JP7160791B2 - 電線 - Google Patents

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Description

本発明は、太物の高圧電線等の電線に関する。
電気自動車やハイブリッド自動車等の車両においては、バッテリー、インバータ、及び、モータ等の電気部品間の電気的接続に、高圧用のワイヤハーネスが用いられている。
一般的に、ワイヤハーネスとしては、回路導体及びワイヤハーネス自体が丸型のものが用いられる。丸型のものを用いる場合、高圧用のワイヤハーネスは太物であることから、配索経路に狭路が含まれる場合に配索が困難となる可能性がある。
そこで、特許文献１では、導電金属製の導体（芯線）の扁平に潰れた扁平部を被覆部材で覆ってなる被覆電線を用いて、配索経路に狭路が含まれる場合であっても配索できるようになっている。
特開２０１５－９５２８０号公報
しかしながら、前記特許文献１に記載の被覆電線では、所定部位の絶縁被覆を除去し、この箇所の導体を扁平に潰した後で、導体の扁平形状を保持するために被覆部材で覆わなければならないため、加工が煩雑となり、また、構造が複雑となって、コスト高である。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、簡単な構造で、低背化及び低コスト化をより一段と図ることができる電線を提供することにある。
本発明の態様に係る電線は、導電金属製の芯線と、前記芯線の外周を覆う絶縁被覆と、を備え、前記芯線は、断面円形で小径の複数の素線からなり、前記複数の素線の長手方向における一部の箇所の全素線が断面楕円形にそれぞれ潰されて該一部の箇所の全体が断面楕円形状の扁平部に形成され、前記芯線及び前記絶縁被覆の周部の同位置の一部に他の部分よりも扁平に潰れた扁平部が前記断面楕円形状の扁平部と電線の長手方向における同じ位置に設けられているものである。
本発明によれば、簡単な構造で、低背化及び低コスト化をより一段と図ることができる電線を提供することができる。
本発明の第１実施形態に係る高圧電線の一例を示す斜視図である。 図１中II－II線に沿う断面図である。 図１中III－III線に沿う断面図である。 本発明の第２実施形態に係る高圧電線の一例を示す斜視図である。 図４中Ｖ－Ｖ線に沿う断面図である。 図４中VI－VI線に沿う断面図である。 本発明の第３実施形態に係る高圧電線の一例を示す斜視図である。 図７中VIII－VIII線に沿う断面図である。 図７中IX－IX線に沿う断面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る高圧電線について詳細に説明する。
図１は本発明の第１実施形態に係る高圧電線の一例を示す斜視図である。図２は図１中II－II線に沿う断面図である。図３は図１中III－III線に沿う断面図である。
図１に示すように、高圧電線（電線）１は、大容量の電流を流す太い電線であり、導電金属製の芯線１０と、この芯線１０の外周を覆う絶縁被覆２０と、を備えている。そして、芯線１０と絶縁被覆２０の両方の一部には、他の部分よりも扁平に潰れた扁平部２が設けられている。
図２に示すように、芯線１０は、断面円形で小径の複数の素線１１からなる。図３に示すように、複数の素線１１の長手方向における一部の箇所の全素線１１は、断面楕円形にそれぞれ潰されて形成されている。これにより、複数の素線１１の一部の箇所は、全体が断面楕円形状の扁平部１２になっている。尚、素線１１は、アルミニウムや銅や銅合金により製造されている。また、一部の箇所の全素線１１を潰す際は、圧縮変形させない（断面積等を変化させない）ように、プレスやローラ等で加圧を施して扁平に形成する。これにより、通電させる電流値に影響がでないようになっている。
図２に示すように、絶縁被覆２０は、熱可塑性の合成樹脂により円筒状に形成されている。絶縁被覆２０の周部２１の一部には、他の部分よりも扁平に潰れた楕円筒状の扁平部２２が設けられている。この絶縁被覆２０の扁平部２２は、複数の素線１１の一部に扁平部１２を形成した後で、絶縁被覆２０の周部２１の一部に熱をかけて潰し、冷やすことで、図３に示すように、楕円筒状の扁平に形成される。その結果、芯線１０をなす複数の素線１１及び絶縁被覆２０の周部２１の同位置の一部には、他の部分よりも扁平に潰れた扁平部１２，２２がそれぞれ設けられ、これら扁平部１２，２２により高圧電線１全体として扁平に潰れた扁平部２になっている。
以上、第１実施形態の高圧電線１によれば、芯線１０の複数の素線１１の一部及び絶縁被覆２０の周部２１の一部に扁平部１２，２２を形成するだけで済むため、高圧電線１の一部に他の部分よりも扁平に潰れた扁平部２を簡単に設けることができる。このように、複数の素線１１の一部と絶縁被覆２０の一部を押し潰すだけで扁平部１２，２２が形成される簡単な構造であるため、低背化及び低コスト化をより一段と図ることができる。
また、扁平部２により高圧電線１の一部の低背化が可能となり、電気自動車やハイブリッド自動車の車両の床下等の配索経路に狭路（狭スペース）が含まれる場合でも高圧電線１の配索が可能となる。これにより、高圧電線１を電気自動車やハイブリッド自動車等のバッテリー、インバータ、及び、モータ等の電気部品間の電気的接続に用いることができる。
図４は本発明の第２実施形態に係る高圧電線の一例を示す斜視図である。図５は図４中Ｖ－Ｖ線に沿う断面図である。図６は図４中VI－VI線に沿う断面図である。
この第２実施形態の高圧電線１Ａは、芯線１０が断面円形で大径の１本の棒状の導体１３でなり、この断面円形で棒状の導体１３の一部が断面楕円形に潰されて扁平部１２を形成した点が、前記第１実施形態のものとは異なる。尚、他の構成は、前記第１実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この第２実施形態の高圧電線１Ａでは、断面円形で棒状の導体１３の一部及び絶縁被覆２０の周部２１の一部に扁平部１２，２２をそれぞれ形成したことで、前記第１実施形態と同様の作用・効果を奏する。
図７は本発明の第３実施形態に係る高圧電線の一例を示す斜視図である。図８は図７中VIII－VIII線に沿う断面図である。図９は図７中IX－IX線に沿う断面図である。
この第３実施形態の高圧電線１Ｂは、芯線１０をなす複数の素線１１の各素線１１の一部が断面円形の形状のままで両側に拡がるように押し潰されて全体を扁平になるように配列させることで扁平部１２を形成した点が、前記第１実施形態のものとは異なる。尚、他の構成は、前記第１実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この第３実施形態の高圧電線１Ｂでは、複数の素線１１の各素線１１の一部を両側に押し潰して扁平部１２を形成すると共に、該扁平部１２に対応する絶縁被覆２０の周部２１の一部に扁平部２２を形成したことで、前記第１実施形態と同様の作用・効果を奏する。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、前記各実施形態によれば、高圧電線の一部の１箇所に他の部分よりも扁平に潰れた扁平部を設けたが、高圧電線の複数箇所に扁平部を設けても良い。
また、前記各実施形態によれば、高圧電線を構成する芯線と絶縁被覆の両方の一部に他の部分よりも扁平に潰れた扁平部をそれぞれ設けたが、芯線と絶縁被覆の少なくとも一方の一部に他の部分よりも扁平に潰れた扁平部を設けても良い。芯線側の一部にのみ扁平部を設けた場合には、絶縁被覆側に芯線側の扁平部が判る目印を付けておけば良い。
さらに、前記各実施形態によれば、低圧電線よりも高い電圧が印加される高圧電線の一部に他の部分よりも扁平に潰れた扁平部を設けたが、電線は高圧電線に限らず、低圧電線の一部に他の部分よりも扁平に潰れた扁平部を設けても良い。
１、１Ａ、１Ｂ 高圧電線（電線）
２ 扁平部
１０ 芯線
１１ 素線
１２ 扁平部
１３ 棒状の導体
２０ 絶縁被覆
２１ 周部
２２ 扁平部

Claims (1)

  1. 導電金属製の芯線と、
    前記芯線の外周を覆う絶縁被覆と、
    を備え、
    前記芯線は、断面円形で小径の複数の素線からなり、
    前記複数の素線の長手方向における一部の箇所の全素線が断面楕円形にそれぞれ潰されて該一部の箇所の全体が断面楕円形状の扁平部に形成され、
    前記芯線及び前記絶縁被覆の周部の同位置の一部に他の部分よりも扁平に潰れた扁平部が前記断面楕円形状の扁平部と電線の長手方向における同じ位置に設けられている電線。
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