JP7148885B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置に関するものである。
従来、液体を吐出する複数の吐出孔と、複数の吐出孔に個別に通じる複数の個別液室と、振動板とを備える液体吐出ヘッドが知られている。
特許文献1に記載の液体吐出ヘッドでは、ある個別液室の液体の吐出動作によって、個別液室に隣接する他の個別液室の液体の吐出動作が影響を受ける隣接干渉が生じるおそれがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、液体を吐出する複数の吐出孔と、複数の前記吐出孔に個別に通じる複数の個別液室と、中央厚層部及び周囲薄層部を有し前記個別液室の壁面の少なくとも一部を形成する振動板とを備える液体吐出ヘッドにおいて、前記周囲薄層部の外周に位置する外周部と、前記中央厚層部とを前記個別液室の短手方向で繋げる短手方向連結部を設けており、前記外周部、前記中央厚層部および前記短手方向連結部の厚さを、互いに同じにしたたことを特徴とするものである。
本発明によれば、隣り合う個別液室間での隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することが可能となる。
実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視説明図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドの内部構成を示す斜視説明図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドの下端部近傍の概略断面図。 実施形態の液体吐出ヘッドにおける噴射液流路ユニットの上面図。 実施形態の液体吐出ヘッドにおける噴射液流路ユニットの断面図。 変形例1の液体吐出ヘッドにおける噴射液流路ユニットの上面図。 変形例2の液体吐出ヘッドにおける噴射液流路ユニットの上面図。 プリンタの概略構成を示す側面図。 プリンタの平面図 液体吐出ユニットの一つ目の他の例についての説明図。 液体吐出ユニットの二つ目の他の例についての説明図。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る液体吐出ヘッド1の斜視説明図である。図2は、図1に示す液体吐出ヘッド1の内部構成を示す斜視説明図であり、図3は、図1及び図2に示す液体吐出ヘッド1の下端部近傍の概略断面図である。
図3に示すように、液体吐出ヘッド1は、ノズル板130と、流路板120と、振動板15とを積層して作製された噴射液流路ユニット200を備える。ノズル板130は、液体を吐出する複数のノズル13が高密度に配置されている。流路板120は、複数のノズル13のそれぞれに連通する複数の圧力発生室12と、圧力発生室12に供給する液体を収容する個別液流路51と、個別液流路51から圧力発生室12に供給される液体が通過する抵抗流路52とを形成する。振動板15は、圧力発生室12の一面(図3では上面)を封止する部材であり、振動板基体層15bと振動板補強層15aとの二層からなる。
さらに、噴射液流路ユニット200の一面(図3では上面)に接合して複数のノズル13と圧力発生室12の組み合わせのそれぞれに対応して複数配置され、液体吐出の圧力発生源となる積層圧電素子9を備える。
液体吐出ヘッド1は、噴射液流路ユニット200を保持固定するハウジング5と、ハウジング5の上部に配置されたカバー2とを備える。ハウジング5は、内部に形成された共通流路50に液体を供給する供給口6と、供給口6から共通流路50に供給され、個別液流路51に供給されずに共通流路50を通過した液体を外部に排出する排出口60とを備える。図1中の破線「7」は、ハウジング5内の共通流路50を通過する液体の流路を示している。また、積層圧電素子9を保持し、ハウジング5に対して固定された圧電素子ベースプレート14を備える。
図1乃至図3に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッド1は、画像形成装置の制御部等の上位装置からの電気信号の伝達を行うフレキシブルプリント配線基板3(FPC:Flexible Printed Circuit)を備える。さらに、フレキシブルプリント配線基板3に接続され、積層圧電素子9の駆動を制御する駆動IC8を備える。また、駆動IC8に隣接し、一端を液体吐出ヘッド1のカバー2の外部に露出させ、駆動IC8の発熱を液体吐出ヘッド1の外部へ放出する熱伝導性部材である放熱板4を備える。
積層圧電素子9は、駆動配線が積層状に形成された積層タイプのフレキシブルプリント配線基板3を介して駆動IC8を備えた駆動回路基板と接続されるようになっている。
本実施形態の液体吐出ヘッド1は、図3に示す構造を左右反転させたものを図3の右側に備え、さらに、図3に示す構造と左右反転させた構造との組み合わせを、ハウジング5の幅方向(X軸方向)に二組備える。このため、ハウジング5の幅方向に四つのノズル13を備える。さらに、ハウジング5の長手方向(Y軸方向、圧力発生室12の短手方向)にノズル13を320個備える。すなわち、液体吐出ヘッド1は、ハウジング5の長手方向に320個のノズル13が配置されたノズル列を、ハウジング5の短手方向に四列備える構成である。また、供給口6及び排出口60を二つずつ備え、一つの供給口6から供給された液体が二列のノズル列に対応した共通流路50に供給される構成となっており、一つの液体吐出ヘッド1で二種類の液体を吐出することが可能な構成となっている。液体吐出ヘッド1の一つのノズル列が備えるノズル13の数や、ノズル列の数は、上述したものに限るものではなく、圧力発生室12の短手方向にノズル13が複数個配置されたノズル列を構成するものであればよい。
液体吐出ヘッド1では、駆動回路基板から供給された信号に基づいて、積層圧電素子9に電界が印加されて積層圧電素子9が変形することによって圧力発生室12内の圧力が上昇し、圧力発生室12内の液体がノズル13から外部に向けて吐出される。液体が吐出された圧力発生室12は、積層圧電素子9の変形が元に戻ることで圧力発生室12内の圧力が下がり、個別液流路51内の液体が抵抗流路52を介して圧力発生室12に供給される。個別液流路51には共通流路50内の液体が供給開口部160から供給される。
また、図2及び図3に示すように、液体吐出ヘッド1はヒーター11と、温度モニタリング素子であるサーミスタ10とを備え、吐出する液体を加熱することができる。このため、常温では粘度が高くなる液体も、加熱して粘度を下げた状態で吐出することが可能となる。
振動板15は、振動板基体層15b及び振動板補強層15aが重なった二層からなる厚層部と、振動板基体層15bの一層のみからなる薄層部とを備える。薄層部は、二層からなる振動板15に対してエッチング等によって振動板補強層15aを除去することによって形成する。
図3に示すように、振動板15の圧力発生室12の上面を封止する部分における積層圧電素子9と接合する部分は、島状の厚層部(島状厚層部16a)となっており、その周囲は薄層部(周囲薄層部16b)となっている。島状厚層部16aは、積層圧電素子9と接合し、積層圧電素子9の変形によって生じる振動を伝達する振動伝達部であり、周囲薄層部16bは、積層圧電素子9の変位を効率よく圧力発生室12に伝えるためのダイアフラム部である。
図4は、実施形態の液体吐出ヘッド1における噴射液流路ユニット200の上面図であって、隣接する圧力発生室12三つ分の上面図である。図5は、図4に示す噴射液流路ユニット200の断面図であって、図5(a)は図4中のA-A’断面の断面図であり、図5(b)は、図4中のB-B’断面の断面図である。図4では、振動板15の下方に圧力発生室12が形成されている範囲を破線で示している。上述した図3は、図4中のC-C’断面における断面図である。
図3乃至図5に示すように、実施形態の液体吐出ヘッド1は、液体を吐出する複数のノズル13と、複数のノズル13に個別に通じる複数の圧力発生室12と、圧力発生室12の壁面の少なくとも一部を形成する振動板15とを備える。圧力発生室12は、振動板15の側から見た平面形状が長手と短手とを有し、その短手方向(図中のY軸方向)に隣り合うように複数配置されている。振動板15における圧力発生室12の壁面を形成する振動部は、その中央を含む位置に設けられた中央厚層部である島状厚層部16aと、島状厚層部16aの周囲に設けられ島状厚層部16aよりも厚みが小さい周囲薄層部16bとを有する。また、液体吐出ヘッド1は、周囲薄層部16bの外周に位置し、圧力発生室12を形成する部材である流路板120の液室隔壁121に振動部を固定する外周部である外周厚層部18を備える。本実施形態では、外周厚層部18は振動板15の一部であるが、振動板15の振動部を液室隔壁121に固定する外周部を、振動板15と別部材としてもよい。
図3乃至図5に示すように、本実施形態の振動板15における島状厚層部16aと、島状厚層部16aを囲む周囲薄層部16bの外周に位置する外周厚層部18とを、繋げる連結部17(17a、17b)を備える。連結部17のうち短手方向連結部17aは、島状厚層部16aの長手方向の中心線(短手方向に延在する中心線)の延長線上で、島状厚層部16aと外周厚層部18とを繋げる。また、長手方向連結部17bは、島状厚層部16aの短手方向の中心線(長手方向に延在する中心線)の延長線上で、島状厚層部16aと外周厚層部18とを繋げる。
図4では、A-A’断面を示す一点鎖線が、島状厚層部16aの長手方向の中心線であり、図4中の一点鎖線「D」が短手方向の中心線である。
外周厚層部18は、流路板120における圧力発生室12の壁面を形成する液室隔壁121上に設けられている。液室隔壁121は、圧力発生室12における振動板15またはノズル板130によって形成される壁面以外の壁面、すなわち、振動板15の法線方向に延在する壁面を形成する。
液体吐出ヘッド1は、ノズルプレート(ノズル板130)、液室プレート(流路板120)、振動板15及び積層圧電素子9を接着して形成し、積層圧電素子9で圧力発生室12の圧力を変化させ、ノズル13から液滴を吐出する。従来の液体吐出ヘッドでは、駆動チャンネル数(液体吐出ヘッド1が備える積層圧電素子9と圧力発生室12との数)が増加していくと隣接干渉により吐出量や吐出速度が変化するクロストーク現象が生じることがある。この隣接干渉は、圧力発生室12を形成している振動板15や流路板120、ノズル板130などの持ち上がりや隔壁である液室隔壁121のねじれによって、隣接する他の圧力発生室12の形状が変化する現象である。
連結部17によって島状厚層部16aを液室隔壁121上の外周厚層部18と連結固定することで振動板15における圧力発生室12の壁面を形成する部分の剛性を上げることができる。これにより、隣接する圧力発生室12における振動板15の振動によって、振動すべきではない他の圧力発生室12の振動板15が振動したり、他の圧力発生室12の形状が変化したりする、隣接干渉を抑制することができる。
液体吐出ヘッド1を作成する際の、振動板15と積層圧電素子9との接合時の組付け誤差によって、振動板15の面方向(X-Y平面に平行な方向)で振動板15と積層圧電素子9との間で位置ずれが生じることがある。このような位置ずれが生じていると、加圧するように積層圧電素子9が変形した際に、振動板15に対して所望の方向(Z軸方向)に真っすぐに力が加わらず、振動板15が傾いて変形する。振動板15が、傾いて変形すると、積層圧電素子9が加圧しない状態に戻っても、振動板15における圧力発生室12の壁面を形成する部分が固有周期で揺れ続けることがある。
この振動板15の揺れは、短手方向(Y軸方向)に平行な仮想軸を中心とした長手方向の揺れ(縦振動)よりも、長手方向(X軸方向)に平行な仮想軸を中心とした短手方向の揺れ(横振動)の方が減衰しにくい。また、隣接する圧力発生室12は、長手方向よりも短手方向のほうが隣接する範囲が広いため、横振動の方が隣接する他の圧力発生室12に伝達し易く、隣接干渉の原因となる。この横振動は、島状厚層部16aのアスペクト比が大きいほど(短手方向に対して長手方向が大きいほど)、減衰しにくく、短手方向に隣接する他の圧力発生室12の振動板15に伝達し易い傾向がある。
また、横振動が生じると、振動板15が短手方向に隣接する圧力発生室12との隔壁となる液室隔壁121を引っ張り、液室隔壁121が捻じれて隣接する圧力発生室12の形状が変化し、吐出時の吐出量や吐出速度が変化する隣接干渉が生じること懸念される。
これに対して、本実施形態の液体吐出ヘッド1は、短手方向連結部17aを備え、横振動に抗する剛性を高める構成であるため、横振動が生じにくく、発生したとしても横振動の減衰が早くなる。このため、ある圧力発生室12の振動板15で生じた横振動が、隣接する他の圧力発生室12の振動板15の振動に影響することや他の圧力発生室12の形状が変化することを抑制できる。よって、ノズル13と圧力発生室12との組み合わせを多数備え、それぞれの圧力発生室12の振動板15を振動させる多チャンネル駆動時の隣接干渉によるクロストークの影響を低減することができ、適切な液体吐出を行うことができる。
また、液体としてインクを吐出する液体吐出ヘッド1を備える画像形成装置では、適切なインク吐出を行うことができるので、画像品質の向上を図ることができる。
実施形態に係る液体吐出ヘッド1は、液体を吐出するノズル13を形成するノズル板130と、ノズル13に連通する個別液室である圧力発生室12を形成する流路板120と、圧力発生室12の一面を封止する振動板15とを備える。さらに、振動板15を挟んで圧力発生室12と対向する側に設けられ、液体を吐出する圧力の発生源となる積層圧電素子9と、積層圧電素子9を固定した支持体である圧電素子ベースプレート14とを有する。また、液体吐出ヘッド1の振動板15は、島状の厚肉部である島状厚層部16aと、島状厚層部16aを囲む薄肉部である周囲薄層部16bとを備える。さらに、振動板15は、島状厚層部16aの長手方向の中心線の延長線上に位置し、周囲薄層部16bの外周部にあたる厚肉部である外周厚層部18と、島状厚層部16aとを繋げる短手方向連結部17aを備える。また、振動板15は、島状厚層部16aの短手方向の中心線の延長線上に位置し、外周厚層部18と島状厚層部16aとを繋げる長手方向連結部17bを備える。
上述した実施形態の液体吐出ヘッド1は、共通流路50から圧力発生室12に供給された液体は、ノズル13から外部に吐出され、共通流路50に戻らない構成である。本実施形態の液体吐出ヘッド1の振動板15に連結部17を設ける構成は、特開2017-087708号公報に記載された液体吐出ヘッドのように、圧力発生室に供給した液体を回収し、共通流路に戻して循環させる構成にも適用可能である。
〔変形例1〕
次に、本発明に係る液体吐出ヘッド1の一つ目の変形例(以下、「変形例1」という)について説明する。
図6は、変形例1の液体吐出ヘッド1における噴射液流路ユニット200の上面図であって、隣接する圧力発生室12三つ分の上面図である。変形例1は、連結部17の配置以外は上述した実施形態と共通するため、共通する構成については説明を省略する。
図6に示すように、変形例1の振動板15における島状厚層部16aと、島状厚層部16aを囲む周囲薄層部16bの外周部にあたる外周厚層部18とを、繋げる連結部17を備える。
変形例1の液体吐出ヘッド1の連結部17は、島状厚層部16aに外接する仮想長方形の対角線(「E」)の延長線上で、島状厚層部16aと外周厚層部18とを繋げる。変形例1における仮想長方形は、島状厚層部16aの短手方向の両端部のそれぞれに接する長手方向に平行な二本の仮想直線と、島状厚層部16aの長手方向の両端部のそれぞれに接する短手方向に平行な二本の仮想直線と、によって形成される。そして、四つの連結部17が、仮想長方形の四つの頂点から、短手方向及び長手方向の外側に広がるように延在して、外周厚層部18に接続する構成となっている。
島状厚層部16aが長手方向が長軸となる楕円形上の場合は、楕円の短軸に直交する二本の接線と、楕円の長軸に直交する二本の接線とによって形成される長方形が上述した仮想長方形となる。
連結部17によって島状厚層部16aを液室隔壁121上の外周厚層部18と連結固定することで振動板15における圧力発生室12の壁面を形成する部分の剛性を上げることができる。これにより、隣接する圧力発生室12における振動板15の振動によって、振動すべきではない他の圧力発生室12の振動板15が振動したり、他の圧力発生室12の形状が変化したりする、隣接干渉を抑制することができる。
また、連結部17が仮想長方形の四つの角から長手方向(図4中の上下方向)外側に延在することで、上述した縦振動を抑制することができる。また、連結部17が仮想長方形の四つの角から短手方向(図4中の左右方向)外側に延在することで、上述した横振動を抑制することができる。すなわち、連結部17が仮想長方形の四つの角から短手方向及び長手方向の外側に広がるように延在することで、上述した縦振動と横振動とを抑制でき、発生したとしても縦振動及び横振動の減衰が早くなる。
このため、ある圧力発生室12の振動板15で生じた振動が、隣接する他の圧力発生室12の振動板15の振動に影響したり、他の圧力発生室12の形状が変化したりする、隣接干渉を抑制することができる。よって、ノズル13と圧力発生室12との組み合わせを多数備え、それぞれの圧力発生室12の振動板15を振動させる多チャンネル駆動時の隣接干渉によるクロストークの影響を低減することができ、適切な液体吐出を行うことができる。
また、液体としてインクを吐出する液体吐出ヘッド1を備える画像形成装置では、適切なインク吐出を行うことができるので、画像品質の向上を図ることができる。
〔変形例2〕
次に、本発明に係る液体吐出ヘッド1の二つ目の変形例(以下、「変形例2」という)について説明する。
図7は、変形例2の液体吐出ヘッド1における噴射液流路ユニット200の上面図であって、隣接する圧力発生室12三つ分の上面図である。変形例2は、連結部17の配置以外は上述した実施形態と共通するため、共通する構成については説明を省略する。
図7に示すように、変形例1の液体吐出ヘッド1は、連結部17として、短手方向連結部17aを備える。この短手方向連結部17aを備える点は上述した実施形態の液体吐出ヘッド1と共通であり、図4に示す長手方向連結部17bを備えない点で実施形態の液体吐出ヘッド1と相違する。
図7に示すように、変形例2の振動板15における島状厚層部16aと、島状厚層部16aを囲む周囲薄層部16bの外周部にあたる外周厚層部18とを、繋げる短手方向連結部17aを備える。短手方向連結部17aは、島状厚層部16aの長手方向の中心線(短手方向に延在する中心線、図7中の一点鎖線「F」)の延長線上で、島状厚層部16aと外周厚層部18とを繋げる。
変形例2の液体吐出ヘッド1は、短手方向連結部17aを備え、横振動に抗する剛性を高める構成であるため、横振動が生じにくく、発生したとしても横振動の減衰が早くなる。このため、ある圧力発生室12の振動板15で生じた横振動によって、隣接する他の圧力発生室12の振動板15の振動に影響したり、他の圧力発生室12の形状が変化したりする、隣接干渉を抑制することができる。よって、ノズル13と圧力発生室12との組み合わせを多数備え、それぞれの圧力発生室12の振動板15を振動させる多チャンネル駆動時の隣接干渉によるクロストークの影響を低減することができ、適切な液体吐出を行うことができる。
また、液体としてインクを吐出する液体吐出ヘッド1を備える画像形成装置では、適切なインク吐出を行うことができるので、画像品質の向上を図ることができる。
連結部17の配置としては、図6に示す連結部17の配置と、図4や図7に示す連結部17の配置とを組み合わせてもよい。
次に、上述した実施形態及び各変形例で説明した液体吐出ヘッド1を適用可能な液体を吐出する装置の一例であるインクジェット記録装置(以下、「プリンタ100」と呼ぶ)について説明する。
図8は、プリンタ100の概略構成を示す側面図である。図9は、プリンタ100の平面図である。
プリンタ100は、シリアル型のインクジェット記録装置である。プリンタ100は、左右の側板421(421A,421B)に横架した主ガイドロッド431及び従ガイドロッド432によってキャリッジ433を主走査方向(図2中の矢印「α」方向)に往復移動可能に保持している。キャリッジ433は、主走査移動モータやタイミングベルト等を用いた公知の駆動機構によって、主走査方向に移動する。
このキャリッジ433には、液体吐出部材としての液体吐出ヘッド1とヘッドタンク435とを保持する二つの液体吐出ユニット430(430A,430B)を搭載している。液体吐出ヘッド1は、複数のノズル(吐出孔)からなるノズル列のノズル配列方向を、主走査方向と直交する副走査方向(液体吐出ヘッド長手方向)にし、液体吐出方向を下方に向けて装着されている。
二つの液体吐出ユニット430(430A,430B)のそれぞれが備える液体吐出ヘッド1は、ノズル列を四列ずつ有し、二列のノズル列が一色のインク滴を吐出し、一つの液体吐出ヘッド1で二色のインク滴を吐出する構成である。二つの液体吐出ユニット430のうちの第一液体吐出ユニット430Aの液体吐出ヘッド1は、二列のノズル列の各ノズルでブラック(K)のインク滴を吐出し、他の二列のノズル列の各ノズルでシアン(C)のインク滴を吐出する。また、二つの液体吐出ユニット430のうちの第二液体吐出ユニット430Bの液体吐出ヘッド1は、二列のノズル列の各ノズルでマゼンタ(M)のインク滴を吐出し、他の二列のノズル列の各ノズルでイエロー(Y)のインク滴を吐出する。
プリンタ100は、二つの液体吐出ヘッド1を使用して四色のインク滴を吐出するものである。一つの液体吐出ヘッド1の四つのノズル列のそれぞれに対応した共通流路50、供給口6及び排出口60を配置して、一個の液体吐出ヘッド1から四色のインクを吐出させる構成としてもよい。
図9に示すように、プリンタ100は供給循環機構404が搭載されている。この供給循環機構404内に配設された供給タンクや循環タンクと、キャリッジ433上の液体吐出ヘッド1及びヘッドタンク435とは、チューブ束436を介してインクを流通させることが可能になっている。
供給循環機構404の供給タンク内のインクは、チューブ束436の供給管を通過して、ヘッドタンク435に供給され、ヘッドタンク435から液体吐出ヘッド1の供給口6を介して共通流路50に供給される。共通流路50から個別液流路51に供給されずに共通流路50を通過したインクは排出口60からチューブ束436の回収管を通過して、循環タンクに供給され、循環タンクから供給タンクに戻り、再度、ヘッドタンク435へと供給される。
プリンタ100は、給紙トレイ402のシート積載部441上に積載した記録媒体としての記録シートPを給紙するための給紙部を備えている。この給紙部は、シート積載部441から記録シートPを一枚ずつ分離給送する給紙コロ443及び給紙コロ443に対向する分離パッド444などからなる。
また、実施形態に係る画像形成装置は、給送された記録シートPを搬送及び案内するガイド445、カウンタローラ446、搬送ガイド447、先端加圧コロ449を有する押さえ部材448も備えている。さらに、搬送された記録シートPを吸着して液体吐出ユニット430の液体吐出ヘッド1に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト451も備えている。
搬送ベルト451は、無端状ベルトであり、搬送ローラ452とテンションローラ453との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成されている。この搬送ベルト451には、帯電手段である帯電ローラ456で帯電される静電搬送ベルトを使用している。ただし、搬送ベルト451としては、エアー吸引で吸着する搬送ベルトでもよい。また、搬送手段としては、搬送ベルトを使用しないで、ローラによって搬送するものでもよい。
搬送ベルト451を掛け回したテンションローラ453の下流側には、搬送ベルト451から記録シートPを分離するための分離爪461と、排紙ローラ462及び排紙コロ463とを備え、排紙ローラ462の下方に排紙トレイ403を備えている。また、プリンタ100の背面部には両面ユニット471が着脱自在に装着されている。この両面ユニット471は搬送ベルト451の逆方向回転で戻される記録シートPを取り込んで反転させて、再度、カウンタローラ446と搬送ベルト451との間に給紙する。また、この両面ユニット471の上面は手差しトレイ472としている。さらに、キャリッジ433の走査方向一方側の非印字領域には、液体吐出ユニット430(430A,430B)における液体吐出ヘッド1のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構481を配置している。
この維持回復機構481は、液体吐出ヘッド1のノズル面をキャッピングするための各キャップ482(482a,482b)を備えている。また、維持回復機構481は、ノズル面をワイピングするためのブレード部材483を備えている。また、維持回復機構481は、増粘したインクを排出するために画像形成に寄与しないインクを吐出させる空吐出を行うときのインクを受ける第一空吐出受部484などを備えている。また、キャリッジ433の走査方向他方側の非印字領域には、画像形成中などに空吐出を行うときのインクを受ける第二空吐出受部488を配置している。この第二空吐出受部488には液体吐出ヘッド1のノズル配列方向に沿った開口部489などを備えている。
プリンタ100においては、給紙トレイ402から記録シートPが一枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された記録シートPはガイド445で案内され、搬送ベルト451とカウンタローラ446との間に挟まれて搬送される。更に、記録シートPは、先端を搬送ガイド447で案内されて先端加圧コロ449で搬送ベルト451に押し付けられ、略90[°]搬送方向を転換される。そして、帯電した搬送ベルト451上に記録シートPが給送されると、記録シートPが搬送ベルト451に吸着され、搬送ベルト451の無端移動によって記録シートPが副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ433を移動させながら画像信号に応じて液体吐出ユニット430(430A,430B)の液体吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している記録シートPにインクを吐出して一行分の画像を記録する。そして、記録シートPを所定量搬送後、次の行の画像形成を行う。記録終了信号または記録シートPの後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、記録シートPを排紙トレイ403に排紙する。
プリンタ100の液体吐出ヘッド1として、上述した実施形態や各変形例の液体吐出ヘッド1を用いることで、適切なインク吐出を行うことができ、高画質画像を安定して形成することができる。
図8及び図9を用いて説明したプリンタ100が備える液体吐出ユニット430は、液体吐出ヘッド1とヘッドタンクとを一体にしたものである。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッド1を適用可能な液体吐出ユニット430の他の例について説明する。
図10は、液体吐出ユニット430の一つ目の他の例についての説明図である。
図10中の矢印「α」は主走査方向を示す。
この液体吐出ユニット430は、液体を吐出する装置を構成している部材のうち、左側板491A、右側板491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ433と、液体吐出ヘッド1で構成されている。主走査移動機構493は、主走査モータ405、タイミングベルト408、駆動プーリ406及び従動プーリ407を備える。
図10に示す液体吐出ユニット430は、例えば右側板491Bに、前述した維持回復機構481、及び供給循環機構404等の液体供給機構の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、液体吐出ユニット430の二つ目の他の例について説明する。
図11は、液体吐出ユニット430の二つ目の他の例についての説明図である。
図11に示す液体吐出ユニット430は、流路部品544が取付けられた液体吐出ヘッド1と、流路部品544に接続されたチューブ556で構成されている。
流路部品544はユニットカバー442の内部に配置されている。流路部品544に代えてヘッドタンク435を含むこともできる。また、流路部品544の上部には液体吐出ヘッド1と電気的接続を行うコネクタ543が設けられている。
本明細書において、「液体吐出ヘッド」とは、吐出孔(ノズル)から液体を吐出・噴射する機能部品である。
本明細書において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドまたは液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排出に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」としては、インクを吐出させて用紙等の記録媒体に画像を形成する装置である画像形成装置(プリンタ等)がある。また、「液体を吐出する装置」としては、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)(3Dプリンタ等)がある。
「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
前記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、OHPシート、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
前記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、壁紙や床材などの建材、衣料用のテキスタイル等、液体が一時的でも付着可能であればよい。
「液体が付着可能なもの」の形状しては、記録シートPのようなシート状に限らず、液体が付着するものであればどのような形状でもよい。
また、吐出される「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30[mPa・s]以下となるものであることが好ましい。具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA試料、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどである。また、結着剤や造形液を含む溶液及び分散液なども含まれる。これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、三次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子や薄膜型圧電素子)を使用したものである。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置も含む。さらに、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて、原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置も含む。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、供給循環機構、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構等の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとしては、図8及び図9で示したプリンタ100が備える液体吐出ユニット430のように、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものでもよい。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクとが一体化されているものでもよい。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとしては、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものでもよい。
また、液体吐出ユニットとしては、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものでもよい。また、図10に示すように、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものでもよい。
また、液体吐出ユニットとしては、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものでもよい。
また、液体吐出ユニットとしては、図11に示すように、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドに、チューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構とが一体化されているものでもよい。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものとする。
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
インク等の液体を吐出する複数のノズル13等の吐出孔と、複数の吐出孔に個別に通じる複数の圧力発生室12等の個別液室と、島状厚層部16a等の中央厚層部及び周囲薄層部16b等の周囲薄層部を有し個別液室の壁面の少なくとも一部(上面等)を形成する振動板15等の振動板とを備える液体吐出ヘッド1等の液体吐出ヘッドにおいて、周囲薄層部の外周に位置する外周厚層部18等の外周部と、中央厚層部とを個別液室の短手方向で繋げる短手方向連結部17a等の短手方向連結部を設けたことを特徴とするものである。
中央厚層部を有する振動板は、圧電素子等の加圧手段による加圧位置と中央厚層部の中央との位置ずれ等により、個別液室内を加圧する力を付与された際に、振動板の法線方向に対して斜めに力が作用することがある。これにより、個別液室に対して振動板がねじれるように変形して振動することがある。
特許文献1のように、外周部と中央厚層部とを、個別液室の長手方向で繋げる構成では、個別液室の短手方向に平行な仮想軸を中心に中央厚層部が個別液室の長手方向に揺れる長手方向の振動を抑制できる。しかし、長手方向のみで繋げる構成では、個別液室の長手方向に平行な仮想軸を中心に中央厚層部が個別液室の短手方向に揺れる振動を抑制することが困難である。このように中央厚層部が個別液室の短手方向に揺れると、振動板が短手方向に隣接する個別液室との隔壁を引っ張り、隔壁が捻じれて隣接する個別液室の形状が変化し、吐出時の吐出量や吐出速度が変化する隣接干渉が生じること懸念される。
態様1では、中央厚層部と外周部とを短手方向連結部で繋げることによって、中央厚層部が個別液室の短手方向に揺れる振動板の振動を抑制することができる。これにより、ある個別液室の振動板で生じた個別液室の短手方向に中央厚層部が揺れる振動に起因する、隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することが可能となる。
上述した実施形態及び変形例2では、外周部及び短手方向連結部は、振動板の一部である。外周部については、振動板15の一部である外周厚層部18が、振動板15における圧力発生室12の壁面を形成する部分である振動部を、圧力発生室12を形成する部材である流路板120の液室隔壁121に固定する外周部である。また、短手方向連結部については、振動板15の一部である短手方向連結部17aが、振動板補強層15aを残して振動板15における周囲薄層部16bよりも厚みを大きくした部分であり、振動板補強層15aによって外周厚層部18と島状厚層部16aとを短手方向で繋ぐ部分である。
外周部及び短手方向連結部としては、上述した実施形態及び変形例2のように振動板が外周部及び短手方向連結部を有するものに限らず、外周部または短手方向連結部の少なくとも一方を振動板とは別部材としてもよい。
(態様2)
態様1において、短手方向連結部は、個別液室の長手方向における中央厚層部の中心線の延長線上に配置されていることを特徴とするものである。
これによれば、振動板が短手方向に傾いて変形することを抑制し易くなり、中央厚層部が短手方向に揺れる振動板の振動を抑制することができ、隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することが可能となる。
(態様3)
態様1または2において、外周部と中央厚層部とを、長手方向で繋げる長手方向連結部17b等の長手方向連結部を備えることを特徴とするものである。
これによれば、振動板が長手方向に傾いて変形することも抑制でき、中央厚層部が長手方向に揺れる振動板の振動を抑制することができ、この振動に起因する隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することが可能となる。
長手方向連結部としては、上述した実施形態のように振動板が長手方向連結部を有するものに限らず、長手方向連結部を振動板とは別部材としてもよい。
(態様4)
態様1乃至3の何れかの態様において、外周部と中央厚層部とを繋げる連結部17等の連結部を、中央厚層部に外接する仮想長方形の対角線の延長線上に備えることを特徴とするものである。
これによれば、振動板が短手方向及び長手方向に傾いて変形することを抑制でき、中央厚層部が短手方向や長手方向に揺れる振動板の振動を抑制することができ、この振動に起因する隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することが可能となる。
連結部としては、上述した変形例1のように振動板が連結部を有するものに限らず、連結部を振動板とは別部材としてもよい。
(態様5)
インク等の液体を吐出する複数のノズル13等の吐出孔と、複数の吐出孔に個別に通じる複数の圧力発生室12等の個別液室と、島状厚層部16a等の中央厚層部及び周囲薄層部16b等の周囲薄層部を有し個別液室の壁面の少なくとも一部を形成する振動板15等の振動板とを備える液体吐出ヘッド1等の液体吐出ヘッドにおいて、周囲薄層部の外周に位置する外周厚層部18等の外周部と、中央厚層部とを繋げる連結部17等の連結部を、中央厚層部に外接する仮想長方形の対角線の延長線上に設けたことを特徴とするものである。
これによれば、振動板が短手方向及び長手方向に傾いて変形することを抑制でき、中央厚層部が短手方向や長手方向に揺れる振動板の振動を抑制することができる。中央厚層部が短手方向に揺れる振動板の振動を抑制することで、ある個別液室の振動板で生じた中央厚層部が短手方向に揺れる振動に起因する、隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することが可能となる。また、中央厚層部が長手方向に揺れる振動板の振動も抑制することで、ある個別液室の振動板で生じた中央厚層部が長手方向に揺れる振動に起因する、隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することが可能となる。
外周部及び連結部としては、上述した変形例1のように振動板が外周部及び連結部を有するものに限らず、外周部または短手方向連結部の少なくとも一方を振動板とは別部材としてもよい。
(態様6)
態様1乃至5の何れかの態様において、振動板を挟んで個別液室と対向する側に配置され、振動板に振動を付与する積層圧電素子9等の圧電素子と、圧電素子が固定された圧電素子ベースプレート14等の圧電素子支持体とを備えることを特徴とするものである。
これによれば、圧電素子によって振動板を変形し、吐出孔から液体を吐出する構成を実現できる。
(態様7)
ノズル13等の吐出孔からインク等の液体を吐出する液体吐出手段と、少なくとも一つの外部部品(ヘッドタンク435等)とを一体化した液体吐出ユニット430等の液体吐出ユニットにおいて、液体吐出手段として、態様1乃至6の何れかの態様に係る液体吐出ヘッド1等の液体吐出ヘッド1を備えることを特徴とするものである。
これによれば、液体吐出ヘッドでの隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することが可能な液体吐出ユニットを実現できる。
(態様8)
ノズル13等の吐出孔からインク等の液体を吐出する液体吐出手段を備えるプリンタ100等の液体を吐出する装置において、液体吐出手段として、態様1乃至6の何れかの態様に係る液体吐出ヘッド1等の液体吐出ヘッド1を備えることを特徴とするものである。
これによれば、液体吐出ヘッドでの隣接干渉の発生を抑制でき、液体を適切に吐出することができるため、液体によって高画質画像を安定して形成することが可能となる。
1 液体吐出ヘッド
2 カバー
3 フレキシブルプリント配線基板
4 放熱板
5 ハウジング
6 供給口
8 駆動IC
9 積層圧電素子
10 サーミスタ
11 ヒーター
12 圧力発生室
13 ノズル
14 圧電素子ベースプレート
15 振動板
15a 振動板補強層
15b 振動板基体層
16a 島状厚層部
16b 周囲薄層部
17 連結部
17a 短手方向連結部
17b 長手方向連結部
18 外周厚層部
50 共通流路
51 個別液流路
52 抵抗流路
60 排出口
100 プリンタ
120 流路板
121 液室隔壁
130 ノズル板
160 供給開口部
200 噴射液流路ユニット
402 給紙トレイ
403 排紙トレイ
404 供給循環機構
405 主走査モータ
406 駆動プーリ
407 従動プーリ
408 タイミングベルト
421 側板
430 液体吐出ユニット
430A 第一液体吐出ユニット
430B 第二液体吐出ユニット
431 主ガイドロッド
432 従ガイドロッド
433 キャリッジ
435 ヘッドタンク
436 チューブ束
441 シート積載部
442 ユニットカバー
443 給紙コロ
444 分離パッド
445 ガイド
446 カウンタローラ
447 搬送ガイド
448 押さえ部材
449 先端加圧コロ
451 搬送ベルト
452 搬送ローラ
453 テンションローラ
456 帯電ローラ
461 分離爪
462 排紙ローラ
463 排紙コロ
471 両面ユニット
472 トレイ
481 維持回復機構
482 各キャップ
483 ブレード部材
484 第一空吐出受部
488 第二空吐出受部
489 開口部
491A 左側板
491B 右側板
491C 背板
493 主走査移動機構
543 コネクタ
544 流路部品
556 チューブ
P 記録シート
特開2003-19793号公報

Claims (8)

  1. 液体を吐出する複数の吐出孔と、
    複数の前記吐出孔に個別に通じる複数の個別液室と、
    中央厚層部及び周囲薄層部を有し前記個別液室の壁面の少なくとも一部を形成する振動板とを備える液体吐出ヘッドにおいて、
    前記周囲薄層部の外周に位置する外周部と、前記中央厚層部とを前記個別液室の短手方向で繋げる短手方向連結部を設けており、
    前記外周部、前記中央厚層部および前記短手方向連結部の厚さを、互いに同じにしたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記短手方向連結部は、前記個別液室の長手方向における前記中央厚層部の中心線の延長線上に配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1または2の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記外周部と前記中央厚層部とを、前記個別液室の長手方向で繋げる長手方向連結部を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記外周部と前記中央厚層部とを繋げる連結部を、前記中央厚層部に外接する仮想長方形の対角線の延長線上に設けたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 液体を吐出する複数の吐出孔と、
    複数の前記吐出孔に個別に通じる複数の個別液室と、
    中央厚層部及び周囲薄層部を有し前記個別液室の壁面の少なくとも一部を形成する振動板とを備える液体吐出ヘッドにおいて、
    前記周囲薄層部の外周に位置する外周部と、前記中央厚層部とを繋げる連結部を、前記中央厚層部に外接する仮想長方形の対角線の延長線上に設けており、
    前記外周部、前記中央厚層部および前記連結部の厚さを、互いに同じにしたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記振動板を挟んで前記個別液室と対向する側に配置され、前記振動板に振動を付与する圧電素子と、
    前記圧電素子が固定された圧電素子支持体とを備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 吐出孔から液体を吐出する液体吐出手段と、少なくとも一つの外部部品とを一体化した液体吐出ユニットにおいて、
    前記液体吐出手段として、請求項1乃至6の何れか一項に記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体吐出ユニット。
  8. 吐出孔から液体を吐出する液体吐出手段を備える液体を吐出する装置において、
    前記液体吐出手段として、請求項1乃至6の何れか一項に記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体を吐出する装置。
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