JP7155055B2 - 電動パーキングブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は自動車等の車両に用いる電動パーキングブレーキ装置に関する。
電動パーキングブレーキ装置を用いた従来技術としては、例えば特許文献1が知られている。
特許文献1には、電動モータへの通電を遮断後、電動モータが慣性で回転する発電モードで動作する間にパラメータを検出し、検出したパラメータを基に電動モータのモータ定数を決定し、電動パーキングブレーキ装置の締付力を調整するようにした技術が開示されている。
WO2018/046296
特許文献1に記載の技術においては、電動モータへの負荷が発生していない状態において電動モータのパラメータを検出するようにしているので、ブレーキパッドがディスクロータと接触し摩擦変動により電動モータに負荷が発生すると、無負荷状態で検出したパラメータが誤差となり、電動パーキングブレーキ装置の適正な締付力を確保できないといった課題があった。
本発明の目的は上記課題を解決し、電動モータの負荷に応じた適切な締付力で動作可能な電動パーキングブレーキ装置を提供することにある。
以上のことから本発明においては、「電動モータと、電動モータの回転運動を直動運動に変換する回転直動変換機構と、電動モータへの電流の印加により移動するディスクパッドと、を有する電動パーキングブレーキ装置であって、電動モータへの電流を止めるカットオフ電流を演算するカットオフ電流演算部と、カットオフ電流の演算に必要なトルク定数を演算するトルク定数演算部と、電動モータが駆動開始後、電動モータの通電を停止させた状態でトルク定数を補正するトルク定数補正部と、を有する電動パーキングブレーキ装置。」としたものである。
本発明によれば、電動モータの負荷に応じた適切な締付力で動作可能な電動パーキングブレーキ装置を提供することができる。
本発明の実施例1に係る電動パーキングブレーキ装置の全体構成図。 図1に示すブレーキキャリパの構成を示す断面図。 電動パーキングブレーキ装置を構成するブレーキキャリパのピストンに推力を与える動作時における推力と電流の挙動を示す図。 電動パーキングブレーキ装置の制御モデルのブロック図。 電動モータの起動時の過渡的な電流、モータ端子間電圧、インダクタンス電圧降下の電気特性について示す図。 モデルパラメータの制御ブロック図。 モデルパラメータの推定動作の波形図。 電子制御手段の動作を説明するフローチャート。 本発明の実施例1に係る電動パーキングブレーキ装置を示す図。 電圧、電流、推力の時系列的変化を示す図。 電圧、付加トルク、推力の時系列的変化を示す図。 フリーラン開始電圧とトルク定数Ktの関係を示す図。 フリーラン開始電流とトルク定数Ktの関係を示す図。 温度とトルク定数Ktの関係を示す図。 メカ効率とトルク定数Ktの関係を示す図。 パッド剛性Dとトルク定数Ktの関係を示す図。 トルク定数Kt補正器における一連の処理内容例を示すフロー。 推力発生しない区間のモータトルク変動の様子を示す図。 温度とトルク定数Ktの関係を示す図。 フリーラン開始電圧とトルク定数Ktの関係を示す図。 リリース側での対応を示す図。 本発明の実施例3に係るモデルパラメータの制御ブロック図。 本発明の実施例3に係るモデルパラメータの推定動作の波形図。
以下、本発明に係る電動パーキングブレーキ装置の実施例を図面に基づいて説明する。なお本発明は以下の実施例に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含むものである。
以下に述べる本発明に係る電動パーキングブレーキ装置は、電動モータの負荷に応じた適切な締付力を得るものであるが、これを実施するに際し推力発生区間の情報から適切な締め付け力を定める第1の実施例と、推力発生しない区間の情報から適切な締め付け力を定める第2の実施例とを含んでいる。また本発明の基本的な装置構成などは、実施例1と実施例2では共通する部分が多い。
このため、実施例1では本発明に係る電動パーキングブレーキ装置の基本的な装置構成並びにパーキングブレーキ制御時の事象を解析することについて説明したあとに、推力発生区間の情報から適切な締め付け力を定めることについて説明し、実施例2では共通する基本的な装置構成の説明を必要な部分を残し割愛しながら推力発生しない区間の情報から適切な締め付け力を定めることについて説明する順序で行うものとする。また実施例3では、さらなる変形実施例について説明する。
実施例1は、電動モータの負荷に応じた適切な締付力を得るに際し、推力発生区間の情報から適切な締め付け力を定める方式に関するものである。
なお以下の説明においては、本発明に係る電動パーキングブレーキ装置の基本的な装置構成並びにパーキングブレーキ制御時の事象を解析することについての説明が、図1から図8を使用して行われ、実施例1の動作原理並びに説明は図9以降において行われている。
まず、本発明に係る電動パーキングブレーキ装置の基本的な装置構成について図1から図3を用いて説明する。図1は本発明の実施例1に係る電動パーキングブレーキ装置の全体構成図、図2は図1に示すブレーキキャリパの構成を示す断面図である。
電動パーキングブレーキ装置は、電動モータ、減速機構、回転/直動変換機構、ピストン、ブレーキパッド及び電子制御手段によって構成されている。
図1及び図2において、電動パーキングブレーキ装置を構成するブレーキキャリパ10は、外郭を形成するキャリパ本体11と、このキャリパ本体11の内部に設けられた油圧室12とを備えている。油圧室12にはピストン13が配置され、このピストン13は第1のブレーキパッド14を駆動する機能を備えている。また、キャリパ本体11の一端には第2のブレーキパッド15が取り付けられており、第1のブレーキパッド14と第2のブレーキパッド15の間には、車軸に固定されたディスクロータ16が配置されている。このディスクロータ16は第1のブレーキパッド14と第2のブレーキパッド15に挟まれて制動されるものである。
油圧室12に配置されたピストン13は、油圧系統MBからの油圧によって駆動されるものであり、ブースタ33からの液圧配管34が接続されており、ブレーキペダル17の操作によってもピストン13に推力が発生する構造である。そして、通常の走行中にブレーキペダル17の操作が行われると、油圧室12に油圧が供給されてピストン13が図2で左側に移動して、第1のブレーキパッド14をディスクロータ16に押し付けて制動動作を行うものである。
ピストン13は回転/直動変換機構18を介して減速機構19と連結されている。図2に示すように、回転/直動変換機構18は滑りねじを使用したものであり、外周に形成した螺旋状のねじ面を有する回転軸20と、この回転軸20のねじ面に螺合するねじ面を内部に備えた直動部材21より構成されている。直動部材21はピストン13とは切離可能であり、回転軸20の回転によって直動部材21はピストン13を回転軸20の軸方向に移動することができる。
また、本実施例では、回転/直動変換機構18にはセルフロック機能部が備えられており、回転軸20を回転させれば直動部材21は直動運動するが、回転軸20の回転を停止すれば、直動部材21に直動方向に力が作用しても直動部材21はその位置を保持するものである。すなわち、回転軸20と直動部材21は、摩擦角より進み角が小さい螺旋状のねじ面を有しており、これによってセルフロック機能を得ているものである。この種のねじ面を利用した回転/直動変換機構は良く知られているので、詳細な説明は省略する。
図1に示すように、回転軸20は減速機構19の大径歯車22に固定されており、大径歯車22は小径歯車23と噛み合っている。小径歯車23は電動モータ24によって回転されるものであり、電動モータ24の回転は小径歯車23、大径歯車22に伝えられて減速されるものである。大径歯車22が回転されることによって、電動モータ24の回転トルクは増幅されて回転軸20に伝えられるものである。
電動モータ24への電力の供給は、電動モータ制御機能部を備える電子制御手段25によって制御されており、電子制御手段25は周知のマイクロプロセッサ29や出力回路等からなっている。図1に示すように電子制御手段25は、バッテリ26の通電/遮断を行うリレー27と、電動モータ24に電圧を印加するためのHブリッジ回路28と、各回路素子(図示せず)を制御するマイクロプロセッサ29と、電源電圧モニタ回路37と、電動モータ24に流れる電流を検出する電流モニタ回路30と、Hブリッジ回路28から出力される2つの端子の電圧をそれぞれ検出するモータ端子aの電圧モニタ回路31と、モータ端子bの電圧モニタ回路32から構成されている。
電流モニタ回路30の出力信号は、モータの電流検出値30Sとしてマイクロプロセッサ29に入力する。電圧モニタ回路31、32の電圧検出値31S,32Sがマイクロプロセッサ29に入力され、電圧検出値31Sと32Sの差電圧がモータの端子間電圧Vとなる。尚、モータの端子間電圧Vは、モータ端子間の差電圧を直接検出するようにしても良い。
車両が駐停車する場合は電子制御手段25からモータ駆動停止信号28SをHブリッジ回路28に出力し、このHブリッジ回路28を介して電動モータ24に通電して電動モータ24を駆動し、この回転は減速機構19の各歯車23、22を介して回転軸20を回転させる。回転軸20が回転すると直動部材21及びピストン13が左側に移動してブレーキパッド14を所定の推力(押付力)でディスクロータ16に押し付けて制動(パーキングブレーキ)をかける。
そして、電子制御手段25は電動モータ24の電流検出値30Sが所定のカットオフ電流閾値ICUT(=所定の推力)を超過したときに通電を停止する。電動モータ24への通電が停止されると、回転軸20と直動部材21の間のセルフロック機能部でこの所定の推力を保持して、ディスクロータ16に制動をかけ続けるものである。
図3は、電動パーキングブレーキ装置を構成するブレーキキャリパ10のピストン13に推力を与える動作時(以下、アプライ動作時と表記する)における推力と電流の挙動を示す図である。図3において、タイミングT1は電動モータ24に電圧が印加される開始時間であり、動作指令と共に電動モータ24の巻線に電圧が印加される。しかし、電圧印加直後は電動モータ24が停止状態であるので、このとき誘起電圧は「0」である。その後、電気抵抗とインダクタンスによる時定数に従って、電流が急増する突入電流(IR)が発生する。
そして、突入電流(IR)が最大値を迎える直前で電動モータ24の回転が始まるが、電動モータ24の回転により誘起電圧が発生するため、電流は増加から電流(ID)で示すように減少に転じ、暫くするとタイミングT2において電流(IC)で示すように電流値がほぼ一定に落ち着く状態となる。このタイミングT1~T2の間は「電流減少区間」となる。このタイミングT2のとき、電動モータ24の回転数もほぼ一定に達する。
次に、タイミングT6まではディスクロータ16をクランプする方向にピストン13が動いていくが、まだブレーキパッド14、15がディスクロータ16に当接しておらずクランプ力は発生していない。この時、ピストン13の推力は「0」であり、タイミングT2とT6の間は電動モータの負荷が比較的小さい電流一定区間となる。尚、この「電流一定区間」は、制御上で許容される変動状態をも含むことができものであり、制御上から略一定と見做せる区間を意味している。したがって、以下で「電流一定区間」と表記しているが、制御上から許容される変動状態を含むものである。「電流減少区間」と「電流一定区間」、すなわちタイミングT1からT6の区間は空走区間となる。この空想区間は、電動パーキングブレーキ装置のピストン位置やブレーキパッド14の摩耗状態によって変動し、「電流一定区間」がほとんどない動作形態もあり、「電流減少区間」からすぐに「電流増加区間」に推移することもある。
次に、ブレーキパッド14、15がディスクロータ16に当接して電流一定区間が終わる(タイミングT6)と、ピストン13に推力が発生する。推力の増加と共に電動モータ24の回転が減少し電流が増加(電動モータのトルクが増加)する。この電流が増加する区間は「電流増加区間」となる。目標推力(F)で電動モータ24の駆動を停止させるため、マイクロプロセッサ29では目標推力(F)からカットオフ電流閾値(ICUT)を算出し、実際の電動モータ24に流れる電流値(検出電流値)とカットオフ電流閾値(ICUT)とが比較される。
タイミングT7で、実電流値がカットオフ電流閾値(ICUT)を超え、更に確実に超過したことを確認した後にタイミングT8で電動モータ24への電圧印加を停止して電流を遮断する。したがって、タイミングT8以降は、タイミングT6に比べてFの分だけ推力は増加している。そして、このタイミングT6からT8の間はクランプ区間となる。このときタイミングT8では電動モータ24のロータの慣性で回転し続けることを防止するため電動モータ24の端子間を短絡(ブレーキ動作)させている。
クランプ区間が終わり、電動モータ24への電圧が印加されていない状態では、目標推力Fに保持される。これは、逆作動性(逆効率の低い)の回転/直動変換機構18を使用することによって、ピストン13側から押されても電動モータ24が回転しないようにしている。このタイミングT8以降は推力保持区間となる。
以上で説明した通り、推力保持区間の保持推力(≒目標推力F)はカットオフ電流閾値(ICUT)によって制御されることが理解できる。ここで、カットオフ電流閾値と保持推力の関係は温度、ハードウェア個体差、電圧などの要因によって変化するが、これらの要因によって保持推力がばらつきを持っても、自動車を停止させるのに必要な最低保持推力は保証されなければならない。
そして、保持推力が最低保証推力を下回ると、坂道で駐車した自動車が勝手に動き出す可能性がある。これを防ぐため、想定される多くの条件で保持推力を計算し、保持推力のばらつき分布の中の最小値が最低保証推力を上回るようにカットオフ電流閾値を決めている。一方、その最大値はメカ効率やモータ特性が良い個体によっては必要以上の推力が発生するため、電動パーキングブレーキ装置の機構系に過度の応力がかかり、耐久性を低下させる要因となっている。
したがって、最低保証推力を確保しつつ保持推力の上限側への過度のばらつきを抑制することが必要である。換言すると、推力を正確に推定することができれば、最低保証推力と許容される上限となる許容上限推力の間に実際の推力を調整することができる。このためには、推力推定モデルのモデルパラメータを精度よく求めることが重要である。しかも、カットオフ電流閾値と保持推力の関係は温度などの影響を受けるので、推力推定モデルのモデルパラメータをその都度求めることが重要である。
以上、図1から図3を用いて本発明に係る電動パーキングブレーキ装置の基本的な装置構成について説明した。次にモデルを用いてパーキングブレーキ制御時の事象を解析することについて図4から図7を用いて説明する。
図4は電動パーキングブレーキ装置の制御モデルのブロック図である。制御モデルは主にバッテリ26、マスタシリンダ35、マイクロプロセッサ29及び周辺回路を含む電子制御手段25、ハーネス36、電動モータ24、ブレーキキャリパ10の各コンポーネントから構成されている。これらのコンポーネントの主な接続関係と入出力信号を説明すると、マイクロプロセッサ29は電動モータ24の電流、電圧、及びマスタシリンダ35の液圧の情報に基づいて、電子制御手段25の中のスイッチ(リレー等)にOn/Off指令を出し、バッテリ26の電圧出力をOn/Offする。
印加された電圧は、ハーネス36を介して電動モータ24に与えられ、電動モータ24を回転駆動する。電動モータ24で発生した回転トルクは、ブレーキキャリパ10に入力され、ブレーキキャリパ10の中では入力された電動モータ24の回転トルクを減速機構19によって増幅し、回転/直動変換機構18を介してピストン13に推力を出力する。また、ブレーキキャリパ10にはマスタシリンダ35による液圧作用も付与されている。
そして、このような制御モデルに対して、運動方程式、及び電圧方程式を導き出すことができる。ここでは上述した電動パーキングブレーキ装置の動作を表現する主な要素に基づき、以下に示すような運動方程式、及び電圧方程式を導き出した。
まず、図3に示すタイミングT6からタイミングT8までのクランプ区間の運動方程式を表現すると(1)式及び(2)式のように表される。
Figure 0007155055000001
Figure 0007155055000002
ここで、(1)式において、「Jdω/dt」は慣性抵抗、「J」は慣性係数、「Kt」はトルク定数、「I」は電流、「η」は粘性係数、「ω」は回転速度、「Tfrc」は電動モータ24から動力伝達機構の回転/直動変換機構18までを総合した摩擦トルク、「TCLP」は推力のトルク換算値である。尚、粘性係数「η」、トルク定数「Kt」、摩擦トルク「Tfrc」の少なくとも1つが、本実施例で求めようとする推力を推定するためのモデルパラメータである。
また、(1)式中の「K」は回転/直動変換機構18の回転/直動変換効率に相当し、クランプ区間に回転/直動変換機構18で生ずる総摩擦係数等に起因する。尚、本実施例のアプライ時の動作から、この「K」は任意の値に設定される。例えば、設計値を用いて設定することができる。また、経験的に得られる値を入力するようにしても良い。ただし、以下に示すように空走区間では推力に対応する「TCLP」が「0」であるため、空走区間でモデルパラメータ(粘性係数、トルク定数、摩擦トルク)を推定する場合には「K」は無視することができる。
また、(2)式において、「FCLP」はピストン13に与えられる推力であり、また、「K」は回転/直動変換におけるトルク/推力変換係数である。したがって、推力「FCLP」にトルク/推力変換係数「K」を乗じてトルク換算値「TCLP」を求めることができる。ここで、トルク/推力変換係数「K」は回転/直動変換部の構造のリードや減速機の減速比から決定することも可能である。
また、電動モータの電圧方程式は(3)式のように表される。
Figure 0007155055000003
ここで、(3)式において、「V」はモータ端子間電圧、「R」は巻線抵抗(ハーネス抵抗含む)、「L」はインダクタンスである。
次に、これらの運動方程式と電圧方程式に基づくパラメータ推定と推力計算について説明する。上述した電動パーキングブレーキ装置の(1)式及び(3)式に示す方程式には未知パラメータが含まれている。そして、この中で(3)式の電圧方程式について整理すると、電圧方程式の右辺は抵抗電圧降下(RI)、インダクタンス電圧降下(LdI/dt)、及び誘起電圧(Kt・ω)の3項からなり、いずれの項も未知係数、未知変数を含むため、厳密に解くことは難しいが、この3項のうち省略できる要素があるならば、近似的に解くことができる。
ここで、電動モータ24の起動時の過渡的な電流、モータ端子間電圧、インダクタンス電圧降下の電気特性について図5で説明する。図5は本発明の実施例1に係る電動モータの起動時の電流、モータ端子間電圧、インダクタンス電圧降下を説明する図である。
電動モータ24の起動時の過渡的な電流、モータ端子間電圧、インダクタンス電圧降下の電気特性に着目すると、インダクタンス電圧降下と誘起電圧が省略できる要素であることが判明した。図5に示すように、電動モータ24への通電開始と同時に、インダクタンス電圧はピークを迎えるが、数ms以内に急速に減少して電流値が最大値を取る頃には、インダクタンス電圧は十分小さくなっている。また、電動モータは停止している状態から徐々に回転数を上げるため、起動直後の数ms期間では誘起電圧(モータ端子間電圧)が比較的小さいものである。
これらのことから、電動モータ24の起動時、つまり、アプライ動作の開始時においては、(3)式に示す電圧方程式のうち、インダクタンス電圧降下(LdI/dt)と誘起電圧(Kt・ω)の項を無視できるとするならば、以下の(4)式で示すように電気抵抗(R)が近似して求められる。
Figure 0007155055000004
次に図6と図7を用いてモデルパラメータ推定方法について説明する。図6はモデルパラメータの制御ブロック図、図7はモデルパラメータの推定動作の波形図である。図1と同一の符号は同じ動作をするものである。
マイクロプロセッサ29に実装する制御ブロック100には、モデルパラメータ推定器110と、モータ駆動信号を制御する駆動制御器130と、モータ停止判定器120を備えている。
電動モータ24作動指令により電動モータ24の巻線に電圧が印加される(T1)と、電気抵抗とインダクタンスによる時定数に従って、電流が急増する突入電流(IR)が発生する。モデルパラメータ推定器110は、空走区間の電動モータ24の電流増加した任意のタイミング(T2)でモータ電流I(T2)を検出保持する。無負荷電流INLは電流が増加するタイミング(T6)の直前の電流値を保持している。その後、モータ停止判定器120は電動モータの通電を停止するフリーラン要求FRcmdを駆動制御器130に出力し、駆動制御器130からモータ駆動停止信号28SをHブリッジ回路28に出力して電動モータを惰性回転させる。フリーラン区間では、モータの端子電圧にはモータの逆起電圧Eが発生されるので、T3にてモータの逆起電圧E(T3)を検出する。
ここで、タイミングT2のモータ端子間電圧V(T2)とタイミングT3の逆起電圧E(T3)の電位差は、モータ巻線抵抗R(ハーネス抵抗を含む)による電圧降下分(V(T2)-E(T3))として検出することもでき、タイミングT2におけるモータ電流I(T2)で除算することでモータ巻線抵抗Rを導出してパラメータ演算に活用することもできる。
タイミングT4は、電動モータの惰性回転中の任意のタイミングで、トルク定数Ktなどを導出する。モデルパラメータを導出後、タイミングT5でモータ通電を再開する。タイミングT2からT5までの時間間隔は任意に設定できる。電動モータの惰性回転は、電動モータ24と減速機構19の粘性係数ηや摩擦トルクTfrcおよびモータ負荷で減速した分だけのモータ回転速度が低下する。電動モータ24の通電を停止後、所定時間経過後のタイミング(T4)でもモータの逆起電圧E(T4)を検出する。尚、サンプリング回数は電圧モニタ回路31、32のフィルタ回路時定数などを考慮して設定することが好ましい。
ここでは、少なくとも電流が増加しているフリーラン前のタイミング(T2)にて電動モータ24の電流を検出し、電動モータ24への通電が停止されたフリーランで逆起電圧Eが発生するタイミング(T3)、電動モータ24の回転数が低下した任意のタイミング(T4)にて、電動モータ24の端子電圧を検出している。これら電動モータ24の端子電圧の検出は通常のパーキングブレーキの動作(電動モータ24でピストンを駆動し、ブレーキパッドでディスクロータを押圧する)において実行される。
ここでモデルパラメータの推定演算式は、(1)式の両辺にトルク定数Ktを乗じ、(6)式を得る。逆起電圧Eとモータ電流Iとモータ回転速度ωのサフィックスは各タイミングにおけるそれぞれの保持値を示している。(6)式を得るにあたり、モータ負荷Tは、負荷トルクTload(K・TCLP),摩擦トルクTfrcと粘性トルクηω(t)でまとめると(5)式のようになる。
Figure 0007155055000005
Figure 0007155055000006
また、(1)式と(5)式から(7)式を得る。
Figure 0007155055000007
フリーラン区間中の電動モータ24の回転数変化は比較的に単調現象であるので、(8)式のトルク定数Ktを得る。(8)式を得るにあたっては、速度ωを逆起電圧Eで表現するために、(7)式の両辺にトルク定数Kを乗算し、(6)式を置き換える。E(t1)/tzは電圧傾き平均値を示す。
Figure 0007155055000008
電動モータが惰性回転しているときの逆起電圧変化は、負であると共にモータ減速率が概ね一定とみなすことで各タイミングにおける逆起電圧の差分は概ね等しい。
フリーラン区間を用いて導出した各モデルパラメータと目標推力Fからトルク値に換算した目標トルクTcmdを用いて(9)式からカットオフ電流閾値ICUTを演算する。尚、モータ回転速度ωは、(3)式においてLdi/dt≒0として求めた結果を用いて演算し、アプライ完了するまでカットオフ電流閾値ICUTを繰り返し演算する。
Figure 0007155055000009
最終的に推定できるモデルパラメータは、トルク定数Kt、ロストルク(粘性係数η、摩擦トルクTfrc)を推定可能であり、推定精度が高くなるものである。
その後、タイミングT6にてクランプ力が発生すると共に、検出される電動モータ24の電流値が上昇し、タイミングT7にて演算されたカットオフ電流閾値ICUTに電流値が達する。検出される電動モータ24の電流値がカットオフ電流閾値ICUTを超えたところ(T8)で、電流を遮断する。第1実施例において、上述した一連の動作は電動パーキングブレーキ装置が動作するその都度に実行される。
図4から図7を用いて説明した、モデルを用いたパーキングブレーキ制御時の事象解析結果によれば、図1の電子制御手段25は、以下のように動作するのがよい。
次に図8を用いて、電子制御手段25の動作を纏めて説明する。図8は上記解析結果を反映した電子制御手段の動作を説明するフローチャートである。ここでは、タイミングT4にて電動モータ24の端子電圧がゼロクロスしたかを判別する例を示す。なお本発明においては、図8の対応のみでは不十分であって、さらにトルク係数を補正すべきことを提案している。
図8において、電子制御手段25が起動(スタート)すると、電動パーキングブレーキ装置(PB)に動作指令があるか否か判断する(処理ステップS101)。
電動パーキングブレーキ装置に動作していない場合には、この動作を繰り返す。電動パーキングブレーキ装置に動作指令がある場合には、電動モータ24への通電を開始する(S102)。
電動モータ24への通電開始後、所定時間経過し、所定の電流値(例えば4A~11A)に達したか否か判断する(処理ステップS103)。電流が所定の電流に達していない場合には、この動作を繰り返す。
電動モータ24の回転数が安定したタイミングT2において電動モータ24の端子電圧・電流を検出する(S104)。
電動モータ24の回転数が安定したしたところで、電動モータ24の通電を停止し、停止したタイミングT3において電動モータ24の端子電圧を検出する(処理ステップS105)。電動モータ24は惰性回転する。
所定時間経過後、タイミングT4にて電動モータ24の端子電圧を検出し、電圧がゼロクロスしたか否かを判断する(処理ステップS106)。電圧がゼロクロスしていない場合には、この動作を繰り返す。電圧がゼロクロスした場合は、電動モータ24の通電を再開する(処理ステップS107)。
一方、タイミングT2及びタイミングT3で検出された電動モータ24の端子電圧・電流から、電動モータ24の巻線抵抗Rを算出することもできる(処理ステップS201)。また、タイミングT4における電動モータ24の端子電圧から、トルク定数Kt、ロストルク(粘性係数η、摩擦トルクTfrc)のモデルパラメータを演算する(処理ステップS202)。
電気抵抗R及びモデルパラメータからカットオフ電流閾値を演算し、設定する(処理ステップS203)。
電動モータ24の通電を再開(処理ステップS107)後、検出される電流値が処理ステップS203で設定されたカットオフ電流閾値に到達したか否か判断する(処理ステップS108)。検出される電流値がカットオフ電流閾値に到達していなければ、この動作を繰り返す。
検出される電流値がカットオフ電流閾値に到達した場合には、電動モータ24の通電を停止する(処理ステップS109)。
このように、電動パーキングブレーキ装置が通常動作中にモデルパラメータを推定し、カットオフ電流閾値の演算を行うようにしている。
上記例では、ピストンの推力を制御するカットオフ電流閾値演算モデルを備えると共に、電動モータの負荷トルクTloadが増加する区間においてフリーラン区間を設け、少なくとも電動モータに印加される電圧値と電流値を複数回に亘って検出し、この複数の電圧値と電流値を用いて所定の推定演算を行ってカットオフ電流閾値演算部に使用されるモデルパラメータを推定し、このモデルパラメータを用いてカットオフ電流閾値の演算を行なう構成とした。しかも、これらの動作は、電動パーキングブレーキ装置が動作するその都度に実行される。
上記例によれば、負荷トルクTloadが発生している区間においてフリーラン区間を設け、カットオフ電流閾値演算部のモデルパラメータを確実に推定演算することができ、カットオフ電流閾値演算部による高精度なカットオフ電流閾値の推定を行なうことができる。
上記例では、負荷トルクTloadが発生してモータ電流が増加する区間でもモデルパラメータを確実に推定演算することができるため、「電流一定区間」がほとんどない動作形態においても電動モータ24の通電を停止後、所定時間経過後のタイミング(T4)でもモータの逆起電圧E(T4)を検出しているので、この検出結果を基にトルク定数Kt、粘性係数η、摩擦トルクTfrcを算出し、カットオフ電流閾値を設定しているので、適切な締付力で動作可能な電動パーキングブレーキ装置を提供することができる。また、これらのモデルパラメータの推定に回転センサからの回転速度情報を使用しないので、回転センサを省略することができる。さらに、これらのモデルパラメータの推定は、電動パーキングブレーキ装置が動作するその都度に実行されるので、ブレーキパッドの摩耗、回転/直動変換機構、減速機構等の経年変化、温度変化等に起因するトルク定数の変化を精度よく検出でき、適正な締め付け力で動作可能な電動パーキングブレーキ装置を提供することができる。
上述では、モータ駆動後の負荷トルクTloadが発生してモータ電流が増加する区間においてモータ通電停止(フリーラン)状態を1回生成する事例について説明したが、モータ通電停止(フリーラン)状態を複数回生成して、繰り返し検出して検出精度を向上することもできる。
以上により、本発明の前提となる事項を概ね説明したが、本発明においてはモデルパラメータを推定したのみでは不十分と考えているので、以下にその理由について説明する。
まず、電動パーキングブレーキ装置の動作は、上述したようにごく簡単には、モータに通電すると、回転トルクが発生し、減速機により、トルクを増大し、回転直動機構により、回転トルクを推力に変換し、ピストンがパッドを押して推力が発生し、電流閾値に到達すると、モータOFF、回直のセルフロック機能で推力保持し、電圧逆方向にすると、リリースするという一連の流れのものであり、この場合に推力がばらつくという問題がある。
推力ばらつきの原因は、機構系では固体差、温度による粘性抵抗、摩擦抵抗などであり、電気系では磁束(トルク定数)、温度によるモータ抵抗などが考えられ、同じ電流閾値でも、推力が異なる。
然るに電動パーキングブレーキ装置では最低保証推力が増大することで、推力のばらつき幅が増大し、過大推力が発生する。この推力によりブレーキ機構部品に過大の力が生じ、耐久性マージンが必要となり、コストが高くなることになるため、推力のより正確な推定が求められている。
コスト低減を図り、推力ばらつきを低減するために、これらのパラメータを推定する必要があるが、本発明ではトルク定数の推定に注目した。なお、引用文献などでは、トルク定数などのモデルパラメータを推定するための通電停止区間では、モータ負荷トルクが変動するとトルク定数の推定精度が低下するという問題に着目していない。図6のモデルパラメータ推定器110を設置したのみでは、推力バラツキに対応できていない。
図9は、本発明の実施例1に係る電動パーキングブレーキ装置25を示す図である。図6の基本的な構成と比較するとトルク定数Kt補正器150が追加されている点でのみ相違する。従って、以下の説明においては、追加されたトルク定数Kt補正器150の考え方や動作について説明する。
図6、図9のモデルパラメータ推定器110では、図3に示すタイミングT6からタイミングT8までのクランプ区間の運動方程式に着目して解析を行っている。これに対し、図9のトルク定数Kt補正器150では、ディスクパッドが接触した状態におけるモータの運動方程式に着目する。ただし、ピストン摺動抵抗および、Oリング抵抗などは無視している。
図10は、上段から電圧、電流、推力の時系列的変化を示しており、この図を用いてモータの運動方程式を解くことについて説明する。図10では、フリーラン直前時刻t0の電圧値E1、フリーラン直後時刻t1の電圧値E2、並びにフリーラン直後時刻t1における電流I(t1)が0であることに注目する。なお図10においてフリーラン後の推力は最低保証推力以上であり、安定することが望まれるが実際には変動している。
モータの運動方程式は、負荷トルクTLoad、摩擦トルクTfirc、粘性トルクλω(λ:粘性係数,ω:モータ回転速度)、モータの摩擦トルクTmを用いて、(10)式で表すことができる。なお、すでに説明済みの記号については説明を割愛することがある。
Figure 0007155055000010
(10)式において、負荷トルクTLoad、摩擦トルクTfirc、粘性トルクλω(λ:粘性係数,ω:モータ回転速度)、モータの摩擦トルクTmの合計を合計トルクTLにすると(11)式を得られる。
Figure 0007155055000011
(11)式はモータ回転速度ωで表した式であるが、これをフリーラン直前時刻t0における電圧値E1を用いて、(12)式で表すことができる。
Figure 0007155055000012
またフリーラン直後時刻t1でI(t1)=0であることから、(11)式を(13)式で表すことができる。
Figure 0007155055000013
更に(12)(13)式において時刻t0とt1における合計トルクTL(t0)とTL(t1)が同じであることから(14)式によりトルク定数Ktを得ることができる。
Figure 0007155055000014
上記した考え方に従い(14)式を実行すれば、トルク定数Ktを得ることができるが、実際問題としては、図11の上部から電圧、付加トルク、推力の時系列的変化を示すように、電圧変動分ΔE(t1)を用いてトルク定数Ktを計算する場合に、理論式の電圧変化dE(t1)/dtに対して、パッドがまだ動作するため、推力変動ΔFが発生する。推力変動ΔFは回転/直動変換機構と減速機を介してモータ軸に作用する。
この場合におけるトルク定数Ktの推定値K と真値K について求めると、(13)式を(10)式に代入して(15)式が得られる。なお、Tlは推力による負荷トルク、油の粘性による粘性トルクと摩擦トルクの合計トルクである。また電圧変動分ΔE(t1)で計算すると、(16)式が得られる。
Figure 0007155055000015
Figure 0007155055000016
このトルク定数Ktの推定値K と真値K の関係からは、以下のことが言える。まず推力発生区間でのトルク定数Kt推定誤差の主な要因は、A:フリーラン開始電圧・電流違いによる推力トルク変化、B:温度変化による粘性トルク変化、C:メカ効率変化による推力トルク変化、D:パッド剛性による推力トルク変化である。
また、各トルク定数Kt推定誤差要因と、誤差の関係は以下のようである。
フリーラン開始電圧A1:フリーラン開始電圧が大きくなると、モータ回転速度は大きくなり、パッドの進み量も大きくなるため、推力変動ΔFは大きくなり、負荷トルク変動ΔTLも大きくなる。この結果、(16)式より、トルク定数Ktが大きく推定される。図12は、フリーラン開始電圧とトルク定数Ktの関係を示している。
フリーラン開始電流A2:フリーラン開始電流が大きくなると、モータ回転速度は小さくなり、パッドの進み量も小さくなるため、推力変動ΔFは小さくなり、負荷トルク変動ΔTLも小さくなる。この結果、(16)式より、トルク定数Ktが小さく推定される。図13は、フリーラン開始電流とトルク定数Ktの関係を示している。
温度B:温度は低くなると、粘性トルクは大きくなる。モータ回転速度は小さくなり、パッドの進み量も小さくなるため、推力変動ΔFは小さくなり、負荷トルク変動ΔTLも小さくなる。この結果、(16)式より、トルク定数Ktが小さく推定される。図14は、温度とトルク定数Ktの関係を示している。
メカ効率C:メカ効率が小さくなるほど、推力が小さくなるため、推力変動ΔFも小さくなる。これにより、モータ負荷トルク変動ΔTLは小さくなり、トルク定数Ktが小さく推定される。図15は、メカ効率とトルク定数Ktの関係を示している。
パッド剛性D:パッド剛性が小さくなるほど、フリーラン開始のモータ回転速度は大きくなるため、推力変動ΔFは大きくなる。これにより、モータ負荷トルク変動ΔTLは大きくなり、Ktが大きく推定される。図16は、パッド剛性Dとトルク定数Ktの関係を示している。
次に、推力発生区間での具体的な補正事例について説明する。なおごく簡便に言うならば、例えば図12のようにフリーラン開始電圧に関わらず一定のトルク定数Ktとすべく、逆関数を乗じるのがよい。
具体的には例えばフリーラン開始電圧・電流、温度での補正について、例えば電圧・電流での補正方法に対しては、各条件のトルク定数Kt真値と推定値の比で補正係数を算出し、フリーラン開始電圧・電流に対応して、各条件の補正係数で2次元補正マップ作成し、電圧・電流補正マップでトルク定数Ktを補正するのがよい。
また温度での補正に関して、各条件の電流傾きdi/dt/Vで温度相当値を算出し、今回と前回温度の比で温度変化率算出(相対温度)し、各条件で、トルク定数Kt真値と電圧・電流補正後推定値の比で補正係数算出し、今回温度と温度変化率で補正マップ作成し、温度補正マップでトルク定数Ktを補正するのがよい。なお温度補正に関して、繰返し誤差があるため、今回温度と相対温度両方を用いた。繰返し誤差がなければ相対温度単独も補正可である。
なお、メカ効率とパッド剛性の補正について言及しないが、メカ効率とパッド剛性を算出できれば、同じ方法で補正できる。
以上のことから、図9のトルク定数Kt補正器150は、電圧モニタ回路31,32から端子電圧を入力し、また電流モニタ回路30から電流を入力し、内蔵する図12、図13の特性(電流、電圧―トルク定数Kt)を参照して補正係数を算出してモデルパラメータ推定器の推定結果に反映させるのがよい。また同様に温度を計測して図14の特性(温度―トルク定数Kt)を算出してモデルパラメータ推定器の推定結果に反映させるのがよい。
図17は、トルク定数Kt補正器150における一連の処理内容例を示すフローである。図17のフローでは、最初の処理ステップS301において抵抗推定値を保持する。これは、図8の処理ステップS201での演算結果を保持したことを意味する。処理ステップS302では、突入電流発生後の電流から温度を推定する。
処理ステップS303では、フリーラン要求フラグ完了を確認し、これにより処理ステップS304、処理ステップS305で、フリーラン開始直前及び直後の電圧変化分(ΔE0/Δt、ΔE1/Δt)の計測、算出を行う。
処理ステップS306では、トルク係数Ktを算出し、次いで処理ステップS307で電圧電流での補正係数算出し、処理ステップS308で温度での補正係数算出し、最終的に補正係数でトルク係数Ktを修正する。
なお、フリーラン電圧、電流、及び温度の複数の観点からの補正を行う場合の補正の手法としては、個別の観点からの補正を行うこと、影響の大きい代表値での補正を行うこと、複数の補正を統合した1つの値としての補正を行うことなどが考えられ、本発明はそのいずれを採用するものであってもよい。
なお上記説明から明らかなようにトルク定数Kt補正器150は、電動モータの負荷トルクの時間変化に対する変動量に基づいて前記トルク定数を補正している。負荷トルク変動量は、前記ディスクパッドが接触した状態において、モータへの印加電圧と電流に基づいて前記トルク定数を補正する。
上記説明から明らかなようにトルク定数Kt補正器150は、電動モータの負荷トルクの時間変化に対する変動量に基づいてトルク定数を補正したものである。これにより、その時々の状態を反映した、電動パーキングブレーキ装置の適正な締付力を確保することができる。
また負荷トルク変動量は、ディスクパッドが接触した状態において、モータへの印加電圧と電流、温度に関する情報、パッド剛性、減速機と回直機構の機械効率のいずれか、あるいはその組み合わせに基づいて定められ、トルク定数を補正したものである。これらの補正によれば、各観点が電動パーキングブレーキ装置の締付力に与える変動要因を、要因ごとに解決することができる。
以上述べた実施例1の電動パーキングブレーキ装置によれば、推力発生区間の情報から電動モータの負荷に応じた適切な締付力で動作可能な電動パーキングブレーキ装置を提供することができる。
実施例2は、特許文献1に記載の方式を利用するときにトルク係数Ktの補正を行うものである。なお、実施例2の前提となる事項の多くは、特許文献1に記載され、実施例1においてすでに説明済みの内容と同じであり、あるいは容易に類推可能な範囲のものであるので、ここでは詳細な説明を割愛する。
割愛する内容をごく簡便に示しておくと、まず電動パーキングブレーキ装置の構成は実施例1の図9の構成と基本的に同じである。また実施例2は、推力が発生しない区間でモータの通電を停止した状態とし、この時の電圧、電流などからモデルパラメータ推定器110によりトルク係数Ktを求めるが、この場合の求め方は特許文献1に記載され、あるいは実施例1に記載の手法の適用により実現が可能である。
割愛した内容を含めて要するに特許文献1においては、「ブレーキ推力発生しない区間において、モータの通電を遮断して、誘導電圧を検出し、トルク定数を導出する。」ものである。この時のトルク定数が、図9のモデルパラメータ推定器110において求められている。
これに対し、実施例2の場合の図9のトルク定数Kt補正器150は、以下のように構成され、機能する。
図18は、推力発生しない区間のモータトルク変動の様子を示しており、上段から通電停止により生じた電圧低下、トルク、推力をそれぞれ示している。この場合におけるフリーラン中のトルク変化を考慮した計算式は先に述べたと同じ(16)式で表わされる。
推力発生しない区間のモータトルク変動から求まるトルク定数Ktの推定値K と真値K の関係からは、以下のことが言える。まず推力発生しない区間でのトルク定数Kt推定誤差の主な要因は、E:温度変化による粘性トルク変化、F:フリーラン開始時のモータ回転速度の違い(電圧の違い)による粘性トルク変化である。
この場合の各トルク定数Kt推定誤差要因と、誤差の関係は以下のようである。
温度E:温度が低くなるほど、減速機の粘性トルクが大きくなる。これにより、モータ負荷トルク変動ΔTLは大きくなり、この結果、(16)式より、トルク定数Ktが小さく推定される。図19は、温度とトルク定数Ktの関係を示している。
フリーラン開始電圧F:フリーラン開始電圧が大きくなるほど、フリーラン開始のモータ回転速度は大きくなるため、粘性トルクは大きくなる。これにより、モータ負荷トルク変動ΔTLは大きくなり、この結果、(16)式より、トルク定数Ktが小さく推定される。図20は、フリーラン開始電圧とトルク定数Ktの関係を示している。
なお推力が発生しない区間として、図18ではアプライ側を対象として、通電停止による電圧低下時の情報を利用しているが、実施例2のさらなる応用としては、図21に示すリリース側で対応することも可能である。
なお実施例2の場合の補正手法の考え方は、実施例1で説明したものがそのまま適用可能であるので、ここでの説明を割愛する。
実施例3では、本発明のさらなる変形、実施例について図22、図23を用いて説明する。図22は本発明の実施例3に係るモデルパラメータの制御ブロック図であり、図23は本発明の実施例3に係るモデルパラメータの推定動作の波形図である。図22と図23において、図6と図7と同一の符号は同じ動作をするものである。
図22における制御ブロック101には、電動モータ24に通電開始後、電流が略一定になる電流一定区間に至る前の電流が減少する区間にモデルパラメータを推定する過渡モデルパラメータ推定器111をさらに備えている。実施例3では、過渡モデルパラメータ推定器111とモデルパラメータ推定器110にてトルク定数などのモデルパラメータを異なる動作状態で推定し、異なる動作状態で推定した複数の結果を用いてモデルパラメータ推定精度を高精度化している。この点が実施例1と異なる。
図22における過渡モデルパラメータ推定器111は、図23の電流減少区間において、電動モータ24に印加される電圧、電流を複数回(サンプリングSp1,Sp2,Sp3)に亘って検出し、(4)式を用いて電圧(V)と電流(I)から電動モータ24の起動時の電気抵抗(R)を求めている。さらに、(3)式において、Ldi/dt≒0としたときの数式から、誘起電圧(ωKt=V-RI)を演算して求めている。この誘起電圧(ωKt)は、温度変化の影響を考慮して推定しているので、電動モータ24の温度による推力変化を補償することができる。
機械パラメータに相当する無負荷ロストルクTLossは、粘性トルク(ηω)と摩擦トルク(Tfrc)を加算したものとして表せるので、(17)式を得る。
Figure 0007155055000017
微少時間変化における変化が小さいときは、(17)式における2つ以上のサンプリングSp1,Sp2,Sp3分(電流減少区間)の差分を求めることで無負荷ロストルクTLossを消去してトルク定数Kt1を演算する。ここで、慣性係数「J」はばらつかないと仮定しても良く、既知の値として入力されている。
次に空走区間の電流一定区間においてモデルパラメータ推定器110を用いて、図23で説明したフリーラン区間を生成し、トルク定数Kt2を求めることができる。モータ停止判定器121では、トルク定数Kt1とトルク定数Kt2の平均処理することで、精度良くトルク定数Ktを求め、(9)式に基づいて目標とするカットオフ電流閾値(ICUT)を求める。カットオフ電流閾値(ICUT)は実電流値と比較して、実電流値がカットオフ電流閾値(ICUT)を超えたことを判定して駆動制御器130に伝達する駆動信号120Sにカットオフ要求する。このようにして、電子制御手段25は、実際に電動モータ24に流れている実電流値がカットオフ電流閾値(ICUT)に達すると、電動モータ24に供給されている電流を遮断して推力保持区間に移行することになる。
実施例3では、トルク定数Kt1とトルク定数Kt2の平均処理を用いたトルク定数の高精度化を示したが、過渡モデルパラメータ推定器111で推定したトルク定数Kt1とモデルパラメータ推定器110で推定したトルク定数Kt2を用いて予め設定した範囲内のトルク定数の何れか一方を用いてパラメータ推定演算の高信頼化することも可能である。
以上説明したように、実施例3では、ピストンの推力を制御するカットオフ電流閾値演算モデルを備えると共に、電動モータに通電を開始した時に生じる突入電流の後の電流が略一定になる電流一定区間に至る前の電流減少区間内で、少なくとも電動モータに印加される電圧値と電流値を複数回に亘って検出し、この複数の電圧値と電流値を用いて所定の推定演算を行う。更に、フリーラン区間による所定の推定演算した結果との平均値を求め、カットオフ電流閾値演算に使用するモデルパラメータを推定し、このモデルパラメータを用いてカットオフ電流閾値の演算を行なう構成とした。しかも、これらの動作は、電動パーキングブレーキ装置が動作するその都度に実行される。
実施例3によれば、電流一定区間に至る前の電流減少区間内と、電流一定区間の電流一定区間との2つの動作状態から高精度なモデルパラメータ推定演算することができ、高精度なカットオフ電流閾値による推力制御精度を向上することができる。また、これらのモデルパラメータの推定に回転センサによる回転速度情報を使用しないので、回転センサを省略することができる。
さらに、これらのモデルパラメータの推定は、電動パーキングブレーキ装置が動作するその都度に実行されるので、ブレーキパッドの摩耗、回転/直動変換機構、減速機構等の経年変化、温度変化等に起因するトルク定数の変化を精度よく検出でき、適正な締め付け力で動作可能な電動パーキングブレーキ装置を提供することができる。
以上に述べた本発明によれば、「電動モータと、電動モータの回転運動を直動運動に変換する回転直動変換機構と、電動モータへの電流の印加により移動するディスクパッドと、を有する電動ブレーキの制御装置であって、電動モータへの電流を止めるカットオフ電流を演算するカットオフ電流演算部と、カットオフ電流の演算に必要なトルク定数を演算するトルク定数演算部と、電動モータが駆動開始後、電動モータの通電を停止させた状態でトルク定数を補正するトルク定数補正部と、を有する電動ブレーキの制御装置。」のように構成することにより、本発明の目的(電動モータの負荷に応じた適切な締付力で動作可能な電動パーキングブレーキ装置を提供することができる。)を達成することができる。
尚、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…ブレーキキャリパ、11…キャリパ本体、12…油圧室、13…ピストン、14,15…ブレーキパッド、16…ディスクロータ、17…ブレーキペダル、18…回転/直動変換機構、19…減速機構、20…回転軸、21…直動部材、22…大径歯車、23…小径歯車、24…電動モータ、25…電子制御手段、26…バッテリ、27…リレー、28…Hブリッジ回路、30…電流モニタ回路、31…モータ端子aの電圧モニタ回路、32…第モータ端子bの電圧モニタ回路、35…マスタシリンダ、36…ハーネス、37…電源電圧モニタ回路、100,101…制御ブロック、110…モデルパラメータ推定器、111…過渡モデルパラメータ推定器、120…モータ停止判定器、130…駆動制御器、150…トルク常数Kt補正器

Claims (13)

  1. 電動モータと、前記電動モータの回転運動を直動運動に変換する回転直動変換機構と、前記電動モータへの電流の印加により移動するディスクパッドと、を有する電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記電動モータへの電流を止めるカットオフ電流を演算するカットオフ電流演算部と、
    前記カットオフ電流の演算に必要なトルク定数を演算するトルク定数演算部と、
    前記電動モータが駆動開始後、前記電動モータの通電を停止させた状態で前記トルク定数を補正するトルク定数補正部と、を有する電動パーキングブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記トルク定数補正部は、前記電動モータの負荷トルクの時間変化に対する変動量に基づいて前記トルク定数を補正する電動パーキングブレーキ装置。
  3. 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記トルク定数補正部は、前記ディスクパッドが接触した状態において、モータへの印加電圧と電流に基づいて前記トルク定数を補正する電動パーキングブレーキ装置。
  4. 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記トルク定数補正部は、前記ディスクパッドが接触した状態において、温度に関する情報に基づいて前記トルク定数を補正する電動パーキングブレーキ装置。
  5. 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記トルク定数補正部は、前記ディスクパッドが接触した状態において、パッド剛性に基づいて前記トルク定数を補正する電動パーキングブレーキ装置。
  6. 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記トルク定数補正部は、前記ディスクパッドが接触した状態において、減速機と回直機構の機械効率に基づいて前記トルク定数を補正する電動パーキングブレーキ装置。
  7. 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記トルク定数補正部は、前記ディスクパッドが接触した状態において、モータへの印加電圧と電流、パッド剛性、減速機と回直機構の機械効率の組合せに基づいて前記トルク定数を補正する電動パーキングブレーキ装置。
  8. 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記トルク定数補正部は、前記ディスクパッドが接触する前において、温度に関する情報とモータへの印加電圧のいずれかまたはそれらの組合せに基づいて前記トルク定数を補正する電動パーキングブレーキ装置。
  9. 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記トルク定数補正部は、前記ディスクパッドが離れた後において、温度に関する情報とモータへの印加電圧のいずれかまたはそれらの組合せに基づいて前記トルク定数を補正する電動パーキングブレーキ装置。
  10. 請求項2に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記補正したトルク定数を用いて、前記電動モータのカットオフ電流閾値を設定し、前記電動モータの電流が前記カットオフ電流閾値を超えた場合に、前記電動モータの通電を停止させることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
  11. 請求項1に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記電動モータが駆動開始後、前記電動モータの通電を停止させた状態は、前記ディスクパッドへの推力が発生しない期間内にあることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
  12. 請求項1に記載の電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記電動モータが駆動開始後、前記電動モータの通電を停止させた状態は、前記ディスクパッドへの推力が発生している期間内にあることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
  13. 電動モータと、前記電動モータの回転運動を直動運動に変換する回転直動変換機構と、前記電動モータへの電流の印加により移動するディスクパッドと、を有する電動パーキングブレーキ装置であって、
    前記電動モータへの通電区間の運動方程式から定まるトルク定数を、ディスクパッドが接触した状態のモータの運動方程式から定まるトルク定数により補正し、補正後のトルク定数により前記電動モータへの電流を止めるカットオフ電流を演算することを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
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