JP7163014B2 - 感冒薬 - Google Patents

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Description

本発明は、感冒薬に関し、さらに詳細には、OTC医薬品(一般用医薬品)として、従来のものに比べ、抗炎症、解熱、鎮痛、抗鼻炎作用、鎮咳効果、去痰作用が一層向上し、取り扱いが容易で、自分自身で健康管理を行い、軽い病気の症状緩和などに活用しやすくセルフメディケーションに適すると共に、流通時にも取り扱いが容易で、安全性や安定性にすぐれた感冒薬に関する。
かぜは、年間一人あたりの平均罹患回数が5~6回と言われる、最もありふれた疾患である。このかぜは、寒気暴露など自律調節の短期失調などにライノウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどの上気道感染が加わることで発症するといわれている。
現時点では、かぜを引き起こすウイルスの感染及び増殖を抑制する薬は、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、シンメトレルなどのA型および/またはB型のインフルエンザウイルスなどに有効なものを除いて、まだ見つかっていない。その為に身体の消耗を防ぐ事を主目的とする対症療法が治療の中心となる。
かぜの症状、緩和する対症療法薬として、頭痛・発熱、のどや筋肉の痛み、咳、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどといった、いわゆる風邪症候群(普通感冒)の諸症状の緩和に効果を出すように設計された感冒薬が開発され、OTC医薬品として発売されている。
この感冒薬では、発熱、のどの痛み、悪寒(発熱によるさむけ)、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛みの症状、緩和する有効成分として消炎・解熱・鎮痛作用を有する非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)等の消炎鎮痛剤が、鼻水、鼻づまり(鼻閉)、くしゃみの症状を緩和する有効成分として抗鼻炎作用を有する抗ヒスタミン薬・血管収縮薬・副交感神経遮断薬等が、せきの症状を緩和する有効成分として鎮咳薬が、たんの症状を緩和する有効成分として去痰薬がそれぞれ配合されていることが多い。
従来、OTC医薬品では、消炎・解熱・鎮痛作用を有する消炎鎮痛剤として、イブプロフェンや、アセトアミノフェンが主に用いられており(特許文献1-4等)、エテンザミド、アスピリン、イソプロピルアンチピリンの使用も散見される(特許文献5)。さらに、ロキソプロフェンを配合したかぜ薬(特許文献6等)の開発がさかんに行われ、多数の特許出願が行われている。
しかしながら、これらは、有効性と安全性とのバランスを考えると、かぜの諸症状に対する治療及び緩和効果が満足できるものではなかった。例えば、非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有する従来の感冒薬の欠点として、消炎鎮痛効果の立ち上がりが悪いということが指摘されており、副作用の問題などを抑えながらこの点を改良した感冒薬の提供が求められていた。
特開2008-143807号公報 特開2003-081821号公報 特開2005-187328号公報 特開2001-233765号公報 特開平06-287144号公報 特開2013-151486号公報
従って本発明は、従来の感冒薬に比べ、かぜの諸症状に対する治療及び緩和効果をより改善した、感冒薬を提供するものである。
本発明者は、より効果の優れた感冒薬について鋭意研究を行っていたところ、消炎鎮痛成分としてナプロキセンまたはその薬学的に許容される塩を用いること、特にナプロキセンを塩基性成分と組み合わせることにより、投与初期の時点から優れた消炎鎮痛効果が得られ、他の感冒薬成分と配合することで、薬効が実感できる感冒薬が得られることを見出した。また、このものに更にセルロース系水膨潤性高分子を配合することで、固形剤とした場合であっても投与初期の時点から優れた消炎鎮痛効果が得られる感冒薬となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、ナプロキセンまたはその薬学的に許容される塩と、抗鼻炎作用成分、鎮咳成分および去痰成分から選ばれる医薬成分とを含有する感冒薬である。
また本発明は、更に塩基性成分を配合する上記感冒薬である。
更に本発明は、更に生薬成分および/または中枢神経興奮薬を含有する感冒薬である。
更にまた本発明は、セルロース系水膨潤性高分子を含有した、固形の上記感冒薬である。
消炎鎮痛剤としてナプロキセンまたはその薬学的に許容される塩を使用する本発明の感冒薬は、他の感冒薬成分である抗鼻炎成分、鎮咳成分、去痰成分等の効果を高めることができる。特に、フリーのナプロキセンと塩基性物質を組み合わせた場合には、投与初期の時点からナプロキセンの優れた消炎鎮痛効果が得られ、他の感冒薬成分の薬効が実感できるものである。
また、セルロース系水膨潤性高分子を更に配合した固形剤は、これを経口摂取した場合の口腔内等での崩壊性が高まり、より速やかな薬効を得ることができる。更にまた、ナプロキセンまたはその塩類、ブロムヘキソール若しくはアンブロキソールまたはその塩および塩基性物質を配合した医薬組成物は、前二者の配合で生じる着色を防止できるという効果もある。
本発明の感冒薬は、ナプロキセンまたはその薬学的に許容されるその塩(以下、「ナプロキセンまたはその塩」と総称することがある)と、抗鼻炎作用成分、鎮咳成分および去痰成分から選ばれる医薬成分とを含有するものである。
本発明の感冒薬に配合される、ナプロキセン((2S)-2-(6-Methoxynaphthalen-
2-yl)propanoic acid)は、プロピオン酸系の非ステロイド性消炎鎮痛剤としてすでに公知の消炎鎮痛剤であり、関節リウマチ、変形性関節症、痛風発作、強直性脊椎炎、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎、月経困難症、帯状疱疹の疾患の消炎、鎮痛、解熱や、外傷後並びに手術後の消炎、鎮痛、歯科・口腔外科領域における抜歯並びに小手術後の消炎、鎮痛などを目的として広く使用されているものである。
本発明においては、ナプロキセンの薬学的に許容される塩、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、トリス塩、塩基性アミノ酸の塩等を用いても良いが、フリーのナプロキセンを用いることがより好ましい。
本発明の感冒薬において、製剤中でのナプロキセンまたはその塩の配合量は特に制約はないが、OTC医薬品としての有効性及び安全性の為、成人に対する1日服用量として通常10~1200mgの範囲、好ましくは15~900mg程度、更に好ましくは20~600mg程度となるように製剤を調製すればよい。
一方、本発明の感冒薬においては、上記ナプロキセンまたはその塩に加えて、抗鼻炎作用成分、鎮咳成分および去痰成分から選ばれる医薬成分の1種以上を配合する。
このうち、抗鼻炎作用成分としては、一般に抗ヒスタミン剤、血管収縮剤、副交感神経遮断剤といわれる薬剤を挙げることができる。
このような抗鼻炎作用成分の例としては、メキタジン、クレマスチンフマル酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、オキサトミド、フェキソフェナジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、エバスチン、セチリジン塩酸塩、レボセチリジン塩酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、エメダスチンフマル酸塩、オロパタジン塩酸塩、ロラタジン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、5,dークロルフェニラミンマレイン酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、塩酸イソチベンジル、ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、塩酸ジフェテロール、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオル酸塩、酒石酸アリメマジン、トリプロリジン塩酸塩水和物、ナパジルシル酸メブヒドリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、プロメタジン塩酸塩、リン酸ジフェテロール、プソイドエフェドリン塩酸塩、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド等が挙げられる。これらは、単独でも、また複数、混合して用いても良い。
これら抗鼻炎作用成分の製剤中での配合量は、特に制約はないが、有効性及び安全性の面から、種類によって異なるが、成人に対する1日服用量として0.05~200mg程度、さらに0.1~135mg程度となるよう製剤を調製することが好ましい。
これらのうち特に好ましい抗鼻炎作用成分としては、メキタジン、クレマスチンフマル酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、オキサトミド、フェキソフェナジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、オロパタジン塩酸塩、ロラタジン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、dークロルフェニラミンマレイン酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、プソイドエフェドリン塩酸塩、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド等を挙げることができる。
上記した特に好ましい各抗鼻炎作用成分の1日あたりの服用量は、次の通りである。すなわち、メキタジンは、0.2~8mg、さらに0.4~4mgが、クレマスチンフマル酸塩は、クレマスチンとして0.1~2mg、さらに0.2~1mgが、ケトチフェンフマル酸塩は、ケトチフェンとして0.2~4mg、さらに0.4~2mgが、オキサトミドは、6~80mg、さらに12~60mgが、フェキソフェナジン塩酸塩は、6~240mg、さらに12~120mgが、エピナスチン塩酸塩は、1~30mg、さらに21~20mgが、エメダスチンフマル酸塩は、0.2~8mg、さらに0.4~4mgが、オロパタジン塩酸塩は、0.5~20mg、さらに1~10mgが、ロラタジンは、0.5~20mg、さらに1~10mgが、クロルフェニラミンマレイン酸塩は、0.75~100mg、さらに1.5~7.5mgが、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩は、0.3~10mg、さらに0.7~3.5mgが、マレイン酸カルビノキサミンは、0.7~10mg、さらに1.5~7.5mgが好ましく、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミンは、0.7~10mg、さらに0.75~7.5mgが好ましく、プソイドエフェドリン塩酸塩は10~150mg、さらに27~135mgが、ベラドンナ総アルカロイドは、0.1~1mg、さらに0.12-0.3mgが、ヨウ化イソプロパミドは、0.5~12mg、さらに1.5~6mgがそれぞれ1日の服用量が好ましく、この用量となるよう製剤を調製すれば良い。
更に、本発明の総合感冒剤に配合される医薬成分のうち、鎮咳成分としては、一般に用いられている公知のものを挙げることができる。
この鎮咳成分の例としては、塩酸アロクラミド、クロペラスチン塩酸塩、ペントキシベリンクエン酸塩、ジブナートナトリウム、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩、ノスカピン、ノスカピン塩酸塩水和物、ジメモルファンリン酸塩、エプラジノン塩酸塩、ナンテンジツ、チペピジンクエン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩等が挙げられる。これらは、単独でも、また複数を混合して用いても良い。
本発明の鎮咳成分の製剤中での配合量は、特に制約はないが、有効性及び安全性の面から、成人に対する1日服用量として1~12000mg程度、さらには2.4~10000mgとなるように製剤を調製することが好ましい。
この鎮咳成分のうち、特に好ましいものとしては、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩、ノスカピン、ノスカピン塩酸塩水和物、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンクエン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩等を挙げることができる。
上記した特に好ましい各鎮咳成分の1日あたりの服用量は、次の通りである。すなわち、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、4.8~60mg、さらに9.6~48mgが、コデインリン酸塩水和物は、4.8~72mg、さらに9.6~48mgが、ジヒドロコデインリン酸塩は、2.4~48mg、さらに4.8~24mgが、ノスカピンは、4.8~60mg、さらに9.6~48mgが、ノスカピン塩酸塩水和物は、4.8~60mg、さらに9.6~48mgが、ジメモルファンリン酸塩は、3~60mg、さらに6~30mgが、チペピジンクエン酸塩は6~80mg、さらに12~60mgが、チペピジンヒベンズ酸塩は7.5~100mg、さらに15~75mgが、dl-メチルエフェドリン塩酸塩は6~90mg、さらに12~60mgが、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩6~90mg、さらに12~60mgがそれぞれの1日服用量として好ましく、このような量となるよう製剤を調製すれば良い。
更にまた、本発明の総合感冒剤に医薬成分として配合される去痰成分も、一般に用いられている公知のものを挙げることができる。
この去痰成分としては、例えば、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、ブロムヘキシン塩酸塩、L-エチルシステイン塩酸塩、L-カルボシステイン、クレゾールスルホン酸カリウム、アンブロキソール塩酸塩、クエン酸チペピジン、チペピジンヒベンズ酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、石蒜、セネガ、バイモ等が挙げられる。これらも、単独でも、また複数を混合して用いても良い。
これら去痰成分の製剤中での配合量は、特に制約はないが、成人に対する1日服用量として2~12000mg、さらには4.5~10000mgとなるよう製剤を調製することが好ましい。
上記の去痰剤のうち、特に好ましいものとしては、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、ブロムヘキシン塩酸塩、L-エチルシステイン塩酸塩、L-カルボシステイン、アンブロキソール塩酸塩、クエン酸チペピジン、チペピジンヒベンズ酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、石蒜、セネガ等を挙げることができる。
本発明の感冒薬での好ましい去痰成分の1日あたりの服用量は、次の通りである。すなわち、グアヤコールスルホン酸カリウムは、25~500mg、さらに50~250mgが、グアイフェネシンは、25~500mg、さらに50~250mgが、ブロムヘキシン塩酸塩は、4~24mg、さらに8~12mgが、L-エチルシステイン塩酸塩は、30~450mg、さらに60~300mgが、L-カルボシステインは、75~1000mg、さらに150~750mgが、アンブロキソール塩酸塩は、4.5~60mg、さらに9~45mgが好ましく、クエン酸チペピジンは6~80mg、さらに12~60mgが好ましく、チペピジンヒベンズ酸塩は、5~100mg、さらに15~75mgが好ましく、dl-メチルエフェドリン塩酸塩は、6~90mg、さらに12~60mgが、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩は、6~90mg、さらに12~60mgがそれぞれ好ましく、このような量となるよう製剤を調製すれば良い。また、マオウは、原生薬換算で0.4~8g、さらに0.8~4gが、オウヒは、原生薬換算で0.4~8g、さらに0.8~4gが、オンジは、原生薬換算で0.5~10g、さらに1~5gが、カンゾウは、原生薬換算で0.15~10g、さらに1~5gが、キキョウは、原生薬換算で0.2~8g、さらに0.8~4gが、シャゼンシは、原生薬換算で0.5~10g、さらに1~5gが、シャゼンソウは、原生薬換算で1~15g、さらに2~10gが、石蒜は、原生薬換算で0.08~2g、さらに0.16~0.8gが、セネガは、原生薬換算で0.15~8g、さらに0.4~4gがそれぞれ好ましく、このような量となるよう配合し、製剤を調製すれば良い。
本発明の感冒薬においては、上記した各成分の他、必要に応じて各種製剤成分や、上記以外の他の医薬成分を配合してもよい。
ナプロキセンまたはその塩を有効成分とする本発明の感冒薬においては、製剤成分として、胃酸を中和する制酸剤としても知られる塩基性成分を配合することができ、これによりナプロキセンの消炎鎮痛効果の立ち上がりを早めることができる。
このような塩基性成分の例としては、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を混合して用いても良い。
このうち、より好ましいものとしては、二価あるいは三価の金属を含有する無機化合物が挙げられ、その具体例としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、(乾燥)水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等を挙げることができる。
上記の塩基性成分は、その種類によっても異なるが、成人に対する1日服用量として10~5000mg、さらに好ましくは16~4000mgとなるよう製剤を設計することが好ましい。
より詳細には、塩基性成分の成人1日当たりの服用量は、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物では、30~900mg、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム及び水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲルでは、100~3000mg、合成ヒドロタルサイトでは、133~4000mg、酸化マグネシウムでは、16~500mg、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及び沈降炭酸カルシウムは50~1500mg、水酸化アルミニウムゲル及び乾燥水酸化アルミニウムゲルでは、乾燥水酸化アルミニウムゲルとして33~1000mg、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物では、60~1800mg、炭酸マグネシウム及びケイ酸アルミン酸マグネシウムでは、66~2000mg、水酸化マグネシウムでは、40~1200mgなので、このような量となるよう製剤設計をすることが好ましい。
また、本発明の感冒薬を、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等の固形製剤とした際に、経口投与時の口腔内等での崩壊性や、溶解性を高めるためには、セルロース系水膨潤性高分子を製剤中に配合することが望ましい。
このセルロース系水膨潤性高分子は、水と接触した際に膨潤し、製剤の崩壊を促進するものである。好ましいセルロース系水膨潤性高分子の例としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム等が挙げられる。
これらのセルロース系水膨潤性高分子のうち、好ましいものとしては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース等を挙げることができる。
セルロース系水膨潤性高分子として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いる場合は、優れた形状および粒子径の経口固形組成物に加工しやすいという製造性の面からヒドロキシプロポキシ基が5.0~16.0 質量%であるものが好ましく、さらに7.0~13.0質量%であるものが好ましい。このような低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとしては、信越化学(株)製、LH-31(ヒドロキシプロポキシ基10.0~12.9質量%)、NBD-022(ヒドロキシプロポキシ基7.0~9.9質量% ) が挙げられる。さらに、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの平均粒径はおよそ60μm以下が好ましく、55μm以下がより好ましい。
また、セルロース系水膨潤性高分子として用いられるクロスカルメロースナトリウムは白色から帯黄白色の粉末である。このようなクロスカルメロースナトリウムとしては、キッコレート(旭化成ケミカルズ)が挙げられる。
更に、セルロース系水膨潤性高分子として結晶セルロースを使用する場合、これには様々なグレードがあるが、粉体の嵩密度が0.10~0.55g/cm、平均粒子径が20~300μmを示す高成形性の結晶セルロースを使用することが好ましい。より好ましくは嵩密度が0.10~0.43g/ml、平均粒子径が20~170μmである。市販品としてはセオラスKG-1000、セオラスUF-711、セオラスKG-802(商品名)(旭化成ケミカルズ)などが使用できる。
上記セルロース系水膨潤性高分子の配合量は、製剤中、1~99%程度、好ましくは、5~85%である。
一方、本発明の感冒薬に任意に配合されうる他の医薬成分の例としては、無水カフェイン、カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等の中枢神経興奮薬;クトチアミン、プロスルチアミン、フルスルチアミン、塩酸フルスルチアミン、ビスベンチアミン、ベンフ、チアミン、塩酸ジセチアミン、シコチアミン、コカルボキシラーゼ、チアミンジスルフィド、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジセチル硫酸エステル塩、ビスイブチアミン等のビタミンBおよびその誘導体並びにそれらの塩類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等のビタミンBおよびその誘導体並びにそれらの塩類、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム等のビタミンCおよびその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジンおよびその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンF、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンAおよびその誘導体並びにそれらの塩類、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム、酢酸トコフェロール、トコフェロール等のビタミンEおよびその誘導体並びにそれらの塩類等のビタミン類を挙げることができる。
このうち、中枢神経興奮薬の配合量は、その種類によって異なるが、製剤中にそれらの1種またはそれ以上を、成人に対する1日服用量として15~1200mg、さらに5~300mgとなるよう製剤を調製することが好ましい。より詳細には、製剤中に成人1日当たりの投与量として、安息香酸ナトリウムカフェインでは30~300mg、カフェイン又は無水カフェインでは5~150mgとなるよう配合することが好ましい。
また、ビタミン類の配合量もその種類によって異なるが、その1種またはそれ以上を、成人に対する1日服用量として0.5~3000mg、さらに1~2000mgとなるよう製剤を調製することが好ましい。
より詳細には、ビタミンBは、成人に対する1日服用量として0.1~100mg、さらに0.5~50mg、特に1~25mgとなるように配合することが好ましく、Bは、成人に対する1日服用量として0.1~45mg、さらに1~30mg、特に2~12mgとなるよう配合することが好ましく、ビタミンCは、成人に対する1日服用量として5~2000mg、さらに25~1000mg、特に50~500mgとなるように配合することが好ましく、ヘスペリジンは、成人に対する1日服用量として1~270mg、さらに9~180mg、特に18~90mgとなるよう製剤中に配合することが好ましい。
また、本発明の感冒薬には、塩基性成分として説明した胃酸を中和するタイプの制酸剤の他、胃酸の分泌を抑える制酸剤や、胃粘膜保護剤を添加しても良い。
胃酸の分泌を抑える制酸剤の例としては、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラべプラゾールナトリウム、エソメプラゾール、ファモチジン、ラニチジン、シメチジン、ロキサチジン、ニザチジン、ラフチジン、ピレンゼピン、チキジウム、プログルミ等が挙げられる。
これらの胃酸分泌抑制タイプの制酸剤は、1種または2種以上を混合して用いても良く、その配合量は、制酸剤の種類によって異なるが、製剤中に、成人に対する1日服用量として2~1600mg、さらに5~1200mgとなるようにすることが好ましい。
より詳細には、1日服用量が、オメプラゾールは、5~20mg、ランソプラゾールは、7.5~30mg、ラベプラゾールナトリウムは、5~20mg、エソメプラゾール(マグネシウム水和物として)は、5~20mg、ファモチジンは、10~40mg、ラニチジン(塩酸塩として)は、75~300mg、シメチジンは、200~800mg、ロキサチジン(酢酸エステル塩酸塩として)は、30~150mg、ニザチジンは、75~300mg、ラフチジンは、5~20mg、ピレンゼピン(塩酸塩水和物として)は、30~100mg、チキキジウム(水和物として)は、5~30mg、プログルミドは、300~1600mgとなるよう製剤中に配合することが好ましい。
さらに胃粘膜保護薬としては、テプレノン、アルジオキサ、スクラルファート、セトラキサート、アズレン、レバミピド等や、ムコ多糖類等が挙げられる。これらの胃粘膜保護薬は、1種または2種以上を合して用いても良い。
胃粘膜保護薬の配合量は、胃粘膜保護薬の種類によって異なるが、製剤中に、成人に対する1日服用量として0.5~3600mg、さらに1~1200mgとなるよう配合することが好ましい。より詳細には、1日服用量として、テプレノンは15~150mg、アルジオキサは40~400mg、スクラルファートは(水和物として)150~3600mg、セトラキサートは(塩酸塩として)60~800mg、アズレンは(スルホン酸ナトリウムとして)0.5~6mg、レバミピドは15~300mgとなるよう製剤中に配合することが好ましい。
更にまた、本発明の感冒薬には、ナプロキセンまたはその薬学的に許容される塩以外の抗炎症・解熱・鎮痛薬を配合することもできる。このような成分の例としては、アセトアミノフェン、ラクチルフェネチジン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、アルミノプロフェン、ロキソプロフェン、グリチルリチン酸及びその塩類、トラネキサム酸等が挙げられる。これらは、1種または2種以上、混合して用いても良い。
上記抗炎症・解熱・鎮痛薬の配合量は、その種類によって異なるが、成人に対する1日服用量として3~4500mg、さらに好ましくは6~3000mgとなるよう製剤に配合すれば良い。
より詳細には、1日服用量として、アセトアミノフェンは30~1500mg、ラクチルフェネチジンは20~600mg、アスピリンは75~1500mg、アスピリンアルミニウムは100~2000mg、エテンザミドは50~1500mg、サザピリンは100~3000mg、サリチルアミドは100~3000mg、サリチル酸ナトリウムは100~3000mg、イソプロピルアンチピリンは15~450mg、イブプロフェンは15~600mg、アルミノプロフェンは20~600mg、ロキソプロフェンは(無水物として)6~180mg、グリチルリチン酸及びその塩類(グリチルリチン酸として)は3~39mg、トラネキサム酸は10~750mgとなるよう製剤中に配合することが好ましい。
更に、他の医薬成分の例として、前記各薬効成分中で説明した以外の生薬成分を挙げることができる。
これら生薬成分の例としては、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタン含む)、シヤジン、ソウジュツ、チョワジ、ピャクジュツ、チクセツニンジン、ニンジン等の生薬あるいはそのエキス、葛根湯、葛根湯加桔梗、桂校湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬、半夏厚朴湯、麻黄湯等の漢方製剤が挙げられる。これらの生薬成分は、1種または2種以上を混合して用いることもできる。
上記生薬成分は、種類によって異なるが、成人に対する1日服用量として0.002~30g(原生薬換算量)程度となるよう製剤中に配合することが好ましい。より詳細には、原生薬換算の1日服用量で、ウイキョウは0.5~6g、さらに1~3gが、オウバクは0.5~6g、さらに1~3がg、オウレンは0.1~6g、さらに0.5~3gが、ガジュツは0.5~6g、さらに1~3gが、カミツレは1~15g、さらに2~10gが、ケイヒは0.2~10g、さらには0.5~5gが、ゲンチアナは0.05~1g、さら0.1~0.5gが、ゴオウは0.002~0.04g、さらに0.01~0.02gが、獣胆(ユウタン含む) は0.05~1g、さらに0.1~0.5gが、シヤジンは0.25~10g、さらに0.5~5gが、ショウキョウは0.1~5g、さらに0.2~3gが、ソウジュツは0.5~10g、さらに1~5gが、チョワジは0.1~3g、さらに0.2~2gが、チンピは0.5~6g、さらに1~5gが、ピャクジュツは0.2~6g、さらに1~5gが、ジリュウは0.2~6g、さらに0.4~3gが、チクセツニンジンは0.3~9g、さらに0.6~6gが、ニンジンは0.3~9g、さらに0.6~6gが好ましいので、このような量となるよう製剤中に配合すれば良い。
また葛根湯は5~50g、さらに10~25g、葛根湯加桔梗は5~58g、さらに9~29g、桂校湯は3~30g、さらに6~15g、香蘇散は1.5~22g、さらに3~11g、柴胡桂枝湯は4~48g、さらに8~24g、小柴胡湯は4~48g、さらに8~24g、小青竜湯は4~48g、さらに8~24g、麦門冬は5~60g、さらに12~30g、半夏厚朴湯は2~32g、さらに3~16g、麻黄湯は1~26g、さらに3~13gとなるよう製剤中に配合することが好ましい。
本発明の総合感冒剤は、前記のナプロキセンまたはその塩、抗鼻炎作用成分、鎮咳成分、去痰成分と、必要に応じて上記した他の医薬成分および製剤分野で一般的に使用される製剤添加剤を組み合わせ、公知の方法で製剤化することにより調製される。
使用される製剤添加剤の例としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤の他、各種担体、安定(化)剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢化剤、可溶(化)剤、還元剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、吸着剤、矯味剤、懸濁(化)剤、抗酸化剤、光沢化剤、コーティング剤、剤皮、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼化剤、着色剤、着香剤、香料、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘稠化剤、粘稠剤、発泡剤、pH調整剤、稀釈剤、分散剤、崩壊補助剤、崩壊延長剤、芳香剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、流動化剤、帯電防止剤、増量剤、保湿剤、付湿剤等の製剤添加剤を挙げることができる。これらの添加剤の具体例は、薬食発1204第1号(薬事行政法令)、医薬品添加物事典2016(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)及び第8版食品添加物公定書(日本食品添加物協会)に記載されている。
本発明の感冒薬は、錠剤の他、カプレット、硬カプセル剤、軟カプセル剤、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、トローチ剤、発泡錠、細粒剤、顆粒剤、散剤、ドライシロップ剤などの内服固形製剤や経口液剤、シロップ剤の剤形のものとして提供される。また、必要に応じてフィルムコーティングや糖衣を施し、上記製剤のコーティング製剤とすることもできる。これらの剤型には、通常行われている製剤化方法(津田恭介・上野寿著、「医薬品開発基礎講座XI 薬剤製造法(上)(下)」、地人書館、1971年発行;仲井由宣著、「製剤工学ハンドブック」、地人書館、1983年発行;仲井由宣著、「医薬品の開発11 製剤の単位操作と機械」、廣川書店、1989年発行;橋田充著、「経口投与製剤の設計と評価」、薬業時報社、1995年発行;橋田充著、「経口投与製剤の処方設計」、薬業時報社、1995年発行)により製造することができる。また、マイクロカプセル、ナノカプセル、マイクロスフィアー、ナノスフィアー、リポゾーム等の微小粒子を用いてもよい。
更に、本発明の感冒薬においては、所望により、有効成分の一部に徐放化処理を行い、1日2回或いは1日1回服用型の製剤とすることもできる。
以上のようにして製造された本発明の感冒薬は、ガラス瓶、プラスチックボトル、PTP包装、アルミヒートシール包装等の密閉容器に保存することでき、その際、必要に応じて、シリカゲル、活性炭などの乾燥剤を同封しても良い。
かくして得られた本発明の感冒薬は、通常、1日に2~3回に分け、3回を限度として、なるべく空腹時をさけて水又はぬるま湯で服用することが好ましい。2回に分ける場合、服用間隔は6時間以上とし、3回に分ける場合、間隔は4時間以上として服用することが好ましい。
以下、本発明について製剤例、実施例、試験例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製 剤 例 1
( 錠 剤 )
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、速放部と徐放部を調製した。次いでこれらを用い、二層錠として錠剤を製造した。
Figure 0007163014000001
製 剤 例 2
( 錠 剤 )
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って速放部と徐放部を調製した。次いで、これらを用い、二層錠として錠剤を製造した。
Figure 0007163014000002
製 剤 例 3
( 顆粒剤 )
1包当たり、以下の処方により、常法に従って、顆粒剤を製造した。
Figure 0007163014000003
製 剤 例 4
( 顆粒剤 )
1包当たり、以下の処方により、常法に従って、顆粒剤を製造した。
Figure 0007163014000004
製 剤 例 5
( 顆粒剤 )
1包当たり、以下の処方により、常法に従って、顆粒剤を製造した。
Figure 0007163014000005
製 剤 例 6
( 錠 剤 )
1錠当たり、以下の処方となるように配合した粉剤を、常法に従って打錠し、錠剤、得た。この錠剤を1錠あたり10mgのヒプロメロースでコーティングし、フィルムコーティング錠を製造した。
Figure 0007163014000006
製 剤 例 8
( 硬カプセル剤 )
1カプセル当たり、常法に従って以下の処方となるよう速放部と徐放部を調製し、これを硬カプセルに充填し、硬カプセル剤を製造した。
Figure 0007163014000007
製 剤 例 9
( 顆粒剤 )
1包当たり、以下の処方により、常法に従って、顆粒剤を製造した。
Figure 0007163014000008
製 剤 例 1 0
( 錠 剤 )
1錠当たり、以下の処方により、常法に従って、速放部と徐放部を調製した。次いでこれらを用い、二層錠として錠剤を製造した。
Figure 0007163014000009
試 験 例 1
アレルギー性鼻炎抑制試験:
アレルギー性鼻炎モデルを用い、鼻腔抵抗の増加に対するナプロキセン(NPX)、クロルフェニラミンマレイン酸塩(CF)、NPXとCFの併用、dl-メチルエフェドリン塩酸塩(MF)、NPXとMFの併用による抑制効果を検討した。アレルギー性鼻炎モデルとしては、モルモットを、抗原(ovalbumin,OVA)で能動感作し、その鼻腔内に抗原投与して鼻炎反応を誘発させたものを使用した。
試験は、対照群、ナプロキセン群(NPX 60mg/kg)、クロルフェニラミンマレイン酸塩群(CF 0.75mg/kg)、NPX、CF併用群(NPX 60mg/kg + CF 0.75mg/kg)、MF群(MF 6mg/kg)、NPX、MF併用群(NPX 60mg/kg + MF 6mg/kg)の計6群、各8例を設定し、各投与検体は抗原誘発の1時間前に媒体(0.5w/v%メチルセルロス水溶液)を用いて強制単回経口投与して行った。対照群には媒体のみを投与した。
鼻炎反応の誘発前及び誘発2時間後に,モルモットの鼻腔抵抗を覚醒下で測定し、鼻炎誘発前後の鼻抵抗の増加率を算出した。鼻腔抵抗の測定は、総合呼吸機能測定システム(Pulmos-I,M.I.P.S.社)を用い、各測定時点に1回、それぞれ100呼吸以上の鼻腔抵抗(nasal airway resistance,nRaw)を測定し、100呼吸分の平均値を各測定時間における個体のnRawとした。このnRawから、下の計算式により誘発2時間後のnRaw増加率(%)
を算出した。
nRaw増加率(%)= nRaw(2)- nRaw(0) / nRaw(0) × 100
nRaw(0); 誘発前のnRaw値
nRaw(2); 誘発2時間後のnRaw値
更に、上記のように求めたnRaw増加率を元に、下の計算式により、対照群のnRaw増加率とその他各群の誘発2時間後のnRaw増加率の差を鼻炎抑制率として算出し、評価を行った。この結果を表10および表11に示す。
鼻炎抑制率(%) =ΔnRaw(con.) -ΔnRaw(2) / ΔnRaw(con.) × 100
ΔnRaw(con.); 対照群のnRaw増加率
ΔnRaw(2) ; 各検体の誘発2時間後のnRaw増加率
Figure 0007163014000010
Figure 0007163014000011
試 験 例 2
塩基性成分存在下でのナプロキセンと去痰成分の相互作用の検討:
表12示す分量でナプロキセン、去痰成分(アンブロキソール塩酸塩)、塩基性成分(酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム)を秤量し、全重量の10%の精製水を添加して混練して、1~30の混合物を調製した。これら混合物を、ガラス瓶に入れ50 ℃ で保存し、60日後の混合物の状態を評価し、変色の有無を確認した。結果を表12に合わせて示した。
Figure 0007163014000012
<評価基準>
(評価) (内容)
-: 変色が全くない
±: 変色がほとんどない
+: 変色がある
<試験結果>
表12に示すように、ナプロキセンと去痰成分であるアンブロキソール塩酸塩を配合すると配合変化を生じ、これらを配合した感冒薬では、有効性が減じ、商品価値が著しく低下することが示唆された。一方でナプロキセンとアンブロキソール塩酸塩を配合し、さらに、塩基性成分を配合することで、配合変を生じなかった。ナプロキセンと去痰成分の配合変化を塩基性成分により防止でき、感冒薬としての効力を十分に発揮できることが示唆された。
消炎鎮痛剤としてナプロキセンまたはその薬学的に許容される塩を使用する本発明の感冒薬は、他の感冒薬成分である抗鼻炎成分、鎮咳成分、去痰成分等の効果を高めることができる。特に、フリーのナプロキセンと塩基性物質を組み合わせた場合には、投与初期の時点からナプロキセンの優れた消炎鎮痛効果が得られ、他の感冒薬成分の薬効が実感できるものである。
また、さらに水膨潤性高分子化合物を配合した固形剤は、これを経口摂取した場合の口腔内等での崩壊性が高まり、より速やかな薬効を得ることができる。
従って、本発明の感冒薬はOTC用製剤として有利に使用できるものである。

Claims (5)

  1. 医薬成分としてナプロキセン又はその薬学的に許容される塩とアンブロキソール又はその薬学的に許容される塩とを含有し、さらに酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素ナトリウムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の塩基性成分を含有することを特徴とする感冒薬
  2. さらにセルロース系水膨潤性高分子を含有する請求項1記載の感冒薬。
  3. セルロース系水膨潤性高分子が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、アルファー化デンプンおよびカルボキシメチルスターチナトリウムよりなる群から選ばれたものである請求項2に記載の感冒薬。
  4. 固形製剤である請求項1ないし3の何れかの項記載の感冒薬。
  5. 医薬成分としてナプロキセン又はその薬学的に許容される塩とアンブロキソール又はその薬学的に許容される塩とを含有する医薬組成物において、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素ナトリウムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の塩基性成分を配合することを特徴とする医薬組成物の変色防止方法。
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