JP7168491B2 - 接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、基材に金属皮膜を成膜してなる接合体および接合体の製造方法に関するものである。
近年、自動車用のパネルや、筒状部材、棒状部材等の部品において、強度や硬さを大きくして耐摩耗性を向上させることが検討されている。例えば、この部品に用いる材料として、鉄系材料を母材として、この母材にニッケル、コバルト、クロム、モリブデンのうちの少なくとも一つからなる金属材料を溶射して溶射皮膜を形成し、レーザ光を照射して母材と溶射皮膜とを溶融させて合金層を形成させた材料が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第3015816号公報
ところで、近年、自動車用途において各種部品の軽量化を目的として、鉄系材料のアルミニウム系材料への置き換えが検討されている。アルミニウム系材料は、軽量化に適する一方、すべてをアルミニウム系材料とすると、十分な製品強度を得ることは難しい。そこで、鉄系材料の一部をアルミニウム系材料へ置き換えることが検討されている。特に、他の部品との間で摩擦が生じる部品については、強度および硬度を高くして、耐摩耗性を付与させることが求められる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高い強度および硬度を有しつつ、軽量化することができる接合体および接合体の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる接合体は、アルミニウム又はアルミニウム合金を主成分とする基材と、鉄を主成分とし、必須添加材として炭素を含む金属皮膜であって、前記基材に積層され、該基材と接合している金属皮膜と、を備え、前記金属皮膜は、前記基材側とは反対側の表面を形成し、セメンタイトおよびマルテンサイトからなる第1硬質層と、前記第1硬質層の硬度よりも低い硬度を有し、フェライト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる熱影響部と、前記第1硬質層と前記熱影響部との間に設けられ、マルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる第2硬質層と、を有することを特徴とする。
また、本発明にかかる接合体は、上記の発明において、前記第1硬質層は、ビッカース硬さがHv600以上であり、前記熱影響部は、ビッカース硬さがHv200以上Hv400以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかる接合体は、上記の発明において、前記金属皮膜は、銅、モリブデン、クロム、ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも一つを有する選択添加材をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる接合体の製造方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金を主成分とする基材表面に材料粉末を用いて形成される皮膜を積層した接合体の製造方法であって、鉄を主成分とする前記材料粉末をガスとともに加速し、前記基材表面に固相状態のままで吹き付け、前記基材表面に前処理皮膜を形成する前処理皮膜形成工程と、前記前処理皮膜の表面に、炭素を塗布する塗布工程と、前記炭素を塗布した前記前処理皮膜の表面に焼入れ処理を施して金属皮膜を形成する皮膜形成工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる接合体の製造方法は、上記の発明において、前記前処理皮膜形成工程は、前記鉄を主成分とし、必須添加材として炭素を含む前記材料粉末を前記基材表面に吹き付けることを特徴とする。
本発明によれば、高い強度および硬度を有しつつ、軽量化することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の構造を示す断面図である。 図2は、図1に示す接合体の一部を拡大した部分断面図である。 図3は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造方法を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造方法を説明する図である。 図5は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造方法を説明する図である。 図6は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の金属皮膜の形成に使用されるコールドスプレー装置の概要を示す模式図である。 図7は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造に用いる材料粉末の一例を示す図である。 図8は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造に用いる材料粉末の一例を示す図である。 図9は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造に用いる材料粉末の一例を示す図である。 図10は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造方法を説明する図である。 図11は、実施例1の断面像を示す図である。 図12は、実施例2の断面像を示す図である。 図13は、実施例3の断面像を示す図である。 図14は、実施例4の断面像を示す図である。 図15は、比較例1の断面像を示す図である。 図16は、比較例2の断面像を示す図である。 図17は、比較例3の断面像を示す図である。 図18は、比較例4の断面像を示す図である。 図19は、比較例5の断面像を示す図である。 図20は、比較例6の断面像を示す図である。 図21は、実施例1にかかる接合体のEBSD分析結果を示す図である。 図22は、実施例3にかかる接合体のEBSD分析結果を示す図である。 図23は、比較例2にかかる接合体のEBSD分析結果を示す図である。 図24は、実施例1の硬さ測定結果を示す図である。 図25は、実施例2の硬さ測定結果を示す図である。 図26は、実施例3の硬さ測定結果を示す図である。 図27は、実施例4の硬さ測定結果を示す図である。 図28は、比較例1の硬さ測定結果を示す図である。 図29は、比較例2の硬さ測定結果を示す図である。 図30は、比較例3の硬さ測定結果を示す図である。 図31は、比較例4の硬さ測定結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の構造を示す断面図である。図2は、図1に示す接合体の一部を拡大した部分断面図である。図1に示す接合体1は、基材10と、基材10の一方の面に形成された金属皮膜20とを備える。
基材10は、アルミニウム、または、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金からなる略板状の部材である。
金属皮膜20は、軟質な純鉄(Fe)を主成分とし、必須添加材を含む材料の粉末からなる。必須添加材は、炭素(C)である。
また、金属皮膜20は、選択添加材をさらに含んでもよい。選択添加材は、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも一つである。
金属皮膜20は、後述するコールドスプレー法によって、少なくとも上記主成分を含む材料の粉末を吹き付けて形成される。
金属皮膜20は、基材10側と反対側の表面が、密度の高いマルテンサイトが主成分となっており、基材10側が密度の低いフェライトが主成分となっている。金属皮膜20は、多層化している。具体的に、金属皮膜20は、基材10と反対側から、第1硬質層21、第2硬質層22、熱影響部23、非熱影響部24からなる。
また、金属皮膜20は、コールドスプレー法により形成された皮膜の表面を焼き入れして組織が緻密化されている。焼き入れ処理には、例えばレーザが用いられる。焼き入れ処理によって緻密化された層は、第1硬質層21、第2硬質層22、熱影響部23に相当し、セメンタイトや、マルテンサイト、残留オーステナイトによって形成される硬い層である。一方で、焼き入れ処理が施されていない層は、非熱影響部24に相当し、フェライト層からなる疎な組織からなる。
第1硬質層21は、鉄カーバイド(Fe3C:鉄炭化物)の組織であるセメンタイトと、α´鉄の組織であるマルテンサイトと、からなる。第1硬質層21の硬度は、ビッカース硬さでHv600以上である。
第2硬質層22は、α´鉄の組織であるマルテンサイトと、γ鉄に炭素や合金元素などの他の元素が固溶した組織である残留オーステナイトと、からなる。第2硬質層22は、ビッカース硬さでHv300以上である。
熱影響部23は、α鉄の組織であるフェライトと、α´鉄の組織であるマルテンサイトと、γ鉄に炭素や合金元素などの他の元素が固溶した組織である残留オーステナイトと、からなる。熱影響部23は、ビッカース硬さでHv200以上である。
非熱影響部24は、α鉄の組織であるフェライトからなる。非熱影響部24は、ビッカース硬さでHv80以上である。
次に、接合体1の作製方法について、図3~図10を参照して説明する。図3は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造方法を説明するフローチャートである。図4および図5は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造方法を説明する図である。図6は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の金属皮膜の形成に使用されるコールドスプレー装置の概要を示す模式図である。
まず、上述した基材10を用意する(図4参照)。
この基材10に、図6に示すコールドスプレー装置30により、金属皮膜20を形成するための材料の粉末をガスと共に加速し、基材10の表面に固相状態のままで吹き付けて堆積させて熱処理前皮膜200を形成する(ステップS101:図5参照)。
コールドスプレー装置30は、圧縮ガスを加熱するガス加熱器31と、金属皮膜20を形成するための材料の粉末を収容し、スプレーガン33に供給する粉末供給装置32と、加熱された圧縮ガス及びそこに供給された材料粉末を基材に噴射するガスノズル34と、ガス加熱器31及び粉末供給装置32に対する圧縮ガスの供給量をそれぞれ調節するバルブ35、36とを備える。
金属皮膜20を形成するための材料としては、金属皮膜20の主成分である軟質な純鉄(Fe)と、上述した必須添加材や選択添加材とを含む粉末である。なお、成膜後に必須添加材を塗布する場合、粉末には必須添加材を含まない場合がある。一方で、成膜後に必須添加材を塗布しない場合、粉末は必須添加材を含む。
図7~図9は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造に用いる材料粉末の一例を示す図である。材料粉末は、例えば、ベース粉末、必須添加材、および選択添加材を含む。ベース粉末100は、純鉄からなる粉末である(図7参照)。必須添加材は、炭素からなる粉末である。また、選択添加材は、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも一つである。なお、炭素を含む鉄材料として、鋳鉄やハイス鋼を用いてもよい。
具体的に、粉末材料は、ベース粉末と必須添加材とを含む仮焼結粉末または混合粉末や、ベース粉末と選択添加材とを含む仮焼結粉末または混合粉末、ベース粉末、必須添加材および選択添加材を含む仮焼結粉末または混合粉末、である。例えば、図8に示す仮焼結粉末110は、ベース粉末100に、必須添加材111や、選択添加材112、113が固着している。一方、混合粉末は、図9に示す混合粉末120のように、ベース粉末100、必須添加材111、選択添加材112、113が固着しておらず、それぞれ自由に移動できる。
圧縮ガスとしては、ヘリウム、窒素、空気などが使用される。ガス加熱器31に供給された圧縮ガスは、例えば50℃以上であって、金属皮膜20を形成するための材料の粉末の融点よりも低い範囲の温度に加熱された後、スプレーガン33に供給される。圧縮ガスの加熱温度は、好ましくは300℃以上900℃以下である。一方、粉末供給装置32に供給された圧縮ガスは、粉末供給装置32内の粉末をスプレーガン33に所定の吐出量となるように供給する。
加熱された圧縮ガスは末広形状をなすガスノズル34により超音速流(約340m/s以上)にされる。この際の圧縮ガスのガス圧力は、1~5MPa程度とすることが好ましい。圧縮ガスの圧力をこの程度に調整することにより、基材10に対する金属皮膜20の密着強度の向上を図ることができるからである。より好ましくは5MPa程度の圧力で処理するとよい。スプレーガン33に供給された材料の粉末は、この圧縮ガスの超音速流の中への投入により加速され、固相状態のまま、基材10に高速で衝突して堆積し、前処理皮膜200を形成する(図5参照)。なお、材料粉末を基材10に向けて固相状態で衝突させて皮膜を形成できる装置であれば、図6に示すコールドスプレー装置30に限定されるものではない。
上述したコールドスプレー装置30により成膜された前処理皮膜200は、主成分(鉄)と、必須添加材および選択添加材とを含む。この前処理皮膜200において、選択添加材は、焼入れ性を補助する焼結助剤として作用する。このため、前処理皮膜200は、高密度、かつ、金属皮膜20と比して軟質の皮膜となっている。前処理皮膜200は、例えば、ビッカース硬さがHv500以下であることが好ましい。
前処理皮膜200を形成後、表面を切削して所望の形状に成形する(ステップS102:前処理皮膜表面加工工程)。この際、前処理皮膜は、転位密度向上による加工硬化が生じているのみの軟質な皮膜であるため、容易に切削することができる。その後、焼入れ特性を向上させるため、前処理皮膜200に炭素を塗布する(ステップS103:炭素塗布工程)。
その後、高周波またはレーザによって前処理皮膜200の表面に焼入れ処理を施す(ステップS104:焼入れ処理工程)。図10は、本発明の一実施の形態にかかる接合体の製造方法を説明する図である。例えば、図10に示すように、前処理皮膜200の表面にレーザLを照射して、焼入れ処理を施すことによって、上述した第1硬質層21、第2硬質層22、熱影響部23、非熱影響部24からなる金属皮膜20が形成される。
なお、レーザに代えて高周波を用いてもよい。
上述した実施の形態では、金属皮膜20を形成するための材料の粉末であって、鉄からなる主成分と、炭素からなる必須添加材と、選択添加材とを含む材料の粉末を、ガスと共に加速し、基材10の表面に固相状態のままで吹き付けて堆積させて前処理皮膜200を形成し、表面切削後に、この前処理皮膜200の表面に熱処理を施すようにした。上述した実施の形態によれば、表面側に硬質の層を有する金属皮膜20が、アルミニウム、又はアルミニウム合金からなる基材10上に形成されるため、高い硬度を有しつつ、軽量化した接合体1を得ることができる。
また、上述した実施の形態によれば、表面側に硬質の層、基材10側に軟質の層を有する金属皮膜20が形成されるため、高い靱性を有する金属皮膜20を得ることができる。このため、外部からの荷重に対する強度が高い金属皮膜20が得られる。
また、上述した実施の形態によれば、焼入れ処理前の比較例柔らかい皮膜の状態で表面加工を行うようにしたので、金属皮膜20の形状を容易に加工することができる。
なお、上述した実施の形態では、前処理皮膜に炭素を塗布した後に焼入れ処理を施す例を説明したが、材料粉末中に含まれる炭素によって焼入れ処理を施すことができれば、炭素塗布工程を省略してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
以下、本発明にかかる接合体の実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材10は、50mm、板厚が10mmのアルミニウム合金(A6063-T6)を用いた。
金属皮膜形成用の粉末材料は、ベース粉末である、粒径が150μmのα鉄(αFe:ヘガネス社製のABC)を用いた。
この粉末材料を、上述したコールドスプレー装置を用いて、基材10に吹き付けて、前処理皮膜を形成し、切削加工後に前処理皮膜に炭素を塗布し、レーザによって焼入れ処理を施した。
コールドスプレー装置による皮膜形成処理において、作動ガスには窒素を使用し、ガス圧を5MPa、ガス温度を800℃とした。
その後、成膜した皮膜表面に炭素(必須添加材)を塗布し、焼入れ処理を行った。
焼入れ処理には、レーザ発振器として、照射範囲が6mm(矩形)、照射パスを1とした半導体レーザを用いた。また、レーザの出力は1250Wとし、焼入れ処理の温度を1600℃、レーザの移動速度である施工速度を200mm/分とした。ここで、焼入れの温度は、レーザ照射によって加熱される前処理皮膜の温度の目標温度(狙い温度)である。
焼入れ処理後の金属皮膜について、内部の各層を断面像によって確認した。
実施例1の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
Figure 0007168491000001
(実施例2)
金属皮膜形成用の粉末材料として、上述したベース粉末に、必須添加材(炭素)および選択添加材を加えたものを用いた以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。必須添加材には、粒径が25μmの炭素(C:ヘガネス社製のUF4)を用いた。選択添加材には、粒径が25μmの銅(Cu:ヘガネス社製のDistaloyACu)を用いた。材料粉末において、炭素は、最終的な材料粉末の体積含有率が2%となるように調整されている。また、銅は、最終的な材料粉末の体積含有率が2%となるように調整されている。
実施例2の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
(実施例3)
金属皮膜形成用の粉末材料として、上述したベース粉末に、必須添加材(炭素)および選択添加材を加えたものを用いた以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。必須添加材には、粒径が25μmの炭素(C:ヘガネス社製のUF4)を用いた。選択添加材には、粒径が25μmの銅(Cu:ヘガネス社製のDistaloyACu)を用いた。材料粉末において、炭素は、最終的な材料粉末の体積含有率が7%となるように調整されている。また、銅は、最終的な材料粉末の体積含有率が2%となるように調整されている。
実施例3の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
(実施例4)
金属皮膜形成用の粉末材料として、上述したベース粉末に、必須添加材および選択添加材を加えたものを用いた以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。必須添加材には、粒径が25μmの炭素(C:ヘガネス社製のUF4)を用いた。選択添加材には、粒径が25μmの銅(Cu:ヘガネス社製のDistaloyACu)を用いた。材料粉末において、炭素は、最終的な材料粉末の体積含有率が12%となるように調整されている。また、銅は、最終的な材料粉末の体積含有率が2%となるように調整されている。
実施例4の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
(比較例1)
切削加工後の前処理皮膜に炭素を塗布せずにレーザによって焼入れ処理を施した以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。
比較例1の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
(比較例2)
金属皮膜形成用の粉末材料として、上述したベース粉末に、必須添加材および選択添加材を加えたものを用いたこと、および、切削加工後の前処理皮膜に炭素を塗布せずにレーザによって焼入れ処理を施したこと以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。必須添加材には、粒径が25μmの炭素(C:ヘガネス社製のUF4)を用いた。選択添加材には、粒径が25μmの銅(Cu:ヘガネス社製のDistaloyACu)を用いた。材料粉末において、炭素は、最終的な材料粉末の体積含有率が2%となるように調整されている。また、銅は、最終的な材料粉末の体積含有率が2%となるように調整されている。
比較例2の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
(比較例3)
金属皮膜形成用の粉末材料として、上述したベース粉末に、必須添加材および選択添加材を加えたものを用いたこと、および、切削加工後の前処理皮膜に炭素を塗布せずにレーザによって焼入れ処理を施したこと以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。必須添加材には、粒径が25μmの炭素(C:ヘガネス社製のUF4)を用いた。選択添加材には、粒径が25μmの銅(Cu:ヘガネス社製のDistaloyACu)を用いた。材料粉末において、炭素は、最終的な材料粉末の体積含有率が7%となるように調整されている。また、銅は、最終的な材料粉末の体積含有率が2%となるように調整されている。
比較例3の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
(比較例4)
金属皮膜形成用の粉末材料として、上述したベース粉末に、必須添加材および選択添加材を加えたものを用いたこと、および、切削加工後の前処理皮膜に炭素を塗布せずにレーザによって焼入れ処理を施したこと以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。必須添加材には、粒径が25μmの炭素(C:ヘガネス社製のUF4)を用いた。選択添加材には、粒径が25μmの銅(Cu:ヘガネス社製のDistaloyACu)を用いた。材料粉末において、炭素は、最終的な材料粉末の体積含有率が12%となるように調整されている。また、銅は、最終的な材料粉末の体積含有率が2%となるように調整されている。
比較例4の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
(比較例5)
焼入れ処理時のレーザ出力を950W、温度を1200℃にした以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。
比較例5の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
(比較例6)
焼入れ処理時の施工速度を40mm/分にした以外は、実施例1と同様にして金属皮膜を形成した。
比較例6の金属皮膜の組成、および形成された層を表1に示す。
続いて、各実施例において作製された接合体の断面像について、図11~図20を参照して説明する。図11は、実施例1の断面像を示す図である。図12は、実施例2の断面像を示す図である。図13は、実施例3の断面像を示す図である。図14は、実施例4の断面像を示す図である。
また、図15は、比較例1の断面像を示す図である。図16は、比較例2の断面像を示す図である。図17は、比較例3の断面像を示す図である。図18は、比較例4の断面像を示す図である。図19は、比較例5の断面像を示す図である。図20は、比較例6の断面像を示す図である。
さらに、実施例1、実施例3および比較例2について、金属皮膜表層のEBSD(Electron Back Scatter Diffraction)分析を行った。EBSD分析結果を、図21~図23に示す。図21は、実施例1にかかる接合体のEBSD分析結果を示す図である。図22は、実施例3にかかる接合体のEBSD分析結果を示す図である。図23は、比較例2にかかる接合体のEBSD分析結果を示す図である。図21~図23中、α鉄(Iron-Alpha)、γ鉄(Iron-Gamma)、炭化鉄(Iron-Carbide)、グラファイト(Graphite)をそれぞれハッチングの濃さを変えて成分表示している。
図11~図14、図21、22から、実施例1~4に係る接合体には、第1硬質層211、第2硬質層212、熱影響部213が形成されていることがわかる。なお、図11および図12では、非熱影響部214が形成されていることも確認できる。
これに対し、図15~図20、図23から、変形例1~6は、第1硬質層211、第2硬質層212、熱影響部213が形成されていない接合体や、熱影響部213のみしか形成されていない接合体となっていることがわかる。
次に、実施例1~4、比較例1~4について、硬さ測定(マイクロビッカース硬さ試験:Hv0.025)を行った。硬さ測定の結果を、図24~図31、表2に示す。図24は、実施例1の硬さ測定結果を示す図である。図25は、実施例2の硬さ測定結果を示す図である。図26は、実施例3の硬さ測定結果を示す図である。図27は、実施例4の硬さ測定結果を示す図である。また、図28は、比較例1の硬さ測定結果を示す図である。図29は、比較例2の硬さ測定結果を示す図である。図30は、比較例3の硬さ測定結果を示す図である。図31は、比較例4の硬さ測定結果を示す図である。図24~図31では、金属皮膜の表面からの深さに対応付けて、各実施例の断面像を表示している。
Figure 0007168491000002
表2および図24~31から、実施例1~4の表面を形成する第1硬質層がHv600以上の硬度を有するのに対し、比較例1~4では、熱影響部や非熱影響部が表面を形成し、Hv600に満たない硬度となっていることがわかる。この結果から、実施例1~4は、比較例1~4と比して硬度が高いことがわかる。
以上説明したように、本発明に係る接合体および接合体の製造方法は、高い強度および硬度を有しつつ、軽量化する接合体を得るのに好適である。
1 接合体
10 基材
20 金属皮膜
21 第1硬質層
22 第2硬質層
23 熱影響部
24 非熱影響部
30 コールドスプレー装置
31 ガス加熱器
32 粉末供給装置
33 スプレーガン
34 ガスノズル
35、36 バルブ
200 前処理皮膜

Claims (3)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金を主成分とする基材と、
    鉄を主成分とし、必須添加材として炭素を含む金属皮膜であって、前記基材に積層され、該基材と接合している金属皮膜と、
    を備え、
    前記金属皮膜は、
    前記基材側とは反対側の表面を形成し、セメンタイトおよびマルテンサイトからなる第1硬質層と、
    前記第1硬質層の硬度よりも低い硬度を有し、フェライト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる熱影響部と、
    前記第1硬質層と前記熱影響部との間に設けられ、マルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる第2硬質層と、
    を有することを特徴とする接合体。
  2. 前記第1硬質層は、ビッカース硬さがHv600以上であり、
    前記熱影響部は、ビッカース硬さがHv200以上Hv400以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合体。
  3. 前記金属皮膜は、銅、モリブデン、クロム、ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも一つを有する選択添加材をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の接合体。
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