JP7166867B2 - 記録装置および記録装置の制御方法 - Google Patents

記録装置および記録装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、記録ヘッドと記録ヘッドを含む循環経路でインクを循環させる記録装置および記録装置の制御方法に関する。
インクジェットにおいて記録ヘッドの吐出口からインク中の揮発成分が蒸発することが原因で吐出口近傍のインクの粘度が上昇するという問題がある。この問題の対策の1つとして、記録ヘッドに供給するインクを循環路内において循環させる方法が知られている。しかし、インクが循環されることによりインクの吐出口に常にフレッシュなインクが供給されるため、吐出口から水分蒸発が起こり、循環路全体のインクの濃度が徐々に上がるという問題がある。
循環路全体のインクの濃度が上がること、および吐出口近傍のインク中の揮発成分が蒸発することを防ぐため、特許文献1には、記録が終了した際はインクの循環を停止させる技術が記載されている。
特開2017-121784号公報
記録ヘッドは記録ヘッド温度を上げて高止まりの状態にするための加熱用ヒータを備えている場合がある。また記録ヘッドはインクを熱エネルギにより発泡させるため発熱素子を記録素子として備えている場合がある。このため記録動作が長時間行われると、加熱用ヒータや記録素子の影響による記録ヘッドの部材が蓄熱した熱の影響で、記録ヘッドの温度が下がりきらず吐出口近傍の温度が高い状態が続くことが想定される。そのような場合に、特許文献1のように記録終了後にインクの循環を停止させると吐出口近傍のインクが増粘し吐出に影響を与える虞がある。
本発明による記録装置は、インクを吐出する吐出口と、前記吐出口から吐出するインクを充填する圧力室と、を備え、前記吐出口からインクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、前記記録動作が行われる場合、前記圧力室を含む循環経路でインクを循環させる循環手段と、を有する記録装置であって、前記記録ヘッドの温度に関する情報を取得する第一の取得手段と、前記記録動作の終了の後、前記第一の取得手段による取得結果に基づき、前記記録ヘッドの温度が所定の温度より高い場合には前記循環手段にインクを循環させ、前記記録ヘッドの温度が前記所定の温度以下である場合には前記循環手段によりインクの循環を行わないように前記循環手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、インクの増粘による吐出口への影響が抑えられ、正常に記録を行うことができる。
記録装置が待機状態にあるときの図である。 記録装置の制御構成図である。 記録装置が記録状態にあるときの図である。 記録装置がメンテナンス状態にあるときの図である。 (a)および(b)は、メンテナンスユニットの構成を示す斜視図である。 インク循環系の流路構成を説明する図である。 記録ヘッドを示した斜視図である。 1つの吐出モジュールを示した図である。 記録素子基板を示した図である。 吐出口と圧力室とを説明する図である。 記録動作による記録ヘッドの温度変化を示した図である。 記録ヘッドの温度に応じて全色循環を行う処理を示すフローチャートである。 環境温度とαの関係を示す図である。 記録ヘッドの温度に応じて全色循環を行う処理を示すフローチャートである。 記録動作の時間に応じて全色循環を行う処理を示すフローチャートである。 記録動作時間とウエイト時間の関係を示す図である。 記録動作の時間に応じて全色循環を行う処理を示すフローチャートである。
<第一の実施形態>
図1は、本実施形態で使用するインクジェット記録装置1(以下、記録装置1)の内部構成図である。図において、x方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列される方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。
記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADF(オートドキュメントフィーダ)とFBS(フラットベッドスキャナ)を備えており、ADFによって自動給紙される原稿の読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。なお、本実施形態はプリント部2とスキャナ部3を併せ持った複合機であるが、スキャナ部3を備えない形態であってもよい。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。
プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。
搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側および下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送ローラ7の下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配される搬送ローラ7及び排出ローラ12と共に記録媒体Sを挟持して搬送する。
ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載保持するためのトレイである。
本実施形態の記録ヘッド8は、フルラインタイプのカラーインクジェット記録ヘッドであり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って記録媒体Sの幅に相当する分だけ複数配列されている。即ち、記録ヘッド8は、複数のインク種別にインクが吐出可能に構成されている。本実施形態では、複数色のインクを吐出可能に構成されている。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aは、図1のように鉛直下方を向きキャップユニット10によってキャップされている。記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳しく説明する。
インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。本実施形態では循環型のインク供給系を採用しており、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。
メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17を備え、所定のタイミングにこれらを作動させて、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。メンテナンス動作については後に詳しく説明する。
図2は、記録装置1における制御構成を示すブロック図である。制御構成は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下に制御構成の詳細について説明する。
コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。
なお、記録装置1は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えばホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナ部3に送信する。
操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、印刷モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。
プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとしながら、プリント部2が備える各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ202は、これを一旦RAM204に保存する。記録ヘッド8が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させる。記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す給送ユニット6A、6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、印刷処理が行われる。
ヘッドキャリッジ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド8の向きや位置を変更する。インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17の動作を制御する。
スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えばコントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザによってADFに搭載された原稿を、搬送制御部304を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。なお、プリントコントローラ202は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。本実施形態において、プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。
記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動する際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、キャップユニット10を図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材10aと離間する。その後、プリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを調整しながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。
次に、プリント部2における記録媒体Sの搬送経路について説明する。記録コマンドが入力されると、プリントコントローラ202は、まず、メンテナンス制御部210およびヘッドキャリッジ制御部208を用いて、記録ヘッド8を図3に示す記録位置に移動する。その後、プリントコントローラ202は搬送制御部207を用い、記録コマンドに従って第1給送ユニット6Aおよび第2給送ユニット6Bのいずれかを駆動し、記録媒体Sを給送する。
図4は、記録装置1がメンテナンス状態のときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図4に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向において上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図4における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図4に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
図5(a)はメンテナンスユニット16が待機ポジションにある状態を示す斜視図であり、図5(b)はメンテナンスユニット16がメンテナンスポジションにある状態を示す斜視図である。図5(a)は図1に対応し、図5(b)は図4に対応している。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、メンテナンスユニット16は図5(a)に示す待機ポジションにあり、キャップユニット10は鉛直方向上方に移動しており、ワイピングユニット17はメンテナンスユニット16の内部に収納されている。キャップユニット10はy方向に延在する箱形のキャップ部材10aを有し、これを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させることにより、吐出口からのインクの蒸発を抑制することができる。また、キャップユニット10は、キャップ部材10aに予備吐出等で吐出されたインクを回収し、回収したインクを不図示の吸引ポンプに吸引させる機能も備えている。
一方、図5(b)に示すメンテナンスポジションにおいて、キャップユニット10は鉛直方向下方に移動しており、ワイピングユニット17がメンテナンスユニット16から引き出されている。ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171とバキュームワイパユニット172の2つのワイパユニットを備えている。
ブレードワイパユニット171には、吐出口面8aをx方向に沿ってワイピングするためのブレードワイパ171aが吐出口の配列領域に相当する長さだけy方向に配されている。ブレードワイパユニット171を用いてワイピング動作を行う際、ワイピングユニット17は、記録ヘッド8がブレードワイパ171aに当接可能な高さに位置決めされた状態で、ブレードワイパユニット171をx方向に移動する。この移動により、吐出口面8aに付着するインクなどはブレードワイパ171aに拭き取られる。
ブレードワイパ171aが収納される際のメンテナンスユニット16の入り口には、ブレードワイパ171aに付着したインクを除去するとともにブレードワイパ171aにウェット液を付与するためのウェットワイパクリーナ16aが配されている。ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16に収納される度にウェットワイパクリーナ16aによって付着物が除去されウェット液が塗布される。そして、次に吐出口面8aをワイピングしたときにウェット液を吐出口面8aに転写し、吐出口面8aとブレードワイパ171a間の滑り性を向上させている。
一方、バキュームワイパユニット172は、y方向に延在する開口部を有する平板172aと、開口部内をy方向に移動可能なキャリッジ172bと、キャリッジ172bに搭載されたバキュームワイパ172cとを有する。バキュームワイパ172cは、キャリッジ172bの移動に伴って吐出口面8aをy方向にワイピング可能に配されている。バキュームワイパ172cの先端には、不図示の吸引ポンプに接続された吸引口が形成されている。このため、吸引ポンプを作動させながらキャリッジ172bをy方向に移動すると、記録ヘッド8の吐出口面8aに付着したインク等は、バキュームワイパ172cによって拭き寄せられながら吸引口に吸い込まれる。この際、平板172aと開口部の両端に設けられた位置決めピン172dは、バキュームワイパ172cに対する吐出口面8aの位置合わせに利用される。
本実施形態では、ブレードワイパユニット171によるワイピング動作を行いバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を行わない第1のワイピング処理と、両方のワイピング処理を順番に行う第2のワイピング処理を実施することができる。第1のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図4のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16から引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。この移動により、吐出口面8aに付着するインク等はブレードワイパ171aに拭き取られる。すなわち、ブレードワイパ171aは、メンテナンスユニット16から引き出された位置からメンテナンスユニット16内へ移動する際に吐出口面8aをワイピングする。
ブレードワイパユニット171が収納されると、プリントコントローラ202は、次にキャップユニット10を鉛直方向上方に移動させ、キャップ部材10aを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させる。そして、プリントコントローラ202は、その状態で記録ヘッド8を駆動して予備吐出を行わせ、キャップ部材10a内に回収されたインクを吸引ポンプによって吸引する。
一方、第2のワイピング処理を行う際、プリントコントローラ202は、まず、記録ヘッド8を図4のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて引き出す。そして、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8をブレードワイパ171aに当接可能な位置まで鉛直方向下方に移動させた後、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16内へ移動させる。これにより、ブレードワイパ171aによるワイピング動作が吐出口面8aに対して行われる。次に、プリントコントローラ202は、再び記録ヘッド8を図4のメンテナンス位置よりも鉛直方向上方に退避させた状態で、ワイピングユニット17をメンテナンスユニット16からスライドさせて所定位置まで引き出す。続いて、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を図4に示すワイピング位置に下降させながら、平板172aと位置決めピン172dを用いて吐出口面8aとバキュームワイパユニット172の位置決めを行う。その後、プリントコントローラ202は、上述したバキュームワイパユニット172によるワイピング動作を実行する。プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向上方に退避させ、ワイピングユニット17を収納した後、第1のワイピング処理と同様に、キャップユニット10によるキャップ部材内への予備吐出と回収したインクの吸引動作を行う。
[インク供給ユニット]
図6は、本実施形態のインクジェット記録装置1で採用するインク供給ユニット15を含む図である。図6を用いて本実施形態のインク循環系の流路構成を説明する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14から供給されたインクを記録ヘッド8(ヘッドユニット)へ供給する。実際にはこのような構成が複数の種類のインク種ごとに用意されている。本実施形態では、インク色ごとにこのような構成が用意されている。つまり図6では、1色のインクについての構成を示しているが、実際にはこのような流路構成が、インク色ごとに用意されている。インク供給ユニット15は、基本的に図2で示したインク供給制御部209によって制御される。以下、インク供給ユニット15の各構成について説明する。
インクは、主にサブタンク151と記録ヘッド8との間を循環する。記録ヘッド8では、画像データに基づいてインクの吐出動作が行われ、吐出されなかったインクが再びサブタンク151に回収される。
所定量のインクを収容するサブタンク151は、記録ヘッド8へインクを供給するための供給流路C2と、記録ヘッド8からインクを回収するための回収流路C4とに接続されている。すなわち、サブタンク151、供給流路C2、記録ヘッド8、および回収流路C4によってインクが循環する循環流路(循環経路)が構成される。また、サブタンク151は、空気が流れる流路C0に接続されている。
サブタンク151には複数の電極ピンで構成される液面検知手段151aが設けられている。インク供給制御部209は、これら複数のピン間の導通電流の有無を検知することによって、インク液面の高さ、即ちサブタンク151内のインク残量を把握することができる。減圧ポンプP0(タンク内減圧ポンプ)は、サブタンク151のタンク内部を減圧するための負圧発生源である。大気開放弁V0は、サブタンク151の内部を大気に連通させるか否かを切り替えるための弁である。
メインタンク141は、サブタンク151へ供給されるインクを収容するタンクである。メインタンク141は、記録装置本体に対して着脱可能な構成である。サブタンク151とメインタンク141とを接続するタンク接続流路C1の途中には、サブタンク151とメインタンク141の接続を切り替えるためのタンク供給弁V1が配されている。
インク供給制御部209は、液面検知手段151aによってサブタンク151内のインクが所定量より少なくなったことを検知すると、大気開放弁V0、供給弁V2、回収弁V4、およびヘッド交換弁V5を閉じる。またインク供給制御部209は、タンク供給弁V1を開く。この状態において、インク供給制御部209は減圧ポンプP0を作動させる。すると、サブタンク151の内部が負圧となりメインタンク141からサブタンク151へインクが供給される。液面検知手段151aによってサブタンク151内のインクが所定量を超えたことを検知すると、インク供給制御部209は、タンク供給弁V1を閉じ減圧ポンプP0を停止する。
供給流路C2は、サブタンク151から記録ヘッド8へインクを供給するための流路であり、その途中には供給ポンプP1と供給弁V2とが配されている。記録動作中は、供給弁V2を開いた状態で供給ポンプP1を駆動することにより、記録ヘッド8へインクを供給しつつ循環経路においてインクを循環することができる。記録ヘッド8によって単位時間あたりに吐出されるインクの量は画像データに応じて変動する。供給ポンプP1の流量は、記録ヘッド8が単位時間あたりのインク消費量が最大となる吐出動作を行った場合にも対応できるように決定されている。
リリーフ流路C3は、供給弁V2の上流側であって、供給ポンプP1の上流側と下流側とを接続する流路である。リリーフ流路C3の途中には差圧弁であるリリーフ弁V3が配される。リリーフ弁は、駆動機構によって開閉されるのではなく、ばね付勢されており、所定の圧に達すると弁が開くように構成されている。例えば、供給ポンプP1からの単位時間あたりのインク供給量が、記録ヘッド8の単位時間あたりの吐出量と回収ポンプP2の単位時間あたりの流量(インクを引く量)との合計値よりも多い場合は、リリーフ弁V3は、自身に作用する圧力に応じて開放される。これにより、供給流路C2の一部とリリーフ流路C3とで構成される巡回流路が形成される。リリーフ流路C3の構成を設けることにより、記録ヘッド8に対するインク供給量が、記録ヘッド8でのインク消費量に応じて調整され、循環経路内の圧力を画像データによらず安定させることができる。
回収流路C4は、記録ヘッド8からサブタンク151へインクを回収するための流路であり、その途中には回収ポンプP2と回収弁V4とが配されている。回収ポンプP2は、循環経路内にインクを循環させる際、負圧発生源となって記録ヘッド8よりインクを吸引する。回収ポンプP2の駆動により、記録ヘッド8内のIN流路211とOUT流路212の間に適切な圧力差が生じ、IN流路211とOUT流路212の間でインクを循環させることができる。
回収弁V4は、記録動作を行っていないとき、すなわち循環経路内にインクを循環させていないときの逆流を防止するための弁でもある。本実施形態の循環経路では、サブタンク151は記録ヘッド8よりも鉛直方向において上方に配置されている(図1参照)。このため、供給ポンプP1や回収ポンプP2を駆動していないとき、サブタンク151と記録ヘッド8との水頭差によって、サブタンク151から記録ヘッド8へインクが逆流してしまうおそれがある。このような逆流を防止するため、本実施形態では回収流路C4に回収弁V4を設けている。
なお、供給弁V2も、記録動作を行っていないとき、すなわち循環経路内にインクを循環させていないときに、サブタンク151から記録ヘッド8へのインクの供給を防止するための弁としても機能する。
ヘッド交換流路C5は、供給流路C2とサブタンク151の空気室(インクが収容されていない空間)とを接続する流路であり、その途中にはヘッド交換弁V5が配されている。ヘッド交換流路C5の一端は、供給流路C2における記録ヘッド8の上流に接続され、供給弁V2より下流側に接続される。ヘッド交換流路C5の他端は、サブタンク151の上方に接続してサブタンク151内部の空気室と連通する。ヘッド交換流路C5は、記録ヘッド8を交換する際や記録装置1を輸送する際など、使用中の記録ヘッド8からインクを引き抜くときに利用される。ヘッド交換弁V5は、記録ヘッド8にインクを充填するとき、および、記録ヘッド8からインクを回収するとき以外は閉じるように、インク供給制御部209によって制御される。
次に、記録ヘッド8内の流路構成について説明する。供給流路C2より記録ヘッド8に供給されたインクは、フィルタ830を通過した後、第1の負圧制御ユニット810と、第2の負圧制御ユニット820とに供給される。第1の負圧制御ユニット810は、弱い負圧(大気圧との圧力差が小さい負圧)に制御圧力が設定されている。第2の負圧制御ユニット820は、強い負圧(大気圧との圧力差が大きい負圧)に制御圧力が設定されている。これら第1の負圧制御ユニット810と第2の負圧制御ユニット820における圧力は、回収ポンプP2の駆動により適正な範囲で生成される。
インク吐出部800には、複数の吐出口が配列された記録素子基板115が複数配置され、長尺の吐出口列が形成されている。第1の負圧制御ユニット810より供給されるインクを導くための共通供給流路211(IN流路)と、第2の負圧制御ユニット820より供給されるインクを導くための共通回収流路212(OUT流路)も、記録素子基板115の配列方向に延在している。さらに個々の記録素子基板115には、共通供給流路211と接続する個別供給流路と、共通回収流路212と接続する個別回収流路が形成されている。このため、個々の記録素子基板115においては、相対的に負圧の弱い共通供給流路211より流入し、相対的に負圧の強い共通回収流路212へ流出するような、インクの流れが生成される。個別供給流路と個別回収流路との経路中に、各吐出口に連通し、インクが充填される圧力室が設けられており、記録を行っていない吐出口や圧力室においてもインクの流れが生じる。記録素子基板115で吐出動作が行われると、共通供給流路211から共通回収流路212へ移動するインクの一部は吐出口から吐出されることによって消費されるが、吐出されなかったインクは共通回収流路212を経て回収流路C4へ移動する。
[記録ヘッド構成の説明]
図7は、本実施形態に係る記録ヘッド8を示した斜視図である。記録ヘッド8は、1つの記録素子基板115でシアンC/マゼンタM/イエロY/ブラックKの4色のインクを吐出可能な記録素子基板115を直線上に15個配列(インラインに配置)されるライン型の記録ヘッドである。図7に示すように記録ヘッド8は、各記録素子基板115と、フレキシブル配線基板40および電気配線基板90を介して電気的に接続された信号入力端子91と電力供給端子92を備える。信号入力端子91および電力供給端子92は、記録装置1の制御部と電気的に接続され、それぞれ吐出駆動信号および吐出に必要な電力を記録素子基板115に供給する。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号入力端子91および電力供給端子92の数を記録素子基板115の数に比べて少なくすることができる。これにより、記録装置1に対して記録ヘッド8を組み付ける時または記録ヘッドの交換時に取り外しが必要な電気接続部数が少なくて済む。
図8(a)は、記録素子基板115とフレキシブル配線基板40とを含む部品である吐出モジュール240の1つ示した斜視図であり、図12(b)は、その分解図である。吐出モジュール240の製造方法としては、まず記録素子基板115およびフレキシブル配線基板40を、予め液体連通口31が設けられた支持部材30上に接着する。その後、記録素子基板115上の端子161と、フレキシブル配線基板40上の端子41とをワイヤーボンディングによって電気接続し、その後にワイヤーボンディング部(電気接続部)を封止部材110で覆って封止する。フレキシブル配線基板40の記録素子基板115と反対側の端子42は、電気配線基板90の接続端子(不図示)と電気接続される。支持部材30は、記録素子基板115を支持する支持体であるとともに、記録素子基板115と液体を記録素子基板115へ分配する流路部材とを流体的に連通させる部材である。このため、平面度が高く、また十分に高い信頼性をもって記録素子基板と接合できるものが好ましい。材質としては例えばアルミナや樹脂材料が好ましい。
図9は、記録ヘッド8の記録素子基板115を示した斜視図である。記録素子基板115は、基板112と、基板112と対向し基板112に接合された吐出口形成部材120と、を有している。基板112にはインクを吐出するための記録素子160(図10(b)参照)が設けられている。吐出口形成部材120には、記録媒体と対向する側の開口として吐出口132が設けられており、この吐出口から記録媒体に対してインクが吐出される。また、記録素子基板115には発熱素子である加熱用ヒータ113を備えている。加熱用ヒータ113の説明については後述する。なお、吐出口形成部材120の吐出口132の開口した面(記録媒体と対向する面)を吐出口形成面(吐出口面)8aという場合がある。
[記録素子基板内の循環の説明]
図10(a)は記録素子基板115の一部を拡大した平面模式図であり、図10(b)は、図10(a)の断面線Xb-Xbにおける断面模式図である。記録素子基板115には、インクが充填される圧力室23とインクを吐出する吐出口132が設けられている。圧力室23において、吐出口132と対向する位置には記録素子160が設けられている。また、記録素子基板115には、共通供給流路211と接続する個別供給流路180と、共通回収流路212と接続する個別回収流路190とが吐出口132毎に複数形成されている。
上述した構成により、記録素子基板115では、相対的に負圧の弱い(圧力の絶対値が高い)共通供給流路211より流入し、相対的に負圧の強い(圧力の絶対値が低い)共通回収流路212へ流出するインクの流れが生成される。より詳しくは、共通供給流路211→個別供給流路180→圧力室23→個別回収流路190→共通回収流路212の順にインクが流れる。記録素子160によってインクが吐出されると、共通供給流路211から共通回収流路212へ移動するインクの一部は吐出口132から吐出されることによって記録ヘッド8の外部へ排出される。一方、吐出口132から吐出されなかったインクは、共通回収流路212を経て回収流路C4へ回収される。
以上の構成のもと、記録動作を行うとき、インク供給制御部209は、タンク供給弁V1とヘッド交換弁V5とを閉じ、大気開放弁V0、供給弁V2、および回収弁V4を開き、供給ポンプP1および回収ポンプP2を駆動する。これにより、サブタンク151→供給流路C2→記録ヘッド8→回収流路C4→サブタンク151の循環経路が確立する。供給ポンプP1からの単位時間あたりのインク供給量が記録ヘッド8の単位時間あたりの吐出量と回収ポンプP2における単位時間あたりの流量の合計値よりも多い場合は、供給流路C2からリリーフ流路C3にインクが流れ込む。これにより、供給流路C2から記録ヘッド8に流入するインクの流量が調整される。
記録動作を行っていないとき、インク供給制御部209は、供給ポンプP1および回収ポンプP2を停止し、大気開放弁V0、供給弁V2、および回収弁V4を閉じる。これにより、記録ヘッド8内のインクの流れは止まり、サブタンク151と記録ヘッド8の水頭差による逆流も抑制される。また、大気開放弁V0を閉じることで、サブタンク151からのインク漏れやインクの蒸発が抑制される。
記録ヘッド8からインクを回収するとき、インク供給制御部209は、大気開放弁V0、タンク供給弁V1、供給弁V2、および回収弁V4を閉じ、ヘッド交換弁V5を開き、減圧ポンプP0を駆動する。これにより、サブタンク151内が負圧状態になり、記録ヘッド8内のインクは、ヘッド交換流路C5を経由してサブタンク151へ回収される。このように、ヘッド交換弁V5は、通常の記録動作や待機時には閉じられており、記録ヘッド8からインクを回収する際に開放される弁である。なお、記録ヘッド8への充填においてヘッド交換流路C5にインクを充填する際もヘッド交換弁V5は開放される。
[長時間記録動作後の蓄熱影響]
記録装置1は、記録素子基板115の温度を上げるための加熱用ヒータ113を備えている。単位面積あたりに多くのインクを打ち込む高Duty記録をするためにインクを吐出している最中に、記録素子基板115の温度が上昇することがある。本実施形態は、記録素子基板115の温度上昇が原因となって引き起こされる画像品位の劣化に対処するため、インク吐出による記録動作の前段階で加熱用ヒータ113を用いて記録素子基板115の温度が40℃になるようにして高止まりの状態にしている。これにより、インク吐出による記録中に記録素子基板115の温度が上昇することを抑え、画像品位の劣化を防いでいる。
前述のとおり記録素子基板115は支持部材30の上に接着されている。記録動作中、記録素子基板115の温度が40℃になるように、加熱用ヒータ113で温度調整を行っている。記録素子基板115の温度を逃がすために、記録素子基板115は記録ヘッド8を構成する他の部材に比べ相対的に熱伝導率が高い材質によって形成されている。記録素子基板115と接している支持部材30は、アルミナ等で形成されており記録素子基板115よりも熱伝導率が低い部材である。このため記録動作が長時間続くと記録素子基板115を温度調整するために発生させた熱、または記録素子160の熱によって、記録素子基板115と接している支持部材30が蓄熱することになる。
図11(a)は、比較例として、室温が30℃の環境において、記録ヘッド8の記録素子基板115の温度が40℃になるように温度調整がされ、160秒間連続して記録動作が行われたときの経過時間と記録素子基板115の温度変化を示すグラフである。この例では、記録動作の終了時に、記録ヘッド8の記録素子基板115の温度調整は終了し、インクの循環についても停止しており、吐出口面8aはキャップクローズされている。図11(a)の曲線における経過時間が160秒以降の縦軸の値は、記録動作終了後の記録素子基板115の温度変化を示していることになる。経過時間が160秒以降であっても支持部材30の蓄熱の影響により記録素子基板115の温度は下がりにくくなっており室温である30℃よりも高い温度で維持されていることが分かる。このような状態では吐出口132からインクの水分が蒸発し吐出口132近傍のインクが増粘する。よって、このような状態のまま数分後に記録動作を行うと吐出不良になる虞がある。
このため本実施形態は、記録動作の終了後において、記録ヘッド8の記録素子基板115の温度が所定の温度より大きい場合は、インクの循環を行うことで記録素子基板115の温度を下げる形態である。図11(b)は、図11(a)と同じ条件において、本実施形態によって記録動作を行ったときにおける時間変化と記録素子基板115の温度変化を示すグラフである。グラフの曲線における経過時間が160秒以降の縦軸の値は、記録動作終了後の記録素子基板115の温度変化を示していることになる。本実施形態では、記録動作の終了後においても記録ヘッド8を含む循環経路でインクが循環されている。このため、室温のインクが供給路側から記録ヘッド8の内部に供給さることにより記録素子基板115を冷却する効果が生じ、160秒以降の記録素子基板115の温度は室温に近付いているのが分かる。このように本実施形態では、記録ヘッド8の温度は図11(a)の比較例に比べ早く下がるため、吐出口近傍のインクが蒸発することによるインクの増粘を抑制することができ、インクの吐出不良を抑制することができる。
[フローチャート]
図12は、記録ヘッド8の温度が所定の温度より大きい場合、記録ヘッド8の温度を下げるためにインクの循環を行う処理の詳細を示すフローチャートである。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。本フローチャートは記録ヘッド8によって記録動作を終了した後から開始される。
S1201において、プリントコントローラ202は、記録動作の終了に伴いインクの循環を停止させる。本実施形態では、記録動作中においては、記録ヘッド8を含む循環経路にてインクが循環されている。記録動作終了後において、循環経路にあるインクの濃縮を防ぐため記録動作の終了のタイミングで、インクの循環は停止する。
S1202において、プリントコントローラ202は、記録素子基板115を加熱するための加熱用ヒータ113を停止し、記録ヘッド8の温度調整を停止する。
S1203において、プリントコントローラ202は、キャップ部材10aを記録ヘッド8の吐出口面8aに当接させキャップクローズの状態にする。記録動作の終了後、S1201、S1202およびS1203の処理が並行して行われ、S1201、S1202およびS1203の処理が完了すると、S1204の処理に進む。
S1204において、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8の温度および環境温度に関する情報を取得する。記録装置1には、記録素子基板115のそれぞれの温度計測をするための温度計のセンサ(不図示)が備えてあり、プリントコントローラ202は、任意のタイミングで記録素子基板115の温度を取得することが可能である。センサは例えば半導体で形成されており、ここではセンサの抵抗値を記録ヘッドの温度についての情報としての取得結果とすることで、温度を検知する。本実施形態では、プリントコントローラ202は、取得した情報が示す記録素子基板115の温度から一番高い温度を記録ヘッド8の温度として決定する。
なお、記録ヘッド8の温度の決定の方法は上記の方法に限られない。記録素子基板115の温度に基づいて平均値を求めるような数式を用いて記録ヘッド8の温度を決定してもよいし、記録ヘッド8を構成している他の部材の温度から記録ヘッド8の温度を決定してもよい。
また、記録装置1は、環境温度を計測するための温度計(不図示)を備えており、プリントコントローラ202は、任意のタイミングで環境温度を取得することが可能である。環境温度を計測するための温度計のセンサの配置場所は、記録装置1の機内昇温の影響を受けず記録装置1の設置場所の室温と同等の温度が計測できる場所であればよい。例えば、本実施形態では、図5のメンテナンスユニット16のセンサ配置場所165に環境温度を計測するためのセンサが配置される。
S1205において、プリントコントローラ202は、取得した記録ヘッド8の温度が、取得した環境温度に所定の値αを加えた「判定温度」より大きいかを判定する。以降の処理では、記録ヘッド8の温度が判定温度以下になるまでインクの循環が行われることになる。つまり、判定温度は記録動作の終了後にインクの循環を行うか判定するための基準となる温度である。記録ヘッド8の温度が判定温度以下であった場合(S1205がNO)は処理を終了する。記録ヘッド8の温度が判定温度より大きい場合(S1205がYES)は、S1206に進む。
ここで、判定温度を決定するためのαについては、図13に示すようなテーブルを参照し、取得した環境温度に対応したαを決定する。なお、図13のテーブルは例示に過ぎず、環境温度とαが対応している他のテーブルを用いてもよい。テーブルは一般的に図13のように、環境温度が高くなるにつれて、αは小さい値となるように示されたテーブルである。温度が高い方が飽和水蒸気量は多く、キャップクローズ後のインクの水分蒸発による影響が大きくなる。このため、環境温度が高い場合は、インクの循環することで記録ヘッド8の温度を下げることができる限界の温度である環境温度近くまで記録ヘッド8の温度を下げることが好ましい。よって、環境温度が高い場合には、判定温度は環境温度に近い温度となるように環境温度が高くなるにつれてαは小さい値となるように設定されている。
判定温度を決定するためにはテーブルの代わりに、環境温度を代入する数式を用いて判定温度を決定してもよい。図13のテーブルは、ROM203に予め記憶されており、プリントコントローラ202は任意のタイミングでテーブルを参照することが可能となっている。
S1206においてプリントコントローラ202は、インクの循環を開始する。本実施形態ではインク色ごとの循環経路を持ち、インク色ごとに循環可能な構成となっている。ここで循環させるインクは全種類のインク種である全色のインクを循環させる循環モードによってインクを循環させることが望ましい。インク色ごとの吐出口132は同一の記録素子基板115上に配置されており、蓄熱影響は全色の吐出口132にまたがって起きている可能性がある。このため、記録素子基板115の温度を下げるためには前のジョブの記録動作において循環されていたインク色に限らず全色循環の循環モードによって循環が行われることが望ましい。
S1207においてプリントコントローラ202は、記録装置1を1秒間ウエイトさせる。ウエイトとは、記録動作を行わないでインクの循環が行なわれる状態を維持することをいう。つまり、ここでは記録ヘッド8を冷却するために1秒間インクの循環が行われる。
S1208においてプリントコントローラ202は、再度、現在の記録ヘッド8の温度および現在の環境温度を取得する。
S1209の処理はS1205の処理と同じ処理であり、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8の温度が判定温度より大きいか判定する。記録ヘッド8の温度が判定温度以下であった場合(S1209がNO)はS1210に進み、プリントコントローラ202は、インクの循環を終了して処理を終了する。
記録ヘッド8の温度が判定温度より大きい場合(S1209がYES)は、再度S1207の処理に戻る。このため、記録ヘッド8の温度が判定温度以下になるまでS1207からS1209の処理が約1秒ごとに繰り返し行われることになる。即ち、記録ヘッド8の温度が判定温度以下になるまでインクの循環が行われる。
S1207におけるウエイト時間の1秒は例示であり、1秒に限られるものではない。プリントコントローラ202における処理を減らすためには1秒より長くしてもよい。反対に、よりタイムリーにインクの循環を停止させたい場合は、S1207におけるウエイト時間は1秒より短くしてもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、記録動作が終了した後も記録ヘッド8が高い温度で維持されている場合、インクの循環を行うことにより記録ヘッド8の温度を下げることができる。これにより吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができる。また、本実施形態によれば、記録動作の終了後において吐出口近傍にインクの増粘が生じていた場合であっても全色循環を行うことにより増粘したインクの回収することができる。こうしてインク増粘による吐出不良を防ぐことができる。また、1秒ごとに記録ヘッド8の温度の判定を行うため、記録動作終了後に行われるインクを循環させる時間は、必要な長さとすることができ、長い時間インクの循環が行われることによるインクの濃縮も防ぐことができる。
<第二の実施形態>
本実施形態の説明では、記録ヘッド8の温度が所定の温度より大きい場合は、記録ヘッド8の温度を下げるためにインクの循環を行う形態であるが、第一の実施形態とは別の実施形態を説明する。本実施形態については、第1の実施形態からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については第1の実施形態と同じ構成および処理である。
図14は、本実施形態における、処理の詳細を示すフローチャートである。本フローチャートは記録ヘッド8による記録動作が終了した後から開始される。
本実施形態では、第一の実施形態と異なり、プリントコントローラ202は、記録動作の終了に伴いインクの循環を停止しない。よって、本実施形態では、記録動作の終了後においてプリントコントローラ202は、S1401において記録ヘッド8の温度調整を停止し、S1401においてキャップ部材10aを記録ヘッド8の吐出口面8aに当接させキャップクローズの状態にする。S1401、S1402の処理が並行して行われ、S1401、S1402の処理が完了すると、S1403の処理に進む。
S1403~S1404の処理は、S1204~S1205の処理と同一であるため説明は省略する。
記録ヘッド8の温度が判定温度以下であった場合(S1404がNO)、S1408においてプリントコントローラ202は、インクの循環を停止させ、処理は終了する。記録ヘッド8の温度が判定温度より大きい場合(S1404がYES)は、S1405において、プリントコントローラ202は、記録装置1を1秒間ウエイトさせる。即ち、記録ヘッド8を冷却するためにインクの循環を行う。
ここで、記録素子基板115における蓄熱影響は全色のインクの吐出口にわたって起きている可能性があるため、冷却効果を高めるには全色循環をすることが望ましい。このため、記録装置1が処理した直前のジョブがモノクロモードによる記録動作であったためブラックインクのみが循環する循環モードのままインクが循環されている場合がある。この場合は、プリントコントローラ202は、ここで全色循環の循環モードに切り替えてもよい。
なお、本実施形態の記録装置1はインク色ごとに循環経路を有し、インク色ごとに循環を行う形態であるが、この場合、各色インクを循環させるポンプを共通のモータによって駆動させる形態がある。このような形態においては、ブラックインクのみ循環する循環モードから全色循環する循環モードに変更するような場合、モータの駆動を変更することにより循環モードを変更させる。このため、ブラックインクのみ循環している循環モードから全色循環する循環モードへ変更に際してはモータの駆動を変更させるためブラックインクの循環が一旦停止させる。
S1406~S1408までの処理はS1208~S1210の処理と同一であるため説明は省略する。
以上説明したように本実施形態によれば、記録動作が終了した後も記録ヘッド8が高い温度で維持されている場合、インクの循環を行うことにより記録ヘッド8の温度を下げることができる。これにより吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができる。こうしてインク増粘による吐出不良を防ぐことができる。また、1秒ごとに記録ヘッド8の温度の判定を行うため、記録動作終了後に行われるインクを循環させる時間は、必要な長さとすることができ、長い時間インクの循環が行われることによるインクの濃縮も防ぐことができる。
<第三の実施形態>
本実施形態は、記録動作終了後において、前回のジョブによる記録動作の時間に基づき記録ヘッド8の温度を下げるためにインクの循環を行う形態である。このため本実施形態では、記録装置1に温度計測のための機器を設けない場合であっても、記録動作後に記録ヘッド8が高い温度で維持されているようなときは、記録ヘッド8の温度を下げることができる。本実施形態については、第1の実施形態からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については第1の実施形態と同じ構成および処理である。
図15は、本実施形態における処理の詳細を示すフローチャートである。本フローチャートは記録ヘッド8による記録動作が終了した後から開始される。
S1501~S1503の処理はS1201~S1203の処理と同一であるため記載を省略する。記録動作の終了後、S1501、S1502およびS1503の処理が並行して行われ、S1501、S1502およびS1503の処理が完了すると、S1504の処理に進む。
S1504においてプリントコントローラ202は、本フローチャートを開始する前に処理したジョブにおける記録の開始から終了までの記録動作時間に関する情報を取得する。記録装置1は記録動作時間をカウントする手段としてタイマーを備えており、プリントコントローラ202は、タイマーが計測したジョブの記録動作時間を取得する。
S1505においてプリントコントローラ202は、取得した記録動作時間が所定の時間を超えていたか判定する。本実施形態では所定の時間を30秒としている。取得した記録動作時間が、所定の時間以下である30秒以下である場合(S1505がNO)は処理を終了する。取得した記録動作時間が30秒より長い時間である場合(S1505がYES)は、S1506に進む。ここで、判定に用いられる30秒は、例示であってこの数値に限られるものではない。
S1506の処理は、S1206の処理と同様であるため記載を省略する。
S1507においてプリントコントローラ202は、一定時間、記録装置1をウエイトさせる。具体的には、プリントコントローラ202は図16に示すようなテーブルを参照して、記録動作時間に対応したウエイト時間Txを決定し、Tx秒間ウエイトさせる。すなわち、通常であればインクの循環は記録動作であるインクの吐出を伴って行われるが、ここではプリントコントローラ202は記録動作を行わせないで、図16のテーブルに従いTx秒間インクを循環させる。こうすることで吐出口近傍を含む記録ヘッド8のインクの循環経路の温度を下げることができる。
なお、図16のテーブルは例示に過ぎず、記録動作時間とウエイト時間Txが対応している他のテーブルを用いてもよい。テーブルは一般的に図16のように、記録動作時間が長くなるにつれて、インクが循環する時間を示すウエイト時間Txも長くなるように示されたテーブルである。つまり、記録時間が長いということは、支持部材30への蓄熱も大きく、また、記録時間が長いと循環されていなかったインク色の吐出口近傍のインクが増粘している可能性がある。このため、図16のテーブルは記録動作時間が長いほど循環時間を長くできるように設定されている。図16のテーブルは、ROM203に予め記憶されており、プリントコントローラ202は任意のタイミングでテーブルを参照することが可能となっている。図16のテーブルの代わりに、プリントコントローラ202は記録操作時間を代入する数式を用いてウエイト時間Txを決定してもよい。
S1508においてプリントコントローラ202は、インクの循環を終了し処理を終了する。
以上説明したように本実施形態によれば、記録装置1に温度計測のための装置を設けない場合であっても、記録動作が終了した後に記録ヘッド8が高い温度で維持されているようなときは、記録ヘッド8の温度を下げることができる。これにより吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができる。また、本実施形態によれば、吐出口近傍にインクの増粘が生じていた場合であってもインクの全色循環を行うことにより増粘したインクの回収することができる。こうしてインク増粘による吐出不良を防ぐことができる。また、記録動作終了後にインクが循環する時間は、記録時間の長さに応じて決定されるため、不必要に長い時間インクの循環が行われることによるインクの濃縮も防ぐことができる。
<第四の実施形態>
本実施形態の説明では、記録動作時間が所定の時間より長く行われた場合は、記録ヘッド8の温度を下げるためにインクの循環を行う実施形態であるが、第三の実施形態とは異なる実施形態を説明する。本実施形態については、第1の実施形態からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については第1の実施形態と同じ構成および処理である。
図17は、本実施形態における、処理の詳細を示すフローチャートである。本フローチャートは記録ヘッド8による記録動作が終了した後から開始される。
本実施形態では、第三の実施形態と異なり、プリントコントローラ202は、記録動作の終了に伴いインクの循環を停止しない。よって、本実施形態では、記録動作の終了後、プリントコントローラ202は、S1701において記録ヘッド8の温度調整を停止し、S1702においてキャップ部材10aを記録ヘッド8の吐出口面8aに当接させキャップクローズの状態にする。S1701、S1702の処理が並行して行われ、S1701、S1702の処理が完了すると、S1703の処理に進む。
S1703~S1704の処理は、S1504~S1505の処理と同一であるため説明を省略する。
記録動作時間が30秒より長い場合(S1704がYES)は、S1705おいて、プリントコントローラ202は、図16のテーブルに従い、記録装置1をTx秒間ウエイトさせる。即ち、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を冷却するために記録動作が行わない状態でインクを循環させる。ここで、記録装置1が直前に処理したジョブがモノクロモードによる記録動作のようにブラックインクのみ循環する循環モードであり、その循環モードのままインクが循環されている場合がある。その場合、プリントコントローラ202は、循環モードを全色循環の循環モードに切り替えてもよい。
S1706においてプリントコントローラ202は、インクの循環を終了し処理を終了する。
以上説明したように本実施形態によれば、記録装置1に温度を計測するための装置を設けない場合であっても、記録動作が終了した後も記録ヘッド8が高い温度で維持されているときは、インクの循環を行うことにより記録ヘッド8の温度を下げることができる。これにより吐出口近傍のインクの増粘を抑制することができる。こうしてインク増粘による吐出不良を防ぐことができる。また、記録動作終了後に行われるインクを循環させる時間は、記録時間の長さに応じて決定するため、不必要に長い時間インクの循環が行われることによるインクの濃縮も防ぐことができる。
<その他の実施形態>
前述した実施形態では、プリントコントローラ202が、一連の処理を行う形態としたが、メインコントローラ101が処理を行う形態でもよい。
前述した実施形態では、加熱用ヒータ113を有する形態を説明したが、加熱用ヒータはない形態でもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 記録装置
8 記録ヘッド
23 圧力室
132 吐出口
202 プリントコントローラ

Claims (17)

  1. インクを吐出する吐出口と、前記吐出口から吐出するインクを充填する圧力室と、を備え、前記吐出口からインクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、
    前記記録動作が行われる場合、前記圧力室を含む循環経路でインクを循環させる循環手段と、
    を有する記録装置であって、
    前記記録ヘッドの温度に関する情報を取得する第一の取得手段と、
    前記記録動作の終了の後、前記第一の取得手段による取得結果に基づき、前記記録ヘッドの温度が所定の温度より高い場合には前記循環手段にインクを循環させ、前記記録ヘッドの温度が前記所定の温度以下である場合には前記循環手段によりインクの循環を行わないように前記循環手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記第一の取得手段は、
    所定の時間ごとに前記記録ヘッドの温度に関する情報を取得し、
    前記制御手段は、
    前記第一の取得手段により前記記録ヘッドの温度に関する情報を取得するたびに、前記所定の温度と、前記第一の取得手段による取得結果に基づく前記記録ヘッドの温度と、を比較し、比較された前記記録ヘッドの温度が前記所定の温度以下になるまで、前記循環手段によりインクを循環させる制御をする
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記記録動作の終了に基づきインクの循環を終了させ、前記記録動作の終了の後に、前記第一の取得手段による取得結果に基づく前記記録ヘッドの温度が、前記所定の温度を超えている場合は前記制御を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記記録動作の終了後においてもインクの循環を終了させないで、前記制御を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記第一の取得手段による取得結果に基づく前記記録ヘッドの温度が、前記所定の温度以下となった場合、インクの循環を停止させる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記記録装置の環境温度を取得する第二の取得手段をさらに有し、
    前記所定の温度とは、前記第二の取得手段が取得した前記環境温度に応じて定まる温度である
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記記録ヘッドは、
    前記吐出口が形成されている複数の基板を有し、
    前記第一の取得手段は、
    前記記録ヘッドの夫々の前記基板の温度に関する情報を取得し、
    前記制御手段は、
    前記第一の取得手段による取得結果に基づく夫々の前記基板の温度のうち、一番高い温度を前記記録ヘッドの温度として前記制御を行う
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. インクを吐出する吐出口と、前記吐出口から吐出するインクを充填する圧力室と、を備え、前記吐出口からインクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、
    前記記録動作が行われる場合、前記圧力室を含む循環経路でインクを循環させる循環手段と、
    を有する記録装置であって、
    前記記録ヘッドによる前記記録動作の開始から終了までの記録動作時間に関する情報を取得する取得手段と、
    前記記録動作の終了の後に、前記取得手段によって取得された前記情報に基づき、前記記録動作時間が所定の時間を超えていた場合、一定時間、インクを循環させる制御をする制御手段と、
    を有することを特徴とする記録装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記記録動作の終了に基づきインクの循環を終了させた後に、前記制御を行う
    ことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記記録ヘッドによる前記記録動作の終了後においてもインクの循環を終了させないで前記制御を行う
    ことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  11. 前記制御手段は、
    前記記録動作時間が前記所定の時間を超えてない場合、インクの循環を終了させる
    ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. 前記一定時間は、前記取得手段によって取得された前記情報に基づく前記記録動作時間が第一の時間よりも長い第二の時間である場合の方が、前記第一の時間の場合よりも、長い時間である
    ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 前記記録ヘッドの温度調整をする温度調整手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記記録動作の終了に基づき、前記温度調整手段による前記温度調整を終了させた後に、前記制御を行う
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
  14. 前記循環手段は、
    インク種別にインクの循環が行われる流路構成を有し、
    前記制御手段は、
    前記循環手段によりインク種別にインクを循環させるように構成されており、
    前記制御を行う場合、全種類のインク種の循環させる
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の記録装置。
  15. 前記記録ヘッドは、
    記録素子基板と前記記録素子基板を支持する支持部材とを有し、
    前記支持部材の材質はアルミナである
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の記録装置。
  16. インクを吐出する吐出口と、前記吐出口から吐出するインクを充填する圧力室と、を備え、前記吐出口からインクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、
    前記記録動作が行われる場合、前記圧力室を含む循環経路でインクを循環させる循環手段と、
    を有する記録装置において、
    前記記録ヘッドの温度に関する情報を取得する第一の取得工程と、
    前記記録動作の終了の後、前記第一の取得工程による取得結果に基づき、前記記録ヘッドの温度が所定の温度より高い場合には前記循環手段にインクを循環させ、前記記録ヘッドの温度が前記所定の温度以下である場合には前記循環手段によりインクの循環を行わないように前記循環手段を制御する制御工程と、
    を含むことを特徴とする記録装置の制御方法。
  17. インクを吐出する吐出口と、前記吐出口から吐出するインクを充填する圧力室と、を備え、前記吐出口からインクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、
    前記記録動作が行われる場合、前記圧力室を含む循環経路でインクを循環させる循環手段と、
    を有する記録装置において、
    前記記録ヘッドによる前記記録動作の開始から終了までの記録動作時間に関する情報を取得する取得工程と、
    前記記録動作の終了の後に、前記取得工程によって取得された前記情報に基づき、前記記録動作時間が所定の時間を超えていた場合、一定時間、インクを循環させる制御をする制御工程と、
    を含むことを特徴とする記録装置の制御方法。
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