JP7182271B2 - 光触媒組成物及びそれを用いた光触媒材料 - Google Patents

光触媒組成物及びそれを用いた光触媒材料 Download PDF

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Description

本発明は、光触媒作用により、大気中に含まれる汚染物質を浄化するとともに、付着した汚れを自己洗浄する組成物及びその組成物が塗工された材料に関する。
大気汚染防止法により排出規制が行われている窒素酸化物(NOx)は、自動車、火力発電所、航空機、船舶など燃料を燃焼することにより作動する装置を有する機器によって排出され、光化学スモッグ、酸性雨の原因として知られている。
光触媒を用いるコーティング剤について、最も顕著な特性の一つとして、上記の窒素酸化物(NOx)を除去することができる性能が知られている。この基本原理は、水に不溶の一酸化窒素ガス(NO)を光触媒粒子に吸収させて酸化し二酸化窒素(NO2)に化学変化させることにより、水に可溶である二酸化窒素(NO2)を吸蔵して大気中から除去するものである。この効果を実験として評価するために、日本においてJIS R170-1として制定され、さらに、その後ISO国際標準試験法ISO 22197-1としても制定されている。
このような、大気中に含まれる窒素酸化物(NOx)などの汚染物質を浄化する材料として、特許文献1において、吸着剤粒子に光触媒機能を有する物質を担持し、その担持体をフッ素樹脂に包含した組成物、そしてその組成物を基材に塗工して得られる材料が開示されている。
また、特許文献2において、光触媒粒子として粒子径7nmのアナターゼ型二酸化チタン粒子、フッ素樹脂及び有機溶剤により調整された光触媒粒子含有フッ素樹脂ワニス、そしてそのワニスを基材表面に塗工して得られる材料が開示されている。
特開2000-197824号公報 特開2005-288323号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に示す組成物及びその組成物を用いた材料では、光触媒製品の標準化及び規格化の推進などを行う光触媒工業会の規格における窒素酸化物(NOx)の除去性能を満足することが困難であるという課題があった。
また、このような大気中に含まれる窒素酸化物(NOx)などの汚染物質を浄化する材料は、高速道路の遮音壁や、また住宅やビルなどの建築物の外壁のように屋外に設けられるものであり、場所によっては経時により付着した汚れを洗浄することが困難であり、自己洗浄も要望されている。光触媒化合物は、一般に自己洗浄(セルフクリーニング)を示すことも知られているが、化学現象として窒素酸化物(NOx)の除去機能とは相関もないどころか、親水性が阻害要因となり、光触媒工業会の規格における窒素酸化物(NOx)の除去性能を満足させようとすると、自己洗浄性能が低下するという二律背反の問題があった。
そこで、本発明では、光触媒工業会の規格における窒素酸化物(NOx)の除去性能を満足させるとともに、経時により付着した汚れを自己洗浄する組成物及びその組成物が塗工された材料を提供することを目的とする。
〔1〕すなわち、本発明は、平均粒子径が1.5~5.0μmである第一光触媒と、 平均粒子径が0.1~1.0μmである第二光触媒と、親水性樹脂と、水又は水溶性有 機溶剤の少なくとも1種からなる溶剤と、を含有し、前記第一光触媒及び前記第二光触 媒が、二酸化チタンであることを特徴とする光触媒組成物である。
〕そして、前記親水性樹脂が、フッ素系共重合体であることを特徴とする前記〔 1〕に記載の光触媒組成物である。
〕そして、前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の光触媒組成物が基材の一の面に塗 工され、前記基材に対して前記親水性樹脂による塗膜層が形成された光触媒材料であっ て、前記第一光触媒の平均粒子径が前記塗膜層の膜厚よりも大きく、前記第二光触媒の 平均粒子径が前記塗膜層の膜厚よりも小さいことを特徴とする光触媒材料である。

本発明の光触媒組成物及びそれを用いた光触媒材料により、触媒工業会の規格における窒素酸化物(NOx)の除去性能を満足させるとともに、経時により付着した汚れを自己洗浄することもできる。
本発明の光触媒組成物を基材に塗工して得られた光触媒材料の短手方向に切断した概略断面図である。 実施例1における第一光触媒及び第二光触媒の粒度分布を示す図である。 比較例1における第二光触媒の粒度分布を示す図である。 比較例2における第一光触媒の粒度分布を示す図である。
以下、本発明に関する実施形態について詳しく説明する。なお、範囲を表す「~」の表現は、その上限と下限を含むものである。
本発明の光触媒組成物は、第一光触媒1、第二光触媒2、親水性樹脂3、水又は水溶性有機溶剤の少なくとも1種からなる溶剤などを含有している。そして、当該光触媒組成物を基材4の一の面に塗工し、溶剤を揮発させることにより、基材4に対して第一光触媒1、第二光触媒2を含有している、親水性樹脂3による塗膜層が形成された光触媒材料を得る。
第一光触媒1は、紫外線などの光を照射されることにより触媒作用、より具体的には強い酸化還元作用を生じる物質である。第一光触媒1としては、太陽光などによりバンドギャップ間の遷移が生じれば特に限定されるものでない。例えば、TiSrO3 ,BaTiO3 ,TiO2 (二酸化チタン),Nb2 5 ,MgO,ZnO,WO3 ,Bi2 3 ,CdS,CdSe,CdTe,In2 3 ,SnO2などの各種金属酸化物が好ましく、さらに、TiO2(二酸化チタン)を用いることが好ましい。また、TiO2(二酸化チタン)を用いる場合、結晶構造としてルチル型よりアナターゼ型の方がより好ましい。第一光触媒1は、図1に示すように、基材4に塗工することにより、親水性樹脂3による塗膜層の表面から第一光触媒1の一部外気に露出するために、その塗膜層の表面から突出した部分において外気中に含有される一酸化窒素(NO)を吸着して二酸化窒素(NO2)に酸化反応を行い、窒素酸化物(NOx)の除去性能を示す。
そして、図1に示すように、本実施形態の第一光触媒1は、微粒子で略球形状であり、複数の微粒子の凝集体からなる二次粒子であることが好ましい。また、他の実施形態において略球状に限られるものでなく、棒状、針状、円錐状などの形状からなる凝集体とすることができる。第一光触媒1の平均粒子径は、1.5~5.0μmであることが好ましく、2.0~3.0μmであることがさらに好ましい。第一光触媒1の平均粒子径が上記範囲であると、図1に示すように、本発明の組成物を基材4に塗工したときに親水性樹脂3による塗膜層の表面から外気に露出し、外気中に含有される一酸化窒素(NO)を吸着して二酸化窒素(NO2)へと酸化反応を行う。なお、上記平均粒子径は、レーザ回折/散乱による光散乱法において、頻度の積算が50%になる粒子径(D50)である。
また、第一光触媒1は、本発明の組成物において、0.5~5.0重量%含有されていることが好ましく、1.0~3.0重量%含有されていることがさらに好ましい。第一光触媒1の含有割合が上記範囲であると、本発明の組成物を基材4に塗工したときに親水性樹脂3による塗膜層の表面から第一光触媒1の一部を外気に露出させることができる。
第二光触媒2は、第一光触媒1と同様に、紫外線などの光を照射されることにより触媒作用、より具体的には強い酸化還元作用を生じる物質である。第二光触媒2としても、太陽光などによりバンドギャップ間の遷移が生じれば特に限定されるものでない。例えば、TiSrO3 ,BaTiO3 ,TiO2 (二酸化チタン),Nb2 5 ,MgO,ZnO,WO3 ,Bi2 3 ,CdS,CdSe,CdTe,In2 3 ,SnO2などの各種金属酸化物が好ましく、さらに、TiO2(二酸化チタン)を用いることが好ましい。また、TiO2(二酸化チタン)を用いる場合、結晶構造としてルチル型よりアナターゼ型の方がより好ましい。第二光触媒2は、図1に示すように、基材4に塗工することにより、親水性樹脂3による塗膜層の表面から外気に露出せず塗膜層に被覆されており、光触媒効果により水とよりなじみやすくなる親水性を示すことにより大気中や塗膜層内部の水分を吸着しやすく、その水分に第一光触媒1により生成した二酸化窒素(NO2)を溶解させて、大気中の一酸化窒素(NO)を除去することができる。すなわち、第一光触媒1及び第二光触媒2の相乗効果により、大気中の一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO2)へと酸化し、生成した二酸化窒素(NO2)を水に溶解させることで、大気中から窒素酸化物(NOx)を除去することができる。
そして、図1に示すように、本実施形態の第二光触媒2は、微粒子で略球形状であり、複数の微粒子の凝集体からなる二次粒子であることが好ましい。また、他の実施形態において略球状に限られるものでなく、棒状、針状、円錐状などの形状からなる凝集体とすることができる。第二光触媒2の平均粒子径は、0.1~1.0μmであることが好ましく、0.3~0.8μmであることがさらに好ましい。第一光触媒1の平均粒子径が上記範囲であると、図1に示すように、本発明の組成物を基材4に塗工したときに親水性樹脂3による塗膜層の表面から外気に露出し、外気中に含有される一酸化窒素(NO)を吸着して二酸化窒素(NO2)に酸化反応を行い、窒素酸化物(NOx)の除去性能を示すなお、上記平均粒子径は、レーザ回折/散乱による光散乱法において、頻度の累積が50%になる粒子径(D50)である。
また、第二光触媒2は、本発明の組成物において、0.5~5.0重量%含有されていることが好ましく、1.0~3.0重量%含有されていることがさらに好ましい。第二光触媒2の含有割合が上記範囲であると、本発明の組成物を基材4に塗工したときに親水性樹脂3による塗膜層の表面から第二光触媒2を外気に露出させず塗膜層に被覆されるようにすることができる。
親水性樹脂3は、第一光触媒1及び第二光触媒2のバインダとなる樹脂であり、親水基を有するため水となじみやすい樹脂である。親水性樹脂3を使用することにより、第一光触媒1の親水性樹脂3と当接する表面及び第二光触媒2の表面近傍には水が多く存在し、第一光触媒1の親水性樹脂3と当接する表面及び第二光触媒2の表面における酸化還元作用で親水性を発現させ、水をより保持することができる。親水性樹脂3としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、スルホン酸基を有するフッ素樹脂などが好ましい。さらに、第一光触媒1及び第二光触媒2により酸化還元作用によってより分解されにくいスルホン酸基を有するフッ素樹脂が好ましい。なお、これらの親水性樹脂3は、塗膜層を形成したときに三次元網目構造を有するため、形成された塗膜層の内部に水が浸入し、塗膜層の乾燥重量に対して10~30重量%程度の水を含水することができる。
スルホン酸基を有するフッ素樹脂としては、具体的には、例えば、パーフルオロ[2-(フルオロスルホニルエトキシ)プロピルビニルエーテル]の重合体、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ[2-(フルオロスルホニルエトキシ)プロピルビニルエーテル]との共重合体、ヘキサフルオロプロペンとパーフルオロ[2-(フルオロスルホニルエトキシ)プロピルビニルエーテル]との共重合体などが好ましい。主鎖の炭素原子に結合する水素原子がすべてフッ素原子に置換された完全フッ素化樹脂でもよいし、主鎖の炭素原子に結合する水素原子が一部フッ素原子に置換された部分フッ素化樹脂でもよく、さらに、これらの共重合体であってもよい。市販品として、デュポン株式会社製のNAFION(登録商標)の分散液などを使用することができる。
本発明の組成物には、第一光触媒1及び第二光触媒2の酸化還元作用を大きく損なわない範囲で、親水性樹脂3を架橋して硬度などを調整する架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、レベリング剤などを添加することができる。
また、親水性樹脂3は、本発明の組成物において、0.1~2.0重量%含有されていることが好ましく、0.2~1.0重量%含有されていることがさらに好ましい。親水性樹脂3の含有割合が上記範囲であると、本発明の組成物を基材4に塗工したときに親水性樹脂3による塗膜層の表面から第一光触媒1の一部を外気に露出させるとともに、第二光触媒2を外気に露出させず塗膜層に被覆されるようにすることができる。
そして、本発明の組成物における第一光触媒1及び第二光触媒2と親水性樹脂3の重量の配合比が、第一光触媒1及び第二光触媒2/親水性樹脂3=1/2~10/0.1であることが好ましく、さらに2/1~6/0.2であることが好ましい。組成物における第一光触媒1及び第二光触媒2と親水性樹脂3の重量の配合比がこの範囲にあると、第一光触媒1及び第二光触媒2を親水性樹脂3で充分に担持することができ、本発明の組成物を基材4に塗工したときに親水性樹脂3による塗膜層の表面から第一光触媒1の一部を外気に露出させるとともに、第二光触媒2を外気に露出させず塗膜層に被覆されるようにすることができる。
溶剤は、水又は水溶性有機溶剤の少なくとも1種からなり、第一光触媒1、第二光触媒2、親水性樹脂3を希釈する部材である。水は、工業用水、精製水などの水を使用することができ、水溶性有機溶剤は、アルコール類、エーテル類、ケトン類などの溶剤であることが好ましい。アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール等の炭素数1~4の低級アルコールや、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどが好ましい。エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどが好ましい。ケトン類としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが好ましい。水、水溶性有機溶剤は、どちらか一方を使用することもできるし、両方を所定の割合で混合して使用することもできる。これらの溶剤を使用することにより、本発明の組成物中において第一光触媒1、第二光触媒2、親水性樹脂3を均一に溶解及び分散することができる。
また、溶剤は、本発明の組成物において、79.0~98.9重量%含有されていることが好ましく、83.0~97.8重量%含有されていることがさらに好ましい。溶剤の割合が上記範囲であると、本発明の組成物中において第一光触媒1、第二光触媒2、親水性樹脂3を均一に溶解及び分散することができ、また、本発明の組成物を基材4に塗工したときに親水性樹脂3による塗膜層の表面から第一光触媒1の一部を外気に露出させるとともに、第二光触媒2を外気に露出させず塗膜層に被覆されるようにすることができる。
基材4は、本発明の組成物が塗工される被着体である。基材4は、高速道路の遮音壁や、また住宅やビルなどの建築物の外壁などに用いられる略板状の部材であることが好ましい。基材4は、略板状の部材であることが好ましいが、凹凸を設けることができるし、平面だけでなく曲面を有する部材であってもよい。
そして、本発明の光触媒組成物を基材4の一の面に塗工し、溶剤を揮発させることにより、基材4に対して第一光触媒1、第二光触媒2を含有している、親水性樹脂3による塗膜層が形成された光触媒材料を得る。また、得られた塗膜層の膜厚Lは、1.0μmよりも厚くて、1.5μmよりも薄いことが好ましい。塗膜層の膜厚がこのように形成されると、塗膜層の表面から第一光触媒1の一部を外気に露出させるとともに、第二光触媒2を外気に露出させず塗膜層に被覆されるようにすることができる。すなわち、第一光触媒1の平均粒子径が親水性樹脂3による塗膜層の膜厚よりも大きく、第二光触媒2の平均粒子径が塗膜層の膜厚よりも小さい状態で光触媒材料を作製することができる。
(実施例1)
第一光触媒として光触媒酸化チタン(テイカ株式会社品番:TKP-102)2.0重量%、第二光触媒として光触媒酸化チタン(石原産業株式会社製、品番:ST-01)2.0重量%、親水性樹脂としてスルホン酸基を有するフッ素系共重合体水分散体(ケマーズ株式会社製、商品名:Nafion(R)505)10.0重量%(上記フッ素系共重合体として0.5重量%)、溶媒として水を50.0重量%、エタノールを36重量%配合し、均一な溶液になるまで撹拌した。なお、水は、上記フッ素系共重合体水分散体の水分を含め59.5重量%となる。
また、レーザ回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、品番:SALD2000)を用いてそれぞれの酸化チタンの平均粒子径を測定したところ、第一光触媒である酸化チタンの平均粒子径(D50)は2.5μmであり、第二光触媒である酸化チタンの平均粒子径(D50)は0.7μmであった。なお、本組成物における上記レーザ回折式粒度分布測定装置による粒度分布は、図2に示すとおりであり、図2において、横軸に酸化チタンの粒子径が示され、縦軸に特定の粒子径における頻度及びその積算の割合が示されている。
そして、このように得られた組成物を、白色に塗装した平面状の板部材に、20g/m2の塗布量で塗布し、溶剤を揮発させて光触媒材料を作製した。なお、実施例1においては、光触媒材料の表面を観察すると、親水性樹脂による塗膜層から第一光触媒である酸化チタンは露出しており、第二光触媒である酸化チタンは露出しておらず塗膜層に被覆されていた。そして、この光触媒材料を用いて、窒素酸化物(NOx)の除去性能と、自己洗浄性能を以下に示すとおり評価した。
(比較例1)
第二光触媒として光触媒酸化チタン(石原産業株式会社製、品番:ST-01)2.0重量%、親水性樹脂としてスルホン酸基を有するフッ素系共重合体水分散体(ケマーズ株式会社製、商品名:Nafion(R)505)10.0重量%(上記フッ素系共重合体として0.5重量%)、溶媒として水を52.0重量%、エタノールを36重量%配合し、均一な溶液になるまで撹拌した。また、上記レーザ回折式粒度分布測定装置を用いると、第二光触媒である酸化チタンの平均粒子径(D50)は0.7μmであった。なお、本組成物における上記レーザ回折式粒度分布測定装置による粒度分布は、図3に示すとおりであり、図3において、横軸に酸化チタンの粒子径が示され、縦軸に特定の粒子径における頻度及びその積算の割合が示されている。そして、実施例1と同様にして、光触媒材料を作製した。なお、水は、上記フッ素系共重合体水分散体の水分を含め61.5重量%となる。
(比較例2)
第一光触媒として光触媒酸化チタン(テイカ株式会社製、品番:TKP-102)2.0重量%、親水性樹脂としてスルホン酸基を有するフッ素系共重合体水分散体(ケマーズ株式会社製、商品名:Nafion(R)505)10.0重量%(上記フッ素系共重合体として0.5重量%)、溶媒として水を52.0重量%、エタノールを36重量%配合し、均一な溶液になるまで撹拌した。また、上記レーザ回折式粒度分布測定装置を用いると、第一光触媒である酸化チタンの平均粒子径(D50)は2.5μmであった。なお、本組成物における上記レーザ回折式粒度分布測定装置による粒度分布は、図4に示すとおりであり、図3において、横軸に酸化チタンの粒子径が示され、縦軸に特定の粒子径における頻度及びその積算の割合が示されている。そして、実施例1と同様にして、光触媒材料を作製した。なお、水は、上記フッ素系共重合体水分散体の水分を含め61.5重量%となる。
(比較例3)
親水性樹脂としてスルホン酸基を有するフッ素系共重合体水分散体(ケマーズ株式会社製、商品名:Nafion(R)505)10.0重量%(上記フッ素系共重合体として0.5重量%)、溶媒として水を54.0重量%、エタノールを36重量%配合し、均一な溶液になるまで撹拌した。本比較例では、光触媒を用いなかった。そして、実施例1と同様にして、溶剤を揮発させた材料を作製した。なお、水は、上記フッ素系共重合体水分散体の水分を含め63.5重量%となる。
<窒素酸化物(NOx)の除去性能>
実施例1、比較例1から3で得られた光触媒材料等を用いて、JIS R1701-1に準じて試験を行い、それぞれの窒素酸化物(NOx)の除去量をμmol単位で測定した。窒素酸化物(NOx)の除去性能を謳うために、光触媒工業会の規格では窒素酸化物(NOx)の除去量が0.5μmol以上なければならないことになっており、窒素酸化物(NOx)の除去量が0.5μmol以上を良好、0.5μmol未満を不良と判断した。
<自己洗浄性能>
実施例1、比較例1から3で得られた光触媒材料等を用いて、ブルネイの首都のバンダルスリブガワンにおいて、屋外にて塗工した面を上にした状態で水平に載置して4ケ月間暴露試験を行った後に、その塗工面の汚れを目視にて確認した。光触媒材料等の塗工面に汚れが全く見られないものを○と評価し、その塗工面に全体的にうっすらと汚れが見られるものを△、その塗工面に全体的にはっきりと汚れが見られるものを×と評価し、○を良好、△及び×を不良と判断した。
実施例1及び比較例1~3で得られた光触媒組成物の配合割合及びその光触媒組成物を塗工して得られた光触媒材料の性能の一覧を表1に示す。
Figure 0007182271000001
表1の結果より、実施例1において平均粒子径(D50)が2.5μmである酸化チタン(第一光触媒)と、平均粒子径(D50)が0.7μmである酸化チタン(第二光触媒)を併用することにより、比較例1~3と比べて、光触媒工業会の規格を超える窒素酸化物(NOx)の除去性能を示し、自己洗浄性能も同時に示す有意義な材料であることが分かった。実施例1において、平均粒子径(D50)が0.7μmである酸化チタン(第二光触媒)は、塗膜層に被覆されているために一酸化窒素(NO)の吸着能力に欠けるが光触媒効果により親水性を惹起する相当な能力があり、このことは生成した二酸化窒素(NO2)を吸収除去するためには必須の性能と推測され、一酸化窒素(NO)の吸着能力にすぐれた第一光触媒と親水性の発現で生成後の二酸化窒素(NO2)除去能力に長けた第二光触媒の共存による相乗効果の作用であることが明確になった。
1・・・第一光触媒
2・・・第二光触媒
3・・・親水性樹脂
4・・・基材

Claims (3)

  1. 平均粒子径が1.5~5.0μmである第一光触媒が0.5~5.0重量%
    平均粒子径が0.1~1.0μmである第二光触媒が0.5~5.0重量%
    親水性樹脂が0.1~2.0重量%
    水又は水溶性有機溶剤の少なくとも1種からなる溶剤が79.0~98.9重量%、
    含有され、
    前記第一光触媒及び前記第二光触媒が、二酸化チタンであることを特徴とする光触媒組 成物。
  2. 前記親水性樹脂が、フッ素系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の光触媒組 成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光触媒組成物が基材の一の面に塗工され、前記基材に 対して前記親水性樹脂による塗膜層が形成された光触媒材料であって、
    前記第一光触媒の平均粒子径が前記塗膜層の膜厚よりも大きく、
    前記第二光触媒の平均粒子径が前記塗膜層の膜厚よりも小さいことを特徴とする光触媒 材料
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