JP7173925B2 - センサー付き吸収性物品の検査方法及び製造方法 - Google Patents

センサー付き吸収性物品の検査方法及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、センサー付き吸収性物品の検査方法及び製造方法に関する。
おむつや尿取りパッド等の吸収性物品に取り付けられ、着用者の排尿の有無や排尿量を検出するセンサーを備えたセンサー付き吸収性物品が知られている。このようなセンサーとして、本出願人は、吸収性物品の履き心地を良好にする観点から、扁平なシート基材の上に複数の電極やそれと接続している導線部等を備えたセンサーを提案している(特許文献1)。
前記センサーは、尿により変化する電気的性質を検知する。このような電気的性質を検知するセンサーは、その品質を維持する観点から、製造工程においてセンサーの電路を構成する導線部と、電極や端子部等の電子部材との接続状態を検査する検査工程を経て製造されることが一般的である。このような接続不良を検出する方法として、例えば、特許文献2には、端子部に温度センサーを取り付けて、接続不良に伴う温度上昇を検知する方法が記載されている。
特開2016-032520号公報 特開2001-286052号公報
特許文献1に記載のシート状のセンサーは、複数の電極と導線部とからなるセンサー素子を有しているが、これらセンサー素子が多い程、測定感度が良好となる反面、電極と導線部との接続箇所が増える。このようなセンサーは、全ての接続箇所を逐一検査する必要があるため、該接続箇所が多ければ多い程、その接続不良の検査に手間と時間が掛かってしまう。特許文献2に記載の技術は、複数ある接続箇所の接続状態を効率よく検査して、検査作業を容易とするものではない。そこで、製造されたセンサーの検査を出荷時に行う場合、検査作業の効率化、簡便化が望まれる。
また、センサーを吸収性物品に取り付けた後でセンサーの検査を行う場合、吸収性物品自体が有する柔軟性や弾性部材の伸縮に起因して、厚みの差が生じている状態で検査されることがあった。このような現象を解決するために、例えば支持台に固定した板状物を検査対象物に押し付けてセンサーの検査を行うことがあった。しかし、この場合、板状物の検査対象物への押し付けが不十分であったり、あるいは押し付けが過剰であったりすることに起因して、検査結果のぶれが生じやすかった。そのため、センサーの動作不良を精度良く検査する方法が望まれていた。
従って、本発明の課題は、従来技術が有する上述した解決課題を解決し得る検査方法及び製造方法に関する。
本発明は、複数の正電極どうしが第1導線部を介して電気的に接続された正電極列と、複数の負電極どうしが第2導線部を介して電気的に接続された負電極列と、これらの電極列に電気的に接続され且つ外部の検査装置を接続可能な接続端子部とを有するセンサーを備えるセンサー付き吸収性物品の検査方法であって、
前記吸収性物品を平面上に配置して、前記接続端子部と前記検査装置とを接続する工程と、
テストボードと前記センサーとが対向するように積層して、該テストボードの自重を前記正電極列及び前記負電極列に負荷する工程と、
前記テストボードの自重を前記正電極列及び前記負電極列に負荷した状態で、前記正電極と前記負電極との間のインピーダンスを測定する工程とを有する、センサー付き吸収性物品の検査方法を提供するものである。
また本発明は、表面シート、裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備する吸収性本体と、センサーとを備えるセンサー付き吸収性物品の製造方法であって、
前記センサーの欠陥の有無を判定する検査工程を備え、
前記センサーは、複数の正電極どうしが第1導線部を介して電気的に接続された正電極列と、複数の負電極どうしが第2導線部を介して電気的に接続された負電極列と、外部の検査装置が接続可能な接続端子部とを備え、
前記検査工程は、前記接続端子部と前記検査装置とを接続する工程と、
テストボードと前記センサーとが対向するように積層して、該テストボードの自重を前記正電極列及び前記負電極列に負荷させた状態で、前記正電極と前記負電極との間のインピーダンスを測定する工程とを含む、センサー付き吸収性物品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、吸収性物品に備えられた複数の電極を有するセンサーの不良を簡便且つ短時間で精度良く検査することができる。
図1(a)及び(b)は、本発明の検査方法の検査対象となるセンサー付き吸収性物品の一例を示す平面図である。 図2は、図1に示すセンサー付き吸収性物品が備えるセンサーの一例を示す模式図である。 図3は、図1(b)におけるI-I線における拡大断面図である。 図4は、本発明の検査方法に好適に用いられる検査装置の一例を示す模式図である。 図5は、図4に示す検査管理装置の構成例を示す概略図である。 図6(a)及び(b)は、本発明の検査方法の一実施形態における、センサー付き吸収性物品と検査処理装置との配置位置を示す斜視図である。 図7(a)及び(b)は、本発明の検査方法を説明するセンサーSの拡大模式図である。 図8(a)ないし(c)は、本発明の検査方法の別の実施形態における、センサー付き吸収性物品と検査処理装置との配置位置を示す斜視図である。 図9(a)及び(b)は、本発明の検査方法の更に別の実施形態における、センサー付き吸収性物品と検査処理装置との配置位置を示す斜視図である。 図10(a)及び(b)は、本発明の検査方法の更に別の実施形態における、センサー付き吸収性物品と検査処理装置との配置位置を示す斜視図である。 図11は、本発明の検査方法を説明するセンサーSの拡大模式図である。 図12は、図4及び図5に示す装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。まず、本発明の検査方法の検査対象となるセンサー付き吸収性物品を図1(a)及び(b)を参照して説明する。以下の説明では、センサー付き吸収性物品1を単に「尿取りパッド1」ともいう。図1(a)は、尿取りパッド1をその肌対向面側から見た平面図を示し、図1(b)は、尿取りパッド1をその非肌対向面側から見た平面図を示す。なお、図1(b)では、尿取りパッド1の一部の部材を剥離した状態を示している。
尿取りパッド1は、図1(a)及び(b)に示すように、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有する縦長の形状をしている。尿取りパッド1は、着用者の股間部に配される股下部M並びにその前後に延在する腹側部F及び背側部Rを有する。股下部Mは、幅方向Yの中央部に、吸収性物品の着用時に着用者の***部に対向配置される***部対向部を有している。尿取りパッド1は、該パッド1を幅方向Yに二等分して長手方向Xに延びる中心線に対してほぼ左右対称の形状を有している。
図1(a)及び(b)に示す尿取りパッド1は、着用者の肌対向面側に位置する表面シート2と、非肌対向面側に位置する裏面シート3と、両シート間に介在配置された吸収体4とを備え、これらが吸収性本体1Aを構成している。また図1(b)に示すように、裏面シート3の非肌対向面には、着用者が***した尿等の体液の有無を検知可能なセンサーSが設けられている。センサーSは、尿が無い状態(非排尿状態)と、尿がある状態(排尿時)とのインピーダンスの変化を検知することによって、尿等の体液の有無を検知可能となっている。同図に示すセンサーSは、尿取りパッド1の腹側部Fから背側部Rにわたって長手方向Xに延在している。センサーSの詳細については後述する。
表面シート2としては、液透過性を有するシート、例えば、単層又は複層の不織布や穿孔フィルムなどを用いることができる。表面シート2は、その肌対向面側に複数の凸部及び凹部が形成された凹凸形状や、一方向に延びる畝部と溝部とを交互に形成した畝溝形状になっていてもよい。
裏面シート3としては、非導電性(絶縁性)のものが好ましく用いられ、例えば液難透過性のフィルムやスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド積層不織布などを用いることができる。液難透過性のフィルムに、複数の微細孔を設け、該フィルムに水蒸気透過性を付与してもよい。
吸収体4としては、尿取りパッドや使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来使用されているものを用いることができる。例えば、吸収体4は、吸収性コア(図示せず)を備えている。吸収性コアは例えばパルプを初めとするセルロース等の親水性繊維の積繊体、該親水性繊維と吸収性ポリマーとの混合積繊体、吸収性ポリマーの堆積体、2枚の吸収性シート間に吸収性ポリマーが担持された積層構造体などから構成される。吸収性コアは、肌対向面及び非肌対向面のうち一方のみが液透過性のコアラップシートで覆われていてもよく、肌対向面及び非肌対向面を含む表面の全域がコアラップシートで覆われていてもよい。コアラップシートとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
上述の表面シート2、裏面シート3及び吸収体4に加え、図1(a)に示すように、肌対向面側の長手方向Xに沿う両側部に、長手方向Xに沿って延びる一対の防漏カフ5,5を備えていてもよい。防漏カフ5は一般に、基端部と自由端とを備えている。防漏カフ5は、吸収性物品の肌対向面側に基端部を有し、肌対向面側から起立している。防漏カフ5は、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成されている。防漏カフ5の自由端又はその近傍には、糸ゴム等からなる弾性部材5Aを伸長状態で配してもよい。吸収性物品の着用状態においてこの弾性部材が収縮することによって、防漏カフ5が着用者の身体に向けて起立するようになり、表面シート2上に***された液が、表面シート2上を伝い吸収性物品の幅方向外方へ漏れ出すことが効果的に阻止される。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
図2には、センサーSの一実施形態が示されている。裏面シート3の非肌対向面に設けられたセンサーSは、同図に示すように、該センサーSを構成する複数の電極として、略同形の矩形形状に形成された複数の正電極21a及び複数の負電極21bをそれぞれ有している。複数の正電極21aは、正電極21aどうしが第1導線部21cを介して電気的に接続されており、これらが導電性の正電極列21Aを形成している。同様に、複数の負電極21bは、負電極21bどうしが第2導線部21dを介して電気的に接続されており、これらが導電性の負電極列21Bを形成している。正電極列21A及び負電極列21Bの一方の端部側にはそれぞれ、外部の検査装置を接続可能な導電性の接続端子部25A,25Bが電気的に接続されている。同図に示す正電極21aどうし及び負電極21bどうしは、各導線部21c,21dを介してそれぞれ直列で接続されているが、並列で接続されていてもよい。正電極列21A及び負電極列21Bの延在方向は、尿取りパッド1の長手方向Xと一致しており、正電極列21A及び負電極列21Bの延在方向と直交する方向は、尿取りパッド1の幅方向Yと一致している。
図2においては、センサーSは、正電極列21A及び負電極列21Bが互いに平行に配されており、幅方向Yに沿って見たときに、二列の負電極列21Bが、幅方向Yに隣り合う二列の正電極列21Aを挟むように配されている。複数の正電極21a及び複数の負電極21bは、これらを長手方向Xに沿って見たときに、個々の正電極21aと個々の負電極21bとが互いに隣り合った状態に配置されている。また同図に示す各正電極列21A,21Aは、これらを電気的に接続する正電極列接続部21Dを更に有している。このような構造を有するセンサーSは、平面視において、センサーS全体を腹側部Fから長手方向Xに沿って見たときに、正電極列接続部21D、正電極21a及び負電極21bを含む繰り返し単位を長手方向Xに複数有する巨視的なパターン形状となっている。図2に示すセンサーSは、センサーSを幅方向Yに二等分して長手方向Xに延びる中心線CL2に対してほぼ左右対称の形状を有している。図2においては、正電極列21A及び負電極列21Bは、それぞれ2列形成されている。各電極列21A,21Bの列数は、正電極21a及び負電極21bの寸法によって適宜変更可能であり、具体的には、各電極列21A,21Bの列数は、それぞれ独立して、好ましくは1列以上、より好ましくは2列以上、また、好ましくは16列以下、より好ましくは15列以下である。
尿取りパッド1が備えるセンサーSは、センサーSに対して時間と共に周期的に変化するような電圧(交流電圧)を印加して、高周波のインピーダンスを検出することで、高精度のインピーダンス変化の検知、即ち高精度の排尿の検知が可能になっている。センサーSは、排尿によるインピーダンスの変化を検知した各センサーSの位置に基づいて尿の広がりを検知することができ、該尿の広がりから、所定の計算式を用いることで尿の吸収量や排尿量等を求めることができる。
図2においては、二列の正電極列21Aは、長手方向Xの一方の端部において、正電極列接続部21Dを介して、一個の正電極側接続端子部25Aに接続されている。すなわち、二列の正電極列21Aは、一個の正電極側接続端子部25Aを共用している。正電極列21Aに接続された接続端子部25Aは、センサーSの平面視における幅方向Yの中央領域に配置された構成となっている。また、同図に示す負電極列21Bは、各列ごとに一個の負電極側接続端子部25Bが接続されているが、この形態に限られず、二列の負電極列21Bが一個の負電極側接続端子部25Bを共用する態様となっていてもよい。
説明の便宜上、図2に示すセンサーSは、外部の検査装置の正極に接続される電極、電極列及び接続端子部をそれぞれ「正電極」、「正電極列」及び「正電極側接続端子部」とし、該検査装置の負極に接続される電極、電極列及び接続端子部をそれぞれ「負電極」、「負電極列」及び「負電極側接続端子部」としているが、この形態に限られない。つまり、図2に示す正電極21a、正電極列21A及び正電極側接続端子部25Aに対して、外部の検査装置の負極を接続し、且つ同図に示す負電極21b、負電極列21B及び負電極側接続端子部25Bに対して、外部の検査装置の正極を接続してもよい。いずれの場合であっても、本発明の検査方法は適用可能である。
センサーの感度向上の観点から、センサーSは、その長手方向Xに、正電極21aが正電極列21Aの一列当たり1個以上配されていることが好ましく、正電極21aが正電極列21Aの一列当たり1個以上25個以下配されていることがより好ましい。同様の観点から、センサーSは、その長手方向Xに、負電極21bが負電極列21Bの一列当たり1個以上配されていることが好ましく、負電極21bが負電極列21Bの一列当たり1個以上25個以下配されていることがより好ましい。また、吸収性物品の厚み方向における通気性向上の観点から、センサーSの導通及び感度を損なわない範囲で、正電極21a及び負電極21b、並びに正電極列接続部21Dにはそれぞれ、これらを厚み方向に貫通する貫通孔21pが一個以上設けられていることも好ましい。
図1(b)に示すように、尿取りパッド1は、センサーSにおける正電極列21A及び負電極列21Bの非肌対向面側を保護する目的で、好ましくはセンサーSを被覆する寸法を有する被覆シート7が更に設けられていてもよい。同図に示す被覆シート7は、裏面シート3の非肌対向面側に配されており、尿取りパッド1の非肌対向面を構成している。裏面シート3と被覆シート7との間には、正電極列21A及び負電極列21Bが介在している。本実施形態では、粘着剤や接着剤等の接合手段(図示せず)が被覆シート7における裏面シート3の非肌対向面と対向する面の一部又は全体に配されており、センサーSを被覆するように、被覆シート7を尿取りパッド1の非肌対向面側に保持できるようになっている。被覆シート7は、良好な通気性及び肌触りを得る観点から、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布、エアースルー不織布等の各種製法により製造された不織布から構成されていることが好ましい。被覆シート7を更に設ける場合、同図に示すように、各接続端子部25A,25Bはともに露出した状態とすることが、後述する検査の精度向上及び簡便性の観点から好ましい。また、正電極列21A及び負電極列21Bは、後述する基材27上に形成されていることも好ましい。
複数の負電極21bは、後述する各検査工程を行う際には、負電極側接続端子部25Bを介してアースされていることが好ましく、センサーSにおける長手方向Xに延びる中心線CL2を基準として最も外方に位置する負電極21bがアースされていることがより好ましい。このような位置に配された負電極21bをアースすることにより、センサーSは、外部ノイズの侵入を軽減することができ、後述する検査精度の向上や、あるいは出荷後の実使用時の測定精度を向上させることが可能になる。
正電極列21A及び負電極列21Bは、導電性材料を含んで構成されている。導電性材料20としては、例えば、導電性インク、導線糸、導電性シート、導電性テープ、導電布、導電性メッシュ、導電性両面テープ、金属箔等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。尿取りパッド1に導電性材料を保持させる方法は、使用する導電性材料の種類等に応じて適宜選択すればよく、例えば、上述した裏面シート3に対して導電性材料を印刷又は蒸着した態様としてもよく、被覆シート7又は電気絶縁性フィルム等の基材に対して、導電性材料を印刷又は蒸着させたあと、該基材を裏面シート3に付着させた態様としてもよい。
上述した態様のうち、正電極列21A及び負電極列21Bは、導電性材料として導電性インクを用いて、印刷によって形成されていることが好ましい。このような方法で行うことによって、製造工程の簡素化、製造コストの低廉化を図ることが可能となる。正電極列21A及び負電極列21Bを印刷によって形成する場合の印刷方法は特に制限されず、例えば、インクジェット印刷、ロータリー印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等が挙げられる。正電極列21A及び負電極列21Bは、例えば図2に示す所定の形状となるように塗布することによって形成してもよく、印刷対象物の全面に印刷したあと、その後、図2に示すような所定の形状となるように不要部分を除去して形成したものであってもよい。
本実施形態では、図3に示すように、正電極列21A及び負電極列21Bは、ポリエチレンテレフタレート又は低密度ポリエチレン等の原料からなる電気絶縁性のシート状の基材27の一方の面に形成され、正電極列21A及び負電極列21Bが基材27に接していない側の面は尿取りパッド1の非肌対向面側に向くように配されている。また、基材27の他方の面には、被覆シート7が備えられている。基材27は、正電極列21A及び負電極列21Bの平面視形状と略同形状に形成されており、正電極列21A及び負電極列21Bが厚み方向Zに存在しない部位には基材27が存在していない。これに代えて、正電極列21A及び負電極列21Bを含むセンサーSの一方の面の全域を被覆して、正電極列21A及び負電極列21Bが存在しない部位に基材27が露出するような形状となっていてもよい。
導電性インクとしては、少なくとも導電性材料及び液媒体を含有し、更に必要に応じ、分散剤、バインダ、樹脂、硬化剤等を含有するものを用いることができる。導電性物質としては、例えば、銀や銅等の金属粉末、カーボン粉末(カーボンブラック)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。液媒体としては、常圧における沸点が80℃以上100℃以下のものを用いることが好ましく、具体的には例えば、ドデカン、テトラデカン、テルピネオール、n-ヘプタン、PGMEA等の有機溶媒、水、水溶性溶媒、又はこれらの混合物が挙げられる。導電性インクにおける液媒体の含有量は、該インクの全質量に対して、好ましくは10質量%以上80質量%以下である。
各接続端子部25A,25Bは、例えば導電性を有する金属製のスナップを用いることができる。これに加えて、又はこれに代えて、各接続端子部25A,25Bは、金属製のコネクター、ファスナー、面ファスナー(マジックテープ(登録商標)等)、ねじ、フック、噛み込み式の留め具等が用いられてもよい。
以下に、本発明のセンサー付き吸収性物品の検査方法について説明する。本発明の検査方法は、センサー付き吸収性物品1(尿取りパッド1)を平面上に配置して、接続端子部と検査装置とを接続する工程と、テストボード62とセンサーSとが対向するように積層して、テストボード62の自重を正電極列21A及び負電極列21Bに負荷する工程と、テストボード62の自重を正電極列21A及び負電極列21Bに負荷した状態で、正電極と負電極との間のインピーダンスを測定する工程とを有する。以下の説明では、特に断りのない限り、正電極側接続端子部25A及び負電極側接続端子部25Bを総称して、「接続端子部25」ともいう。
詳細には、本発明の検査方法は、電極間に生じたインピーダンスを測定することによって、センサーSの動作不良を生じる欠陥の有無を判定する。センサーSの動作不良の原因となる欠陥の態様としては例えば、断線、欠損、破損、形成不良(電極等の印刷不良)等に起因した、正電極21aと第1導線部21cとの間、及び負電極21bと第2導線部21dとの間の少なくとも一方に生じている導通不良が挙げられる。インピーダンスを測定して、得られた測定値から、上述した現象のいずれもが生じていないと判定されれば、センサーSの動作不良を生じる欠陥は無いので、センサーS、あるいはセンサーS付き吸収性物品は良品であると判定される。これに対して、インピーダンスを測定し、その変化を対比することによって、上述の現象のいずれか生じていると判定されれば、センサーSの動作不良を生じる欠陥が存在するので、センサーS、あるいはセンサーS付き吸収性物品は不良品であると判定される。
本発明の検査方法に好適に用いられる検査装置の一例を図4ないし図6に示す。図4に示す検査装置100は、センサーSの動作の良否を判定するためのものである。検査装置100は、検査管理装置40と、検査処理装置50とを備えている。検査処理装置50は、正電極列21A及び負電極列21Bに荷重を負荷させるテストボード62を備えるテストユニット60と、検査対象であるセンサーSを備える吸収性物品(尿取りパッド1)が載置される載置ユニット70とを有している。
検査装置100において、検査管理装置40及び検査処理装置50は、例えば、図5に示す構成を有していることが好ましい。検査管理装置40は、検査処理装置50に動作不良の検査を行わせ、該検査処理装置50から出力される測定結果に基づいて、動作不良を検出することができる。
検査管理装置40は、検査処理動作の制御や、検査結果に基づく動作不良の判定処理等を行う制御部41と、検査条件や検査結果等のデータが記憶される記憶部42とを有している。
制御部41は、検査処理部411と、動作不良判定部412と、動作不良箇所特定部413と、出力部414とを備えている。インビーダンスの測定値は、出力部414によって、検査管理装置40が備えるディスプレイ等の表示部(不図示)や、通信媒体、即ち有線、無線、光などのネットワークを介して検査管理装置40と協働する別の装置、例えば汎用コンピュータの表示部や、アプリケーションを導入したタブレットあるいはスマートフォンの表示部等に出力させることができる。
記憶部42は、検査条件データ421と、検査データ422と、動作不良判定データ423を記憶する記憶領域と、動作不良箇所データ424とを記憶する記憶領域を有する。
検査処理部411は、記憶部42から検査条件データ421を読み出し、該検査条件データ421に基づいて、検査処理装置50に、動作不良の検査を実行させる。
検査条件データ421には、テストボード62の寸法及び面積、接続端子部25を介してセンサーSに印加される電圧や周波数、該電圧の印加時間、テストボード62のセンサーSへの接触回数、センサーSにおけるテストボード62との接触場所、テストボード62の押圧の有無、該押圧時の圧力、テストボード62の質量等の情報が含まれる。
検査処理装置50は、電極間のインピーダンスを測定することにより、電極及び導線部間の導通不良などの種々の不具合を検出することができるものである。検査処理装置50は、各接続端子部25A,25Bに接続するプラグ部64を介して、センサーSにおける各正電極21a及び各負電極21bに所定電圧を所定の時間印加することができる。
テストユニット60は、テストボード62を備える第1可動部61Aと、コネクター部63及びプラグ部64とを備える第2可動部61Bとを含んで構成されている。テストユニット60における各可動部61A,61Bは、それぞれ独立して、各可動部61A,61Bに備えられた可動機構(図示せず)によって上下に移動したり、あるいは回動したりできるようになっている。このような構成を有していることで、センサーSにおける正電極列21A及び負電極列21Bにテストボード62を押し当てたり、センサーSにおける接続端子部25と検査装置100とを電気的に接続したりできるようになっている。
コネクター部63は、プラグ部64を介してセンサーSにおける接続端子部25に接続して、検査装置100から供給された交流電圧をセンサーSに印加する。コネクター部63は、センサーSにおけるインピーダンスを取得し、該インピーダンスを検査管理装置40へ送る。
第1可動部61Aとテストボード62との間は、一対の第1支持部材61aを介して連結されている。また、第2可動部61Bとコネクター部63との間は、第2支持部材61gを介して連結している。
テストユニット60は、テストボード62を支持するため支持手段Hを備え、支持手段Hを用いて後述する検査を行うことも好ましい。図4並びに図6(a)及び(b)に示すテストユニット60では、テストボード62は、テストボード62が上下方向に移動できるように、第1可動部61Aに支持された状態で装着されている。つまり、第1可動部61Aがテストボード62を支持する支持手段Hを含んで構成されており、第1可動部61Aとテストボード62とは互いに固定されていないものである。
図4並びに図6(a)及び(b)に示すテストボード62は、その上面に、円柱状の第1支持部材61aが第1可動部61Aを貫通するように一対配されている。各支持部材61aの一端はテストボード62と連結して固定されており、各支持部材61aの他端は、係止部材61bがそれぞれ設けられている。同図に示す形態では、各支持部材61aは、第1可動部61Aを厚み方向に貫通する貫通孔を介して配されており、鉛直方向の成分を有する外力の付与に伴って、テストボード62自体が、支持部材61aとともに上下方向に移動できるようになっている。図6(a)に示す検査前の状態では、係止部材61bと、第1可動部61Aの上面に配されたスペーサー部61sとが互いに接触して、テストボード62が第1可動部61Aから脱落しないように吊り下げられた状態で、テストボード62を支持できるようになっている。図6(b)に示す検査時の状態では、係止部材61bと、スペーサー部61sとが接触していないので、テストボード62の支持状態が解除され、テストボード62の自重を検査対象に負荷できるようになっている。
載置ユニット70は、センサーSを備える尿取りパッド1を上面に保持するステージ71と、該ステージ71をセンサーSの平面方向に移動させる移動機構72とを有している。移動機構72は、例えば、ベアリングなどの摺動手段や、複数のモータ(不図示)によって、センサーSの平面方向(長手方向X及び幅方向Y)に移動させることができる。
以上の構成を有する検査装置100を用いて、センサー付き吸収性物品(尿取りパッド1)におけるセンサーSの動作の検査を行う。本発明の検査方法の一実施形態を図6(a)及び(b)並びに図7に示す。図6(a)及び(b)は、本発明の検査方法の各工程における尿取りパッド1と、テストユニット60との配置関係を示す図であり、図7は、センサーSにおいて、長手方向Xに隣接する正電極21a及び負電極21bの間のインピーダンスを説明する図である。以下の説明では、説明の便宜上、検査対象となる尿取りパッド1と、検査処理装置50と、テストユニット60におけるテストボード62、コネクター部63及びプラグ部64とに着目し、他の部材を省略して説明するが、尿取りパッド1及び検査装置100に関して特に説明しない点は、上述の説明が適宜適用される。
本検査方法は、検査対象の吸収性物品を平面上に配置した状態で、電極間のインピーダンスを測定して、センサーSの動作不良の原因となる欠陥の有無を判定するものである。本検査方法は、接続端子部25と検査装置100とを電気的に接続する工程(接続工程)と、テストボード62の自重をセンサーSに負荷して、インピーダンスを得る工程(測定工程)とを備える。以下の説明では、測定工程において得られるインピーダンスを、「出力値」ともいう。
接続工程と測定工程とは、これらを同時に行ってもよく、これらのうち一方を行った後で他方を行ってもよい。つまり、接続端子部25と検査装置100との接続を行ったあとで、テストボード62の自重をセンサーSに負荷してインピーダンスを得てもよく、接続端子部25と検査装置100との接続を行うと同時にテストボード62の自重をセンサーSに負荷してインピーダンスを得てもよく、テストボード62の自重をセンサーSに負荷したあとで、接続端子部25と検査装置100とを接続してインビーダンスを得てもよい。
本検査方法の一実施形態について、接続端子部25と検査装置100との接続、及び正電極列21A及び負電極列21Bに対するテストボード62の自重の負荷を同時に行う方法を例にとり、図6(a)及び(b)を参照して説明する。
まず、図6(a)に示すように、検査対象となる尿取りパッド1をステージ71等の平面上に配置する。同図に示す形態では、接続端子部25とプラグ部64とは接続されていない。
次いで、図6(b)に示すように、尿取りパッド1における接続端子部25とプラグ部64とを、互いに接触、圧接又は嵌合等させて電気的に接続する。この状態で、センサーSに対し所定の交流電圧を所定時間印加させる。これとともに、テストユニット60を下降させて、センサーSにおける正電極列21A及び負電極列21Bに対してテストボード62の自重を負荷させる。このとき、テストボード62の下方側の面とセンサーSの配置面とが互いに対向するように積層されており、テストボード62がセンサーSにおける正電極列21A及び負電極列21Bに押し当てられるような状態になっている。テストボード62とセンサーSとを対向させやすくする観点から、載置ユニット70の移動機構72によって、ステージ71上に載置した尿取りパッド1を、テストボード62の鉛直方向下方に位置するように調整しておくことも好ましい。
詳細には、図6(a)に示すように、検査前の状態では、テストユニット60は、テストボード62が、支持手段Hである第1可動部61Aに吊り下げられて支持された状態となっている。次いで、図6(b)に示すようにテストユニット60を下降させると、テストボード62の下方側の面が、センサーSの非肌対向面に押し当てられるようになる。この状態で、テストユニット60を更に下降させると、押し当てによって生じた尿取りパッド1からの反力によって、支持手段Hである第1可動部61Aと、テストボード62とが互いに近づくように、テストボード62が摺動する。この摺動によって、テストボード62に配された係止部材61bと、第1可動部61Aの上面に配されたスペーサー部61sとが離間するので、支持手段Hである第1可動部61Aによるテストボード62の支持状態が解除される。テストユニット60の下降は、支持手段Hである第1可動部61Aと、テストボード62との接触、並びに係止部材61bとスペーサー部61sとの接触がともに生じていない状態で停止させる。このような構成によって、テストボード62の自重を、正電極列21A及び負電極列21Bに対して負荷させることができる。
ここで、「押し当てる」とは、センサーSにおける正電極列21A及び負電極列21Bとテストボード62の主面とを直接面当接させるように配すること、並びに、正電極列21A及び負電極列21Bとテストボード62の主面との間に絶縁体が介在した状態で、且つセンサーSの配置面に対してテストボード62の自重による荷重を負荷させることの双方を包含する。本発明において、テストボード62と正電極列21A及び負電極列21Bとの間に他の部材を何ら介在させずに、両者間に空間を設けた状態で近づける態様は、テストボード62の自重をセンサーSに負荷することが実質的に不可能であるので、本発明の態様から除外される。
「絶縁体が介在した状態」としては、センサーSの表面に絶縁性の被膜が設けられた場合、テストボード62のセンサーSと対向する面に絶縁性の被膜が設けられた場合、あるいは、センサーSにおける正電極列21A及び負電極列21Bとテストボード62との間に、後述する繊維体80が配される場合等が挙げられる。絶縁性の被膜は、例えば基材27等を含んで形成されていてもよい。
また、「自重」とは、テストボード62の重量のみを正電極列21A及び負電極列21Bに対して負荷させることを指し、意図的に発生させた荷重を除外する趣旨である。本発明におけるテストボード62の自重には、テストボード62自体の重量に加えて、テストボード62から移動不能に固定されている部材の重量も包含される。例えば、図4並びに図6(a)及び(b)に示すテストユニット60を用いた場合、テストボード62と、これに連結して固定されている支持部材61a及び係止部材61bと、必要に応じて接続されている導線等の接続部材との合計重量が、本発明におけるテストボード62の自重としてセンサーSに対して負荷される。一方、テストボード62の自重をセンサーSに対して負荷する状態の支持手段Hは、テストボード62の支持が解除されているので、支持手段H及びこれに接続されている部材の重量は、センサーSに対して負荷されない。
テストボード62の自重によって正電極列21A及び負電極列21Bに加える圧力(押圧荷重)は、テストボード62とセンサーSとを均一に密着させ、検査精度を向上させる観点から、テストボード62の質量と面積との商が、好ましくは4g/cm以上、より好ましくは5g/cm以上であり、好ましくは20g/cm以下、より好ましくは18g/cm以下となるようにする。このような押圧荷重に設定するためには、テストボード62の質量及び面積を適宜変更すればよい。例えば、テストボード62の面積を435cmとしたときには、好ましくは1750g以上7350g以下の質量を有するテストボード62を用いればよい。このような押圧荷重を検査対象に負荷することによって、尿取りパッド1等の吸収性物品に配される弾性部材の収縮等に起因する厚み差が生じている場合であっても、テストボード62とセンサーSとの間隔を一定にすることができ、検査精度を一層向上させることができる。
尿取りパッド1の配置形態は、上述のとおり、センサーSが配置されている面(尿取りパッド1の非肌対向面)がテストボード62の下方側の面と対向するように配置されていれば特に制限はない。例えば、図6(a)及び(b)に示すように、尿取りパッド1をその幅方向Yに三つ折りした状態で配置してもよく、これに代えて、展開状態で配置してもよい。いずれの状態であっても、検査対象となる吸収性物品(尿取りパッド1)は、例えば、検査装置100に備えられた張力付与機構(図示せず)によって、センサーSの平面方向に沿って張力が付与されていることが、検査精度の向上の観点から好ましい。
本方法によって得られる出力値は、センサーSを構成する正電極21aと負電極21bとの間のインピーダンスを測定した値である。これによって、各正電極21a,21aどうしの間の導通、及び各負電極21b,21bどうしの間の導通の有無を判定することができる。センサーSの動作を良好とするには、正電極21aどうしの間、及び負電極21bどうしの間は、それぞれ導通していることが好ましい。
図7に示すように、二つの正電極と二つの負電極とを有する部位を例にとって説明すると、正電極21aどうしの間、及び負電極21bどうしの間がいずれも導通している場合、同図に示すように、第1正電極21a1と第1負電極21b1との間の第1インピーダンスZ1、第1負電極21b1と第2正電極21a2との間の第2インピーダンスZ2、及び第2正電極21a2と第2負電極21b2との間の第3インピーダンスZ3をそれぞれ有している。検査対象のセンサーSについて、各電極の接続不良や印刷不良等が存在しない場合、すなわち、センサーSの動作が良好である場合には、検査装置100から出力されるインピーダンスは、各インピーダンスZ1,Z2,Z3の合成インピーダンスとなる。
一方、正電極21aどうし、及び負電極21bどうしの少なくとも一方が導通していない場合、すなわち、センサーSの動作が不良である場合には、電極間のインピーダンスが測定されない箇所が存在する。したがって、センサーSの動作が不良である場合に測定される合成インピーダンスは、センサーの動作が良好である場合と比較して、低下するように変化する。
具体的には、導通不良が起きている接続箇所よりも接続端子部25側に位置する電極間のインピーダンスのみ測定可能である。例えば、図7に示すように、第2正電極21a2と、それに接合しており且つ第2正電極21a2よりも接続端子部25側に位置する第1導線部21cとの接続箇所P1が接続不良を起こしている場合、測定されるインピーダンスは、第1インピーダンスZ1のみとなる。この場合、第2インピーダンスZ2及び第3インピーダンスZ3が測定されないため、これらインピーダンスZ2,Z3に関係する第2正電極21a2及び第2負電極21b2の内の少なくとも一方において、導線部との接続不良が起きていることを特定することができる。
また、一部のインピーダンスが測定されない場合、測定されないインピーダンスのうち、接続端子部25側に位置する接続箇所で導通不良が起きている。例えば、第1負電極21b1と、それに接合しており且つ第1負電極21b1よりも接続端子部25側とは反対側に位置する第2導線部21dとの接続箇所P2が接続不良を起こしている場合、測定されるインピーダンスは、第1インピーダンスZ1及び第2インピーダンスZ2の合成インピーダンスであり、第3インピーダンスZ3は測定されない。これにより、導通不良が起きている接続箇所を、第3インピーダンスZ3に関係する第1負電極21b1と第2負電極21b2との間に絞ることができる。
センサーSの動作の良否の判定、すなわち、各正電極21a,21aどうしの間、及び各負電極21b,21bどうしの間がそれぞれ導通しているか否かの判定は、本検査方法によって測定された出力値と、基準値との対比によって行うことができる。基準値としては、例えば、センサーSの動作不良がない場合の合成インピーダンス、検査装置100と接続端子部25とを接続しない状態において検査装置100から出力されるインピーダンス、及び検査装置100と接続端子部25とを接続し、且つテストボード62を離間させた状態で出力されるインピーダンス等の少なくとも一つを用いることができる。
センサーSの動作の良否の判定は、例えば、上述した基準値、又は基準値から一定の範囲の許容値を閾値として設定して、本検査方法によって測定された出力値と、閾値とを対比することで行うことができる。詳細には、本検査方法によって測定されたインピーダンスが閾値内であれば「センサーSの動作不良の原因となる欠陥は無い」と判定でき、本検査方法によって測定されたインピーダンスが閾値外であれば、「センサーSの動作不良の原因となる欠陥がある」と判定できる。これらの対比及びセンサーSの欠陥の有無の判定は、人手で行ってもよく、あるいは検査管理装置40内で処理させてもよい。
閾値及びその範囲の設定は、検査対象となる吸収性物品及びセンサーの材料や構成、測定環境等の測定条件等によって適宜変更することができるが、本検査方法によってインピーダンスを測定する条件と同様の測定条件で測定した基準値を採用し、設定することが好ましい。
このような検査方法によれば、テストボード62を押し当てた範囲で、複数の正電極21a又は複数の負電極21bと、各導線部21c,21dとの導通不良などを網羅的に検出することができ、動作不良検査を簡便且つ短時間で行うことができる。例えば、電極と導線部との接続箇所に接続不良が起きている場合、接続不良が起きている可能性のある接続箇所をある程度絞ることができるため、導通不良が起きている接続箇所の特定を容易に行うことができる。これに加えて、テストボード62は、その自重を押圧荷重としてセンサーSの面方向に均一に負荷させることができるので、物品自体が有する柔軟性や弾性部材の伸縮に起因する厚みの差を有するセンサー付き吸収性物品を検査対象とした場合でも、センサーの動作の良否判定を精度良く行うことができる。
検査処理装置50の形態は、テストボード62の自重が検査対象のセンサーにおける正電極列及び負電極列に負荷可能に構成されていれば、特に限定されない。検査処理装置50の他の実施形態としては、例えば図8ないし図10に示す形態が挙げられる。図8(a)ないし(c)に示す形態では、図6(a)に示す形態を有する第1可動部61A及びテストボード62に加えて、第1可動部61Aの側方部に、第1可動部61Aの長手方向に沿って延びる棒状の第2支持部材62aが連結されており、これらがテストボード62を支持する支持手段Hを構成している。第2支持部材62aの一端は、支持部材回動部62bと連結しており、第2支持部材62aを回動軸として、第1可動部61Aをテストボード62とともに回動できるようになっている。載置ユニット70におけるステージ71は、その側面に、センサーSの幅方向Yに沿う方向に摺動可能な移動機構72を備えている。この移動機構72によって、ステージ71上に載置した尿取りパッド1を、テストボード62の鉛直方向下方に位置するように調整することができる。
図8(a)ないし(c)に示す実施形態での検査方法の手順は、例えば以下のとおりである。まず、図8(a)に示すように、載置ユニット70におけるステージ71をセンサーSの幅方向Yに沿う方向に摺動させて引き出し、ステージ71上に検査対象となる尿取りパッド1を配置する。その後、図8(b)に示すように、尿取りパッド1が配置されたステージ71を幅方向Yに沿う方向に摺動させて、所定の位置に押し入れる。続いて、図8(c)に示すように、テストボード62が下方側に配されるように第2支持部材62aを回動させて、テストボード62とセンサーSとが対向するように積層する。第2支持部材62aの回動によって、テストボード62がセンサーSの非肌対向面に押し当てられると、押し当てによって生じた尿取りパッド1からの反力によって、支持手段Hを構成する第1可動部61Aによるテストボード62の支持状態が解除される。このような構成によって、テストボード62の自重を、正電極列21A及び負電極列21Bに対して負荷させることができる。
検査処理装置50の更に別の実施形態を、図9(a)及び(b)に示す。同図に示す形態では、テストボード62の上面に、輪状の第1支持部材61aが連結して一対配されている。本実施形態における支持手段Hは、可動部としてのテストボード支持部62cと、テストボード支持部62cに連結した棒状の一対の第3支持部材62dとを含んで構成されている。一対の第3支持部材62dは、テストボード62の長手方向Xと交差する方向に延びており、輪状の第1支持部材61aの穴を通るように配置されている。このような構成を有する支持手段Hによって、テストボード62が、棒状の第3支持部材62dから吊り下げられた状態で支持されている。
図9(a)及び(b)に示す実施形態における検査方法の手順は、以下のとおりである。まず、検査前の状態では、図9(a)に示すように、テストボード62が、支持手段Hを構成する第3支持部材62dに吊り下げられて支持された状態となっている。テストボード支持部62cを下降させると、テストボード62の下方側の面が、センサーSの非肌対向面に押し当てられるようになる。この状態で、テストボード支持部62cを更に下降させると、図9(b)に示すように、テストボード62に設けられた第1支持部材61aが、第3支持部材62dから離間して、支持手段Hによる支持状態が解除される。このような構成によって、テストボード62の自重を、センサーSにおける正電極列21A及び負電極列21Bに対して負荷させることができる。
検査処理装置50の更に別の実施形態を、図10(a)及び(b)に示す。同図に示す形態では、テストボード62の上面に、直方体状の第1支持部材61aが連結して配されている。本実施形態における支持手段Hは、可動部がロボットアームの態様となっている。テストボード62は、第1支持部材61aがロボットアームに把持された状態で、吊り下げられて支持されている。
図10(a)及び(b)に示す実施形態における検査方法の手順は、以下のとおりである。まず、検査前の状態では、図10(a)に示すように、テストボード62が、第1支持部材61aを介して、支持手段Hを構成するロボットアームに把持されて支持された状態となっている。次いで、ロボットアームを下降させて、テストボード62の下方側の面とセンサーSの非肌対向面とを押し当てる。この状態で、ロボットアームによるテストボード62の把持を解除すると、図10(b)に示すように、テストボード62がセンサーS上に配置された状態のままとなるので、支持手段Hによる支持状態が解除される。このような構成によって、テストボード62の自重を、センサーSにおける正電極列21A及び負電極列21Bに対して負荷させることができる。
図9及び図10に示す各実施形態の支持手段Hは、テストユニット60の一部を構成していてもよく、テストユニット60とは別体に構成されていてもよい。各図に示す支持手段Hがテストユニット60の一部として構成される場合、支持手段Hは、第1可動部61Aと連結又は接続されていてもよく、第1可動部61Aと別体に構成されていてもよい。また支持手段Hは、検査管理装置40に接続されて、支持手段Hの上下の移動及びその制御を行ってもよく、検査管理装置40以外の他の装置に接続されて、支持手段Hの上下の移動及びその制御を行ってもよい。
以下に、上述した各実施形態に共通して適用可能な事項について説明する。
本検査方法では、テストボード62とセンサーSとの間に何も介在させずに検査を行ってもよいが、テストボード62の表面に付着した汚れなどによる凹凸に起因した検査精度の低下を防止する観点から、テストボード62とセンサーSとの間に、繊維体80を配した状態で行うことが好ましい。繊維体80は、好ましくは絶縁体である。
繊維体80は、検査装置100を用いたインビーダンスの測定時において、テストボード62とセンサーSとの間に挟まれる状態となるよう配置すれば、その配置手段は特に制限されない。例えば、繊維体80は、テストボード62におけるセンサーSとの対向面側に予め直接貼り付けてもよく、センサーSにおけるテストボード62との対向面側に予め貼りつけてもよい。本実施形態における繊維体80は、図4及び図6ないし図10に示すように、被覆シート7を繊維体80として用いており、繊維体80としての被覆シート7をセンサーS上に予め貼りつけた形態となっている。これに代えて、又はこれに加えて、被覆シート7とは別体の繊維体80を用いてもよい。
繊維体80として、テストボード62の表面の凹凸を吸収し得る繊維素材からなるものを用いることができる。例えば、不織布、織物等の繊維シートが挙げられる。
繊維素材としては、例えば、パルプ繊維等のセルロース系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド等の各種公知の合成繊維が挙げられる。合成繊維は、複数種類の樹脂成分からなる芯鞘型やサイドバイサイド型の複合繊維でも良い。これらの繊維は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの材料の単独または複数の種類からなる繊維シートを用いてもよい。不織布としては、例えばスパンレース不織布、メルトブローン不織布等の各種製法による不織布が挙げられる。
被覆シート7を繊維体80として用いる場合には、上述した各種不織布等を用いることができる。
テストボード62の表面の凹凸をより吸収する観点から、繊維体80の厚さは、好ましくは10μm以上、より好ましくは100μm以上であり、また好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下である。なお、テストボード62及び各電極の表面が後述する絶縁性被膜などの絶縁処理がなされていないときは、繊維体80を好ましくは絶縁体の材料で構成する。
また、センサーSを構成する正電極列21A及び負電極列21Bの表面に、絶縁性インクを印刷したり、あるいは絶縁性フィルム等を配置したりすることによって、絶縁性被膜を形成しても良い。絶縁性インクとしては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂等の樹脂からなる絶縁層を形成し得る組成物を用いることができる。また、電極として導電性インクを塗布するのではなく、銅箔などの金属箔を用いることもできるが、そのようなときは酸化被膜などを形成する表面処理を施して絶縁層とすることもできる。これらの絶縁層は真空に対する比誘電率が2以上のものを用いることが好ましい。
測定工程においては、検査対象の尿取りパッド1に対して、張力を付与しない状態で配置してもよく、張力を付与した状態で配置してもよい。尿取りパッド1等の吸収性物品に配される弾性部材の収縮等に起因する厚み差が生じている場合であっても、その厚み差を少なくして、検査精度を更に向上させる観点から、検査対象の吸収性物品に対して、長手方向又は幅方向に張力を付与した状態でインピーダンスの測定を行うことも好ましい。この場合、付与する張力及びその方向は、検査対象となる吸収性物品や検査装置100の寸法に応じて適宜変更することができるが、図1に示す尿取りパッド1を例にとると、0.5N以上10N以下の張力を長手方向Xに付与することが好ましい。張力の付与は、例えば載置ユニット70に張力付与機構等を設けて行うことができる。
テストボード62の素材として、金属、導電性カーボン、導電性樹脂等の導電性材料を用いることができる。インピーダンスの測定精度を上げる観点から、テストボード62は導電性金属を用いることが好ましい。テストボード62に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、銅、タングステン、ステンレス合金等が挙げられる。錆びにくさや軽くて扱いやすいという観点から、テストボード62は、アルミニウム及び不可避不純物からなる金属であるか、又は、アルミニウムを含む合金を用いることが好ましい。また、合成樹脂などの非金属製部材の表面に、これら金属を蒸着したり、箔としてはりつけたものをテストボード62として用いることもできる。これに加えて、テストボード62は、センサーSと対向する面に後述する絶縁コート層が設けられていても良いし、酸化被膜などを形成する表面処理を施して絶縁層を形成してもよい。これらの絶縁層は真空に対する比誘電率が2以上のものを用いることが好ましい。
テストボード62の形状は、特に限定されず任意の形状とすることができるが、複数の電極を測定範囲として、検査効率を高める観点から、図4及び図6ないし図10に示すように、板状であることが好ましい。また、テストボード62の寸法も特に制限はないが、テストボード62の面積は、少なくとも、インピーダンスを生じ得る1組の正電極21a及び負電極21b、並びに電極を接続する各導線部21c,21dを覆い得る面積を有していればよい。一度の検査でセンサーSの不具合の有無を判定して、検査の簡便性を図る観点から、テストボード62の面積は、センサーSにおける全ての組の正電極21a及び負電極21b、並びに電極を接続する各導線部21c,21dを覆い得る面積であることが好ましい。また、テストボード62の厚みはテストボードが変形しなければよく、厚さは好ましくは1mm以上25mm以下である。これに加えて、テストボード62の剛性を高めるための部材を更に設けてもよい。
プラグ部64を介してセンサーSに印加される電圧は、交流電圧であることが好ましく、特に300kHz以上2MHz以下程度の矩形波であることが好ましい。また、電圧の印加時間は、省電力の観点から短時間であることが好ましく、より好ましくは100ミリ秒(ms)以下である。
センサーSの動作の良否を一連の工程で判別して、検査効率を高める観点から、センサーSの動作の良否を判定する際に用いられる基準値を得る工程を、テストボード62の自重をセンサーSに負荷して、出力されるインピーダンスを得る工程よりも前に備えていることが好ましい。
検査装置100と接続端子部25とを接続しない状態において検査装置100から出力されるインピーダンスを基準値とする場合には、検査装置100自体が有するインピーダンスの値(以下、これを第1測定値ともいう。)を用いることができる。第1測定値と、テストボード62の自重をセンサーSに負荷した状態で測定された出力値とを比較して、その低下度合から、電極の接続不良や形成不良を判定することができる。
検査装置100と接続端子部25とを接続し、且つテストボード62を離間させた状態で出力されるインピーダンスを基準値とする場合には、上述した接続工程の際に測定したインピーダンスの値(以下、これを第2測定値ともいう。)を用いることができる。第2測定値と、テストボード62の自重をセンサーSに負荷した状態で測定された出力値とを比較して、その低下度合から、電極の接続不良や形成不良を判定することができる。
第2測定値は、センサーSを構成する正電極列21Aと負電極列21Bとの間のインピーダンスを測定した値であり、第2測定値と、上述した第1測定値とを対比することで、正電極列21Aと負電極列21Bとの間の導通の有無を判定することができる。センサーSの動作を良好とするには、正電極列21Aと負電極列21Bとの間は導通していないことが好ましい。
詳細には、正電極列21Aと負電極列21Bとがいずれも導通していない場合、図11に示すように、第1正電極列21A1と、第1負電極列21B1との間に第4インピーダンスZ4を有しており、また、第2正電極列21A2と、第2負電極列21B2との間に第5インピーダンスZ5を有しているので、検査装置100から出力される第2測定値は、各インピーダンスZ4,Z5の合成インピーダンスとなる。センサーSの動作が正常である場合、第2測定値は、第1測定値とほぼ等しく、変化しない値となる。
一方、正電極列21Aと負電極列21Bとが導通している場合、上述した第4インピーダンスZ4及び第5インピーダンスZ5の少なくとも一方が低下するので、各インピーダンスZ4,Z5の合成インピーダンスとして検査装置100から出力される第2測定値は、第1測定値よりも低下するように変化する。
正電極列21Aと負電極列21Bとの間が導通しているか否かの判定は、第1測定値と第2測定値との対比によって判定することができる。例えば、第1測定値±5%を上限及び下限とする範囲を許容範囲として設定し、第2測定値が許容値の範囲内で変化した場合、「正電極列21Aと負電極列21Bとの間は導通していない」と判定することができる。これに対して、第2測定値が許容値の範囲外となるように変化した場合、「正電極列21Aと負電極列21Bとの間が導通している」と判定することができる。また許容値及びその範囲の設定は、検査対象となる吸収性物品及びセンサーの材料や構成、測定環境等の測定条件等によって適宜変更することができる。
これらの工程を更に行うことによって、センサーSにおける電極の接続不良及び印刷不良に加えて、正電極列21Aと負電極列21Bとの間の意図しない導通を検出することができ、センサーの動作不良の原因を別の観点から判定することができる。その結果、センサーの動作不良の原因となる欠陥の検査を一連の工程で簡便且つ短時間で行いながら、その精度をより一層高めることができる。
図5に示すように、第1測定値と第2測定値との対比、及び第2測定値と測定工程によって得られた出力値との対比、並びにセンサーSの欠陥の有無の判定は、検査管理装置40内で自動的に行ってもよい。
検査処理部411は、検査条件データ421の検査条件に基づき、前述の動作不良検査を検査処理装置50に実行させる。そして、検査処理部411は、検査処理装置50が測定したインピーダンスの測定結果(出力値、第1測定値及び第2測定値)をそれぞれ取得し、検査データ422として記憶部42に記憶する。
動作不良判定部412は、記憶部42に記憶された検査データ422及び動作不良判定データ423に基づき、センサーSの動作不良の有無を判定する。動作不良判定データ423には、検査データ422に記憶された第1測定値、第2測定値及び出力値に基づいて、一定の範囲の許容値を設定させること、及びその許容値を記憶させてもよい。
具体的には、正電極列及び負電極列間の意図しない導通の有無について、第1測定値と第2測定値とを対比して、第2測定値が第1測定値に基づいて設定される許容値の範囲内に収まっていれば、正電極列及び負電極列間の意図しない導通は無いと判定される。一方、第1測定値と第2測定値とを対比して、第2測定値が第1測定値に基づく許容値の範囲外となれば、正電極列及び負電極列間の意図しない導通が存在すると判定される。
また、正電極どうしの間及び負電極どうしの間の導通不良の有無については、第2測定値と出力値とを対比して、出力値が第2測定値に基づいて設定される許容値の範囲内に収まっていれば、正電極どうしの間及び負電極どうしの間の導通不良は無いと判定される。一方、第2測定値と出力値とを対比して、出力値が第2測定値に基づく許容値の範囲外となれば、テストボード62が押し当てられた範囲に、正電極どうしの間及び負電極どうしの間の導通不良が生じている箇所が存在すると判定される。動作不良判定部412は、これらの判定結果を、動作不良判定データ423として、記憶部42に記憶する。
動作不良箇所特定部413は、動作不良判定部412によって動作不良があると判定されたセンサーSについて、動作不良が起きている可能性がある、正電極列及び負電極列の接続箇所を絞り込む。具体的には、テストボード62が押し当てられた範囲において、インピーダンスが測定されなかった電極間のうち、最も接続端子部25側に近い電極や、これに接続する導線部を、接続不良や電極等の形成不良が起きている可能性のある箇所として特定する。動作不良箇所特定部413は、接続不良や電極等の形成不良が起きている可能性のある箇所の情報を、記憶部42の動作不良箇所データ424として記憶する。
制御部41における各処理部は、Central Processing Unit(CPU)、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)、及びHDD(Hard Disk Drive)等を備える検査管理装置40に所定のプログラムあるいはソフトウェアを組み込むことによりその機能を実現している。つまり、上述した各情報処理は、ハードウェア資源を用いて実現されている。
検査装置100が実行する好ましい処理手順について、図12を参照して説明する。同図には、検査装置100が実行する処理手順を示すフローチャートを示す。
検査装置100における検査管理装置40は、検査処理装置50にセンサーSに対する動作不良検査を実行させる。より具体的には、検査管理装置40における制御部41の検査処理部411は、記憶部42に記憶された検査条件データ421に基づく動作不良検査を、検査処理装置50に実行させ、検査結果である検査データ422を記憶部42に記憶する(ステップS1)。
次に、動作不良判定部412は、記憶部42に記憶された検査データ422に基づいて、センサーSにおける動作不良の有無を判定し、その判定結果である動作不良判定データ423を記憶部42に記憶する(ステップS2)。動作不良の有無は、第1測定値と第2測定値との対比、あるいは第2測定値と第3測定値との対比によって、各測定値が許容値の範囲内に収まっているか否かで判定される。この判定において、動作不良があると判定された場合(ステップS2,Yes)、動作不良箇所特定部413は、記憶部42に記憶された動作不良判定データ423に基づいて、センサーSにおける動作不良箇所の可能性がある箇所の特定、又は範囲の絞りこみを行い、動作不良箇所データ424を記憶部42に記憶する(ステップS3)。
次に、出力部414は、記憶部42に記憶された動作不良判定データ423及び動作不良箇所データ424を、検査装置100に設けられた表示部(不図示)、又は通信媒体を介して該装置100と協働する別の装置の表示部等に出力し(ステップS4)、検査処理を終了する。センサーSに動作不良がないと判定された場合(ステップS2,No)、出力部414は、動作不良が無いという判定結果である動作不良判定データ423を、前述した表示部に出力し(ステップS4)、検査処理を終了する。
上述した検査方法は、センサー付き吸収性物品の製造方法における一工程として組み入れることができる。例えば、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を具備する吸収性本体1Aと、センサーSとを備える所定の形状の吸収性物品を公知の方法で製造したあと、センサーSにおける接続端子部25と検査装置100とを接続して、その状態で、テストボード62とセンサーSとが対向するように積層して、テストボード62の自重を正電極列21A及び負電極列21Bに負荷させた状態で、正電極21aと負電極21bとの間のインピーダンスを測定する工程を行ってもよい。この場合であっても、電極と導線部の間の接続不良、電極と端子部との接続不良、導線部と端子部との接続不良、電極の欠損や破損、導線部の破損や断線、端子部の破損、導電性インクの印刷不良などの種々の位置における種々の不良を検出することができるので、製造時の検査効率ひいては生産性の向上に寄与するものとなる。
本製造方法において、上述した検査方法と同様に、センサーSの動作の良否を判定する際に用いられる第1測定値及び第2測定値を得る工程を、測定工程における出力値を得る前に行うことも好ましい。第1測定値を得る工程は、センサー付き吸収性物品を製造する前に行って、第1測定値に基づく許容値及びその範囲を予め設定しておくことが好ましい。また、第2測定値を得る工程を行った後、測定工程における出力値を得る工程を行う前に、不良品と判定された吸収性物品を除去する工程を備えていてもよい。この場合、出力値を得る工程を不良品に対して行わなくてもよいので、製造時の検査効率を更に高め、生産性の向上に一層寄与することができる。吸収性物品の製造工程において不良品を排出しやすくする観点から、動作不良判定データ423として、上述のように、第1測定値及び第2測定値に基づく正常基準値、及び該正常基準値から一定の範囲の許容値を設定してもよい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されず、種々の変更が可能である。例えば、本検査対象となるセンサー付き吸収性物品として、尿取りパッドを例にとり説明したが、体液を吸収するために用いられる吸収性物品であれば特に制限されず、おむつ、失禁パッド等の各種の吸収性物品にも適用可能である。
また、本検査対象として、センサーSを備える吸収性物品を対象として説明したが、これに代えて、センサーSのみを検査対象として行ってもよい。センサーSのみを検査対象とする場合、センサーSの製造後からセンサーSを吸収性物品に配置する前までの間に、上述した検査方法を行えばよい。
上述した検査方法をセンサー付き吸収性物品の製造方法における一工程として組み入れる場合、生産効率向上の観点から、載置ユニット70は、尿取りパッド1を載置して搬送するベルトコンベアの態様としてもよい(図示せず)。ベルトコンベアは、その長手方向の両端部が結合された無端状のベルトと、一対のローラとを備えており、センサーSの長手方向と搬送方向とを一致させた状態で、テストユニット60の直下まで尿取りパッド1を所定の位置まで移動させることができる。その後、上述した接続工程及び測定工程を行ったあと、テストユニット60と尿取りパッド1とを離間させて、尿取りパッド1を下流の工程へ搬送する。
また、本検査対象を構成するセンサーSにおける各接続端子部25A,25Bの数はそれぞれ異なっていたが、これらは同じであってもよい。また、各接続端子部25A,25Bの形状は同一であってもよく、異なっていてもよい。このような場合、接続端子部の位置や形状、数などに対応するようにプラグ部64を構成する。
センサーSは、他のセンサーと共に用いられても良い。例えば、吸収性物品1にセンサーSと、加速度センサーとを取り付けて、排尿の検出と共に着用者の姿勢を検出する態様としても良い。
検査管理装置40において前記制御部41を構成する検査処理部411等の各処理部は、これらの一部がソフトウェア(プログラム)であってもよいし、これらの一部又は全部がハードウェア回路であってもよい。
出力部414は、検査データ422、動作不良判定データ423及び動作不良箇所データ424のデータのうち、少なくとも何れか1つのデータを出力すれば良く、3つ全てのデータを出力しても良い。
テストユニット60は、上下方向に移動可能であるか、又は回動可能であるが、検査処理装置50と接続されて、該装置50が具備する移動機構により自動的に移動可能であっても良いし、手動によって上下に移動可能であっても良い。また、テストユニット60および載置ユニット70の双方を上下に移動可能としてもよいし、載置ユニット70のみを上下に移動可能としてもよい。
1 センサー付き吸収性物品(センサー付き尿取りパッド)
1A 吸収性本体
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
7 被覆シート
21A 正電極列
21B 負電極列
21a 正電極
21b 負電極
21c 第1導線部
21d 第2導線部
25,25A,25B 接続端子部
100 検査装置
50 検査処理装置
60 テストユニット
61A,61B 可動部
62 テストボード
63 コネクター部
64 プラグ部
70 載置ユニット
80 繊維体
H 支持手段
S センサー
X 長手方向
Y 幅方向
Z1,Z2,Z3,Z4,Z5 インピーダンス

Claims (6)

  1. 複数の正電極どうしが第1導線部を介して電気的に接続された正電極列と、複数の負電極どうしが第2導線部を介して電気的に接続された負電極列と、これらの電極列に電気的に接続され且つ外部の検査装置を接続可能な接続端子部とを有するセンサーを備えるセンサー付き吸収性物品の検査方法であって、
    前記吸収性物品を平面上に配置して、前記接続端子部と前記検査装置とを接続する工程と、
    テストボードと前記センサーとが対向するように積層して、該テストボードの自重を前記正電極列及び前記負電極列に負荷する工程と、
    前記テストボードの自重を前記正電極列及び前記負電極列に負荷した状態で、前記正電極と前記負電極との間のインピーダンスを測定する工程とを有する、センサー付き吸収性物品の検査方法。
  2. 前記テストボードを支持する支持手段を用いるセンサー付き吸収性物品の検査方法であって、
    前記テストボードを前記支持手段によって支持した状態で、該テストボードと前記センサーとが対向するように積層し、然る後に、
    前記支持手段による支持を解除して、該テストボードの自重を前記正電極列及び前記負電極列に負荷する、請求項1に記載のセンサー付き吸収性物品の検査方法。
  3. 前記正電極列及び前記負電極列と、前記テストボードとの間に繊維体を挟んだ状態で該テストボードの自重を負荷する、請求項1又は2に記載のセンサー付き吸収性物品の検査方法。
  4. 前記テストボードがアルミニウムを含む金属から構成されている、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のセンサー付き吸収性物品の検査方法。
  5. 前記正電極列及び前記負電極列が印刷によって形成されている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のセンサー付き吸収性物品の検査方法。
  6. 表面シート、裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備する吸収性本体と、センサーとを備えるセンサー付き吸収性物品の製造方法であって、
    前記センサーの欠陥の有無を判定する検査工程を備え、
    前記センサーは、複数の正電極どうしが第1導線部を介して電気的に接続された正電極列と、複数の負電極どうしが第2導線部を介して電気的に接続された負電極列と、外部の検査装置が接続可能な接続端子部とを備え、
    前記検査工程は、前記接続端子部と前記検査装置とを接続する工程と、
    テストボードと前記センサーとが対向するように積層して、該テストボードの自重を前記正電極列及び前記負電極列に負荷させた状態で、前記正電極と前記負電極との間のインピーダンスを測定する工程とを含む、センサー付き吸収性物品の製造方法。
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