬送速度を下げる提案が行われるメッセージの表示例を示す説明図である。このメッセージは、帯電した用紙Pに対する除電不足への対処としてユーザに除電機能(1)の実行を提案するために表示される。
図8に示す操作表示部70には、帯電した用紙Pに対する除電不足への対処として、次のジョブから搬送速度を下げるか否かのメッセージと、ユーザが対処の実行可否を選択するための選択ボタン73が表示される。
ユーザは、選択ボタン73の「YES」をタッチすることで、次のジョブから用紙Pの搬送速度を下げる指示を行うことができる。なお、ユーザが、選択ボタン73の「NO」をタッチすると、用紙Pの搬送速度は下がらない。
<片面印刷に切り替える提案が行われるメッセージの例>
図9は、片面印刷に切り替える提案が行われるメッセージの表示例を示す説明図である。このメッセージは、帯電した用紙Pに対する除電不足への対処として制御部90が除電機能(1)又は(3)の実行を指示するために表示される。
図9に示す操作表示部70には、帯電した用紙Pに対する除電不足への対処として、一時保存ジョブ一覧74に表示された両面印刷のジョブを片面印刷にするか否かのメッセージと、選択ボタン73が表示される。
ここで、操作表示部70には、一時保存ジョブ一覧74が表示される。
一時保存ジョブ一覧74は、少なくともジョブ名、片/両、及び紙種等を含む項目により構成されており、画像形成装置1がPC等から受信し、HDD90dに一時保存され、次回以降に実行される予定の待機中のジョブが一覧表示される。
ジョブ名の項目には、例えば、HDD90dに保存され、待機中のジョブのジョブ名が示される。例えば、ジョブ名として、1件目の「ジョブ1」、2件目の「ジョブ2」等が表示される。
片/両の項目には、ジョブ毎に設定されるジョブ条件が、用紙Pの片面又は両面のいずれであるかを示す面情報が示される。例えば、片面印刷が設定されたジョブは「片」、両面印刷が設定されたジョブは「両」が表示される。
紙種(用紙Pの種類)の項目には、用紙Pの紙種が示される。紙種として、例えば、坪量が少ない「薄紙」、坪量が多い「厚紙」が示される。薄紙、厚紙は相対的な表現であるが、本実施の形態では、標準よりも低い密度の用紙Pを「薄紙」と呼び、標準より高い密度の用紙Pを「厚紙」と呼ぶ。
制御部90は、ジョブ条件が片面印刷に変更されることで、電圧印加部30により除電不足が発生している両面印刷から、片面印刷を優先的に実行できる。
ユーザは、選択ボタン73の「YES」をタッチすることで、一時保存ジョブ一覧74の両面印刷のジョブを片面印刷にする指示を行うことができる。なお、ユーザが、選択ボタン73の「NO」をタッチすると、両面印刷のジョブの面情報は変更されない。
なお、制御部90は、用紙Pの除電不足を判定した後、用紙Pの片面に画像を形成するジョブ条件が設定されたジョブを優先して実行する提案を行うメッセージを操作表示部70に表示してもよい。この場合、ユーザにより選択ボタン73の「YES」をタッチされると、片面印刷のジョブが優先して実行される。
<低密度の種類の用紙に切り替える提案が行われるメッセージの例>
図10は、低密度の種類の用紙Pに切り替える提案が行われるメッセージの表示例を示す説明図である。このメッセージは、帯電した用紙Pに対する除電不足への対処として制御部90が除電機能(1)又は(2)の実行を指示するために表示される。
制御部90は、用紙Pの除電不足を判定した後、標準よりも低い密度の用紙Pに画像を形成するジョブ条件が設定されたジョブを優先して実行する提案を行うメッセージを操作表示部70に表示する。
操作表示部70には、図9に示した一時保存ジョブ一覧74と、選択ボタン73とが表示される。この操作表示部70には、一時保存ジョブ一覧74に表示されたジョブを低密度の種類の用紙Pに印刷するか否かのメッセージが表示される。ここで、低密度の種類の用紙Pは、例えば、コート紙以外の用紙P(例えば、薄紙)である。
このように用紙Pの種類を切替えることで、制御部90は、画像が形成される用紙Pを、低密度の種類の用紙Pに変更するので、電圧印加部30によるバイアス電圧の過多が発生している状況から、電圧値が低くて済む低密度の種類の用紙Pの印刷を優先的に実行できる。ユーザは、選択ボタン73の「YES」をタッチすることで、一時保存ジョブ一覧74に表示された紙種が厚紙であるジョブを、薄紙に変更することができる。なお、ユーザが、選択ボタン73の「NO」をタッチすると、ジョブの紙種は変更されない。
<機外の湿度を上げる提案が行われるメッセージの例>
図11は、機外の湿度を上げる提案が行われるメッセージの表示例を示す説明図である。このメッセージは、帯電した用紙Pに対する除電不足への対処として、画像形成システム10以外の方法により用紙Pを除電するために行われる。
制御部90は、用紙Pの除電不足を判定した後、画像形成装置1の設置場所(例えば、事務室)における環境の湿度を上げる提案を行うメッセージを操作表示部70に表示する。図6を参照して説明したように、画像形成システム10が設置される場所の湿度によって搬送時間が変わる。このため、画像形成装置1の設置場所の湿度を上げるようユーザに提案することは有効である。
操作表示部70には、除電効果を上げるために、画像形成システム10の機外の湿度を上げることを推奨するメッセージが表示される。画像形成装置1等が設置される環境の湿度を上げることで、各装置内の湿度も高くなり、装置内の静電気を発生しにくくすることができる。このため、用紙Pも帯電しにくくなる。
<制御部が複数の除電機能から選択した1種類の除電機能を単独で実行する処理例>
図12は、制御部90が1種類の除電機能を選択して実行する処理の例を示すフローチャートである。
始めに、大容量給紙装置5から連続して給紙された複数枚の用紙Pは、用紙搬送部により通常の搬送速度で搬送され、画像形成装置1において画像形成処理及び定着処理が連続して行われる(連続印刷)。そして、画像が定着処理された用紙Pは、用紙搬送部により、加湿装置2、画像読取装置3、後処理装置4を経て機外に排出される。ここで、電圧印加部30により電流値が「弱」のバイアス電圧が印加され、加湿部2aにより加湿量を「小」として加湿された用紙Pが、後処理装置4に搬送されることを前提とする。
後処理装置4に設置されたセンサ監視部4bは、用紙搬送部が搬送する用紙P毎に常時監視し、搬送時間を計測する(S1)。画像形成装置1の制御部90は、連続印刷された用紙Pの枚数が所定枚数より多いか否かを判定する(S2)。制御部90は、連続印刷した枚数が所定枚数より少ないと判定した場合(S2のNO)、連続印刷した用紙P毎の搬送時間が常に遅いか否かを判定する(S3)。
制御部90は、用紙P毎の搬送時間が常に遅くないと判定した場合(S3のNO)、搬送ローラは摩耗しておらず正常であるため、用紙Pを正常に搬送できていると判定し(S4)、本処理を終了する。一方、制御部90は、用紙P毎の搬送時間が常に遅いと判定した場合(S3のYES)、搬送ローラが摩耗有りと判定する(S5)。そして、制御部90は、搬送ローラの交換をユーザに促すメッセージを操作表示部70に表示し(S6)、処理を終了する。
ステップS2にて制御部90は、連続印刷した枚数が所定枚数より多いと判定した場合(S2のYES)、用紙Pの搬送時間のバラつきが大きいか否かを判定する(S7)。制御部90は、用紙Pの搬送時間のバラつきが大きくないと判定した場合(S7のNO)、用紙Pは正常に搬送されていると判定し(S8)、処理を終了する。
一方、制御部90は、用紙Pの搬送時間のバラつきが大きいと判定した場合(S7のYES)、用紙Pに対する電圧印加部30、加湿部2aの除電不足、又は温湿度環境等により摩擦帯電や剥離帯電等が発生し各装置内に静電気が蓄積されたと判定する(S9)。
次に、制御部90は、除電機能(1)~(3)のうち、いずれかを単独で実行することで、帯電している用紙Pの除電が可能か否かを判定する(S10)。
ここで、制御部90は、例えば、用紙Pの連続印刷中に除電不足を判定すると(S9)、単独の除電機能を優先して実行する判断をする(S10のYES)。ただし、制御部90は、一旦、実行された単独の除電機能では用紙Pを除電しきれなかった場合(S10のNO)、2種類の除電機能を組み合わせて実行するか否かを判断する(S21)。
さらに、制御部90は、2種類の除電機能を組み合わせても、用紙Pを除電しきれない場合、全ての除電機能を組み合わせて実行する判断を行う。ただし、用紙Pの紙種が薄紙であれば、加湿量を多くすることはできないので、全ての除電機能を組み合わせるのは、用紙Pの紙種が薄紙以外に限られる。
ステップS10にて、制御部90は、除電機能(1)~(3)のうち、いずれかを単独で実行することで、帯電している用紙Pの除電が可能であると判定した場合(S10のYES)、搬送速度を下げられるか否かを判定する(S11)。
制御部90は、搬送速度を下げられると判定した場合(S11のYES)、用紙搬送部に搬送速度を下げる指示を行った後、次のジョブを実行する制御を行い(S12)、本処理を終了する。制御部90は、搬送速度を下げられないと判定した場合(S11のNO)、用紙Pが両面印刷、かつ電圧印加されているか否かを判定する(S13)。
制御部90は、用紙Pが両面印刷、かつ電圧印加されていると判定した場合(S13のYES)、電圧印加部30による電流値を「弱」から「強」に変更し(S14)、処理を終了する。この処理は、除電機能(2)に該当する。一方、制御部90は、用紙Pが片面印刷、又は電圧印加されていないと判定した場合(S13のNO)、用紙Pが厚紙、かつ加湿されているか否かを判定する(S15)。
制御部90は、用紙Pが厚紙、かつ加湿されていると判定した場合(S15のYES)、加湿部2aによる加湿量を「小」から「大」に変更し、処理を終了する(S16)。この処理は、除電機能(3)に該当する。
制御部90は、用紙Pが薄紙、又は加湿されていないと判定した場合(S15のNO)、後処理装置4内に設置された除電スプレー4aにより、用紙Pに界面活性剤を噴射するか、画像形成システム10の各装置を一時停止させ(S17)、処理を終了する。ここで、ステップS17において、除電スプレー4aを使用する際は、制御部90は、操作表示部70に除電スプレー4aを使用する旨のメッセージを表示する。ユーザは、選択ボタン73を通じて、除電スプレー4aの使用可否を選択することができる。また、ステップS17において、後処理装置4に除電スプレー4aが設置されていない場合、制御部90は、画像形成システム10の各装置の運転を一時停止することで静電気が収束するのを待つ。
<制御部が2種類の除電機能のうち組み合わせて実行する処理例>
図13は、制御部90が2種類の除電機能を組み合わせて実行する処理の例を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、図12に示したフローチャートで制御部90がステップS10のNOと判定した後に実行されるステップS21の処理の詳細を表す。
まず、制御部90は、実行されるジョブに両面印刷のジョブ条件が設定されたか否かを判定する(S22)。制御部90は、両面印刷のジョブ条件が設定されたと判定した場合(S22のYES)、ジョブの実行に用いられる用紙Pの紙種が厚紙であるか否かを判定する(S23)。
制御部90は、用紙Pの紙種が厚紙であると判定した場合(S23のYES)、電圧印加部30による電流値を「弱」から「強」に変更し(除電機能(2))、加湿部2aによる加湿量を「小」から「大」に変更(除電機能(3))し(S25)、本処理を終了する。
一方、制御部90は、連続印刷している用紙Pが厚紙でないと判定した場合(S23のNO)、搬送速度を下げて(除電機能(1))、電圧印加部30による電流値を「弱」から「強」に変更(除電機能(2))し(S26)、本処理を終了する。
ステップS22にて制御部90は、両面印刷のジョブ条件が設定されていないと判定した場合(S22のNO)、用紙Pの紙種が厚紙であるか否かを判定する(S24)。
制御部90は、用紙Pの紙種が厚紙であると判定した場合(S24のYES)、搬送速度を下げて(除電機能(1))、加湿部2aによる加湿量を「小」から「大」に変更(除電機能(3))し(S27)、本処理を終了する。
一方、制御部90は、用紙Pの紙種が厚紙でないと判定した場合(S24のNO)、組み合わせて実行可能な除電機能がないと判定し(S28)、本処理を終了する。この場合、制御部90は、図12のステップS10にて、単独の除電機能を優先して実行する判断を行い(S10のYES)、何らかの除電機能により用紙Pを除電する制御を行う。
以上説明した本実施の形態に係る画像形成システム10は、センサ監視部4bから取得した用紙P毎の搬送時間に応じて、制御部90により用紙Pの搬送による摩擦帯電、剥離帯電、又は電荷移動の影響等による除電不足を判定する。制御部90は、除電不足を判定すると、次に実行するジョブで用いられる用紙Pの帯電量を中和又は抑制するために最適な除電機能を単独又は組み合わせて選択する。例えば、制御部90は、用紙Pの除電不足を判定した後、用紙Pの紙種や面情報に応じて、電圧印加部30、加湿部2a又は用紙搬送部を1又は2以上を組み合わせて選択し、除電機能を制御する。
このように制御部90は、除電機能の実行を制御することで、用紙Pへの静電気の発生を防ぐことができる。そのため、各装置の排紙トレイに蓄積された用紙P同士が反発し合って用紙Pの先後端の整合性が悪くなったり、又は用紙P同士が吸着してしまったりする不具合を防ぐことができる。また、装置内の何らかの部材に用紙Pが貼り付き、ジャム等が発生するおそれもなくなる。ジャム等がなくなることにより、ダウンタイムの増加や後処理の品質が下がる恐れも軽減される。
なお、画像形成システム10が後処理装置4を備えない構成であれば、センサ監視部4bは、加湿装置2、画像読取装置3に設けられてもよい。また、画像形成装置1が単独で用いられる構成であれば、センサ監視部4bは、画像形成装置1に設けられてもよい。また、加湿部2aについても画像形成装置1に設けられてもよい。また、画像形成装置1の用紙搬送部50だけで用紙Pの搬送速度の制御が行われてもよい。
なお、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…画像形成装置、2…加湿装置、3…画像読取装置、4…後処理装置、5…大容量給紙装置、10…画像形成システム、2a…加湿部、30…電圧印加部、4b…センサ監視部、60…定着部、70…操作表示部、90…制御部、P…用紙

Claims (11)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成装置と、前記画像が形成された前記記録材に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、
    前記画像が形成された前記記録材の帯電量を調整する調整部と、
    前記記録材の搬送時間を監視する監視部と、
    ジョブの実行に関するメッセージの表示、及び操作入力が可能な操作表示部と、
    前記監視部から取得した前記記録材の前記搬送時間に基づいて、前記記録材の除電不足を判定した場合に、前記記録材に合わせて前記調整部の動作を制御して前記ジョブを実行し、前記除電不足を判定した後、前記記録材の片面に前記画像を形成するジョブ条件が設定された前記ジョブを優先して実行する提案を行う前記メッセージを前記操作表示部に表示する制御部と、を備える
    画像形成システム。
  2. 記録材に画像を形成する画像形成装置と、前記画像が形成された前記記録材に後処理を行う後処理装置と、を備える画像形成システムであって、
    前記画像が形成された前記記録材の帯電量を調整する調整部と、
    前記記録材の搬送時間を監視する監視部と、
    ジョブの実行に関するメッセージの表示、及び操作入力が可能な操作表示部と、
    前記監視部から取得した前記記録材の前記搬送時間に基づいて、前記記録材の除電不足を判定した場合に、前記記録材に合わせて前記調整部の動作を制御して前記ジョブを実行し、前記除電不足を判定した後、標準よりも低い密度の前記記録材に前記画像を形成するジョブ条件が設定された前記ジョブを優先して実行する提案を行う前記メッセージを前記操作表示部に表示する制御部と、を備える
    画像形成システム。
  3. 前記調整部は、前記記録材に電荷を付与する第1調整部を含み、
    前記制御部は、前記第1調整部が前記記録材に付与する電荷の電荷量を制御する
    請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  4. 前記調整部は、前記記録材を加湿する第2調整部を含み、
    前記制御部は、前記第2調整部が前記記録材を加湿する加湿量を制御する
    請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  5. 前記画像形成装置は、前記記録材に前記画像を定着させる定着部を有し、
    前記調整部は、前記定着部よりも前記記録材の搬送方向の下流側に配置される
    請求項又はに記載の画像形成システム。
  6. 前記制御部は、前記記録材の搬送速度を制御する第3調整部を含み、
    前記制御部は、前記第3調整部が前記記録材を搬送する前記搬送速度を制御する
    請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  7. 前記調整部は、前記記録材に電荷を付与する第1調整部、前記記録材を加湿する第2調整部、及び前記記録材の搬送速度を制御する第3調整部の少なくとも一つを含み、
    前記制御部は、前記第1調整部が前記記録材に付与する電荷の電荷量を制御し、前記第2調整部が前記記録材を加湿する加湿量を制御し、前記第3調整部が前記記録材を搬送する前記搬送速度を制御し、前記第1調整部、前記第2調整部又は前記第3調整部から選択した、1又は2以上の組み合わせによる制御を行って前記ジョブを実行する
    請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  8. 前記調整部は、前記後処理装置に設けられる
    請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  9. 前記制御部は、前記除電不足を判定した後、前記画像形成装置の設置場所における湿度を上げる提案を行う前記メッセージを前記操作表示部に表示する
    請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  10. 画像が形成された記録材の搬送時間を監視するステップと、
    前記記録材毎の前記搬送時間に基づいて、前記記録材の除電不足を判定した場合に、前記記録材に合わせて、前記記録材の帯電量を調整してジョブを実行するステップと、
    前記除電不足を判定した後、前記記録材の片面に前記画像を形成するジョブ条件が設定された前記ジョブを優先して実行する提案を行うメッセージを、前記ジョブの実行に関するメッセージの表示、及び操作入力が可能な操作表示部に表示するステップと、を含む
    画像形成方法。
  11. 画像が形成された記録材の搬送時間を監視するステップと、
    前記記録材毎の前記搬送時間に基づいて、前記記録材の除電不足を判定した場合に、前記記録材に合わせて、前記記録材の帯電量を調整してジョブを実行するステップと、
    前記除電不足を判定した後、標準よりも低い密度の前記記録材に前記画像を形成するジョブ条件が設定された前記ジョブを優先して実行する提案を行うメッセージを、前記ジョブの実行に関するメッセージの表示、及び操作入力が可能な操作表示部に表示するステップと、を含む
    画像形成方法。
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