JP7152443B2 - 液式鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、液式鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池には液式のものと制御弁式のものがあり、液式鉛蓄電池は、隔壁により区画された複数のセル室を備えた電槽と、各セル室に電解液とともに収納されている極板群と、を備え、その極板群は、交互に配置された正極板および負極板と、正極板および負極板との間に配置されたセパレータと、からなる積層体を有する。
液式鉛蓄電池の電槽の上面は蓋で封止されている。この蓋は、上板の複数のセル室の上方となる位置にそれぞれ形成された電解液の注入口(液口)を有する。注入口は栓(液口栓)で塞がれている。液口栓は、排気孔を備えた頭部を有する。
一般的に、液式鉛蓄電池の充電受入性と減水抑制性能(電解液である希硫酸から水が減ることを抑制する性能)はトレードオフの関係にある。例えば、充電受入性を向上させるため、負極中の導電カーボン量を増加させると充電受入性は向上するが、減水抑制性能は低下する。
世界的にCO2規制が厳しくなる中、さらなる自動車の燃費向上が必要とされている。そのため、液式鉛蓄電池にはより高い充電受入性が要求されている。例えば、2015年に改訂されたEN50342-6においては、Dynamic Charge Acceptance testが導入された。このテストは、これまでの試験方法では考慮されてこなかった「充電後の充電受入性」も考慮されている。「充電後の充電受入」は「放電後の充電受入」よりも厳しい試験であり、液式鉛蓄電池には、さらなる充電受入性の向上が求められている。
一方、今後、東南アジアなど高温地域向けにもアイドリングストップ(ISS)車が急速に普及すると予想されている。気温が高いと減水量が増加するのは周知の事実であるが、ユーザーによる補水は、補水し過ぎによる電解液溢れなどの問題を生じるため避けるべきである。高温地域向けの液式鉛蓄電池においても、メンテナンスフリーであることは重要なファクターである。
以上の背景から、昨今、液式鉛蓄電池の充電受入性と減水抑制性能を両立するための改良が種々行われている。例えば、材料からのアプローチとして、様々なリグニン種やカーボン種の検討が行われているが、トレードオフの関係にある充電受入性能と減水抑制性能を、高いレベルで両立させるには未だ至っていない。
液式鉛蓄電池の減水抑制性能を向上する方法として、シートを蓋に貼って、全ての液口栓の頭部を覆うことが行われている。これにより、排気孔から蒸気や酸素ガスや水素ガスが流出することが抑制され、これらのガスは、セル室内で冷却されるか化学反応が生じることで水に戻る。
しかし、特に過充電時などでは、ガスの流出速度が一定以上に高くなって、ガスが水に戻る速度を超えてしまい、電池内部の圧力が異常に高くなるため、シートと蓋との間に接着剤で貼り合わせされていない部分(非接合部)を設け、非接合部の排気孔の近くにスリットを設けることで、適宜ガスを逃すようにしている。
特許文献1に記載された液式鉛蓄電池では、上述のスリットを設けることで、蓋とシートとの間に水や電解液が微量に滲み出してシートが蓋に貼り付いた場合においても、電池内のガスの電池外への放出が行われるようにしている。また、排気孔からの排出ガスが、非接合部を通って、排気孔から離れた位置で電池外に排出できるようにしている。
特許文献2に記載された液式鉛蓄電池では、特許文献1と同じ非接合部を設けて、排気孔からの排出ガスが、非接合部を通して排気孔から離れた位置で電池外に排出できるようにしている。また、接合部(シートが蓋に接着剤で貼り合わされた部分)が液口栓に掛かるようにしている。そして、特許文献2には、非接合部においてシートを上方(蓋から離れる方向)に向かって凸に撓ませて、蓋とシートとの間に空間を作ることにより、蓋とシートとの間に水や電解液の滲出があった場合でも、シートが蓋に張り付くことを抑制できると記載されている。なお、特許文献2には、上述のスリットを設けることは記載されていない。
特許第5125040号公報 特許第5125041号公報
しかし、発明者らが検討を進めたところ、特許文献2に記載の液式鉛蓄電池では、特に高温での使用において、シートが熱により不均一に撓み、蓋とシートの非接合部との間に十分に空間が確保できず、シートの非接合部が蓋に張り付くことを抑制できない場合があることが分かった。
また、特許文献2に記載の液式鉛蓄電池に特許文献1に記載のスリットを設けた場合には、電池の内圧が上昇すると、スリットから電池内のガスとともに電解液が滲出し、スリット上部で徐々に液滴が成長し大きくなる。走行時の振動などで電池内部に溜まったガスが一気に放出されると、スリット上部にある成長した液滴が飛散し、液式鉛蓄電池が搭載されている車両のボンネット内の機器にその液体が付着して、機器に腐食を生じさせる可能性がある。
本発明の課題は、蓋に接着されたシートで、注入口を塞ぐ全ての栓の頭部が覆われている液式鉛蓄電池であって、高温での使用においてシートの非接合部が蓋に張り付くことが抑制され、内部の液体がスリットから滲出することを抑制できる性能に優れた液式鉛蓄電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の第一態様の液式鉛蓄電池は、下記の構成(a)~(d)を備えている。
(a)隔壁により区画された複数のセル室を有する電槽と、複数のセル室に、電解液とともにそれぞれ収納された複数の極板群と、電槽の上面を封止している蓋とを備える。この蓋は、上板の複数のセル室の上方となる位置にそれぞれ形成された電解液の注入口を有する。
(b)蓋の注入口を塞ぐ栓を備える。この栓は、排気孔を備えた頭部を有する。
(c)全ての栓の頭部を覆っている可撓性のシートを備える。このシートは、蓋の上板の上面の栓が配置されている領域の外側に接着され(つまり、この領域と重なるシートの部分は蓋に接着されていない非接合部であり)、全ての栓の頭部の位置にスリットを有する。
(d)シートは、接着剤層を介して積層された複数枚のフィルムからなる。
本発明の液式鉛蓄電池は、蓋に接着されたシートで、注入口を塞ぐ全ての栓の頭部が覆われている液式鉛蓄電池であり、高温での使用においてシートの非接合部が蓋に張り付くことが抑制され、内部の液体がスリットから滲出することを抑制できる性能に優れたものになることが期待できる。
実施形態の液式鉛蓄電池を示す平面図である。 実施形態の液式鉛蓄電池を構成する蓋の電槽に向ける面を示す図である。 図1のA-A断面図である。 実施形態の液式鉛蓄電池の作用、効果を説明する図(a)と、従来の液式鉛蓄電池の場合を説明する図(b)である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
[構成]
図1~図3に示すように、実施形態の液式鉛蓄電池10は、内部が隔壁13により六個のセル室4に区画されたモノブロックタイプの電槽1と、電槽1の上面を封止している蓋2を有する。六個のセル室4は電槽1の長手方向に沿って配列されている。各セル室4には、電解液とともに極板群が収納されている。図2に示すように、セル室4の配列方向をX方向、これに垂直な方向をY方向とする。
各極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、からなる積層体を有する。
正極板は、格子状基板と格子状基板から上側に突出する耳部とを有する集電体の格子状基板に、正極合剤(正極活物質を含む合剤)が保持されたものである。負極板は、格子状基板と格子状基板から上側に突出する耳部とを有する集電体の格子状基板に、負極合剤(負極活物質を含む合剤)が保持されたものである。複数枚の正極板および負極板は、セパレータを介して交互に配置されている。積層体を構成する負極板の枚数は正極板の枚数よりも一枚多くても良いし、同じでも良い。
負極板は袋状セパレータ内に収納されている。そして、負極板が入った袋状セパレータと正極板とを交互に重ねることで、正極板と負極板との間にセパレータが配置された状態となっている。なお、正極板を袋状セパレータ内に収納して、負極板と交互に重ねてもよい。
また、各極板群は、積層体の正極板および負極板をそれぞれ幅方向の別の位置で連結する正極ストラップおよび負極ストラップと、正極ストラップおよび負極ストラップからそれぞれ立ち上がる正極中間極柱および負極中間極柱を有する。正極ストラップおよび負極ストラップは、正極板および負極板の耳部をそれぞれ連結している。一方のセル室の正極中間極柱と他方のセル室内の負極中間極柱とが、隔壁に形成された貫通孔内を埋める金属部で接続されている。セル配列方向の両端のセル室に配置された正極ストラップおよび負極ストラップには、それぞれ小片部を介して、外部端子となる正極極柱および負極極柱が形成されている。
図2に示すように、蓋2は、電槽1の隔壁13に対応する五枚の仕切り板23と、長方形の上板24を有する。上板24は六個の貫通孔241を有する。六個の貫通孔24aは、上板24の五枚の仕切り板23で区切られた各位置に形成されている。
上板24の内面(電槽1と対向させる面)には、貫通孔241に連続するスリーブ25が形成されている。貫通孔241とスリーブ25が注液口(電解液の注入口)26を構成する。注液口26は液口栓5で塞がれる。スリーブ25は二本のスリット25aと雌ねじ部25bを有する。二本のスリット25aは、互いに180°となる位置に形成され、X方向に沿って対向している。スリーブ25の外周部にフランジ27が形成されている。
また、蓋2は、電槽1に対する位置決め用のガイドリブ28と、正極極柱および負極極柱を通すブッシング29を有する。各ブッシング29から蓋2の外部に露出させた正極極柱および負極極柱が、図1に示す正極端子31および負極端子32となる。
図3に示すように、注液口26を塞ぐ液口栓5は、筒体部51と、その軸方向一端に形成された円板状の頭部52を有する。筒体部51の頭部52側の外周に雄ねじ部53が形成されている。
筒体部51の中には、別部品である防沫栓55と防爆フィルター56が配置されている。筒体部51は、周面に設けた貫通穴51aと、下端部に設けたスリット51bを有する。貫通穴51aは、防沫栓55の防沫板55aの間に配置されている。防爆フィルター56は筒体部51の上部に配置され、防沫栓55は筒体部51の下端部に取り付けられている。
頭部52は、大径部521と小径部522とからなり、板面を貫通する排気孔52aを有する。また、頭部52は、液口栓5をマイナスドライバーで回すための凹部52bを有する。
上板24の貫通孔241とスリーブ25の上端面251により、液口栓5の頭部52の外縁部が収まる凹部が形成されている。スリーブ25のスリット25aは、下端面(セル室4側の端面)252から上板24側に延びており、フランジ27に近い位置まで深く形成されている。雌ねじ部25bはスリーブ25の内周面の基端部にのみ形成されている。
図1に示すように、全ての液口栓5が可撓性のシート6で覆われている。シート6は、蓋2の上板24の上面の液口栓5が配置されている領域50の外側に、接着剤7で接着されている。つまり、領域50と重なるシート6の部分は、蓋2に接着されていない非接合部である。
図3に示すように、シート6は、蓋2に近い側に配置される第一のフィルム61と、蓋2から遠い側に配置される第二のフィルム62と、接着剤層63とからなる。第一のフィルム61と第二のフィルム62は接着剤層63を介して積層されている。第一のフィルム61はポリプロピレン製の多孔質フィルムであり、第二のフィルム62はポリプロピレン製の多孔質フィルムである。接着剤層63は、水または硫酸と反応して膨潤する材料であって、ポリプロピレン製のフィルム同士を接着可能な接着剤(例えば、アクリル樹脂系接着剤、ゴム系接着剤)からなる。また、減圧状態でない場合は、シート6と蓋2との間の接着剤7が存在しない部分に、隙間Sが生じている。
図1に示すように、シート6には、蓋2に貼り付けた時に六個の各液口栓5の頭部52となる位置に、二本の直線からなる十字状のスリット65が形成されている。そして、六個のセル室4の全てで、スリット65と液口栓5の排気孔52aは互いに180°の位置に離れている。
六個の液口栓5としては、締めつけトルクが設定値(振動などにより緩みが生じない値。例えば、0.5N・m以上1.5N・m)となるまで雄ねじ部53と雌ねじ部25bを螺合させて、液口栓5を蓋2の注液口26に装着した時に、排気孔52aの中心が、シート6を貼り付けた時にスリット65の中心の反対側となる位置(図1の左下)になるものを用意した。
[製法]
液式鉛蓄電池10は、例えば以下の方法で製造できる。
先ず、公知の方法で作製された化成前の極板群を、電槽1の各セル室4に配置した後、抵抗溶接を行って金属部を形成する。次に、電槽1の上に蓋2を載せる。その際に、蓋2の仕切り板23を電槽1の隔壁13と接触させ、正極極柱および負極極柱を、蓋2にインサート成型されたブッシングの貫通穴に通す。次に、電槽1の上面と蓋2の下面を熱で溶かして、熱溶着により電槽1に蓋2を固定する。その結果、セル室4の上側に蓋2による上部空間が形成される。その後、ブッシングの貫通孔からそれぞれ突出した状態の正極極柱および負極極柱をバーナー等で加熱しブッシングと一体化させることで、正極端子31および負極端子32を形成する。
次に、各注液口26から各セル室4内に電解液を注入する。次に、注液口26に液口栓5の筒体部51を入れて、液口栓5の雄ねじ部53をスリーブ25の雌ねじ部25bに螺合することで、各注液口26を液口栓5で塞ぐ。その際の締めつけトルク値は、予め設定された振動などにより緩みが生じない値(例えば、0.5N・m以上1.5N・m)とする。これにより、各液口栓5の排気孔52aは、図1において左下となる位置に配置される。
次に、シート6の外縁部に接着剤を付着させて、図1の状態となるように、シート6を蓋2の上板24の上面に貼り付ける。
最後に、通常の条件で電槽化成を行い、正極合剤に含まれる鉛粉を正極活物質(二酸化鉛)に変化させることにより、液式鉛蓄電池10が得られる。
[作用、効果]
実施形態の液式鉛蓄電池10によれば、シート6が、接着剤層63を介して積層された第一のフィルム61と第二のフィルム62からなり、第一のフィルム61が多孔質フィルムであるため、蓋2とシート6の非接合部(領域50と重なる部分)との間に滲み出した水や硫酸ミストが、第一のフィルム61を透過して接着剤層63で吸収される。これに伴い、図4(a)に示すように、接着剤層63が膨潤することで、第一のフィルム61と第二のフィルム62が上方(蓋から離れる方向)に向かって凸に撓み、蓋2とシート6の非接合部との間に十分な空間が生じると推測される。
その結果、シート6の非接合部が蓋2に張り付くことを抑制できる。また、電池の内圧が上昇した場合に、スリット65から電池内のガスとともに液体が滲出することが抑制される。
これに対して、図4(b)に示すように、一枚のフィルムのみからなるシート60では、蓋2とシート60の非接合部との間に十分な空間が生じず、この空間に滲み出した水や硫酸ミストにより、シート60の非接合部が蓋2に張り付くことを抑制できない。
なお、第一のフィルム61だけでなく第二のフィルム62も多孔質フィルムで構成すれば、シート6からガスが抜け易い構成となるため、内圧の上昇自体が抑制されて、液体の滲出の抑制作用がより高くなる。ただし、外気と直接接触する第二のフィルム62が非多孔質フィルムである方が、シート6としての強度が高くなり、製造上の取り扱いが容易になるため、コストダウンや品質向上の点で有利である。また、電池使用中に電槽内部でガスが急激に発生した場合でも、シート6の破損を抑制できるという点でも有利である。
また、第一のフィルム61と第二のフィルム62の両方が非多孔質フィルムの場合でも、接着剤層63を介して積層されたシート6であれば、一枚のフィルムのみからなるシート60と比較して、シートの非接合部が蓋に張り付くことを抑制できる。
[液式鉛蓄電池の作製]
<No.1:実施例>
実施形態の液式鉛蓄電池10を、一般的な製法で作製した。具体的には、JIS規格に定める「55-B24」の液式鉛蓄電池を作製し、蓋2にシート6を貼って図1に示す状態にした。
シート6としては、厚さが0.15mmの多孔質ポリプロピレン樹脂からなる第一のフィルム61と、厚さが0.15mmの非多孔質ポリプロピレン樹脂からなる第二のフィルム62とが、アクリル樹脂系接着剤からなる接着剤層63で接着されているものを用意した。接着剤層63の厚さは0.10mmである。各スリット65の一本の長さは3mmとした。六個のスリット65は、蓋2に貼り付けた時に、図1における各液口栓5の右上となる位置に配置されている。
液口栓5の頭部52の直径は25mmであり、排気孔52aの直径は2mmである。また、液口栓5は、1.0N・mのトルクで締めつけた際に、排気孔52aの中心が、シート6を貼り付けた時にスリット65の中心の反対側となる位置(図1の左下)になるものである。
各セル室4への電解液の注入後に、各注液口26に対応する液口栓5を入れ、マイナスドライバーを凹部52bに嵌めて回し、1.0N・mのトルクで締めつけることにより、各液口栓5を各注液口26に固定した。次に、シート6の外縁部に接着剤7を付着させて、図1の状態となるように、シート6を蓋2の上板24の上面に貼り付けた。
<No.2:実施例>
シート6として、厚さが0.15mmの非多孔質ポリプロピレン樹脂からなる第一のフィルム61と、厚さが0.15mmの非多孔質ポリプロピレン樹脂からなる第二のフィルム62とが、スチレンブタジエンゴム系接着剤からなる接着剤層63で接着されているものを用意した。接着剤層63の厚さは0.10mmである。これ以外はNo.1と同じ方法で、図1に示す液式鉛蓄電池10を作製した。
<No.3:実施例>
シート6として、厚さが0.15mmの多孔質ポリプロピレン樹脂からなる第一のフィルム61と、厚さが0.15mmの多孔質ポリプロピレン樹脂からなる第二のフィルム62とが、アクリル樹脂系接着剤からなる接着剤層63で接着されているものを用意した。接着剤層63の厚さは0.10mmである。これ以外はNo.1と同じ方法で、図1に示す液式鉛蓄電池10を作製した。
<No.4:比較例>
シート6に代えて、厚さが0.15mmのポリプロピレン樹脂からなるシート60を用いた。これ以外はNo.1と同じ方法で、液式鉛蓄電池を作製した。
[性能試験]
No.1~No.4の液式鉛蓄電池について、以下の方法で試験を行った。
実験室において、高温の環境での使用実験を行った。具体的には、水槽を用意して、内部をウェスで綺麗にした後、設定温度を75℃にした。この水槽内に完全充電状態の各液式鉛蓄電池を入れて、最大電流10A、上限電圧14.4VでCV充電を12時間行った。なお、各液式鉛蓄電池を恒温槽に入れる前に、各液式鉛蓄電池の蓋をウェスで綺麗にした。
充電終了後に、各電池の蓋の表面におけるシートのスリットが存在する領域(スリット65の中心点を中心にした面積4mm2の範囲)に液滴が付着しているかどうかを目視にて調べて、以下の「◎」、「○」、「×」で評価した。
「◎」:液滴が目視できないか、目視できる液滴はあるが、その最大直径が1mm以下である。
「○」:目視できる液滴があって、その最大直径が1mmを超え2mm以下である。
「×」:目視できる液滴があって、その最大直径が2mmを超える。
その結果を表1に示す。
Figure 0007152443000001
この結果から、以下のことが推定できる。
No.1~No.3の液式鉛蓄電池では、接着剤層を介して積層された二枚のポリプロピレン製フィルムからなるシートを使用しているため、シートの非接合部が蓋に張り付くことが抑制され、蓋とシートの非接合部との間に十分に空間が確保されるので、電池の内圧が上昇した場合に、スリットから電池内のガスとともに液体が染み出すことが抑制された。これらのうち、No.1およびNo.3の液式鉛蓄電池では、少なくとも最も蓋に近いフィルムが多孔質フィルムであるシートを使用しているため、液体の染み出しを抑制する効果が特に高かった。
これに対して、No.4の液式鉛蓄電池では、一枚の非多孔質ポリプロピレン製フィルムからなるシートを使用しているため、シートの非接合部が蓋に張り付くことが抑制されず、電池の内圧が上昇した場合に、スリットから電池内のガスとともに液体が滲出することを抑制できなかった。
10 液式鉛蓄電池
1 電槽
13 隔壁
2 蓋
23 仕切り板
24 蓋の上板
241 上板の貫通孔
25 スリーブ
25a 注液口のスリット
251 スリーブの上端面
252 スリーブの下端面
26 注液口(電解液の注入口)
27 フランジ
31 正極端子
32 負極端子
4 セル室
5 液口栓(注入口を塞ぐ栓)
50 上板の上面の液口栓が配置されている領域
51 筒体部
52 頭部
52a 排気孔
53 雄ねじ部
55 防沫栓
56 防爆フィルター
6 シート
61 第一のフィルム(最も蓋に近いフィルム)
62 第二のフィルム
63 接着剤層
65 シートのスリット
7 接着剤

Claims (2)

  1. 隔壁により区画された複数のセル室を有する電槽と、
    前記複数のセル室に、電解液とともにそれぞれ収納された複数の極板群と、
    前記電槽の上面を封止している蓋であって、上板の前記複数のセル室の上方となる位置にそれぞれ形成された前記電解液の注入口を有する蓋と、
    前記注入口を塞ぐ栓であって、排気孔を備えた頭部を有する栓と、
    全ての前記栓の前記頭部を覆っている可撓性のシートであって、前記上板の上面の全ての前記栓が配置されている領域の外側に接着され、全ての前記栓の前記頭部の位置にスリットを有するシートと、
    を備え、
    前記シートは、接着剤層を介して積層された複数枚のフィルムからなり、
    前記接着剤層は、水または硫酸ミストを吸収して膨潤するものである液式鉛蓄電池。
  2. 前記複数枚のフィルムのうち少なくとも最も前記蓋に近いフィルムは多孔質フィルムである請求項1記載の液式鉛蓄電池。
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