JP7173150B2 - 二酸化バナジウム含有粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
少なくとも下記の第1ステップ~第3ステップを有し:
第1ステップ:少なくともバナジウム含有化合物、反応調整剤及び水を含有するスラリー原料液を調製するステップ
第2ステップ:前記スラリー原料液に脱塩処理を施すステップ
第3ステップ:前記脱塩処理を施したスラリー原料液と、超臨界又は亜臨界状態の水とを混合した反応液を用いる水熱反応法により、二酸化バナジウム含有粒子を製造するステップ
前記第2ステップにおいて、前記スラリー原料液の25℃におけるpHを8.0~11.0の範囲内とし、
25℃における電気伝導率を10~1000mS/mの範囲内に維持し、
前記二酸化バナジウム含有粒子の平均一次粒径を1~30nmの範囲内とし、かつ、
平均結晶子径を1~15nmの範囲内になるように調整して製造する
ことを特徴とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
はじめに、本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法の全体概要を説明する。
少なくとも下記の第1ステップ~第3ステップを有し:
第1ステップ:少なくともバナジウム含有化合物、反応調整剤及び水を含有するスラリー原料液を調製するステップ
第2ステップ:前記スラリー原料液に脱塩処理を施すステップ
第3ステップ:前記脱塩処理を施したスラリー原料液と、超臨界又は亜臨界状態の水とを混合した反応液を用いる水熱反応法により、二酸化バナジウム含有粒子を製造するステップ、
上記第2ステップにおいて、前記スラリー原料液の25℃におけるpHを8.0~11.0の範囲内とし、
25℃における電気伝導率を10~1000mS/mの範囲内に維持し、
前記二酸化バナジウム含有粒子の平均一次粒径を1~30nmの範囲内とし、かつ、
平均結晶子径を1~15nmの範囲内になるように調整して製造する
ことを特徴とする。
図1は、脱塩処理ステップを有する本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法の一例を示すフロー図である。
はじめに、スラリー原料液を構成する(1)バナジウム含有化合物、(2)反応調整剤、及び(3)水について説明する。
本発明に適用可能なバナジウム含有化合物(二酸化バナジウム含有粒子の原料)としては、例えば、五価のバナジウム(以下、バナジウム(V)と記載する。)としては、五酸化二バナジウム(V)(V2O5)、バナジン酸アンモニウム(V)(NH4VO3)、三塩化酸化バナジウム(V)(VOCl3)、バナジン酸ナトリウム(V)(NaVO3)等、四価のバナジウム(以下、バナジウム(IV)と記載する。)としては、シュウ酸バナジル(IV)(VOC2O4)、酸化硫酸バナジウム(以下、硫酸バナジルとも称する)(IV)(VOSO4)、及び四酸化二バナジウム(IV)(V2O4)を硫酸等の酸で溶解したものが例示できる。なお、上記のバナジウム含有化合物のうち、スラリー状の原料液を構成する観点から、四価のバナジウム(バナジウム(IV))を適用することが好ましい。また、バナジウム含有化合物は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法に適用するバナジウム(IV)含有化合物(二酸化バナジウム含有粒子の原料)は、特に制限されず、上記で列挙した化合物の中から適宜選択できる。その中でも、水熱反応後に副生成物をできるだけ生成させない観点から、酸化硫酸バナジウム(IV)(VOSO4)であることが好ましい。なお、バナジウム(IV)含有化合物は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。
バナジウム含有化合物として、バナジウム(IV)含有化合物を使用する場合には、反応調整剤として、アルカリを用いることが好ましい。また、前述のように、バナジウム含有化合物として五価のバナジウム(V)含有化合物を用いる場合には、反応調整剤としては、還元剤(例えば、ヒドラジン及びその水和物等)が適用される。
水熱合成法(水熱反応)では、バナジウム含有化合物がバナジウム(IV)含有化合物である場合、反応調整剤の少なくとも1種としてアルカリを用いて行うことが好ましい。なお、本発明でいうアルカリとは、水溶液中において水酸化物イオン(OH-)を発生させる物質を意味し、それ自体が水酸化物イオンを生じる化合物の他に、それ自体が水酸化物イオンを生じるわけではなく結果的に水酸化物イオンを生じる化合物も含まれる。
スラリー原料液を構成する水としては、特に制限はないが、イオン交換水又は脱気水を用いることが好ましく、特には、イオン交換水を用いることが好ましい。
(バナジウム含有粒子の相転移調節剤)
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法では、水熱反応部において、反応液が含有するバナジウム含有化合物の二酸化バナジウム含有粒子への相転移温度を調節するため、特定の元素を含む相転移調整剤を含有することができる。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、上記調製したスラリー原料液について、水熱合成法により二酸化バナジウム含有粒子を製造する前に、スラリー原料液から所定量の塩類を除去する脱塩処理を施すこと、かつ脱塩処理時に、前記スラリー原料液の25℃におけるpHを8.0~11.0の範囲内とし、かつ25℃における電気伝導率を10~1000mS/mの範囲内を維持して脱塩処理を行うことを特徴とする。
脱塩処理で適用可能な遠心分離法は、上記調製したスラリー原料液のpHを調製した後、遠心分離機により、固液分離を行った後、水系の分離液の一部を系外に排出し、その後、排出したのと同容量のイオン交換水を追加添加し、その後分散処理を行い、この操作を繰り返して、不要の塩類を排出して、スラリー原料液を所定のpH及び電気伝導率に調整する。
次いで、本発明に好適な脱塩手段である限外濾過法を用いた脱塩処理方法について、図を交えて説明する。
調製釜51に、上記で説明した方により調製した、バナジウム含有化合物、バナジウム含有化合物と反応する化合物及び水を含むスラリー原料液52を貯留して、循環ポンプ54を用いて循環させながら、限外濾過部55で、スラリー原料液中の塩類を含む水分を排出口56より、予め設定した排出量V1で排出して、所定の塩濃度まで濃縮する。
次いで、限外濾過部55で濃縮したスラリー原料液52に対し、補充用pH調整水ストック釜57より、補充用pH調整水供給ライン59を経由して、限外濾過部55での排出量(V1)と同容量の補充用pH調整水58を添加量V2として添加し、十分に撹拌混合して、第一次の脱塩したスラリー原料液52を調製する。この時、電気伝導計60により、第一次の脱塩したスラリー原料液52の電気伝導率(mS/m)及びpHを測定する。
次いで、上記工程(I)と同様にして、循環ポンプ54により、第一次の脱塩したスラリー原料液52を循環させながら、限外濾過部55で、スラリー原料液52中の構成液(イオン交換水+塩類)を排出量V1で系外に排出56する。
次いで、上記工程(II)と同様にして、濃縮した混合溶液52に対し、補充用pH調整水ストック釜57より、補充用pH調整水供給ライン59を経由して、排出量V1と同容量の補充用pH調整水58を添加量V2で添加し、十分に撹拌混合して、第二次の脱塩したスラリー原料液52を調製する。この時、電気伝導計60及びpHメーター61により、第二次の脱塩したスラリー原料液52の電気伝導率(mS/m)及びpHを測定する。
二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、上記脱塩処理を施し、所定の電気伝導率及びpHの調整したスラリー原料液は、図1のフロー図で示すように、次工程で水熱合成法により、平均一次粒径を1~30nmの範囲内で、かつ平均結晶子径を1~15nmの範囲内にある二酸化バナジウム含有粒子を製造する。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、水熱反応装置としては、特に、水熱反応を、水熱反応部を有する流通式反応装置を用いて行うことが好ましい形態である。
本発明においては、上記で説明した条件で水熱反応を行うことで、形成される二酸化バナジウム含有粒子の平均一次粒径及び平均結晶子径を所望の条件に制御することができ、二酸化バナジウム含有粒子のサーモクロミック性及び二酸化バナジウム含有粒子を含む光学フィルムの透明性を向上(ヘイズの減少)することができる。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、上記で説明した水熱反応工程に加えて、水熱反応後の反応液(二酸化バナジウム含有粒子を含む分散液)を冷却する冷却工程(図4で示す冷却部8)をさらに有することが好ましい。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、バナジウム含有化合物、バナジウム含有化合物と反応する化合物(アルカリ)の他に、必要に応じて各種添加剤を適用することができる。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、水熱反応直後の二酸化バナジウム含有粒子を含む反応液に対し、さらに、図4に示すタンク10より、流路11を経由して表面修飾剤を添加することができる。
本発明に適用可能な表面修飾剤の具体例として有機ケイ素化合物(有機シリケート化合物)が挙げられ、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、テトラエトキシシラン(オルトケイ酸テトラエチル)、トリメチルシリルクロライド、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。また、有機ケイ素化合物は市販品としても入手することができ、例えば、SZ6187(東レ・ダウシリコーン社製)等を好適に用いることができる。
有機チタン化合物としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート及びビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート、キレート化合物として、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、リン酸チタン化合物、チタンオクチレンギリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート等が挙げられる。また、有機チタン化合物は市販品としても入手することができ、例えば、プレンアクトTTS、プレンアクトTTS44(以上、味の素ファインテクノ株式会社製)等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムtert-ブトキシド等が挙げられる。
有機ジルコニア化合物としては、例えば、ノルマルプロピルジルコネート、ノルマルブチルジルコネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等が挙げられる。
界面活性剤は、同一分子中に親水基と疎水基とを有する化合物である。界面活性剤の親水基としては、具体的には、ヒドロキシ基、炭素数1以上のヒドロキシアルキル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、アンモニウム塩、チオール、スルホン酸塩、リン酸塩、ポリアルキレングリコール基等が挙げられる。ここで、アミノ基は1級、2級、3級のいずれであってもよい。界面活性剤の疎水基としては、具体的にはアルキル基、アルキル基を有するシリル基、フルオロアルキル基等が挙げられる。
流通式反応装置を用いた二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、水熱反応直後の反応液に対し、さらに、タンク10より、流路11を経由してpH調整剤を添加することができる。
本発明の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法においては、製造される二酸化バナジウム含有粒子の平均一次粒径が1~30nmの範囲内であり、平均結晶子径は1~15nmの範囲内であることを特徴とする。
A=Kλ/βcosθ
上記式(1)において、Kはシェラー定数であり、λはX線波長である。βは、回折線の半値幅である。θは回折線に関するブラッグ角である。
本発明に係る二酸化バナジウム含有粒子は、光学フィルムに好ましく用いることができる。ここでいう光学フィルムとは、透明基材、及び透明基材上に形成される光学機能層を有し、当該光学機能層が、樹脂及び本発明に係る二酸化バナジウム(VO2)含有粒子を含有する構成からなるサーモクロミック性を発現するフィルムである。
〔二酸化バナジウム含有粒子101の調製〕
(スラリー原料液Aの調製)
原料液1として酸化硫酸バナジウム(IV)(VOSO4)19.0gをイオン交換水に溶解して300mLとし、この液を撹拌しながら、アルカリとして3.0mol/LのNH3水溶液を68mL添加して、スラリー原料液Aを調製した。
次いで、酸化硫酸バナジウム(IV)とアルカリを含むスラリー原料液Aに下記遠心分離法による脱塩処理1を施して、脱塩処理済みのスラリー原料液1を調製した。
公知の遠心分離装置を用い、30℃で上記酸化硫酸バナジウム(IV)とアルカリを含むスラリー原料液Aに遠心分離処理による固液分離を行った後、水系の分離液の一部を系外に排出し、その後、排出したのと同容量のイオン交換水を追加添加し、その後分散処理を行い、この操作を繰り返して、不要の塩類を排出して、スラリー原料液の電気伝導率を1mS/m、pHを3.0mol/LのNH3水溶液を用いて7.5に調整して、脱塩処理済みのスラリー原料液1を調製した。
次いで、上記脱塩処理を施したスラリー原料液1について、図3及び図4に記載の水熱反応部を有する流通式反応装置を用い、下記の方法に従って、二酸化バナジウム含有粒子101を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子101の調製において、遠心分離法による脱塩処理1を施して調製したスラリー原料液1に代えて、下記の限外濾過法による脱塩処理2を施して調製したスラリー原料液2を用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子102を調製した。
〈脱塩処理2〉
図2に記載の限外濾過装置50を用いて、30℃の酸化硫酸バナジウム(IV)とアルカリを含むスラリー原料液Aに限外濾過法による脱塩処理2を施して、脱塩処理済みのスラリー原料液2を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子102の調製において、水熱反応装置として、水熱反応部を有する流通式反応装置に代えて、下記のオートクレーブを用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子103を調製した。
脱塩処理済みのスラリー原料液2(電気伝導率:3000mS/m、pH:10.2)を、内容積が500mLのオートクレーブに入れ、300℃、8.6MPaで6時間の水熱反応処理を行い、二酸化バナジウム含有粒子103を形成した。次いで、反応液を冷却して、二酸化バナジウム含有粒子103を含有する分散液を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子102の調製において、脱塩処理済みのスラリー原料液2に代えて、30℃のスラリー原料液Aを用いた限外濾過法で、脱塩処理条件を適宜変更して、電気伝導率が100mS/m、pHが8.0のスラリー原料液3(脱塩処理3)を調製し、これを用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子104を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子102の調製において、脱塩処理済みのスラリー原料液2に代えて、30℃のスラリー原料液Aを用いた限外濾過法で、脱塩処理条件を適宜変更して電気伝導率が620mS/m、pHが9.2のスラリー原料液4(脱塩処理4)を調製し、これを用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子105を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子102の調製において、脱塩処理済みのスラリー原料液2に代えて、30℃のスラリー原料液Aを用いた限外濾過法で、脱塩処理条件を適宜変更して、電気伝導率が1000mS/m、pHが10.7のスラリー原料液5(脱塩処理5)を調製し、これを用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子106を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子101の調製において、脱塩処理済みのスラリー原料液1に代えて、30℃のスラリー原料液Aを用いた遠心分離法で、脱塩処理条件を適宜変更して、電気伝導率が620mS/m、pHが8.0のスラリー原料液6(脱塩処理6)を調製し、これを用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子107を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子107の調製において、電気伝導率が620mS/m、pHが8.0のスラリー原料液6(脱塩処理6)を用い、流通式反応装置における水熱反応条件を、反応温度を195℃、反応圧力を10MPa、処理時間を2秒に、それぞれ変更した以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子108を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子107の調製において、電気伝導率が620mS/m、pHが8.0のスラリー原料液6(脱塩処理6)を用い、流通式反応装置における水熱反応条件として、処理時間を2秒に変更した以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子109を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子102の調製において、脱塩処理済みのスラリー原料液2に代えて、30℃のスラリー原料液Aを用いた限外濾過法で、脱塩処理条件を適宜変更して電気伝導率が200mS/m、pHが11.8のスラリー原料液7(脱塩処理7)を調製し、これを用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子110を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子104の調製において、脱塩処理済みのスラリー原料液3に代えて、30℃のスラリー原料液Aを用いた限外濾過法で、脱塩処理条件を適宜変更して電気伝導率が100mS/m、pHが5.5のスラリー原料液8(脱塩処理8)を調製し、これを用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子111を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子105の調製において、スラリー原料液Aの限外濾過時の処理温度を50℃に変更した以外は同様にして調製した電気伝導率が620mS/m、pHが8.0のスラリー原料液9(脱塩処理9)を用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子112の調製を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子105の調製において、スラリー原料液Aを下記スラリー原料液Bに変更し、かつ、脱塩処理条件を適宜変更して電気伝導率が620mS/m、pHが8.0のスラリー原料液10(脱塩処理10)を調製し、これを用いた以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子113を調製した。
原料液1として酸化硫酸バナジウム(IV)(VOSO4)19.0gをイオン交換水に溶解して300mLとし、この液を撹拌しながら、アルカリとして3.0mol/LのNaOH水溶液を68mL添加して、スラリー原料液Bを調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子105の調製において、スラリー原料液Aの限外濾過時のpHを8.0に変更し、かつ流通式反応装置における水熱反応条件を、反応温度を380℃、処理時間を10秒に、それぞれ変更した以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子114を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子105の調製において、スラリー原料液Aの限外濾過時のpHを8.0に変更し、かつ流通式反応装置における水熱反応条件として、反応温度を380℃に変更した以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子115を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子106の調製において、流通式反応装置における水熱反応条件を、反応温度を390℃、反応圧力を28.0MPa、処理時間を60秒に、それぞれ変更した以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子116を調製した。
上記二酸化バナジウム含有粒子106の調製において、流通式反応装置における水熱反応条件を、反応温度を410℃、反応圧力を35.0MPa、処理時間を10秒に、それぞれ変更した以外は同様にして、二酸化バナジウム含有粒子117を調製した。
〔光学フィルム101の作製〕
厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300、両面易接着層付)上に、下記組成の光学機能層形成用塗布液1を、ダイコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布量を調整して湿式塗布を行い、90℃で1分間乾燥させて、サーモクロミックフィルムである光学フィルム101を作製した。
二酸化バナジウム含有粒子101を含む分散液 9.3質量部(固形分)
樹脂バインダー:(ポリ-N-ビニルアセトアミド、商品名:GE191-103、昭和電工社製、分子量900000) 90.7質量部
上記の各構成材料を順次添加、混合及び溶解し、固形分濃度が3.0質量%になるように水で希釈し、水系の光学機能層形成用塗布液1を調製した。
上記光学フィルム101の作製において、光学機能層形成用塗布液1の調製に用いた二酸化バナジウム含有粒子101を、それぞれ二酸化バナジウム含有粒子102~117に変更した以外は同様にして、光学フィルム102~117を作製した。
〔二酸化バナジウム含有粒子の評価〕
上記調製した各二酸化バナジウム含有粒子について、下記の各評価を行った。
各二酸化バナジウム含有粒子について、粉末X線回折装置(リガク社製、MiniFlexII)を用いて粒子30個について結晶子径を測定し、その平均値を求めた。X線源としては、CuKα線を使用し、平均結晶子径は、X線回折のメインピーク((011)面)を用いて、下式(1)のシェラーの式により算出した。
D=Kλ/βcosθ
上記式(1)において、Kはシェラー定数であり、λはX線波長である。βは、回折線の半値幅である。θは回折線に関するブラッグ角である。
×:平均結晶子径が、15nmを超えている
(平均一次粒径の測定)
上記調製した各二酸化バナジウム含有粒子及び水を含有する分散液を、120℃のオーブンで乾燥固化させて紛体とし、測定用の粒子サンプルを調製した。
○:平均一次粒径が、20nmを超えて、30nm以下
△:平均一次粒径が、30nmを超えて、40nm以下
×:平均一次粒径が、40nmを超えている。
(ヘイズの評価)
上記作製した各光学フィルムについて、室温にて、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)を用いて、ヘイズ(%)を測定し、下記の基準に従ってヘイズの評価を行った。
○:ヘイズが、1.5%以上、2.0%未満である
△:ヘイズが、2.0%以上、3.0%未満である
×:ヘイズが、3.0%以上である。
上記作製した各光学フィルムについて、サーモクロミック性の尺度である遮熱性(TSER)差(ΔTSER)を評価した。
TSER(%)=((100-T(DS)-R(DS))×0.7143)+R(DS)
式(3)
ΔTSER(%)=TSER(高温)-TSER(低温)
○:ΔTSERが、13.0%以上である
△:ΔTSERが、8.0%以上、13.0%未満である
×:ΔTSERが、8.0%未満である。
2 イオン交換水容器
3、6、11、18 流路(配管)
4、7、12 ポンプ
5 スラリー原料液容器
8 冷却部
9、10 タンク
13、14、15 加熱媒体
16 水熱反応部
17 加熱部配管
19 制御弁
C 冷却媒体
IN 加熱媒体の入口
OUT 加熱媒体の出口
L 加熱部配管のライン長
MP 合流点
TC 温度センサー
50 限外濾過装置
51 調整釜
52 スラリー原料液
53 配管
54 循環ポンプ
55 限外濾過部
56 排出口
57 補充用pH調整水ストック釜
58 補充用pH調整水
59 補充用pH調整水供給ライン
60 電気伝導計
61 pHメーター
V1 排出量
V2 補充用pH調整水の添加量
A 平均結晶子径
CL 結晶子
D 粒子径
P 二酸化バナジウム含有粒子
Claims (4)
- 水熱反応部を有する流通式反応装置を用いた二酸化バナジウム含有粒子の製造方法であって、
少なくとも下記の第1ステップ~第3ステップを有し:
第1ステップ:少なくともバナジウム含有化合物、反応調整剤及び水を含有するスラリー原料液を調製するステップ
第2ステップ:前記スラリー原料液に脱塩処理を施すステップ
第3ステップ:前記脱塩処理を施したスラリー原料液と、超臨界又は亜臨界状態の水とを混合した反応液を用いる水熱反応法により、二酸化バナジウム含有粒子を製造するステップ
上記第2ステップにおいて、前記スラリー原料液の25℃における
pHを8.0~11.0の範囲内とし、
25℃における電気伝導率を10~1000mS/mの範囲内に維持し、
前記二酸化バナジウム含有粒子の平均一次粒径を1~30nmの範囲内とし、かつ、
平均結晶子径を1~15nmの範囲内になるように調整して製造することを特徴とする二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。 - 前記スラリー原料液から塩類を除去する脱塩処理が、限外濾過装置を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
- 前記スラリー原料液から塩類を除去する脱塩処理が、液温30℃以下で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
- 前記第3ステップにおける反応液を構成する水が、超臨界状態の水であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の二酸化バナジウム含有粒子の製造方法。
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