JP7164946B2 - 窒化ガリウム結晶基板およびその結晶品質の評価方法 - Google Patents
窒化ガリウム結晶基板およびその結晶品質の評価方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7164946B2 JP7164946B2 JP2017226351A JP2017226351A JP7164946B2 JP 7164946 B2 JP7164946 B2 JP 7164946B2 JP 2017226351 A JP2017226351 A JP 2017226351A JP 2017226351 A JP2017226351 A JP 2017226351A JP 7164946 B2 JP7164946 B2 JP 7164946B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- region
- ray
- peak
- crystal substrate
- crystal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
図面に基づいて、以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、GaN(窒化ガリウム)結晶基板の結晶品質の評価方法について説明し、次いで、かかる評価方法により評価される結晶品質の高いGaN結晶基板について説明する。本願の明細書、特許請求の範囲および図面において、六方晶系結晶であるGaN結晶について、ある特定の結晶面を(hkil)で表し、結晶の対称性から等価な結晶面の組を{hkil}で表す。また、ある特定の方向を[hkil]で表し、結晶の対称性から等価な方向の組を<hkil>で表す。ここで、h、k、i、およびlは、ミラー指数である。ここで、i=-(h+k)の関係が有る。通常、ミラー指数は、0、自然数、および自然数の上にバーを付した数で示すが、本明細書および図面においては、バーを付した自然数は、その自然数の前にマイナス符号をつけて表す。たとえば、(11-20)の表記は、「イチ・イチ・ニ/バー・ゼロ」の結晶面と読み、[1-100]の表記は、「イチ・イチ/バー・ゼロ・ゼロ」の方向と読む。
本実施形態のGaN(窒化ガリウム)結晶基板の結晶品質の評価方法は、主面が{0001}面であるGaN結晶基板の結晶品質を、入射側にX線レンズを使用して0.3mm×0.3mmのクロススリットによりポイントフォーカスしたCuKα1単色X線の小発散角入射X線平行ビームを用い、受光側に反射率測定用の0.27°スリットを付けた0.27°のコリメータおよびグラファイト平板モノクロメータを用いたX線回折測定により評価する方法である。GaN結晶基板を、その[1-100]方向がφ=0°の方向と一致するように、試料台に配置する工程と、0002対称ブラッグ反射の回折角2θ(すなわち回折角2θ:34.5666°)におけるωスキャンおよびzスキャン、ならびにχ軸の軸立てにより、GaN結晶基板の位置を校正する工程と、測定φ角度ステップ0.02°、測定φの角度範囲に応じて、各ステップでの計測時間が1秒から50秒の範囲の測定条件で、0001対称禁制ブラッグ反射の入射角ωおよび回折角2θ(すなわち入射角ω:8.5428°および回折角2θ:17.0856°)において、[0001]軸を回転軸としたφスキャン(Reinninger Scanともいう。以下同じ。)パターン測定を行なう工程と、を含む。φスキャンパターン測定から得られるX線多重回折ピークの対称性の高さおよびX線多重回折ピークの最大ピーク強度をバックグランド強度で除して得られる最大ピーク強度比の高さから、窒化ガリウム結晶基板の結晶品質を評価する。本実施形態の窒化ガリウム結晶基板の結晶品質の評価方法は、小発散角入射X線平行ビームを用いたX線回折測定において、上記φスキャンパターン測定から得られるX線多重回折ピークの対称性が高いほど、またX線多重回折ピークの最大ピーク強度比が大きさほど、窒化ガリウム結晶基板の結晶品質が高く、窒化ガリウム結晶基板の結晶品質を詳細に評価することができる。
X線回折装置は、モノクロメータにより単色X線を検出することができ、発散角の小さい平行ビームを利用すること以外は特に制限はないが、操作性および作業性が高い観点から、4軸のゴニオメータ方式の採用が好ましい。X線の光軸は固定で、入射角ω、回折角(反射角)2θ、GaN結晶基板位置の座標x、y、z、GaN結晶基板の回転角φ、GaN結晶基板の煽り角χなどが設定される。
本実施形態のGaN結晶基板の結晶品質の評価方法においては、0001対称禁制ブラッグ反射の[0001]軸を回転軸としたφスキャンパターン測定のために、X線回折装置の入射X線の発散角を小さくする必要があることから、図1に示すような平行ビーム法を用いる。平行ビーム法において、平行ビームを得るために、X線レンズおよびモノキャピラリーの少なくともいずれかを用いる。X線レンズを用いた平行ビーム法では角0.3mm×0.3mmのビーム径が得られ、モノキャピラリーを用いた平行ビーム法では直径0.1mmのビーム径が得られる。X線レンズを用いてもモノキャピラリーを用いてもX線の発散角は同じであり、モノキャピラリーを用いるとX線の強度が低下するため、X線レンズを用いた平行ビーム法が好ましい。本実施形態においては、X線レンズを使用して0.3mm×0.3mmのクロススリットによりポイントフォーカスした小発散角入射X線平行ビームを用いて、受光側にグラファイト平板モノクロメータ(CuKα1単色X線選択用の分光器)を配置してCuKα1単色X線としているが、入射側にCuKα1単色X線選択用の分光器を配置することも可能である。
0002対称ブラッグ反射を測定するω-2θ測定と異なり、φスキャンの場合は、図2に示す試料台の回転軸φと、結晶基板の主面(試料面)の法線方向が一致しておらず、φスキャンによりブラッグ反射強度の観察値が変動し、さらに試料であるGaN結晶基板のオフ角が存在するため、GaN結晶基板の[0001]方向と試料台の回転軸φとが一致しない。その補正のために、2軸傾斜試料台が用意されているが、本φスキャン測定の場合は、測定範囲が狭い(たとえば30°の)ことから、φスキャンによる強度が最大近くのところに結晶軸と回転軸を一致させて測定されるため、測定範囲内でGaN結晶基板の[0001]方向と試料台の回転軸φとが一致することになり、2軸傾斜試料台は利用しなくてもよい。また、本φスキャン測定において、後述のように、30°毎の12の区分領域に分けて測定する場合は、その区分領域に対応するφ軸を軸立てして測定することにより、φスキャンによる強度がより最大近くのところで測定できるため、利用しなくてもよい。
入射X線の発散角の小さい回折X線を検出するため、受光側においても0.27°コリメータと反射率測定用の0.27°スリットを利用する。また、CuKα1単色X線を選択する必要があることから、CuKα1単色X線選択用の平行板グラファイトモノクロメータを使用する。なお、入射側にCuKα1単色X線選択用の分光器を配置する場合は、CuKα1単色X線選択用の平行板グラファイトモノクロメータを省略できる場合がある。
GaN結晶基板を試料台に配置する工程において、X線回折装置の試料台に、窒化ガリウム結晶基板を、その[1-100]方向がφ=0°の方向と一致するように配置する。具体的には、[1-100]方向とφ角度とが同じ面の法線を持つ{01-11}面による01-11対称ブラッグ反射のφスキャンを行い、そのピークの位置をφ=0°とする。この際のχの値は61.96°である。
図2を参照して、GaN結晶基板の位置を校正する工程において、{0002}対称反射の2θが34.5667°のときの入射角ωが17.2889°およびその近傍でωスキャンすることにより、ωロッキングカーブを測定し、回折ピークが発現するωの値を17.2889°としてωのオフセット校正を行う。次に、上記で校正されたωを用いたω-2θ測定において、zスキャンを行い、ピークが現れるzの値を決定することにより、zの校正を行う。上記で校正され決定されたω-2θおよびzにおいて、χの角度の調整によるχ軸の軸立てをすることにより、χ=0°となりφ軸と{0001}軸とを一致させる(すなわち、結晶の回転軸と結晶軸とを一致させる)。ここで、χの角度の調整によるχ軸の軸立てとは、χの角度をステップ0.3°で2°ないし3°の範囲で変化させ0002対称ブラッグ反射の位置でωスキャンをくり返し行い、各スキャンでのピークの値の最大となるχの値を求める最適化プログラムを実行して、χの値のオフセット値を設定してχ=0°とすることをいう。
図3を参照して、0001対称禁制ブラッグ反射の[0001]軸を回転軸としたφスキャンパターン測定を行なう工程において、GaN結晶基板の回転角φを-180°から180°までスキャンさせると、対称性の高い回折パターンが現れる(図12~図13を参照)。図2および図3を対比すると、0002対称ブラッグ反射測定における入射角ωが17.2833°であるのに対して、0001対称禁制ブラッグ反射測定における入射角ωは8.5428°と略半分となっているため、結晶表面近傍の結晶品質を詳細に知ることができる。
結晶表面近傍の結晶品質は、φスキャンパターン測定から得られるX線多重回折ピークの対称性およびX線多重回折ピークの最大ピーク強度をバックグランド強度で除して得られる最大ピーク強度比から評価する。ここで、結晶品質の高いGaN結晶基板ほど、X線多重回折ピークの対称性が高くかつ最大ピーク強度比が高くなることから、X線多重回折ピークの対称性が高くかつ最大ピーク強度比が高いほどGaN結晶基板の結晶品質が高いと評価する。
0001対称禁制ブラッグ反射の[0001]軸を回転軸としたφスキャンパターン測定とGaN結晶基板の結晶構造との関係について、以下に説明する。
GaN結晶基板を形成するGaN結晶は、六方晶系のウルツ鉱型の結晶構造を有する。格子定数は、a(a1=a2=a3)が0.31891nm、cが0.51855nmである。結晶面として、図4に示す{0001}面であるc面、図5に示す{0002}面である(1/2)c面、図6に示す{10-10}面であるm面、図7に示す{11-20}面であるa面などがある。図8は、結晶格子におけるGa原子およびN原子の配置を示す。
GaN結晶基板を形成するGaN結晶は、六方晶系のウルツ鉱型の結晶構造を有し、空間群No.186のP63mcの6回回反対称性を有するが、c軸に垂直な平面においては3回回転対称性を有する。そこで、GaN結晶基板は、その[1-100]方向をφ=0°の方向と一致させるとき、図9に示す結晶方位を有し、c軸に垂直な結晶面を、3回回転対称であるA領域(φが-60°から60°までの領域)、B領域(φが60°から180°までの領域)およびC領域(φが-180°から-60°までの領域)の3領域に分ける。
図12~図15を参照して、本実施形態のGaN(窒化ガリウム)結晶基板は、主面が{0001}面であり、入射側にX線レンズを使用して0.3mm×0.3mmのクロススリットによりポイントフォーカスした小発散角入射X線平行ビームを用い、受光側に反射率測定用の0.27°スリットを付けた0.27°のコリメータおよびCuKα1単色X線選択用のグラファイト平板モノクロメータを用いたX線回折測定により、測定φ角度ステップ0.02°、測定φの角度範囲に応じて、各ステップでの計測時間が1秒から50秒の範囲の測定条件で行なう0001対称禁制ブラッグ反射の入射角ωおよび回折角2θ(すなわち入射角ω:8.5428°および回折角2θ:17.0856°)における[0001]軸を回転軸としたφスキャンパターン測定において、[1-100]方向をφ=0°とするとき、φが-180°から180°までの測定において、結晶内におけるX線の多重回折により現われるX線多重回折パターンは、φが-180°から-60°まで、-60°から60°まで、および60°から180°までの120°毎に繰り返す3回回転対称性を有する3つの120°回転対称ピーク領域(A領域、B領域、およびC領域)を備える。各120°回転対称ピーク領域(A領域、B領域、またはC領域)は、その領域のφの範囲の中央のφの角度(φ=0°、φ=120°、またはφ=-120°)を示す線および[0001]軸を含む面を鏡映面として互いに鏡映対称性を有する-領域(A-領域、B-領域、またはC-領域)と+領域(A+領域、B+領域、またはC+領域)とを備える。各-領域(A-領域、B-領域、またはC-領域)は、その領域のφの範囲の中央のφの角度(φ=-30°、φ=90°、またはφ=-150°)を示す線および[0001]軸の交点を中心として互いに回反対称性を有する-L領域(A-L領域、B-L領域、またはC-L領域)と-R領域(A-R領域、B-R領域、またはC-R領域)とを備える。各+領域(A+領域、B+領域、またはC+領域)は、その領域のφの範囲の中央のφの角度(φ=30°、φ=150°、またはφ=-90°)を示す線および[0001]軸の交点を中心として互いに回反対称性を有する+L領域(A+L領域、B+L領域、またはC+L領域)と+R領域(A+R領域、B+R領域、またはC+R領域)とを備える。各-L領域(A-L領域、B-L領域、およびC-L領域の各区分領域)、各-R領域(A-R領域、B-R領域、およびC-R領域の各区分領域)、各+L領域(A+L領域、B+L領域、およびC+L領域の各区分領域)、および各+R領域(A+R領域、B+R領域、およびC+R領域の各区分領域)の少なくとも1領域におけるX線多重回折ピークの最大ピーク強度をバックグランド強度で除して得られる最大ピーク強度比が500以上である。本実施形態の窒化ガリウム結晶基板は、従来の窒化ガリウム結晶基板に比べて、高い対称性と大きな最大ピーク強度比とを有しているため、結晶品質が高い。結晶品質が高い観点から、上記の最大ピーク強度比は、1000以上が好ましく、2000以上がさらに好ましい。
本実施形態のGaN結晶基板の製造方法は、下地基板上にGaN結晶を成長させる工程と、成長させたGaN結晶を窒素ガス雰囲気中900℃以上かつ1800気圧以上の高温高圧条件下で熱処理する工程と、熱処理したGaN結晶をGaN結晶基板に加工する工程と、を備える。本実施形態のGaN結晶基板の製造方法は、900℃以上かつ1800気圧以上の高温高圧条件下で熱処理されたGaN結晶を加工することにより結晶品質の高いGaN結晶基板が得られる。
1.GaN結晶基板の作製
直径76mmのサファイア基板上にMOCVD(有機金属化学気相堆積)法によりGaNを成長したC面を主面とするテンプレート基板を準備し、これを下地基板として、直径85mmで厚さ20mmのSiCコーティングしたカーボン製の基板ホルダー上に置いてHVPE(ハイドライド気相成長)装置のリアクター内に配置した。リアクター内を1020℃まで加熱後、HClガスをGaと反応して発生したGaClガスと、NH3ガスと、をリアクター内へ供給した。このような下地基板の上でのGaN層成長工程において、リアクター温度1020℃を29時間保持し、また、成長圧力を1.01×105Paとし、GaClガスの分圧を6.52×102Paとし、NH3ガスの分圧を7.54×103Paとし、HClガスの分圧を3.55×101Paとした。GaN層成長工程終了後、リアクター内を室温まで降温し、GaN結晶を得た。得られたGaN結晶は、C面を成長面として結晶成長しており、成長面の表面状態は鏡面であり、触針式の膜厚計で測定した厚さは3.5mmであった。
上記GaN結晶基板をその<1-100>方向がφ=0°の方向と一致するようにX線回折装置(スペクトリス株式会社製PANalytical X’Pert MRD)の試料台にセットし、小発散角入射X線平行ビーム(X線レンズ平行ビーム、ビーム径:0.3mm×0.3mm、コリメータ(0.27°スリット使用)付平板モノクロメータ使用)を用いて、まず、0002対称ブラッグ反射の位置(入射角ω:17.2833°、回折角2θ:34.5666°)におけるωスキャン(図10を参照)およびzスキャン(図11を参照)によりωのオフセット校正およびzの校正を行った。校正され決定されたω-2θおよびzにおいて、χの角度の調整によりχ軸の軸立てをしたことにより、χ=0°となりφ軸と[0001]軸とを一致させた(すなわち、結晶の回転軸と結晶軸とを一致させた)。ここで、χの角度の調整によるχ軸の軸立てとは、χの角度をステップ0.3°で2°ないし3°の範囲で変化させ0002対称ブラッグ反射の位置でωスキャンをくり返し行い、各スキャンでのピークの値の最大となるχの値を求める最適化プログラムを実行して、χの値のオフセット値を設定してχ=0°とすることをいう。次に、測定φ角度ステップ0.02°、測定φの角度範囲に応じて、各ステップでの計測時間が1秒から50秒の範囲の測定条件で、0001対称禁制ブラッグ反射の位置(入射角ω:8.5428°、回折角2θ:17.0856°)にてφスキャンを測定した。その結果を表2および表3にまとめた。
上記GaN結晶基板上に、MOCVD法により、エピタキシャル層として、厚さ3μmのGaN層を成長させた。成長させたエピタキシャル層のフォトルミネッセンスの発光強度を測定し、その結果を表4にまとめた。
GaN結晶基板の厚さを250μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、GaN結晶基板を作製し、X線回折装置にて0001対称禁制ブラッグ反射の位置(入射角ω:8.5428°、回折角2θ:17.0856°)にてφスキャンを測定し、その結果を表2および表3にまとめた。なお、φが30°毎の12の区分領域において、対称関係にあるそれぞれのX線多重回折ピーク群のピークの本数の差異が2本以下であり、かつ、対称関係にあるそれぞれのX線多重回折ピーク群のピークの位置の差異が2°を超えるものが2本以下であったため、それぞれのX線多重回折ピーク群の位置がよく一致しており、GaN結晶基板の対称性が高かった。また、φが30°毎の12の区分領域のすべての区分領域において、最大ピーク強度比を示すX線多重回折ピークは、ピーク番号8(指数付けピークP6)に対応する(1-100)および(-1101)に由来するX線多重回折ピークであった。また、実施例1と同様にして、GaN結晶基板上にエピタキシャル層を成長させ、エピタキシャル層のフォトルミネッセンスの発光強度を測定し、その結果を表4にまとめた。
熱処理を2000気圧の窒素雰囲気中1000℃で20時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、GaN結晶基板を作製し、X線回折装置にて0001対称禁制ブラッグ反射の位置(入射角ω:8.5428°、回折角2θ:17.0856°)にてφスキャンを測定し、その結果を表2および表3にまとめた。なお、φが30°毎の12の区分領域において、対称関係にあるそれぞれのX線多重回折ピーク群のピークの本数の差異が2本以下であり、かつ、対称関係にあるそれぞれのX線多重回折ピーク群のピークの位置の差異が2°を超えるものが2本以下であったため、それぞれのX線多重回折ピーク群の位置がよく一致しており、GaN結晶基板の対称性が高かった。また、φが30°毎の12の区分領域のすべての区分領域において、最大ピーク強度比を示すX線多重回折ピークは、ピーク番号8(指数付けピークP6)に対応する(1-100)および(-1101)に由来するX線多重回折ピークであった。また、実施例1と同様にして、GaN結晶基板上にエピタキシャル層を成長させ、エピタキシャル層のフォトルミネッセンスの発光強度を測定し、その結果を表4にまとめた。
熱処理を2000気圧の窒素雰囲気中900℃で20時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、GaN結晶基板を作製し、X線回折装置にて0001対称禁制ブラッグ反射の位置(入射角ω:8.5428°、回折角2θ:17.0856°)にてφスキャンを測定し、その結果を表2および表3に示した。なお、φが30°毎の12の区分領域において、対称関係にあるそれぞれのX線多重回折ピーク群のピークの本数の差異が2本以下であり、かつ、対称関係にあるそれぞれのX線多重回折ピーク群のピークの位置の差異が2°を超えるものが2本以下であったため、それぞれのX線多重回折ピーク群の位置がよく一致しており、GaN結晶基板の対称性が高かった。また、φが30°毎の12の区分領域のすべての区分領域において、最大ピーク強度比を示すX線多重回折ピークは、ピーク番号8(指数付けピークP6)に対応する(1-100)および(-1101)に由来するX線多重回折ピークであった。また、実施例1と同様にして、GaN結晶基板上にエピタキシャル層を成長させ、エピタキシャル層のフォトルミネッセンスの発光強度を測定し、その結果を表4にまとめた。
熱処理を1気圧の窒素雰囲気中1200℃で20時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、GaN結晶基板を作製し、X線回折装置にて0001対称禁制ブラッグ反射の位置(入射角ω:8.5428°、回折角2θ:17.0856°)にてφスキャンを測定し、その結果を表3に示した。また、実施例1と同様にして、GaN結晶基板上にエピタキシャル層を成長させ、エピタキシャル層のフォトルミネッセンスの発光強度を測定し、その結果を表4にまとめた。
熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、GaN結晶基板を作製し、X線回折装置にて0001対称禁制ブラッグ反射の位置(入射角ω:8.5428°、回折角2θ:17.0856°)にてφスキャンを測定し、その結果を表3に示した。また、実施例1と同様にして、GaN結晶基板上にエピタキシャル層を成長させ、エピタキシャル層のフォトルミネッセンスの発光強度を測定し、その結果を表4にまとめた。
Claims (3)
- 主面が{0001}面である窒化ガリウム結晶基板の結晶品質を、小発散角入射X線平行ビームを用いたX線回折測定により評価する方法であって、
前記窒化ガリウム結晶基板を、その[1-100]方向がφ=0°の方向と一致するように、試料台に配置する工程と、
0002対称ブラッグ反射の回折角2θにおけるωスキャンおよびzスキャン、ならびにχ軸の軸立てにより、前記窒化ガリウム結晶基板の位置を校正する工程と、
0001対称禁制ブラッグ反射の入射角ωおよび回折角2θにおいて、[0001]軸を回転軸としたφスキャンパターン測定を行なう工程と、を含み、
前記φスキャンパターン測定から得られるX線多重回折ピークの対称性の高さおよび前記X線多重回折ピークの最大ピーク強度をバックグランド強度で除して得られる最大ピーク強度比の大きさから、窒化ガリウム結晶基板の結晶品質を評価する、窒化ガリウム結晶基板の結晶品質の評価方法。 - 前記φスキャンパターン測定において、φが-180°から180°までの測定をするとき、φが-180°から-150°まで、-150°から-120°まで、-120°から-90°まで、-90°から-60°まで、-60°から-30°まで、-30°から0°まで、0°から30°まで、30°から60°まで、60°から90°まで、90°から120°まで、120°から150°まで、および150°から180°までの30°毎の12の区分領域に分けるとき、
各前記区分領域の少なくとも2つの領域の前記X線多重回折ピークにおいて、任意に特定される所定の複数の結晶面に由来する基準ピークのピーク強度をバックグランド強度で除して得られる基準ピーク強度比に対する前記基準ピーク以外に任意に特定される別の所定の複数の結晶面に由来する対比ピークのピーク強度をバックグランド強度で除して得られる対比ピーク強度比の相対比である対比ピーク相対強度比のばらつきの小ささから、窒化ガリウム結晶基板の結晶品質を評価する、請求項1に記載の窒化ガリウム結晶基板の結晶品質の評価方法。 - 前記φスキャンパターン測定において、φが-180°から180°までの測定をするとき、φが-180°から-150°まで、-150°から-120°まで、-120°から-90°まで、-90°から-60°まで、-60°から-30°まで、-30°から0°まで、0°から30°まで、30°から60°まで、60°から90°まで、90°から120°まで、120°から150°まで、および150°から180°までの30°毎の12の区分領域に分けて、各前記区分領域毎に各前記区分領域に対応するφ軸を軸立てして測定を行い、各前記区分領域に対応するφ軸の軸立てをする角度がその区分領域のφの範囲の中央のφの角度である、請求項1または請求項2に記載の窒化ガリウム結晶基板の結晶品質の評価方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017226351A JP7164946B2 (ja) | 2017-11-24 | 2017-11-24 | 窒化ガリウム結晶基板およびその結晶品質の評価方法 |
JP2022126402A JP2022161941A (ja) | 2017-11-24 | 2022-08-08 | 窒化ガリウム結晶基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017226351A JP7164946B2 (ja) | 2017-11-24 | 2017-11-24 | 窒化ガリウム結晶基板およびその結晶品質の評価方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022126402A Division JP2022161941A (ja) | 2017-11-24 | 2022-08-08 | 窒化ガリウム結晶基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019095357A JP2019095357A (ja) | 2019-06-20 |
JP7164946B2 true JP7164946B2 (ja) | 2022-11-02 |
Family
ID=66971371
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017226351A Active JP7164946B2 (ja) | 2017-11-24 | 2017-11-24 | 窒化ガリウム結晶基板およびその結晶品質の評価方法 |
JP2022126402A Pending JP2022161941A (ja) | 2017-11-24 | 2022-08-08 | 窒化ガリウム結晶基板 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022126402A Pending JP2022161941A (ja) | 2017-11-24 | 2022-08-08 | 窒化ガリウム結晶基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP7164946B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001013093A (ja) | 1999-07-01 | 2001-01-19 | Daido Steel Co Ltd | 単結晶表面状態分析方法および装置 |
JP2006071354A (ja) | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 結晶表面層の結晶性評価方法 |
JP2010171273A (ja) | 2009-01-23 | 2010-08-05 | Sumitomo Electric Ind Ltd | GaN結晶の成長方法 |
JP2013203653A (ja) | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | Iii族窒化物結晶の製造方法、iii族窒化物結晶およびiii族窒化物結晶基板 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999066565A1 (en) * | 1998-06-18 | 1999-12-23 | University Of Florida | Method and apparatus for producing group-iii nitrides |
-
2017
- 2017-11-24 JP JP2017226351A patent/JP7164946B2/ja active Active
-
2022
- 2022-08-08 JP JP2022126402A patent/JP2022161941A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001013093A (ja) | 1999-07-01 | 2001-01-19 | Daido Steel Co Ltd | 単結晶表面状態分析方法および装置 |
JP2006071354A (ja) | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 結晶表面層の結晶性評価方法 |
JP2010171273A (ja) | 2009-01-23 | 2010-08-05 | Sumitomo Electric Ind Ltd | GaN結晶の成長方法 |
JP2013203653A (ja) | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | Iii族窒化物結晶の製造方法、iii族窒化物結晶およびiii族窒化物結晶基板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019095357A (ja) | 2019-06-20 |
JP2022161941A (ja) | 2022-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Vickers et al. | In-plane imperfections in GaN studied by x-ray diffraction | |
CN110468447B (zh) | 倒角的碳化硅衬底以及倒角的方法 | |
JP6251804B2 (ja) | バルク状炭化珪素単結晶の評価方法 | |
CN109196146B (zh) | SiC单晶体的品质评价方法及利用该方法的碳化硅单晶锭的制造方法 | |
US20210115592A1 (en) | Silicon carbide ingot, method of preparing the same, and method for preparing silicon carbide wafer | |
JP7164946B2 (ja) | 窒化ガリウム結晶基板およびその結晶品質の評価方法 | |
JP2022088407A (ja) | 窒化物半導体基板および半導体積層物 | |
JP7079683B2 (ja) | 窒化ガリウム結晶基板およびその結晶評価方法 | |
CN110709963B (zh) | SiC外延晶片及其制造方法 | |
JP7031709B2 (ja) | 六方晶化合物半導体の製造方法 | |
CN111745305B (zh) | 一种实现金刚石单晶衬底表面取向的方法 | |
WO2020036166A1 (ja) | SiC単結晶の評価方法及びSiCウェハの製造方法 | |
JP7134427B2 (ja) | 結晶格子面分布測定方法 | |
JP7409556B1 (ja) | 窒化ガリウム単結晶基板およびその製造方法 | |
TW201016905A (en) | Method for manufacturing nitride substrate, and nitride substrate | |
JP4935533B2 (ja) | 結晶の転位評価方法、結晶成長法評価方法および結晶成長法 | |
Kim et al. | Accurate determination of surface orientation of single-crystal wafers using high-resolution X-ray rocking curve measurements | |
JP6863003B2 (ja) | 六方晶化合物半導体の製造方法 | |
WO2023210696A1 (ja) | n型GaN基板及びn型GaN結晶 | |
JP7170460B2 (ja) | SiC単結晶の評価方法、及び品質検査方法 | |
WO2024095449A1 (ja) | 窒化ガリウム単結晶基板およびその製造方法 | |
TW202421863A (zh) | 氮化鎵單晶基板及其製造方法 | |
Bobea | High resolution X-ray Diffraction Characterization of III-Nitride Semiconductors: Bulk Crystals and Thin Films. | |
JP2023041434A (ja) | 半導体基板の結晶面の形状評価方法および形状評価装置、ならびに、半導体基板の結晶面の形状評価を行うためのコンピュータプログラム | |
Zielinski et al. | Evaluation of the Crystalline Quality of Strongly Curved 3C‐SiC/Si Epiwafers Through X‐Ray Diffraction Analyses |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180105 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180105 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200729 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210608 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210803 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220104 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220222 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220614 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220808 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20220808 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20220824 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20220830 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221011 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221021 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7164946 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |