以下、電子レシートを利用してネットスーパーで販売されている商品を注文することができる電子レシートシステムの実施形態について、図面を用いて説明する。
始めに、電子レシートシステムの概略構成について、図1の全体構成図を用いて説明する。電子レシートシステム100は、電子レシートサーバ10と、複数のPOS(Point Of Sales)システム20と、複数の情報端末30と、複数の基地局40と、ウェブサーバ50と、広域のネットワーク60と、を備える。ネットワーク60は、電子レシートサーバ10と、各POSシステム20と、各基地局40と、ウェブサーバ50とを双方向のデータ通信自在に接続する。ネットワーク60は、例えばインターネットである。
電子レシートサーバ10は、実存する店舗で商品を買い上げた客に対し、レシートを電子化して提供する電子レシートサービスを可能にするための情報処理を行う。また電子レシートサーバ10は、電子化されたレシート、いわゆる電子レシートを利用してネットスーパーで販売されている商品の注文を可能にするための情報処理をも行う。ネットスーパーとは、実存する店舗がネットワーク60上に開設したオンラインショッピングサイトを意味する。
電子レシートサーバ10は、店舗データベース70と電子レシートデータベース80とを有する。店舗データベース70及び電子レシートデータベース80の詳細については後述する。電子レシートサーバ10は、クラウドコンピューティングシステムを利用して電子レシートサービスを可能とするものであってもよい。
POSシステム20は、実存する店舗に構築される。店舗は、業態を問わない。例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア、百貨店、ドラッグストア、食品販売店、アパレル販売店、家電販売店、生活雑貨店、飲食店等で、POSシステム20は構築される。各店舗は、実存する店舗以外にネットスーパーも運営する。1つの店舗が1つのネットスーパーを運営してもよいし、複数の店舗が1つのネットスーパーを共同で運営してもよい。なお、ネットスーパーを運営しない店舗が電子レシートシステム100に含まれていてもよいのは言うまでもないことである。
POSシステム20は、複数のPOS端末21と、POSサーバ22と、ルータ23と、店舗内のネットワーク24とを含む。ネットワーク24は、各POS端末21と、POSサーバ22と、ルータ23とを双方向のデータ通信自在に接続する。ネットワーク24は、例えばLAN(Local Area Network)である。
POS端末21は、客が買い上げる商品の販売データをメモリに登録する登録処理と、登録処理された販売データを基に客からの代金支払いを受けて商取引を決済する決済処理とを行う。POSサーバ22は、各POS端末21で実行される登録処理及び決済処理を一元的に制御する。この制御により、POSサーバ22は、店舗で販売される商品の売上、在庫等を商品毎に管理する。POSサーバ22は、商品データベース25を有する。商品データベース25の詳細については後述する。ルータ23は、ネットワーク24とネットワーク60とを接続し、ネットワーク24からネットワーク60へ、あるいはネットワーク60からネットワーク24へと授受されるデータの中継を行う。
情報端末30は、入力デバイス、表示デバイス、無線通信ユニット等を備えた携帯型の通信機器である。入力デバイス及び表示デバイスは、典型的にはタッチパネルである。無線通信ユニットは、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信規格に従って基地局40との間で行う無線通信を制御する。この制御により、情報端末30と基地局40との間の無線通信が確立されると、基地局40は、情報端末30をネットワーク60に接続するための中継局として機能する。
情報端末30は、電子レシートサービスを受けるために会員登録を行った客が使用する。会員登録は、電子レシートサービスを受けるために必要なソフトウェアを情報端末30にインストールすることで可能となる。以後、このソフトウェアを電子レシートアプリと称する。客は、電子レシートアプリを用いて会員登録を行うことで、その客固有の会員IDの発番を受ける。会員IDは、情報端末30のメモリに記憶される。以後、会員IDは、電子レシートアプリを起動したときのトップ画面に表示される。会員IDは、例えばバーコードの形態で、表示デバイスに表示される。なお、会員IDの出力方法は表示に限定されない。情報端末30が近接場型の無線通信であるNFC(Near Field Communication)の機能を有している場合には、無線通信により会員IDを出力することも考えられる。
情報端末30は、ウェブ上に公開されているコンテンツを閲覧するためのウェブブラウザを実装する。このウェブブラウザにより、情報端末30は、電子レシートサーバ10又はウェブサーバ50によってウェブ上に公開されたコンテンツをダウンロードし、表示デバイスに表示することができる。電子レシートサーバ10がウェブ上に公開するコンテンツは、電子レシートを含む。ウェブサーバ50がウェブ上に公開するコンテンツは、オンラインショッピングサイト、いわゆるネットスーパーのウェブサイトを含む。例えばスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等が情報端末30として用いられる。
ウェブサーバ50は、ネットスーパーのウェブサイトを管理する。ウェブサーバ50は、ネットワーク60を介してアクセスがあった情報端末30に、ネットスーパーで販売される商品を紹介したウェブページを提供する。ネットスーパーの利用者は、ウェブページに紹介された商品の購入を申し込むための操作を同ウェブページ上で行うことにより、商品をオンラインで購入することができる。このようなネットスーパーの仕組みは周知であるので、詳細な説明は省略する。
次に、商品データベース25、店舗データベース70及び電子レシートデータベース80の詳細について、図2乃至図4に示すデータレコードのフォーマット例を用いて説明する。
図2は、商品データベース25に保存される商品レコード25Rのフォーマット例である。図2に示すように、商品レコード25Rは、商品ID、商品名、単価、ネット販売フラグNF等を含む。商品IDは、当該商品データベース25を有するPOSシステム20が構築された店舗で販売される商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意のコードである。商品名及び単価は、商品IDで識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。
ネット販売フラグNFは、商品IDで識別される商品がネットスーパーで販売されているか否かを識別するための1ビットデータである。この場合において、ネットスーパーは、当該商品データベース25を有するPOSシステム20が構築された店舗が独立して、あるいは他の店舗と共同で運営するオンラインショッピングサイトを示す。本実施形態では、ネットスーパーで販売されている場合のネット販売フラグNFを“1”とし、ネットスーパーで販売されていない場合のネット販売フラグNFを“0”とする。
図3は、店舗データベース70に保存される店舗レコード70Rのフォーマット例である。図3に示すように、店舗レコード70Rは、店舗ID、店舗名、URL(Uniform Resource Locator)等を含む。店舗IDは、電子レシートサービスを提供する店舗を個々に識別するために店舗毎に設定された一意のコードである。店舗名は、店舗IDで識別される店舗の名称である。URLは、店舗IDで識別される店舗が独立して、あるいは他の店舗と共同で運営するネットスーパーのウェブサイトを指定するためのものである。URLは、例えば“www.xxx.co.jp”で表わされる。
図4は、電子レシートデータベース80に保存される電子レシートレコード80Rのフォーマット例である。図4に示すように、電子レシートレコード80Rは、会員IDと電子レシートデータとを含む。会員IDは、電子レシートサービスを受けるために会員登録を行った客を識別するために客毎に設定された一意のコードである。以下では、会員登録を行った客を電子レシート会員と称する。
電子レシートデータは、会員IDで識別される電子レシート会員による1つの店舗での商品の購買に関わる商取引に対して発行される電子レシートを生成するためのデータである。電子レシートデータは、店舗データ、取引日時、取引番号、端末番号、担当者名、購買商品データ、合計金額、支払いデータ等を含む。
店舗データは、店舗IDと店舗名とを含む。店舗名は、商取引を行った店舗の名称である。取引日時は商取引が成立した日時である。取引番号は、商取引が成立する毎に、その商取引を決済したPOS端末21から発番される取引識別番号である。端末番号は、商取引を決済したPOS端末21に割り当てられた固有の番号である。担当者名は、商取引を決済したPOS端末21に対してサインインをしている店員の氏名である。購買商品データは、商取引で購買された商品、いわゆる購買商品の商品名、販売金額、ネット販売フラグNF等である。合計金額は、購買商品の合計金額である。支払データは、合計金額に対する電子レシート会員の支払いデータである。例えば電子レシート会員が現金で支払った場合、支払いデータは預り金額と釣銭額とからなる。
ここに、電子レシートレコード80Rを保存する電子レシートデータベース80は、ウェブページで購入可能な商品を特定するデータ、つまりはネット販売フラグNFを記憶する記憶手段として機能する。
次に、電子レシートサーバ10とPOS端末21との要部構成について、図5及び図6のブロック図、さらには図7のメモリマップを用いて説明する。
図5は、電子レシートサーバ10の要部回路構成を示す。図5に示すように、電子レシートサーバ10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インターフェース14及びシステム伝送路15を備える。システム伝送路15は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路15は、プロセッサ11と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13がシステム伝送路15で接続されることにより、電子レシートサーバ10のコンピュータが構成される。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、電子レシートサーバ10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
通信インターフェース14は、ネットワーク60に接続される。通信インターフェース14は、ネットワーク60を介して他の機器と予め設定された通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
図6は、POS端末21の要部回路構成を示す。図6に示すようにPOS端末21は、プロセッサ211、メインメモリ212、補助記憶デバイス213、時計214、通信インターフェース215、自動釣銭機216、キーボード217、ディスプレイ218、スキャナ219、プリンタ220、カードリーダ221及びシステム伝送路222を備える。システム伝送路222は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路222は、プロセッサ211と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。プロセッサ211、メインメモリ212及び補助記憶デバイス213がシステム伝送路222で接続されることにより、POS端末21のコンピュータが構成される。
プロセッサ211は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ211は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、POS端末21としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ211は、例えばCPUである。
メインメモリ212は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ212は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ212は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ212は、プロセッサ211が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ212は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ211によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
補助記憶デバイス213は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス213となり得る。補助記憶デバイス213は、プロセッサ211が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ211での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス213は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
時計214は、時刻を計時する。プロセッサ211は、時計214によって計時されている時刻を現在時刻として処理する。
通信インターフェース215は、ネットワーク24に接続される。通信インターフェース215は、ネットワーク24を介して接続される他の機器との間で、予め設定された通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
自動釣銭機216は、硬貨ユニットと紙幣ユニットとを含む。硬貨ユニットは、硬貨投入口に投入された硬貨を1枚ずつ選別して金種を識別し、金種別に金庫に収容する。硬貨ユニットは、例えば釣銭データに基づいて金庫から該当する金種の硬貨を取出し、硬貨払出口に払い出す。紙幣ユニットは、紙幣投入口に投入された紙幣を1枚ずつ選別して金種を識別し、金種別に金庫に収容する。紙幣ユニットは、例えば釣銭データに基づいて金庫から該当する金種の紙幣を取出し、紙幣払出口に払い出す。
キーボード217は、点数、金額等の数値を置数するための置数キーの他、乗算キー、小計キー、締めキー等の種々のファンクションキーを配設した専用の入力デバイスである。汎用のキーボードの任意のキーに、POS端末21で必要な機能を割り付けたものであってもよい。締めキーは、商取引の登録締めを操作者が宣言するためのキーである。例えば現計キー、信計キー等が締めキーに相当する。
ディスプレイ218は、商品名、販売金額、合計金額、釣銭額等を表示するための表示デバイスである。ディスプレイ218は、POS端末21を操作する店員用と買物客用の2種類ある。なお、入力デバイスと表示デバイスとを兼用したタッチパネルを、キーボード217及びディスプレイ218の代わりに適用してもよい。
スキャナ219は、コードシンボルを読み取る。コードシンボルは、例えばバーコードである。コードシンボルは、例えば二次元データコードであってもよい。スキャナは、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
店舗で販売される各商品には、その商品を識別するための商品ID等をコード化したコードシンボルが付されている。また、前述したように、電子レシート会員が所持する情報端末30には、会員IDをコード化したコードシンボルが表示される。スキャナ219は、これらのコードシンボルを読み取ることが可能である。
プリンタ220は、レシート用紙に商取引の明細を表すレシートデータ等を印刷する。レシートデータが印刷されたレシート用紙は、レシート発行口から排出され、カッタにより切断されて、紙レシートとして発行される。
カードリーダ221は、クレジットカード、ポイントカード等のカード媒体に記録されたカードデータを読み取る。
このようなハードウェア構成を有するPOS端末21としては、既存のPOS端末をそのまま適用することができる。あるいは、客自身が購買商品の登録から決済までを操作するようにしたセルフ式のPOS端末であってもよい。
ここにPOS端末21は、購買商品に関する情報が記録されるレシートを電子レシートとして受け取る会員の識別コード、つまりは会員IDを読み取る読取手段と、レシートを生成するレシート生成手段と、を有するレシート生成装置として機能する。電子レシートサーバ10は、会員IDと関連付けて、当該会員が受け取る電子レシートを管理する管理装置として機能する。
さて本実施形態において、POS端末21は、メインメモリ212の揮発性メモリ領域に、図7に示すように、取引メモリ231、会員IDメモリ232、第1のフラグメモリ233及び第2のフラグメモリ234を形成している。
取引メモリ231は、1つの商取引に関わるデータとして、商品販売データD1、合計データD2、支払いデータD3及び取引識別データD4をそれぞれ記憶するための領域である。商品販売データD1は、商品ID、商品名、単価、販売点数、販売金額、ネット販売フラグNF等を含む。合計データD2は、合計点数、合計金額等を含む。支払いデータD3は、預り金額、釣銭額等を含む。取引識別データD4は、店舗ID、店舗名、取引日時、取引番号、端末番号、担当者名などを含む。
会員IDメモリ232は、電子レシート会員の会員IDを記憶するための領域である。
第1のフラグメモリ233は、電子レシートフラグEFを記憶するための領域である。電子レシートフラグEFは、レシートを電子レシートとして受け取るとの宣言が有った商取引であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、電子レシートフラグEFは、レシートを電子レシートとして受け取るとの宣言が有った商取引の場合に“1”となり、レシートを電子レシートとして受け取るとの宣言が無かった商取引の場合に“0”となる。
第2のフラグメモリ234は、取引中フラグRFを記憶するための領域である。取引中フラグRFは、商取引の処理中あるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、取引中フラグRFは、商取引の処理中であるとき“1”となり、商取引の処理中でないとき“0”となる。
次に、POS端末21と電子レシートサーバ10とを主体に、電子レシートシステム100の主要な動作について、図8乃至図10の流れ図を用いて説明する。
POS端末21のプロセッサ211は、図8の流れ図に示す手順で一商取引に係るデータ処理を実行する。この処理は、メインメモリ212または補助記憶デバイス213に記憶されている処理プログラムに従ったものである。なお、図8に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であればその処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
プロセッサ211は、Act1として第2のフラグメモリ234の電子レシートフラグEFを調べる。当初、電子レシートフラグEFは“0”にリセットされている。プロセッサ211は、電子レシートフラグEFが“0”にリセットされていることを確認すると、Act1においてNOと判定し、Act2へと進む。プロセッサ211は、Act2として電子レシート会員の会員IDが入力されたか否かを確認する。会員IDが入力されていない場合、プロセッサ211は、Act2においてNOと判定し、Act3へと進む。プロセッサ211は、Act3として購買商品の商品IDが入力されたか否かを確認する。商品IDが入力されていない場合、プロセッサ211は、Act3においてNOと判定し、Act1へと戻る。すなわちプロセッサ211は、電子レシートフラグEFは“0”にリセットされている状態では、会員IDが入力されるか、商品IDが入力されるのを待ち受ける。
電子レシート会員が所持する情報端末30に表示された会員IDのコードシンボルがスキャナ219で読み取られると、プロセッサ211は、会員IDが入力されたと認定する。あるいは、電子レシート会員が所有するクレジットカード又はポイントカードのカード番号と、当該電子レシート会員の会員IDとが関連付けされている場合、その会員IDと関連付けされたカード番号をカードリーダ221で読み取ると、プロセッサ211は、会員IDが入力されたと認定する。
会員IDが入力された場合、プロセッサ211は、Act2においてYESと判定し、Act4へと進む。プロセッサ211は、Act4としてその入力された会員IDを会員IDメモリ232に書き込み、記憶する。またプロセッサ211は、Act5として第1のフラグメモリ233の電子レシートフラグEFを“1”にセットする。その後、プロセッサ211は、Act3へと進む。プロセッサ211は、Act3において購買商品の商品IDが入力されたか否かを確認する。商品IDが入力されていない場合、プロセッサ211は、Act3においてNOと判定し、Act1へと戻る。この時点では、電子レシートフラグEFを“1”にセットされている。プロセッサ211は、電子レシートフラグEFが“1”にセットされていることを確認すると、Act1においてYESと判定し、Act3へと進む。したがって、Act5において電子レシートフラグEFが“1”にセットされると、それ以後、プロセッサ211は、商品IDが入力されるのを待ち受ける。
購買商品に付されている商品IDのコードシンボルがスキャナ219で読み取られると、プロセッサ211は、商品IDが入力されたと認定する。あるいは、キーボード217のキー操作により商品IDに相当するコードが入力されると、プロセッサ211は、商品IDが入力されたと認定する。
商品IDが入力された場合、プロセッサ211は、Act3においてYESと判定し、Act6へと進む。プロセッサ211は、Act6として第2のフラグメモリ234の取引中フラグRFを調べる。当初、取引中フラグRFは“0”にリセットされている。プロセッサ211は、取引中フラグRFが“0”にリセットされていることを確認すると、Act6においてNOと判定し、Act7へと進む。プロセッサ211は、Act7として取引メモリ231をクリアする。またプロセッサ211は、Act8として第2のフラグメモリ234の取引中フラグRFを“1”にセットする。その後、プロセッサ211は、Act9へと進む。
プロセッサ211は、Act9として商品登録処理を実行する。すなわちプロセッサ211は、入力された商品IDで特定される商品レコード25Rを取得する。商品レコード25Rは、POSサーバ22に商品IDの問合せを行うことで、商品データベース25から取得する。商品データベース25のローカルファイルが各POS端末21にダウンロードされている場合には、このローカルファイルから商品レコード25Rを取得してもよい。プロセッサ211は、商品レコード25Rに含まれる単価に販売点数を乗算して販売金額を算出する。販売点数は、通常は“1”である。販売点数は、キーボード217の置数キーと乗算キーとにより乗数が入力された場合にはその乗数となる。プロセッサ211は、商品レコード25Rに含まれる商品名、単価及びネット販売フラグNFと、上述した販売点数及び販売金額とから商品販売データD1を生成する。プロセッサ211は、商品販売データD1を取引メモリ231に書き込み、記憶する。商品販売データD1は、取引メモリ231において順次記憶される。プロセッサ211は、取引メモリ231に記憶した商品販売データD1の点数及び金額をそれぞれ合計することで合計点数及び合計金額を算出する。そしてプロセッサ211は、その合計点数及び合計金額を含む合計データD2を取引メモリ231に書き込み、記憶する。合計データは、取引メモリ231において、最新のデータだけが記憶される。プロセッサ211は、取引メモリ231に記憶した商品販売データの商品名、単価、販売点数及び販売金額と、合計点数及び合計金額とをディスプレイ218に表示する。
このような商品登録処理は、商品販売データD1にネット販売フラグNFが含まれている点を除いて、既存のPOS端末で実行されている周知の処理をそのまま適用できる。
プロセッサ211は、商品登録処理を終えると、Act10として登録締めが入力されたか否かを確認する。登録締めが入力されていない場合、プロセッサ211は、Act10においてNOと判定し、Act1へと戻る。
このとき、電子レシートフラグEFが“0”にリセットされていたならば、プロセッサ211は、会員IDと商品IDとの入力待ち状態となる。電子レシートフラグEFが“1”にセットされていた場合には、プロセッサ211は、商品IDの入力待ち状態となる。そして商品IDが入力されると、この時点ではすでに取引中フラグRFが“1”にセットされているので、プロセッサ211は、Act6においてYESと判定し、Act9へと進む。すなわちプロセッサ211は、Act7及びAct8の処理をスキップし、商品登録処理を実行する。
キーボード217の締めキーが入力されると、プロセッサ211は、登録締めが入力されたと認定する。登録締めが入力されると、プロセッサ211は、Act10においてYESと判定し、Act11へと進む。プロセッサ211は、Act11として決済処理を実行する。
決済処理は、既存のPOS端末で実行されている周知の処理をそのまま適用できる。例えばプロセッサ211は、自動釣銭機216に投入された預り金額を基に釣銭額を算出する。そしてプロセッサ211は、釣銭額をディスプレイ218に表示するとともに、釣銭額に相当する現金を自動釣銭機216から払い出す。またプロセッサ211は、預かり金額、釣銭額等を含む支払いデータD3と、店舗ID、店舗名、取引日時、取引番号、端末番号、担当者名等を含む取引識別データD4とを、取引メモリ231に書き込み、記憶する。取引識別データD4において、店舗ID、店舗名及び端末番号は、POS端末21のメインメモリ212又は補助記憶デバイス213に予め記憶されている。取引日時は、時計214から読み出した日時である。担当者名は、POS端末21にサインインした担当者の氏名であり、メインメモリ212に記憶されている。端末番号は、決済処理が実行される毎にカウントアップするカウンタの値である。
プロセッサ211は、決済処理を終えると、Act12へと進む。プロセッサ211は、Act12として電子レシートフラグEFを調べる。電子レシートフラグEFが“0”にリセットされている場合、すなわちレシートを電子レシートとして受け取るとの宣言が無かったまま商取引の締めが宣言された場合には、プロセッサ211は、Act12においてNOと判定し、Act13へと進む。プロセッサ211は、Act13として取引メモリ231に記憶された商品販売データD1、合計データD2、支払いデータD3及び取引識別データD4に基づいて、レシートに必要なデータ、いわゆるレシートデータを生成する。
図11にレシートREの一例を示す。レシートREには、店舗名RE1、取引日時RE2、担当者名RE3、取引番号RE4、端末番号RE5、購買商品の商品名RE6及び販売金額RE7、合計金額RE8、預り金額RE9、釣銭額RE10等が記載されている。この場合、レシートデータは、商品販売データD1に含まれる商品名及び販売金額と、合計データD2に含まれる合計金額と、支払いデータD3に含まれる預り金額及び釣銭額と、取引識別データD4に含まれる店舗名、取引日時、取引番号、端末番号及び担当者名とで生成される。
レシートデータを生成し終えると、プロセッサ211は、Act14へと進む。プロセッサ211は、Act14としてレシートデータをプリンタ220に出力してレシート印字を制御する。この制御により、プリンタ220は、例えば図11に示すレイアウトのレシートREを印字し発行する。
レシート印字の制御を終えたプロセッサ211は、Act19へと進む。プロセッサ211は、Act19として取引中フラグRFを“0”にリセットする。以上で、プロセッサ211は、レシートを紙レシートとして受け取る客との商取引を終了する。
一方、電子レシートフラグEFが“1”にセットされている場合、すなわちレシートを電子レシートとして受け取るとの宣言があった商取引の締めが宣言された場合には、プロセッサ211は、Act12においてYESと判定し、Act15へと進む。プロセッサ211は、Act15として取引メモリ231に記憶された商品販売データD1、合計データD1、支払いデータD3及び取引識別データD4に基づいて、電子レシートの作成に必要なデータ、いわゆる電子レシートデータを生成する。電子レシートデータは、図4を用いて説明したように、店舗データ、取引日時、取引番号、端末番号、担当者名、購買商品データ、合計金額、支払いデータ等を含む。したがって電子レシートデータは、商品販売データD1に含まれる商品名、販売金額及びネット販売フラグNFと、合計データD2に含まれる合計金額と、支払いデータD3に含まれる預り金額及び釣銭額と、取引識別データD4に含まれる店舗ID、店舗名、取引日時、取引番号、端末番号及び担当者名とで生成される。
電子レシートデータを生成し終えると、プロセッサ211は、Act16へと進む。プロセッサ211は、Act16として会員IDメモリ232から会員IDを取得する。そしてプロセッサ211は、Act17としてその会員IDと電子レシートデータとを電子レシートサーバ10へと送信するように通信インターフェース215を制御する。この制御により、通信インターフェース215は、会員IDと電子レシートデータとを含むデータを電子レシートサーバ10宛に送信する。以後、会員IDと電子レシートデータとを含むデータを電子レシート決済データと称する。電子レシート決済データは、POSシステム20のルータ23を介してネットワーク60へと送出され、電子レシートサーバ10の通信インターフェース14で受信される。
電子レシート決済データを送信し終えると、プロセッサ211は、Act18へと進む。プロセッサ211は、Act18として電子レシートフラグEFを“0”にリセットする。またプロセッサ211は、Act19として取引中フラグRFを“0”にリセットする。以上で、プロセッサ211は、レシートを電子レシートとして受け取る客との商取引を終了する。
電子レシートサーバ10のプロセッサ11は、図9及び図10の流れ図に示す手順で電子レシートサービスに関わる処理を行う。この処理は、メインメモリ12または補助記憶デバイス13に記憶されている処理プログラムに従ったものである。なお、図9及び図10に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であればその処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
プロセッサ11は、Act21として、通信インターフェース14でデータを受信するのを待ち受ける。データを受信すると、プロセッサ11は、Act21においてYESと判定し、Act22へと進む。プロセッサ11は、Act22として電子レシート決済データを受信したか否かを確認する。前述したように、POS端末21において、レシートを電子レシートとして受け取る客との商取引が処理されると、会員IDと電子レシートデータとを含む電子レシート決済データが電子レシートサーバ10宛に送信される。電子レシート決済データを通信インターフェース14で受信すると、プロセッサ11は、Act22においてYESと判定し、Act23へと進む。
プロセッサ11は、Act23として電子レシート決済データから会員IDと電子レシートデータとを取得し、それぞれを関連付けることで電子レシートレコード80Rを生成する。プロセッサ11は、Act24として電子レシートレコード80Rを電子レシートデータベース80に保存する。その後、プロセッサ11は、Act21へと戻る。すなわちプロセッサ11は、次のデータを受信するのを待ち受ける。
ここに、プロセッサ11を主体とする電子レシートサーバ10のコンピュータは、Act21乃至Act24の処理により、購買商品に関する情報が記録されるレシートのデータ、つまりは電子レシート決済データを取得する取得手段を構成する。
プロセッサ11は、通信インターフェース14を介して受信したデータが電子レシート決済データでないとき、Act22においてNOと判定し、Act25へと進む。プロセッサ11は、Act25として電子レシートの閲覧要求コマンドを受信したか否かを確認する。受信データが閲覧要求コマンドでない場合、プロセッサ11は、Act25においてNOと判定し、受信データに応じた他の処理を実行する。
閲覧要求コマンドは、電子レシート会員が所持する情報端末30から送信される。情報端末30において、ソフトウェア「電子レシートアプリ」を起動し、メニュー画面からレシートメニューを選択すると、情報端末30の表示デバイスにレシート一覧画面が表示される。レシート一覧画面には、当該電子レシート会員の会員IDとともに電子レシートデータベース80に保存されている電子レシートレコード80Rの店舗名、取引日時、合計金額等の一覧が表示される。会員は、一覧の中から閲覧したい電子レシートレコード80Rを選択する。そうすると、情報端末30から電子レシートサーバ10宛に閲覧要求コマンドが送信される。この閲覧要求コマンドには、情報端末30が記憶している会員IDとともに、選択された電子レシートレコード80Rの識別データとして店舗名、取引日時、合計金額等が含まれる。
プロセッサ11は、閲覧要求コマンドを受信すると、Act25においてYESと判定し、Act26へと進む。プロセッサ11は、Act26としてその閲覧要求コマンドから会員IDを取得する。またプロセッサ11は、Act27としてその閲覧要求コマンドからレシート識別データを取得する。そしてプロセッサ11は、Act28として電子レシートデータベース80を検索し、閲覧要求コマンドから取得した会員IDが関連付けられ、同閲覧要求コマンドから取得したレシート識別データを電子レシートデータとして含む電子レシートレコード80Rを検出する。
電子レシートレコードを検出し終えると、プロセッサ11は、Act29に進む。プロセッサ11は、Act29として電子レシート化処理を実行する。電子レシート化処理の具体的手順については、図10の流れ図によって示される。
先ず、プロセッサ11は、Act291として電子レシートレコード80Rから店舗IDを検出する。プロセッサ11は、Act292として店舗データベース70を検索して、Act291において取得した店舗IDを含む店舗レコード70RからURLを取得し、メインメモリ12のワークエリアに格納する。
プロセッサ11は、Act293として電子レシートレコード80Rから購買商品データを検索する。そして1つの購買商品データを検出する毎に、プロセッサ11は、Act293においてYESと判定し、Act294へと進む。プロセッサ11は、Act294としてその購買商品データに含まれるネット販売フラグNFを調べる。ネット販売フラグNFが“0”にリセットされている場合、プロセッサ11は、Act294においてNOと判定し、Act293へと戻る。プロセッサ11は、Act293として電子レシートレコード80Rから次の購買商品データを検索する。
ネット販売フラグNFが“1”にセットされている場合には、プロセッサ11は、Act294においてYESと判定し、Act295へと進む。プロセッサ11は、Act295としてその購買商品データに含まれる商品名を取得し、メインメモリ12のワークエリアに格納する。その後、プロセッサ11は、Act293へと戻る。プロセッサ11は、Act293として電子レシートレコード80Rから次の購買商品データを検索する。
このようにプロセッサ11は、電子レシートレコード80Rから購買商品データを検出する毎に、その購買商品データに含まれるネット販売フラグNFを調べる。そしてネット販売フラグNF“1”にセットされていた場合には、プロセッサ11は、その購買商品データに含まれる商品名を取得し、ワークエリアに格納する処理を繰り返す。
プロセッサ11は、電子レシートレコード80Rに含まれる購買商品データを検出し終えると、Act293においてNOと判定し、Act296へと進む。プロセッサ11は、Act296として電子レシートデータをウェブ形式の電子レシートデータに変換する。そしてウェブ形式の電子レシートデータに変換し終えると、プロセッサ11は、電子レシート化処理を終了する。
図12は、図11に示すレシートREのデータを、HTML(HyperText Markup Lanbuage)によるウェブ形式の電子レシートデータに変換した場合の一例である。この例は、商品名「商品1」の商品と、商品名「商品2」の商品に対しては、ネット販売フラグNFが“1”にセットされており、商品名「商品3」の商品に対しては、ネット販売フラグNFが“0”にリセットされている例である。つまり、商品名「商品1」の商品と商品名「商品2」の商品は、店舗名「○○マート」が運営するネットスーパーで販売されているが、商品名「商品3」の商品は販売されていない例である。
図12に示すように、ウェブ形式に変換後の電子レシートデータは、HTMLのタグ<HTML>、</HTML>の間に、店舗名、取引日時、取引番号、担当者名、購買商品データ、合計金額、預り金額及び釣銭額が、HTMLによって記述されている。また、購買商品データのうち、ネット販売フラグNFが“1”にセットされている商品の購買商品データについては、当該ネットスーパーのウェブページである商品検索ページへのURLリンクが埋め込まれている。
図12において、<a href=”wwww.xxx.co.jp/serch?keyword=商品名”>がURLリンクを示す。すなわちURLリンクは、ネットスーパーの商品検索ページを示すURL“wwww.xxx.co.jp/serch”と、商品名を検索ワードとするリンクパラメータ“?keyword=商品名”とからなる。ここで、商品検索ページを示すURLは、Act292の処理でワークエリアに保存したネットスーパーのURLに、検索を示す語句/serchを付加したものである。商品名を検索ワードとするリンクパラメータは、リンクパラメータを表す語句“?keyword=”に、Act295の処理でワークエリアに保存した商品名を付加したものである。
図9に説明を戻す。
電子レシート化処理を終えると、プロセッサ11は、Act30へと進む。プロセッサ11は、Act30としてウェブ形式に変換された電子レシートデータを、閲覧要求コマンド送信元の情報端末30に宛てて送信するように通信インターフェース14を制御する。この制御により通信インターフェース14は、閲覧要求コマンド送信元の情報端末30を宛先として、ウェブ形式に変換された電子レシートデータを送信する。送信された電子レシートデータは、ネットワーク60及び基地局40を介して情報端末30の通信インターフェース215で受信される。その後、プロセッサ11は、Act21へと戻り、次のデータ受信を待機する。
ここに、電子レシートサーバ10のプロセッサ11は、Act26乃至Act29の処理を実行することにより、取得手段で取得した電子レシート決済データを基に、購買商品に関する情報とともに当該購買商品を購入可能なウェブページを表示するためのURL情報、つまりはURLリンクを有する電子レシートを生成する生成手段を構成する。具体的にはプロセッサ11は、電子レシートデータベース80で保存される電子レシートレコード80Rを参照し、ネット販売フラグNFが“1”の購買商品、つまりはウェブページで購入可能な購買商品が含まれる場合に、当該ウェブページを表示するためのURL情報を有する電子レシートを生成する生成手段を構成する。より詳しくは、URL情報は、ウェブページのURLとそのURLで特定されるウェブページの検索ワードとを含む。検索ワードは、当該ウェブページで購入可能な購買商品の商品名である。すなわち生成手段は、ウェブページで購入可能な購買商品が含まれる場合に、その購買商品の商品名に当該ウェブページのURLをリンク先とするハイパーリンクを設定することで、URL情報を含む電子レシートを生成する。
また、電子レシートサーバ10のプロセッサ11は、Act30の処理を実行することにより、URL情報を有する電子レシートを出力する出力手段を構成する。具体的にはプロセッサ11は、URL情報を有する電子レシートを、ネットワーク60を介して情報端末30へと送信する出力手段を構成する。
このように電子レシートサーバ10は、閲覧要求のあった電子レシートの表示に必要なデータ項目を有する電子レシートデータをウェブ形式に変換し、さらにネットスーパーで販売されている商品の購買商品データについてはURLリンクを埋め込んで、閲覧要求元の情報端末30へと送信する。これにより、ウェブ形式に変換された電子レシートデータを受信した情報端末30においては、ウェブブラウザによって電子レシートが表示される。
図13は、図12示す電子レシートデータにより情報端末30の表示デバイス30Tに表示された電子レシートERの一例である。図13に示すように、電子レシートERには、レシートREと同様に、店舗名ER1、取引日時ER2、担当者名ER3、取引番号ER4、端末番号ER5、購買商品の商品名ER6及び販売金額ER7、合計金額ER8、預り金額ER9、釣銭額ER10等が表示される。そして、購買商品データにURLリンクが埋め込まれた商品の商品名「商品1」及び商品名「商品2」については下線が施されて、URLリンクが埋め込まれたことを示す表示となる。購買商品データにURLリンクが埋め込まれていない商品の商品名「商品3」については下線が施されていない通常の表示となる。なお、URLリンクが埋め込まれたことを示す表示は、下線に限定されない。このような表示は、ウェブブラウザの仕様によって決まる。
ここで、電子レシートERの画像を確認した電子レシート会員が、情報端末30の入力デバイスを操作して、下線が施された商品名をクリックする。そうすると、情報端末30は、ウェブサーバ50にアクセスする。そして、ウェブサーバ50の作用により、クリックされた商品名の購買商品データに埋め込まれたURLリンクのURLによって指定されたネットスーパーにおける商品検索ページのうち、当該URLリンクの検索ワードで特定される商品の検索ページが表示デバイス30Tに表示される。
図14は、図13の電子レシートERにおいて、商品名「商品1」をクリックした場合に表示される商品検索ページの一例である。商品検索ページには、商品名「商品1」の画像Pと、商品名「商品1」及び単価「100円」と、購入ボタンBTとが表示されている。ここで、電子レシート会員が購入ボタンBTをクリックすると、商品名「商品1」の商品に対する当該ネットスーパーでの購入手続きが行われる。
なお、ネットスーパーのウェブサイトが、上述したようなURLリンクによって、検索ワードである商品名の商品検索ページをダウンロードする技術は既存の技術である。そしてこの点に関しては、検索ワードを暗号化する技術も既に実施されている。
このように電子レシートシステム100においては、情報端末30の表示デバイス30Tに表示された電子レシートERに対し、閲覧者である電子レシート会員が、URLリンクが埋め込まれ、下線が施された商品名をクリックすると、ネットスーパーで当該商品を購入可能なウェブページが表示デバイス30Tに表示される。したがって、電子レシート会員は、電子レシートERに表示されている商品、つまりは実存する店舗で購入した商品をネットスーパーで購入可能なウェブページを、その電子レシートERに対する1クリックという簡単な操作で得ることができる。
このように本実施形態によれば、電子レシート会員は、電子レシートを利用することで、実存する店舗で購入した商品を、その店舗が運営するネットスーパーで簡単に注文することができる。したがって、電子レシートの利便性が向上するため、電子レシートの普及率が高まるとともにネットスーパーの利用率も高まり、ひいては客の囲い込みを期待できる。
また、電子レシートシステム100においては、商品データベース25に保存される商品レコード25Rのデータ項目に、ネットスーパーで販売されているか否かを識別するためのネット販売フラグNFを付加する。そしてPOS端末21のプロセッサ211は、電子レシートデータを生成する際に、ネット販売フラグNFを含めて購買商品データを生成し、電子レシートサーバ10に送信する。一方、電子レシートサーバ10のプロセッサ11は、電子レシート化処理を実行する際にネット販売フラグNFを参照し、ネットスーパーで販売されている商品に対してのみ、URLリンクを埋め込む。
したがって、電子レシートERにおいては、ネットスーパーで販売されている商品については、その商品名が、URLリンクが埋め込まれたことを示す表示となるが、ネットスーパーで販売されている商品については、その商品名が、URLリンクが埋め込まれたことを示す表示とはならない。このように、ネットスーパーで販売されている商品であるか否かが視覚的に区別されるので、電子レシート会員は、電子レシートERを一瞥するだけで、ネットスーパーで販売されている商品と販売されていない商品とを容易に識別することができる。
また、電子レシートシステム100においては、電子レシート化処理においてネットスーパーでの販売対象商品に埋め込むURL情報を、ネットスーパーの商品検索ページを示すURL“wwww.xxx.co.jp/serch”と、商品名を検索ワードとするリンクパラメータ“?keyword=商品名”とから構成している。すなわち、電子レシートサーバ10のプロセッサ11は、ネットスーパーでの販売対象商品の商品名に、当該ネットスーパーの商品検索ページのURLをリンク先とするハイパーリンクを設定することで、URL情報を含む電子レシートを生成している。
一般に、ネットスーパーのウェブページ内において販売対象商品が表示される場所は固定ではなく、ウェブページの更新によって変化することが多い。このため、電子レシートデータにURL情報を埋め込む際に、その時点の販売対象商品の表示場所を示すURLを正しく指定することは困難である。
これに対して本実施形態では、商品検索ページを示すURL“wwww.xxx.co.jp/serch”と、商品名を検索ワードとするリンクパラメータ“?keyword=商品名”とからなるURL情報を電子レシートERに埋め込むようにした。したがって、検索ワードの商品名が掲載されたウェブページへとリンクすることになるので、ウェブページにおける販売対象商品の表示場所が変わっても、確実に当該商品のウェブページに辿り着くことができる。この場合において、電子レシートER上の商品名とネットスーパー上の商品名とは、完全一致していなくてもよい。
以上、電子レシートを利用してネットスーパーで販売されている商品を注文することができる電子レシートシステムの一実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
前記実施形態では、管理装置としての電子レシートサーバ10が取得手段及び生成手段を備えるようにした。他の実施形態としては、例えばレシート生成装置としてのPOS端末21が、取得手段及び生成手段を備えてもよい。また、POSサーバ22が取得手段と生成手段とを備えてもよい。これらの場合、電子レシートサーバ10は、電子レシートデータベース80において、URL情報が埋め込まれた電子レシートデータを保存することとなる。
前記実施形態では、生成手段は、購買商品にウェブページで購入可能な商品が含まれる場合に当該ウェブページを表示するためのURL情報を有する電子レシートを生成するようにした。他の実施形態としては、購買商品にウェブページで購入可能な商品が含まれているかいなかに拘わらずURL情報を有する電子レシートを生成してもよい。この場合、ウェブページで購入不可能な商品については、例えばその商品名をクリックすると該当ページ無しのエラーとなるが、ウェブページで購入可能な商品については1クリックで当該商品を購入するためのウェブページに辿り着く。したがって、既存のシステムよりも電子レシートの利便性が高まるのは言うまでもない。
前記実施形態では、電子レシート化処理において、電子レシートデータをHTMLによるウェブ形式の電子レシートデータに変換した。この点に関しては、HTML以外のマークアップ言語、例えばSGML(Standard Generalized Markup Language)又はXML(Extensible Markup Language)を使用してウェブ形式の電子レシートデータに変換し、購買商品データにURLリンクを埋め込むようにしてもよい。
前記実施形態では、URLリンクが埋め込まれた商品の商品名をクリックすると、その商品の検索ページが表示されると説明をした。この点に関しては、最初の1回だけは、ネットスーパーへのログイン認証画面が表示されることも考えられる。その場合は、ログイン後に、該当する商品の検索ページが表示されるようにすればよい。また、電子レシート会員としての認証とネットスーパーへのログイン認証とを同一の認証とすることで、ログイン認証画面の表示を不要にしてもよい。
前記実施形態では、図8の流れ図に示す手順の処理をPOS端末21のプロセッサ211に実行させる処理プログラムを、予めメインメモリ212又は補助記憶デバイス213に記憶しているものとして説明した。同様に、図9乃至図10に示す手順の処理を電子レシートサーバ10のプロセッサ11に実行させる処理プログラムを、予めメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶しているものとして説明した。この点に関しては、処理プログラムが予め記憶されているのではなく、ユーザ操作によってまたは自動的に書き込まれるようにしてもよい。この場合、処理プログラムは、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により書き込むことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]購買商品に関する情報が記録されるレシートのデータを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記レシートのデータを基に、前記購買商品に関する情報とともに当該購買商品を購入可能なウェブページを表示するためのURL情報を有する電子レシートを生成する生成手段と、前記URL情報を有する電子レシートを出力する出力手段と、を具備する電子レシートシステム。
[2]ウェブページで購入可能な商品を特定するデータを記憶する記憶手段、をさらに具備し、前記生成手段は、前記記憶手段で記憶されるデータを参照し、前記購買商品に前記ウェブページで購入可能な商品が含まれる場合に当該ウェブページを表示するためのURL情報を有する電子レシートを生成する、付記[1]記載の電子レシートシステム。
[3]前記URL情報は、前記ウェブページのURLとそのURLで特定される前記ウェブページの検索ワードとを含み、前記検索ワードは、当該ウェブページで購入可能な前記購買商品の商品名である、付記[2]記載の電子レシートシステム。
[4]前記生成手段は、前記購買商品に前記ウェブページで購入可能な商品が含まれる場合に、その購買商品の商品名に当該ウェブページのURLをリンク先とするハイパーリンクを設定することで、前記URL情報を含む電子レシートを生成する、付記[3]記載の電子レシートシステム。
[5]購買商品に関する情報が記録されるレシートを電子レシートとして受け取る会員の識別コードを読み取る読取手段、及び、前記レシートを生成するレシート生成手段、を有するレシート生成装置と、前記会員の識別コードと関連付けて、当該会員が受け取る前記電子レシートを管理する管理装置と、を備え、前記レシート生成装置または前記管理装置に設けられ、前記レシートのデータを取得する取得手段と、前記レシート生成装置または前記管理装置に設けられ、前記取得手段で取得した前記レシートのデータを基に、前記購買商品に関する情報とともに当該購買商品を購入可能なウェブページを表示するためのURL情報を有する電子レシートを生成する生成手段と、前記管理装置に設けられ、前記URL情報を有する電子レシートを出力する出力手段と、を具備する電子レシートシステム。
[6]コンピュータを、購買商品に関する情報が記録されるレシートのデータを取得する取得手段、前記取得手段で取得した前記レシートのデータを基に、前記購買商品に関する情報とともに当該購買商品を購入可能なウェブページを表示するためのURL情報を有する電子レシートを生成する生成手段、及び、前記URL情報を有する電子レシートを出力する出力手段、として機能させるためのプログラム。