JP7161254B2 - 加工方法、加工装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本開示は、エンドミルを用いて仕上げ面を形成する技術に関する。
先端側にR形状を有するボールエンドミルなどの回転工具は、仕上げ加工に利用されることが多い。特許文献1は、ボールエンドミルを用いて、抜き勾配を必要とする金型を仕上げ加工する技術を開示する。
図1は、抜き勾配をもつ金型の立壁(たちかべ)をボールエンドミルで仕上げ加工する様子を示す。この仕上げ加工では、ボールエンドミルを回転させながら壁面に沿って所定の送り方向に送って被削材を切削する工程と、ボールエンドミルを所定のピックフィード方向にピックフィードする工程とを繰り返す。
ボールエンドミルは先端に半球状のボール部を有する。当該ボール部の半径をrとし、ピックフィード方向の送り量(ピックフィード量)をfpとすると、立壁面の仕上げ面粗さRは、以下の式で表現される。
R=fp/(8r)
この式から、ピックフィード量fpを小さくすることで、ボールエンドミルの変位がない理想的な状態では、高精度かつ高品質な仕上げ面の創製を実現できることが分かる。
特許第5963292号公報
金型壁面を加工する際には、長く突き出した動剛性の低い工具を使わざるを得ないことが多い。壁面などの仕上げ工程では、工具の動剛性が低い方向のたわみが加工精度に大きな影響を与えるため、高精度な加工を安定して行うことが容易でない。
本開示はこうした状況に鑑みてなされており、その目的とするところは、エンドミルを用いて仕上げ面を高精度に形成するための技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の加工方法は、先端側にR形状を有するエンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って被削材を切削する第1工程と、エンドミルを被削材に対してピックフィード(ピックフィード方向に移動)する第2工程とを繰り返して、被削材を切削する。この加工方法では、1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去される。この加工方法は、1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングまでの間で、当該一部の領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングよりも切り込むタイミングに近いタイミングまでに完了させる。
本開示の別の態様の加工装置は、被削材を切削する加工装置であって、先端側にR形状を有するエンドミルが取り付けられた主軸を回転させる回転機構と、被削材に対してエンドミルを相対的に移動させる送り機構と、回転機構および送り機構の動作を制御して、エンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って被削材を切削する第1工程と、エンドミルを被削材に対してピックフィードする第2工程とを繰り返す制御装置と、を備える。この加工装置による加工において、1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去される。制御装置は、1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングまでの間で、当該一部の領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングよりも切り込むタイミングに近いタイミングまでに完了させる。
本開示のさらに別の態様は、先端側にR形状を有するエンドミルである。このエンドミルは、当該エンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って被削材を切削する第1工程と、当該エンドミルを被削材に対してピックフィードする第2工程とを繰り返す被削材の仕上げ加工に使用され、右刃左ねじれの形状、または左刃右ねじれの形状を有する。
本開示のさらに別の態様は、エンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って被削材を切削して、仕上げ面を形成する加工方法であって、切れ刃のねじれ角が0度のエンドミルを使用し、アップカット加工を実施する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
本開示によれば、エンドミルを用いて仕上げ面を高精度に形成するための技術を提供できる。
金型の立壁をボールエンドミルで仕上げ加工する様子を示す図である。 実施形態の加工装置を示す図である。 ボールエンドミルの外観を示す図である。 比較技術となる加工方法の概要を説明するための図である。 仕上げ面が除去される過程を説明するための図である。 比較技術における加工時の切削力と工具変位の解析結果を示す図である。 比較技術における加工誤差の解析結果を示す図である。 比較技術における加工時の切削力と工具変位の解析結果を示す図である。 実施形態における仕上げ加工手順を示す図である。 実施例1におけるボールエンドミルの外観を示す図である。 実施例1における加工時の切削力と工具変位の解析結果を示す図である。 実施例1における加工誤差の解析結果を示す図である。 実施例2による加工方法の概要を説明するための図である。 実施例2における加工時の切削力と工具変位の解析結果を示す図である。 実施例2における加工誤差の解析結果を示す図である。 実施例3による加工方法の概要を説明するための図である。 実施例3で使用する改良されたボールエンドミルが切削する様子を示す図である。 変形例による加工方法の概要を説明するための図である。
図2は、実施形態の加工装置1を示す。加工装置1は、工作機械装置10および制御装置100を備える。制御装置100は、NC(numerical control)プログラムにしたがって工作機械装置10を制御するNC制御装置であってよく、工作機械装置10は、NC制御装置によって制御されるNC工作機械であってよい。加工装置1において、工作機械装置10および制御装置100は別体として構成され、ケーブル等により接続されてよいが、一体として構成されてもよい。
工作機械装置10は、本体部であるベッド部12およびコラム部14を備える。ベッド部12上には、第1テーブル16および第2テーブル18が移動可能に支持される。第1テーブル16は、ベッド部12に形成されたレール部によりY軸方向に移動可能に支持され、第2テーブル18は、第1テーブル16に形成されたレール部によりX軸方向に移動可能に支持される。第2テーブル18の上面にはワークピース設置面が設けられ、加工対象である被削材62が、ワークピース設置面に固定される。被削材62は、仕上げ加工前の立壁、つまり前加工された立壁を有する金型用の金属素材であってよい。実施形態の加工装置1は、被削材62の立壁を仕上げ加工して、抜き勾配を有する立壁を形成するが、実施形態で示す加工技術は、その他、様々な対象物の高精度仕上げ加工に利用されてよい。
Y軸モータ22はボールねじ機構を回転することで、第1テーブル16をY軸方向に移動し、X軸モータ20はボールねじ機構を回転することで、第2テーブル18をX軸方向に移動する。Y軸センサ32は、第1テーブル16のY軸方向の位置を検出し、X軸センサ30は、第2テーブル18のX軸方向の位置を検出する。
第2テーブル18の上方には、切削工具50が取り付けられる主軸46が設けられる。実施形態において、主軸46に設けられたチャックには、先端側にR形状を有するエンドミル工具が取り付けられる。このようなエンドミル工具は、典型的にはボールエンドミルであるが、ラジアスエンドミルやバレルエンドミルであってもよい。主軸モータ40は主軸46を回転し、主軸センサ42は主軸モータ40の回転速度を検出する。主軸46および主軸モータ40は主軸支持部44に固定される。
主軸支持部44は、その背面側でコラム部14に形成されたレール部によりZ軸方向に移動可能に支持される。Z軸モータ24はボールねじ機構を回転することで、主軸46をZ軸方向に移動する。Z軸センサ34は、主軸46のZ方向の位置を検出する。
第1傾斜モータ52はギヤ機構を回転することで、主軸支持部44を主軸46およびY軸に垂直な軸線周りに傾斜させる。傾斜センサ56は、主軸46の傾斜角度を検出する。第2傾斜モータ54はギヤ機構を回転することで、主軸支持部44をY軸に平行な軸線周りに傾斜させる。傾斜センサ56とは別の傾斜センサ(図示せず)が、主軸46の傾斜角度を検出する。
制御装置100は、NCプログラムにしたがってX軸モータ20、Y軸モータ22、Z軸モータ24、第1傾斜モータ52、第2傾斜モータ54および主軸モータ40を駆動制御する。制御装置100は、X軸センサ30、Y軸センサ32、Z軸センサ34、傾斜センサおよび主軸センサ42から、それぞれで検出された検出値を取得し、各モータの駆動制御に反映する。
図2に示す工作機械装置10では、被削材62がX軸モータ20およびY軸モータ22によってそれぞれX軸方向およびY軸方向に移動させられ、切削工具50がZ軸モータ24によってZ軸方向に移動させられるが、これらの移動は、切削工具50と被削材62との間で相対的であればよい。つまり工作機械装置10において、切削工具50がX軸方向およびY軸方向に移動させられ、被削材62がZ軸方向に移動させられてもよい。また工作機械装置10では、切削工具50が第1傾斜モータ52および第2傾斜モータ54によって被削材62に対して傾斜させられるが、これらの傾斜モータは、ベッド部12側に設けられてもよい。このように切削工具50と被削材62は、いずれが動かされるかは重要ではなく、各移動方向および各回転方向において相対的に動作できればよく、以下、切削工具50と被削材62の相対的な移動を実現するための機構を総称して「送り機構」と呼ぶ。
図3は、ボールエンドミルの外観を示す。ボールエンドミルは、半球状のボール部と、ボール部に接続する円柱部とを有する。後述するが、図3に示すボールエンドミルは、右刃右ねじれの形状を有する。
以下、ボールエンドミルの設計可能な工具パラメータと加工条件を示す。
<工具パラメータ>
・ 工具直径
・ 工具突出し
・ 刃数
・ ねじれ角
・ 右刃/左刃
<加工条件>
・ 回転速度
・ 送り方向
・ 1刃当たりの送り量
・ ピックフィード方向
・ ピックフィード量
・ 半径方向切込み深さ
・ リード角
・ チルト角
リード角は、工具進行方向(送り方向)における工具の傾き角であり、チルト角は、工具進行方向に直角な方向の工具の傾き角である。
図3に示すように、ボールエンドミルにおけるねじれ角は、ボール部の俯角によって変化する。ねじれ角はボール部の底付近では0度に近く、円柱部に近づくにつれて一定のねじれ角に漸近し、円柱部では一定のねじれ角を有する。通常、ボールエンドミルのねじれ角と言えば、円柱部のねじれ角を意味する。
エンドミルは、切れ刃の向きによって切削の回転方向が異なる。エンドミルのねじれ刃には右刃と左刃があり、エンドミルをシャンク側から先端側に向かう方向に見た場合に、工具回転方向が時計回りで切削する工具を「右刃」と呼び、工具回転方向が反時計回りで切削する工具を「左刃」と呼ぶ。通常のエンドミルは右刃工具であり、左刃のエンドミルは少ない。
またエンドミルでは、切れ刃のねじれの向きによって、切り屑の排出方向が異なる。右刃右ねじれのエンドミルは、切り屑が上方向に排出され、右刃左ねじれのエンドミルは、切り屑が下方向に排出される。以下、右刃に関し、右ねじれのねじれ角を正とし、左ねじれのねじれ角を負と定義する。なお左刃に関しても同様に、左刃左ねじれのエンドミルは、切り屑が上方向に排出され、左刃右ねじれのエンドミルは、切り屑が下方向に排出される。
図3に示すボールエンドミルは、右刃右ねじれの工具であり、正のねじれ角をもつ。右刃に関して言えば、右刃右ねじれのエンドミルは非常に一般的であるが、右刃左ねじれの形状はスクウェアエンドミルにおいて僅かに存在するものの、先端側にR形状を有する右刃左ねじれのエンドミルは存在していない。同様に先端側にR形状を有する左刃右ねじれのエンドミルも存在していない。
以下、ボールエンドミルによる加工精度について考察する。まず実施形態の加工方法について説明する前に、実施形態の加工方法と対比するための比較技術を説明する。
比較技術および実施形態では、等高線加工により立壁の壁面を仕上げ加工する。等高線加工とは、1つの加工パスの中ではz軸の高さを一定とし、xy方向に送りを行って1ラインを切削し、1ライン切削後は、z軸方向にピックフィードして1ラインを切削し、これを繰り返すことで仕上げ面を創製する加工方法である。
比較技術では、一般的な右刃右ねじれのボールエンドミルを使用する。
図4(a)、(b)は、比較技術となる加工方法の概要を説明するための図である。図4(a)、(b)において、xyz座標系は、ボールエンドミルに固定された工具座標系を表現し、uvw座標系は、被削材62に固定された被削材座標系を示す。工具座標系であるxyz座標系は、工作機械装置10におけるXYZ座標系と異なっていてよい。uvw座標系において、u軸は、形成する立壁の壁面に垂直な方向、v軸は、送り方向に平行な方向、w軸は、ピックフィード方向に平行な方向である。比較技術において、ボールエンドミルの送り方向は、v軸負の方向、ピックフィード方向は、w軸負の方向である。
図4(a)は、1つの加工パスにおいてボールエンドミルを送って被削材を切削する様子を示す。図中、点線で表現するボールエンドミルは前回(1刃前)の切れ刃の位置を、実線で表現するボールエンドミルは今回の切れ刃の位置をそれぞれ示す。今回の切れ刃の位置は、送り方向において、前回の切れ刃の位置から1刃当たりの送り量だけ進んだ位置にある。
図4(b)は、2つの重なる加工パスにおいてボールエンドミルが被削材を切削する様子を示す。被削材62の加工される面はz軸に対してv軸周りにチルト角αだけ回転している。図中、点線で表現するボールエンドミルは前回(1パス前)の加工パスにおける切れ刃の位置を、実線で表現するボールエンドミルは今回の加工パスにおける切れ刃の位置をそれぞれ示す。今回の加工パスにおける切れ刃の位置は、ピックフィード方向において、前回の加工パスにおける切れ刃の位置からピックフィード量だけ進んだ位置にある。
ボールエンドミル加工の誤差は、切れ刃が仕上げ面を作る瞬間の工具と被削材の相対変位で決まる。なお、ここで「仕上げ面」と呼んでいるのは、仕上げ加工において、回転する切れ刃が壁面を切削したことで形成された面である。ねじれ角をもつボールエンドミルでは、1刃による切削中に、仕上げ面が形成されるタイミングは切れ刃の高さ位置によって異なる。
比較技術のように、ピックフィード方向を下向き(w軸負方向)に設定して、右刃右ねじれのボールエンドミルで壁面加工する場合、切削に関与する切れ刃のうち、最初に最下部付近の切れ刃部分が被削材に切り込んで切削を開始し、それから、より高い位置にある切れ刃部分が被削材に連続して切り込み、最後に最上部の切れ刃部分が被削材に切り込む。その後、最初に切り込んだ最下部付近の切れ刃部分が被削材から抜け出ると、より高い位置にある切れ刃部分が、切り込んだ順番と同じ順番で被削材から抜け出て、最後に最上部の切れ刃部分が被削材から抜け出て、1枚の切れ刃による切削が完了する。このように比較技術によると、仕上げ面は、下から上に向けて順番に形成される。
ボールエンドミル加工では、現在の切れ刃によって形成された仕上げ面のほとんどが同じ加工パスにおける次の切れ刃または1ピックフィード量送った次の加工パスにおける切れ刃で除去される。
図5(a)~(c)は、仕上げ面が除去される過程を説明するための図である。
図5(a)は、今回、切れ刃で形成した仕上げ面A1を示す。第Nパスは、仕上げ加工におけるN回目の加工パスを意味する。
図5(b)は、同じ加工パスにおける次の切れ刃で形成した仕上げ面B1を示す。図5(b)において仕上げ面B1は、ハッチングした領域である。仕上げ面B1は、仕上げ面A1から、1刃当たりの送り量だけ送り方向にずれた位置に形成される。図示されるように、仕上げ面B1は、仕上げ面A1の大部分に重ねられて形成される。そのため仕上げ面A1の大部分は除去されて、僅かに仕上げ面A2が残される。
図5(c)は、次の加工パスにおいて形成した仕上げ面C1を示す。図5(c)において仕上げ面C1は、ハッチングした領域である。仕上げ面C1の加工パスである第(N+1)パスは、仕上げ加工における(N+1)回目の加工パスであり、第Nパスの次のパスであることを意味する。
第(N+1)パスでは、第Nパスからピックフィード量だけボールエンドミルを下方にずらした切削が行われる。図示されるように、仕上げ面C1は、仕上げ面A2に重ねられて形成される。そのため仕上げ面A2の大部分は除去されて、僅かに仕上げ面A3が残される。(なお実際には、第(N+1)パスで仕上げ面C1が形成される前の加工で、仕上げ面A2の大部分は既に除去される。)残された仕上げ面A3は、この後、加工されることはないため、以下「最終仕上げ面」と呼ぶ。
以上のように等高線加工では、現在の切れ刃によって形成された仕上げ面のほとんどが同じ加工パスにおける次の切れ刃または1ピックフィード量送った次の加工パスにおける切れ刃で除去され、僅かな最終仕上げ面だけが残される。最終的な製品は、最終仕上げ面を繋ぎ合わせたものであり、最終仕上げ面を高精度に仕上げることができれば、高品質の製品を創製できることになる。金型等の壁面加工では、加工中の切削力により低剛性な構造(ここでは長く突き出したエンドミル)が加振され、その結果として静的変位(静たわみ)と動的変位(強制振動)が発生する。最終仕上げ面を形成するときに発生する変位が大きければ、加工精度は悪くなり、変位が小さければ、加工精度は良好となる。
比較技術に関する解析では、工具パラメータおよび加工条件を、以下のように設定した。
<工具パラメータ>
工具直径:10mm
工具突出し:50mm
刃数:1枚
ねじれ角:+30度(右ねじれ)
右刃
<加工条件>
送り方向:-v方向
1刃当たりの送り量:0.22mm
ピックフィード方向:-w方向
ピックフィード量:0.1mm
半径方向切込み深さ:0.6mm
リード角:0度
チルト角α:+7度
以下、ボールエンドミルが被削材に対して最初に接触するタイミング(時刻)をtin、最終仕上げ面を形成するタイミング(時刻)をtc、その差の時間(tc-tin)をTpとする。なお図5(c)に示すように、最終仕上げ面A3は面積を有し、最終仕上げ面A3を形成するには僅かな時間を必要とする。実施形態ではタイミングtcを、最終仕上げ面の形成が完了した時刻としている。なおタイミングtcは、最終仕上げ面の中央部を形成した時刻であってもよい。
図6は、比較技術における加工時の切削力と工具変位の解析結果を示す。切削力の変動をみると、切削力は、タイミングtinから増加し始め、その後、減少に転じてタイミングtoutで0となる。これはタイミングtinで、切削に関与する切れ刃が、その最下部付近の切れ刃部分から被削材への切り込みを開始し、最上部の切れ刃部分まで徐々に切り込んだ後、最下部付近の切れ刃部分から徐々に被削材から抜け出し、タイミングtoutで最上部の切れ刃部分が被削材から抜け出ることを表現している。
工具の変位に着目すると、タイミングtin後から変位が成長し、特に強制振動の大きな成長が確認される。タイミングtcではその変位が大きく成長している。そのためタイミングtcで形成される最終仕上げ面には、大きな加工誤差が生じることになる。なお加工誤差とは、加工精度を評価する指標の一つであって、最終仕上げ面の狙いの位置と実際の位置との差として定義される。このことから比較技術によると、変位が成長した後に切れ刃が最終仕上げ面を形成するため、加工誤差が大きいことがわかる。
図7は、比較技術における加工誤差の解析結果を示す。この解析では、半径方向切込み深さを変化させ、他のパラメータおよび加工条件を一定としている。正の加工誤差は、削り残しを意味し、負の加工誤差は、削りすぎを意味する。図7に示す解析結果から、半径方向切込み深さが変化すると、加工誤差が大きく変動することが確認される。
図8は、比較技術における加工時の切削力と工具変位の解析結果を示す。ここでは、半径方向切込み深さを0.3mm、0.5mm、0.7mmに設定したときの切削力と工具変位を解析している。図中、丸印は、tinのタイミングを、四角印は、tcのタイミングを示す。この解析結果に示されるように、比較技術によると、Tp(=tc-tin)が大きいために、最終仕上げ面を形成するタイミングtcで、工具変位が成長することが確認される。なお、このような変位プロファイルを利用して、工具変位が0となるTpに加工条件を設定しても、実際の加工現場では、前加工面の位置が正確には分からないなど様々な理由により、変位プロファイルにしたがった高精度制御は容易でない。
以上を踏まえて、実施形態の高精度加工を実現する方法について説明する。比較技術では、時間Tpが大きいために、最終仕上げ面を形成するタイミングtcで工具変位が大きくなっていた。本開示者は、この比較技術における問題点に着目し、時間Tpを短くすることで、高精度加工を実現する可能性を見いだした。
図9は、実施形態における仕上げ加工手順を示す。加工装置1において、制御装置100は、所定の仕上げ加工用のプログラムにしたがって、主軸モータ40および送り機構を制御して、工作機械装置10に仕上げ加工を実施させる。制御装置100および工作機械装置10は、回路ブロック、メモリ、その他のLSIを含むコンピュータを搭載し、上記したように工作機械装置10と制御装置100は一体として構成されてよい。制御装置100は主軸モータ40を駆動して、主軸46に取り付けられた切削工具50を回転させつつ、送り機構を駆動して、切削工具50を被削材62に対して相対的に送る機能をもつ。
工作機械装置10は、切削工具50を回転させながら被削材62に対して相対的に送って被削材62を切削する第1工程(S1)と、切削工具50を被削材62に対してピックフィード(ピックフィード方向に移動)する第2工程(S2)とを交互に繰り返す。第1工程(S1)と第2工程(S2)は、全ての加工パスによる切削が実施されるまで(S3のN)繰り返し実行され、全ての加工パスによる切削が終了すると(S3のY)、仕上げ加工は終了する。この仕上げ加工では、図5に示したように、1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去される。
加工装置1は第1工程において、1つの切れ刃が被削材62に切り込むタイミングから、当該切れ刃が被削材62から抜け出るタイミングまでの間で、最終仕上げ面A3として残る一部の領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングよりも切り込むタイミングに近いタイミングまでに完了させる。これにより時間Tpを小さくする。最終仕上げ面A3として残る一部の領域の形成は、当該切れ刃が被削材62に切り込むタイミングから開始することが好ましい。これにより、時間Tpを非常に短くできる。加工装置1は、第1工程で切削に関与する切れ刃のうち、ピックフィードする方向とは逆側に位置する切れ刃を、ピックフィード方向側に位置する切れ刃よりも先に被削材62に切り込ませることで、短い時間Tpを実現する。
<実施例1>
実施例1では、仕上げ加工における時間Tpを短くするボールエンドミルの形状を提案する。
図10は、実施例1におけるボールエンドミルの外観を示す。このボールエンドミルは、右刃左ねじれの形状を有する。このボールエンドミルは、特別に設計、製作したものであり、流通しているものではない。なおボールエンドミルを製作する研削盤の制約により、ボール部底部に切れ刃を作成していないが、実施形態で対象とする壁面仕上げ加工に影響はない。なおボール部底部において、別のねじれ方向をもつ(たとえば直刃や右ねじれ)切れ刃を形成して、多機能工具を実現してもよい。
図11は、実施例1における加工時の切削力と工具変位の解析結果を示す。なお解析におけるパラメータおよび加工条件は、上記した比較技術の解析と同じものを使用している。実施例1では、半径方向切込み深さを0.3mm、0.5mm、0.7mmに設定したときの切削力と工具変位を解析している。図中、丸印は、tinのタイミングを、四角印は、tcのタイミングを示す。図11では、切れ刃が被削材から抜け出るタイミングtoutを揃えて表現している。
実施例1の右刃左ねじれのボールエンドミルを仕上げ加工に用いると、切削に関与する切れ刃のうち、タイミングtinで最上部付近の切れ刃部分が切削を始め、その後すぐに(タイミングtcで)最上部付近の切れ刃部分により最終仕上げ面を形成することが可能となる。つまり図5(c)に示す最終仕上げ面A3を、1つの切れ刃による切削開始直後に形成することができる。最終仕上げ面を形成するときの切削力は小さいため静的変位が小さく、また動的変位も小さい。したがって、工具変位が成長する前に最終仕上げ面を形成できる。
図11に示されるように、実施例1によると、1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングtinから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングtoutまでの間で、最終仕上げ面となる領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングtoutよりも切り込むタイミングtinに近いタイミングtcまでに完了させている。Tp(=tc-tin)を非常に短くしたことで、最終仕上げ面の形成が完了するタイミングtcで、工具変位が成長していないことが確認される。
図12は、実施例1における加工誤差の解析結果を示す。この解析では、半径方向切込み深さを変化させ、他のパラメータおよび加工条件を一定としている。正の加工誤差は、削り残しを意味し、負の加工誤差は、削りすぎを意味する。図12に示す解析結果から、半径方向切込み深さが変化しても加工誤差が小さく、その変化量も小さいことが確認される。実施例1による仕上げ加工によれば、壁面下方向のピックフィードであるため、エンドミル半径方向に投影した切削幅(刃が接触している幅)が小さく、びびり振動も生じにくいため、高精度な壁面加工を実現できる。なお以上はダウンカットを前提としているが、アップカットであっても切削開始直後に最終仕上げ面を形成するため、右刃左ねじれのボールエンドミルにより、高精度な壁面加工を実現できる。
実施例1では右刃左ねじれのボールエンドミルについて説明したが、左刃右ねじれのボールエンドミルについても同様に、高精度な壁面加工を実現する。ねじれ角の絶対値は、たとえば10度以上であることが好ましく、さらには30度以上であることが好ましい。仕上げ加工における時間Tpを短くするためには、ねじれ角以外にも、ピックフィード量や半径方向切込み深さ、リード角などの加工条件の設定値が影響するが、ねじれ角の絶対値を大きく設定することで、加工条件の設定範囲を広げられる利点がある。
<実施例2>
実施例2では、仕上げ加工における時間Tpを短くするリード角を提案する。リード角は、進行方向(送り方向)における工具傾斜角であり、工具送り方向に対して、工具全体が前傾姿勢となるリード角が、正のリード角となる。そのため工具送り方向に対して、ボール部が円柱部よりも先行して送り方向に進む姿勢となるリード角が、負のリード角となる。実施例2では、ボールエンドミルに、負のリード角αを設定する。
実施例2では、リード角の影響を理解しやすいように、ねじれ角のない(ねじれ角が0度)ボールエンドミルを使用する。
図13は、実施例2による加工方法の概要を説明するための図である。実施例2において、ボールエンドミルの送り方向は、v軸負の方向、ピックフィード方向は、w軸負の方向である。図13は、1つの加工パスにおいてボールエンドミルを送って切削する様子を示しており、点線で表現するボールエンドミルは前回(1刃前)の切れ刃の位置を、実線で表現するボールエンドミルは今回の切れ刃の位置をそれぞれ示す。今回の切れ刃の位置は、送り方向において、前回の切れ刃の位置から1刃当たりの送り量だけ進んだ位置にある。
ねじれ角のないボールエンドミルを使用して、負のリード角を設定すると、切削に関与する切れ刃のうち、最上部の切れ刃が切削を始め、その後すぐに最上部の切れ刃により最終仕上げ面を形成することが可能となる。つまり図5(c)に示す最終仕上げ面A3を、1つの切れ刃による切削開始直後に形成することができる。最終仕上げ面を形成するときの切削力は小さいため静的変位が小さく、また動的変位も小さい。したがって、工具変位が成長する前に最終仕上げ面を形成できる。
図14は、実施例2における加工時の切削力と工具変位の解析結果を示す。なお解析におけるパラメータおよび加工条件は、工具ねじれ角およびリード角を除けば、上記した比較技術の解析と同じものを使用しており、リード角αは、-30度としている。実施例2では、半径方向切込み深さを0.3mm、0.5mm、0.7mmに設定したときの切削力と工具変位を解析している。図中、丸印は、tinのタイミングを、四角印は、tcのタイミングを示す。
図14に示されるように、実施例2によると、1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングtinから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングtoutまでの間で、最終仕上げ面となる領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングtoutよりも切り込むタイミングtinに近いタイミングtcまでに完了させている。Tp(=tc-tin)を非常に短くしたことで、最終仕上げ面の形成が完了するタイミングtcで、工具変位が成長していないことが確認される。
図15は、実施例2における加工誤差の解析結果を示す。この解析では、半径方向切込み深さを変化させ、他のパラメータおよび加工条件を一定としている。正の加工誤差は、削り残しを意味し、負の加工誤差は、削りすぎを意味する。図15に示す解析結果から、半径方向切込み深さが変化しても加工誤差が小さく、その変化量も小さいことが確認される。実施例2による仕上げ加工によれば、壁面下方向のピックフィードであるため、切削幅が小さく、びびり振動も生じにくいため、高精度な壁面加工を実現できる。なお以上はダウンカットを前提としているが、アップカットであっても切削開始直後に最終仕上げ面を形成できるため、高精度な壁面加工を実現できる。
リード角の絶対値は、たとえば10度以上であることが好ましく、さらには30度以上であることが好ましい。仕上げ加工における時間Tpを短くするためには、リード角以外にも、ねじれ角や、ピックフィード量および半径方向切込み深さなどの加工条件の設定値が影響するが、リード角の絶対値を大きく設定することで、ねじれ角の範囲や、他の加工条件の設定範囲を広げられる利点がある。また実施例1に示す技術と、実施例2に示す技術とを組み合わせることで、より広い加工条件範囲で時間Tpを短くでき、高精度な壁面加工を実現することが可能である。
<実施例3>
実施例3は、比較技術、実施例1,2と異なり、ピックフィード方向を上向き(w軸正の方向)として、仕上げ加工における時間Tpを短くする加工方法を提案する。
図16は、実施例3による加工方法の概要を説明するための図である。実施例3において、ボールエンドミルの送り方向は、v軸負の方向、ピックフィード方向は、w軸正の方向である。図16に示すボールエンドミルは、右刃右ねじれの形状を有する。
図16は、2つの重なる加工パスにおいてボールエンドミルが被削材を切削する様子を示す。被削材62はz軸に対してv軸周りにチルト角αだけ回転している。図中、点線で表現するボールエンドミルは前回(1パス前)の加工パスにおける切れ刃の位置を、実線で表現するボールエンドミルは今回の加工パスにおける切れ刃の位置をそれぞれ示す。今回の加工パスにおける切れ刃の位置は、ピックフィード方向において、前回の加工パスにおける切れ刃の位置からピックフィード量だけ進んだ位置にある。
ピックフィード方向を+w方向にすると、切削に関与する切れ刃のうち、下部の切れ刃が切削を始め、その後すぐに下部の切れ刃により最終仕上げ面が形成される。これにより切れ刃が被削材62に切り込み始めて、すぐに最終仕上げ面を形成できる。最終仕上げ面を形成するときの切削力は小さいため静的変位が小さく、また動的変位も小さい。したがって、工具変位が成長する前に最終仕上げ面を形成できる。
このようにピックフィード方向を壁面上向きにすることで、第1工程で切削に関与する切れ刃のうち、ピックフィードする方向とは逆側に位置する切れ刃を、ピックフィード方向側に位置する切れ刃よりも先に被削材に切り込ませることが可能となる。これにより比較技術と比べると、時間Tp(=tc-tin)を非常に短くでき、高精度な仕上げ加工が実現される。一方で、図16に示すボールエンドミルでは、ピックフィード方向を壁面上向きにしたことで、切削幅が大きくなっている。そのため実施例3では、ピックフィード方向を壁面上向きにしたことにより発生しうるびびり振動を抑制することが好ましい。
図17は、実施例3で使用する改良されたボールエンドミルが被削材を切削する様子を示す。被削材62はz軸に対してv軸周りにチルト角αだけ回転している。図中、点線で表現するボールエンドミルは前回(1パス前)の加工パスにおける切れ刃の位置を、実線で表現するボールエンドミルは今回の加工パスにおける切れ刃の位置をそれぞれ示す。今回の加工パスにおける切れ刃の位置は、ピックフィード方向において、前回の加工パスにおける切れ刃の位置からピックフィード量だけ進んだ位置にある。
改良されたボールエンドミルである切削工具50は、工具先端の半球状のボール部と、半球のボール部に接続する小径部と、小径部に接続する円柱部とを有する。小径部は、工具軸線方向に垂直な方向に円形断面を有し、円形断面の半径は、ボール部の半径rよりも小さい。図17に示す切削工具50の小径部は、半径rの半球の頂部側を、軸線に垂直な面で除去した形状をもち、頂部側を切り欠いた面に円柱部が接続する。
図16に示す切削工程と比較すると、改良された切削工具50は、円柱部で切削を行わず、切削幅が大幅に小さくなっているため、びびり振動が発生しにくい。そのため、びびり振動に対する安定性が高く、高精度な仕上げ加工を実現できる。なお円柱部が切削を行わないためには、図示するθcが、以下の不等式を満たす必要がある。
Figure 0007161254000001
なお小径部は、半径rの半球頂部側を、軸線に垂直な断面で除去した形状を有してよいが、半径rの底面をもつ円錐を、軸線に垂直な断面で除去した形状を有してもよい。
以上、本開示を実施形態および実施例をもとに説明した。この実施形態および実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記した複数の実施例では、先端側にR形状を有するエンドミルを回転させながら被削材62に対して相対的に送って、曲率を有する部分に設けられた切れ刃で被削材62を切削する第1工程と、エンドミルを被削材62に対してピックフィード(ピックフィード方向に移動)する第2工程とを繰り返して、仕上げ面を形成する加工方法を説明した。この加工方法では、1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去されることを前提としている。
変形例では、主としてエンドミルの側刃を用いて、送り方向に垂直な面に切れ刃形状を転写して仕上げ面を形成する加工方法を提案する。この変形例の加工方法においても、1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去されるが、側刃を用いて仕上げ面を形成することで、図5(b)におけるライン状の仕上げ面A2の全部または大部分が、最終仕上げ面として残される。
変形例の加工方法では、主としてエンドミルの側刃を用いて仕上げ面を形成するため、エンドミルは先端側にR形状を有している必要はなく、したがってエンドミルは、スクエアエンドミルやテーパエンドミル等であってよい。なお変形例においてエンドミルは先端側にR形状を有してもよく、ボールエンドミル、ラジアスエンドミル、バレルエンドミル等であってもよい。
図18(a)、(b)は、変形例による加工方法の概要を説明するための図である。図18(a)、(b)は、エンドミルを送って仕上げ面を形成する様子を示す。xyz座標系は、エンドミルに固定された工具座標系を表現し、uvw座標系は、被削材62に固定された被削材座標系を示す。uvw座標系において、u軸は、形成する立壁の壁面に垂直な方向、v軸は、送り方向に平行な方向、w軸は、ピックフィード方向に平行な方向である。エンドミルの送り方向は、v軸負の方向である。たとえば抜き勾配を形成するために、被削材62の加工される面はz軸に対してv軸周りにチルト角αだけ回転していてもよい。
変形例の加工方法において、制御装置100は、エンドミルを回転させながら被削材62に対して相対的に送って被削材62を切削して、仕上げ面を形成する。変形例において制御装置100は、切れ刃のねじれ角が0度のエンドミルを使用し、アップカット加工を実施する。切れ刃のねじれ角が0度であり、アップカット加工で仕上げ面を形成することで、切れ刃が被削材62を切削した瞬間に、最終仕上げ面が形成される。このため工具変位が成長する前に、最終仕上げ面を形成できる。
本開示の態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様は、先端側にR形状を有するエンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って被削材を切削する第1工程と、エンドミルを被削材に対してピックフィードする第2工程とを繰り返して、被削材を切削する加工方法である。この加工方法では、1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去される。この加工方法は、1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングまでの間で、一部の領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングよりも切り込むタイミングに近いタイミングまでに完了させる。これにより、高精度な加工を実現できる。
この加工方法では、一部の領域の形成は、切れ刃が被削材に切り込むタイミングから開始させてよい。この加工方法では、第1工程で切削に関与する切れ刃のうち、ピックフィードする方向とは逆側に位置する切れ刃を、ピックフィード方向側に位置する切れ刃よりも先に被削材に切り込ませることが好ましい。この加工方法は、右刃左ねじれのエンドミル、または左刃右ねじれのエンドミルを使用してよい。この加工方法の第1工程で、エンドミルに負のリード角を設定してよい。この加工方法は、半球状のボール部と、ボール部に接続する小径部と、小径部に接続する円柱部とを有するエンドミルを使用してよい。
本開示の別の態様の加工装置は、被削材を切削する加工装置であって、先端側にR形状を有するエンドミルが取り付けられた主軸を回転させる回転機構と、被削材に対してエンドミルを相対的に移動させる送り機構と、回転機構および送り機構の動作を制御して、エンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って被削材を切削する第1工程と、エンドミルを被削材に対してピックフィードする第2工程とを繰り返す制御装置と、を備える。この加工装置による加工において、1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去される。制御装置は、1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングまでの間で、一部の領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングよりも切り込むタイミングに近いタイミングまでに完了させる。これにより、高精度な加工を実現できる。
本開示のさらに別の態様は、先端側にR形状を有するエンドミルである。このエンドミルは、当該エンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って被削材を切削する第1工程と、当該エンドミルを被削材に対してピックフィードする第2工程とを繰り返す被削材の仕上げ加工に使用され、右刃左ねじれの形状、または左刃右ねじれの形状を有する。このエンドミルを使用することで、高精度な加工を実現できる。
本開示のさらに別の態様は、エンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って被削材を切削して、仕上げ面を形成する加工方法である。この加工方法では、切れ刃のねじれ角が0度のエンドミルを使用し、アップカット加工を実施する。これにより、高精度な加工を実現できる。
本開示は、先端側にR形状を有するエンドミルを用いて仕上げ面を形成する技術に関する。
1・・・加工装置、10・・・工作機械装置、50・・・切削工具、62・・・被削材、100・・・制御装置。

Claims (7)

  1. 先端側にR形状を有するエンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って、R形状部分の切れ刃で被削材を切削する第1工程と、エンドミルを被削材に対してピックフィードする第2工程とを繰り返して、被削材を切削する加工方法であって、R形状部分の1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去されるものであって、
    第1工程で切削に関与する切れ刃のうち、ピックフィードする方向とは逆側に位置する切れ刃を、ピックフィード方向側に位置する切れ刃よりも先に被削材に切り込ませ、
    R形状部分の1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングまでの間で、前記一部の領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングよりも切り込むタイミングに近いタイミングまでに完了させる、
    ことを特徴とする加工方法。
  2. 前記一部の領域の形成は、当該切れ刃が被削材に切り込むタイミングから開始させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
  3. 右刃左ねじれのエンドミル、または左刃右ねじれのエンドミルを使用する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の加工方法。
  4. 第1工程で、エンドミルに負のリード角を設定する、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の加工方法。
  5. 半球状のボール部と、ボール部に接続する小径部と、小径部に接続する円柱部とを有するエンドミルを使用する、
    ことを特徴とする請求項に記載の加工方法。
  6. 被削材を切削する加工装置であって、
    先端側にR形状を有するエンドミルが取り付けられた主軸を回転させる回転機構と、
    被削材に対してエンドミルを相対的に移動させる送り機構と、
    前記回転機構および前記送り機構の動作を制御して、エンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って、R形状部分の切れ刃で被削材を切削する第1工程と、エンドミルを被削材に対してピックフィードする第2工程とを繰り返す制御装置と、を備え、R形状部分の1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去されるものであって、
    前記制御装置は、
    第1工程で切削に関与する切れ刃のうち、ピックフィードする方向とは逆側に位置する切れ刃を、ピックフィード方向側に位置する切れ刃よりも先に被削材に切り込ませ、
    R形状部分の1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングまでの間で、前記一部の領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングよりも切り込むタイミングに近いタイミングまでに完了させる、
    ことを特徴とする加工装置。
  7. コンピュータに、
    先端側にR形状を有するエンドミルを回転させながら被削材に対して相対的に送って、R形状部分の切れ刃で被削材を切削する第1機能と、
    エンドミルを被削材に対してピックフィードする第2機能とを、繰り返し実現させるためのプログラムであって、R形状部分の1つの切れ刃が形成した仕上げ面の一部の領域以外の領域は、その後の切削により除去されるものであって、
    第1機能は、
    切削に関与する切れ刃のうち、ピックフィードする方向とは逆側に位置する切れ刃を、ピックフィード方向側に位置する切れ刃よりも先に被削材に切り込ませる機能と、
    R形状部分の1つの切れ刃が被削材に切り込むタイミングから、当該切れ刃が被削材から抜け出るタイミングまでの間で、前記一部の領域の形成を、当該切れ刃が抜け出るタイミングよりも切り込むタイミングに近いタイミングまでに完了させる機能を含む、
    ことを特徴とするプログラム。
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