以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明を適用した画像形成装置について説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1 機能構成]
本実施形態の画像形成装置10の機能構成について、図1に基づいて説明する。図1に示すように、画像形成装置10は、制御部100と、画像入力部110と、画像処理部120と、画像形成部130と、表示部140と、操作入力部150と、通信部160と、記憶部170とを備えて構成される。
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御する機能部である。制御部100は、記憶部170に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば1又は複数の演算装置であるCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
画像入力部110は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する機能部である。例えば、画像入力部110は、CCD(Charge Coupled Device)等の光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナ装置等により構成される。なお、画像入力部110は、スキャナ装置等の他にもデジタルカメラ等で撮像された画像を外部から取り込むようにしてもよい。また、画像入力部110は、USBメモリや、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の記憶媒体、通信部160を介して他の端末から原稿データを入力(受信)してもよい。
画像処理部120は、画像データに各種画像処理を施す機能部である。例えば、画像処理部120は、画像データの鮮鋭化処理を行ったり、色変換処理を行ったりする。
画像形成部130は、画像データを記録媒体(例えば記録用紙)に形成する機能部である。例えば、画像形成部130は、給紙トレイから給紙された記録用紙の表面に画像を形成し、排紙トレイから排紙する。画像形成部130は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
表示部140は、画像形成装置10が各種情報を表示したり、ユーザに報知する内容を表示したりする機能部である。例えば、表示部140は、LCD(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electroluminescence)等のOLED(Organic Light Emitting Diode)を利用したディスプレイ等で構成される。また、表示部140は、外部の表示装置であったり、通信部160を介して接続可能な他の端末装置であったりしてもよい。例えば、表示部140が表示する表示画面は、コンピュータが画像形成装置10にWEBブラウザでアクセスすることで、コンピュータにWEB画面として表示されてもよい。
操作入力部150は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能部である。例えば、操作入力部150は、ハードウェアキーや、タッチパネルを利用したソフトウェアキーにより構成される。また、操作入力部150は、ユーザからの操作入力を受け付けられればよく、例えば音声入力や、視線入力といった方法でもよい。
通信部160は、他の装置と接続したり、ネットワークに接続したりして、他の機器を行う機能部である。例えば、通信部160は、通信可能なインタフェースとして構成される。接続方法としては、有線/無線の何れにより実現されてもよい。例えば、他の情報処理装置や、画像形成装置と通信を行ったり、サーバと通信を行ったりすることが可能である。また、通信部160は、デジタルカメラやスキャナ等の入力装置や、外部ディスプレイ等の表示装置とも接続し、通信することができる。
記憶部170は、画像形成装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶している。記憶部170は、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。また、画像形成装置10の記憶装置ではなく、例えばネットワークを介して接続されたNAS(Network Attached Storage)やクラウドサーバに記憶領域が設けられてもよい。
記憶部170は、ユーザ情報記憶領域172と、アイコン画像データ記憶領域174とを確保し、利用可能機能テーブル178と、クイックログインプログラム176とを記憶する。
ユーザ情報記憶領域172は、ユーザ情報を記憶する領域である。図2は、ユーザ情報のデータ構造の一例を示した図である。ユーザ情報は、項目毎に値が記憶されている。ユーザ情報の項目は、本実施形態ではユーザを識別するためのユーザID(例えば、「001」)と、ログイン名(例えば、「ユーザA」)と、E-mailアドレス(例えば、「
[email protected]」)と、パスワード(例えば、「abc123」)と、アイコン画像(例えば、「man012.bmp」)と、である。
なお、項目の一部は、画像形成装置10が自動的に値を記憶する項目であってよい。例えば、ユーザIDの値は、画像形成装置10によって自動的に採番される値(例えば、連番)であってもよい。この場合は、ユーザ情報にはユーザが任意で値を登録できる項目と、ユーザが任意では値を登録できず、画像形成装置10が自動的に値を指定する項目とが記憶されることとなる。ここで、ユーザが画像形成装置10に対してユーザの登録を行う場合に、ユーザが値を任意で登録できる項目に何らの値も入力されなかったときは、画像形成装置10は、画像形成装置10が値を自動的に指定する項目のみに値が指定されたユーザ情報を記憶する。本実施形態では、ユーザIDは画像形成装置10が自動的に値を記憶する項目であるとする。また、本実施形態では、ユーザは、ログイン名とE-mailアドレスとパスワードとアイコン画像との項目については、任意の値を指定できるものとする。
また、項目は図2に示した項目以外であっても、例えば、識別番号、所属、内線番号といった項目を有していてもよい。また、アイコン画像は、アイコン画像データ記憶領域174に記憶されているアイコン画像データのファイル名を記憶する。なお、アイコン画像は、画像形成装置10以外の装置に記憶されたアイコン画像データの場所を記憶してもよいし、画像データ自体を記憶してもよい。
アイコン画像データ記憶領域174は、ユーザを識別するために表示するアイコン画像データを記憶する。アイコン画像データは、例えば、BMP、PNG、GIF、JPGといった画像ファイルであるが、必要に応じて文字テキスト、記号といった文字であってもよい。アイコン画像は、予め記憶されていてもよいし、ユーザが作成してもよい。
クイックログインプログラム176は、表示部140に一覧表示されたアイコンを選択して、ユーザが画像形成装置10にログインする機能(クイックログイン機能)を提供するプログラムである。例えば、図3は、クイックログイン機能として提供されるクイックログイン画面W100の一例を示した図である。
クイックログイン画面W100には、領域R100に、ユーザ情報記憶領域172に記憶されたユーザ情報に基づき、ユーザを示すログイン名と、アイコンとを組にして格子状(グリッド状)に表示されている。なお、アイコンとは、本実施形態では、ユーザ情報に記憶されたアイコン画像により特定されるアイコン画像データを表示することとして説明するが、アイコンは文字、図形、記号を含む概念であり、テキストで表されたり、画像で表されたりしてもよい。また、ユーザ情報にアイコン画像が記憶されていない場合は、アイコン画像が設定されていない場合の代替となるアイコンを表示したり、アイコンを表示しなかったりしてもよい。
また、図3の領域R100は、アイコンとログイン名とを表示しているが、何れか一方の表示でもよい。また、図3の領域R100は、ユーザを示すログイン名と、アイコンとを組にして格子状に配置して表示しているが、例えば、リスト表示による一覧表示といった他の方法で表示してもよい。
ユーザは、領域R100に一覧表示されたアイコンやログイン名で特定されるユーザの中から、ログインしたいユーザを選択する。例えば、ユーザにより領域R102のアイコンが選択された場合、当該アイコンと対応するユーザのログインを行う。なお、ユーザ情報にログイン名が記憶されていないユーザは、領域R102のように、ログイン名が表示されない。
ユーザ情報に基づくアイコンやログイン名が、領域R100に表示しきれない場合は、領域R100をスクロール可能に表示してもよいし、表示しきれないアイコンやログイン名を別画面(別ページ)に表示してもよい。例えば、ユーザにより領域R106がタッチされると、次ページに切替えて、アイコンやログイン名を一覧表示する。
また、クイックログイン画面W100には、サブメニューを表示するための領域R108を含んでもよい。ユーザによって領域R108が選択された場合は、クイックログイン画面W100にはサブメニューが表示される。サブメニューには、例えば、ユーザの追加や編集、削除といった機能を呼び出すためのメニュー項目や、領域R100に表示されたログイン名と、アイコンとの組を並び替える機能を呼び出すためのメニュー項目が表示される。また、クイックログイン画面W100には、画像形成装置10の管理者がログインするためのボタンや、ジョブ状況を確認するためのボタンが含まれていてもよい。
なお、画像形成装置10は、クイックログインプログラム176によるログイン方法以外のログイン方法によって、ユーザのログインを可能としてもよい。例えば、ユーザによって操作入力部150を介して入力されるログイン名とパスワードに基づいてユーザを認証するログイン方法や、顔や声紋等の生体情報に基づくログイン方法によって、ユーザのログインを可能としてもよい。
利用可能機能テーブル178は、ユーザ情報に登録(記憶)された項目の状況と、ユーザが利用できる機能(画像形成装置10が実行可能な機能)とを対応させたテーブルである。利用可能機能テーブル178は、画像形成装置10の管理者等によって記憶される。
本実施形態において、利用できる、利用可能であるとは、ユーザが、画像形成装置10が備える所定の機能を発揮できることをいう。すなわち、画像形成装置10が、ユーザの操作に基づく機能を実行することをいう。また、本実施形態において、利用できないとは、ユーザが、画像形成装置10が備える所定の機能を発揮できないことをいう。すなわち、画像形成装置10において、所定の機能を実行しないことをいう。なお、機能は実行されるものの、ユーザが最終的な結果物を得られない場合も、利用できないという。
図4は、利用可能機能テーブル178の一例を示した図である。図4の(a)の部分は、ユーザ情報の項目毎に、値(情報)が登録(記憶)されているか否かの組み合わせを示している。例えば、図4のD100は、ユーザ情報の項目のうち、ログイン名と、E-mailアドレスとは、値が登録済み(記憶されている)だが、パスワードは値が未登録(記憶されていない)場合を示す。なお、図4の(a)に列挙されていない項目については、値が登録されているか否かを問わないことを示す。
また、図4の(b)の部分は、登録状況によって、画像形成装置10のどの機能が利用可能であるかを示している。本実施形態における機能とは、画像を形成する方法に基づいて分類した画像形成装置10が実現する機能である。また、本実施形態では、画像形成装置10が備える機能は、コピー機能、プリント機能、ファクス機能、スキャン機能とする。さらに、それぞれの機能には、ユーザが設定可能な内容(設定内容)を含むものとする。例えば、コピー機能に関する設定内容としては、カラーモードや、コピー可能な部数、コピー可能な用紙のサイズ等を含む。
本実施形態では、ユーザが利用可能な機能であることを、利用可能機能テーブル178に「可」という値を記憶させることにより示す。また、利用可能機能テーブル178は、ユーザが変更可能な設定内容についても記憶する。例えば、図4のD102は、ログイン名と、E-mailアドレスとは登録済みだが、パスワードが未登録であるユーザは、コピー機能、プリント機能、ファクス機能、スキャン機能が利用できることを示す。また、設定内容の一部については、設定の内容を変更することが不可能であることを示す。
なお、図4のD104のように、登録状況には、ログイン名は未登録であり、E-mailアドレスやパスワードが登録済みか未登録かを問わないという登録状況が含まれていてもよい。
[1.2 処理の流れ]
[1.2.1 メイン処理]
本実施形態の処理の流れについて、図を参照して説明する。まず、図5を参照して、画像形成装置10のメイン処理について説明する。はじめに、制御部100は、ログイン画面を表示する(ステップS102)。ログイン画面は、クイックログインプログラム176を実行することによって表示される画面であってもよいし、ログイン名とパスワードとを入力するための画面であってもよい。
つづいて、制御部100は、ログイン画面において、ユーザ登録を行うための操作がされたか否かを判定し、ユーザ登録を行うための操作がされた場合は、ユーザ登録処理を実行する(ステップS104;Yes→ステップS106)。ユーザ登録を行うための操作は、例えば、ユーザによって、クイックログイン画面に表示されたサブメニューから、ユーザを登録するメニュー項目が選択される操作である。なお、ユーザ登録処理については後述する。
つづいて、ユーザ登録操作がされなかった場合は、ログイン画面においてユーザにされた操作に基づき、ユーザのログインを行う(ステップS104;No→ステップS108)。例えば、ステップS102において、制御部100が表示部140やWEBブラウザにクイックログイン画面を表示している場合であって、アイコンが選択された場合は、制御部100は、ユーザによって選択されたアイコンに対応するユーザのログインを行う。
つづいて、制御部100は、ログインを行ったユーザに対応するユーザ情報の項目に基づいて、ログインしたユーザが利用可能な機能を決定する利用可能機能決定処理を実行する(ステップS110)。
図6を参照して、利用可能機能決定処理について説明する。利用可能機能決定処理は、制御部100が、ログインしたユーザのユーザ情報に記憶された項目に基づき、ログインしたユーザが利用できる機能を決定する処理である。具体的には、制御部100は、ログインしたユーザのユーザ情報の項目に値が記憶されているか否かと、利用可能機能テーブル178に記憶された登録状況とを照合する。そして、登録状況に対応する利用可能機能に記憶された値によって、ログインしたユーザが利用できる機能や、変更可能な設定内容を決定する。
図6は、図4に示した利用可能機能テーブル178が記憶部170に記憶されている場合において、利用可能機能決定処理の流れを示した図である。なお、以下の説明においては、ログインしたユーザに対応するユーザ情報を、対象ユーザ情報という。
まず、制御部100は、対象ユーザ情報に、ログイン名が登録されているか否かを判定する(ステップS122)。ログイン名が登録されている場合は、つづいて、制御部100は、対象ユーザ情報にE-mailアドレスが登録されているか否かを判定する(ステップS122;Yes→ステップS124)。E-mailアドレスが登録されている場合は、つづいて、制御部100は、対象ユーザ情報にパスワードが登録されているか否かを判定する(ステップS124;Yes→ステップS126)。パスワードが登録されている場合は、制御部100は、ログインしたユーザが、コピー機能、プリント機能、ファクス機能、スキャン機能を利用可能とし、全ての設定内容を変更可能であることを決定する(ステップS126;Yes→ステップS128)。
ステップS126において、対象ユーザ情報にパスワードが登録されていない場合は、制御部100は、コピー機能、プリント機能、ファクス機能、スキャン機能を利用可能とし、機能の一部については、設定内容を設定することを不可能とする(ステップS126;No→ステップS130)。
ステップS124において、対象ユーザ情報にE-mailアドレスが登録されていない場合は、つづいて、制御部100は、対象ユーザ情報にパスワードが登録されているか否かを判定する(ステップS124;No→ステップS132)。パスワードが登録されている場合は、制御部100は、コピー、プリントの機能を利用可能とし、コピー機能とプリント機能の設定内容を変更可能とする(ステップS132;Yes→ステップS134)。
ステップS134において、パスワードが登録されていない場合は、制御部100は、コピー、プリントの機能を利用可能とし、コピー機能とプリント機能の一部の設定内容を設定することを不可能とする(ステップS132;No→ステップS136)。
ステップS122において、ログイン名が登録されていない場合は、制御部100は、コピーの機能を利用可能とし、コピー機能の一部の設定内容を設定することを不可能とする(ステップS122;No→ステップS138)。なお本実施形態では、ログイン名、E-mailアドレス、パスワードの項目に値が入力されていなかった場合であっても、ユーザIDについては値が記憶されている。すなわち、ユーザ登録画面において、ユーザが何れの項目に値を入力しないままユーザ登録をした場合であっても、ユーザIDという項目には値が登録される。つまり、ユーザIDという1つの項目に値が記憶されている状態のユーザであっても、コピー機能を利用することができる。
図5に戻り、制御部100は、利用可能機能決定処理において決定した、ログインしたユーザが利用可能な機能や変更可能な設定内容を含んだホーム画面を表示する(ステップS112)。
[1.2.2 ユーザ登録処理]
図7を参照して、ユーザ登録処理について説明する。はじめに、制御部100は、ユーザ登録画面を表示する(ステップS152)。ユーザ登録画面とは、ユーザ情報に記憶する値を入力するための入力フィールドや、ユーザを登録するための登録ボタンや、ユーザ登録をキャンセルするためのキャンセルボタン等を含んだ画面である。ユーザは、操作入力部150を介して、ユーザ登録画面にログイン名、E-mailアドレス、パスワードといった、ユーザ情報の項目に記憶する値を入力する。
つづいて、制御部100は、ユーザ登録画面に含まれる登録ボタンがユーザによって選択されたか否かを判定する(ステップS154)。ユーザによって登録ボタンが選択された場合は(ステップS154;Yes)、制御部100は、ユーザ登録画面に含まれる入力フィールドに、それぞれ値が入力されているか否かを判定する。制御部100は、ログイン名と、E-mailアドレスと、パスワードとが入力されているか否かをそれぞれ判定する(ステップS156→ステップS158→ステップS160)。ログイン名、E-mailアドレス、パスワードのいずれもが入力されている場合は、制御部100は、入力された内容に基づくユーザ情報をユーザ情報記憶領域172に記憶する(ステップS156;Yes→ステップS158;Yes→ステップS160;Yes→ステップS162)。すなわち、制御部100は、ユーザIDを採番し、当該採番したIDと、ユーザによって入力されたログイン名、E-mailアドレス、パスワード、アイコン画像の値を、ユーザ情報としてユーザ情報記憶領域172に記憶する。
一方で、ログイン名が入力されていない場合(ステップS156;No)、E-mailアドレスが入力されていない場合(ステップS158;No)、パスワードが入力されていない場合(ステップS160;No)のそれぞれの場合について、制御部100は、入力されている内容に応じたメッセージを表示する(ステップS164)。ユーザ登録画面の入力フィールドのうち、いずれかの値が入力されていない場合は、ユーザ情報の一部の項目が未登録の状態でユーザ情報を記憶することとなる。このような場合は、ホーム画面表示処理でも説明したように、ユーザ情報の一部の項目の値が登録されていないため、利用できる機能や、機能の一部が設定不可能となる。したがって、制御部100は、利用できる機能や、機能の一部が設定不可能となることを、メッセージで表示する。このとき、制御部100は、利用できない機能を具体的にメッセージに含んで、メッセージを表示してもよい。
つづいて、制御部100は、ユーザ情報の一部の項目が未登録の状態で、ユーザ情報をユーザ情報記憶領域172に記憶する(ステップS162)。すなわち、制御部100は、ユーザIDを採番し、当該採番したIDと、ユーザによって入力されたログイン名、E-mailアドレス、パスワード、アイコン画像を、ユーザ情報としてユーザ情報記憶領域172に記憶する。このとき、一部の項目についてユーザによって入力された値がない場合は、値がない状態のまま記憶する。
[1.3 動作例]
図を参照して、本実施形態の動作例について説明する。図8(a)は、ログイン名が未登録のユーザがログインした場合に表示されるホーム画面W110の表示画面である。具体的には、ユーザによって図3の領域R102のアイコンが選択された場合に画像形成装置10が表示するホーム画面である。図3の説明でも記載したように、領域R102は、ログイン名が表示されていない。領域R102にログイン名が表示されていないのは、そもそも、領域R102のアイコンによって示されるユーザのログイン名が、ユーザ情報に記憶されていないからである。この場合は、画像形成装置10は、コピー機能及びコピー機能の一部の設定を設定不可能としたホーム画面を表示する。例えば、図8(a)に示すように、画像形成装置10は、ホーム画面にコピー機能を呼び出すためのボタンR110と、当該ユーザが変更可能な設定内容を含んだホーム画面を表示する。
また、機能の一部が利用できないことを、明示的に示してもよい。例えば、図8(b)の領域R112のように、ユーザが利用できない機能に対応するボタンをグレーアウトさせた状態で表示したり、ユーザ情報の登録状況によって、一部の機能のみが利用できることを示すメッセージを表示したりしてもよい。なお、メッセージの表示の方法は、ボタン付近に吹き出しで表示したり、ホーム画面に設けたステータス領域に表示したりしてもよく、様々考えられる。
図9は、ログイン名とパスワードとが登録済みだが、E-mailアドレスが未登録のユーザがログインした場合に表示されるホーム画面W120の表示画面である。この場合は、画像形成装置10は、コピー機能及びプリント機能が利用可能であり、コピー機能とプリント機能の設定内容を変更可能とするホーム画面を表示する。
図10は、ログイン名とE-mailアドレスとが登録済みだが、パスワードが未登録のユーザがログインした場合に表示されるホーム画面W130の表示画面である。この場合は、画像形成装置10は、コピー機能、プリント機能、ファクス機能、スキャン機能が利用可能であり、機能の一部については、設定内容を設定することを不可能とするホーム画面を表示する。
図11は、ログイン名とE-mailアドレスとパスワードとが登録済みのユーザがログインした場合に表示されるホーム画面W130の表示画面である。この場合は、画像形成装置10は、コピー機能、プリント機能、ファクス機能、スキャン機能が利用可能であり、全ての設定内容を変更可能とするホーム画面を表示する。
図12は、ユーザがユーザ登録画面を表示する場合の画面例である。図12(a)は、クイックログイン画面に含まれるサブメニューを表示するための領域が、ユーザによって選ばれている状態を示す画面例である。ユーザによってサブメニューを表示するための領域が選ばれると、画像形成装置10は、図12(b)に示すようにサブメニューを表示する。
ユーザによって、サブメニューに含まれるユーザを登録するためのメニュー項目が選択された場合は、図13に示すように、画像形成装置10は、クイックログイン画面のうち、ユーザ登録によって追加されるユーザのアイコンを表示可能な領域を示す識別表示を表示する。例えば、図13の例では、例えば、ユーザ登録によって追加されるユーザのアイコンを表示可能な領域を、「+」の記号を囲んだ識別表示によって表示している。
ユーザによって識別表示が選択された場合は、画像形成装置10は、ユーザによって選択された領域に表示するユーザに関する情報を登録するための、ユーザ登録画面を表示する。
図14(a)は、ユーザ登録画面W150の画面例である。ユーザ登録画面W150には、ログイン名を入力するための入力フィールドR150、E-mailアドレスを入力するための入力フィールドR151、パスワードを入力するための入力フィールドR152、パスワードを再度入力するための入力フィールドR153が含まれる。
また、アイコンを変更するためのサブメニューのメニュー項目R154が含まれる。ユーザによってメニュー項目R154が選択された場合は、画像形成装置10は、アイコン画像データ記憶領域174に記憶されたアイコン画像データを一覧表示し、ユーザによって選択されたアイコンを、ユーザのアイコン画像を表示する領域R155に表示する。
また、ユーザ登録画面W150に入力された内容に基づいてユーザの登録を行うための登録ボタンR156と、ユーザの登録をキャンセルするためのキャンセルボタンR157とが含まれる。
図14(b)は、ログイン名、E-mailアドレス、パスワードが入力されないまま、登録ボタンR156がユーザによって選択された場合に、画像形成装置10がメッセージを表示した場合の表示画面W160の例である。図14(b)に示すように、メッセージには、利用できる機能や、利用できない機能、一部の設定内容が変更できないことが示される。また、メッセージには、利用できない機能や設定内容が変更できない理由を含めている。
なお、ログイン名、E-mailアドレス、パスワードが入力されない場合であっても、ユーザ情報にはユーザIDが記憶される。また、アイコンが選択された場合は、ユーザ情報にはアイコン画像も併せて記憶される。
図15(a)は、ログイン名のみが入力されているユーザ登録画面の画面例であり、図15(b)は、ログイン名のみが入力されている場合にユーザ登録を行った場合に、表示する画面例である。図15(b)に示すように、メッセージには、スキャン機能とファクス機能が利用できないこと、コピー機能とプリント機能が利用できることと、一部の設定が変更できないことを示す内容が含まれている。
図16(a)は、ログイン名とE-mailアドレスが入力されているユーザ登録画面の画面例であり、図16(b)は、ログイン名とE-mailアドレスが入力されている場合にユーザ登録を行った場合に、表示する画面例である。図16(b)に示すように、メッセージには、一部の設定が変更できないことを示す内容が含まれている。
図17(a)は、ログイン名とパスワードとが入力されているユーザ登録画面の画面例であり、図17(b)は、ログイン名とパスワードとが入力されている場合にユーザ登録を行った場合に、表示する画面例である。図17(b)に示すように、メッセージには、スキャン機能とファクス機能とが利用できないことを示す内容が含まれている。
図18(a)は、ログイン名とE-mailアドレスとパスワードとが入力されているユーザ登録画面の画面例である。この場合ユーザによって登録ボタンが選択された場合は、画像形成装置10は、メッセージを表示せずにユーザ情報を記憶する。
図18(b)は、ユーザ情報を記憶した後に、画像形成装置10が表示するクイックログイン画面の例である。画像形成装置10は、ユーザ情報を記憶した後にクイックログイン画面を表示する。このとき、図13で示した、ユーザによってタッチされた位置(図18(b)の領域R170)に、新たに登録されたユーザのユーザ情報に基づくアイコンや、ログイン名を表示する。
なお、本実施形態では、ユーザを登録する場合について説明を記載したが、ユーザ情報を変更する場合においても画像形成装置10は同様の処理を行う。すなわち、ユーザ情報が変更される場合は、画像形成装置10は、ユーザ登録画面に、ユーザ情報を変更する対象となるユーザのユーザ情報に基づき、値を入力フィールドに表示する。そして、ユーザによって登録ボタンが選択されたときには、そのときにユーザ登録画面の入力フィールドに入力される値に基づいてメッセージを表示する。また、ユーザ情報が変更された場合に、当該ユーザ情報が変更されたユーザのホーム画面を表示する場合は、画像形成装置10は、変更後のユーザ情報に基づいて、利用できる機能や変更可能な設定内容を含んだホーム画面を表示する。
また、本実施形態では、ユーザ登録画面に表示される入力フィールドの全てに何も値が入力されなくてもユーザの登録が可能であるとして説明したが、例えば、ログイン名は必須にするといったように、値の入力が必須の項目があってもよい。
また、本実施形態では、ユーザ情報の項目に、値が記憶されているか否かによって、ユーザが利用できる機能や変更可能な設定内容を決定することとして説明したが、入力された値の種類によってユーザが利用できる機能や変更可能な設定内容が決定されてもよい。例えば、入力されたパスワードが、個人用のパスワードであるか、部門やグループ別のパスワードであるかによって、ユーザが利用できる機能や変更可能な設定内容が異ならせてもよい。また、メールアドレスの種類(例えば、ドメイン)によって、ユーザが利用できる機能や変更可能な設定内容を異ならせてもよい。
本実施形態によれば、画像形成装置10において、ログインしたユーザのユーザ情報の登録状況に応じて、ユーザが利用できる機能の一部を利用できるようにしたり、利用できなくなるようにしたりすることができる。
[2.第2実施形態]
つづいて第2実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態と異なり、ユーザ情報の登録内容に基づき、ユーザが利用できる機能に制限を設ける(ユーザに対する使用条件を設ける)実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図2を図19に、図4を図20にそれぞれ置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
本実施形態において、機能に制限を設けるとは、画像形成装置10が備える機能について、本来実現可能な処理の内容の一部を、ユーザに利用できないようにし、ユーザが使用できる機能について条件をつけることをいう。例えば、画像形成装置10が備えるコピー機能としては、本来は所定の部数(例えば、999枚)を上限として、原稿の画像データを形成する処理を実現可能であるとする。このとき、コピー機能に制限を設けることで、本来の上限の部数よりも少ない部数(例えば、20枚)を上限として、原稿の画像データを形成する処理を実現可能とする。また、画像形成装置10が備えるコピー機能としては、本来はモノクロコピーとカラーコピーの処理が実現可能であるときに、コピー機能に制限を設けて、モノクロコピーだけ実現可能なようにしてもよい。どの機能に、どの制限を設けるかについては、画像形成装置10の管理者等が決めればよい。
本実施形態におけるユーザ情報の例を、図19に示す。図4と異なり、ユーザ情報には、新たにトレイ番号(例えば、「1」)が記憶される。また、本実施形態のユーザ登録画面には、トレイ番号の入力フィールドを含み、当該トレイ番号の入力フィールドにユーザによって入力された値が、ユーザ情報のトレイ番号に記憶される。また、トレイ番号は、ユーザ情報にログイン名が記憶されている場合に有効であるとする。したがって、図19のD200に示すように、ログイン名が記憶されていないユーザ情報には、トレイ番号が記憶されない。このようにすることで、ログイン名が記憶されていないユーザがログインした場合は、任意のトレイに記録用紙を排紙できないという制限が設けられる。
また、本実施形態における利用可能機能テーブル178の例を、図20に示す。図20は、ユーザ情報の登録状況に応じて、ユーザが利用できる機能に制限が設けられていることを示す。具体的には、D202に示すように、ユーザ情報にE-mailアドレスとパスワードとが記憶されていないユーザは、コピー機能を利用する際に、カラーコピーが利用できないという制限が設けられる。また、D204に示すように、ログイン名が記憶されていないユーザは、カラーコピーが利用できず、さらに、コピーが20枚まで可能であるという制限が設けられる。
また、図19の説明に対応して、図20のD206に示すように、ログイン名が記憶されているユーザは、トレイ番号によって示されるトレイに、記録用紙が排紙される。しかし、図20のD208に示すように、ログイン名が記憶されていないユーザは、記録用紙が共有トレイに排紙される。このような利用可能機能テーブル178に基づいて、制御部200は、ステップS110の利用可能機能決定処理において、ユーザが利用可能な機能と、ユーザが利用できる機能(使用条件)とを、併せて決定することができる。図20の例では、制御部200は、排紙トレイという設定内容について、ユーザ情報の登録状況に応じて、画像形成装置10は、ユーザ情報に記憶されたトレイ番号の設定に基づいて排紙をするか、トレイ番号の設定に基づかず共有トレイに排紙するかを決定する。
また、本実施形態では、図7のステップS164において、制御部100は、ユーザによって入力された項目に応じて、ユーザが利用可能な機能に制限が設けられることを含むメッセージを表示する。このようにすることで、ユーザに、利用可能な機能に制限が設けられることを確認させることができる。
また、図6のステップS130において、制御部100は、利用可能な機能に制限を設けていることを、ホーム画面に表示してもよい。例えば、機能を呼び出すボタンの付近に吹き出しで示してもよいし、ホーム画面の上部や下部にステータス領域を設け、ステータス領域に利用可能な機能に制限が設けられていることを示すメッセージを表示してもよい。
また、ホーム画面においては、機能に制限が設けられた機能については、いわゆる簡易モードであることを示すために、ボタンの表示を変えてもよい。例えば、図21(a)に示す画面例は、コピー機能に制限を設けていない場合の画面例である。図21(a)のR200に示すように、コピー機能を利用するためのボタンには「コピー」と表示する。一方で、図21(b)に示す画面例は、コピー機能に制限を設けている場合の画面例である。図21(b)のR202に示すように、コピー機能を利用するためのボタンには「シンプルコピー」と表示する。
このように、本実施形態によれば、ユーザ情報に記憶された項目の値に基づき、画像形成装置20は、ユーザが利用する機能に制限(使用条件)を設けたり、開放したりすることを決定することが可能となる。
[3.第3実施形態]
つづいて第3実施形態について説明する。第3実施形態は第1実施形態と異なり、ユーザ登録がされていない、いわゆるゲストユーザであっても、画像形成装置10の機能を利用できる実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図4を図22に、図5を図23にそれぞれ置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
図22を参照して、本実施形態の利用可能機能テーブル178について説明する。図22のD300は、ゲストユーザが利用可能な機能について示している。D300に示すように、例えば、ゲストユーザは、コピー機能のみを利用可能とし、さらに、コピー機能のうち、モノクロコピーのみが利用可能とする。また、ゲストユーザが変更可能な設定内容としては、用紙サイズと拡縮率の設定のみとする。このように、ゲストユーザであっても、画像形成装置10が備える機能の一部を、簡易的に利用することが可能なようにする。なお、ゲストユーザがどのような機能を利用可能であるかについては、画像形成装置10の管理者等によって決定されればよい。
図23を参照して、本実施形態の処理の流れについて説明する。まず、制御部100は、ログイン画面を表示する(ステップS102)。本実施形態におけるログイン画面には、ゲストユーザでログインするためのボタンを含む。
つづいて、制御部100は、ユーザによって、ユーザ登録の操作がされない場合は、登録済みのユーザでログインする操作が行われたか否かを判定する(ステップS302)。登録済みのユーザでログインする操作がされた場合は、制御部100は、当該ユーザのログイン処理を行う(ステップS302;Yes→ステップS108)。
一方で、登録済みのユーザでログインする操作がされなかった場合、すなわち、ゲストユーザでログインする操作がされた場合は、制御部100は、ゲストユーザが利用可能な機能を決定する。具体的には、制御部100は利用可能機能テーブル178を読み出し、利用可能機能テーブル178に記憶されたゲストユーザが利用可能な機能や、変更可能な設定内容に基づき、ゲストユーザが利用可能な機能を決定する。例えば、図22に示した利用可能機能テーブル178に基づき、制御部100は、ゲストユーザがコピー機能のうちモノクロコピーを利用可能であり、用紙サイズ・拡縮率を設定可能であるように、利用可能な機能を決定する(ステップS302;No→ステップS304)。
本実施形態の動作例を、図24を参照して説明する。図24(a)は、ステップS102において、制御部100が表示するログイン画面である。ここでは、ログイン画面としてクイックログイン画面が表示されるとする。本実施形態のクイックログイン画面には、図24(a)の領域R400で示すように、ゲストユーザでログインするためのボタンを含める。ユーザによって、領域R400が選択された場合は、制御部100は、ゲストユーザによって画像形成装置10が利用されていると判定し、ゲストユーザ用のホーム画面を表示する。なお、制御部100は、図24(b)に示すように、ゲストユーザ用のホーム画面を表示する際に、ゲストユーザは、一部の機能しか利用できないことや、利用できる機能が制限されていることをメッセージで表示してもよい。
本実施形態によれば、ユーザ登録がされていないユーザであっても、画像形成装置10の機能を簡易的に利用することが可能となる。
[4.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
また、上述した実施形態では、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせることができる。この場合は、ユーザ情報の登録内容の一部が未登録である場合や、ゲストユーザでログインした場合は、ユーザが利用できる機能の一部を制限することができる。このようにすることで、画像形成装置10の管理者等は、ユーザが利用できる機能や、ユーザが変更可能な設定内容を、より細かく設定することができる。
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDD、SSDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。