JP7178122B2 - 植物細胞の核内へのタンパク質導入法 - Google Patents
植物細胞の核内へのタンパク質導入法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7178122B2 JP7178122B2 JP2020550019A JP2020550019A JP7178122B2 JP 7178122 B2 JP7178122 B2 JP 7178122B2 JP 2020550019 A JP2020550019 A JP 2020550019A JP 2020550019 A JP2020550019 A JP 2020550019A JP 7178122 B2 JP7178122 B2 JP 7178122B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- nucleus
- cells
- buffer
- electroporation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N5/00—Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
- C12N5/04—Plant cells or tissues
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N5/00—Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
- C12N5/10—Cells modified by introduction of foreign genetic material
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Zoology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Microbiology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Botany (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
Description
(1)エレクトロポレーションを用いることを特徴とする、細胞壁を有する植物細胞の核内にタンパク質を導入する方法。
ポアリング電圧が約120V/cm~約1200V/cm、
ポアリング時間が約1ms~約100ms、
バッファーの導電率が約0.1S/m~約4.0S/m、
バッファーの浸透圧が約50mOsm/kg~約1000mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約0.1μM~約100μM
においてエレクトロポレーションが行われる、(1)記載の方法。
ポアリング時間が約2ms~約75ms
である、(2)記載の方法。
バッファーの浸透圧が約50mOsm/kg~約1000mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約0.2μM~約200μM
においてプロテイントランスダクションが行われる、(9)記載の方法。
ポアリング電圧が約120V/cm~約1200V/cm、
ポアリング時間が約1ms~約100ms、
バッファーの導電率が約0.1S/m~約4.0S/m、
バッファーの浸透圧が約50mOsm/kg~約1000mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約0.1μM~約100μM
においてエレクトロポレーションが行われる。かかる条件下において、細胞壁を有する植物細胞の核内にタンパク質を効率良く導入することができる。
ポアリング電圧が約300V/cm~約750V/cm、
ポアリング時間が約2ms~約75ms、
バッファーの導電率が約0.3S/m~約3.0S/m、
バッファーの浸透圧が約100mOsm/kg~約500mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約0.5μM~約100μM
においてエレクトロポレーションが行われる。
ポアリング電圧とポアリング時間の積が約2500ms・V~約25000ms・V、
バッファーの導電率が約0.6S/m~約2.0S/m、
バッファーの浸透圧が約250mOsm/kg~約350mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約1μM~約100μM
においてエレクトロポレーションが行われる。
バッファーの浸透圧が約50mOsm/kg~約1000mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約0.2μM~約200μM
においてプロテイントランスダクションが行われる。かかる条件下において、細胞壁を有する植物細胞の核内にタンパク質を効率良く導入することができる。
バッファーの浸透圧が約100mOsm/kg~約600mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約0.2μM~約200μM
においてプロテイントランスダクションが行われる。
バッファーの浸透圧が約150mOsm/kg~約400mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約0.5μM~約100μM
においてプロテイントランスダクションが行われる。
A.実験方法および材料
(1)Creタンパク質の調製
実験に使用した試薬は特に記載のない限り、富士フィルム和光純薬(日本、大阪)から購入した。エレクトロポレーションに用いるCreタンパク質は、6アミノ酸長のヒスチジンタグ及びシミアンウイルス40由来の核局在化シグナルをN末端に付加したCre遺伝子をコードするプラスミドpET-HNCreを大腸菌BL21(DE3)株に形質転換し、発現させることで作製した。以下に大腸菌を用いた発現、及びタンパク質精製の詳細な手順を示す。形質転換した大腸菌を37℃で3時間振盪培養した後、イソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)を終濃度0.1mMになるように添加し、タンパク質の発現を誘導した。さらに2.5時間振盪培養した後、大腸菌を溶解緩衝液(20mM Tris-HCl、500mM NaCl、10% グリセロール、10mM イミダゾール、1mM フッ化ベンジルスルホニル、1mM ジチオスレイトール、pH8.0)を用いて溶解した。続いてニッケルNTAカラムにCreタンパク質を吸着させ、洗浄緩衝液(20mM Tris-HCl、500mM NaCl、10% グリセロール、20mM イミダゾール、pH8.0)を用いて夾雑物を除いた。Creタンパク質の溶出は溶出緩衝液(20mM Tris-HCl、500mM NaCl、10% グリセロール、500mM イミダゾール、pH8.0)を用いて行った。溶出したCreタンパク質はゲルろ過クロマトグラフィーHiPrep 16/60 Sephacryl S-200 HR(GE healthcare、アメリカ合衆国、イリノイ)及び緩衝液A(20mM HEPES、150mM NaCl、10% グリセロール、1mM ジチオスレイトール、pH7.4)を用いて精製し、液体窒素を用いて瞬時に凍結した後、-80℃で保存した。エレクトロポレーションに使用する際にはHBS(20mM HEPES、150mM NaCl、5mM KCl、25mM グルコース)を用いて透析した。
pRI201(タカラバイオ、日本、滋賀)からプライマー(ACGGCCAGTGCCAAGCTTGATCATGAGCGGAGAATTAAG(配列番号:1)及びTCTGCGAAAGCTCGACCTAGGAAACGATCCAGATCCGGTGCA(配列番号:2))、ならびにPCR法を用いてNOSプロモーターを増幅し、生成されたDNA断片を、HindIII及びXhoIで部分的に切断処理したpCambia-1305.2(Marker Gene Technologies、アメリカ、オレゴン)にInFusion(タカラバイオ)を用いてクローニングし、pCambiaN-GUSとした。さらにpcDNAFRTxE2CxmEmをテンプレートとし、プライマー(GGACTCTTGACCATGTAATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATGTTAACTACATCACAATCACACAAAAC(配列番号:3)及びTTAGTAGTAGCCATGGTCTAGATAACTTCGTATAATGTATGCTATACGAAGTTATGGGCCCCTTATCTTTAATCATATTCCA(配列番号:4))を用いてPCR法で2つのloxP配列に挟まれたGFP断片を増幅し、NcoIで切断処理をしたpCambiaN-GUSにInFusion(タカラバイオ)を用いてクローニングし、pCambiaN-xGxGUSとした。
理研バイオリソースセンター(日本、茨城)より譲渡されたArabidopsis thaliana T87細胞株をNT1培地(30g/L sucrose、0.1mM KH2PO4、1x Murashige Skoog Salt Mixture and Vitamins、2μM 2,4-dichlorophenoxyacetic acid、KOHを用いてpH5.8に調整済)を用いて22℃及び光照射下で振盪培養した。細胞を維持するために、1週間に1度15倍希釈で継代を行った。Agrobacterium tumefaciens(Rhizobium radiobacter)GV3101株は50μg/mL リファンピシン及び30μg/mL ゲンタマイシンを添加したLB培地(Merck、ドイツ、ダルムシュタット)を用いて28℃で振盪培養した。形質転換は50μg/mL リファンピシン、30μg/mL ゲンタマイシン及び50μg/mL カナマイシンを含むLB培地(Merck)中でT-DNAをエレクトロポレーションすることで作製した。T87細胞に対する感染実験には、形質転換したGV3101細胞を50μg/mL リファンピシン、30μg/mL ゲンタマイシン及び50μg/mL カナマイシンを含むLB培地(Merck)中で一晩振盪培養し、B5培地(30g/L スクロース、0.5g/L MES、1x Gamborg’s B5 Salt Mixture and Vitamins、1μM 1-ナフタレン酢酸)で3回洗浄し、OD600値が0.6になるようにB5培地で懸濁したものを用いた。
形質転換を行う2日前からT87細胞をB5培地で振盪培養した。充填細胞容積30μLのT87細胞に対して、OD600値0.6のGV3101形質転換体の懸濁液を終濃度200μMのアセトシリンゴンとともに感染させた。2日間振盪培養した後、GV3101を除去するためにT87細胞を200μg/mL セフォタキシムを含むB5培地で3回洗浄し、同培地中で3日間振盪培養を続けた。
上述の方法で形質転換を行った後、T87細胞を終濃度200μg/mLのセフォタキシム及び20μg/mLのハイグロマイシンを含むCIM寒天培地(0.6% 寒天、30g/L スクロース、0.5g/L MES、1x Gamborg’s B5 Salt Mixture and Vitamins、1μM 1-ナフタレン酢酸、KOHを用いてpHを5.7に調整済)に播種し、2週間培養した。強い緑色蛍光を示す単一コロニーを選択し、終濃度10μg/mLのハイグロマイシンを含むNT1培地に移し、T87細胞と同様の条件で振盪培養した。本細胞株をT87-xGxGUS細胞と呼ぶこととした。
1-5日前にNT1培地に継代したT87-xGxGUS細胞をエッペンチューブに回収し、エレクトロポレーション用のバッファー(Opti-MEM I(Thermo Fisher Scientific、アメリカ合衆国、マサチューセッツ)、PBS(phosphate buffered saline、Thermo Fisher Scientific)、NT1培地、またはB5培地)を用いて1回洗浄した。氷上にて充填細胞容積20μL分のT87-xGxGUS細胞を200μLの各図に示した濃度のCreタンパク質を含むエレクトロポレーション用バッファーで懸濁し、電極間隔が4mmのキュベット電極(ネッパジーン、日本、千葉)に入れた。特に記載のない限り、電圧150V(375V/cm)、パルス幅10ms、パルス間隔50msのポアーリングパルスを5回、電圧20V(50V/cm)、パルス幅50ms、パルス間隔50msのトランスファーパルスを20回の条件でエレクトロポレーションを行った。またエレクトロポレーションの装置にはNEPA21 Type II(ネッパジーン)を使用した。エレクトロポレーション後すぐに2mLのNT1培地で細胞を回収・洗浄し、再度NT1培地で懸濁して振盪培養に供した。
T87-xGxGUS細胞を400mM マンニトールで洗浄し、プロトプラスト化酵素溶液(20mM MES、400mM マンニトール、20mM KCl、10mM CaCl2、1.5%(w/v)Onozuka RS(Serva Electrophoresis、ドイツ、ハイデルベルク)、0.25%(w/v)マセロザイム R-10(ヤクルト薬品工業)NaOHを用いてpHを5.7に調整済)で懸濁した。本細胞懸濁液22℃、暗所で4時間振盪培養した後、半容量の200mM CaCl2を添加することで酵素反応を停止させ、プロトプラストを回収した。
生細胞の細胞膜は透過せず、死細胞の膜のみを透過する性質を持つエバンスブルーを用いて、エレクトロポレーション1時間後に細胞毒性を評価した。細胞を水で1回洗浄した後、0.05%(w/v)のエバンスブルー染色液を用いて室温で15分間染色した。染色後水で1回以上洗浄し、50%(v/v)メタノール、1%(w/v)SDSを用いてエバンスブルーを抽出した。本抽出液の595nmにおける吸光度をNanoDrop ONE(Thermo Fisher Scientific)を用いて測定することで、細胞毒性を定量した。
GUSタンパク質の発現を可視化するために、細胞を0.5mg/mLのX-グルクロニド(X-Gluc、Carbosynth、イギリス、バークシャー)を含む染色用緩衝液(20%(w/v)メタノール、50mM NaH2PO4、pH 7.0)に浸漬し、37℃で30分間染色した。染色後、上清を70%(w/v)エタノールに置換することで反応を停止させ、位相差顕微鏡(Nikon、日本、東京)を用いて染色画像を取得した。
エレクトロポレーション後2日間振盪培養した細胞をKOHでpH7.0に調整したNT1培地で1回洗浄した。充填細胞容積5μL分の細胞を終濃度10μMの6-クロロ-4-メチルウンベリフェリルβ-D-クルクロニド(CMUG、Glycosynth、イギリス、チェシャ―)を含む100μLのNT1培地(pH7.0)に懸濁し、96-well black plate(Thermo Fisher Scientific)に移した。蛍光強度は355nmの光で励起した際の460nmの蛍光をWallac 1420 ARVOsx(PerkinElmer、アメリカ合衆国、マサチューセッツ)を用いて測定した。さらにGUS活性を標準化するためにエレクトロポレーションに用いた細胞と同量の細胞におけるクロロフィル量の定量を実施した。クロロフィルは充填細胞容積5μL分の細胞を50μLのN、N-ジメチルホルムアミドに4℃及び暗条件で6時間浸漬することにより抽出した。本抽出液の646nm及び664nmにおける吸光度をNanoDrop ONE(Thermo Fisher Scientific)を用いて測定し、先行研究(Porra, R. J. et al., Biochim. Biophys. Acta-Bioenerg. 975, 384-394 (1989))と同様の手法でクロロフィル量を算出した。さらに1分間当たりの蛍光強度の増加量をクロロフィルa及びbの重量(μg)で割ることで、標準GUS活性を算出した。
エレクトロポレーション後2日間振盪培養した細胞をゲノムDNA抽出液(250mM NaOH、0.1% Tween20)に浸漬し、98℃で10分間処理することでゲノムDNAを抽出した。さらに本溶液に半量の1M Tris-HCl(pH6.5)を添加し、遠心後上清を採取し、これをゲノムDNA溶液とした。本DNAをテンプレートとし、レポーターカセットを標的とするプライマー(TCCTTCGCAAGACCCTTCCTC(配列番号:5)及びGGATGGCAAGAGCCAAATGCTTAG(配列番号:6))及びMightyAmp DNA Polymerase Ver.3(Takara Bio)を用いてPCRを行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳動した。さらにゲルをGelGreen(Biotium、アメリカ合衆国、カリフォルニア)で染色した後、ChemiDoc XRS+ system(Bio-Rad、アメリカ合衆国、カリフォルニア)を用いて撮影した。Creタンパク質による相同組換え効率は下記の計算式を用いて算出した。
a、bはそれぞれ、相同組換えされたDNA増幅産物のバンド強度及び相同組換えされていないDNA増幅産物のバンド強度を表す。
全ての測定値は標準誤差付きの平均値を示す。
(1)T87レポーター細胞の作製
Creリコンビナーゼが細胞内に導入されたかどうかを検証するために、レポーター細胞、T87-xGxGUS細胞を樹立した。本細胞を作製するためにプロモーター、loxP配列、GFP遺伝子、転写終結シグナル、loxP配列、GUS遺伝子を順番にコードするpCambiaN-xGxGUSを形質転換したAgrobacteriumを作製し、T87細胞に感染させることで上述のレポーターカセットをゲノムDNAに組み込んだ。Creリコンビナーゼが本細胞株の核内に導入され、2箇所のloxP配列間で相同組換えが起こると、発現するタンパク質がGFPからGUSに切り替わる(図1)。GUSの発現は青色の染色試薬であるX-Glucや蛍光基質であるCMUGを用いて容易に可視化・検出することが可能であるため、GUSタンパク質の検出によりCreリコンビナーゼの核内への導入及び相同組換え活性を評価することができる。
樹立したT87-xGxGUS細胞を用いて、細胞壁を有する状態のT87細胞に対してエレクトロポレーション法によるCreリコンビナーゼの導入を試みた。エレクトロポレーションにはネッパジーン社より販売されているNEPA21 Type IIを使用した。PBSやNT1培地、B5培地やOpti-MEMIなど様々なバッファーを用いてエレクトロポレーションを行い、1時間後に細胞毒性の評価を、2日後にGUS活性の評価を行った。その結果、図2に示すように、NT1培地ないしB5培地を用いてエレクトロポレーションした場合には、ほとんどの細胞においてGUSの発現が観察されてなかった。PBSを用いてエレクトロポレーションした場合にはNT1培地やB5培地を用いた場合と比較して多くの細胞がGUSを発現していたが、非常に高い細胞毒性が観察された。一方で驚くべきことに、Opti-MEMIを用いてエレクトロポレーションした場合、細胞毒性がほとんど観察されないにも関わらず、非常に多くの細胞がGUSを発現していた。本実験から、Opti-MEMIを用いてエレクトロポレーションを行うことで、細胞壁を有するT87細胞に対するCreリコンビナーゼの導入が達成された。Opti-MEM Iは無機塩だけでなく、アミノ酸やビタミンといった細胞内に存在する数多くの有機物を含有しており、これらの成分が細胞毒性の低減及びエレクトロポレーション効率の向上に寄与していると考えられる。
Opti-MEM I:1.11
PBS:1.18
NT1:0.54
B5:0.34
[浸透圧(mOsm/kg)]
Opti-MEM I:285
PBS:281
NT1:203
B5:168
(3)ポアリングパルスの各条件がエレクトロポレーション効率に与える影響
エレクトロポレーションによる外来物質の導入効率は、ポアリングパルスの電気的条件に大きく依存することが知られている。そこでNEPA21 TypeIIを用いて、ポアリングパルスの各条件(電圧、パルス幅、パルス数)を変化させたときのエレクトロポレーション効率を評価した。なお、本実験における電圧の100Vは250V/cmに相当し、150Vは375V/cmに相当し、200Vは500V/cmに相当し、250Vは625V/cmに相当する。本実験ではCMUGを用いてGUS活性を評価することで、間接的にエレクトロポレーション効率を評価した。その結果、ポアリングパルスの電圧増加依存的に、GUS活性が増大する様子が観察された(図3a)。またパルス幅についても同様に、パルス幅の増加依存的にGUS活性が増大した(図3b)。一方でパルス数を変化させた場合には、パルス数依存的なGUS活性の変化はほとんど観察されなかった(図3c)。これらの実験結果から、細胞壁を有する植物細胞に対してタンパク質をエレクトロポレーションする場合、ポアリングパルスの電圧及びパルス幅が重要であり、電圧ないしパルス幅、もしくはその両方を増加させることでより多くのタンパク質を導入可能であることが明らかとなった。
DNAやRNA、タンパク質のような外来性の生体材料を細胞内に導入する場合、これらの材料の濃度が非常に重要である。そこで植物細胞に対するタンパク質のエレクトロポレーション系においても、タンパク質の濃度がエレクトロポレーション効率に与える影響を評価した。Creリコンビナーゼの濃度を0.01μMから5μMまで変化させてエレクトロポレーションを行い、2日後にGUSを発現する細胞の割合を評価したところ、図4に示すようにCreリコンビナーゼの濃度依存的にGUS発現細胞が増加する様子が観察された。また蛍光測定を用いてGUS活性を評価したところ、GUS染色の結果と同様に、Creリコンビナーゼの濃度依存的にGUS活性が増大する様子が観察された(図4)。また、Creリコンビナーゼ濃度を0.2μMから0.5μMに増やした際に、顕著にGUS発現が増大した(図4)。これらの実験結果から、タンパク質の濃度は植物細胞に対するタンパク質のエレクトロポレーション系においても非常に重要な要素であり、効率的にタンパク質を導入するためにはタンパク質濃度を0.5μM以上にする必要があることが明らかとなった。また、HNCreでは核局在シグナルがCreタンパク質に融合されているが、核局在シグナルの無いHCreにおいても同様の条件下においてタンパク質が導入されていることを見出した(図4下)。したがって本手法は、植物細胞の核内にタンパク質を導入する手法として有効であることが明らかとなった。
図5に示すように、レポーターカセット中の2箇所のloxP配列を含む領域をPCRで増幅することで、Creリコンビナーゼの相同組換え効率を算出した。その結果、エレクトロポレーション法を用いて5μMのCreリコンビナーゼを導入することで、全レポーターカセットのうち79.4%で相同組換えが起こっていることが明らかとなった。本実験結果から、少なくとも79.4%の細胞にCreリコンビナーゼが導入されており、本法は細胞壁を有する植物細胞に対してタンパク質を導入する上で非常に効率的な手法であることが示された。
さらに、Cas9タンパク質が核内に送達され、ゲノム編集できるかどうかを検証した。シロイヌナズナ内在性のADH1遺伝子に対して、2種類のガイドRNAとCas9タンパク質を混合した後、上記と同様にエレクトロポレーションした。2種類のガイドRNA及びCas9タンパク質が同時にゲノムDNAを切断すると、194bpの欠失が生じる。エレクトロポレーション後のゲノムDNAを回収して、PCRを行なったところ、期待通りの欠失が生じていることが確認された(図6)。
上記の実施例では、エレクトロポレーションにより、細胞膜や細胞壁に物理的な細孔をあけることによって導入を試みた。本実施例では、特殊な装置や試薬を用いることなく、タンパク質をプロテイントランスダクションにより核内に直接導入した実験について述べる。
本発明の方法(エレクトロポレーション、プロテイントランスダクション)および従来の方法(アグロバクテリウムによる感染)を比較した。エレクトロポレーションは実施例1に記載の方法に準じて行った。プロテイントランスダクションは実施例2に記載の方法に準じて行った。アグロバクテリウムによる感染は常法により行った。
(1)ZF-ND1およびZF-FokIの発現ベクターの構築
N末端にHisタグを含むpET-MCSプラスミドのXhoIサイトおよびSalIサイトを切断し、ZF-ND1断片を挿入した。ZF-ND1断片には、各局在シグナルNLS、Zinc-Finger(以下ZFと省略)、およびヌクレアーゼドメインND1を含む。ZFとしては、2種類の配列を認識するドメインを用いた。一つはZFA36であり、12塩基対のDNA配列GAAGCTGGTを認識する。もう一つはZFL1であり、12塩基対のDNA配列CAAGGAGACを認識する。したがって、ZF(ZFA36A)-ND1、およびZF(ZFL1)-ND1を発現するプラスミドとして、pET-ZF(ZFA36A)ND1、およびpET-ZF(ZFL1)ND1をそれぞれ作成した。
ZF-ND1またはZF-FokIを発現するpETプラスミド、並びにpRARE2(ストラタジーン社)を大腸菌株BL21(DE3)へ形質転換し、カナマイシンおよびクロラムフェニコールを含むLB培地にて培養した。形質転換した大腸菌を37℃でOD(600nmにおける吸光度)が0.6になるまで培養した後、18℃にて1時間培養した。イソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)を終濃度0.1mMになるように添加し、タンパク質の発現を誘導した。さらに18℃にて17時間振盪培養した後、大腸菌を溶解緩衝液(20mM Tris-HCl、500mM NaCl、10% グリセロール、10mM イミダゾール、1mM フッ化ベンジルスルホニル、1mM ジチオスレイトール、pH8.0)を用いて溶解した。続いてニッケルNTAカラムにタンパク質を吸着させ、洗浄緩衝液(20mM Tris-HCl、500mM NaCl、10% グリセロール、20mM イミダゾール、pH8.0)を用いて夾雑物を除いた。タンパク質の溶出は溶出緩衝液(20mM Tris-HCl、500mM NaCl、10% グリセロール、500mM イミダゾール、pH8.0)を用いて行った。溶出したタンパク質の一部は、タンパク質収量の解析のために、SDSサンプルバッファーに溶解させた。溶出したタンパク質はゲルろ過クロマトグラフィーHiPrep 16/60 Sephacryl S-200 HR(GE healthcare、アメリカ合衆国、イリノイ)及び緩衝液A(20mM HEPES、150mM NaCl、10% グリセロール、pH7.4)を用いて精製し、液体窒素を用いて瞬時に凍結した後、-80℃で保存した。タンパク質収量の解析のため、イミダゾール溶出したタンパク質画分および、最終精製されたタンパク質をSDSサンプルバッファーに溶解させてSDS-PAGEにより電気泳動を行なった。電気泳動の際には、既知濃度のBSAタンパク質を別レーンに泳動し、PAGE後のゲルをクマシー染色して目的のタンパク質分子量のバンドをChemiDoc XRS+により定量化し、タンパク質の分子量からタンパク質の収量を解析した。
(1)レポーター細胞の構築
ZF-ND1またはZF-FokIの活性を評価するため、DNA切断後のSSA(single-strand annealing: 一本鎖アニーリング)が誘導された場合に、完全長2.1kbのGUS(β-glucuronidase: グルクロニダーゼ)遺伝子が発現するレポーター細胞を構築した。具体的には、GUS遺伝子の上流から1.8kb、ZFA36の認識配列(GAAGCTGGT)、およびGUS遺伝子の下流から0.8kbをpCAMBIA1305.2(Marker Gene社)へ導入した。上記GUS遺伝子の上流から1.8kb、およびGUS遺伝子の下流から0.8kbは、500bpを共通配列(オーバーラップ領域)として有する。このベクターをアグロバクテリウムを介して、シロイヌナズナT87培養細胞株(理化学研究所)へ形質転換し、樹立した細胞株をT87-GUUS(ZFA36)とした。GUSの発現は青色の染色試薬であるX-Glucを用いて容易に可視化・検出することが可能であるため、GUSタンパク質の検出によりZF-ND1またはZF-FokIの核内への導入及びSSA誘導活性を評価することができる。
実施例4において作成したタンパク質をエレクトロポレーション法により導入した。樹立したT87-GUUS(ZFA36)細胞を用いて、細胞壁を有する状態のT87細胞に対して、エレクトロポレーション法により、最終濃度0.1-2μMのZF-ND1およびZF-FokIの導入を試みた。エレクトロポレーションにはネッパジーン社より販売されているNEPA21 Type IIを使用し、実施例1.A.(6)の条件で実施した。Opti-MEMIバッファーを用いてエレクトロポレーションを行い、2日後にGUS活性の評価を行った。その結果、図9に示すように、Opti-MEMIを用いてエレクトロポレーションした場合、非常に多くの細胞がGUSを発現していた。
実施例4で作成したタンパク質を用いて、プロテイントランスダクション法による導入を試みた。すなわち細胞壁を有するT87-GUUS(ZFA36)を含む培養培地(Opti-MEM(登録商標)I)に対して、最終濃度0.1-2μMのZF(ZFA36A)-ND1タンパク質もしくはZF(ZFA36A)-FokIタンパク質を添加した後、1時間後に培養培地で洗浄し、3日間の培養を行なった。タンパク質を添加時には、プロテアーゼ処理等の生化学的な処理や、エレクトロポレーション等の物理化学的な処理は、まったく行っていない。したがって、タンパク質の自発的な取り込みを期待したものである。その結果、図10に示すように、エレクトロポレーション法と比較して少ない割合ではあるが、プロテイントランスダクション法によりZF(ZFA36A)-ND1タンパク質およびZF(ZFA36A)-FokIタンパク質が取り込まれて、ゲノム編集可能であることが明らかとなった。プロテイントランスダクション法を用いた場合、ZF(ZFA36A)-ND1の活性はZF(ZFA36A)-FokIを比較して、同等もしくはそれ以上の活性であった。
(1)レポーター植物個体の構築
野生型のシロイヌナズナを開花状態まで栽培し、pCambiaN-xGxGUSを保持するAgrobacterium GV3101株の培養液を用いて、フローラルディップ法により形質転換を行った。形質転換された植物体は、ハイグロマイシンを含む培地において栽培し、GFPの緑色蛍光を示す個体を選抜した。この植物個体をAt-xGxGUSと名付けた。
プロテイントランスダクションは実施例2に記載の方法に準じて行った。シロイヌナズナAt-xGxGUS株の種子をMSアガロース培地(1x MS salts, 1x MSビタミン, 1% スクロース, 0.5% agar)上にて発芽させ1週間後、一部の個体に対して2μMのCreタンパク質溶液を1時間浸漬させた後、2日間培養を行い、GUS染色を行った(実験a)。さらに一部の植物については根部分を切り出して根片とし、2μMのCreタンパク質溶液を1時間浸漬させた後、CIM培地にてカルス誘導を行った(実験b)。1週間後、SIM培地上にてシュート(茎とその上部組織)を誘導した。さらに2週間後、シュート片をRIM培地に移植して根を誘導した。一部の植物組織に対しては、この時点でGUS染色を行った(実験b)。残りの植物組織に対しては、開花および結種まで栽培し、種子を取得した。この種子をB5アガロース培地上にて発芽させ1週間後、GUS染色を行った(実験c)。
結果を図11に示す。
Claims (10)
- プロテイントランスダクションを用いることを特徴とする、全体が細胞壁で覆われた植物細胞の核内にタンパク質(但し、細胞膜透過性ペプチドとの融合タンパク質を除く)を導入する方法であって、
下記の条件下:
バッファーの浸透圧が約150~約400mOsm/kg、および
タンパク質の濃度が約0.2μM~約200μM
においてプロテイントランスダクションが行われる方法。 - タンパク質の濃度が約0.5μM~約100μMである、請求項1記載の方法。
- 請求項1または2に記載の方法を用いて、全体が細胞壁で覆われた植物細胞の核内にゲノム編集酵素を導入することを特徴とする、ゲノム編集方法。
- 請求項1または2に記載の方法を用いて、全体が細胞壁で覆われた植物細胞の核内にゲノム改変酵素を導入することを特徴とする、ゲノム改変方法。
- エレクトロポレーションを用いることを特徴とする、全体が細胞壁で覆われた植物細胞の核内にタンパク質を導入する方法であって、
下記の条件下:
ポアリング電圧が約400V/cm~約650V/cm、
ポアリング時間が約10ms~約50ms、
ボアリングパルスの回数が2回以上、
バッファーが無機塩、アミノ酸、ビタミンを含む、
バッファーの導電率が約0.6S/m~約2.0S/m、および
バッファーの浸透圧が約250mOsm/kg~約350mOsm/kg
においてエレクトロポレーションが行われる方法。 - タンパク質の濃度が約0.5μM~約100μMである、請求項5に記載の方法。
- バッファーとしてイーグル最小必須培地またはその改変培地を用いる、請求項5または6に記載の方法。
- バッファーとしてOpti-MEM(登録商標)Iを用いる、請求項7に記載の方法。
- 請求項5~8のいずれか1項記載の方法を用いて、全体が細胞壁で覆われた植物細胞の核内にゲノム編集酵素を導入することを特徴とする、ゲノム編集方法。
- 請求項5~8のいずれか1項記載の方法を用いて、全体が細胞壁で覆われた植物細胞の核内にゲノム改変酵素を導入することを特徴とする、ゲノム改変方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018193751 | 2018-10-12 | ||
JP2018193751 | 2018-10-12 | ||
PCT/JP2019/033139 WO2020075399A1 (ja) | 2018-10-12 | 2019-08-23 | 植物細胞の核内へのタンパク質導入法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2020075399A1 JPWO2020075399A1 (ja) | 2021-09-09 |
JP7178122B2 true JP7178122B2 (ja) | 2022-11-25 |
Family
ID=70164713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020550019A Active JP7178122B2 (ja) | 2018-10-12 | 2019-08-23 | 植物細胞の核内へのタンパク質導入法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7178122B2 (ja) |
WO (1) | WO2020075399A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024116373A1 (ja) * | 2022-12-01 | 2024-06-06 | 国立大学法人広島大学 | Dnaを二本鎖切断するヌクレアーゼドメイン |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018143480A1 (ja) | 2017-01-31 | 2018-08-09 | 日本たばこ産業株式会社 | 植物に物質を導入する方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1156360A (ja) * | 1997-08-27 | 1999-03-02 | Iwate Pref Gov | エレクトロポレーションによる遺伝子導入法 |
JPH11103858A (ja) * | 1997-10-01 | 1999-04-20 | Tr Tec Kk | エレクトロポレーションによるdna導入方法 |
-
2019
- 2019-08-23 JP JP2020550019A patent/JP7178122B2/ja active Active
- 2019-08-23 WO PCT/JP2019/033139 patent/WO2020075399A1/ja active Application Filing
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018143480A1 (ja) | 2017-01-31 | 2018-08-09 | 日本たばこ産業株式会社 | 植物に物質を導入する方法 |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
Am. J. Physiol.,1991年02月,Vol.260,pp.C355-C363 |
Biotechnology in Agriculture,1988年,pp.175-202 |
Plant Cell Physiol.,2005年,Vol.46, No.3,p.482-488 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2020075399A1 (ja) | 2021-09-09 |
WO2020075399A1 (ja) | 2020-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3382019B1 (en) | Method for converting monocot plant genome sequence in which nucleic acid base in targeted dna sequence is specifically converted, and molecular complex used therein | |
Cai et al. | Targeted transgene integration in plant cells using designed zinc finger nucleases | |
Cocking et al. | Gene transfer in cereals | |
US11981901B2 (en) | Method for changing the intercellular mobility of an mRNA | |
JP2015500648A (ja) | 所定の標的核酸配列を修飾するための組成物及び方法 | |
Shalev et al. | The maize transposable element Ac induces recombination between the donor site and an homologous ectopic sequence | |
CN114630910A (zh) | 改善的同源依赖修复基因组编辑 | |
Furuhata et al. | A method using electroporation for the protein delivery of Cre recombinase into cultured Arabidopsis cells with an intact cell wall | |
Khvatkov et al. | Transformation of Wolffia arrhiza (L.) Horkel ex Wimm | |
US11286504B2 (en) | Method to produce protein in Penicillium amagasakiense's sleeping spores by transformation of ssRNA | |
JP2011507505A (ja) | 植物プロトプラストへの変異原性核酸塩基のポリエチレングリコール介在導入を用いる改良された突然変異誘発法 | |
Lacroix et al. | Extracellular VirB5 enhances T-DNA transfer from Agrobacterium to the host plant | |
Mo et al. | Vacuum infiltration enhances the Agrobacterium-mediated transient transformation for gene functional analysis in persimmon (Diospyros kaki Thunb.) | |
JP7178122B2 (ja) | 植物細胞の核内へのタンパク質導入法 | |
WO2019238772A1 (en) | Polynucleotide constructs and methods of gene editing using cpf1 | |
EP2537928B1 (en) | Novel promoter for use in transformation of algae | |
US10407684B2 (en) | Method for direct transformation of exogenous DNA into resting spores of Aspergillus niger independent of mediators | |
EP4243608A1 (en) | Fusion protein for editing endogenous dna of a eukaryotic cell | |
Li et al. | The integrative expression of GUS gene driven by FCP promoter in the seaweed Laminaria japonica (Phaeophyta) | |
Kovalenko et al. | Biotechnological advances of electroporation of grapevine and sugar beet cells | |
Sefasi et al. | Transient expression of β-glucuronidase in recalcitrant ugandan sweetpotato and putative transformation with two cry genes | |
EP3971296A1 (en) | Methods for producing transformed plants | |
US11286505B2 (en) | Method to produce protein in Aspergillus niger's resting spores using SSRNA | |
Chauhan et al. | An improved method for rapid analysis of promoters using modified sonication-assisted transient assay | |
Lindsey et al. | Direct gene transfer into plant protoplasts |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210405 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210413 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210330 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220317 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20220510 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220704 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20220704 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221014 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221107 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7178122 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |