JP7167521B2 - 液体吐出装置及び駆動信号生成回路 - Google Patents

液体吐出装置及び駆動信号生成回路 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置及び駆動信号生成回路に関する。
インク等の液体を吐出して画像や文書を印刷するインクジェットプリンター(液体吐出装置)には、例えばピエゾ素子などの圧電素子を用いたものが知られている。圧電素子は、プリントヘッドにおいて、インクを吐出する複数のノズル、及びノズルから吐出されるインクを貯留するキャビティーに対応して設けられる。そして、圧電素子が駆動信号に従い変位することで、圧電素子とキャビティーとの間に設けられた振動板が撓み、キャビティーの容積が変化する。これにより、ノズルから所定のタイミングで所定量のインクが吐出され、媒体上にドットが形成される。
特許文献1には、上部電極と下部電極との間の電位差に基づき変位する圧電素子に対して、上部電極に印刷データに基づき生成された駆動信号を供給し、下部電極に基準電圧を供給し、選択回路(スイッチ回路)により駆動信号を供給するか否かを制御することで、圧電素子の変位を制御し、インクを吐出する液体吐出装置が開示されている。
特開2017-43007号公報
特許文献1に記載されるような圧電素子の変位に基づいてインクを吐出する液体吐出装置において、圧電素子に意図しない直流電圧が供給された場合、当該圧電素子に意図しない変位が継続して生じる。圧電素子に意図しない変位が生じた場合、当該変位に基づいて振動板も変位する。その結果、振動板に想定よりも大きな撓みが生じ、振動板に意図しない応力が加わる。
このような振動板に生じる意図しない応力が長時間継続して加わった場合、振動板とキャビティーとの接点を中心に応力が集中し、振動板にクラック等が生じるおそれがある。
さらに、振動板に意図しない撓みが生じた状態から吐出動作に遷移した場合に振動板に必要以上の負荷が掛かり、当該負荷により振動板にクラック等が生じるおそれもある。
仮に振動板にクラックが生じた場合、当該クラックからキャビティーに貯留されたインクが漏れ出し、キャビティーの容積の変化に対して吐出されるインク量にばらつきが生じる。その結果、インクの吐出精度が悪化する。
さらに、当該クラックから漏れ出したインクが圧電素子の上部電極と下部電極との双方に付着した場合、上部電極と下部電極との間に当該インクを介した電流経路が形成される。その結果、下部電極に供給される基準電圧信号の電位が変動する。当該基準電圧信号が複数の圧電素子に対して共通に供給されている場合においては、基準電圧信号の電位の変動は複数の圧電素子の変位に影響する。すなわち、クラックが生じた振動板に対応するノズルからの吐出精度に限らず、液体吐出装置全体におけるインクの吐出精度に影響を及ぼすおそれもある。
このような圧電素子に意図しない電圧が長時間継続して加わることに起因する圧電素子及び振動板に生じる変位に対する課題は、特許文献1にも開示されていない新規な課題である。
本発明に係る液体吐出装置の一態様は、駆動信号を出力する駆動回路と、前記駆動信号が供給される第1電極と基準電圧信号が供給される第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極との電位差によって変位する圧電素子と、前記圧電素子の変位に伴いノズルから吐出される液体が充填されるキャビティーと、前記キャビティーと前記圧電素子との間に設けられている振動板と、前記駆動信号の電圧変動が所定の範囲内であるか否かを検出する検出回路と、前記検出回路の検出結果に基づいて前記駆動信号が正常であるか否かを判定する判定回路と、を備える。
前記液体吐出装置の一態様では、前記検出回路において前記駆動信号の前記電圧変動が所定の期間継続して、前記所定の範囲内であると検出された場合、前記判定回路は、前記駆動信号が正常でないと判定してもよい。
前記液体吐出装置の一態様では、前記判定回路において前記駆動信号が正常でないと判定された場合、前記駆動回路は、前記駆動信号の電圧値を前記基準電圧信号の電圧値に近づくように制御してもよい。
前記液体吐出装置の一態様では、前記判定回路において前記駆動信号が正常でないと判定された場合、前記判定回路は、前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれか一方の電荷を放出させるための信号を出力してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、前記検出回路は、前記駆動信号の元となる元駆動信号に基づいて前記駆動信号の前記電圧変動が前記所定の範囲内であるか否かを検出してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、前記検出回路は、前記駆動信号に基づいて前記駆動信号の前記電圧変動が前記所定の範囲内であるか否かを検出してもよい。
本発明に係る液体吐出装置に設けられる駆動信号生成回路の一態様は、第1電極と第2電極との間に生じる電位差によって変位する圧電素子と、前記圧電素子の変位に伴いノズルから吐出される液体が充填されるキャビティーと、前記キャビティーと前記圧電素子との間に設けられている振動板と、を有する液体吐出装置に用いられる駆動信号生成回路であって、前記圧電素子の第1電極に供給される駆動信号を出力する駆動回路と、前記駆動信号の電圧変動が所定の範囲内であるか否かを検出する検出回路と、前記検出回路の検出結果に基づいて前記駆動信号が正常か否かを判定する判定回路と、を備える。
液体吐出装置の概略構成を示す斜視図である。 液体吐出装置の電気構成を示すブロック図である。 液体吐出装置の各動作モードにおけるモード遷移を説明するためのフローチャート図である。 駆動信号生成回路の回路構成を示すブロック図である。 基準電圧信号生成回路の回路構成を示す回路図である。 給電切替回路の電気構成を示す回路図である。 印刷モードにおける駆動信号COMの一例を示す図である。 吐出モジュール及び駆動ICの電気構成を示すブロック図である。 選択回路の電気構成を示す回路図である。 デコーダーにおけるデコード内容を示す図である。 印刷モードにおける駆動ICの動作を説明するための図である。 吐出モジュールの分解斜視図である。 吐出部の概略構成を示す断面図である。 吐出モジュール及び吐出モジュールに設けられた複数のノズルの配置の一例を示す図である。 圧電素子及び振動板の変位と吐出との関係を説明するための図である。 圧電素子の電極の電圧値が上昇した場合における圧電素子及び振動板の変位を模式的に示す図である。 振動板を方向Zから見た場合の平面図である。 振動板に一次の固有振動が生じた場合を例示した図である。 振動板に三次の固有振動が生じた場合を例示した図である。 圧電素子の電荷を放出するための放電手段を説明するための図である。 トランスファーゲートを構成するトランジスターを模式的に示す断面図である。 移行モードの動作を説明するためのフローチャート図である。 DAC回路、検出回路及び判定回路の電気構成を示すブロック図である。 元駆動信号dAが更新されている場合における検出回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。 元駆動信号dAが更新されていない場合における検出回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。 クロック信号φ2が供給されている場合における検出回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。 クロック信号φ2が供給されていない場合における検出回路320の動作を説明するためのタイミグチャート図である。 更新検出回路における元駆動信号dAの検出動作に対応付けた判定回路の動作を示すタイミングチャート図である。 クロック検出回路におけるクロック信号φ2の検出動作に対応付けた判定回路の動作を示すタイミングチャート図である。 第2実施形態におけるDAC回路、検出回路及び判定回路の電気構成を示すブロック図である。 第2実施形態における元駆動信号dAが更新されている場合における検出回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。 第2実施形態における元駆動信号dAが更新されていない場合における検出回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。 第3実施形態における駆動信号生成回路の回路構成を示すブロック図である。 第3実施形態における検出回路の電気構成を示す回路図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、本発明に係る液体吐出装置について、液体としてインクを吐出する印刷装置であるインクジェットプリンターを例に挙げて説明する。
なお、液体吐出装置としては、例えば、インクジェットプリンター等の印刷装置、液晶
ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置、有機ELディスプレイ、面発光ディスプレイ等の電極形成に用いられる電極材料吐出装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物吐出装置等を挙げることができる。
1 第1実施形態
1.1 液体吐出装置の構成
第1実施形態に係る液体吐出装置の一例としての印刷装置は、外部のホストコンピューターから供給される画像データに応じてインクを吐出させることで、紙などの印刷媒体にドットを形成し、当該画像データに応じた文字、図形等を含む画像を印刷するインクジェットプリンターである。
図1は、液体吐出装置1の概略構成を示す斜視図である。図1には、媒体Pが搬送される方向X、方向Xと交差し移動体2が往復動する方向Y、インクが吐出される方向Zを図示している。なお、第1実施形態では、方向X、方向Y、方向Zは互いに直交する軸として説明する。
図1に示すように、液体吐出装置1は、移動体2と、移動体2を方向Yに沿って往復動させる移動機構3とを備える。
移動機構3は、移動体2の駆動源となるキャリッジモーター31と、両端が固定されたキャリッジガイド軸32と、キャリッジガイド軸32とほぼ平行に延在しキャリッジモーター31により駆動されるタイミングベルト33と、を有する。
移動体2に含まれるキャリッジ24は、キャリッジガイド軸32に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト33の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター31によりタイミングベルト33を駆動させることで、移動体2がキャリッジガイド軸32に案内されて方向Yに沿って往復動する。
移動体2のうち、媒体Pと対向する部分にはヘッドユニット20が設けられている。このヘッドユニット20は多数のノズルを有し、当該ノズルのそれぞれから方向Zに沿ってインクが吐出される。また、ヘッドユニット20には、フレキシブルケーブル190を介して制御信号等が供給される。
液体吐出装置1は、媒体Pを、方向Xに沿ってプラテン40上で搬送させる搬送機構4を備える。搬送機構4は、駆動源である搬送モーター41と、搬送モーター41により回転して媒体Pを方向Xに沿って搬送する搬送ローラー42と、を備える。
そして、媒体Pが搬送機構4により搬送されるタイミングにおいて、ヘッドユニット20が媒体Pにインクを吐出することにより、媒体Pの表面に画像が形成される。
図2は、液体吐出装置1の電気構成を示すブロック図である。
図2に示すように、液体吐出装置1は、制御ユニット10及びヘッドユニット20を有する。また、制御ユニット10とヘッドユニット20とは、フレキシブルケーブル190を介して接続されている。
制御ユニット10は、制御回路100、キャリッジモータードライバー35、搬送モータードライバー45及び電圧生成回路90を備える。
制御回路100は、ホストコンピューターから供給された画像データに基づいて、各種
構成を制御するための複数の制御信号等を供給する。
具体的には、制御回路100は、キャリッジモータードライバー35に対して制御信号CTR1を供給する。キャリッジモータードライバー35は、制御信号CTR1に従ってキャリッジモーター31を駆動する。これにより、図1に示すキャリッジ24の方向Yにおける移動が制御される。
また、制御回路100は、搬送モータードライバー45に対して制御信号CTR2を供給する。搬送モータードライバー45は、制御信号CTR2に従って搬送モーター41を駆動する。これにより、図1に示す搬送機構4による媒体Pの方向Xにおける移動が制御される。
また、制御回路100は、ヘッドユニット20に対して、クロック信号SCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、動作モード信号MC、駆動データ信号DRV及びセレクト信号ENを供給する。
電圧生成回路90は、例えばDC42Vの電圧VHVを生成しヘッドユニット20に供給する。なお、電圧VHVは、制御ユニット10に含まれる各種構成にも供給されてよい。
ヘッドユニット20は、駆動信号生成回路50、給電切替回路70、駆動IC80及び吐出モジュール21を備える。
駆動信号生成回路50には、電圧VHV、駆動データ信号DRV及びセレクト信号ENが供給される。
駆動信号生成回路50は、駆動データ信号DRVに基づく信号を電圧VHVに基づく電圧にD級増幅することで、駆動信号COMを生成して駆動IC80に供給する。また、駆動信号生成回路50は、電圧VHVを降圧した例えばDC5Vの基準電圧信号VBSを生成して吐出モジュール21に供給する。また、駆動信号生成回路50は、駆動データ信号DRVに基づいて給電制御信号CTVHVを生成して給電切替回路70に供給する。ここで、セレクト信号ENは、駆動信号生成回路50に供給される駆動データ信号DRVが、駆動信号COMを生成するためのデータ信号なのか又は給電制御信号CTVHVを生成するためのデータ信号なのかを指示するための信号である。
また、駆動信号生成回路50は、生成する駆動信号COMが正常でない場合、エラー信号ERRを制御回路100に供給する。
給電切替回路70には、電圧VHV及び給電制御信号CTVHVが供給される。給電切替回路70は、給電制御信号CTVHVに従い、駆動IC80に供給する電圧VHV-TGの電位を電圧VHVに基づく電位とするのか又はグラウンド電位とするのかの切り替えを行う。
駆動IC80には、クロック信号SCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、動作モード信号MC、電圧VHV-TG及び駆動信号COMが供給される。
駆動IC80は、クロック信号SCK、印刷データ信号SI、動作モード信号MC、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CHに基づき、所定の期間において駆動信号COMを選択するか又は非選択とするかを切り替える。そして、駆動IC80により選択された駆動信号COMが、駆動信号VOUTとして吐出モジュール21に供給される。なお、電圧VHV-TGは、例えば駆動信号COMを選択するための高電圧論理の信号生成に用いられる。
吐出モジュール21は、圧電素子60を含む複数の吐出部600を有する。
吐出モジュール21に供給される駆動信号VOUTは、圧電素子60の一端に供給される。また、圧電素子60の他端には、基準電圧信号VBSが供給される。圧電素子60は、駆動信号VOUTと基準電圧信号VBSとの電位差に応じて変位する。そして、吐出部600から当該変位に応じた量のインクが吐出される。
なお、上述した駆動信号生成回路50、給電切替回路70、駆動IC80及び吐出モジュール21の詳細については後述する。また、図2では、液体吐出装置1に備えられるヘッドユニット20が1つであるとして説明したが、複数のヘッドユニット20が備えられてもよい。また、図2では、ヘッドユニット20が有する吐出モジュール21は、1つであるとして説明したが、複数の吐出モジュール21が備えられてもよい。
以上に説明したような液体吐出装置1は、印刷モード、待機モード、移行モード及びスリープモードを含む複数の動作モードを有する。
印刷モードとは、供給された画像データに基づき媒体Pに対してインクを吐出することで印刷の実行が可能な動作モードである。待機モードは、印刷モードに対して消費電力を低減しながら画像データが供給された場合には短時間で印刷の実行が可能な動作モードである。移行モードは、待機モードからスリープモードに移行する間の動作モードである。スリープモードは、待機モードに対して消費電力をさらに低減することが可能な動作モードである。
ここで、液体吐出装置1が有する各動作モードの関係について、図3を用いて説明する。図3は、液体吐出装置1の各動作モードにおけるモード遷移を説明するためのフローチャート図である。
図3に示すように、液体吐出装置1に電源が供給されると、制御回路100は、動作モードを待機モードに制御する(S110)。そして、制御回路100は、待機モードに遷移した後、所定の時間が経過したか否かの判断を行う(S120)。
所定の時間が経過していない場合(S120のN)、制御回路100は、液体吐出装置1に画像データが供給されているか否かの判断を行う(S130)。
画像データが供給されていない場合(S130のN)、待機モードを継続する。一方、画像データが供給されている場合(S130のY)、制御回路100は、動作モードを印刷モードに制御する(S140)。
印刷モードでは、駆動信号生成回路50が、駆動信号COMが正常であるか否かの判断を行う(S150)。駆動信号COMが正常である場合(S150のY)、供給された画像データに対応する印刷が終了したか否かの判断を行う(S160)。印刷が終了していない場合(S160のN)、駆動信号生成回路50は、駆動信号COMが正常か否かの判断を行う(S150)。
印刷モードにおいて、供給された画像データに対応する印刷が終了した場合(S160のY)、制御回路100は、動作モードを待機モードに制御する(S110)。
また、所定の時間が経過した場合(S120のY)、及び駆動信号COMが正常でない場合(S150のN)、制御回路100は、動作モードを移行モードに制御する(S170)。移行モード終了後、制御回路100は、動作モードをスリープモードに制御する(S180)。
スリープモードに遷移した後、制御回路100は、液体吐出装置1に画像データが供給されているか否かの判断を行う(S190)。
画像データが供給されていない場合(S190のN)、スリープモードを継続する。一方、画像データが供給されている場合(S190のY)、制御回路100は、動作モードを印刷モードに制御する(S140)。
なお、液体吐出装置1は、複数の動作モードとして、上述した動作モード以外の動作モードを含んでもよい。例えば、液体吐出装置1は、媒体Pに対してテスト印刷を行うテスト印刷モードやインク切れや媒体Pの搬送不良などにより動作を停止する停止モード等の動作モードを含んでもよい。
1.2 駆動信号生成回路の構成及び動作
次に、図4を用いて、駆動信号生成回路50について説明する。図4は、駆動信号生成回路50の回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、駆動信号生成回路50は、集積回路500、出力回路550、第1帰還回路570、第2帰還回路580及びその他複数の回路素子を有する。
また、駆動信号生成回路50は、外部の各種構成と電気的に接続するための、端子Drv-In,En-In,Err-Out,Vhv-In,Vbs-Out,Ctvh-Out,Com-Out,Gnd-Inを含む複数の端子を有する。このうち、端子Gnd-Inには、液体吐出装置1のグラウンド電位(例えば0V)が供給される。
集積回路500は、GVDD生成回路410、信号選択回路420、給電制御信号生成回路430、基準電圧信号生成回路450、DAC(Digital to Analog Converter)回路310、検出回路320、判定回路350、変調回路510、ゲートドライブ回路520及びLC放電回路530を含む。
また、集積回路500は、駆動信号生成回路50の各種構成と電気的に接続するための端子Drv,En,Err,Vhv,Vfb,Vbs,Ctvh,Bst,Hdr,Sw,Gvd,Ldr,Gndを含む複数の端子を有する。
GVDD生成回路410には、端子Vhv-In及び端子Vhvを介して電圧VHVが供給される。GVDD生成回路410は、電圧VHVを変圧し電圧GVDDを生成し、基準電圧信号生成回路450及びゲートドライブ回路520に供給する。
GVDD生成回路410は、例えばリニアレギュレーター回路やスイッチングレギュレーター回路により構成される。なお、GVDD生成回路410は、集積回路500の外部に設けられてもよい。
信号選択回路420には、端子Drv-In及び端子Drv端子を介して駆動データ信号DRVが、また、端子En-In及び端子En端子を介してセレクト信号ENが供給される。信号選択回路420は、駆動データ信号DRVが、DAC回路310に供給すべき信号なのか、又は基準電圧信号生成回路450、給電制御信号生成回路430及びLC放
電回路530のそれぞれに供給すべき信号なのかを、セレクト信号ENに基づいて判断し、当該構成のそれぞれに供給する。
具体的には、信号選択回路420は、不図示の複数のレジスターを備える。そして、駆動データ信号DRVがDAC回路310に供給すべき信号である場合、信号選択回路420は、セレクト信号ENに従って駆動データ信号DRVをDAC回路310に対応する複数のレジスターに保持する。そして、信号選択回路420は保持した信号をデジタルの元駆動信号dAとしてDAC回路310に供給する。
一方、駆動データ信号DRVが基準電圧信号生成回路450、給電制御信号生成回路430及びLC放電回路530のそれぞれに供給する信号である場合、信号選択回路420は、セレクト信号ENに従って駆動データ信号DRVの内、基準電圧信号生成回路450、給電制御信号生成回路430及びLC放電回路530のそれぞれに対応するデータを、所定のレジスターに保持する。そして、信号選択回路420は、保持した信号を放電制御信号DIS1,DIS2,DIS3として給電制御信号生成回路430、LC放電回路530及び基準電圧信号生成回路450のそれぞれに供給する。
給電制御信号生成回路430には、放電制御信号DIS1が供給される。給電制御信号生成回路430は、不図示のオープンドレイン回路を含む。そして、給電制御信号生成回路430は、供給される放電制御信号DIS1がアクティブを示す信号である場合、当該オープンドレイン回路をオフに制御し、端子Ctvhをハイインピーダンスとする。
一方、給電制御信号生成回路430は、放電制御信号DIS1が非アクティブを示す信号である場合、オープンドレイン回路をオンに制御し、端子Ctvhをグラウンド電位とする。このとき、Lレベルの給電制御信号CTVHVが、端子Ctvh及び端子Ctvh-Outを介して図2に示す給電切替回路70に供給される。
なお、後述する図20等の説明において給電制御信号生成回路430に含まれるオープンドレイン回路は、NMOSトランジスターで構成されているとして説明する。また、当該NMOSトランジスターのゲート端子には、インバーター回路を介して放電制御信号DIS1が供給されるとして説明する。したがって、第1実施形態において、放電制御信号DIS1がアクティブを示す信号とはHレベルの信号であり、放電制御信号DIS1が非アクティブを示す信号はLレベルの信号である。なお、給電制御信号生成回路430はオープンドレイン回路に限られるものではなく、例えばプッシュプル回路で構成されてもよい。
基準電圧信号生成回路450には、電圧GVDDが供給される。基準電圧信号生成回路450は、供給される電圧GVDDを降圧し基準電圧信号VBSを生成する。
図5は、基準電圧信号生成回路450の回路構成を示す回路図である。基準電圧信号生成回路450は、コンパレーター451、トランジスター452,453及び抵抗454,455,456を含む。なお、以下の説明では、トランジスター452をPMOSトランジスターとして、また、トランジスター453をNMOSトランジスターとして説明する。
コンパレーター451の入力端(-)には電圧Vref1が供給される。また、コンパレーター451の入力端(+)は抵抗454の一端及び抵抗455の一端と共通に接続される。また、コンパレーター451の出力端はトランジスター452のゲート端子と接続される。
トランジスター452のソース端子には電圧GVDDが供給される。また、トランジスター452のドレイン端子は抵抗454の他端、抵抗456の一端及び基準電圧信号VBSが出力される端子Vbsと共通に接続される。
抵抗456の他端はトランジスター453のドレイン端子と接続される。
トランジスター453のゲート端子には放電制御信号DIS3が供給される。トランジスター453のソース端子にはグラウンド電位が供給される。
抵抗455の他端にはグラウンド電位が供給される。
以上のように、基準電圧信号生成回路450は、シリーズレギュレーター回路を構成する。
コンパレーター451の入力端(+)には、基準電圧信号VBSが抵抗454及び抵抗455で分圧された電圧が供給される。そして、コンパレーター451の入力端(+)に供給される当該電圧が、コンパレーター451の入力端(-)に供給される電圧Vref1より大きい場合、コンパレーター451はHレベルの信号を出力する。このとき、トランジスター452はオフに制御される。したがって、端子Vbsには、電圧GVDDが供給されない。
一方、コンパレーター451の入力端(+)に供給される電圧が、コンパレーター451の入力端(-)に供給される電圧Vref1より小さい場合、コンパレーター451はLレベルの信号を出力する。このとき、トランジスター452はオンに制御される。したがって、端子Vbsには、電圧GVDDが供給される。
以上のように、基準電圧信号生成回路450は、コンパレーター451において基準電圧信号VBSに基づく信号と、電圧Vref1とを比較し、トランジスター452を制御することで、電圧GVDDを降圧し、目標となる電圧値の基準電圧信号VBSを生成する。
また、トランジスター453のゲート端子に供給される放電制御信号DIS3がHレベルの信号の場合、トランジスター453はオンに制御される。このとき、端子Vbsにはグラウンド電位が抵抗456を介して供給される。換言すれば、トランジスター453は、端子Vbs及び端子Vbs-Outとグラウンド電位との電気的接続を切り替え可能に設けられる。
図4に戻り、基準電圧信号生成回路450で生成された基準電圧信号VBSは、端子Vbs及び端子Vbs-Outを介して、図2に示す吐出モジュール21に供給される。この基準電圧信号VBSが、圧電素子60が変位する基準となる基準電圧として機能する。
なお、基準電圧信号生成回路450は、集積回路500の外部に設けられてもよく、さらには、駆動信号生成回路50の外部に設けられてもよい。
DAC回路310は、元駆動信号dAを、アナログの元駆動信号aAに変換し、変調回路510に供給する。また、DAC回路310は、元駆動信号dAに基づくデジタル信号を検出回路320に供給する。
検出回路320は、DAC回路310から供給された元駆動信号dAに基づく信号が所定の範囲内であるか否かを検出する。
判定回路350は、検出回路320の検出結果に応じて元駆動信号dAが正常であるか否かを判定する。そして、元駆動信号dAが正常でないと判定した場合、判定回路350は、エラー信号ERRを生成し、端子Err及び端子Err-Outを介して、図2に示す制御回路100に供給する。
なお、以上に説明したDAC回路310、検出回路320及び判定回路350の動作及び構成の詳細については後述する。
変調回路510は、加算器512、加算器513、コンパレーター514、インバーター515、積分減衰器516及び減衰器517を含む。
積分減衰器516は、端子Vfbを介して供給された駆動信号COMの電圧信号を減衰するとともに積分し、当該電圧信号を加算器512の入力端(-)に供給する。
加算器512の入力端(+)には元駆動信号aAが供給される。加算器512は、入力端(+)に供給される元駆動信号aAから、加算器512の入力端(-)に積分減衰器516から供給される電圧信号を差し引き、積分する。そして、当該差し引き、積分した電圧信号を、加算器513の入力端(+)に供給する。
ここで、元駆動信号aAの最大電圧は例えば2V程度の低電圧であるのに対して、駆動信号COMの最大電圧は例えば40V程度の高電圧となる場合がある。このため、積分減衰器516は、偏差を求めるにあたり両電圧の振幅範囲を合わせるために、駆動信号COMの電圧を減衰する。
減衰器517は、端子Ifbを介して入力される駆動信号COMの電圧信号の高周波成分を減衰し、当該電圧を加算器513の入力端(-)に供給する。
加算器513は、加算器512から入力端(+)に供給される電圧から、減衰器517から入力端(-)に供給される電圧を減算した電圧信号Asを、コンパレーター514に出力する。
この加算器513から出力される電圧信号Asは、元駆動信号aAの電圧から端子Vfbに供給された電圧を差し引き、さらに端子Ifbに供給された電圧を差し引いた電圧である。すなわち、電圧信号Asは、目標である元駆動信号aAの電圧から、出力される駆動信号COMの減衰電圧を指し引いた偏差を、当該駆動信号COMの高周波成分で補正した電圧信号である。
コンパレーター514は、加算器513から供給される電圧信号Asに基づいて変調信号Msを生成する。具体的には、コンパレーター514は、加算器513から供給される電圧信号Asの電圧が上昇している場合、且つ所定の閾値Vth1以上になった場合にHレベルの変調信号Msを生成する。また、コンパレーター514は、電圧信号Asの電圧が下降している場合、且つ所定の閾値Vth2を下回った場合にLレベルの変調信号Msを生成する。なお、閾値Vth1及び閾値Vth2は、閾値Vth1>閾値Vth2という関係に設定されている。
コンパレーター514は、生成した変調信号Msを、ゲートドライブ回路520に含まれる第1ゲートドライバー521に供給する。また、コンパレーター514は、生成した変調信号Msを、インバーター515を介して、ゲートドライブ回路520に含まれる第2ゲートドライバー522に供給する。したがって、コンパレーター514から第1ゲー
トドライバー521に供給される信号と第2ゲートドライバー522に供給される信号とは、互いの論理レベルが排他的な関係にある。
ここで、第1ゲートドライバー521及び第2ゲートドライバー522に供給される信号の論理レベルが排他的な関係にあるとは、第1ゲートドライバー521及び第2ゲートドライバー522に供給される信号の論理レベルが同時にHレベルとならないようにタイミングが制御される概念を含む。
ゲートドライブ回路520は、第1ゲートドライバー521及び第2ゲートドライバー522を含む。
第1ゲートドライバー521は、コンパレーター514から出力される変調信号Msの電圧値をレベルシフトして、端子Hdrから第1増幅制御信号Hgdとして出力する。
具体的には、第1ゲートドライバー521の電源電圧のうち高電位側には端子Bstを介して、低電位側には端子Swを介して電圧が供給される。端子Bstは、集積回路500の外部に設けられたコンデンサー541の一端及び逆流防止用のダイオード542のカソード端子と共通に接続される。また、コンデンサー541の他端は端子Swと接続される。また、ダイオード542のアノード端子は、電圧GVDDが供給されている端子Gvdと接続される。したがって、端子Bstと端子Swとの電位差は、コンデンサー541の両端の電位差、すなわち電圧GVDDとおよそ等しくなる。そして、第1ゲートドライバー521は、入力される変調信号Msに従って、端子Swに対して電圧GVDDだけ大きな電圧の第1増幅制御信号Hgdを生成し、端子Hdrから出力する。
第2ゲートドライバー522は、第1ゲートドライバー521よりも低電位側で動作する。第2ゲートドライバー522は、コンパレーター514から出力された変調信号Msがインバーター515で反転された信号の電圧値をレベルシフトして、端子Ldrから第2増幅制御信号Lgdとして出力する。
具体的には、第2ゲートドライバー522の電源電圧のうち高電位側には電圧GVDDが供給され、低電位側はグラウンド電位が供給される。そして、第2ゲートドライバー522は、供給される変調信号Msの反転信号に従い、端子Gndに対して電圧GVDDだけ大きな電圧の第2増幅制御信号Lgdを生成し、端子Ldrから出力する。
LC放電回路530は、抵抗531及びトランジスター532を含む。なお、以下の説明では、トランジスター532をNMOSトランジスターとして説明する。
抵抗531の一端は端子Vfbと接続される。また、抵抗531の他端はトランジスター532のドレイン端子と接続される。
トランジスター532のゲート端子には放電制御信号DIS2が供給される。また、トランジスター532のソース端子にはグラウンド電位が供給される。
そして、トランジスター532のゲート端子にHレベルの放電制御信号DIS2が供給された場合、トランジスター532はオンに制御される。このとき、駆動信号COMが出力される端子Com-Outには抵抗531,571及びトランジスター532を介してグラウンド電位が供給される。換言すれば、トランジスター532は、端子Com-Outとグラウンド電位との電気的接続を切り替え可能に設けられる。
出力回路550は、トランジスター551,552、抵抗553,554及びローパス
フィルター560(Low Pass Filter)を有する。なお、以下の説明では、トランジスター551,552をNMOSトランジスターとして説明する。
トランジスター551のドレイン端子には、電圧VHVが供給される。また、トランジスター551のゲート端子は抵抗553の一端と接続される。また、トランジスター551のソース端子は端子Swと接続される。抵抗553の他端は端子Hdrと接続される。したがって、トランジスター551のゲート端子には、第1増幅制御信号Hgdが供給される。
トランジスター552のドレイン端子は、トランジスター551のソース端子と接続される。また、トランジスター552のゲート端子は抵抗554の一端と接続される。また、トランジスター552のソース端子にはグラウンド電位が供給される。抵抗554の他端は端子Ldrと接続される。したがって、トランジスター552のゲート端子には、第2増幅制御信号Lgdが供給される。
以上のように接続されたトランジスター551,552において、トランジスター551がオフに制御され、トランジスター552がオンに制御されている場合、端子Swが接続される接続点はグラウンド電位となり、端子Bstには電圧GVDDが供給される。一方、トランジスター551がオンに制御され、トランジスター552がオフに制御されている場合、端子Swが接続される接続点には電圧VHVが供給される。よって、端子Bstには電圧VHV+電圧GVDDが供給される。すなわち、トランジスター551を駆動させる第1ゲートドライバー521は、コンデンサー541をフローティング電源として、トランジスター551,552の動作に応じて、端子Swの電圧がグラウンド電位又は電圧VHVに変化することで、トランジスター551のゲート端子に、Lレベルが電圧VHV、Hレベルが電圧VHV+電圧GVDDの第1増幅制御信号Hgdを供給する。そして、トランジスター551は、第1増幅制御信号Hgdに基づきスイッチング動作を行う。
トランジスター552を駆動させる第2ゲートドライバー522は、トランジスター551,552の動作に関係なく、Lレベルがグラウンド電位、Hレベルが電圧GVDDの第2増幅制御信号Lgdを出力する。そして、トランジスター552は、第2増幅制御信号Lgdに基づきスイッチング動作を行う。
以上により、トランジスター551のソース端子とトランジスター552のドレイン端子との接続点には、変調信号Msが電圧VHVに基づき増幅された増幅変調信号が生成される。すなわち、トランジスター551,552が、変調信号Msの電圧を増幅する増幅回路として機能する。なお、前述のとおりトランジスター551,552を駆動する第1増幅制御信号Hgd及び第2増幅制御信号Lgdは、排他的な関係にある。すなわち、トランジスター551とトランジスター552とは、同時にオンしないように制御される。
ローパスフィルター560は、インダクター561及びコンデンサー562を含む。
インダクター561の一端はトランジスター551のソース端子及びトランジスター552のドレイン端子と共通に接続される。また、インダクター561の他端は駆動信号COMが出力される端子Com-Out及びコンデンサー562の一端と共通に接続される。コンデンサー562の他端にはグラウンド電位が供給される。
このように、インダクター561とコンデンサー562とが、トランジスター551とトランジスター552との接続点に供給される増幅変調信号を平滑する。これにより、増幅変調信号が復調されて駆動信号COMが生成される。
第1帰還回路570は、抵抗571及び抵抗572を含む。抵抗571の一端は端子Com-Outと接続される。また、抵抗571の他端は端子Vfb及び抵抗572の一端と共通に接続される。抵抗572の他端には電圧VHVが供給される。これにより、端子Vfbには、端子Com-Outから第1帰還回路570を通過した駆動信号COMがプルアップされて帰還される。
第2帰還回路580は、抵抗581,582及びコンデンサー583,584,585を含む。
コンデンサー583の一端は端子Com-Outと接続される。また、コンデンサー583の他端は抵抗581の一端及び抵抗582の一端と共通に接続される。抵抗581の他端にはグラウンド電位が供給される。これにより、コンデンサー583と抵抗581とはハイパスフィルター(High Pass Filter)として機能する。なお、コンデンサー583と抵抗581とで構成されるハイパスフィルターのカットオフ周波数は、例えば約9MHzに設定される。
また、抵抗582の他端はコンデンサー584の一端及びコンデンサー585の一端と共通に接続される。コンデンサー584の他端にはグラウンド電位が供給される。これにより、抵抗582とコンデンサー584とは、ローパスフィルター(Low Pass Filter)として機能する。なお、抵抗582とコンデンサー584とで構成されるローパスフィルターのカットオフ周波数は、例えば約160MHzに設定される。
このように第2帰還回路580が、ハイパスフィルターとローパスフィルターとで構成されているため、第2帰還回路580は駆動信号COMの所定の周波数域を通過させるバンドパスフィルター(Band Pass Filter)として機能する。
コンデンサー585の他端は端子Ifbに接続される。これにより、端子Ifbには、第2帰還回路580を通過した駆動信号COMの高周波成分のうち、直流成分がカットされて帰還される。
ところで、駆動信号COMは、増幅変調信号をローパスフィルター560によって平滑した信号である。この駆動信号COMは、端子Vfbを介して積分・減算された上で、加算器512に帰還される。よって、帰還の遅延と、帰還の伝達関数で定まる周波数で自励発振することになる。しかしながら、端子Vfbを介した帰還経路の遅延量が大きいため、当該端子Vfbを介した帰還のみでは自励発振の周波数を駆動信号COMの精度を十分に確保できるほど高くすることができない場合がある。そこで、端子Vfbを介した経路とは別に、端子Ifbを介して、駆動信号COMの高周波成分を帰還する経路を設けることで、回路全体でみたときの遅延を小さくすることができる。これにより、電圧信号Asの周波数は、端子Ifbを介した経路が存在しない場合と比較して、駆動信号COMの精度を十分に確保できるほど高くなる。
なお、以上に説明した駆動信号生成回路50のうち、変調回路510、ゲートドライブ回路520、LC放電回路530、出力回路550、コンデンサー541及びダイオード542を備える構成が、前述した駆動信号COMを生成する駆動回路51の一例である。
1.3 給電切替回路の構成及び動作
次に図6を用いて、給電切替回路70の構成及び動作について説明する。図6は、給電切替回路70の電気構成を示す回路図である。
給電切替回路70は、トランジスター471,472,473及び抵抗474,475を含む。なお、以下の説明では、トランジスター471をPMOSトランジスターとして、トランジスター472,473をNMOSトランジスターとして説明する。
トランジスター471のソース端子は、抵抗474の一端と接続されると共に電圧VHVが供給される。また、トランジスター471のゲート端子は抵抗474の他端及びトランジスター472のドレイン端子と共通に接続される。また、トランジスター471のドレイン端子は抵抗475の一端と接続される。
トランジスター472のゲート端子には電圧Vdd1が供給される。また、トランジスター472のソース端子はトランジスター473のゲート端子と接続されると共に給電制御信号CTVHVが供給される。ここで、電圧Vdd1は、任意の電圧値の直流電圧信号である。
トランジスター473のドレイン端子は抵抗475の他端と接続される。また、トランジスター473のソース端子にはグラウンド電位が供給される。
以上のように構成された給電切替回路70は、駆動信号生成回路50から供給される給電制御信号CTVHVに従い、電圧VHVを電圧VHV―TGとして駆動IC80に供給するか否かを切り替える。
具体的には、給電制御信号生成回路430に非アクティブを示す放電制御信号DIS1が供給された場合、給電制御信号生成回路430は、端子Ctvh-Outをグラウンド電位とする。よって、給電制御信号CTVHVは、Lレベルの信号となる。これにより、トランジスター473はオフに制御され、トランジスター472はオンに制御される。よって、トランジスター471のゲート端子には、トランジスター472を介してグラウンド電位が供給される。したがって、トランジスター471はオンに制御される。
以上のように、給電制御信号CTVHVがLレベルの信号の場合、トランジスター471がオンに制御され、トランジスター473がオフに制御される。したがって、給電切替回路70は、トランジスター471を介して供給される電圧VHVを、電圧VHV-TGとして駆動IC80に供給する。
一方、給電制御信号生成回路430にアクティブを示す放電制御信号DIS1が供給された場合、給電制御信号生成回路430は、端子Ctvh-Outをハイインピーダンスとする。このとき、端子Ctvh-Outの電圧はトランジスター472を介して供給される電圧Vdd1となる。換言すれば、給電制御信号CTVHVは、Hレベルの信号となる。これにより、トランジスター473はオンに制御される。このとき、トランジスター472のドレイン端子及びトランジスター471のゲート端子には、抵抗474を介して電圧VHVが供給される。したがって、トランジスター471がオフに制御される。
以上のように、給電制御信号CTVHVがHレベルの信号の場合、トランジスター471がオフに制御され、トランジスター473がオンに制御される。したがって、給電切替回路70は、抵抗475及びトランジスター472を介して供給されるグラウンド電位を、電圧VHV-TGとして駆動IC80に供給する。
1.4 駆動ICの構成及び動作
次に、駆動IC80の構成及び動作について説明する。
まず、図7を用いて、駆動IC80に供給される駆動信号COMの一例について説明す
る。その後、図8から図11を用いて、駆動IC80の構成及び動作について説明する。
図7は、印刷モードにおける駆動信号COMの一例を示す図である。図7には、ラッチ信号LATが立ち上がってからチェンジ信号CHが立ち上がるまでの期間T1と、期間T1の後、次にチェンジ信号CHが立ち上がるまでの期間T2と、期間T2の後、ラッチ信号LATが立ち上がるまでの期間T3とを示している。なお、この期間T1,T2,T3からなる周期が、媒体Pに新たなドットを形成する周期Taとなる。
図7に示すように、印刷モードにおいて、駆動信号生成回路50は、期間T1において電圧波形Adpを生成する。電圧波形Adp1が圧電素子60に供給された場合、対応する吐出部600から所定量、具体的には中程度の量のインクが吐出される。
また、駆動信号生成回路50は、期間T2において電圧波形Bdpを生成する。電圧波形Bdpが圧電素子60に供給された場合、対応する吐出部600から上記所定量よりも少ない小程度の量のインクが吐出される。
また、駆動信号生成回路50は、期間T3において電圧波形Cdpを生成する。電圧波形Cdpが圧電素子60に供給された場合、圧電素子60は、対応する吐出部600からインクが吐出されない程度に変位する。したがって、媒体Pにはドットが形成されない。この電圧波形Cdpは、吐出部600のノズル開孔部付近のインクを微振動させてインクの粘度が増大することを防止するための電圧波形である。以下の説明において、インクの粘度が増大することを防止するために、吐出部600からインクが吐出されない程度に圧電素子60を変位させることを「微振動」と称する。
ここで、電圧波形Adp、電圧波形Bdp及び電圧波形Cdpの開始タイミングでの電圧値及び終了タイミングでの電圧値は、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、電圧波形Adp,Bdp,Cdpは、電圧値が電圧Vcで開始し電圧Vcで終了する電圧波形である。したがって、印刷モードにおいて、駆動信号生成回路50は、電圧波形Adp,Bdp,Cdpが周期Taにおいて連続した電圧波形の駆動信号COMを出力する。
そして、圧電素子60に、期間T1において電圧波形Adpが供給され、期間T2において電圧波形Bdpが供給されることで、周期Taにおいて吐出部600から中程度の量のインクと小程度の量のインクとが吐出される。これにより、媒体Pに「大ドット」が形成される。また、圧電素子60に、期間T1において電圧波形Adpが供給され、期間T2において電圧波形Bdpが供給されないことで、周期Taにおいて、吐出部600から中程度の量のインクが吐出される。これにより、媒体Pに「中ドット」が形成される。また、圧電素子60に、期間T1において電圧波形Adpが供給されず、期間T2において電圧波形Bdpが供給されることで、周期Taにおいて吐出部600から小程度の量のインクが吐出される。これにより、媒体Pには「小ドット」が形成される。また、圧電素子60に、期間T1,T2において電圧波形Adp,Bdpが供給されず、期間T3において電圧波形Cdpが供給されることで、周期Taにおいて吐出部600からインクは吐出されずに微振動する。この場合、媒体Pにはドットが形成されない。
次に待機モード、移行モード及びスリープモードにおける駆動信号COMの一例について説明する。なお、待機モード、移行モード及びスリープモードにおける駆動信号COMの一例についての図示は省略する。
待機モード、移行モード及びスリープモードの場合、媒体Pに対してインクを吐出しない。よって、期間T1,T2,T3は規定されない。したがって、待機モード、移行モード及びスリープモードにおいて、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHは、Lレベルの
信号である。
待機モードにおいて駆動信号生成回路50は、駆動信号COMの電圧値が基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御する。
また、スリープモードにおいて駆動信号生成回路50は、動作を停止する。ここで、駆動信号生成回路50が動作を停止するとは、駆動信号生成回路50に駆動信号COMの生成を停止する為の駆動データ信号DRVが供給される場合であって、具体的には、駆動信号生成回路50が、グラウンド電位を駆動信号COMとして出力することを含む。
また、移行モードは、前述のとおり待機モードからスリープモードに移行する間の動作モードである。本実施形態では、駆動信号生成回路50は、移行モードの遷移前において駆動信号COMの電圧値が基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御し、移行モードの遷移後において動作を停止する。
図8は吐出モジュール21及び駆動IC80の電気構成を示すブロック図である。図8に示すように、駆動IC80は、選択制御回路210及び複数の選択回路230を含む。
選択制御回路210には、クロック信号SCK、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、動作モード信号MC及び電圧VHV-TGが供給される。また、選択制御回路210には、シフトレジスター212(S/R)とラッチ回路214とデコーダー216との組が、吐出部600のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、ヘッドユニット20には、吐出部600の総数nと同数のシフトレジスター212とラッチ回路214とデコーダー216との組が設けられている。
シフトレジスター212は、対応する吐出部600毎に、印刷データ信号SIに含まれる2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を一旦保持する。
詳細には、吐出部600に対応した段数のシフトレジスター212が互いに縦続接続されるとともに、シリアルで供給された印刷データ信号SIが、クロック信号SCKに従って順次後段に転送される。なお、図8には、シフトレジスター212を区別するために、印刷データ信号SIが供給される上流側から順番に1段、2段、…、n段と表記している。
n個のラッチ回路214のそれぞれは、対応するシフトレジスター212で保持された印刷データ[SIH,SIL]をラッチ信号LATの立ち上がりでラッチする。
n個のデコーダー216の各々は、対応するラッチ回路214によってラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]及び動作モード信号MCに含まれる2ビットの動作モードデータ[MCH,MCL]をデコードして選択信号Sを生成し、選択回路230に供給する。
選択回路230は、吐出部600のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、1つのヘッドユニット20が有する選択回路230の数は、ヘッドユニット20に含まれる吐出部600の総数nと同じである。選択回路230は、デコーダー216から供給される選択信号Sに基づいて、駆動信号COMの圧電素子60への供給を制御する。
図9は、吐出部600の1個分に対応する選択回路230の電気構成を示す回路図である。
図9に示すように、選択回路230は、インバーター232(NOT回路)及びトランスファーゲート234を有する。また、トランスファーゲート234は、NMOSトランジスターであるトランジスター235及びPMOSトランジスターであるトランジスター236を含む。
選択信号Sは、デコーダー216からトランジスター235のゲート端子に供給される。また選択信号Sは、インバーター232によって論理反転されて、トランジスター236のゲート端子にも供給される。
また、トランジスター235のドレイン端子及びトランジスター236のソース端子には、端子TG-Inに接続される。端子TG-Inには、駆動信号COMが供給される。そして、トランジスター235及びトランジスター236が、選択信号Sに従ってオン又はオフに制御されることで、トランジスター235のソース端子及びトランジスター236のドレイン端子が共通に接続される端子TG-Outから駆動信号VOUTを出力し、吐出モジュール21に供給する。なお、以下の説明においては、トランスファーゲート234のトランジスター235及びトランジスター236が導通状態に制御されている場合を、トランスファーゲート234をオンに制御すると称し、また、トランジスター235及びトランジスター236が非導通状態に制御されている場合を、トランスファーゲート234をオフに制御すると称する場合がある。
次に、図10を用いてデコーダー216のデコード内容について説明する。図10は、デコーダー216におけるデコード内容を示す図である。
デコーダー216には、2ビットの印刷データ[SIH,SIL]、2ビットの動作モードデータ[MCH,MCL]、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHが入力される。
デコーダー216は、動作モードデータ[MCH,MCL]が[1,1]の印刷モードの場合、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHにより規定される期間T1,T2,T3のそれぞれにおいて、印刷データ[SIH,SIL]に基づく論理レベルの選択信号Sを出力する。
具体的には、デコーダー216は、印刷モードにおいて印刷データ[SIH,SIL]が「大ドット」を規定する[1,1]である場合、期間T1でHレベル、期間T2でHレベル、期間T3でLレベルとなる選択信号Sを出力する。
また、デコーダー216は、印刷モードにおいて印刷データ[SIH,SIL]が「中ドット」を規定する[1,0]である場合、期間T1でHレベル、期間T2でLレベル、期間T3でLレベルとなる選択信号Sを出力する。
また、デコーダー216は、印刷モードにおいて印刷データ[SIH,SIL]が「小ドット」を規定する[0,1]である場合、期間T1でLレベル、期間T2でHレベル、期間T3でLレベルとなる選択信号Sを出力する。
また、デコーダー216は、印刷モードにおいて印刷データ[SIH,SIL]が「微振動」を規定する[0,0]である場合、期間T1でLレベル、期間T2でLレベル、期間T3でHレベルとなる選択信号Sを出力する。
また、デコーダー216は、待機モード、移行モード及びスリープモードにおいて印刷データ[SIH,SIL]及び期間T1,T2,T3によらず選択信号Sの論理レベルを決定する。
具体的には、デコーダー216は、動作モードデータ[MCH,MCL]が[1,0]の待機モードの場合、Hレベルの選択信号Sを出力する。
また、デコーダー216は、動作モードデータ[MCH,MCL]が[0,0]の移行モードの場合、Lレベルの選択信号Sを出力する。
また、デコーダー216は、動作モードデータ[MCH,MCL]が[0,1]のスリープモードの場合、Lレベルの選択信号Sを出力する。
ここで、選択信号Sの論理レベルは、不図示のレベルシフターによって、電圧VHV―TGに基づく高振幅論理にレベルシフトされる。
以上に説明した駆動IC80において、駆動信号COMに基づく駆動信号VOUTが生成され、吐出モジュール21に含まれる吐出部600に供給される動作について、図11を用いて説明する。
図11は、印刷モードにおける駆動IC80の動作を説明するための図である。
印刷モードでは、印刷データ信号SIがクロック信号SCKに同期してシリアルで供給され、吐出部600に対応するシフトレジスター212において順次転送される。そして、クロック信号SCKの供給が停止すると、シフトレジスター212のそれぞれには、吐出部600に対応した印刷データ[SIH,SIL]が保持される。なお、印刷データ信号SIは、シフトレジスター212における最終n段、…、2段、1段の吐出部600に対応した順番で供給される。
ここで、ラッチ信号LATが立ち上がると、ラッチ回路214のそれぞれは、対応するシフトレジスター212に保持された印刷データ[SIH,SIL]を一斉にラッチする。図11において、LT1、LT2、…、LTnは、1段、2段、…、n段のシフトレジスター212に対応するラッチ回路214によってラッチされた印刷データ[SIH,SIL]を示す。
デコーダー216は、ラッチされた印刷データ[SIH,SIL]で規定されるドットのサイズに応じて、期間T1,T2,T3のそれぞれにおいて、図10に示される内容に従う論理レベルの選択信号Sを出力する。
そして、印刷データ[SIH,SIL]が[1,1]の場合、選択回路230は、選択信号Sに従い、期間T1において電圧波形Adpを選択し、期間T2において電圧波形Bdpを選択し、期間T3において電圧波形Cdpを選択しない。その結果、図11に示す大ドットに対応する駆動信号VOUTが吐出部600に供給される。
また、印刷データ[SIH,SIL]が[1,0]の場合、選択回路230は、選択信号Sに従い、期間T1において電圧波形Adpを選択し、期間T2において電圧波形Bdpを選択せず、期間T3において電圧波形Cdpを選択しない。その結果、図11に示す中ドットに対応する駆動信号VOUTが吐出部600に供給される。
また、印刷データ[SIH,SIL]が[0,1]の場合、選択回路230は、選択信号Sに従い、期間T1において電圧波形Adpを選択せず、期間T2において電圧波形Bdpを選択し、期間T3において電圧波形Cdpを選択しない。その結果、図11に示す小ドットに対応する駆動信号VOUTが吐出部600に供給される。
また、印刷データ[SIH,SIL]が[0,0]の場合、選択回路230は、選択信号Sに従い、期間T1において電圧波形Adpを選択せず、期間T2において電圧波形Bdpを選択し、期間T3において電圧波形Cdpを選択しない。その結果、図11に示す微振動に対応する駆動信号VOUTが吐出部600に供給される。
待機モード、移行モード及びスリープモードでは印刷が行われない。そのため、第1実施形態における待機モード、移行モード及びスリープモードでは、前述したラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHに加えて、クロック信号SCK及び印刷データ信号SIもLレベルの信号である。したがって、シフトレジスター212及びラッチ回路214は動作しない。したがって、待機モード、移行モード及びスリープモードでは、前述のとおり、デコーダー216は、動作モード信号MCに従って選択信号Sの論理レベルを決定する。
動作モードデータ[MCH,MCL]が[1,0]の待機モードの場合、選択回路230は、供給されるHレベルの選択信号Sに従い、基準電圧信号VBSと同等の電圧値の駆動信号COMを選択する。その結果、基準電圧信号VBSと同等の電圧値の駆動信号VOUTが吐出部600に供給される。
また、動作モードデータ[MCH,MCL]が[0,0]の移行モードの場合、選択回路230は、供給されるLレベルの選択信号Sに従い、トランスファーゲート234を非導通とする。その結果、駆動信号COMは駆動信号VOUTとして吐出部600に供給されない。
また、動作モードデータ[MCH,MCL]が[0,1]のスリープモードの場合、選択回路230は、供給されるLレベルの選択信号Sに従い、駆動信号COMを駆動信号VOUTとして選択しない。その結果、圧電素子60には直前に供給されていた電圧が保持される。
1.5 吐出部の構成及び動作
次に、吐出モジュール21及び吐出部600の構成及び動作について説明する。図12は、吐出モジュール21の分解斜視図である。また、図13は、図12のIII-III線の断面図であって、吐出部600の概略構成を示す断面図である。
図12及び図13に示すように、吐出モジュール21は、方向Xに長尺な略矩形状の流路基板670を備える。流路基板670の方向Zにおける一方の面側には、圧力室基板630、振動板621、複数の圧電素子60、筐体部640及び封止体610が設けられる。また、流路基板670の方向Zにおける他方の面側には、ノズルプレート632及び吸振体633が設けられる。このような吐出モジュール21の各構成は、流路基板670と同様に方向Xに長尺な略矩形状の部材であり、接着剤等を利用して相互に接合される。
図12に示すように、ノズルプレート632は、方向Xに沿って並ぶ複数のノズル651が形成された板状部材である。このようなノズル651は、ノズルプレート632に設けられるとともに、後述するキャビティー631に連通する開孔部である。
流路基板670は、インクの流路を形成するための板状部材である。図12及び図13に示すように、流路基板670には、開口部671、供給流路672、及び連通流路673が形成されている。開口部671は、方向Zにおいて貫通し、複数のノズル651において共通に形成された方向Xに沿った長尺状の貫通孔である。また、供給流路672及び連通流路673は、複数のノズル651のそれぞれに対応して形成された貫通孔である。さらに、図13に示すように、流路基板670の方向Zにおける一方の面には、複数の供給流路672において共通に形成された中継流路674が設けられる。中継流路674は、開口部671と複数の供給流路672とを連通する。
筐体部640は、例えば樹脂材料の射出成形で製造される構造体であり、流路基板670の方向Zにおける他方の面に固定される。図13に示すように、筐体部640には供給流路641と供給口661とが形成されている。供給流路641は、流路基板670の開口部671に対応する凹部であり、供給口661は、供給流路641に連通する貫通孔である。以上のような流路基板670の開口部671と、筐体部640の供給流路641とが相互に連通する空間が、供給口661から供給されるインクを貯留するリザーバーとして機能する。
吸振体633は、リザーバーの内部で生じる圧力変動を吸収する為の構成である。具体的には、吸振体633は、流路基板670に形成された、開口部671、中継流路674及び複数の供給流路672を閉塞してリザーバーの底面を構成するように、流路基板670の方向Zにおける一方の面側に固定される。このような吸振体633は、例えば、弾性変形が可能な可撓性のシート部材であるコンプライアンス基板を含んで構成される。
図12及び図13に示すように、圧力室基板630は、複数のノズル651に対応する複数のキャビティー631が形成される板状部材である。複数のキャビティー631は、方向Yに沿った長尺状であって、方向Xに沿って並んで設けられる。そして、キャビティー631の方向Yにおける一方の端部は供給流路672と連通し、キャビティー631の方向Yにおける他方の端部は連通流路673と連通する。
図12及び図13に示すように、圧力室基板630のうち流路基板670が接続される面とは反対側の面には、振動板621が固定される。振動板621は、弾性的に変形可能な板状部材である。具体的には、図13に示すように、流路基板670と振動板621とは、各キャビティー631の内側で相互に間隔をあけて対向する。すなわち、振動板621は、キャビティー631の壁面の一部である上面を構成する。
キャビティー631は、流路基板670と振動板621との間に位置し、当該キャビティー631の内部に充填されるインクに圧力を付与する圧力室として機能する。
図12及び図13に示すように、振動板621のキャビティー631とは反対側の面には、複数の圧電素子60が設けられる。換言すれば、振動板621は、キャビティー631と圧電素子60との間に設けられる。複数の圧電素子60は、複数のキャビティー631に対応するように方向Xに並んで設けられる。そして、圧電素子60の変形に連動して振動板621が振動することで、キャビティー631の内部の圧力が変動し、インクがノズル651から吐出される。具体的には、圧電素子60は、駆動信号VOUTの供給により変形するアクチュエーターであり、図13に示すように、圧電素子60は、圧電体601を一対の電極611,612で挟んだ構造である。そして、電極611には駆動信号VOUTが供給され、電極612には基準電圧信号VBSが供給される。この場合において圧電素子60は、電極611と電極612との電位差に応じて振動板621とともに圧電体601の中央部分が両端部分に対して上下方向に変形する。そして、圧電素子60の変形に伴いノズル651からインクが吐出される。ここで、振動板621は、圧電素子60によって変位し、インクが充填されるキャビティー631の内部容積を拡大/縮小させるダイヤフラムとして機能する。なお、圧電素子60に含まれる電極611が第1電極の一例であり、電極612が第2電極の一例である。
図12及び図13の封止体610は、複数の圧電素子60を保護するとともに圧力室基板630及び振動板621の機械的な強度を補強する構造体であり、例えば接着剤で振動
板621に固定される。封止体610のうち振動板621との対向面に形成される凹部の内側に複数の圧電素子60が収容される。
以上のように構成された吐出モジュール21において、圧電素子60、キャビティー631、振動板621及びノズル651を含む構成が吐出部600である。
図14は、液体吐出装置1を方向Zに沿って平面視した場合の、吐出モジュール21及び吐出モジュール21に設けられた複数のノズル651の配置の一例を示す図である。なお、図14では、ヘッドユニット20は、4つの吐出モジュール21を備えるとして説明する。
図14に示すように、各吐出モジュール21には、所定方向に列状に設けられた複数のノズル651からなるノズル列Lが形成されている。各ノズル列Lは、方向Xに沿って列状に配置されたn個のノズル651によって形成されている。
なお、図14に示すノズル列Lは一例であって異なる構成であってもよい。例えば、各ノズル列Lにおいて、端から数えて偶数番目のノズル651と奇数番目のノズル651とで方向Yの位置が相違するように、n個のノズル651が千鳥状に配置されてもよい。また、各ノズル列Lは方向Xとは異なる方向に形成されてもよい。また、第1実施形態では、各吐出モジュール21に設けられるノズル列Lの列数を「1」として例示しているが、各吐出モジュール21には、「2」以上のノズル列Lが形成されてもよい。
ここで、第1実施形態においては、ノズル列Lを形成するn個のノズル651は、吐出モジュール21において、1インチあたり300個以上の高密度で設けられている。そのため、吐出モジュール21において、圧電素子60も、n個のノズル651に対応して高密度にn個設けられている。
また、第1実施形態においては、圧電素子60に用いられる圧電体601は、厚さが例えば1μm以下の薄膜であることが好ましい。これにより、電極611と電極612との間の電位差に対する圧電素子60の変位量を大きくすることができる。
ここで、図15を用いて、ノズル651から吐出されるインクの吐出動作について説明する。図15は、圧電素子60に駆動信号VOUTが供給された場合における、圧電素子60及び振動板621の変位と吐出との関係を説明するための図である。なお、図15は、吐出モジュール21に含まれる複数の圧電素子60、キャビティー631及びノズル651の内の2つを方向Yから見た場合の断面図である。図15の(1)には、駆動信号VOUTとして電圧Vcが供給されている場合における圧電素子60及び振動板621の変位が模式的に示されている。また、図15の(2)には、圧電素子60に供給される駆動信号VOUTの電圧値が、電圧Vcから基準電圧信号VBSに近づくように制御されている場合における圧電素子60及び振動板621の変位が模式的に示されている。また、図15の(3)には、圧電素子60に供給される駆動信号VOUTの電圧値が、電圧Vcよりも基準電圧信号VBSから離れるように制御されている場合における圧電素子60及び振動板621の変位が模式的に示されている。
図15の(1)に示す状態において、圧電素子60及び振動板621は、電極611に供給される駆動信号VOUTと、電極612に供給される基準電圧信号VBSとの電位差に応じて方向Zに撓んでいる。このとき、電極611には駆動信号VOUTとして電圧Vcが供給されている。電圧Vcは、前述のとおり、電圧波形Adp,Bdp,Cdpの開始タイミング及び終了タイミングでの電圧値である。すなわち、図15の(1)に示す圧電素子60及び振動板621の状態が、印刷モードにおける圧電素子60の基準状態とな
る。
そして、駆動信号VOUTの電圧値が、基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御された場合、図15の(2)に示すように、圧電素子60及び振動板621の方向Zに沿って生じる変位が低減される。このとき、キャビティー631の内部容積が拡大し、キャビティー631にリザーバーからインクが供給される。
その後、駆動信号VOUTの電圧値が、基準電圧信号VBSの電圧値から離れるように制御される。このとき、図15の(3)に示すように、圧電素子60及び振動板621の方向Zに沿った変位が増加する。このとき、キャビティー631の内部容積が縮小し、キャビティー631に充填されたインクが、ノズル651から吐出される。
第1実施形態では、圧電素子60に駆動信号VOUTが供給されることで、図15の(1)~(3)の状態が繰り返えされる。これにより、ノズル651からインクが吐出され、媒体Pにドットが形成される。なお、図15の(1)~(3)に示す圧電素子60及び振動板621の変位は、電極611に供給される駆動信号VOUTと、電極612に供給される基準電圧信号VBSとの電位差が大きくなるに従い、方向Zに沿って大きくなる。換言すれば、駆動信号VOUTと基準電圧信号VBSとの電位差に応じてノズル651から吐出されるインクの吐出量が制御される。
なお、図15に示す駆動信号VOUTに対する圧電素子60及び振動板621の変位は、あくまで一例であって、例えば、駆動信号VOUTと基準電圧信号VBSとの電位差が大きい場合に、キャビティー631にインクが引き込まれ、駆動信号VOUTと基準電圧信号VBSとの電位差が小さくなる場合に、キャビティー631に充填されたインクが、ノズル651から吐出されてもよい。
1.6 移行モードの詳細と圧電素子の放電
以上に説明したように、スリープモードでは、選択回路230が有するトランスファーゲート234はオフに制御される。理想的には、スリープモードにおいて電極611に供給される電圧及び電流は、トランスファーゲート234によって遮断される。したがって、電極611には、当該トランスファーゲート234がオフに制御される直前の電圧が保持される。よって、トランスファーゲート234がオフに制御される直前において電極611に供給される電圧を、電極612に供給される基準電圧信号VBSの電圧に近づけることで、スリープモードにおいて圧電素子60に変位が生じることを低減することができる。
しかしながら、トランスファーゲート234及び圧電素子60は抵抗成分を有する。そのため、トランスファーゲート234がオフに制御されている場合であっても、電極611には、トランスファーゲート234及び圧電素子60の抵抗成分を介したリーク電流が供給される。そのため、電極611には当該リーク電流に起因する電荷が蓄積される。したがって、電極611の電圧値が上昇し、圧電素子60に意図しない変位が生じるおそれがある。
図16は、リーク電流により電極611の電圧値が上昇した場合における圧電素子60及び振動板621の変位を模式的に示す図である。なお、図16は、吐出モジュール21に含まれる複数の圧電素子60、キャビティー631及びノズル651の内の2つを方向Yから見た場合の断面図である。図16の(1)には、スリープモードに遷移した直後の圧電素子60及び振動板621の変位が示されている。また、図16の(2)には、トランスファーゲート234及び圧電素子60に生じるリーク電流に起因して、電極611に電荷が蓄積された場合における圧電素子60及び振動板621の変位が示されている。
図16の(1)に示すように、スリープモードに遷移した直後の圧電素子60は、電極611の電圧と電極612の電圧との電位差に基づいて変位している。このとき、電極611には、スリープモードに遷移する直前の電圧が保持されている。すなわち、スリープモードに遷移した直後の電極611の電圧は、電極611に保持されることが想定された電圧である。したがって、圧電素子60は想定の範囲内で変位し、同様に振動板621は想定の範囲内で変位する。このとき、振動板621とキャビティー631との接点αには、想定の範囲内の応力F1が生じる。
なお、図16の(1)には、スリープモードに遷移する直前における電極611の電圧と電極612の電圧とが異なる場合が例示されているが、電極611の電圧と電極612の電圧とは同等の電圧値であることが好ましい。この場合、圧電素子60及び振動板621に変位は生じない。
そして、電極611に、リーク電流等に起因した電荷が蓄積された場合、電極611の電圧と電極612の電圧との電位差が大きくなり、図16の(2)に示すように、圧電素子60の変位が大きくなる。よって、振動板621の変位も大きくなる。このとき、振動板621とキャビティー631との接点αには、想定よりも大きな応力F2が生じる場合がある。
また、振動板621とキャビティー631との接点に生じる応力は、方向Yにおける振動板621とキャビティー631との接点の位置により異なる場合がある。具体的には、振動板621とキャビティー631との接点に生じる応力は、振動板621とキャビティー631との接点であって、振動板621の方向Zにおける変位が最大となる点においてより大きな応力が生じる。
このような振動板621に生じる変位の要因としては、例えば、振動板621に生じる固有振動が挙げられる。図17は、振動板621を方向Zから見た場合の平面図である。図17に示すように、本実施形態におけるキャビティー631は、方向Yに沿った長尺状であり、振動板621には、方向Yに沿った固有振動が生じる場合がある。このような固有振動は、振動板621とキャビティー631とが接する第1接点DLと、第2接点DRとの間の振動領域Dで生じる。
図18は、振動板621に一次の固有振動が生じた場合を例示した図である。図18に示すように、振動板621に一次の固有振動が生じた場合、当該固有振動に起因する振動板621の変位ΔDは、振動領域Dの中央部で最大となる。具体的には、振動領域Dにおいて、第1接点DLから第2接点DRまでの距離をdとした場合、第1接点DLからの距離がd/2であって第2接点DRからの距離がd/2となる点で振動板621の変位ΔDが最大となる。
また、図19は、振動板621に三次の固有振動が生じた場合を例示した図である。図19に示すように、振動板621に三次の固有振動が生じた場合、当該固有振動に起因する振動板621の変位ΔDは、第1接点DLからの距離がd/2であって第2接点DRからd/2となる点と、第1接点DLからの距離がd/6となる点と、第2接点DRからの距離がd/6となる点で最大となる。
以上のように、方向Yにおいて、振動板621の変位ΔDが最大となる点における振動板621とキャビティー631との接点αには、よりも大きな応力F2が加わるおそれがある。
さらに、スリープモード等の長時間継続する動作モードにおいては、応力F2が振動板621の接点αに長時間継続して加わるおそれがあり、その結果、振動板621にクラックが生じるおそれがある。また、振動板621に想定よりも大きな変位が生じた状態で、印刷モードに遷移した場合、インクの吐出時における圧電素子60の変位に伴い振動板621に必要以上の負荷が加わるおそれがあり、その結果、振動板621にクラックが生じるおそれがある。
仮に振動板621にクラックが生じた場合、当該クラックからキャビティー631に充填されたインクが漏れ出す。そのため、キャビティー631の内部容積の変化に対して吐出されるインク量にばらつきが生じるおそれがある。その結果、インクの吐出精度が悪化する。
また、当該クラックから漏れ出したインクが、電極611,612の双方に付着した場合、電極611と電極612との間に、当該インクを介した電流経路が形成される。これにより、電極612に供給される基準電圧信号VBSの電圧値が変動するおそれがある。第1実施形態に示す液体吐出装置1では、基準電圧信号VBSが複数の電極612に共通に供給されている。そのため、基準電圧信号VBSの電圧値が変動した場合、複数の圧電素子60の変位に影響を及ぼす。その結果、液体吐出装置1全体の吐出精度に影響を及ぼすおそれもある。
そこで、第1実施形態では、圧電素子60の電極611,612に意図しない電位差が生じることで、圧電素子60及び振動板621に意図しない変位が長時間継続して生じることを低減するために、電極611,612の電荷を放出するための3つの放電手段を備える。
図20は、圧電素子60の電荷を放出するための放電手段を説明するための図である。
なお、図20には、トランスファーゲート234に形成される寄生ダイオード241,242,243,244を破線で示している。
第1の放電手段は、図20に示す第1放電経路Aを介して電荷を放出する。具体的には、第1の放電手段では、トランスファーゲート234に形成される複数の寄生ダイオードを介して端子TG-Outと電極611との間に蓄えられた電荷、及び端子Com-Outと端子TG-Inとの間に蓄えられた電荷を放出する。
ここで、トランスファーゲート234に形成される寄生ダイオード241,242,243,244の詳細について、図21を用いて具体的に説明する。
図21は、トランスファーゲート234を構成するトランジスター235,236を模式的に示す断面図である。
図21に示すように、トランジスター235は、ポリシリコン252、N型拡散層253,254及び複数の電極を含む。
N型拡散層253,254は、P基板251上に互いに離間して形成されている。また、ポリシリコン252は、不図示の絶縁層を介してN型拡散層253とN型拡散層254との間に形成されている。
ポリシリコン252には電極255が形成されている。また、N型拡散層253には電極256が形成されている。また、N型拡散層254には電極257が形成されている。
そして、電極255がゲート端子として機能し、電極256,257のいずれか一方がドレイン端子、他方がソース端子として機能する。なお、第1実施形態では、電極256をドレイン端子、電極257をソース端子として説明する。
以上のように構成されたトランジスター235には、P基板251とN型拡散層253との接触面及びP基板251とN型拡散層254との接触面のそれぞれにPN接合が形成される。したがって、トランジスター235には、P基板251をアノード、N型拡散層253をカソードとする寄生ダイオード243と、P基板251をアノード、N型拡散層254をカソードとする寄生ダイオード244とが形成される。
また、P基板251には、電極258が形成されている。トランジスター235は、P基板251に形成されるので、電極258は、トランジスター235のバックゲート端子として機能する。なお、電極258にはグラウンド電位が供給される。
トランジスター236は、Nウェル261、ポリシリコン262、P型拡散層263,264及び複数の電極を含む。
P型拡散層263,264は、P基板251に形成されたNウェル261上に互いに離間して形成されている。また、ポリシリコン262は、不図示の絶縁層を介してP型拡散層263とP型拡散層264との間に形成されている。
ポリシリコン262には電極265が形成されている。また、P型拡散層263には電極266が形成されている。また、P型拡散層264には電極267が形成されている。
そして、電極265がゲート端子として機能し、電極266,267のいずれか一方がドレイン端子、他方がソース端子として機能する。なお、第1実施形態では、電極266をドレイン端子、電極267をソース端子として説明する。
以上のように構成されたトランジスター236には、Nウェル261とP型拡散層263との接触面及びNウェル261とP型拡散層264との接触面のそれぞれにPN接合が形成される。したがって、トランジスター236には、P型拡散層263をアノード、Nウェル261をカソードとする寄生ダイオード242と、P型拡散層264をアノード、Nウェル261をカソードとする寄生ダイオード241とが形成される。
また、Nウェル261には、電極268が形成されている。トランジスター236は、Nウェル261に形成されるので、電極268は、トランジスター236のバックゲート端子として機能する。なお、電極268には電圧VHV-TGが供給される。
図20に戻り、以上に説明した寄生ダイオード241,242,243,244を含む第1放電経路Aを介する第1の放電手段について説明する。
第1の放電手段では、まず、Hレベルの放電制御信号DIS1が給電制御信号生成回路430に供給される。
給電制御信号生成回路430に供給された放電制御信号DIS1は、インバーター431を介してトランジスター432に供給される。これにより、トランジスター432はオフに制御される。
前述のとおり、トランジスター432がオフに制御された場合、給電切替回路70のト
ランジスター473はオンに制御される。トランジスター473がオンに制御されると、電圧VHV-TGは抵抗475を介して供給されるグラウンド電位となる。これにより、トランスファーゲート234を構成するトランジスター236の電極268がグラウンド電位となる。したがって、端子COM-Outと端子TG-Inとが接続されるノードaの電位は、寄生ダイオード241を介してグラウンド電位となる。同様に、端子TG-Outと電極611が接続されるノードbの電位は、寄生ダイオード242を介してグラウンド電位となる。
換言すれば、ノードaに蓄えられた電荷は、寄生ダイオード241、抵抗475及びトランジスター473を介して放出され、同様に、ノードbに蓄えられた電荷は、寄生ダイオード242、抵抗475及びトランジスター473を介して放出される。
以上のように第1の放電手段では、放電制御信号DIS1に基づき、給電切替回路70が電圧VHV-TGの電位をグラウンド電位とする。これにより、ノードa及びノードbに蓄えられた電荷は、寄生ダイオード241,242を介して放出される。したがって、電極611に意図しない電荷が蓄積されることが低減される。
また、第1の放電手段により放出されるノードa及びノードbの電荷は、トランスファーゲート234の端子TG-In,TG-Outの電荷である。したがって、第1の放電手段による電荷の放出は、トランスファーゲート234がオンに制御されているのか、オフに制御されているかに関わらず可能となる。このため、電極611に意図しない電荷が蓄えられる可能性をさらに低減することができる。
なお、給電切替回路70の構成は、上述した構成に限られるものではなく、トランジスター236の電極268の電位をグラウンド電位に切り替えることが可能な構成であればよい。
次に第2の放電手段について説明する。第2の放電手段では、LC放電回路530を含む第2放電経路Bを介してノードaに蓄えられた電荷を放出する。
第2の放電手段によって電荷を放出する場合、まず、Hレベルの放電制御信号DIS2がLC放電回路530のトランジスター532に供給される。これにより、トランジスター532はオンに制御される。よって、ノードaの電位は、抵抗571,531及びトランジスター532を介して供給されるグラウンド電位となる。換言すれば、ノードaに蓄えられた電荷は、抵抗571,531及びトランジスター532を介して放出される。
駆動信号生成回路50の動作が停止している場合、ノードaには、抵抗572,571を介して電圧VHVが供給される場合がある。第2の放電手段では、ノードaの電荷の放出が可能となるため、ノードaに電圧VHVに起因する電荷が蓄積されることを低減することができる。
以上のように第2の放電手段では、ノードaの電荷を放出することが可能なため、ノードaの電位を下げることができる。したがって、トランスファーゲート234の端子TG-Inから端子TG-Outに生じるリーク電流が低減される。すなわち、リーク電流に起因してノードbの電圧が上昇することを低減することができる。よって、電極611に意図しない電荷が蓄えられる可能性をさらに低減することができる。
なお、LC放電回路530は、ノードaの電荷を放出することが可能な構成であればよく、例えば、トランジスター551のソース端子及びトランジスター552のドレイン端子が共通に接続される接続点に設けられてもよい。
次に、第3の放電手段について説明する。第3の放電手段では、基準電圧信号生成回路450のトランジスター453を含む第3放電経路Cを介して、電極612と端子Vbs-Outとが接続されるノードcに蓄えられる電荷を放出する。
第3の放電手段によって電荷を放出する場合、まず、Hレベルの放電制御信号DIS3が基準電圧信号生成回路450のトランジスター453に供給される。これによりトランジスター453はオンに制御される。よって、ノードcの電位は、抵抗456及びトランジスター453を介して供給されるグラウンド電位となる。換言すれば、ノードcに蓄えられた電荷は、抵抗456及びトランジスター453を介して放出される。
前述のとおり、圧電素子60は電極611の電圧と電極612の電圧との電位差により変位する。第3の放電手段により、ノードcに蓄えられる電荷を放出することで、電極612に意図しない電圧が供給されることを低減することができる。したがって、圧電素子60に意図しない変位が生じることをさらに低減することが可能となる。
第1実施形態では、上述した第1の放電手段、第2の放電手段及び第3の放電手段による電荷の放出は、移行モードで実行される。そこで、図22を用いて、第1実施形態における第1の放電手段、第2の放電手段及び第3の放電手段による電荷の放出方法について説明する。
図22は、移行モードの動作を説明するためのフローチャート図である。
まず、制御回路100は、動作モードが移行モードに遷移する前に、駆動信号COMの電圧値が基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御する(S171)。具体的には、制御回路100は、駆動信号生成回路50に対して駆動信号COMの電圧値が基準電圧信号VBSの電圧値となる駆動データ信号DRVを供給する。そして、駆動信号生成回路50は、供給された駆動データ信号DRVに基づいて駆動信号COMの電圧値を基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御する。
移行モードでは、動作モードがスリープモードに遷移する過程において駆動信号COM及び基準電圧信号VBSの双方の電圧値が変動する場合がある。そのため、移行モードに遷移する前に、駆動信号COMの電圧値を基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御することで、移行モードにおいて圧電素子60に意図しない電位差が生じる可能性を低減することができる。
なお、駆動信号COMの電圧値を基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御されるとは、好ましくは、駆動信号COMの電圧値と基準電圧信号VBSの電圧値とが同じであることを意味するが、広義には、駆動信号COMと基準電圧信号VBSとの電位差によって圧電素子60に意図しない変位が生じない程度に電圧値が近づくように制御されればよい。具体的には、駆動信号COMと基準電圧信号VBSとの電位差が2V以下となるように制御されることが好ましい。
そして、駆動信号COMの電圧値と基準電圧信号VBSの電圧値とが十分に近づいた場合、制御回路100は、動作モードを移行モードに制御する(S172)。
動作モードが移行モードに遷移した後、制御回路100は、トランスファーゲート234をオフするように制御する(S173)。これにより、電極611に供給される電圧は、移行モードに遷移する直前の電圧、すなわち、基準電圧信号VBSの電圧に十分に近づいた電圧で保持される。
トランスファーゲート234がオフに制御された後、所定の時間経過した場合、制御回路100は、第2の放電手段による電荷の放出を制御する(S174)。具体的には、制御回路100は、Hレベルの放電制御信号DIS2を生成するための駆動データ信号DRVを駆動信号生成回路50に供給する。
トランスファーゲート234がオフに制御された後、第2の放電手段によってノードaに蓄えられた電荷が放出されることで、ノードaの電圧が低下する。したがって、トランスファーゲート234に生じるリーク電流が低減され、当該リーク電流に起因する電極611の電圧上昇が低減される。なお、第2の放電手段による電荷の放出は、印刷モード又は待機モードに遷移するまで継続して実施されてもよい。
第2の放電手段による電荷の放出が開始した後、所定の時間経過した場合、制御回路100は、第3の放電手段による電荷の放出を制御する(S175)。具体的には、制御回路100は、Hレベルの放電制御信号DIS3を生成するための駆動データ信号DRVを駆動信号生成回路50に供給する。第1の放電手段によりノードbに蓄えられた電荷を放出する前に、第3の放電手段によりノードcに蓄えられた電荷を放出することで、電極612に供給される電圧が、電極611に供給される電圧に対して大きくなることが低減される。すなわち、印刷動作時に圧電素子60に生じる変位とは逆向きの変位が圧電素子60に生じることを低減することが可能となる。これにより、圧電素子60及び振動板621に生じるストレスを低減することが可能となる。
なお、第2の放電手段による電荷の放出と第3の放電手段による電荷の放出とは、例えば、制御回路100により同時に実行されてもよく、また、第3の放電手段による電荷の放出が先に実行された後、第2の放電手段による電荷の放出が実行されてもよい。また、第3の放電手段による電荷の放出は、印刷モード又は待機モードに遷移するまで継続して実施されてもよい。
そして、第2の放電手段及び第3の放電手段による電荷の放出が開始した後、所定の時間経過した場合、制御回路100は、第1の放電手段による電荷の放出を制御する(S176)。具体的には、制御回路100は、Hレベルの放電制御信号DIS1を生成するための駆動データ信号DRVを駆動信号生成回路50に供給する。これにより、電極611に蓄えられる電荷が放出される。よって、圧電素子60に意図しない電圧が生じる可能性が低減され、圧電素子60及び振動板621に意図しない変位が生じることが低減される。なお、第1の放電手段による電荷の放出は、印刷モード又は待機モードに遷移するまで継続して実施されてもよい。
上述した第1の放電手段、第2の放電手段及び第3の放電手段による電荷の放出が開始した後、所定の時間が経過した場合、制御回路100は、図3に示すように動作モードをスリープモードに遷移させる。なお、第1の放電手段、第2の放電手段及び第3の放電手段による電荷の放出は、スリープモードにおいて継続して実施されてもよい。
1.7 駆動信号の異常検出
圧電素子60に意図しない電荷が蓄積されることで生じる電位差により、圧電素子60に意図しない変位が長時間継続して生じる要因としては、上述したようにスリープモードにおいて圧電素子60に意図しない電荷が蓄積されることが挙げられる。その他の要因として、印刷モードにおいて駆動信号COMが正常に出力されず、一定の電圧値を継続して出力する要因が挙げられる。
そこで、液体吐出装置1は、駆動信号COMの出力が所定の範囲内であるか否かを検出し、駆動信号COMが一定の電圧を出力しているか否かを検出する検出回路320を備え
る。また、液体吐出装置1は、検出回路320の検出結果に基づいて駆動信号COMが正常であるか否か、具体的には、駆動信号COMが一定の電圧を所定の期間継続して出力しているかの判定を行う判定回路350を備える。
駆動信号COMが一定の電圧を継続して出力する要因としては、駆動信号生成回路50に供給される元駆動信号dAが更新されていないこと、及び元駆動信号dAを更新するためのクロック信号が供給されていないことが挙げられる。そこで、第1実施形態における液体吐出装置1では、検出回路320が、元駆動信号dAが更新されているか否か及び元駆動信号dAを更新するためのクロック信号が供給されているか否か検出し、判定回路350が、検出回路320の検出結果に基づいて、駆動信号COMが一定の電圧を継続して出力しているか否かの判定を行う。
第1実施形態における検出回路320及び判定回路350の構成及び動作の詳細について図23から図29を用いて説明する。図23は、DAC回路310、検出回路320及び判定回路350の電気構成を示すブロック図である。
DAC回路310は、DACインターフェース(I/F:Interface)311、比較器312、ラッチ回路313及びDAC314を含む。
DACインターフェース311には、クロック信号φ1及び元駆動信号dAが供給される。そして、DACインターフェース311は、クロック信号φ1に従い元駆動信号dAを取り込み、元駆動信号dAに基づく信号S1を比較器312に出力する。
比較器312は、信号S1を今回供給されたデータ信号として、また、後述するラッチ回路313から供給される信号S2を前回供給されたデータ信号として比較する。具体的には、比較器312は、信号S1と信号S2との比較結果が所定の範囲内の場合、信号S1をラッチ回路313に出力する。一方、比較器312は、信号S1と信号S2との比較結果が所定の範囲外の場合、所定のデータ信号をラッチ回路313に出力する。
ラッチ回路313は、クロック信号φ2の立ち下りで比較器312から入力されるデータ信号をラッチする。ラッチ回路313は、ラッチしたデータ信号を信号S2としてDAC314、比較器312及び検出回路320に出力する。
DAC314は、信号S2をデジタル-アナログ変換しアナログの元駆動信号aAとして図4に示す駆動回路51に出力する。
検出回路320は、更新検出回路321、クロック検出回路322、NAND回路323及び発振回路330を含む。
更新検出回路321は、ラッチ回路324,326及び比較器325を含む。
ラッチ回路324は、クロック信号φ2の立ち上がりで信号S2をラッチし信号S3として比較器325に出力する。
比較器325には、信号S2及び信号S3が入力される。そして、比較器325は、信号S2と信号S3とを比較する。具体的には、比較器325は、信号S2と信号S3とが同じ場合に信号S4としてLレベルの信号を出力し、異なる場合に信号S4としてHレベルの信号を出力する。
ラッチ回路326は、クロック信号φ2の立ち上がりで信号S4をラッチする。そして
、ラッチ回路326はラッチした信号S4を更新検出回路321の出力信号である信号S5としてNAND回路323に出力する。
なお、比較器325は、入力されるデータ信号のすべてのデータビットを比較し、入力されるデータ信号が同じであるか異なるかの比較をしてもよく、また、例えば特定のデータビットのみを比較し、入力されるデータ信号が同じであるか異なるかの比較をしてもよい。具体的には、入力されるデータ信号の上位数ビット、又は下位数ビットのデータビットのみを比較してもよい。
クロック検出回路322は、分周回路327、ラッチ回路328及び微分回路329を含む。
分周回路327は、クロック信号φ2を分周した信号S6を出力する。
ラッチ回路328は、発振回路330から供給されるクロック信号CLKの立ち上がりで信号S6をラッチし信号S7として出力する。
微分回路329には、分周回路327から出力された信号S6及びラッチ回路328から出力された信号S7が入力される。微分回路329は、入力されるデータ信号の排他的論理和を演算し出力する。すなわち、微分回路329は、信号S6の論理レベルと信号S7の論理レベルとが異なる場合に信号S8としてHレベルの信号を出力し、同じ場合に信号S8としてLレベルの信号を出力する。そして、微分回路329は、信号S8をクロック検出回路322の出力信号としてNAND回路323に出力する。
NAND回路323は、更新検出回路321から出力される信号S5及びクロック検出回路322から出力される信号S8の論理レベルが共にHレベルの場合、Lレベルのリセット信号RSTを出力する。また、NAND回路323は、信号S5及び信号S8の少なくともいずれか一方の論理レベルがLレベルの場合、Hレベルのリセット信号RSTを出力する。このリセット信号RSTが、検出回路320の出力信号として判定回路350に供給される。
判定回路350は、カウンター351及びデコーダー352を含む。
カウンター351は、Hレベルのリセット信号RSTが入力されている場合、クロック信号CLKの立ち下がりでカウント値をインクリメントして当該カウント値をデコーダー352に出力する。また、カウンター351は、Lレベルのリセット信号RSTが入力された場合、カウント値を0にリセットして当該カウント値をデコーダー352に出力する。
デコーダー352は、カウンター351から入力されるカウント値が所定の値を超えた場合、すなわち、判定回路350に所定の期間継続してHレベルの信号が入力された場合、駆動信号COMが一定の電圧を継続して出力していると判定してエラー信号ERRを出力する。
ここで、図24から図27を用いて検出回路320における元駆動信号dAが更新されているか否かの検出方法及びクロック信号φ2が供給されているか否かの検出方法について具体的に説明する。
図24は、元駆動信号dAが更新されている場合における検出回路320の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
DACインターフェース311は、供給される元駆動信号dAをクロック信号φ1に基づき取り込むことで信号S1を生成する。そして、信号S1を比較器312に供給する。具体的には、DACインターフェース311は、元駆動信号dAとして供給された、5ビットのデータ信号Da[9-5]と5ビットのデータ信号Da[4-0]とをクロック信号φ1に基づき順次取り込み、結合することで信号S1を生成する。
比較器312は、信号S1とラッチ回路313から入力される信号S2とを比較する。そして、比較器312は、当該比較結果に基づいてデータ信号Daを出力する。
ラッチ回路313は、クロック信号φ2の立ち下りにおいて比較器312が出力するデータ信号Daを信号S2としてラッチする。
ラッチ回路324は、クロック信号φ2の立ち上がりにおいてラッチ回路313でラッチされたデータ信号Daを信号S3としてラッチする。
比較器325には、信号S2及び信号S3が入力され、入力される信号が同じである場合にLレベルの信号を出力し、異なる場合にHレベル信号を出力する。
具体的には、ラッチ回路324は、クロック信号φ2の立ち上がりにおいてデータ信号Daを信号S3としてラッチする。このとき、ラッチ回路313は、信号S2としてデータ信号Daを保持する。したがって、比較器325には同じデータ信号Daが供給される。その結果、比較器325は信号S4としてLレベルの信号を出力する。
ラッチ回路313は、次のクロック信号φ2の立ち下がりにおいてデータ信号Dbを信号S2としてラッチする。このとき、ラッチ回路324は、信号S3としてデータ信号Daを保持する。したがって、比較器325には、異なるデータ信号であるデータ信号Daとデータ信号Dbとが入力される。その結果、比較器325はHレベルの信号を出力する。
ラッチ回路326は、クロック信号φ2の立ち上がりであって、且つラッチ回路324が信号S2をラッチする前に信号S4をラッチする。したがって、ラッチ回路326は信号S5としてHレベルの信号をラッチし更新検出回路321の出力信号としてNAND回路323に出力する。
次に、図25を用いて元駆動信号dAが更新されていない場合における検出回路320の動作について説明する。図25は、元駆動信号dAが更新されていない場合における検出回路320の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
DACインターフェース311は、元駆動信号dAが更新されている場合と同様に、供給される元駆動信号dAをクロック信号φ1に基づき順次取り込み、結合することで信号S1を生成する。
比較器312は、信号S1とラッチ回路313から入力される信号S2とを比較する。そして、比較器312は、当該比較結果に基づいてデータ信号Daを出力する。
ラッチ回路313は、クロック信号φ2の立ち下りにおいて比較器312が出力するデータ信号Daを信号S2としてラッチする。
ラッチ回路324は、クロック信号φ2の立ち上がりにおいてデータ信号Daを信号S
3としてラッチする。このとき、ラッチ回路313は、信号S2としてデータ信号Daを保持する。したがって、比較器325には同じデータ信号Daが供給される。その結果、比較器325は信号S4としてLレベルの信号を出力する。
元駆動信号dAが更新されない場合、ラッチ回路313は、次のクロック信号φ2の立ち下がりにおいてデータ信号Daを信号S2として再度ラッチする。このとき、ラッチ回路324は、信号S3としてデータ信号Daを保持する。したがって、比較器325には、同じデータ信号Daが入力される。その結果、比較器325はLレベルの信号を出力する。
ラッチ回路326は、クロック信号φ2の立ち上がりであって、且つラッチ回路324が信号S2をラッチする前に信号S4をラッチする。したがって、ラッチ回路326は信号S5としてLレベルの信号をラッチし更新検出回路321の出力信号として、NAND回路323に供給する。
以上のように、更新検出回路321は、元駆動信号dAが更新された場合に信号S5としてHレベルの信号をNAND回路323に出力し、元駆動信号dAが更新されていない場合に信号S5としてLレベルの信号をNAND回路323に出力する。
次に、図26、図27を用いてクロック信号φ2が供給されているか否かの検出方法の詳細について説明する。図26は、クロック信号φ2が供給されている場合における検出回路320の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
分周回路327は、クロック信号φ2を分周した信号S6を出力する。
ラッチ回路328は、クロック信号CLKの立ち上がりで信号S6を信号S7としてラッチする。
第1実施形態では、クロック信号CLKは、クロック信号φ2との周期が異なる。すなわち、クロック信号φ2が正常に入力されている場合、信号S6と信号S7との論理レベルが異なるタイミングが発生する。
したがって、クロック信号CLKの立ち上がりでラッチ回路328が信号S6をラッチした後、次にクロック信号CLKが立ち上がるまでの期間において、信号S6の論理レベルがクロック信号φ2に基づき変化した場合、微分回路329に入力される信号S6と信号S7との論理レベルが異なる。
微分回路329は、信号S6と信号S7との論理レベルが同じ場合、Lレベルの信号S8をクロック検出回路322の出力信号としてNAND回路323に出力する。また、微分回路329は、信号S6と信号S7との論理レベルが異なる場合、Hレベルの信号S8をクロック検出回路322の出力信号としてNAND回路323に出力する。すなわち、クロック信号φ2が供給されている場合、クロック検出回路322は、信号S8としてHレベルの信号とLレベルの信号とを交互に出力する。
次に、図27を用いてクロック信号φ2が供給されていない場合における検出回路320の動作について説明する。図27は、クロック信号φ2が供給されていない場合における検出回路320の動作を説明するためのタイミグチャート図である。
分周回路327は、クロック信号φ2が供給されていない場合、Hレベル又はLレベルの信号S6を継続して出力する。なお、図27の説明では、信号S6としてHレベル信号
を出力しているとして説明を行うが、Lレベル信号であってもよい。
ラッチ回路328は、クロック信号CLKの立ち上がりで信号S6を信号S7としてラッチする。
微分回路329には、Hレベルの信号S6とHレベルの信号S7とが入力される。したがって、Lレベルの信号S8をクロック検出回路322の出力信号として、NAND回路323に供給する。
以上のように、クロック検出回路322は、クロック信号φ2が供給されている場合、信号S8としてHレベルとLレベルとが交互に生じる出力信号をNAND回路323に出力する。また、クロック検出回路322は、クロック信号φ2が供給されていない場合、信号S8としてLレベルの出力信号を継続してNAND回路323に出力する。
NAND回路323には、更新検出回路321が出力する信号S5及びクロック検出回路322の出力する信号S8が入力される。そして、NAND回路323は更新検出回路321の出力及びクロック検出回路322の出力の双方がHレベルの信号である場合、Lレベルのリセット信号RSTを出力する。
前述のとおり、更新検出回路321は、元駆動信号dAが更新された場合に信号S5としてHレベルの出力信号をNAND回路323に出力し、元駆動信号dAが更新されていない場合に信号S5としてLレベルの出力信号をNAND回路323に出力する。また、クロック検出回路322は、クロック信号φ2が供給されている場合、信号S8としてHレベルの出力信号とLレベルの出力信号とを交互にNAND回路323に出力し、クロック信号φ2が供給されていない場合、信号S8としてLレベルの出力信号を継続してNAND回路323に出力する。
したがって、NAND回路323は、元駆動信号dAが更新された場合、且つクロック信号φ2が供給されている場合であってHレベルの信号を出力した場合に、Lレベルのリセット信号RSTを出力し、その他の状態では、Hレベルのリセット信号RSTを出力する。
次に図28及び図29を用いて判定回路350の動作について説明する。図28は、更新検出回路321における元駆動信号dAの検出動作に対応付けた判定回路350の動作を示すタイミングチャート図である。
前述のとおり、更新検出回路321は、元駆動信号dAが更新されている場合、信号S5としてHレベルの信号を出力する。
NAND回路323は、入力される信号S5がHレベルの場合、且つ信号S8がHレベルの場合にLレベルの信号を出力する。このとき、カウンター351が出力するカウント値は、0にリセットされる。
また、更新検出回路321は、元駆動信号dAが更新されていない場合、信号S5としてLレベルの信号を出力する。
NAND回路323は、入力される信号S5がLレベルの場合、信号S8の論理レベルに関わらずHレベルの信号を出力する。このとき、カウンター351が出力するカウント値は、クロック信号CLKの立ち下がりでインクリメントされる。
カウンター351が出力するカウント値は、デコーダー352に出力される。そして、デコーダー352は、当該カウント値が所定の値を超えた場合、エラー信号ERRを出力する。
次に、クロック検出回路322におけるクロック信号φ2の検出動作に対応する判定回路350の動作について図29を用いて説明する。図29は、クロック検出回路322におけるクロック信号φ2の検出動作に対応付けた判定回路350の動作を示すタイミングチャート図である。
前述のとおり、クロック検出回路322は、クロック信号φ2が供給されている場合、上述したタイミングにおいて論理レベルがHレベル又はLレベルの信号S8を交互に出力する。そして、NAND回路323は、信号S8の論理レベルがHレベルの場合、且つ信号S5がHレベルの信号を出力している場合にLレベルの信号を出力する。これにより、カウンター351が出力するカウント値は0にリセットされる。
また、クロック検出回路322は、クロック信号φ2が供給されていない場合、信号S8としてLレベルの信号を連続して出力する。
NAND回路323は、信号S8の論理レベルがLレベルの場合、信号S5の論理レベルに関わらずHレベルの信号を出力する。このとき、カウンター351が出力するカウント値は、クロック信号CLKの立ち下がりにおいて、インクリメントされる。
カウンター351が出力するカウント値は、デコーダー352に入力される。デコーダー352は、当該カウント値が所定の値を超えた場合、エラー信号ERRを出力する。
以上のように、判定回路350は、元駆動信号dAの更新及びクロック信号φ2の供給の少なくともいずれか一方が行われない場合、エラー信号ERRを出力する。これにより、判定回路350は、印刷モードにおいて駆動信号COMが一定の電圧信号を継続して出力しているか否かの判定を行う。これにより、印刷モードにおいて駆動信号COMが一定の電圧信号を継続して出力されることを検出・判定することが可能となり、よって、当該検出・判定結果に基づいて低減することができる。したがって、圧電素子60に意図しない直流電圧が継続して供給されることで、圧電素子60及び振動板621に意図しない変位が継続して加わることを低減することが可能となる。
また、図2に示すようにエラー信号ERRは、制御回路100に供給される。制御回路100は、エラー信号ERRに基づいて、例えば、動作モードを移行モードに遷移する。このとき、図22に示すように、駆動信号COMの電圧値は、基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御される。そして、圧電素子60の電極611及び電極612の少なくともいずれか一方の電荷を放出させる。これにより、圧電素子60に意図しない電圧が継続して供給されること、また、圧電素子60及び振動板621に意図しない変位が継続して加わることをさらに低減できる。
ここで、駆動信号COMの電圧波形Adp,Bdp,Cdpには、図7に示すように一定の電圧値が生成される期間がある。したがって、カウント値が0にリセットされてから、所定のカウント値に到達しデコーダー352がエラー信号ERRを出力するまでの時間は、駆動信号COMの電圧波形Adp,Bdp,Cdpが一定の電圧を出力する時間に対して十分長くなる。
1.8 作用効果
以上に説明したように、第1実施形態の液体吐出装置1では、検出回路320が、供給
された元駆動信号dAと、前回の元駆動信号dAとの比較を行い元駆動信号dAが更新されているか否かを検出するとともに、クロック信号φ2が供給されているか否かの検出も行う。これにより、検出回路320は、駆動信号COMが一定の電圧を出力しているか否かを検出することが可能となる。
そして、判定回路350は、検出回路320の検出結果に基づいて、駆動信号COMが一定の電圧を出力する期間をクロック信号CLKに基づいて計測する。よって、駆動信号COMが長時間継続して一定の電圧を出力することを低減することが可能となる。
したがって、圧電素子60に意図しない直流電圧として、一定の電圧の駆動信号COMが長時間継続して加わることが低減される。よって、圧電素子60及び振動板621に意図しない変位が生じることが低減される。
また、第1実施形態では、検出回路320はデジタルの元駆動信号dAに基づいて、駆動信号COMの電圧が一定の電圧を出力しているか否かを検出している。これにより、駆動信号生成回路50で生じるノイズ等の影響が低減され、当該検出の精度を高めることが可能となる。
また、第1実施形態の液体吐出装置1では、圧電素子60に供給される駆動信号COMが長時間継続して一定の電圧を出力した場合、電極611に供給される駆動信号COMの電圧値は、電極612に供給される基準電圧信号VBSの電圧値に近づくように制御される。したがって、圧電素子60の電極611,612間に意図しない電位差が生じることがさらに低減され、圧電素子60及び振動板621に意図しない変位が生じる可能性がさらに低減される。
さらに、第1実施形態の液体吐出装置1では、圧電素子60に供給される駆動信号COMが長時間継続して一定の電圧を出力する場合、エラー信号ERRに基づいて移行モードに遷移する。よって、電極611及び電極612の電荷が放出される。したがって、圧電素子60の電極611,612間に意図しない電位差が生じることが低減され、圧電素子60及び振動板621に意図しない変位が生じる可能性をさらに低減することが可能となる。
また、第1実施形態では、駆動信号COMを生成する駆動回路51と、駆動信号COMが一定の電圧を出力しているか否かを検出する検出回路320と、検出回路320の検出結果に基づいて駆動信号COMが一定の電圧を継続して出力しているか否かを判定する判定回路とが、駆動信号生成回路50に設けられている。そのため、駆動信号COMの生成、検出及び判定を制御ユニットに依らず検出することが可能となる。したがって、生成、検出及び判定に遅延が生じる可能性を低減することが可能となる。
2 第2実施形態
次に、図30から図32を用いて、第2実施形態における液体吐出装置1について説明する。
第2実施形態の液体吐出装置1は、検出回路320の構成が第1実施形態の液体吐出装置1と異なる。以下の説明では、第1実施形態と重複する説明は省略又は簡略し、主として第1実施形態と異なる内容について説明する。
図30は、第2実施形態におけるDAC回路310、検出回路320及び判定回路350の電気構成を示すブロック図である。
DAC回路310は、第1実施形態と同様に、DACインターフェース(I/F:Interface)311,比較器312、ラッチ回路313及びDAC314を含む。そしてDAC回路310は、供給される元駆動信号dAに基づきアナログの元駆動信号aAを生成するとともに、ラッチ回路313でラッチされた信号S2を検出回路320に出力する。
検出回路320は、DATA更新検出回路331、インバーター335及び発振回路330を含む。
DATA更新検出回路331は、ラッチ回路332,334及び比較器333を含む。
ラッチ回路332は、発振回路330から出力されるクロック信号CLKの立ち下がりで、信号S2を信号S11としてラッチする。なお、第2実施形態では、クロック信号CLKは、クロック信号φ2と周期が異なる。
比較器333には、信号S2及び信号S11が入力される。そして、比較器333は、信号S2と信号S11とが同じであるか否かの比較を行い、当該比較結果に基づいて信号S12を出力する。具体的には、比較器333は、信号S2と信号S11とが同じである場合に信号S12としてLレベルの信号を出力し、異なる場合に信号S12としてHレベルの信号を出力する。
ラッチ回路334は、クロック信号CLKの立ち上がりで信号S12をラッチする。そして、ラッチ回路334は信号S13をDATA更新検出回路331の出力信号としてインバーター335に出力する。
インバーター335は、信号S13の論理レベルを反転し、リセット信号RSTとして判定回路350に出力する。
判定回路350は、第1実施形態と同様に、カウンター351及びデコーダー352を含む。
カウンター351は、リセット信号RSTがHレベルの場合、カウント値をインクリメントし、当該カウント値をデコーダー352に出力する。また、リセット信号RSTがLレベルの場合、カウント値を0にリセットしてデコーダー352に出力する。
デコーダー352は、カウンター351から入力されるカウント値が所定の値を超えた場合、エラー信号ERRを生成し、判定回路350から出力する。
ここで、図31及び図32を用いて、元駆動信号dAが更新されているか否かの検出方法の詳細について説明する。図31は、元駆動信号dAが更新されている場合における検出回路320の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
DAC回路310に含まれる各構成の動作は、第1実施形態と同様であり、その動作の説明を省略する。
ラッチ回路332は、発振回路330が生成するクロック信号CLKの立ち下がりでラッチ回路313が信号S2として保持するデータ信号Daをラッチし、信号S11として出力する。このとき、ラッチ回路313は、信号S2としてデータ信号Daを保持する。したがって、比較器333には同じデータ信号Daが供給される。その結果、比較器333は信号S12としてLレベルの信号を出力する。
元駆動信号dAが更新されている場合、ラッチ回路313は、クロック信号φ2の立ち下がりにおいてデータ信号Dbを信号S2としてラッチする。このとき、ラッチ回路332は、信号S11としてデータ信号Daを保持する。したがって、比較器333には信号S2としてのデータ信号Dbと信号S11としてのデータ信号Daとが供給される。その結果、比較器333は信号S12としてHレベルの信号を出力する。
そして、ラッチ回路334は、クロック信号CLKの立ち下がりにおいて、且つラッチ回路332が信号S2をラッチする前に、信号S12をラッチする。この結果、ラッチ回路334は、信号S13としてのHレベルの信号をDATA更新検出回路331の出力信号としてインバーター335に出力する。
インバーター335は、DATA更新検出回路331が出力するHレベルの信号の論理レベルを反転し、Lレベルのリセット信号RSTを判定回路350に出力する。
次に、図32を用いて元駆動信号dAが更新されていない場合の検出方法の詳細について説明する。図32は、元駆動信号dAが更新されていない場合における検出回路320の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
DAC回路310に含まれる各構成の動作は、第1実施形態と同様であり、その動作の説明を省略する。
ラッチ回路332は、クロック信号CLKの立ち下がりでラッチ回路313が信号S2として保持するデータ信号Daをラッチし、信号S11として出力する。
このとき、ラッチ回路313は、信号S2としてデータ信号Daを保持する。したがって、比較器333には同じデータ信号Daが供給される。その結果、比較器333は信号S12としてLレベルの信号を出力する。
元駆動信号dAが更新されていない場合、ラッチ回路313は、クロック信号φ2の立ち下がりにおいて同じ元駆動信号dAに基づくデータ信号Daをラッチする。このとき、ラッチ回路332は、信号S11としてデータ信号Daを保持する。したがって、比較器333には、同じデータ信号が継続し入力される。その結果、比較器333は、信号S12としてLレベルの信号を出力する。
ラッチ回路334は、クロック信号CLKの立ち下がりにおいて、且つラッチ回路332が信号S2をラッチする前に、信号S12をラッチする。この結果、ラッチ回路334は、信号S13としてのLレベルの信号をDATA更新検出回路331の出力信号としてインバーター335に出力する。
インバーター335は、DATA更新検出回路331が出力するLレベルの信号の論理レベルを反転し、Hレベルのリセット信号RSTを判定回路350に出力する。
判定回路350は、Lレベルのリセット信号RSTが入力された場合、元駆動信号dAは更新されているとして、カウンター351がデコーダー352に出力するカウント値をリセットする。一方、判定回路350は、Hレベルのリセット信号RSTが入力された場合、カウンター351がデコーダー352に出力するカウント値を、クロック信号CLKの立ち下がりにおいて、インクリメントする。そして、判定回路350は、デコーダー352において当該カウント値が所定の値を超えたと判断された場合、エラー信号ERRを出力する。
以上のように、第2実施形態における判定回路350は、元駆動信号dAの更新が行われない場合にエラー信号ERRを出力する。したがって、第1実施形態と同様に、印刷モードにおいて駆動信号COMが一定の電圧を継続して出力することを低減することができる。
また、第2実施形態において、ラッチ回路313はクロック信号φ2の立ち下がりでラッチする。したがって、クロック信号φ2が供給されていない場合、信号S2は更新されない。
すなわち、第2実施形態における検出回路320では、比較器333に供給される信号S2と信号S11との比較に基づいて、クロック信号φ2が供給されているか否かの検出も行う。したがって、第1実施形態の検出回路320の構成に対して、より簡易な構成で元駆動信号dAの更新が行われているか否かの検出、及びクロック信号φ2が供給されているかの検出を行うことができる。したがって、第2実施形態における液体吐出装置1では、第1実施形態と同様の作用効果を、より小さな構成で実現することが可能となる。
3 第3実施形態
次に、図33及び図34を用いて、第3実施形態の液体吐出装置1について説明する。
第3実施形態の液体吐出装置1は、検出回路320が、駆動信号生成回路50から出力される駆動信号COMに基づいて、当該駆動信号COMが一定であるかの検出を行う点で、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下では、第1実施形態及び第2実施形態と重複する説明は省略又は簡略し、主として第1実施形態及び第2実施形態と異なる内容について説明する。
図33は、第3実施形態における駆動信号生成回路50の回路構成を示すブロック図である。図33に示すように第3実施形態における検出回路320は、端子Vfbを介して帰還される駆動信号COMに基づく信号を検出することで、駆動信号COMが一定であるか否かの検出を行う。
図34は、第3実施形態における検出回路320の電気構成を示す回路図である。
第3実施形態における検出回路320は、微分回路360、ウィンドウコンパレーター回路370、保持回路380及びインバーター390を含む。
微分回路360は、コンパレーター361、コンデンサー362、抵抗363を含む。
コンパレーター361の入力端(+)には、電圧Vref2が供給される。また、コンパレーター361の入力端(-)は、コンデンサー362の一端及び抵抗363の一端と接続される。また、コンパレーター361の出力端は、抵抗363の他端と接続される。
また、コンデンサー362の他端には、図33に示す集積回路500の端子Vfbが接続される。そして、コンデンサー362の他端には、当該端子Vfbを介して駆動信号COMに基づく電圧Vcomが供給される。
以上のように構成された微分回路360は、電圧Vcomの電圧値が変動しない場合、コンパレーター361の出力端子には、電圧Vref2に基づく一定の電圧信号が出力される。一方、電圧Vcomの電圧値が変動した場合、コンパレーター361の出力端子には、当該変動に応じた略パルス形状の電圧信号が出力される。
ウィンドウコンパレーター回路370は、コンパレーター371,372、インバーター377及びオア回路378を含む。
オア回路378は、2つの入力端に供給される信号のそれぞれを反転し、当該反転した信号の論理和を演算し出力する。
コンパレーター371の入力端(-)には微分回路360の出力信号が供給される。また、コンパレーター371の入力端(+)には電圧Vref3が供給される。また、コンパレーター371の出力端にはオア回路378の入力端の一方が接続される。
コンパレーター372の入力端(-)には微分回路360の出力信号が供給される。また、コンパレーター372の入力端(+)には電圧Vref3より小さな電圧Vref4が接続される。また、コンパレーター372の出力端にはインバーター377の入力端が接続される。そして、インバーター377の出力端は、オア回路378の入力端の他方と接続される。
以上のように構成されたウィンドウコンパレーター回路370において、微分回路360から入力される電圧信号の電圧値が、電圧Vref3,Vref4のいずれよりも大きい場合、コンパレーター371及びコンパレーター372は共にLレベルの信号を出力する。
この場合、オア回路378には、コンパレーター371が出力したLレベルの信号と、コンパレーター372が出力したLレベルの信号がインバーター377により反転されたHレベルの信号とが供給される。したがって、オア回路378は、Hレベルの信号を出力する。
また、微分回路360から入力される電圧信号の電圧値が、電圧Vref3,Vref4のいずれよりも小さい場合、コンパレーター371及びコンパレーター372は共にHレベルの信号を出力する。
この場合、オア回路378には、コンパレーター371が出力したHレベルの信号と、コンパレーター372が出力したHレベルの信号がインバーター377により反転されたLレベルの信号とが供給される。したがって、オア回路378は、Hレベルの信号を出力する。
また、微分回路360から入力される電圧信号の電圧値が、電圧Vref3より小さく、電圧Vref4よりも大きい場合、コンパレーター371はHレベルの信号を出力し、コンパレーター372はLレベルの信号を出力する。
この場合、オア回路378には、コンパレーター371が出力したHレベルの信号と、コンパレーター372が出力したLレベルの信号がインバーター377により反転されたHレベルの信号とが供給される。したがって、オア回路378は、Lレベルの信号を出力する。
以上のように、ウィンドウコンパレーター回路370は、微分回路360から入力される電圧信号の電圧値が、電圧Vref3と電圧Vref4との間である場合、Lレベルの信号を出力し、電圧Vref3と電圧Vref4との間でない場合、Hレベルの信号を出力する。この電圧Vref3と電圧Vref4と間の電圧値が、駆動信号COMが所定の範囲であるか否かの検出閾値として機能する。なお、微分回路360に入力される電圧Vre2は、電圧Vref4より大きく、且つ電圧Vref3より小さい電圧値に設定され
る。
保持回路380は、NAND回路381,382,383,384及びインバーター385を含む。
NAND回路381の入力端の一方にはウィンドウコンパレーター回路370の出力が供給され、入力端の他方には制御信号MASKが供給される。また、NAND回路381の出力端はNAND回路383の入力端の一方と接続される。
NAND回路382の入力端の一方にはウィンドウコンパレーター回路370の出力がインバーター385を介して供給され、入力端の他方には制御信号MASKが供給される。また、NAND回路382の出力端はNAND回路384の入力端の一方と接続される。
ここで制御信号MASKとは、ウィンドウコンパレーター回路370の出力に依らず保持回路380の状態を制御するための信号である。本実施形態では、制御信号MASKはHレベルの信号として説明する。
NAND回路383の入力端の他方はNAND回路384の出力端と接続される。また、NAND回路383の出力端はNAND回路384の入力端の他方及びインバーター390の入力端と接続される。
以上のように構成された保持回路380に、ウィンドウコンパレーター回路370からHレベルの信号が入力された場合、NAND回路381はLレベルの信号を出力し、NAND回路382はHレベルの信号を出力し、NAND回路383はHレベルの信号を出力し、NAND回路384はLレベルの信号を出力する。この結果、保持回路380の出力としてNAND回路383,384によりHレベルの信号が保持される。
また、ウィンドウコンパレーター回路370からLレベルの信号が入力された場合、NAND回路381はHレベルの信号を出力し、NAND回路382はLレベルの信号を出力し、NAND回路383はLレベルの信号を出力し、NAND回路384はHレベルの信号を出力する。この結果、保持回路380の出力としてNAND回路383,384によりLレベルの信号が保持される。
そして、保持回路380の出力として保持された信号は、インバーター390を介して判定回路350に出力される。
判定回路350は、第1実施形態と同様に、Hレベルの信号が供給された場合、カウンター351が出力するカウント値をクロック信号CLKの立ち下がりにおいて、インクリメントし、Lレベルの信号が供給された場合、カウンター351が出力するカウント値をリセットする。そして、デコーダー352は、当該カウント値が所定の値を超えた場合、エラー信号ERRを出力する。
以上のように構成された検出回路320では、駆動信号COMの電圧が変動した場合、微分回路360は、当該電圧変動に応じた略パルス形状の電圧信号を出力する。そして、当該パルス形状の電圧信号の電圧値が、電圧Vref3より大きい、又は電圧Vref4より小さい場合、ウィンドウコンパレーター回路370は、Hレベルの信号を出力する。よって、保持回路380はHレベルの信号を出力し、判定回路350には、Lレベルの信号が供給される。したがって、駆動信号COMの電圧値が所定の範囲より大きな変動をした場合、判定回路350は、カウンター351のカウント値をリセットする。
また、駆動信号COMが一定の電圧を継続している場合、微分回路360は、電圧Vref2に基づく一定電位の電圧信号を出力する。この電圧Vref2に基づく一定電位の電圧信号の電圧値は、電圧Vref3より小さく、且つ電圧Vref4より大きい。したがって、ウィンドウコンパレーター回路370は、Lレベルの信号を出力する。よって、保持回路380はLレベルの信号を出力し、判定回路350には、Hレベルの信号が供給される。したがって、駆動信号COMが一定の電圧を継続している場合、判定回路350は、制御回路100にエラー信号ERRを出力する。
第3実施形態に示す液体吐出装置1では、印刷モードにおいて駆動回路51で生成される駆動信号COMの電圧波形を直接検出することが可能となる。したがって、第1実施形態及び第2実施形態に対して、駆動信号COMが一定であるか否かの検出精度を高めることが可能となる。
本発明は、第1実施形態から第3実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…液体吐出装置、2…移動体、3…移動機構、4…搬送機構、10…制御ユニット、20…ヘッドユニット、21…吐出モジュール、24…キャリッジ、31…キャリッジモーター、32…キャリッジガイド軸、33…タイミングベルト、35…キャリッジモータードライバー、40…プラテン、41…搬送モーター、42…搬送ローラー、45…搬送モータードライバー、50…駆動信号生成回路、51…駆動回路、60…圧電素子、70…給電切替回路、80…駆動IC、90…電圧生成回路、100…制御回路、190…フレキシブルケーブル、210…選択制御回路、212…シフトレジスター、214…ラッチ回路、216…デコーダー、230…選択回路、232…インバーター、234…トランスファーゲート、235,236…トランジスター、241,242,243,244…寄生ダイオード、251…P基板、252…ポリシリコン、253,254…N型拡散層、255,256,257,258…電極、261…Nウェル、262…ポリシリコン、263,264…P型拡散層、265,266,267,268…電極、310…DAC回路、311…DACインターフェース、312…比較器、313…ラッチ回路、320…検出回路、321…更新検出回路、322…クロック検出回路、323…NAND回路、324…ラッチ回路、325…比較器、326…ラッチ回路、327…分周回路、328…ラッチ回路、329…微分回路、330…発振回路、331…DATA更新検出回路、332…ラッチ回路、333…比較器、334…ラッチ回路、335…インバーター、350…判定回路、351…カウンター、352…デコーダー、360…微分回路、361…コンパレーター、362…コンデンサー、363…抵抗、370…ウィンドウコンパレーター回路、371,372…コンパレーター、377…インバーター、378…オア回路、380…保持回路、381,382,383,384…NAND回路、385,390…インバーター、410…GVDD生成回路、420…信号選択回路、430…給電制御信号生成回路、431…インバーター、432…トランジスター、450…基準電圧信号生成回路、451…コンパレーター、452,453…トランジスター、454,455,456…抵抗、471,472,473…トランジスター、474,475…抵抗、500…集積回路、510…変調回路、512,513…加算器、514…コンパレーター、515…インバーター、516…積分減衰器、517…減衰器、520…ゲートドライブ回路、521…第1ゲートドライバー、522…第2ゲートドライバー、530…
LC放電回路、531…抵抗、532…トランジスター、541…コンデンサー、542…ダイオード、550…出力回路、551,552…トランジスター、553,554…抵抗、560…ローパスフィルター、561…インダクター、562…コンデンサー、570…第1帰還回路、571,572…抵抗、580…第2帰還回路、581,582…抵抗、583,584,585…コンデンサー、600…吐出部、601…圧電体、610…封止体、611,612…電極、621…振動板、630…圧力室基板、631…キャビティー、632…ノズルプレート、633…吸振体、640…筐体部、641…供給流路、651…ノズル、661…供給口、670…流路基板、671…開口部、672…供給流路、673…連通流路、674…中継流路、Bst,COM-Out,Com-Out,Ctvh,Ctvh-Out,Drv,Drv-In,En,En-In,Err,Err-Out,Gnd,Gnd-In,Gvd,Hdr,Ifb,Ldr,Sw,TG-In,TG-Out,Vbs,Vbs-Out,Vfb,Vhv,Vhv-In…端子、P…媒体

Claims (9)

  1. 駆動信号を出力する駆動回路と、
    前記駆動信号が供給される第1電極と基準電圧信号が供給される第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極との電位差によって変位する圧電素子と、
    前記圧電素子の変位に伴いノズルから吐出される液体が充填されるキャビティーと、
    前記キャビティーと前記圧電素子との間に設けられている振動板と、
    前記駆動信号の元となる元駆動信号の更新が行われているか否かを検出する検出回路と、
    前記検出回路の検出結果に基づいて前記駆動信号が正常であるか否かを判定する判定回路と、
    を備え
    前記判定回路において前記駆動信号が正常でないと判定された場合、前記駆動回路は、前記駆動信号の電圧値を前記基準電圧信号の電圧値に近づくように制御する、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 駆動信号を出力する駆動回路と、
    前記駆動信号が供給される第1電極と基準電圧信号が供給される第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極との電位差によって変位する圧電素子と、
    前記圧電素子の変位に伴いノズルから吐出される液体が充填されるキャビティーと、
    前記キャビティーと前記圧電素子との間に設けられている振動板と、
    前記駆動信号の元となる元駆動信号の更新が行われているか否かを検出する検出回路と、
    前記検出回路の検出結果に基づいて前記駆動信号が正常であるか否かを判定する判定回路と、
    を備え、
    前記判定回路において前記駆動信号が正常でないと判定された場合、前記判定回路は、前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれか一方の電荷を放出させるための信号を出力する、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記検出回路において前記元駆動信号の更新が所定の期間継続して行われていないと検出された場合、前記判定回路は、前記駆動信号が正常でないと判定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 駆動信号を出力する駆動回路と、
    前記駆動信号が供給される第1電極と基準電圧信号が供給される第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極との電位差によって変位する圧電素子と、
    前記圧電素子の変位に伴いノズルから吐出される液体が充填されるキャビティーと、
    前記キャビティーと前記圧電素子との間に設けられている振動板と、
    前記駆動信号の電圧変動が所定の範囲内であるか否かを検出する検出回路と、
    前記検出回路の検出結果に基づいて前記駆動信号が正常であるか否かを判定する判定回路と、
    を備え、
    前記検出回路において前記駆動信号の前記電圧変動が所定の期間継続して、前記所定の範囲内であると検出された場合、前記判定回路は、前記駆動信号が正常でないと判定する、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  5. 前記検出回路は、前記駆動信号に基づいて前記駆動信号の前記電圧変動が前記所定の範囲内であるか否かを検出する、
    ことを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記判定回路において前記駆動信号が正常でないと判定された場合、前記駆動回路は、前記駆動信号の電圧値を前記基準電圧信号の電圧値に近づくように制御する、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記判定回路において前記駆動信号が正常でないと判定された場合、前記判定回路は、前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれか一方の電荷を放出させるための信号を出力する、
    ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 第1電極と第2電極との間に生じる電位差によって変位する圧電素子と、前記圧電素子の変位に伴いノズルから吐出される液体が充填されるキャビティーと、前記キャビティーと前記圧電素子との間に設けられている振動板と、を有する液体吐出装置に用いられる駆動信号生成回路であって、
    前記圧電素子の前記第1電極に供給される駆動信号を出力する駆動回路と、
    前記駆動信号の元となる元駆動信号の更新が行われているか否かを検出する検出回路と、
    前記検出回路の検出結果に基づいて前記駆動信号が正常か否かを判定する判定回路と、
    を備え
    前記判定回路において前記駆動信号が正常でないと判定された場合、前記判定回路は、前記第1電極及び前記第2電極の少なくともいずれか一方の電荷を放出させるための信号を出力する、
    駆動信号生成回路。
  9. 第1電極と第2電極との間に生じる電位差によって変位する圧電素子と、前記圧電素子の変位に伴いノズルから吐出される液体が充填されるキャビティーと、前記キャビティーと前記圧電素子との間に設けられている振動板と、を有する液体吐出装置に用いられる駆
    動信号生成回路であって、
    前記圧電素子の前記第1電極に供給される駆動信号を出力する駆動回路と、
    前記駆動信号の電圧変動が所定の範囲内であるか否かを検出する検出回路と、
    前記検出回路の検出結果に基づいて前記駆動信号が正常か否かを判定する判定回路と、
    を備え、
    前記検出回路において前記駆動信号の前記電圧変動が所定の期間継続して、前記所定の範囲内であると検出された場合、前記判定回路は、前記駆動信号が正常でないと判定する、
    駆動信号生成回路。
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