JP7172212B2 - 粒子計数装置、粒子計数方法、及び粒子含有試料 - Google Patents

粒子計数装置、粒子計数方法、及び粒子含有試料 Download PDF

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Description

本発明は、粒子計数装置、粒子計数方法、及び粒子含有試料に関する。
近年、幹細胞技術の進展に伴い、複数の細胞をインクジェットで吐出して組織体を形成する技術の開発が行われている。細胞を代表とする粒子状の物質を含む液滴を吐出する際に、吐出された液滴中にどの程度の粒子が含まれているかを計数することは重要である。
このような機能を備えた装置の一例として、液状体に含まれる粒状体の個数を検知する吐出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この吐出装置では、吐出装置のキャビティとノズルの間に設けられた検出部を通過する液状体に含まれる粒子の個数を計数することができる。
また、微小粒子を含む液滴に対して励起光を照射することにより微小粒子から発生する蛍光を検出する微小粒子測定装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この微小粒子測定装置では、飛翔する液滴内の微小粒子が発生する蛍光強度を検出することができる。
本発明は、吐出された液滴に含まれる粒子の計数精度を向上させることができる粒子計数装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段としての、本発明の粒子計数装置は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射手段と、前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光手段と、前記受光手段により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、を有する粒子計数装置であって、前記粒子計数手段が、前記液滴に含まれる前記粒子の有無を計測する第一の粒子計測手段と、前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する第二の粒子計測手段と、前記第一の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子が有との情報に基づいて前記第二の粒子計測手段により前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する粒子計測手段制御手段とを有する。
本発明によると、吐出された液滴に含まれる粒子の計数精度を向上させることができる粒子計数装置を提供することができる。
図1は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図2は、図1の受光手段41より出力された情報の一例を示す図である。 図3Aは、図1の受光手段42より出力された情報の一例を示す図である。 図3Bは、図1の受光手段42より出力された情報の他の一例を示す図である。 図4は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図5は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図6は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図7は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の計測精度の一例を示す図である。 図8は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の別の動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、第3の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図10は、第3の実施の形態にかかる粒子計数装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図11は、第4の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図12Aは、第4の実施の形態にかかる粒子計数装置の受光光量分布の一例を示す図である。 図12Bは、第4の実施の形態にかかる粒子計数装置の受光光量分布の他の一例を示す図である。 図13は、第5の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図14は、第6の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図15は、第7の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図16は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置のうちレーザー光301のみの粒子計数装置の照明状態の一例を示す図である。 図17Aは、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の照明光量分布の一例を示す図である。 図17Bは、第7の実施の形態にかかる粒子計数装置の照明光量分布の他の一例を示す図である。 図17Cは、第7の実施の形態にかかる粒子計数装置の照明光量分布の他の一例を示す図である。 図18は、第一の粒子計測手段のみを設けた粒子計数装置の場合の実施の形態の一例を示す参考図である。 図19は、第8の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図20は、第8の実施の形態にかかる粒子計数装置の照明状態の一例を示す図である。 図21は、第9の実施の形態にかかる粒子計数装置の照明光量分布の一例を示す図である。 図22は、第9の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。 図23は、第9の実施の形態にかかる粒子計数装置の照明光量分布の一例を示す図である。 図24は、第一の粒子計測手段のみを設けた粒子計数装置の場合の実施の形態を他の一例を示す参考図である。 図25Aは、第10の実施の形態にかかる粒子含有試料の一例を示す図である。 図25Bは、第10の実施の形態にかかる粒子含有試料の他の一例を示す図である。 図25Cは、第10の実施の形態にかかる粒子含有試料の他の一例を示す図である。
(粒子計数装置、及び粒子計数方法)
本発明の粒子計数装置は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射手段と、前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光手段と、前記受光手段により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、を有する粒子計数装置であって、前記粒子計数手段が、前記液滴に含まれる前記粒子の有無を計測する第一の粒子計測手段と、前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する第二の粒子計測手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の粒子計数装置は、従来の吐出装置では、飛翔する直前の液状体に含まれる粒子の個数をカウントしており、飛翔する液滴に含有された粒子の個数を直接カウントしておらず、したがって、飛翔する直前の液状体に含まれる粒子の個数と、飛翔する液滴に含有された粒子の個数とは必ずしも一致しないため、吐出された液滴に含有された粒子の個数の検知精度が低いという問題があるという知見に基づくものである。
また、本発明の粒子計数装置は、従来の微小粒子測定装置では、液滴の形状や蛍光強度を測定することはできるが、液滴内の粒子の個数を計測するものではないという知見に基づくものである。
本発明の粒子計数方法は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出工程と、前記液滴吐出工程から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射工程と、前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光工程と、前記受光工程により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数工程と、を含む粒子計数方法であって、前記粒子計数工程が、前記液滴に含まれる前記粒子の有無を計測する第一の粒子計測工程と、前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する第二の粒子計測工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の粒子計数方法は、本発明の粒子計数手段により好適に実施することができ、本発明の粒子計数手段を用いて計数を実施すると、本発明の粒子計数方法を実施することとなる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
なお、粒子計数方法を実施すると、粒子計数装置を用いた計数を実施することとなることから、粒子計数装置について説明することにより粒子計数方法の説明とする。
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、液滴吐出手段から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射手段と、光を照射された粒子からの発光による光を受光する受光手段と、受光手段により受光した前記光に基づき、液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、を有する粒子計数装置であって、粒子計数手段が、液滴に含まれる粒子の有無を計測する第一の粒子計測手段と、液滴に含まれる粒子の個数を計測する第二の粒子計測手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
第1の実施の形態にかかる粒子計数方法は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出工程と、液滴吐出工程から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射工程と、光を照射された粒子からの発光による光を受光する受光工程と、受光工程により受光した光に基づき、液滴に含まれる粒子を計数する粒子計数工程と、を含む粒子計数方法であって、粒子計数工程が、液滴に含まれる粒子の有無を計測する第一の粒子計測工程と、液滴に含まれる粒子の個数を計測する第二の粒子計測工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
液滴吐出工程は液滴吐出手段により好適に実施することができ、光照射工程は光照射手段により好適に実施することができ、受光工程は受光手段により好適に実施することができ、粒子計数工程は粒子計数手段により好適に実施することができ、第一の粒子計測工程は第一の粒子計測手段により好適に実施することができ、第二の粒子計測工程は第二の粒子計測手段により好適に実施することができ、その他の工程はその他の手段により好適に実施することができる。
第一の粒子計測手段としては、粒子からの発光の発光量情報を取得する発光量取得部を有することが好ましく、第二の粒子計測手段が、粒子からの発光による光に基づく2次元画像を取得する2次元画像取得部を有することが好ましい。
図1は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。図1は、本発明の粒子計数装置100Aの一例であり、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、41及び42は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中に含まれ、光を受けることで発光可能な粒子であり、210は液滴吐出手段のノズル12より吐出された液滴であり、301はレーザー光であり、302aは受光手段41への光であり、302bは受光手段42への光であり、303は液滴の吐出方向である。受光手段41は、第一の粒子計測手段51に接続され、受光手段42は、第二の粒子計測手段52に接続されている。
図1に示すように、液滴吐出手段10は、液室11内に光を受けることで発光可能な粒子201を懸濁した粒子懸濁液200を収容し、液室11に配置された図示しない圧電素子の変形により、粒子201を含む球体、楕円体又はこれらが若干に変形した液滴210を、吐出方向303で示す方向に吐出することができる。
液滴吐出手段10は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる手段である。液滴吐出手段10としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電素子を用いた圧電加圧方式、ヒータを用いたサーマル方式、静電引力によって液を誘導する静電方式、圧電素子を用いたメンブレン振動方式等のインクジェットヘッドなどが挙げられる。これらの中でも、メンブレン振動方式のインクジェットヘッドが好ましい。メンブレン振動方式のインクジェットヘッドは、振動による慣性力で液滴を吐出する方式であり、インクジェットヘッドの上部を大気解放することが可能であるため、特に粒子が細胞である場合、細胞に対する熱、電場、圧力などのダメージを低減できる。メンブレン振動方式のインクジェットヘッドに用いる圧電素子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた素子が好ましい。
液室11は、光を受けることで発光可能な粒子201を懸濁した粒子懸濁液200を保持する液体保持部であり、下面側には貫通孔であるノズル12が形成されている。液室11は、例えば、金属やシリコン、セラミック等から形成することができる。駆動手段20は、液滴吐出手段10の圧電素子と電気的に接続されており、圧電素子に駆動電圧を印加し、圧電素子を変形させることにより光を受けることで発光可能な粒子201を含む液滴210を吐出方向303に吐出させる。光を受けることで発光可能な粒子201は、照明光を受光して蛍光を発光することが可能な粒子(以下、「蛍光粒子」とも称することがある)であり、蛍光粒子201としては、例えば、蛍光色素によって染色された無機粒子、蛍光色素によって染色された有機ポリマー粒子、蛍光色素によって染色された細胞、蛍光タンパク質などが挙げられる。また、蛍光に基づく発光ではなく、ラマン散乱光に基づく発光をする粒子を用いることもできる。
蛍光色素により染色された有機ポリマー粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SPHERO Fluorescent NileRed particles(ベイバイオサイエンス株式会社製、1%(w/v)、直径10μm~14μm)などが挙げられる。
蛍光色素によって染色された細胞における細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、すべての細胞について使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
真核細胞としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができ、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌、藻類、原生動物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、動物細胞、真菌が好ましい。
接着性細胞としては、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、組織や器官から直接採取した初代細胞を何代か継代させたものでもよく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分化した細胞、未分化の細胞などが挙げられる。
分化した細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞;星細胞;クッパー細胞;血管内皮細胞;類道内皮細胞、角膜内皮細胞等の内皮細胞;繊維芽細胞;骨芽細胞;砕骨細胞;歯根膜由来細胞;表皮角化細胞等の表皮細胞;気管上皮細胞;消化管上皮細胞;子宮頸部上皮細胞;角膜上皮細胞等の上皮細胞;乳腺細胞;ペリサイト;平滑筋細胞、心筋細胞等の筋細胞;腎細胞;膵ランゲルハンス島細胞;末梢神経細胞、視神経細胞等の神経細胞;軟骨細胞;骨細胞などが挙げられる。
未分化の細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞;単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞;iPS細胞などが挙げられる。
真菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カビ、酵母菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、細胞周期を調節することができ、1倍体を使用することができる点から、酵母菌が好ましい。
細胞周期とは、細胞が増えるとき、細胞***が生じ、細胞***で生じた細胞(娘細胞)が再び細胞***を行う細胞(母細胞)となって新しい娘細胞を生み出す過程を意味する。
酵母菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細胞周期をG1期に制御するフェロモン(性ホルモン)の感受性が増加したBar-1欠損酵母が好ましい。酵母菌がBar-1欠損酵母であると、細胞周期が制御できていない酵母菌の存在比率を低くすることができるため、容器内に収容された細胞の特定の核酸の数の増加等を防ぐことができる。
原核細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真正細菌、古細菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
細胞としては、死細胞が好ましい。死細胞であると、分取後に細胞***が起こることを防ぐことができる。
蛍光タンパク質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP:Green Fluorescent Protein)、赤色蛍光タンパク質(RFP:Red Fluorescent Protein)、黄色蛍光タンパク質(YFP:Yellow Fluorescent Protein)などが挙げられる。染色細胞における蛍光色素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セルトラッカーオレンジ、セルトラッカーレッドなどが挙げられる。
なお、粒子が凝集する場合、液滴吐出手段10の液室11に充填する蛍光粒子201などの粒子を含む懸濁液の粒子の濃度を調整することにより、懸濁液中の粒子の濃度と、懸濁液中の粒子の個数とがポアソン分布に従う理論から、懸濁液中の粒子の個数を数個以下に調整することができる。懸濁液の液成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水などが挙げられる。液滴の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上150μm以下が好ましい。液滴の直径が25μm以上であると、液滴の径が小さくなく、内包する粒子の直径が小さいものだけになりにくく、適用できる粒子の種類が少なくなりにくい。150μm以下であると、液滴としては問題なく、液滴を吐出するためには、インクジェットヘッドの穴径を大きくする必要もなく、液滴の吐出が不安定となりにくい。また、液滴の直径をRとし、粒子の直径をrとすると、R>3rであることが好ましい。R>3rであると、粒子の直径が液滴の直径に対して大きくないため、液滴の縁の影響を受けにくく、粒子の計数精度が低下しにくい。
光照射手段30は、液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する手段である。光照射手段30は、駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出タイミングに合わせて、照明光となるレーザー光301を液滴210に照射する。
光照射手段30としては、液滴吐出手段10による液滴210の吐出に同期して光を照射できることが好ましい。これにより、液滴吐出手段10から吐出された液滴210に、光をより確実に照射することができる。ここで、同期するとは、前記液滴210が吐出されて所定位置に達したときに前記光照射手段30が前記レーザー光301を照射することを意味する。つまり、前記光照射手段30は、前記液滴吐出手段10による前記液滴210の吐出に対して、所定時間だけ遅延して前記光を照射する。
光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどが挙げられる。固体レーザーとしては、例えば、YAGレーザー、ルビーレーザー、ガラスレーザーなどが挙げられる。YAGレーザーの市販品としては、例えば、Explorer ONE-532-200-KE(スペクトラ・フィジックス株式会社製、SHGにより出力波長は532nm)などが挙げられる。これらの中でも、パルス発振によりパルス光を照射できることが好ましい。
パルス光のパルス幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μs以下が好ましく、1μs以下がより好ましい。単位パルスあたりのエネルギーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、集光の有無等の光学系に大きく依存するが、0.1μJ以上が好ましく、1μJ以上がより好ましい。ただし、蛍光粒子によってはフォトブリーチングが発生するため、この場合は、単位パルスあたり又は単位時間あたりのエネルギーを制限することが好ましい。同様に、蛍光粒子又はその他の発光粒子の利用目的に応じて、光照射が悪影響を与える場合があり、この場合にも、単位パルスあたり又は単位時間あたりのエネルギーを制限することが好ましい。
受光手段は、光を照射された粒子からの発光による光を受光する手段である。2つの受光手段41及び42は、いずれも光照射手段30を介して駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302a及び光302bを受光する。
受光手段41は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測可能な光センシングデバイス/モジュールであり、受光手段42は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測可能な光センシングデバイス/モジュールである。受光手段41及び受光手段42は、それぞれ電気的に接続された第一の粒子計測手段51と、第二の粒計測手段52とに受光情報を出力し、これら受光素子の情報を基に、第一の粒子計測手段51は液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、第二の粒子計測手段52は液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測することができる。
受光手段41は、第一の粒子計測手段51と連携して蛍光粒子201の有無のみを計測することができればよいため、取得情報量の少ない光センシングデバイス/ユニットを用いることができ、例えば、フォトマルチューブ(PMT、光電子増倍管)、アバランシュフォトダイオード(APD)、ピンフォトダイオード(pin-PD)、低解像度CMOS撮像素子などを用いることができる。これらは、高速及び高周波数でのサンプリングが可能であると同時に、光利用効率も高く、液滴210に含まれる蛍光粒子201の微弱な蛍光を受光した場合に、必要な信号雑音比(SNR)を確保した適切な量の情報を第一の粒子計測手段に出力することができる。
受光手段41にAPDを用いた場合、APDは蛍光粒子201から1次元情報となる発光光量を第一の粒子計測手段51に出力できる。APDは、APDモジュール、例えば、APD410(帯域100MHz、直径1mm、感度1×10V/W、松定プレシジョン株式会社製)、APD130A(帯域50MHz、直径1mm、感度2.5×10V/W、ソーラボジャパン株式会社製)、C10508-01(帯域100MHz、直径1mm、感度1.3×10V/W、浜松ホトニクス株式会社製)、APD410A(帯域10MHz、直径1mm、感度2.7×10V/W、ソーラボジャパン株式会社製)などから、目的や利用する照明光の種類などに応じて、適切な帯域と感度とを考慮した選定により用いることができる。
第一の粒子計測手段51は、例えば、デジタイザーやデータロガーやオシロスコープなどをその一部に用いることができる。デジタイザーは、ADC(アナログデジタル変換器)を搭載したモジュール(製品)であり、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)の増設ボードとして提供されているAPX-510(16bit・100MHzサンプリング、株式会社アバルデータ製)、DIG-100M1002-PCI(10bit・100MHzサンプリング、株式会社コンテック製)などがある。第一の粒子計測手段51は、デジタイザーなどにより受光手段41から出力されたアナログの情報をデジタル化することにより、このデジタイザーと接続された第一の粒子計測手段51の一部である情報処理部に出力することができ、このデジタル化された蛍光粒子の取得情報が1次元情報と少ない取得情報であるにもかかわらず、前記情報処理部は、定めた発光光量の閾値量基準や発光光量の時間軸プロファイル基準などから蛍光粒子の有無を判断し、結果として第一の粒子計測手段として蛍光粒子の有無を計測することができる。第一の粒子計測手段51の一部である情報処理部は、パーソナルコンピュータ(PC)及びPCにインストールした画像処理ソフトなどを用いることができる。
この蛍光粒子の有無のみを計測することは、蛍光粒子に基づく発光のみを確認すればよい定性計測であるため、取得情報量が少ない場合でも蛍光粒子の個数の計測と比べて高精度な計測、つまり高正答率となる計測を実現できる。また、取得情報量が少なくてもよいことの効果として、受光手段41による光302aに関する情報取得動作及び取得情報の出力、第一の粒子計測手段51による取得情報の情報処理が単純となるため、同時に高速な計測を実現することができる。
受光手段41としては、液滴吐出手段10による液滴210の吐出に同期して蛍光粒子201からの光302aを受光できることが好ましい。これにより、液滴吐出手段10から吐出された液滴210に、光照射手段30からレーザー光301が照射され、蛍光粒子201からの光302aをより確実に受光することができる。なお、ここで、同期するとは、例えば、液滴が吐出されて所定位置に達したときに液滴に光が照射され、粒子が発光するタイミングで、受光手段が光を受光することを意味する。つまり、受光手段は、液滴吐出手段による液滴の吐出、及び光照射手段による光の照射に対して、それぞれ所定時間だけ遅延して光を検出する。また、このような遅延調整は、別途となるファンクションジェネレータと連携することにより、ファンクションジェネレータよりそれぞれに遅延を考慮した同期信号を出力しても実現できる。さらには、このファンクションジェネレータの機能を、液滴吐出手段10と一体化してもよい。これらは、後述の受光手段42の場合も同様である。
なお、受光手段41は、光照射手段30が照射するレーザー光301と比較して粒子からの光が弱い場合、受光手段の受光面側にレーザー光301の波長域を減衰させるフィルタを設置することが好ましい。このフィルタを設置することにより、ノイズの少ない状態で受光手段が発光による光を受光できる。フィルタとしては、例えば、光の波長を含む特定波長域を減衰させる光学濃度6以上のノッチフィルタなどが挙げられる。これは後述の受光手段42の場合も同様である。
受光手段42は、第二の粒子計測手段52と連携して蛍光粒子201の個数を計測することができる計測手段であり、定量計測であるため、定性計測の受光手段41と比較して、高精度の計測となり、これを実現させせるためには、受光手段41と比較して取得情報量のより多い光センシングデバイス/ユニット、さらに、第一の粒子計測手段51と比較してより複雑な情報処理を実施できる第二の粒子計測手段52を用いることが好ましい。
取得情報量の多い光センシングデバイス/ユニットとしては、2次元情報となる画像情報を取得できる2次元受光センサー/モジュールがある。例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子、ゲートCCDなどが挙げられる。近年、科学実験用字のCMOS撮像素子の技術が発展しており、微弱な光に対するノイズ特性が大きく向上しており用いることができる。CMOS撮像素子は、例えば、pco.edge 5.5(株式会社東京インスツルメンツ製)、C11440(ORCA-Flash V2、浜松ホトニクス株式会社製)、C13440(ORCA-Flash V3、浜松ホトニクス株式会社製)などがある。これらは、数十%以上の高い光電変換量子効率、画素あたり3エレクトロン以下の低い読み出しノイズ、100Hzレベルの高速伝送、2,000本以上の高い解像度、16bit階調性などであり、ノイズが少なく高速高品質であると同時に画像情報としての非常に多くの情報を取得し、第二の粒子計測手段52に出力することができる。また、2次元受光センサー/モジュールは非常に種類が多く、目的に応じて、適切な解像度を選定して用いることができる。
第二の粒子計測手段52としては、パーソナルコンピュータ(PC)及びPCにインストールした画像処理ソフトなどを用いることができる。2次元受光センサー/モジュールから出力された多量の画像情報は、PCの増設ボードとして提供されるカメラリンクボード又はPCのインターフェースとして提供されるUSB3.0により、PCのメモリに高速に入力することができる。PC及び画像処理ソフトが液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数をこの画像情報に基づいて高精度に計測するプロトコルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することにより、高精度な個数計測を実現できるが、複数のプロトコルを組み合わせてより高精度な個数計測を実現することもできる。
画像処理のプロトコルとしては、例えば、(1)発光の受光面における形状の曲率半径を求め、求めた曲率半径のうち所定の範囲内にある曲率半径の中心の個数を粒子の個数として計数する処理、(2)発光の受光面における形状の外周の長さが所定の範囲内にある発光の個数を計数する処理、(3)発光の受光面における形状の外周の変曲点の個数を粒子の個数として計数する処理、(4)発光の受光面における形状の外周の接線の傾きの符号が変わる回数を粒子の個数として計数する処理などが挙げられる。
上記(1)の処理では、曲率半径が所定の範囲より小さい場合、粒子からの発光以外の屈折した光や散乱した光などが受光されているため、曲率半径が所定の範囲より小さい発光は除外する。また、曲率半径が所定の範囲より大きい場合、粒子が液滴の外辺部近傍に存在しているとき、光を照射して粒子を発光させると、粒子からの発光が液滴の球面内側に反射する現象により、液滴の外辺部が発光して見えるため、粒子からの発光ではないと判定して除外する。発光の受光面における形状の情報に基づき算出した曲率半径のうち所定の範囲内にある曲率半径を算出した際の円の中心の個数を粒子の個数として計数することができる。
上記(2)の処理は、上記(1)の処理における曲率半径を発光の受光面における形状の外周の長さに置き換えたものである。
上記(3)の処理では、例えば、2つの発光が重なったときには変曲点の個数が2個になり、3つの発光が重なったときには変曲点の個数が3個になるため、変曲点の個数を粒子の個数として計数することができる。
上記(4)の処理では、例えば、2つの発光が重なったときには接線の傾きの符号が2回変わり、3つの発光が重なったときには接線の傾きの符号が3回変わるため、接線の傾きの符号が変わる回数を粒子の個数として計数することができる。
これらの中でも、上記(1)の処理が好ましい。すなわち、粒子計数手段が、発光の受光面における形状の情報に基づき曲率半径を算出し、所定の範囲内にある曲率半径を算出した際の円の中心の個数を粒子の個数として計数する第二の計数処理を行うことがより好ましい。第二の計数処理が上記(1)の処理であると、粒子が複数であっても計数が容易となり、粒子を計数する精度が高まる点で有利である。
上記において、PCは、関連する各動作を制御するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリなどを有し、画像処理ソフトに基づいて制御されることにより個数計測を実施する。画像処理ソフトは、汎用の画像処理を行うソフトウェアを用いてもよい。汎用の画像処理ソフトは、例えば、ImageJ(アメリカ国立衛生研究所製、オープンソース)などが挙げられる。また、汎用の画像処理ソフトに制限されるわけではなく、C#、C++、Phytonなどのプログラム言語で作成されたで画像処理ソフトを実施してもよく、また、GPU(Graphics Processing Unit)を利用してもよい。プログラム言語で作成した画像処理ソフトの場合には、液滴吐出手段10の制御を同様にプログラム言語で実現できることから、液滴吐出制御と蛍光粒子の個数計測との連携動作が容易となる。これは、受光手段41と第一の粒子計測手段51との蛍光粒子の有無の計測の場合も同様である。
図1において、第二の粒子計測手段52による個数計測に用いる受光手段42は、2次元受光センサー/モジュールに制限されるものではなく、別手段によっても多量の情報量を扱うことができれば、蛍光粒子に対する個数計測を実現できるようになる。例えば、照明手段30に必要なパルス時間以上のレーザー光を用い、受光手段42に高帯域のAPDと高帯域のデジタイザーを用い、このAPDの前方に微小スリット又は微小ピンホールを設けることにより、吐出された液滴210の位置変化に応じた情報を、APDから出力された電圧の時間変化情報として取得することができる。
例えば、APDとして、APDモジュールである、C5658(帯域1GHz、直径0.5mm、感度2.5×10E5V/W、浜松ホトニクス株式会社製)を用い、受光手段42の一部となる結像光学系の像面の結像位置で、かつAPDの前方の位置にスリットを設け、このスリットの幅を上下の幅が10μmとなるように設置する。結像光学系の倍率が5倍の場合、このスリットの幅は液滴210のある物面では、2μmの幅に相当する。このとき、約1m/s(=1μm/μs)で吐出された直径約80μmの液滴210は、80μsの時間で液滴が下方に吐出されてその位置が変化することに対応して、約2μmの分解能で吐出方向に40個相当に空間分割された形状情報と相関性の高い空間情報を取得することができる。この空間情報のプロファイルを解析することにより、蛍光粒子201の個数を計測することができる。スリットではなくピンホールを用い、複数のAPDを吐出方向と垂直な方向に設置し、吐出方向と垂直な方向の空間情報を取得することにより、より精度を向上することができる。
図2は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置100Aの受光手段41から出力された情報の一例を示す図である。図2において、蛍光粒子として、SPHERO Fluorescent Nile Red particles(直径2.5μm~4.5μm、ベイバイオサイエンス株式会社製)を用い、粒子懸濁液200中の蛍光粒子201の濃度を平均値として約0.2個/滴となるように調整した上で、ノズル12より液滴吐出手段10より液滴210を吐出させ、光照射手段30としてその一部にパルス光を照射できるExplorer ONE-532-200-KEを用い、レーザー出力は1パルス当り約200μJとし、受光手段41としてソーラボジャパン株式会社製を用い、第一の粒子計測手段51にデジタイザーとしてDIG-100M1002-PCI(100MHzサンプリング、インピーダンス50Ω設定)とデスクトップPCとを用いた場合の、デジタイザーから情報処理部に出力された情報を示したものであり、吐出した液滴数は50個である。図2の横軸は時間軸であり、これは液滴吐出手段10に印加したトリガー基準で記載した相対値であり、縦軸は受光手段41よりデジタイザーに出力された情報となる電気信号の電圧値である。
図2に示すように、吐出した50個の液滴のうち10個の液滴に相当する10本の折れ線が、上に凸の折れ線として出力されており、また残り40個の液滴に相当する40本の折れ線は、X軸近傍の電圧値0V近傍の折れ線として密に重なる状態で出力されている。別途、高精度に計測した受光手段42として前述のC11440を用い、これと第二の粒子計測手段52による蛍光粒子の個数の計測の結果と比較したところ、上に凸の折れ線となった10個の液滴には蛍光粒子が含まれおり、電圧値0V近傍の折れ線となった40個の液滴には蛍光粒子が含まれていなかった。このことより、受光手段41と第一の粒子計測手段51とにより、高精度に液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無の計測を実現できることが確認された。
図2において、液滴210に蛍光粒子201が含まれる場合の10個の液滴は、そのピーク電圧が約0.3V~1.3Vの範囲にあることが示される。これは、含まれる蛍光粒子の数が1個~3個と幅がある可能性があること、及び液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明手段30による照明光となるレーザー光の照射強度が液滴210内の蛍光粒子201の位置により大きくばらつくこと、さらに受光手段41にて受光する蛍光粒子の光302aの光利用効率が大きくばらつくこと、の3つが大きな原因であると考えられる。
これは、粒子懸濁液200中の蛍光粒子201の濃度を平均値として約0.2個/滴の場合、ポアソン分布から、蛍光粒子が存在する場合には99.97%の確率で1個~3個の蛍光粒子であるが、そのうち、9.6%の確率で2個~3個の蛍光粒子を含むこととなり、10個の液滴に蛍光粒子が含まれる場合、1個又は場合により2個の液滴が、2個~3個の蛍光粒子を含むことは確率的に稀ではない。図2においては、1.1Vを超える出力電圧の液滴が2個であるが、これは2個以上の蛍光粒子による可能性が高い。
また、図2において、蛍光粒子201が含まれる場合の10個の液滴のうち1個の蛍光粒子を含む可能性が高い8個の液滴は、その出力電圧が約0.3V~0.7Vと2倍以上ばらつく。これは、上述の蛍光粒子201に対する照明手段30及び受光手段41のばらつきに依存すると考えられる。
しかし、実際には、1個の蛍光粒子を含む可能性が高い8個の液滴は、その出力電圧が約0.3V~0.7Vと2倍以上となる受光手段41からの出力電圧のばらつきがあり、1個と2個とを精度よく判別した定量計測ができることは難しいことがわかる。一方、液滴210が蛍光粒子201を含む場合には、約0.3V以上の出力電圧のピークを必ず有することは確認でき、また、液滴210が蛍光粒子201を含まない場合には、明瞭なピークが存在せずに必ず最大でも0.1V以下の出力電圧となることは確認できる。このため、単純に最大電圧を閾値とし、例えば、この閾値を0.2Vと設定し、これを第一の粒子計測手段51が判断することにより、蛍光粒子201の有無に関しては高精度に計測できることがわかる。これは、発光の有無を計測する単純な計測であることに基づく。
この受光手段41との計測手段51による蛍光粒子201の有無の計測は、図2に出力電圧を記載のデジタイザーを用いた出力電圧閾値に対する判断に制限されるわけではなく、アンプなどを併用してのTTL、LVTTL、CMOSなどによる論理判断により非常に簡単な構成とすることもできる。又、出力電圧閾値だけでは、ノイズなどにより誤計測が発生して精度が低下する場合には、時間軸ウインドウ又は時間軸ゲートに対する積分回路を設けて積算量に閾値を設け、TTL、LVTTL、CMOSなどで論理判断してもよい。さらには、設定した時間軸ウインドウ領域に、正常波形プロファイル領域又は異常波形プロファイル領域を設け、この領域内外であるかの判断により蛍光粒子の有無を判断し、計測としてもよい。
図2の出力電圧に基づく蛍光粒子の有無の計測は、蛍光粒子の有無に対応した上に凸のピークの幅が約100nsであることから、最高10MHzでの高速での計測が可能である。図2においては、APDに帯域10MHz品を用いたために、ピークの幅が約100nsとなり、元の照射手段30によるパルス光の約15nsから広がっているが、APDにより高帯域の仕様品を用いることにより、より高速の計測も可能となる。一方、液滴吐出手段10は、一般的にはその共振周波数以上での高速吐出は困難であり、機械的な共振周波数に制限される。図2の実施例の場合、含まれる蛍光粒子201として数μm以上となる液滴210を吐出させたいことから、液室11やノズル12が、紙への印刷などで利用される液滴径の小さいインクジェットヘッドよりも大きいこともあり、その共振周波数は1MHk以下である。このため、液滴吐出手段10から吐出された液滴210に対する計測手段としては十分な高速である。
液滴吐出手段10の駆動周波数が100Hz程度の場合には、2次元受光センサー/モジュールである低解像度のCMOS撮像素子を用いて、1次元情報となる発光光量を受光する受光手段41に用いることができる。CMOS撮像素子の受光動作自体は1msの分解能のシャッタ動作であり、つまりCMOS撮像素子は1kHz相当での駆動も可能であるが、高解像度の場合には多量の画像情報の出力に時間がかかり高速動作ができない。低解像度のCMOS撮像素子としては、高解像度のCMOS撮像素子をビニングやクロッピングにより画素数を低減させて転送することにより、光量検出として最低限の画素を粒子計測手段51に転送し、粒子計測手段にて画像情報から発光光量情報を計算し、この発光光量情報を基に液滴中の蛍光粒子の有無を判断、及び計測してもよい。
低解像度のCMOS撮像素子を用いた場合には、2次元情報として複数画素の情報を利用しながらも、後述の出力や画像処理に時間がかかる形状に着目した画像処理ではなく、複数画素集団の発光光量を閾値とした液滴中の蛍光粒子の有無を判断、及び計測することにより、高精度かつ高速に計測することができる。これは、一定以上の輝度閾値が一定以上の複数の画素が確認された場合、蛍光粒子が有とする判断手段を、第二の粒子計測手段に設けることによって実現される。ここでの輝度とは、CMOS撮像素子に入射した総フォトン数に比例する光量ではなく、階調性16bitで表現される1画素あたりのフォトン入射数に比例する単位面積当たりの光量である。一部の複数画素に関する光量とすることができ、通常の形状に基づく画像処理とは全く異なる単純な光量計算の特殊な手段であり、APDのような1次元情報を得るセンサーのセンサー領域を事前又は事後に制限することと等価となる動作である。不要な領域の画素からのノイズを低減することができ、精度を向上することができる。
図3A及び図3Bは、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置100Aの受光手段42から出力された情報の一例を示す図である。図3A及び図3Bにおいて、蛍光粒子として、SPHERO Fluorescent Nile Red particles(直径10μm~14μm、ベイバイオサイエンス株式会社製)を用い、ノズル12より液滴吐出手段10より液滴210を吐出させ、光照射手段30としてその一部に約15ns幅のパルス光を照射できるExplorer ONE-532-200-KEを用い、レーザー出力は1パルス当り約200μJとし、2次元受光センサー/モジュールとしてpco.edge 5.5(株式会社東京インスツルメンツ製)を用い、結像系として顕微鏡対物レンズM-PLAN APO5×(株式会社ミツトヨ製)及び対応した結像レンズユニット(株式会社ミツトヨ製)を用い、この2次元受光センサー/モジュールにより受光した画像情報のうち、液滴内の粒子としてその画像情報が複雑となる画像の一例を、図3A及び図3Bとして示した。
図3Aは、図1の受光手段42より出力された情報の一例を示す図である。図3Aに示すように、紙面に垂直な方向に奥行きがある球体又は楕円体の液滴の中に粒子が2つ存在し、粒子の1つは液滴の中の紙面手前側に存在し、もう1つの粒子は液滴の中の紙面奥側に存在するような受光方向から受光されたときの画像である。液滴の中の紙面奥側に存在する粒子からの発光は、液滴を通過する分だけ、屈折や散乱などにより発光の輝度値が減衰するため、受光手段に対する液滴の中の位置に起因して発光の光量がばらつくときがある。
図3Bは、図1の受光手段42より出力された情報の他の一例を示す図である。図3Bに示すように、紙面に垂直な方向に奥行きがある球体又は楕円体の液滴の中に蛍光粒子が3つ存在し、粒子の1つが液滴の外辺部近傍に存在するような受光方向から受光された場合の画像情報である。図3Bに示すように、液滴の外辺部近傍に存在する蛍光粒子からの発光は、液滴の球面内側に反射するときがある。
図3A及び図3Bに示される場合には、いずれも蛍光粒子からの発光が液滴の球面内側に反射する現象のため、液滴からの発光光量の閾値に基づいてその蛍光粒子の個数を計測することは難しく、このような場合は、既に記載したプロトコルなどの形状に着目した画像処理による高精度計測が最適である。
しかしながら、形状に着目した画像処理による蛍光粒子の個数計測は、多量の情報量を扱うために高精度であっても高速動作させることが難しい。図3A及び図3Bにて受光手段42として用いたpco.edge 5.5の場合、この受光手段42から粒子計測手段52にこの多量の情報を出力するだけで100Hz程度に近く、画像処理込などの粒子計測手段の動作込みで100Hz程度の動作をさせることは困難である。
2次元受光センサー/モジュールとして、プログラム可能なFPGA(Field Programable Gate Array)をモジュールレベルで一体化させた場合には、外部への多量の情報量の出力の前に、形状に着目した画像処理を実施することができるので、ビデオレートとなる30Hzでの複雑な画像処理、又はこれより高速の60Hz~100Hzでの簡単な画像処理を実施する製品はあるが、この場合の2次元受光センサー/モジュールは科学用CMOSと比較してノイズの多い仕様であるか、情報量が少なく解像度は高くてHDTVレベルの低解像度仕様であるか、又は諧調性が8bit程度の低い仕様であるかなど、本発明の目的に利用することは難しい製品である。
このため、図1に示す本発明の粒子計数手段においては、この液滴210に含まれる粒子の個数を計測する第二の粒子計測手段52に加えて、既に説明した液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測する第一の粒子計測手段51を設け、2つの異なる粒子計測手段を有することにより、本発明の課題とする計数精度を向上させ、計測速度を向上させることができる粒子計数装置100Aを提供することを実現できる。
もう少し具体的にこの動作を説明する。蛍光粒子の濃度が、平均値として約0.2個/滴の場合、ポアソン分布から、液滴に蛍光粒子が存在する確率は、0.2に近いがこれより小さい、0.181である。これは、1/0.181≒5.52から、平均で約5.52滴に1滴の確率となるため、この1滴を除いた平均で約4.42滴は、蛍光粒子が0個、つまり蛍光粒子が全く液滴に含有されておらず、第二の粒子計測手段によりその個数を計測する必要がない。このため、第一の粒子計測手段によりその有無を計測し、液滴に蛍光粒子が有と計測した場合にのみ、第二の粒子計測手段により個数を計測する場合には、第二の粒子計測手段と同等の計測手段のみで蛍光粒子の有無や個数を計測する場合に比べて、平均として5.52倍の計測速度の向上を図ることができる。これは、通常、第二の粒子計測手段と同等の計測手段のみによる蛍光粒子の有無や個数を計測する場合は、前述したが、多量の画像データ転送と画像処理が必要であることからその処理速度が遅く、例えば、高解像度のpco.edge 5.5の場合には、平均10Hz程度が制御込みで可能な計測速度であるのに対し、本発明では、液滴吐出の周波数を5.52倍の55Hzに対応する、55Hzでの第一の粒子計測手段による高速計測を実現することができる上、個数計測は、引き続き、画像処理を用いた第二の粒子計測手段により行うことにより、高精度を同時に実現できる。
蛍光粒子の濃度が、平均値として約0.02個/滴の場合、ポアソン分布から、液滴に蛍光粒子が存在する確率は、0.02に近いがこれより小さい、0.0198である。これは、1/0.0198≒50.5から、平均で約50.5滴に1滴の確率となるため、この1滴を除いた平均で約49.5滴は、蛍光粒子が0個、つまり蛍光粒子が全く液滴に含有されておらず、第二の粒子計測手段によりその個数を計測する必要がない。このため、上述の蛍光粒子濃度が約0.2個/滴の場合と同様の動作により、液滴吐出の周波数が50.5倍の505Hzに対応する、505Hzでの第一の粒子計測手段による非常に高速となる計測を実現することができる上、個数計測は、引き続き、画像処理を用いた第二の粒子計測手段により行うことにより、高精度を同時に実現できる。
蛍光粒子の濃度が濃い場合の、平均値として約1個/滴の場合においても、ポアソン分布から、液滴に蛍光粒子が存在する確率は、1ではなく、これよりかなり小さい、0.632である。これは、1/0.632≒1.58から、平均で約1.58滴に1滴の確率となるため、この1滴を除いた平均で約0.58滴は、蛍光粒子が0個、つまり蛍光粒子が全く液滴に含有されておらず、第二の粒子計測手段によりその個数を計測する必要がない。このため、上述の蛍光粒子濃度が約0.2個/滴の場合と同様の動作により、液滴吐出の周波数が1.58倍の約16Hzに対応する、約16Hzでの第一の粒子計測手段による高速計測を実現することができる上、個数計測は、引き続き、画像処理を用いた第二の粒子計測手段により行うことにより、高精度を同時に実現できる。
蛍光粒子の濃度が、さらに非常に濃い場合においても、平均値が約2.4個/滴の場合までは、ポアソン分布から、液滴に蛍光粒子が存在する確率は、0.907に止まるため、本発明の第一の粒子計測手段と、第二の粒子計測手段とを組み合わせた場合には、上述の蛍光粒子濃度が約0.2個/滴の場合と同様の動作により、10%以上の高速計測が可能となり、幅広い蛍光粒子濃度において、第二の粒子計測手段のみによる蛍光粒子の有無や個数を計測する場合よりも効果的であることがわかる。
図4は、第一の粒子計測手段51と第二の粒子計測手段52とを有する図1に例示した粒子計数装置100Aが、上述の計数精度を向上させ、計測速度をも向上させることが可能であり、その動作の一例を示すフローチャートである。図4に示すように、S101では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、蛍光粒子201を含む液滴210を、図1中の303で示す液滴の吐出方向にノズル12から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数装置100Aは、処理をS102に移行させる。
S102では、駆動手段20から同期信号を入力された光照射手段30は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光301を液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光し、光302a及び光302bを受光する。これにより、受光手段41及び42は、蛍光粒子201からの発光による光に関する情報をそれぞれ取得することとなる。その後、粒子計数装置100Aは、処理をS103に移行させる。
S103では、受光手段41より蛍光粒子201の光302aに関する情報を出力された粒子計数手段51は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、蛍光粒子201の有無を判定する。蛍光粒子201「有」と判定した場合、その後、粒子計数装置100Aは、処理をS104に移行させる。蛍光粒子201「無」と判定すると、粒子計数装置100Aは、本処理を終了させる。
S104では、受光手段42より蛍光粒子201の光302bに関する情報を出力された第二の粒子計測手段52は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測する。その後、粒子計数装置100Aは、処理を終了させる。このようなS101~S104に示した動作手順により、粒子計数装置100Aは、計数精度を向上させ、計測速度を向上させることができる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態にかかる粒子計数装置は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置に、さらに、第一の粒子計測手段からの液滴に含まれる粒子が有との情報に基づいて第二の粒子計測手段により液滴に含まれる粒子の個数を計測する粒子計測手段制御手段と、第二の粒子計測手段からの液滴に含まれる粒子の個数の情報に基づいて液滴吐出手段を制御する液滴吐出手段制御手段と、をさらに有し、液滴吐出手段制御手段が、第一の粒子計測手段からの液滴に含まれる粒子が無との情報に基づいて第二の粒子計測手段からの情報を用いることなく液滴吐出手段を制御する手段である。
第2の実施の形態にかかる粒子計数方法は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置に、さらに、第一の粒子計測工程からの液滴に含まれる粒子が有との情報に基づいて第二の粒子計測工程により液滴に含まれる粒子の個数を計測する粒子計測工程制御工程と、第二の粒子計測工程からの液滴に含まれる粒子の個数の情報に基づいて液滴吐出工程を制御する液滴吐出工程制御工程と、をさらに含み、前記液滴吐出工程制御工程が、前記第一の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子が無との情報に基づいて第二の粒子計測工程からの情報を用いることなく液滴吐出工程を制御する工程を含む。
粒子計測工程制御工程は粒子計測手段制御手段により好適に実施することができ、液滴吐出工程制御工程は液滴吐出工程制御手段により好適に実施することができる。
また、液滴吐出工程制御工程が、第二の粒子計測工程からの液滴に含まれる粒子の個数の情報に基づいて粒子の個数を積算し、液滴吐出工程を制御する工程であることが好ましい。
図5は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。図5は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図1と類似の構成であり、この図1の構成に対して、粒子計測手段制御手段及び液滴吐出手段制御手段を設けた点が相違する。10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、41および42は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Bは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301はレーザー光であり、302aは受光手段41への光であり、302bは受光手段42への光であり、303は液滴の吐出方向であり、53は粒子計測手段制御手段であり、21は液滴吐出手段制御手段である。
以下、図5に示す第2の実施の形態に関し、図1と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図5に示すように、液滴吐出手段10は、液室11内に蛍光粒子201を懸濁した粒子懸濁液200を収容し、液室11に配置された図示しない圧電素子の変形により、蛍光粒子201を含む球体、楕円体、又はこれらが若干に変形した液滴210を、吐出方向303で示す方向に吐出することができる。
光照射手段30は、液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する手段である。光照射手段30は、駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出タイミングに合わせて、照明光となるレーザー光301を液滴210に照射する。
2つの受光手段41及び42は、いずれも光照射手段30を介して駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302a及び光302bを受光する。
受光手段41は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測可能な光センシングデバイス/モジュールであり、受光手段42は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測可能な光センシングデバイス/モジュールである。受光手段41及び受光手段42は、それぞれ電気的に接続された第一の粒子計測手段51と、第二の粒子計測手段52とに受光情報を出力し、これら受光素子の情報を基に、第一の粒子計測手段51は液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、第二の粒子計測手段52は液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測することができる。
受光手段42は、第二の粒子計測手段52と連携して蛍光粒子201の個数を計測することができる計測手段であり定量計測であるため、定性計測の受光手段41と比較して、高精度の計測となりこれを実現させせるためには、受光手段41と比較して取得情報量のより多い光センシングデバイス/ユニット、さらに第一の粒子計測手段51と比較してより複雑な情報処理を実施できる第二の粒子計測手段52を用いる。
第二の粒子計測手段52は、パーソナルコンピュータ(PC)及びPCにインストールした画像処理ソフトなどを用いることができる。2次元受光センサー/モジュールから出力された多量の画像情報は、PCの入出力インターフェースを介して、PCのメモリに高速に入力することができる。
粒子計測手段制御手段53は、第一の粒子計測手段51から出力された液滴210中の蛍光粒子201の有無に関する情報に基づいて、計測結果において蛍光粒子201が有の場合には、図1及び図4の場合と同様にして、第二の粒子計測手段52による個数計測を実施する。一方、計測結果において蛍光粒子201が無の場合には、液滴吐出手段制御手段21が、光照射手段30に再度のレーザー光301の発光、液滴吐出手段に再度の液滴吐出、受光手段41及び42の受光、さらには第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52に再度の粒子計測、などの動作を実施する信号をそれぞれに適切なタイミングで出力する。これにより、2回目の液滴210の吐出と、これに付随した液滴210中の蛍光粒子201の計測が実施される。
この2回目に吐出された液滴210中の蛍光粒子201の計測に関しては、1回目と同様に、粒子計測手段制御手段53は、第一の粒子計測手段51から出力された液滴210中の蛍光粒子201の有無に関する情報に基づいて、計測結果において蛍光粒子201が有の場合には第二の粒子計測手段52による個数計測を実施し、粒子計測及び液滴吐出を停止する。一方、計測結果において蛍光粒子201が無の場合には、1回目と同様に、液滴吐出手段制御手段21が、光照射手段30に再度のレーザー光301の発光、液滴吐出手段に再度の液滴吐出、受光手段41及び42の受光、さらには第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52に再度の粒子計測などの動作を実施する信号をそれぞれに適切なタイミングで出力する。これにより、3回目の液滴210の吐出と、これに付随した液滴210中の蛍光粒子201の計測が実施される。以下、粒子計測手段51により液滴210中の蛍光粒子が有と計測されるまで、液滴吐出手段制御手段21は、同様の動作を繰り返すにように液滴吐出手段及び関連したモジュールを制御する。この動作の繰り返しが停止して終了となるのは、粒子計測手段51により液滴210中の蛍光粒子が有と計測された場合であり、その後、粒子計測手段52による個数計測の情報を、本粒子計数装置100Bが個数情報として取得した場合である。
これらの動作により、1個以上の蛍光粒子を所定の液滴吐出位置に必要な場合、液滴吐出手段10からの吐出された液滴210中の蛍光粒子201の個数を高精度かつ高速に計測する粒子計数装置を提供することができる。また、2個以上の複数個の蛍光粒子が所定の液滴吐出位置に必要な場合においても、上記動作に加えて、粒子計測手段52による個数計測の情報を加算して所定の個数に積算されたという判断となるまで液滴吐出手段制御手段21による液滴吐出手段10への液滴吐出実施の制御と、第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52による計測とを続けることにより、高精度かつ高速に計測する粒子計数装置を提供することができる。
液滴吐出手段制御手段21は、液滴吐出手段10を制御する信号を、図5に示すように光照射手段30経由で出力することに制限されるわけではなく、直接、又は間接的にファンクションジェネレータと連携することにより、ファンクションジェネレータ経由でそれぞれに遅延を考慮した同期信号を出力しても実現できる。さらには、このファンクションジェネレータの機能を、液滴吐出手段10、又はこの液滴吐出手段制御手段21と一体化してもよい。また、液滴吐出手段制御手段21は、第一の粒子計測手51及び第二の粒子計測手52から情報を取得することにその情報取得先が制限されるわけではなく、その他の複数の構成要素からの情報を取得した上で、液滴吐出手段10を制御することが好ましい。
粒子計測手段制御手段53は、第一の粒子計測手段51と同様に、パーソナルコンピュータ(PC)及びPCにインストールした制御ソフトや、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、又はシーケンサと呼ばれる制御専用機器とこれにインストールするシーケンス・プログラムなどを用いることができる。
この液滴吐出手段制御手段21は、第一の粒子計測手段51又は粒子計測手段制御手段53と同様に、パーソナルコンピュータ(PC)及びPCにインストールした制御ソフトや、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、又はシーケンサと呼ばれる制御専用機器とこれにインストールするシーケンス・プログラムなどを用いることができる。
図6は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の動作の一例を示すフローチャートである。より詳細には、図6は、第2の実施の形態にかかる粒子計測手段制御手段53及び液滴吐出手段制御手段21を有する図5に例示した粒子計数装置100Bが、上述の計数精度を向上させ、計測速度を向上させることができる粒子計数装置100Bとして機能する動作手順の一例を示すものである。図6に示すように、S201では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、蛍光粒子201を含む液滴210を、図5中の303で示す吐出方向にノズル12から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数装置100Bは、処理をS202に移行させる。
S202では、駆動手段20から同期信号を入力された液滴吐出手段10は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光301を液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302a及び光302bを受光する。これにより、受光手段41及び42は、蛍光粒子201からの発光に関する情報をそれぞれ取得することとなる。その後、粒子計数装置100Bは、処理をS203に移行させる。
S203では、受光手段41より蛍光粒子201の発光による光302aに関する情報を出力された粒子計数手段51は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、蛍光粒子201有か否かを判定する。蛍光粒子201「有」と判定すると、その後、粒子計数装置100Bは、処理をS204に移行させる。蛍光粒子201「無」と判定すると、液滴吐出手段制御手段21が作用し、処理をS201に戻す。
S204では、受光手段42より蛍光粒子201の発光による光302bに関する情報を出力された第二の粒子計測手段52は、粒子計測手段制御手段により液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測する。その後、粒子計数装置100Bは、処理を終了させる。このようなS201~S204に示した動作手順により、粒子計数装置100Bは、計数精度を向上させ、計測速度を向上させることができる。
図7は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の計測精度の一例を示す図である。図7は、図5の構成にて、図6の動作手順により実施した粒子計数装置100Bの計測精度を例示したものである。粒子計数装置の計測精度の評価に際しては、図5における蛍光粒子としては、平均直径10μm以下の細胞を用いて、これをエバンスブルー蛍光染料で染色したものを用いる。これ以外の実験条件は、図2、図3A、及び図3Bでの発光による光に関する情報を取得した実験条件とほぼ同じである。吐出した液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測する第一の粒子計測手段51と、吐出した液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測する第二の粒子計測手段52とを設ける構成であり、この比較が必要であることから、これらに情報を出力する2つの受光手段の差異の影響を低減するため、受光手段41と受光手段42とは同じ感度レベルの製品を用いた。
細胞濃度は、粒子懸濁液200中の体積当たりの蛍光粒子201の濃度ではなく、吐出した液滴210の1液滴あたりに含まれる蛍光粒子数の平均値を示したものであり、この細胞濃度が約0.25個/滴となるように調整した。ただし、液滴吐出中に液室11中の粒子懸濁液200を撹拌していないことにより、蛍光粒子の沈降により実験中に濃度変動が生じる。基準とする吐出した液滴210中の蛍光粒子201の実際の個数は、着弾した液滴に含まれる蛍光粒子を、蛍光顕微鏡(Axio Obserber、カールツァイスマイクロスコピー株式会社製)にて20倍対物レンズを用いて別途画像取得し、この画像に対して蛍光粒子数を目視で判定することにより取得した。
表1は、第一の粒子計測手段51のみの場合の結果を示すものであり、吐出した液滴210中での蛍光粒子201の個数ではなく、細胞有り、細胞無し、のみの計測を実施した場合の結果である。着弾した液滴での個数は実際の吐出した液滴210中の個数であり、液滴中の液滴210に細胞0個、細胞1個、細胞2個、及び細胞4個に対して、細胞有り、細胞無し、を計測した結果を示す。細胞0個の場合には、液滴粒子210からの発光がないため、100%の正答率であるが、細胞1個の場合には、1件の間違いがある。吐出した液滴210中の蛍光粒子201に対し、光照射手段30による照明の照明光量分布があり、また、受光手段41による受光にも光利用効率に分布があり、さらに、蛍光粒子自体の発光効率にもばらつきがあり、これらのうちの1以上の原因によって、蛍光粒子201が暗くなり、細胞無し、と誤計測してしまったことが考えられる。ただし、正当率としては99%以上である。
細胞2個以上の場合は、細胞有り、すべての件数が細胞有り、となっており、正答率はいずれも100%である。しかしながら、蛍光粒子1個をマイクロプレートの所定の1ウェルに吐出された粒子含有試料を作製する場合には、有り、とした蛍光粒子が、1個か、2個か、3個か、4個か不明であり、この場合は計測精度に影響する。
Figure 0007172212000001
表2は、第二の粒子計測手段52のみの場合の結果を示すものであり、表1とは異なり、吐出した液滴210中での蛍光粒子201の個数を計測したものである。着弾した液滴での個数は、実際の液滴210中の個数であり、液滴中の液滴210に細胞0個、細胞1個、細胞2個、細胞3個及び細胞4個に対して、細胞0個、細胞1個、細胞2個、細胞3個、及び細胞4個の場合について個数計測した結果を示す。
細胞0個の場合には、蛍光粒子201からの発光がないので、100%の正答率である。これは、表1と同じであり、蛍光粒子201の発光による光に基づく信号が有るか、ノイズのみで信号が無いか、による計測結果になることから、今回、受光手段41と42に同じ製品を用いたため、感度や雑音比が同じであるため、結果は同じとなる。
表2において、着弾した液滴中に細胞1個の場合に、1件の間違いがある。これも、細胞0個と同様に、既に記載したが蛍光粒子が暗い場合があり計測が困難となり、この場合も、受光手段が同じであるため、結果が同じとなる。ただし、表1と同様に、正当率としては99%以上である。
表1において、着弾した液滴の中に細胞1個の場合に、吐出した液滴の中に細胞2個と計測した間違いが5件ある。これは、図3Aに示すように、液滴210中の蛍光粒子201の位置により、その画像情報は複雑となり、細胞1個か、細胞2個かの判断が間違う可能性が生じることによる。同様に、細胞2個の場合も3件の細胞1個とする間違いとなった。正答率自体は、85%と比較的低くなる。
以下、細胞3個の場合も1件の細胞4個とする間違い、細胞4個の場合も1件の細胞3個の間違い、となる複数の誤計測があり、発生件数が低いために不確かさはあるが、これらは比較的低い正答率となった。
Figure 0007172212000002
表1、及び表2は、細胞濃度が約0.25個/滴で調整した懸濁液に基づく結果であること、1滴のみ液滴吐出で細胞0個の場合を当然に確率的に多く含む結果となる液滴吐出であること、実際の液滴吐出では、着弾した細胞濃度は計測時に既知ではないこと、及び着弾液滴の計測結果に対する正答率ではなく、吐出した液滴の計測結果に対する正答率を考慮する必要があること、などから、1液滴ではなく1細胞を吐出する場合の正しい正答率Tは、表1及び表2の結果を基にして、実際の目的により適用する細胞濃度の値に対して、正答率Tを換算する必要がある。
1細胞を吐出する場合の正答率Tの換算値は、以下の方法で求めることができる。まず、表1及び表2の結果は、細胞濃度が約0.25個/滴での結果であり、これを目的により適用する細胞濃度の値に換算する。着弾液滴中に各細胞個数が発生する比率は、細胞濃度により決定されるポアソン分布に確率的に従うため、目的により適用する細胞濃度でのポアソン分布を各細胞個数の場合の出現頻度とする。ここでの各細胞数の個数とは、実際の個数を意味し、これは着弾液滴に対する計測個数である。そして、この各細胞個数の出現頻度に合計値がなるように、計測した細胞の有無、又は計測した細胞の個数、でその比率を割り振る。この値は、すべての値の合計値が1となる前提での、実際の各細胞個数と、計測による有無ごと、又は個数ごとに割り振られた、行列の各要素の発生比率を示す値となる。
次に、それぞれの吐出した液滴に対する計測の正答率を求める。これは、各要素の発生比率の値を、細胞有無、又は細胞個数のいずれかの着目した計測条件ごとに、すべての実際の各細胞個数に対する合計を求め(これは、各要素の発生比率の行の要素の和、つまり横方向の要素の和となる)、これを着目した計測条件が発生する発生比率の和とする。この和を構成する要素のうち、着目した計測条件と、実際の細胞個数の条件とが一致する要素が正答であるため、計測に対する正答率は、この条件が一致した要素の発生比率を、上述の着目した計測条件が発生する発生比率の和で除したものが、着目した計測条件の正答率となる。
この飛翔液滴に対する計測の正答率を、計測条件ごとに、それぞれ、表1(第一の粒子計測手段のみ)の場合の細胞無をr(OFF)、細胞有をr(ON)、表2(第二の粒子計測手段のみ)の場合の細胞0個をr(0)=r(OFF)、細胞1個をr(1)、細胞2個をr(2)、細胞3個をr(3)、及び細胞4個をr(4)とする。また、除した値となる上述のそれぞれの計測条件の和は、着目した計測が発生する確率でもあり、ぞれぞれ、表1の場合の細胞無をp(OFF)、細胞有をp(ON)、表2の場合の細胞0個をp(0)=p(OFF)、細胞1個をp(1)、細胞2個をp(2)、細胞3個をp(3)、細胞4個をp(4)とする。
この計測が発生する確率と、その計測が発生した場合の正答率を基に、1回又は複数回の液滴吐出により、1細胞以上、つまり細胞有の計測結果、又は1細胞の計測結果となった場合の正答率Tを求めることができる。液滴吐出回数程度までの可能性に対する事象ごとに確率と正答率を計算して求めることとなるが、この正答率Tを近似的に98%以上の精度を求めるには、細胞濃度の逆数を5倍~10倍以上した液滴吐出回数程度までの可能性に対する事象ごとの確率×(飛翔液滴に対する計測の)正答率を積算することが好ましい。例えば、細胞濃度0.02個/滴の場合、その逆数である50の5倍は、50×5=250から、吐出250液滴目に初めて細胞有、と計測された事象まで計算することが好ましい。
しかしながら、このような確率×正答率の和は、細胞無(細胞0個)の計測となることの繰り返しが主たる要素であり、この要素が細胞無の場合の確率×正答率、p(OFF)×r(OFF)、を等比とする等比数列となることに着目してその積算は、解析的に近似することができ、比較とする第一の粒子計測手段51のみの場合は、以下の(式1)により正答率Tが求まる。
Figure 0007172212000003
第一の粒子計測手段51に加えて、第二の粒子計測手段52の2つを用いた第2の実施の形態の場合、第二の粒子計測手段52にて細胞2個以上を計測した場合は、この場合を利用しない判断を加えることができ、これを考慮した修正により、(式1)は、以下の(式2)に修正される。
Figure 0007172212000004
図7は、より詳細には、表1及び表2の1液滴に対する計測結果を基に、上述の式1と式2とを用いて、第一の粒子計測手段51のみの場合と、第二の実施の形態の場合とに対し、細胞有又は細胞1個を計測した場合の正答率Tを、目的により応じて最適に設定される細胞濃度を横軸として示したものである。
図7に示すように、計測精度となる正答率Tは、第2の実施形態の場合と比較とする第一の粒子計測手段51のみを用いた構成では、細胞濃度が薄い場合には、大きな差はない。例えば、細胞濃度0.001個/滴の場合には、第2の実施の形態の正答率Tは99.1%に対し、第一の粒子計測手段51のみでは99.0%である。これは、細胞濃度が薄い場合には、ポアソン分布に従った確率により、理論的に細胞2個/滴以上の液滴の吐出がほとんど発生しないことによる。
しかしながら、このような細胞濃度0.001個/滴といった薄い細胞濃度の場合、1個の細胞を、液滴210を吐出させて得るには、平均的な液滴210の吐出回数として、1,000回が必要となる。実際には、精度を維持するためにはこの約5倍、つまり少なくとも5,000回もの液滴210の吐出の場合を容認する必要がある。このため、細胞濃度0.001個/滴といった薄い細胞濃度は、産業的には高コストとなる細胞濃度となる。
この20倍濃縮の濃度となる、細胞濃度0.02個/滴の場合には、第2の実施の形態の正答率Tは98.9%に対し、第一の粒子計測手段51のみでは98.1%と、0.8%以上、正答率Tの差が拡大し、第2の実施の形態の優位性が明瞭となる。正答率Tの逆となるエラー率として換算すると、第2の実施の形態のエラー率の1.1%に対し、第一の粒子計測手段51のみでは1.9%と、約2倍であることがわかる。この細胞濃度においては、平均的な液滴210の吐出回数は51回となり、液滴吐出手段10を100Hzで動作させた場合には、0.5秒間で1細胞の吐出に相当し、産業的に十分に低いコストとなる。その上で、細胞が有の液滴に対しては、第二の粒子計測手段52により個数計測を1回のみであるが実施しているため、第二の粒子計測手段52のみの場合と同程度の高精度を実現することができる。
この液滴吐出手段10の100Hzでの動作に対して、高速計測が可能な第2の実施の形態となる粒子計数装置100Bや、比較とした第一の粒子計測手段51のみの場合とも、十分に対応できる周波数である。一方、第二の粒子計測手段52のみの場合は、その正答率Tは第2の実施の形態となる粒子計数装置100Bとほぼ同様であるものの、多量の情報となる画像情報の出力(転送)、画像処理に処理時間を要するため、これらすべての処理をして個数計測を終了するには、100Hzは非常に困難であり、高速度という点で第2の実施の形態となる粒子計数装置100Bの優位性がある。また、正答率Tは、細胞の有る液滴に関しては、第2の実施の形態の場合においても最後に第二の粒子計測手段52で個数計測するため、第二の粒子計測手段52のみの場合とほぼ同レベルとなる。
この第2の実施の形態の優位性は、細胞濃度が増加するに増大し、例えば、細胞濃度が0.2個/滴の場合には、第2の実施の形態の正答率Tは97.6%に対し、第一の粒子計測手段51のみでは、その値が90%より小さく図示されていないが89.5%と、非常に大きな差となる。産業的には、分析危機用試料など1個~100個の細胞が必要な場合もあるが、これ以外に薬品などの評価用として小型の組織サンプルが必要とされる場合があり、これは細胞数が複数桁異なる1万個レベルの細胞が必要となる。1万個の細胞は、細胞濃度0.2個/滴にて100Hzの液滴吐出をした場合に10分間弱の時間が必要であり、産業的なコストを考慮すると細胞濃度をこのレベルまで高くすることが好ましいが、この細胞濃度では、比較とした第一の粒子計測手段51のみの場合では精度が大きく低下して問題となることから、第2の実施の形態を用いることが非常に効果的であることがわかる。
ただし、第一の粒子計測手段51のみの場合は、細胞濃度が低い場合に、具体的には細胞濃度0.02個/滴以下の場合に、正答率T97%以上と十分に高い値であり、図示はしていないが、第二の粒子計測手段52のみの場合とほぼ同レベルとなる。第一の粒子計測手段51のみの場合、受光手段41にAPDのみ設ける、といった簡易な構成を用いることができ、第二の粒子計測手段52のみの場合と比較して高速性と低コストとを実現できるという効果がある。図7は、第一の粒子計測手段51のみの場合と、第二の粒子計測手段52のみの場合の優劣を比較はしていない。
図8は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の別の動作の一例を示すフローチャートである。図8は、第2の実施の形態にかかる、複数の蛍光粒子に関する計数精度を向上させ、計測速度を向上させることができる粒子計数装置100Bとして機能する、図6とは別の動作手順の一例を示すものである。図7に示すように、S301では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、蛍光粒子201を含む液滴210を、図5中の303で示す液滴の吐出方向にノズル12から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数装置100Bは、処理をS302に移行させる。
S302では、駆動手段20から同期信号を入力された液滴吐出手段10は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光301を液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302a及び光302bを受光する。これにより、受光手段41及び42は、蛍光粒子201からの発光による光に関する情報をそれぞれ取得することとなる。その後、粒子計数装置100Bは、処理をS303に移行させる。
S303では、受光手段41より蛍光粒子201の光302aに関する情報を出力された第一の粒子計測手段51は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、蛍光粒子201が有か否かを判定する。蛍光粒子201「有」と判定すると、その後、粒子計数装置100Bは、処理をS304に移行させる。蛍光粒子201「無」と判定すると、液滴吐出手段制御手段21が作用し、処理をS301に戻す。
S304では、受光手段42より蛍光粒子201の光302bに関する情報を出力された第二の粒子計測手段52は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測する。その後、粒子計数装置100Bは、処理をS305に移行させる。
S305では、液滴吐出手段制御手段21が、第二の粒子計測手段52により計測された液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を積算する。この積算個数が、所定の液滴吐出位置に必要な蛍光粒子数に到達したかを判定する。必要な蛍光粒子数に到達したと判定すると、その後、粒子計数装置100Bは、処理を終了させる。必要な蛍光粒子数に到達していないと判定すると、液滴吐出手段制御手段21が作用し、処理をS301に戻す。このようなS301~S305に示した動作手順により、粒子計数装置100Bは、複数の蛍光粒子に関する計数精度を向上させ、計測速度を向上させることができる。
<第3の実施の形態>
図9は、第3の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。図9は、第2の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図5と類似の構成であり、図5の構成に対して第一の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子が無との情報に基づいて、液滴を略同一位置に連続吐出するように液滴吐出位置を制御する連続吐出位置制御手段を設けた点が相違する。
第3の実施の形態にかかる粒子計数方法は、第2の実施の形態にかかる粒子計数方法に、さらに、前記第一の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子が有との情報に基づいて、液滴を略同一位置に連続吐出する連続吐出位置制御工程と、前記連続吐出位置制御工程からの情報に基づいて液滴吐出位置を移動させる液滴吐出位置移動工程と、を含むことが好ましい。
連続吐出位置制御工程は連続吐出位置制御手段により好適に実施することができる。
図9において、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、41および42は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Cは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301はレーザー光であり、302aは受光手段41への光であり、302bは受光手段42への光であり、303は液滴の吐出方向であり、53は粒子計測手段制御手段であり、21は液滴吐出手段制御手段であり、22は連続吐出位置制御手段であり、60は液滴吐出位置移動手段であり、61はマイクロプレートである。
以下、図9に示す第3の実施の形態に関し、図5と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。粒子計測手段制御手段53は、第一の粒子計測手段51から出力された液滴210中の蛍光粒子201の有無に関する情報に基づいて、計測結果において蛍光粒子201が有の場合には図1及び図5の場合と同様に、第二の粒子計測手段52による個数計測を実施するが、計測結果において蛍光粒子201が無の場合には、液滴吐出手段制御手段21が、光照射手段30に再度のレーザー光301の発光、液滴吐出手段に再度の液滴吐出、受光手段41及び42の受光、さらには第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52に再度の粒子計測などの動作を実施する信号をそれぞれに適切なタイミングで出力する。これにより、2回目の液滴210の吐出と、これに付随した液滴210中の蛍光粒子201の計測が実施される。
この2回目に吐出された液滴210中の蛍光粒子201の計測に関しては、1回目と同様にして、液滴吐出手段制御手段21は、第一の粒子計測手段51から出力された液滴210中の蛍光粒子201の有無に関する情報に基づいて、計測結果において蛍光粒子201が有の場合には第二の粒子計測手段52による個数計測を実施し、粒子計測及び液滴吐出を停止するが、計測結果において蛍光粒子201が無の場合には、1回目と同様にして、光照射手段210に再度のレーザー光301の発光、液滴吐出手段に再度の液滴吐出、受光手段41及び42の受光、さらには第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52に再度の粒子計測などの動作を実施する信号をそれぞれに適切なタイミングで出力する。これにより、3回目の液滴210の吐出と、これに付随した液滴210中の蛍光粒子201の計測が実施される。以下、粒子計測手段51により液滴210中の蛍光粒子201が有と計測されるまで、液滴吐出手段制御手段21は、同様の動作を繰り返すにように液滴吐出手段及び関連したモジュールを制御する。この動作の繰り返しが停止して終了となるのは、粒子計測手段51により液滴210中の蛍光粒子201が有と計測された場合であり、その後、粒子計測手段52による個数計測の情報を、本粒子計数装置100Cが個数情報として取得した場合である。
これらの動作により、1個以上の蛍光粒子が、この蛍光粒子の被着対象物となるマイクロプレート61の所定の液滴吐出位置となる特定ウェルに必要な場合、液滴吐出手段10からの吐出された液滴210中の蛍光粒子201の個数を高精度かつ高速に計測することができる。また、2個以上の複数個の蛍光粒子が、マイクロプレート61の所定の液滴吐出位置となる特定ウェルに必要な場合においても、上記動作に加えて、第二の粒子計測手段52による個数計測の情報を加算して所定の個数に積算されたという判断となるまで液滴吐出手段制御手段21による液滴吐出手段10への液滴吐出実施の制御と、第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52による計測とを続けることにより、高精度かつ高速に計測することができる。このマイクロプレート61の所定の液滴吐出位置となる特定ウェルへの連続吐出の間、連続吐出位置制御手段22はマイクロプレート61が設定された液滴吐出位置移動手段60を制御することにより、その位置を移動させない。
マイクロプレート61としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1穴マイクロチューブ、8連チューブ、96穴のウェルプレート、384穴のウェルプレートなどが挙げられる。
マイクロプレート61の所定の液滴吐出位置となる特定ウェルに連続吐出することにより、高精度に計測された所定の個数の蛍光粒子を着弾させる動作が終了した後、液滴吐出手段制御手段21の作用により、液滴吐出手段10が液滴吐出を停止している間に、連続吐出位置制御手段22は、マイクロプレート61が設定された液滴吐出位置移動手段60を制御することにより、マイクロプレート61の一部となるこれまで蛍光粒子を着弾させた位置と異なる新たな別の所定の液滴吐出位置となる特定ウェルが新たな着弾位置となるように、マイクロプレート61の一部となる連続吐出位置を移動させる。
この後、新たにマイクロプレート61の一部となる連続吐出位置に着弾した蛍光粒子の個数0個として、液滴吐出手段制御手段21が、第一の粒子計測手段51から出力された液滴210中の蛍光粒子201の有無に関する情報に基づいて、計測結果において蛍光粒子201が有の場合には図5の場合と同様にして、第二の粒子計測手段52による個数計測を実施し、計測結果において蛍光粒子201が無の場合には、光照射手段30に再度のレーザー光301の発光、液滴吐出手段に再度の液滴吐出、受光手段41及び42の受光、さらには第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52に再度の粒子計測などの動作を実施する信号をそれぞれに適切なタイミングで出力する。これにより、マイクロプレート61の新たな別の所定の液滴吐出位置となる特定ウェルに対して2回目の液滴210の吐出と、これに付随した液滴210中の蛍光粒子201の計測が実施される。以降、同様の動作を続けることにより、1個以上の蛍光粒子が、マイクロプレート61の所定の液滴吐出位置となる特定ウェルに必要な場合、液滴吐出手段10からの吐出された液滴210中の蛍光粒子201の個数を高精度かつ高速に計測することができる。
図10は、第3の実施の形態にかかる粒子計数装置の動作の一例を示すフローチャートである。図10は、第3の実施の形態にかかる、複数の蛍光粒子に関する計数精度を向上させ、計測速度を向上させることができる粒子計数装置100Cとして機能する動作手順の一例を示すものである。図10に示すように、S401では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、蛍光粒子201を含む液滴210を、図9中の303で示す吐出方向にノズル12から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数装置100Cは、処理をS402に移行させる。
S402では、駆動手段20から同期信号を入力された光照射手段30は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光301を液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302a及び光302bを受光する。これにより、受光手段41及び42は、蛍光粒子201からの発光による光に関する情報をそれぞれ取得することとなる。その後、粒子計数装置100Cは、処理をS403に移行させる。
S403では、受光手段41より蛍光粒子201の光302aに関する情報を出力された粒子計数手段51は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、蛍光粒子201が有か否かを判定する。蛍光粒子201「有」と判定すると、その後、粒子計数装置100Cは、処理をS404に移行させる。蛍光粒子201「無」と判定すると、液滴吐出手段制御手段21が作用し、処理をS401に戻す。
S404では、受光手段42より蛍光粒子201の光302bに関する情報を出力された第二の粒子計測手段52は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測する。その後、粒子計数装置100Cは、処理をS405に移行させる。
S405では、液滴吐出手段制御手段21が、第二の粒子計測手段52により計測された液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を積算する。この積算個数が、所定の液滴吐出位置に必要な蛍光粒子数に到達したかを判定する。必要な蛍光粒子数に到達したと判定すると、その後、粒子計数装置100Cは、処理をS406に移行させる。必要な蛍光粒子数に到達していないと判定すると、液滴吐出手段制御手段21が作用し、処理をS401に戻す。
S406では、連続吐出位置制御手段22により、マイクロプレート61の別の液滴吐出位置に液滴が着弾されるように、液滴吐出位置移動手段60を移動し、マイクロプレート61の一部となる連続吐出位置を移動させる。その後、粒子計数装置100Cは、処理をS407に移動させる。
S407では、所定の液滴吐出位置への必要な蛍光粒子数の蛍光粒子の着弾をすべて完了したかを判定する。蛍光粒子の着弾をすべて完了したと判定すると、その後、粒子計数装置100Cは、処理を終了させる。必要な着弾を完了していないと判定すると、液滴吐出手段制御手段21と連続吐出位置制御手段22が作用し、処理をS401に戻す。
<第4の実施の形態>
図11は、第4の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。
第4の実施の形態にかかる粒子計数装置は、第一の粒子計測手段に接続される受光手段が、2以上の異なる方向に発光された光を受光する2以上の受光手段を有する。
図11は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図1と類似の構成であり、この図1の構成に対して、第一の粒子計測手段に情報を出力する異なる方向に配置した受光手段を2個設けた点が相違し、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、43a、43b及び42は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Dは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301はレーザー光であり、302aは受光手段43aへの光であり、302bは受光手段42への光であり、302cは受光手段43bへの光であり、303は液滴の吐出方向である。
以下、図11に示す第4の実施の形態に関し、図1と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図11に示すように、3つの受光手段43a、43b及び42は、いずれも光照射手段30を介して駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された受光手段43a、43b及び42は、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302a、光302c及び光302bを受光する。
受光手段43a及び43bは、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測可能な光センシングデバイス/モジュールであり、受光手段42は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測可能な光センシングデバイス/モジュールである。受光手段43a、43b及び42は、それぞれ電気的に接続された第一の粒子計測手段51と、第二の粒計測手段52とに受光情報を出力し、これら受光手段の情報を基に、第一の粒子計測手段51は液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、第二の粒子計測手段52は液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測することができる。
受光手段42は、第二の粒子計測手段52と連携して蛍光粒子201の個数を計測することができる計測手段であり定量計測であるため、定性計測の受光手段43a及び43bと比較して、高精度の計測となりこれを実現させるためには、受光手段43a及び43bと比較して取得情報量のより多い光センシングデバイス/ユニット、さらに第一の粒子計測手段51と比較してより複雑な情報処理を実施できる第二の粒子計測手段52を用いる。
このとき、第一の粒子計測手段に情報を出力する受光手段43a、及び43bは、その配置した方向により、受光する液滴210中の蛍光粒子201からの発光光量が大きく変動する。
これは、液滴210の主成分が屈折率n=1.333の水であり、液滴210の直径が約40μmから100μmと非常にその曲率が小さいことによる、液滴のレンズ作用に基づく。受光手段43a、及び43bを配置する方向が異なることは、受光手段43a、及び43bに対する液滴210中の蛍光粒子の位置が、異なることとなり、レンズ作用の作用が異なる状態となり、これが液滴210中の蛍光粒子201からの発光による光を受光する量の違いとなる。
このため、第1の実施の形態では、その受光手段41で受光する蛍光粒子201の発光光量が、液滴210ごとに大きくばらつくことが、計測精度を劣化させる要因となる場合がある。このばらつきは計測するダイナミックレンジの設定や、閾値の設定として問題となる場合があるが、液滴210のレンズ作用の問題としては、このばらつきとして発光光量が小さくなった場合に、発光光量が非常に小さくなり、照明光として照射するレーザー光や蛍光粒子の性能にもよるが、ノイズと同レベル近くとなることで計測精度を劣化させる要因となる場合があり問題である。
図11に示す第4の実施の形態は、本問題を解決するものであり、2つの異なる方向となる位置に、第一の粒子計測手段51に情報を出力する受光手段43a、及び43bを配置しているため、液滴210のレンズ作用により蛍光粒子201からの発光光量が小さくなる場合が発生する頻度を大きく低減することができ、これにより、受光手段43a、及び43bからの受光に関する情報を取得した第一の粒子計測手段51による、蛍光粒子の有無に関する計測の精度を向上することができる。
第一の粒子計測手段51に情報を出力するために設ける異なる方向の受光手段は、2つに制限する必要はなく、3つ、4つとその数を増加するほど、液滴210のレンズ作用により蛍光粒子201からの発光光量が小さくなる場合が発生する頻度を低減することができ、計測精度を向上することができる。この異なる方向は、水平方向に制限されるわけではなく、垂直方向に異なる方向を設定することも効果的である。
図12A及び図12Bは、光学シミュレーションにより求めた、第一の粒子計測手段に情報を出力するために2つ以上の受光手段を異なる方向に設けることにより、発光光量が小さくなる場合が発生する頻度を低減する度合いの例として蛍光粒子からの発光のカメラレンズによる受光光量分布を図示したものである。図12Aは、図1に記載の第1の実施の形態となる第一の粒子計測手段に情報を出力する受光手段が1個の場合であり、図12Bは、図1に記載の第4の実施の形態となる第一の粒子計測手段に情報を出力する受光手段を2つの異なる方向となる位置に設けたものである。液滴210の断面中心をzy軸の原点とし、水平z軸(単位:μm)は図面右側が正とした光軸方向であり、垂直y軸(単位:μm)は図面上側が正とした像高方向である。発光光量が小さくなる要因は、上述の受光手段の方向に対する液滴のレンズ作用以外に、蛍光粒子の蛍光特性のばらつき、光照射手段の方向に対する液滴のレンズ作用などがあり、実験的には液滴210中の蛍光粒子201位置の計測が難しいことから、前述3つの要因のうちの2つの要因に関して実験によって精度を有する定量的比較は難しいことから光学シミュレーションによる比較は適切である。
光学シミュレーションは、以下により実施した。光学シミュレーションツールとしては、LightTools8.4.0(サイバーネットシステム株式会社製)を用い、PCにより計算した。光学モデルとしては、液滴210の直径を80μm、蛍光粒子201の直径を5μm、液滴を構成する水の屈折率を1.333とし、液滴210中の蛍光粒子201からの発光は、作動距離220mmをもって離した6倍カメラレンズ(NA=0.68)と、このカメラレンズの結像面に配置した直径1mmの受光素子から構成される受光手段41により受光される構成とした。液滴界面は、フレネル計数に基づく透過反射を設定し、3回まで入射までの光線を追跡した。6倍カメラレンズはVS-TC6-220CO(株式会社ヴイ・エス・テクノロジー製)を想定した無収差に近い仮想レンズを設計し、受光素子はソーラボジャパン社製のAPDを想定した受光径とした。
液滴210の断面中心をzy軸の原点とし、水平z軸(単位:μm)は光軸方向であり、垂直y軸(単位:μm)は像高方向であり、カメラレンズの前面は右側z=220mmに位置する。液滴210中の蛍光粒子201の中心位置を、原点を中心に5μmピッチで配置した場合に対し、蛍光粒子201から一定量の発光があった場合の、蛍光粒子のそれぞれの配置での照射光量となる受光光量を計算した。計算は、蛍光粒子が全方向発散光源のため光線本数を5,000万本で計算し、カメラレンズの結像面における必要精度を確保した。また、分布及び比較検討するため、図12Aにおいてカメラレンズ側となる液滴のレンズ作用が比較的に小さい液滴210の右端(z,y)=(35,0)の位置での受光光量を1.0として正規化した。
図12Aに示すように、液滴210内において、蛍光粒子201の位置が、光軸上でカメラレンズと反対側の左側に近づくにつれて、右端のレンズ作用の小さい場合と比較して、受光光量が最大12倍まで増大していることがわかる。液滴210が凸レンズとして作用して、カメラレンズで受光できる立体角を増大することがその理由である。一方、蛍光粒子201の位置が、光軸からの距離が大きくなる上下端に近づくにつれて、右端のレンズ作用のない場合と比較して、受光光量が最小10分の1まで減少していることがわかる。また、(z,y)=(-25,-25)及び(-25,25)の位置では、受光光量は0である。
液滴210の凸レンズとして作用するが、大きな発光角で出射された発光による光に対してコリメートレンズに類似の作用をすることにより、蛍光粒子201から発光のほとんどが、カメラレンズがある方向とは別の方向に光伝播することがその理由である。レンズ作用の問題として液滴210内の蛍光粒子201の位置により、その発光光量が同じであっても、受光光量が非常に小さくなる場合があり、受光光量が0となる位置では、液滴210内に蛍光粒子が存在しても計測できない場合があることがわかる。
図12Bは、受光手段43a、及び43bを、異なる方向となる対向位置(液滴210を中心に180度位置)に設けた場合の受光光量を示したものであり、受光手段43a、及び43bの受光光量の加算値を示した。液滴210内において、蛍光粒子201の位置が、原点から両側の左右端に近づくにつれて、図12Aの右端のレンズ作用の小さい場合と比較して、受光光量が最大13倍まで増大していることがわかる。しかしながら、この値は図12Aの場合とほぼ同様である。一方、図12Bにおいて、蛍光粒子201の位置が、光軸からの距離が大きくなる上下端に近づくにつれて、右端のレンズ作用のない場合と比較して、受光光量が最大2分の1まで減少していることがわかる。このため、液滴のレンズ作用がない場合の2分の1程度の光量に、受光光量の下限を設定した計測を設計することにより高精度の計測ができることがわかる。又、受光光量の上限は、図12Aとほぼ同じでよい。
図11において、第一の粒子計測手段に情報を出力するために設ける複数の受光手段の異なる方向は、この設ける数が2つ以上の場合には、少なくともそのうちの2つの受光手段が略対向方向(略180度方向、ここでは160度~200度方向を示す)に配置することが効果的である。この場合は、既に記載の図12Bの場合であり、前述のように図12Aにおける受光光量0の位置をなくすと同時に最小の受光光量を大きくすることができるが、例えば、2つの受光手段が略直交方向(略90度方向、ここでは80度~100度を示す)の場合には、受光光量0の位置が残るなど、その効果が少なくなる。ただし、この直交方向の場合においても、この受光光量0以外の位置においては、最小の受光光量0.4と、受光手段が1つの場合より改良されてはいる。
図11で異なる方向に設けた、第一の粒子計測手段に情報を出力するための複数の受光手段は、2個に制限されるわけではなく、その数が多いほど、発光光量が小さくなる場合が発生する頻度を低減することができるようになる。異なる方向も、水平方向に制限されるものではなく、垂直方向が異なるように配置することも効果的である。これらは、要求される検出精度、レイアウト制限、コストなどを基に最適化することが効果的である。
<第5の実施の形態>
図13は、第5の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。
第5の実施の形態にかかる粒子計数装置は、第二の粒子計測手段に接続される受光手段が、2以上の異なる方向に発光された光を受光する2以上の受光手段を有する。
図13は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図1と類似の構成であり、この図1の構成に対して、第二の粒子計測手段に情報を出力する異なる方向に配置した受光手段を2個設けた点が相違し、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、41、44a及び44bは受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Eは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301はレーザー光であり、302aは受光手段41への光であり、302bは受光手段44aへの光であり、302dは受光手段44bへの光であり、303は液滴の吐出方向である。
以下、図13に示す第5の実施の形態に関し、図1と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図13に示すように、2つの受光手段44a、及び44b、並びに受光手段42は、いずれも光照射手段30を介して駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された受光手段41、44a及び44bは、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302a、光302b及び光302dを受光する。
受光手段41は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測可能な光センシングデバイス/モジュールであり、受光手段44a及び44bは、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測可能な光センシングデバイス/モジュールである。受光手段41、44a及び44b、それぞれ電気的に接続された第一の粒子計測手段51と、第二の粒子計測手段52とに受光情報を出力し、これら受光手段の情報を基に、第一の粒子計測手段51は液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、第二の粒子計測手段52は液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測することができる。
受光手段44a及び44bは、第二の粒子計測手段52と連携して蛍光粒子201の個数を計測することができる計測手段であり定量計測であるため、定性計測の受光手段41と比較して高精度の計測となり、これを実現させせるためには受光手段41と比較して取得情報量のより多い光センシングデバイス/ユニット、さらに第一の粒子計測手段51と比較してより複雑な情報処理を実施できる第二の粒子計測手段52を用いる。
このとき、第二の粒子計測手段に情報を出力する2個以上の受光手段を有することにより、1個の受光手段により発光が重なった状態を受光した場合であっても、他の受光手段により発光が重なっていない状態を受光できていれば、他の受光手段により受光された光に基づいて、液滴210に含まれる蛍光粒子201を精度よく個数計数することができる。
レーザー光を照射された蛍光粒子からの発光は、蛍光粒子から全方位に発せられる。このため、2個以上の受光手段としては、発光による光を受光可能な位置に配されれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、それぞれの受光方向とのなす角が0度とならない位置に配されることが好ましい。発光の重なりが少ない状態の情報が得られる点で有利である。
第二の粒子計測手段に情報を出力する2個以上の受光手段のうち少なくとも1個の受光手段は、その受光方向が他の受光手段の受光方向と略直交方向に位置するように配されることが好ましい。これにより、1個目の受光手段及び他の受光手段を用いた場合、1個目の受光手段及び他の受光手段により受光した情報のうち、いずれかの情報を選択する際に、発光の重なりが少ない状態の情報を選択できる。なお、略直交とは、80度~100度を意味する。
上記の第二の粒子計測手段に情報を出力する2個の受光手段以外の受光手段における受光方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。受光手段が2個以上の場合、2個以上の受光手段を同一平面上に位置するように配されるとき、隣り合う受光手段の受光方向がなす角を、360度を受光手段の個数で等分した角度になるようにすることが好ましい。例えば、4個の受光手段を同一平面上に位置するように配されるときは、隣り合う受光手段の受光方向をそれぞれ90度となる位置するように配されることが好ましい。この場合、対向方向の受光手段どうしの組合せは、液滴210内における蛍光粒子201の位置により発光光量が小さくなる場合が発生する頻度を低減することができるので効果的である。発光光量が小さくなる場合が発生する頻度を低減する目的では、第二の粒子計測手段に情報を出力する受光手段が2個の場合、第一の粒子計測手段に情報を出力する受光手段の場合と同様、略直交ではなく略対向に設置することが効果的である。受光方向を増加させる場合には、液滴吐出手段10近傍に微小光学素子を用いて、照明光の受光方向を増加させることも効果的である。
第一の粒子計測手段に情報を出力する受光手段と、第二の粒子計測手段に情報を出力する受光手段とを、同じ方向に配置してもよい。同じ方向に設けた場合、液滴210内における蛍光粒子201の位置による発光光量の変化が同じであるため、この位置の相違による影響を低減した情報を第一の粒子計測手段及び第二の粒子計測手段に出力することができる。この構成は、ビームスプリッター、スリットなどにより蛍光粒子からの発光を分配することで実現できる。
<第6の実施の形態>
図14は、第6の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。図14は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図1と類似の構成であり、この図1の構成に対して、第一の粒子計測手段及び第二の粒子計測手段へ発光量に関する情報を出力する受光手段が同一である点が相違し、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、45は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Fは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301はレーザー光であり、302aは受光手段45への発光であり、303は液滴の吐出方向である。
第6の実施の形態にかかる粒子計数装置は、第一の粒子計測手段の前記粒子からの発光の発光量情報を取得する発光量取得部が、第二の粒子計測手段の2次元画像取得部からの2次元画像情報に基づいて発光量情報を取得する。
以下、図14に示す第6の実施の形態に関し、図1と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図14に示すように、受光手段45は、光照射手段30を介して駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された受光手段45は、光照射手段30のレーザー光301により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302aを受光する。
受光手段45は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測可能な光センシングデバイス/モジュールであり、受光手段45は同時に、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測可能な光センシングデバイス/モジュールである。受光手段45に電気的に接続された第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52に受光情報を出力し、これら受光手段の情報を基に、第一の粒子計測手段51は液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、第二の粒子計測手段52は液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測することができる。
受光手段45は、第二の粒子計測手段52と連携して蛍光粒子201の個数を計測することができる計測手段であり定量計測をする必要があるため、定性計測として機能する場合の受光手段45と比較して高精度の計測となり、これを実現させせるためには受光手段45として必要仕様に対して十分となる取得情報量の多い光センシングデバイス/ユニット、さらに第一の粒子計測手段51と比較してより複雑な情報処理を実施できる第二の粒子計測手段52を用いる。本実施の形態では、上記に基づき、第二の粒子計測手段52に多量の情報を出力して定量計測として用いることのできる受光手段45を、その情報量を低減させた条件で利用することにより、第一の粒子計測手段の受光手段として利用することを特徴とする構成である。
図14における本実施の形態の動作を説明する。受光手段45に高解像度の16ビットCMOSを用いた場合、2,048画素×2,048画素=約400万画素分の8MBの多量の画像情報を取得することができる。この画像情報を100Hzで第一の粒子計測手段又は第二の粒子計測手段に出力するには、800MB/s=6.4GB/sの高速伝送速度が必要であるが、これはカメラリンクを用いることにより実現できる。例えば、pco.edge 5.5(株式会社東京インスツルメンツ製)、C11440(ORCA-Flash V2、浜松ホトニクス株式会社製)、C13440(ORCA-Flash V3、浜松ホトニクス株式会社製)などにより100Hzの伝送を実現できるが、この多量の画像情報に対した100Hzでの画像処理を実施して蛍光粒子の個数計測を実現することは通常のPCなどでは困難であることは既に説明した。しかしながら、この画像情報の一部のみを抽出して情報量を低減し、この低減された画像情報に対して簡単な画像処理を実施することは、100Hzを実現できる場合がある。
図14の第一の粒子計測手段51はこれを利用し、受光手段45からは多量の画像情報を取得した上で、この画像情報を構成する16ビット/画素のうちの一部となる8ビットのみを抽出し、この8ビットの画像に対して一定のカウント値の閾値以上の画素数を上位ビットの数値判断により求め、この求めた一定のカウント値の閾値以上の画素数に対して閾値を設定して、蛍光粒子の有無を計測することを、GPUと連携して高速に処理することができる。
第二の粒子計測手段52を用いて、画像処理により個数計測する場合には、16ビット、約400万画素に対するメディアンフィルター処理、膨張乃至収縮処理、2値化処理といった通常の前処理の後に、図3A、図3Bに示されるように蛍光粒子の個数に対する発光形状が複雑であることから、場合分けした複雑な処理を実施することが必要であるため、前述の第一の粒子計測手段51が多量の画像情報の一部から蛍光粒子の有無を計測することと比較して、その処理時間が大きく異なる。
第一の粒子計測手段51により、蛍光粒子の有無を高速に計測した後、蛍光粒子が無の場合には、処理を終了するか、又は再度の液滴吐出を行う。蛍光粒子が有の場合は、受光手段45から取得した元の多量の画像情報を第二の粒子計測手段52に伝送するか、メモリ共有することにより、第二の粒子計測手段52が画像処理を実施できるようにする。この後、第二の粒子計測手段52は、16ビット、約400万画素に対するメディアンフィルター処理、膨張乃至収縮処理、2値化処理といった通常の前処理の後に、形状に対する場合分けした複雑な処理を実施することで高精度の個数計測を処理する。
この受光手段1個からの画像情報を、第一の粒子計測手段と第二の粒子計測手段とで共用する構成は、細胞濃度が平均値として1個/滴未満の場合に、第二の粒子計測手段が処理する頻度が、第一の粒子計測手段が処理する頻度より統計的に小さくなるため、効果的な構成である。細胞濃度が0.2個/滴以下の場合が第二の粒子計測手段による画像処理に必要な周波数が5分の1、つまり20Hzと低減できるため好ましく、より好ましくは0.1個/滴以下の場合の第二の粒子計測手段により画像処理に必要な周波数が10分の1、つまり10Hzと低減される場合である。
これにより、粒子計数装置100Fに必要な部品点数を低減することができ、小型化にしなり、低価格化できると同時に、信頼性を向上することができる。また、小型化できることにより、複数の異なる方向の受光手段を配置し、精度を向上することもできる。
受光手段45からは多量の画像情報を低減して、第一の粒子計測手段に用いる方法は、上記に記載の方法に限定されるわけではなく、画像処理領域を低減して画素数を低減する処理(クロッピング、抽出)や複数画素を統合して画素数を低減する処理(ビニング)なども用いることができる。また、第一の粒子計測手段51と第二の粒子計測手段52は、別装置を用いてもよいし、同一装置の別シーケーンス構成または別プログラム構成により実現してもよい。
<第7の実施の形態>
図15は、第7の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。図15は、第1の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図1と類似の構成であり、この図1の構成に対して、光照射手段が2以上の異なる方向から光を照射する光照射手段である点が相違し、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、31はビームスプリッターであり、32a、32bは偏向手段であり、41、及び42は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Gは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301及び311はレーザー光であり、302aは受光手段41への発光であり、302bは受光手段42への発光であり、303は液滴の吐出方向である。
以下、図15に示す第7の実施の形態に関し、図1と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図15に示すように、液滴吐出手段10は、液室11内に蛍光粒子201を懸濁した粒子懸濁液200を収容し、液室11に配置された図示しない圧電素子の変形により、蛍光粒子201を含む球体、楕円体、又はこれらが若干に変形した液滴210を、吐出方向303で示す方向に吐出することができる。
光照射手段30は、液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する手段である。光照射手段30は、駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出タイミングに合わせて、照明光となるレーザー光301及び311を液滴210に照射する。
2つの受光手段41及び42は、いずれも光照射手段30を介して駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光301及び311により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302a及び光302bを受光する。
受光手段41は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測可能な光センシングデバイス/モジュールであり、受光手段42は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測可能な光センシングデバイス/モジュールである。受光手段41及び受光手段42は、それぞれ電気的に接続された第一の粒子計測手段51と、第二の粒計測手段52とに受光情報を出力し、これら受光素子の情報を基に、第一の粒子計測手段51は液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測し、第二の粒子計測手段52は液滴210に含まれる蛍光粒子201の個数を計測することができる。
受光手段42は、第二の粒子計測手段52と連携して蛍光粒子201の個数を計測することができる計測手段であり定量計測であるため、定性計測の受光手段41と比較して、高精度の計測となりこれを実現させせるためには、受光手段41と比較して取得情報量のより多い光センシングデバイス/ユニット、さらに第一の粒子計測手段51と比較してより複雑な情報処理を実施できる第二の粒子計測手段52を用いる。
第二の粒子計測手段52は、パーソナルコンピュータ(PC)及びPCにインストールした画像処理ソフトなどを用いることができる。2次元受光センサー/モジュールから出力された多量の画像情報は、PCの入出力インターフェースを介して、PCのメモリに高速に入力することができる。
このとき、これらビームスプリッター31、偏向手段32a及び32bは光照射手段30の一部であり、液滴210をレーザー光で照射する照射手段30は、ビームスプリッター31にてその照射光量をそれぞれが2分の1となるように分割され、一方の直進成分は、レーザー光301からなる照明光として液滴210を照明し、液滴210に含まれる蛍光粒子201を発光させる。ビームスプリッター31にてその照射光量を2分の1に分割されたもう一方の偏向成分は、偏向手段32a、及び32bにより、再度及び再々度偏向された後、一方の直進成分と同様にレーザー光311からなる照明光として液滴210を照明する。レーザー光311からなる照明光は、一方のビームスプリッター31の直進成分となるレーザー光301に対して45度の角度となる照明光である。なお、偏向手段32a及び32bは、レーザー光311の波長、例えば、本実施の形態では532nmであるが、この波長に反射率を最適化した多層膜ミラーからなる反射率99.9%品を用いることにより、ほとんど照明光量の損失のないレーザー光伝播を行うことができる。
図15の粒子計数装置100Gにおいては、元のレーザー光の発光光量が同じにもかかわらず、図1に示した第1の実施の形態の場合の照明光がレーザー光301のみの場合と比較して、発生する液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が非常に小さくなる場合が発生する頻度を低減することができ、計測精度を向上することができるようになる。照明光がレーザー光301のみの場合に、液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が非常に小さくなる場合が発生する原因は、液滴のレンズ作用による。液滴210の主成分が屈折率n=1.333の水であり、液滴210の直径が約40μmから100μmと非常にその曲率が小さいことから、液滴のレンズ作用による集光力が発生し、液滴210の断面中心を通る光軸近傍の照明光量が相対的に増加するが、その分に応じて光軸から離れた領域の照明光量が相対的に減少する。
図16は、光学シミュレーションにより求めた、図1に示した第1の実施の形態の場合の照明光がレーザー光301のみの場合に、液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が、液滴210中の蛍光粒子201の位置によって大きなばらつきを有することを説明する、レーザー光301による蛍光粒子201への照明状態の一例を示す模式図である。
光学シミュレーションは、以下のようにして実施した。光学シミュレーションツールとしては、LightTools8.4.0(サイバーネットシステム株式会社製)を用い、PCにより計算した。光学モデルとしては、液滴210の直径を80μm、蛍光粒子201の直径を5μm、液滴を構成する水の屈折率を1.333とし、液滴210中の蛍光粒子201は、液滴210の断面中心をzy軸の原点とし、水平z軸(単位μm)は光軸方向であり、垂直y軸(単位μm)は像高方向であるが、原点を基準に5μmピッチにて、蛍光粒子が液滴にすべて含有される座標位置に配置しており、液滴210中の蛍光粒子201は照明光に対してはz軸を中心とした回転対称であるため、y軸が0以上の場合を図示した。レーザー光301は、z軸で負側から正側へ伝播する、つまり図16の左側か右側へ伝播する照明光量分布が均一な平行光束とした。実際の計算は、光線本数を1,000万本以上で計算したが、図16おいては、光線追跡した結果としての光線により照明状態の一例を示すために、一部のみ図示し、光線の密な部分が単位面積当たりの照明光量の大きい部分となる。光学モデルは3Dモデルであるが、図16は紙面手前となるx軸方向からの図であり、液滴210及び蛍光粒子201は断面でx=0での断面図が示され、光線はこの断面への投影図が示される。
図16に示すように、照明光量分布が均一な照明光を用いても、液滴210中の照明光の進行側となるz軸正側の領域、つまり右側の領域において、液滴210のレンズ作用により照明光が集中して単位面積当たりの照明光量が大きくなる部分と、単位面積当たりの照明光量が小さくなる部分とが発生し、この単位面積当たりの照明光量が小さくなる部分には全く光線が存在していない領域があることがわかる。図示する光線本数を1,000万本レベルとすると、この全く光線が存在していない領域の面積は小さくはなるが、液低210の右上及び右下に確実に存在する。このことから、一方向からの平行光束による液滴への照明には照明されない領域又は照明光量が非常に小さい部分が存在する領域があることがわかる。これらの領域に存在する蛍光粒子は、照明光に対応した発光量が0(ゼロ)又は非常に小さいことなる。この場合、受光手段41及び42に非常に高い感度が求められ、また、照明光量0で発光量が0となる場合には、如何なる受光手段41及び42を用いても蛍光粒子の有無又は個数を計測することができない。このため、これらの領域に液滴210中の蛍光粒子201が位置する頻度に基づいて、計測精度が劣化するという問題があり、図15の第7の実施の形態にかかる粒子計数装置は、本問題を解決するものである。
照明光を平行光束から、開口数(NA)で記載される照明角度を有する照明光に変更することにより、この照明されない領域又は照明光量が非常に小さい部分が領域を低減することはできるが、例えば、水を主成分とする液滴210に対しては、照明されない領域をなくすには、NAを少なくとも0.4以上とする必要があり、顕微鏡のコンデンサレンズによるハロゲンランプやキセノンランプを用いた照明、又はレーザー光と拡散手段と顕微鏡対物レンズのような高NAの集光レンズを用いる必要があるが、これらはいずれも大型であり、その位置調整は光学系の配置が難しいなど、また、単位面積当りの照明光量が低下するなどの別の問題が生じ、本目的に用いることは困難である。
図17A、図17B、及び図17Cは、図15の第7の実施の形態の効果を、照明光量分布の効果として定量的に説明するために、光学シミュレーションにより求めた、液滴210中の蛍光粒子201の照明光量分布の例を図示したものであり、図17Aは、図1に記載の第1の実施の形態となる光照射手段30におけるレーザー光301の場合であり、図17Bは、図15に記載の第7の実施の形態となる光照射手段30におけるレーザー光311のみをz軸に対して45度入射の場合であり、この場合の照明光量総量は図17Aと比較するために2倍として図17Aと同一にしており、図17Cは、図15に記載の第7の実施の形態となる光照射手段30におけるレーザー光301とレーザー光311を組み合わせた場合である。図17A、図17B、及び図17Cは、いずれも液滴210の断面中心をzy軸の原点とし、水平z軸(単位:μm)は図面右側が正とした光軸方向であり、垂直y軸(単位:μm)は図面上側が正とした像高方向である。
このとき、図17A、及び図17Cは、図16に記載の液滴210中の蛍光粒子201の中心位置を、原点を中心に5μmピッチで配置した光学モデルを用いた場合であり、それぞれの構成においてレーザー光からなる照明光を液滴210に照射した場合の、蛍光粒子のそれぞれの配置での照射光量となる受光光量を計算した。計算は、蛍光粒子が全方向発散光源のため光線本数を1,000万本以上で計算し、それぞれの蛍光粒子における必要精度を確保した。また、分布及び比較検討するため、図17Aにおいて、光軸と平行な0度入射となるレーザー光301が入射する側となる液滴のレンズ作用が比較的に小さい液滴210の左端(z,y)=(-35,0)の位置での受光光量を1.0として正規化した。図17Bは、図17Aの結果を基に、座標軸を45度回転した上で、原点を中心に5μmピッチとなる蛍光粒の座標ごとに、補間計算により求めた。
図17Aに示すように、液滴210内において、蛍光粒子201の位置が、光軸上でレーザー光301の入射側と反対側の右側に近づくにつれて、左端のレンズ作用の小さい場合と比較して、受光光量が最大6.7倍まで増大していることがわかる。液滴210が凸レンズとして作用して、光軸近傍に光が集光されると同時に、非常に強い曲率であるので大きな収差が発生しており、これらが組み合わさり、集光面に近く少し光軸近傍ではあるが光軸ではない(z,y)=(30,-15)及び(30,15)の位置が最大受光光量となる。一方、照明光が集光された領域が形成されるトレードオフとして照明光が減少する領域が存在することとなるが、この領域は、光軸に対して液滴210の周辺となるy=-35、-30、30、35の領域、及び(z,y)=(25,-25)、(30,-20)、(25,25)、(30,20)となる。y=-35、-30、30、35の領域は、図17Aの断面積による2D分布を図示しているが、実際には3D分布としては、この領域の蛍光粒子201の比率は増加する。また、(z,y)=(25,-25)、(30,-20)、(25,25)、(30,20)、及び重複するが、(z,y)=(15,-30)、(20,-30)、(15,30)、(20,30)、(10,35)、(10,-35)の10箇所の蛍光粒子は、照明光量が0(ゼロ)であり、この領域の位置に蛍光粒子が存在する頻度で、粒子計測が全くできないので問題である。
図17Bは、図15に記載の第7の実施の形態となる光照射手段30におけるレーザー光311をz軸に対して45度入射のみの場合であるが、図17Aを45度回転した状態であるので位置に相違はあるが、図17Aと同様に、液滴210中の蛍光粒子201の位置により、照明されない蛍光粒子、又は照明光量が非常に小さい蛍光粒子があることがわかる。
なお、図17Aと比較して、図17Bで受光光量0の蛍光粒子位置の数が減少しているのは、図17Bは、図17Aの結果を基に補間計算により求めているため計算精度が相対的に低下していることに基づき、どちらも一方向の平行光束による照明なので、実際には同レベルの照明状態であり、受光光量0~0.2の10箇所の蛍光位置は問題となる。
図17Cは、図15に記載の第7の実施の形態となる光照射手段30におけるレーザー光301とレーザー光311を組み合わせた場合であるが、総受光光量が同じであるにも係わらず、照明されない、又は照明光量が非常に小さい蛍光粒子となる位置が減少していることがわかる。これは、2つの異なる方向から液滴210を照射しているため、液滴210のレンズ作用による集光作用による影響が2つに分割され、極端な集光による照明光量の増大と同時に、そのトレードオフとなる照明光量の減少が低減されたことに基づく。このとき、照明光量が非常に小さい蛍光粒子となる頻度が減少さるため、粒子計測精度を向上させることができ、より高精度の粒子計数装置100Gを提供することができる。
図15において、液滴粒子210を照射する異なる方向の照明光となるレーザー光301、及び311の角度は、図示の45度に制限されるものではない。また、液滴粒子210を照射する異なる方向の照明光となるレーザー光の複数となる数は、図15に記載の2個に制限されるわけではなく、3個、4個と増加することにより、液滴のレンズ作用による影響が分割されるため、より効果的である。要求される精度、光学系のレイアウト、コストなどを鑑みて最適化されるものである。液滴吐出手段10近傍に微小光学素子を用いて、照明光の照射方向を増加させることは効果的である。
図15に示す第7の実施の形態は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射手段と、前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光手段と、前記受光手段により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、を有することを特徴とする粒子計数装置において、前記粒子計数手段が、前記液滴に含まれる前記粒子の有無を計測する第一の粒子計測手段と、前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する第二の粒子計測手段とを有する粒子計数装置であるが、この粒子計数装置に、その効果が限定されるわけではなく、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射手段と、前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光手段と、前記受光手段により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、を有する粒子計数装置においても効果的である。
これは、図15に示す第7の実施の形態は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴に照明光を照射した場合に、この照射する照明光の方向を2以上とすることにより液滴中の発光可能な粒子の位置による照明光の照明光量が少ない場合が発生する頻度を低減することができるため、液滴に含まれる発光可能な粒子の有無を計測する第一の粒子計測手段と、液滴に含まれる発光可能な粒子の個数を計測する第二の粒子計測手段とのどちらにも効果的であることから、この第一の粒子計測手段と第二の粒子計測手段とを組み合わせた図1に示す第1の実施の形態に制限されないこととなり、第一の粒子計測手段、又は第二の粒子計測手段のみを設けた粒子計数装置100Gにおいても効果的となる。
図18に、第一の粒子計測手段のみを設けた粒子計数装置100Hの場合の実施の形態を参考として示す。以下、図18の第一の粒子計測手段のみの実施の形態に関し、図15と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図18に示すように、光照射手段30は、液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する手段である。光照射手段30は、駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出タイミングに合わせて、照明光となるレーザー光301及び311を液滴210に照射する。
1つとなる受光手段41は、光照射手段30を介して駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された受光手段41は、光照射手段30のレーザー光301及び311により蛍光粒子201が発光するタイミングに合わせて、光302aを受光する。
受光手段41は、液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測可能な光センシングデバイス/モジュールであり、受光手段41は、それぞれ電気的に接続された第一の粒子計測手段51に受光情報を出力し、この受光素子の情報を基に、第一の粒子計測手段51は液滴210に含まれる蛍光粒子201の有無を計測することができる。
このとき、第7の実施の形態の図15と同様に、これらビームスプリッター31、偏向手段32a及び32bは照射手段30の一部であり、液滴210をレーザー光で照射する光照射手段30は、ビームスプリッター31にてその照射光量をそれぞれが2分の1となるように分割され、一方の直進成分は、レーザー光301からなる照明光として液滴210を照明し、液滴210に含まれる蛍光粒子201を発光させる。ビームスプリッター31にてその照射光量を2分の1に分割されたもう一方の偏向成分は、偏向手段32a、32bにより再度、及び再々度偏向された後、一方の直進成分と同様にレーザー光311からなる照明光として液滴210を照明する。レーザー光311からなる照明光は、一方のビームスプリッター31の直進成分となるレーザー光301に対して45度の角度となる照明光である。なお、偏向手段32a及び32bは、レーザー光311の波長、例えば、本実施の形態では532nmであるが、この波長に反射率を最適化した多層膜ミラーからなる反射率99.9%品を用いることにより、ほとんど照明光量の損失のないレーザー光伝播を行うことができる。
図18の粒子計数装置100Hにおいては、元のレーザー光の発光光量が同じにもかかわらず、図1に示した第1の実施の形態の場合の照明光がレーザー光301のみの場合と比較して、発生する液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が非常に小さくなる場合が発生する頻度を低減することができ、計測精度を向上することができるようになる。照明光がレーザー光301のみの場合に、液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が非常に小さくなる場合が発生する原因は、液滴のレンズ作用による。液滴210の主成分が屈折率n=1.333の水であり、液滴210の直径が約40μmから100μmと非常にその曲率が小さいことから、液滴のレンズ作用による集光力が発生し、液滴210の断面中心を通る光軸近傍の照明光量が相対的に増加するが、その分に応じて光軸から離れた領域の照明光量が相対的に減少する。
図18に示す実施の形態は、上述した液滴のレンズ作用による集光力が発生する場合に効果的となる構成であり、フローサイトメトリのような、流路の内部が液で満たされた状態に存在する蛍光粒子又は細胞に対して計測する計測装置とは全く別の動作であり、蛍光粒子又は細胞を含む吐出された液滴中の蛍光粒子又は細胞を計測する場合に特有の構成である。
また、図15に示す第7の実施の形態は、光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射手段と、前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光手段と、前記受光手段により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、を有する粒子計数装置であって、前記液滴に前記光を照射する前記光照射手段が、2以上の異なる方向から光を照射する光照射手段である粒子計数装置である。
ここで、図15に示した第7の実施の形態においては、図1に示す第1の実施の形態と同様、第一の粒子計測手段51に情報を出力する受光手段41と第二の粒子計測手段52に情報を出力する受光手段42との、少なくとも2つ以上の複数の受光手段を有する構成と組み合わせた粒子計数装置100Gである。液滴吐出手段10から吐出された液滴210を前記液滴吐出手段10のノズル12の近傍、例えば、0.5mm~1mmの距離位置にて計測することが好ましい。この場合、受光手段41及び42は、小型の受光手段を用いる必要があるが、受光手段を小型化することにより、受光手段の光学素子の光利用効率、及び受光手段の受光素子の光電変換効率が低下した場合でも、本実施例とすることで、照明光量を増加させることができ、受光素子の小型化による効率低下を補うことができるので、より好適である。
<第8の実施の形態>
図19は、第8の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。図19は、第7の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図15と類似の構成であり、この図15の構成に対して、光照射手段の2以上の異なる方向が、略対向方向である点が相違し、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、31はビームスプリッターであり、33a、及び33bは偏向手段であり、41、及び42は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Iは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301及び312はレーザー光であり、302aは受光手段41への光であり、302bは受光手段42への光であり、303は液滴の吐出方向である。
以下、図19に示す第8の実施の形態に関し、図15と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図19に示すように、光照射手段30は、液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する手段である。光照射手段30は、駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出タイミングに合わせて、照明光となるレーザー光301及び312を液滴210に照射する。
このとき、これらビームスプリッター31、偏向手段33a及び33bは照射手段30の一部であり、液滴210をレーザー光で照射する照射手段30は、ビームスプリッター31にてその照射光量をそれぞれが2分の1となるように分割され、一方の直進成分は、レーザー光301からなる照明光として液滴210を照明し、液滴210に含まれる蛍光粒子201を発光させる。ビームスプリッター31にてその照射光量を2分の1に分割されたもう一方の偏向成分は、偏向手段33a、33bにより再度、及び再々度偏向された後、一方の直進成分と同様にレーザー光311からなる照明光として液滴210を照明する。レーザー光312からなる照明光は、一方のビームスプリッター31の直進成分となるレーザー光301に対して対向となる180度の角度となる照明光である。
図19の粒子計数装置100Iにおいては、元のレーザー光の発光光量が同じにもかかわらず、図15に示した第1の実施の形態の場合の照明光となるレーザー光301とレーザー光311の異なる2つの方向から照射された互いの角度が45度の場合と比較して、発生する液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が非常に小さくなる場合が発生する頻度を低減することができ、計測精度を向上することができるようになる。
図20は、上記理由を光学シミュレーションにより計算した結果により定性的に説明するものであり、図20は、図19に示した第8の実施の形態の場合の照明光がレーザー光301とレーザー光312の180度となる異なる2つの方向から照射された場合に、液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が、液滴210中の蛍光粒子201の位置によって大きなばらつきを有することを説明する、レーザー光301、312による蛍光粒子201への照明状態の一例を示す模式図である。
光学シミュレーションは以下の光学モデル及び条件により実施した。(図16及び)図17で示した第7の実施の形態と基本的には同様の条件であり、レーザー光301は、z軸で負側から正側へ伝播する、つまり、図20の左側か右側へ伝播する照明光量分布が均一な平行光束とし、レーザー光312は、レーザー光301とその伝播方向が180度異なる、z軸で正側から負側へ伝播する、つまり、図20の右側か左側へ伝播する照明光量分布が均一な平行光束とした。実際の計算は、光線本数を2,000万本以上で計算したが、図20においては、光線追跡した結果としての光線により照明状態の一例を示すために、一部のみ図示し、光線の密な部分が単位面積当たりの照明光量の大きい部分となる。
図20に示すように、レーザー光301及びレーザー光312のどちらの照明光も、それぞれ液滴210のレンズ作用により照明光が集中して単位面積当たりの照明光量が大きくなる部分と、単位面積当たりの照明光量が小さくなる部分とが発生している。しかしながら、一方の照明光が伝播した場合の出射側の半球側において、液滴210によるレンズ作用により照明光が伝播しない領域は、もう一方の照明光が伝播した場合の入射側の半球側として照明光がほぼその半球全域にわたって伝播している。これは、略対向方向となる2つの異なる角度の照明光により、照明光量分布のばらつきを半球単位で補間していることとなる。これにより、液滴210内部において、照明されない領域は無くなり、また、照明光量が非常に少ない領域も大幅に減少する。月のような球体表面を、互いの角度が180度の方向の平行光束からなる照明光ですべて照明できるが、これと類似で、球体の内部も、互いの角度が180度の方向の平行光束からなる照明光で、すべて照明することができる。図20においては、図示する光線本数を2,000万本レベルとすると、この全く光線が存在していない領域が目視認識上無くなることを確認できるが、一方で、照明光量が小さい領域に関しては、定量的な比較をする必要がある。
図21は、図19の第8の実施の形態の効果を、照明光量分布の効果として定量的に説明するために、光学シミュレーションにより求めた、液滴210中の蛍光粒子201の照明光量分布の例を図示したものであり、照射手段30においてレーザー光301とレーザー光312とを組み合わせた場合である。図21は、いずれも液滴210の断面中心をzy軸の原点とし、水平z軸(単位:μm)は図面右側が正とした光軸方向であり、垂直y軸(単位:μm)は図面上側が正とした像高方向である。このとき、図21は、液滴210中の蛍光粒子201の中心位置を、原点を中心に5μmピッチで配置した光学モデルを用いた場合であり、レーザー光からなる照明光が液滴210を照射した場合の、蛍光粒子のそれぞれの配置での照射光量となる受光光量を計算した。計算は、蛍光粒子が全方向発散光源のため光線本数を2,000万本以上で計算し、それぞれの蛍光粒子における必要精度を確保した。また、分布及び比較検討するため、第1の実施の形態である図17Aにおける、光軸と平行な0度入射となるレーザー光301が入射する側となる液滴のレンズ作用が比較的に小さい液滴210の左端(z,y)=(-35,0)の位置での受光光量を1.0として正規化した。このため、それぞれの位置での蛍光粒子201に対する照明光量として、図17A、図17B、及び図17Cと直接比較することができる。
図21に示すように、液滴210内における蛍光粒子201のすべての位置において、蛍光粒子201に対する照明光の照明光量が0となる位置がないことがわかる。このため、図21に示した第8の実施の形態においては、受光手段の増幅感度を十分に上げることにより、原理的には検出漏れのない粒子計数装置100Iを提供できることがわかる。また、蛍光粒子201の位置が光軸から離れるに従い、蛍光粒子201に対する照明光の照明光量が低減するが、その照明光量が、0.1~0.2と、非常に照明光量が少ない場合は発生していない。これにより、受光手段の増幅感度に余裕ができ、結果として増幅に伴うノイズを低減することができるため、精度をより向上した、又は精度をより向上しやすい粒子計数装置100Iを提供できることがわかる。
また、液滴のレンズ作用により照明光による平行光束が集光され照明光量分布が増大した蛍光粒子201の位置は多く認められるが、その最大値は3.9であり、第1の実施の形態となる図17Aの場合の最大値6.7、及び第7の実施の形態となる図17Cの場合の5.1、と比較して、2~3分の1であり、照明光のばららつきが大幅に改善され小さくなっている。これにより、受光手段にPMTを用いたり、粒子計測手段の一部にデジタイザーを用いたりする場合には、計測時に要求されるダイナミックレンジが小さくて済むようになるため、PMTの場合には、増幅による飽和のリスクが低減されるので増幅率をより大きくすることができ、より精度向上することができるようになり、デジタイザーの場合は、低ビット、例えば、8ビットのデジタイザーなどを利用できるようになり、高速版デジタイザーによる高精度化や、汎用品デジタイザーによる低価格化などができるようになる。
<第9の実施の形態>
図22は、第9の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。図22は、第8の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図19と類似の構成であり、この図19の構成に対して、光照射手段の2以上の異なる方向が、略対向方向であることが相違し、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、35は偏向手段であり、41、及び42は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Jは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301、313、及び314はレーザー光であり、302aは受光手段41への光であり、302bは受光手段42への光であり、303は液滴の吐出方向である。
第9の実施の形態にかかる粒子計数装置は、2以上の異なる方向から光を照射する前記光照射手段が、略平行光束からなる光を前記液滴に照射する第一の光照射部と、前記略平行光束の光の一部が前記液滴を照射することに対応して前記液滴位置を透過した前記略平行光束の光を偏向させて再度液滴に照射させる偏向光学素子を有する第二の光照射部と、を有する。
以下、図22に示す第9の実施の形態に関し、図19と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図19に示すように、光照射手段30は、液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する手段である。光照射手段30は、駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出タイミングに合わせて、照明光となるレーザー光301及び314を液滴210に照射する。
このとき、偏向手段35は照射手段30(第一の光照射部)の一部であり、液滴210をレーザー光で照射する照射手段30は、レーザー光301からなる照明光として液滴210を照明した後、その進行方向となる液滴210の後方を伝播するレーザー光313を反射させ180度偏向させる偏向手段35(第二の光照射部)を配置する。これにより、レーザー光313は再び液滴210に向かって伝播するレーザー光314となり、このレーザー光314は、再び液滴210を照射し、さらには液滴210中に存在する蛍光粒子201を、レーザー光301に対して異なる方向となる180度の角度となる照明光として再び照明し、蛍光粒子201の照明光量が大きく増大させる。
図22の粒子計数装置100Jにおいては、元のレーザー光の発光光量が同じにもかかわらず、図15に示した第7の実施の形態の場合の照明光となるレーザー光301とレーザー光311の異なる2つの方向から照射された互いの角度が45度の場合と比較して、また、図19に示した第8の実施の形態の場合の異なる2つの方向から照射された互いの角度が180度の場合と比較して、液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が非常に小さくなる場合を低減することができ、計測精度を向上することができるようになる。
これは、図15及び図19の実施の形態においては、レーザー光301を液滴210及びこの液滴210に含まれる蛍光粒子201に照射した後に、液滴210の後方に伝播するレーザー光313を、再び粒子計数装置100Jの光学系として利用することはなかった。むしろ、ノイズ光の原因となるため光吸収ダンパーなどをその伝播方向に設け、その光出力を大きく低下させるようにしていた。しかし、図22の実施の形態においては、このレーザー光313を再利用するため、2倍の光出力に相当するレーザー光源を用いたのと同レベルの照明光量を実現することができる。
例えば、レーザー光301のビーム径を空間伝播としては細めの1mmとした場合においても、このビーム径が対応する断面積に対する液滴210の直径80μmが対応する面積の比は、約0.6%であり、液滴210及びこの液滴210に含まれる蛍光粒子201が、直径80μm分のすべての光を吸収し損失になったとしても、照明光としての損失は小さい。また、偏向手段35に関しても、市販されている多層膜ミラーからなる反射率99.9%品などを用いることにより、照明光としての損失は小さい。このため、図22で示される本実施の形態は、図19で示される第8の実施の形態と比較して、照明光量として約2倍の増加を実現できることとなる。
実際には、液滴210の径が80μmと比較的小さいため、回折による光損失は問題となるが、液滴210及びこの液滴210による蛍光発光に関連した光吸収は小さいため、この分の光吸収による光損失は少なく大きな問題とはならない。また、レーザー光301と、これと180度という異なる方向で液滴に入射するレーザー光314とで、光軸を完全に一致させる必要はないので、レーザー光301の入射により液滴210が対応したビーム内の位置を外すように実際の光軸が若干に異なるように偏向手段35を調整することにより、レーザー光314によるほぼ同じ照明光量分布を与える照明光の照射は簡単に実現でき、実際には、回折によるロスも問題としなくて構わなく、照明光量として約2倍の増加を実現できる。
図23は、図22に記載の第9の実施の形態を、光学シミュレーションにより計算した結果により定量的に説明するものであり、液滴210中の蛍光粒子201の照明光量分布の例を図示したものである。図23の座標や単位、光学シミュレーションの条件は、図17A、図17B、図17C、及び図21と同様である。光学モデルとしては、偏向手段35をミラーとして扱い、市販品での反射率99.9%を有効桁数を考慮し事前に丸めて100%とした。このため、図21と図23とは、照明光量が2倍となる関係となる。
また、表記している蛍光粒子のそれぞれの配置での照明光量となる受光光量は、図21と同様に、分布及び比較検討するため、第1の実施の形態である図17Aにおける、光軸と平行な0度入射となるレーザー光301が入射する側となる液滴のレンズ作用が比較的に小さい液滴210の左端(z,y)=(-35,0)の位置での受光光量を1.0として正規化した。このため、それぞれの位置での蛍光粒子201に対する照明光量として、図17A、図17B、図17C、及び図21と直接比較することができる。
図23に示す第9の実施の形態は、図21に記載の第8の実施の形態と同様、液滴210内における蛍光粒子201のすべての位置で、蛍光粒子201に対する照明光の照明光量が0となる位置がないことがわかる。その上で、蛍光粒子201の位置が光軸から離れるに従って、蛍光粒子201に対する照明光の照明光量が低減するが、この蛍光粒子201に対する照明光の照明光量が低減した場合においても、その照明光量が、0.6以上と、液滴210によるレンズ作用がほとんどない場合の蛍光粒子201への照射光量の6割の照射光量を実現しており、さらに、受光手段の増幅感度に余裕ができ、結果として増幅に伴うノイズを低減することができるため、精度をより向上し、また、精度をより向上しやすい粒子計数装置100Jを提供できることがわかる。
図23に示す第9の実施の形態は、図21に記載の第8の実施の形態と光照射手段30に用いるレーザー光の光源からの光出力は同じであるため、レーザー光の光源コストを大きく低下できるため、非常に効果的である。偏向手段により、液滴210を一回照射した後のレーザー光を偏向手段により、再度、液滴210に対して2回目の照射することは、1回目の照射と、2回目の照射とで、2以上の異なる方向の照射となるが、この異なる方向の角度は、図23の略180度に限定されるわけではなく、複数の偏向手段を用いることにより、略直交方向となる略90度、さらには略45度、略30度など、粒子計数装置100Kにおけるレイアウトの制約に対応して最適化することが好ましい。
また、複数の偏向手段を用いることによる異なる方向の角度からの、再度の液滴210へのレーザー光の照射回数は、図23の2回に限定されるわけではなく、3回、4回と、3回以上の複数回とすることは効果的である。この場合、この3回以上の複数回の照射のうちの少なくとも1組の2回の組合せは、この異なる方向の角度を略対向方向に設けることが、液滴210のレンズ作用で液滴210内における蛍光粒子201の位置により照明光量が低下される頻度が低減されるので効果的である。
図22及び図23に示す第9の実施の形態においては、液滴210を照射した後のレーザー光313を偏向手段35により偏向させて、再度、液滴210に照射しているため、精密な光軸調整を含めた光学系調整を行う必要がある。レーザー光のビームプロファイル、ビーム中心位置を計測できる手段などを設け、この計測手段からの情報を用いて、適宜調整、又は自動調整する手段を設けて、光学系調整を不良により照明光量の低下を防止することが必要である。このとき、光学系調整として、単に光軸位置を最適化するだけではなく、ビームウエスト位置、光照射の時間遅延なども考慮した上で、高い光利用効率、蛍光粒子に対する高い発光効率、及び受光手段の高い光利用効率用を実現させるために最適化設計された光学系システム全体に対し、当初の設計通りに機能している調整することが好ましい。
図22及び図23に示す第9の実施の形態における偏向手段35は、液滴210を照射した後のレーザー光313を偏向させる手段として設けると同時に、この偏向手段の光透過スペクトルを最適化することにより、液滴210を照射した後のレーザー光313の一部を取り出し、この取り出したレーザー光の伝搬方向に、別途の受光手段を設け、これにより液滴210自体の有無を計測する手段を設けることは効果的である。偏向手段35に、多層膜ミラーからなる反射率99.9%品を用いた場合、0.1%分の光損失のうちミラーの表面散乱やミラー内部光吸収以外となる0.01%相当の透過率であった場合でも、元のレーザー光が大きな光エネルギーを有するため、別途設けた受光手段による液滴210自体の有無の計測は可能である。この別途設ける受光手段には、例えばCCD、CMOS、PMT、APDなどを利用することができる。
図22に示す第9の実施の形態における、光照射手段の2以上の異なる方向であり、かつこの方向が略対向方向である構成は、図18に示した、第一の粒子計測手段51のみを有する構成と同様に、第一の粒子計測手段、又は第二の粒子計測手段のみを設けた粒子計数装置100Jにおいても効果的である。図24に、第一の粒子計測手段のみを設けた実施の形態を参考として示す。以下、図24の第一の粒子計測手段のみを実施の形態に関し、図22と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。
図24に示すように、光照射手段30は、液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する手段である。光照射手段30は、駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出タイミングに合わせて、照明光となるレーザー光301及び314を液滴210に照射する。
このとき、偏向手段35は光照射手段30の一部であり、液滴210をレーザー光で照射する照射手段30は、レーザー光301からなる照明光として液滴210を照明した後、その進行方向となる液滴210の後方を伝播するレーザー光313を反射させ180度偏向させる偏向手段35を配置する。これにより、レーザー光313は再び液滴210に向かって伝播するレーザー光314となり、このレーザー光314は、再び液滴210を照射し、さらには液滴210中に存在する蛍光粒子201を、レーザー光301に対して異なる方向となる180度の角度となる照明光として再び照明し、蛍光粒子201の照明光量が大きく増大させる。
図24の粒子計数装置100Kにおいては、元のレーザー光の発光光量が同じにもかかわらず、図18に示した参考とする実施の形態の場合の照明光となるレーザー光301とレーザー光311の異なる2つの方向から照射された互いの角度が45度の場合と比較して、液滴210に含まれる蛍光粒子201への照明光量が小さくなる場合を低減することができ、計測精度を向上することができるようになる。
<第10の実施の形態>
図25A、図25B、及び図25Cは、第10の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である。図25A、図25B、及び図25Cは、第3の実施の形態にかかる粒子計数装置の一例を示す模式図である図9と類似の構成であり、図9の粒子計数装置の構成に対して、蛍光粒子を含む液滴を吐出したマイクロプレートに情報記録手段を設けたことが相異する。
図25A、図25B、及び図25Cにおいて、10は液滴吐出手段であり、11は液滴吐出手段10の液室であり、12は液滴吐出手段のノズルであり、20は駆動手段であり、30は光照射手段であり、41及び42は受光手段であり、51は第一の粒子計測手段であり、52は第二の粒子計測手段であり、100Lは粒子計数装置であり、200は粒子懸濁液であり、201は粒子懸濁液中の蛍光粒子であり、210は液滴吐出手段のノズルより吐出された液滴であり、301はレーザー光であり、302aは受光手段41への光であり、302bは受光手段42への光であり、303は液滴の吐出方向であり、53は粒子計測手段制御手段であり、21は液滴吐出手段制御手段であり、22は連続吐出位置制御手段であり、60は液滴吐出位置移動手段であり、61はマイクロプレートであり、62は着弾液滴からなる粒子含有試料であり、63は粒子含有試料中の蛍光粒子であり、70は計数情報記憶手段であり、71は計数情報記憶手段出力手段である。
以下、図25A、図25B、及び図25Cに示す第10の実施の形態に関し、図9と同じ構成に関する説明は一部省略し説明する。図9に示すような第3の実施の形態と同様の動作により、図25Aに記載の粒子計数装置100Lは、マイクロプレート61の所定の液滴吐出位置となる特定ウェルに連続吐出することにより、高精度に計測された所定の個数の蛍光粒子を着弾させることができる。これにより、特定ウェルに所定の個数の蛍光粒子63を含有する粒子含有試料62を設けることができる。
図25Aにおける粒子計数装置100Lは、第3の実施の形態に加えて、粒子含有試料62に関する計数情報を第一の粒子計測手段51及び第二の粒子計測手段52により取得し、計数情報記憶手段70に出力する計数情報記憶手段出力手段71を有する。この計数情報記憶手段出力手段71は、マイクロプレート61の所定の特定ウェルすべてに所定の個数の蛍光粒子63を含有する粒子含有試料62を設けた後、一括して計数情報記憶手段70を出力してもよいし、特定ウェルに所定の個数の蛍光粒子63を含有する粒子含有試料62を設けるごとに、計数情報記憶手段70を出力してもよい。
図25Bに示すように、この出力された計数情報記憶手段70は、粒子計数装置100Lからマイクロプレート61を取り外した後、図示はしていない計数情報記憶手段設置手段により、マイクロプレート61の一部に設置され、粒子含有試料62とマイクロプレート61と計数情報記憶手段70とは一体化した粒子含有試料となる。この計数情報記憶手段70は、バーコード、画像ラベル、テキストラベルなどを用いることができ、計数情報記憶手段設置手段は、これらの計数情報記憶手段70に対応した専用出力装置からなる。上述の計数情報記憶手段70は、上記印刷に制限されるわけではなく、RF-ID、メモリーチップ、ホログラム、光メモリ、微小構造を情報とする微小構造体などを、マイクロプレート61の一部に設置してもよい。
粒子含有試料62に計数情報記憶手段70を設ける構成は、図25Bに記載の構成に制限されるわけではなく、図25Cに示すように、この出力された計数情報記憶手段70は、粒子計数装置100Lからマイクロプレート61を取り外した後、図示はしていない計数情報記憶手段設置手段により、マイクロプレート61と一体化した粒子含有試料62の上に設置され、マイクロプレート61と粒子含有試料62と計数情報記憶手段70とは一体化した粒子含有試料となる。
粒子含有試料62に計数情報記憶手段70を設ける構成は、図25の構成に限定されるわけではなく、計数情報記憶手段70として、タンパク質、低分子化合物、蛍光染料、DNA、ビーズなどの化学物質や材料を用いてこれらの種類や量の差異を基に計数情報を情報識別できるようにし、粒子含有試料62、又は粒子含有試料62中の蛍光粒子63と混合し一体化してもよい。さらに、計数情報記憶手段70を前駆材料として用い、粒子含有試料62又は粒子含有試料62中の蛍光粒子63と反応させた後の化学物質や材料の種類や量の違いを基に計数情報を情報識別してもよい。
粒子含有試料62を設ける、又は一体化させる液滴210の被着対象物であるマイクロプレート61は、これに限定されるわけでなく、例えば、印刷シート、ビーズ、試薬ビン、カプセルなど被着可能な構造を有しているものを用いることができる。また、マイクロプレート61などの被着対象物を、計数情報記憶手段設置手段により形状変形させることにより、被着対象物を直接に計数情報記憶手段70としてもよい。例えば、計数情報記憶手段設置手段にレーザーマーカを用いてマイクロプレート61にマーキングしてもよいし、計数情報記憶手段設置手段にインクジェット装置を用いてマイクロプレート61にマーキングしてもよい。
粒子含有試料62に設けた計数情報記憶手段70は、粒子含有試料62ごとの計数値に制限されるわけではなく、ID、ロット、仕様、不確かさ、計数条件、蛍光粒子以外の粒子含有試料に関する情報、粒子含有試料62の処方情報などに関する周辺情報を情報記憶しておくことは効果的である。また、計数情報記憶手段70は最小限のIDのみを情報記憶しておき、図示はしていない別となる計数情報記憶提供手段と情報連携することにより、必要な計数情報を取得しても構わない。別となる計数情報記憶提供手段としては、例えば、粒子含有試料62と同時提供する印刷データ以外にも、デジタルデータ、デジタルデータを処理するプログラム、デジタルデータを提供するクラウドシステムなどが挙げられる。
粒子含有試料62は、その粒子数が既知であることを利用して、様々な計測の検量線や検出限界検証や精度保障に用いることができる。例えば、蛍光粒子201に細胞を用いて、その細胞数を複数変化させたマイクロプレート61を構成することにより、細胞種に固有遺伝子を分析するリアルタイムPCR(Realtime Polymerase Chain Reaction)や遺伝子検査ランプ法で定量分析及び定性分析に有用である。細胞の遺伝子の分析は、細胞の検出として用いられる。これは、食品検査に有用であり、例えば、食中毒の予防、原因解明のために、腸管出血性大腸菌(病原性大腸菌、O157)、病原性大腸菌(O157以外)、サルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオなどの細菌を、1細胞又は数細胞レベルで微量分析することに利用できる。
このとき、利用者は、粒子含有試料62を設けたマイクロプレート61を扱うこととなるが、通常は手袋を装着し、クリーンベンチにて、マイクロプレートの封の開封、試薬ビンの開閉、ピペッティング、溶液の吸引及び破棄などを行う。利用者は、このような状態で、試料の番号や内容などの情報の確認、さらには、自己の作業に対する記録をしていく必要があり、作業性の非常に悪い状態である。図25A、図25B、及び図25Cに示す第10の実施の形態における粒子含有試料62は、別途、図示はしない計数情報記憶手段70の読み出し装置を設けることにより、間違いのない作業性の良好な分析作業をできるようになる。
(粒子含有試料)
本発明の粒子含有試料は、粒子計数装置を用いて計数された粒子数に関する情報を記憶した計数情報記録手段を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、
前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射手段と、
前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光手段と、
前記受光手段により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、を有する粒子計数装置であって、
前記粒子計数手段が、前記液滴に含まれる前記粒子の有無を計測する第一の粒子計測手段と、前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する第二の粒子計測手段とを有することを特徴とする粒子計数装置である。
<2> 前記第一の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子が有との情報に基づいて前記第二の粒子計測手段により前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する粒子計測手段制御手段と、
前記第二の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子の個数の情報に基づいて前記液滴吐出手段を制御する液滴吐出手段制御手段と、をさらに有し、
前記液滴吐出手段制御手段が、前記第一の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子が無との情報に基づいて前記第二の粒子計測手段からの情報を用いることなく前記液滴吐出手段を制御する手段である前記<1>に記載の粒子計数装置である。
<3> 前記液滴吐出手段制御手段が、前記第一の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子が無との情報に基づいて、液滴を略同一位置に連続吐出するように液滴吐出位置を制御する手段である前記<2>に記載の粒子計数装置である。
<4> 前記第一の粒子計測手段が、前記粒子からの発光の発光量情報を取得する発光量取得部を有し、前記第二の粒子計測手段が、前記粒子からの発光による光に基づく2次元画像を取得する2次元画像取得部を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の粒子計数装置である。
<5> 前記第一の粒子計測手段に接続される受光手段が、2以上の異なる方向に発光された発光による光を受光する2以上の受光手段を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の粒子計数装置である。
<6> 前記第二の粒子計測手段に接続される受光手段が、2以上の異なる方向に発光された発光による光を受光する2以上の受光手段を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の粒子計数装置である。
<7> 前記第一の粒子計測手段の前記粒子からの発光の発光量情報を取得する前記発光量取得部が、前記第二の粒子計測手段の前記2次元画像取得部からの2次元画像情報に基づいて前記発光量情報を取得する前記<4>から<6>のいずれかに記載の粒子計数装置である。
<8> 前記光照射手段が、2以上の異なる方向から光を照射する手段であることを特徴とする前記<1>から<7>に記載の粒子計数装置である。
<9> 前記光照射手段の2以上の異なる方向が、略対向方向である前記<8>に記載の粒子計数装置である。
<10> 2以上の異なる方向から光を照射する前記光照射手段が、略平行光束からなる光を前記液滴に照射する第一の光照射部と、前記略平行光束の光の一部が前記液滴を照射することに対応して前記液滴位置を透過した前記略平行光束の光を偏向させて再度液滴に照射させる偏向光学素子を有する第二の光照射部と、を有する前記<8>から<9>のいずれかに記載の粒子計数装置である。
<11> 光を受けることで発光可能な粒子が、蛍光粒子である前記<1>から<10>のいずれかに記載の粒子計数装置である。
<12> 前記蛍光粒子が、染色細胞である前記<11>に記載の粒子計数装置である。
<13> 光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出工程と、
前記液滴吐出工程から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射工程と、
前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光工程と、
前記受光工程により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数工程と、を含む粒子計数方法であって、
前記粒子計数工程が、前記液滴に含まれる前記粒子の有無を計測する第一の粒子計測工程と、前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する第二の粒子計測工程とを含むことを特徴とする粒子計数方法である。
<14> 前記第一の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子が有との情報に基づいて前記第二の粒子計測工程により前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する粒子計測工程制御工程と、
前記第二の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子の個数の情報に基づいて液滴吐出工程を制御する液滴吐出工程制御工程と、をさらに含み、
前記液滴吐出工程制御工程が、前記第一の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子が無との情報に基づいて前記第二の粒子計測工程からの情報を用いることなく前記液滴吐出工程を制御する工程である前記<13>に記載の粒子計数方法である。
<15> 前記液滴吐出工程制御工程が、前記第二の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子の個数の情報に基づいて前記粒子の個数を積算し、前記液滴吐出工程を制御する工程である前記<14>に記載の粒子計数方法である。
<16> 前記第一の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子が有との情報に基づいて、液滴を略同一位置に連続吐出するように液滴吐出位置を制御する連続吐出位置制御工程と、
前記連続吐出位置制御工程からの情報に基づいて前記液滴吐出位置を移動させる液滴吐出位置移動工程と、をさらに含む前記<13>から<15>のいずれかに記載の粒子計数方法である。
<17> 前記光を受けることで発光可能な粒子が、蛍光粒子である前記<13>から<16>のいずれかに記載の粒子計数方法である。
<18> 前記蛍光粒子が、染色細胞である前記<17>に記載の粒子計数方法である。
<19> 前記染色細胞に用いられる細胞が、死細胞である前記<18>に記載の粒子計数方法である。
<20> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の粒子計数装置を用いて計数された粒子数に関する情報を記憶した計数情報記録手段を有することを特徴とする粒子含有試料である。
前記<1>から<12>のいずれかに記載の粒子計数装置、前記<13>から<19>のいずれかに記載の粒子計数方法、及び前記<20>に記載の粒子含有試料によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特許第5716213号公報 特開2014-20918号公報
10 液滴吐出手段
20 駆動手段
30 光照射手段
41、42 受光手段
51 第一の粒子計測手段
52 第二の粒子計測手段
60 液滴吐出位置移動手段
100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K 粒子計数装置
200 粒子懸濁液
201 光を受けることで発光可能な粒子
210 液滴
302a 受光手段41への光
302b 受光手段42への光

Claims (15)

  1. 光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、
    前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射手段と、
    前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光手段と、
    前記受光手段により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、を有する粒子計数装置であって、
    前記粒子計数手段が、前記液滴に含まれる前記粒子の有無を計測する第一の粒子計測手段と、前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する第二の粒子計測手段と、
    前記第一の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子が有との情報に基づいて前記第二の粒子計測手段により前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する粒子計測手段制御手段と、を有することを特徴とする粒子計測装置。
  2. 記第二の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子の個数の情報に基づいて前記液滴吐出手段を制御する液滴吐出手段制御手段と、をさらに有し、
    前記液滴吐出手段制御手段が、前記第一の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子が無との情報に基づいて前記第二の粒子計測手段からの情報を用いることなく前記液滴吐出手段を制御する手段である請求項1に記載の粒子計数装置。
  3. 前記液滴吐出手段制御手段が、前記第一の粒子計測手段からの前記液滴に含まれる前記粒子が無との情報に基づいて、液滴を略同一位置に連続吐出するように液滴吐出位置を制御する手段である請求項2に記載の粒子計数装置。
  4. 前記第一の粒子計測手段が、前記粒子からの発光の発光量情報を取得する発光量取得部を有し、前記第二の粒子計測手段が、前記粒子からの発光による光に基づく2次元画像を取得する2次元画像取得部を有する請求項1から3のいずれかに記載の粒子計数装置。
  5. 前記第一の粒子計測手段の前記粒子からの発光の発光量情報を取得する前記発光量取得部が、前記第二の粒子計測手段の前記2次元画像取得部からの2次元画像情報に基づいて前記発光量情報を取得する請求項4に記載の粒子計数装置。
  6. 前記第一の粒子計測手段に接続される受光手段が、2以上の異なる方向に発光された光を受光する2以上の受光手段を有する請求項1から5のいずれかに記載の粒子計数装置。
  7. 前記第二の粒子計測手段に接続される受光手段が、2以上の異なる方向に発光された光を受光する2以上の受光手段を有する請求項1から6のいずれかに記載の粒子計数装置。
  8. 前記光照射手段が、2以上の異なる方向から光を照射する手段である請求項1から7のいずれかに記載の粒子計数装置。
  9. 前記光照射手段の2以上の異なる方向が、略対向方向である請求項8に記載の粒子計数装置。
  10. 2以上の異なる方向から光を照射する前記光照射手段が、略平行光束からなる光を前記液滴に照射する第一の光照射部と、前記略平行光束の光の一部が前記液滴を照射することに対応して前記液滴位置を透過した前記略平行光束の光を偏向させて再度液滴に照射させる偏向光学素子を有する第二の光照射部と、を有する請求項8から9のいずれかに記載の粒子計数装置。
  11. 光を受けることで発光可能な粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出工程と、
    前記液滴吐出工程から吐出された前記液滴に前記光を照射する光照射工程と、
    前記光を照射された前記粒子からの発光による光を受光する受光工程と、
    前記受光工程により受光した前記光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数工程と、を含む粒子計数方法であって、
    前記粒子計数工程が、前記液滴に含まれる前記粒子の有無を計測する第一の粒子計測工程と、前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する第二の粒子計測工程と、
    前記第一の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子が有との情報に基づいて前記第二の粒子計測工程により前記液滴に含まれる前記粒子の個数を計測する粒子計測工程制御工程とを含むことを特徴とする粒子計数方法。
  12. 前記第二の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子の個数の情報に基づいて液滴吐出工程を制御する液滴吐出工程制御工程と、をさらに含み、
    前記液滴吐出工程制御工程が、前記第一の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子が無との情報に基づいて前記第二の粒子計測工程からの情報を用いることなく前記液滴吐出工程を制御する工程である請求項11に記載の粒子計数方法。
  13. 前記液滴吐出工程制御工程が、前記第二の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子の個数の情報に基づいて前記粒子の個数を積算し、前記液滴吐出工程を制御する工程である請求項12に記載の粒子計数方法。
  14. 前記第一の粒子計測工程からの前記液滴に含まれる前記粒子が有との情報に基づいて、液滴を略同一位置に連続吐出するように液滴吐出位置を制御する連続吐出位置制御工程と、
    前記連続吐出位置制御工程からの情報に基づいて前記液滴吐出位置を移動させる液滴吐出位置移動工程と、をさらに含む請求項12から13のいずれかに記載の粒子計数方法。
  15. 請求項1から10のいずれかに記載の粒子計数装置を用いて計数された粒子数に関する情報を記憶した計数情報記録手段を有することを特徴とする粒子含有試料。
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