JP7148816B2 - 発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子の製造方法に関する。
半導体発光素子は、小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をする。また、半導体発光素子は、初期駆動特性が優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。このような優れた特性を有するため、発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下「LED」ともいう。)、レーザダイオード等の半導体発光素子は、各種の光源として利用され、更なる発光出力の向上及び発光効率の改善が求められている。
このような半導体発光素子は、サファイア基板などの上に半導体層をエピタキシャル成長させた後、分割することで得ることができる。半導体層が積層されたサファイア基板を分割する方法として、例えば特許文献1には、サファイア基板の裏面側からレーザ光を照射することでサファイア基板の内部に改質領域を形成し、その改質領域から亀裂を生じさせて、割断を行う方法が提案されている。また、サファイア基板を厚膜化すると、サファイア基板の内部に改質領域を1本設けるだけでは、割断が不十分となることがある。そこで、レーザ照射をさらに行って、改質領域をサファイア基板の厚み方向に2本又は3本以上設けて割断する方法が提案されている。
しかしながら、このような改質領域をサファイア基板の厚み方向に複数本設けると、レーザ光が集光される箇所が半導体層に近づき、レーザ光により半導体層を劣化させるおそれがある。かといって、改質領域を基板の厚み方向に1本設けるだけでは、上述の通り割断が不十分となってしまう。このように、サファイア基板の割断性と半導体層の劣化の抑制とは相反する関係にあり、これらを両立させることは困難である。
特開2006-245062号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解消するためになされたものである。本発明の目的は、基板の割断のし易さを向上させた発光素子の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法によれば、半導体構造を形成した基板の内部にレーザ光を集光させて複数の改質部を形成し、その後、前記基板を割断する発光素子の製造方法であって、予め設定された割断予定線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記割断予定線上に位置する複数の第一改質部と前記第一改質部から生じる亀裂とを形成させる第一照射を行う工程と、前記第一照射の後、上面視において前記割断予定線に平行であり前記基板の平面方向に所定量ずらした第一仮想線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記第一仮想線上に位置する複数の第二改質部を形成する第二照射を行う工程と、複数の前記第一改質部を起点として前記基板を割断することで前記第一改質部から生じる前記亀裂の伸展を促進させる工程とを含むことができる。
本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法により、割断予定線と異なる第一仮想線に沿って第二改質部を形成することで、第一改質部からの亀裂の伸展を促進させることができ、基板の割断を容易に行えるようにできる。
実施形態1に係る製造方法により得られる発光素子を示す概略断面図である。 基板を発光素子に割断する様子を示す模式断面図である。 基板に対するレーザ光の走査方向を示す模式平面図である。 複数の割断予定線に沿って改質部を形成した状態を示す模式断面図である。 図5Aは比較例に係る方法で基板の同一箇所に複数回レーザ光を照射する様子を示す模式的平面図、図5Bは実施形態1に係る方法で走査毎に走査位置をずらして照射する様子を示す模式平面図である。 図6Aは図5Aの基板の模式断面図、図6Bは図5Bの基板の模式断面図である。 図7Aは実施形態2に係る方法で基板上に照射されるレーザ光の照射パターンを示す模式平面図、図7Bは図7Aの基板の断面図である。 図8Aは実施形態3に係る方法で基板上に照射されるレーザ光の照射パターンを示す模式平面図、図8Bは図8Aの基板の模式断面図である。 実施例1、2、及び比較例1、2に係る方法でレーザ光を走査して亀裂の長さを測定した結果を示すグラフである。 実施例3~7、比較例3に係る方法でレーザ光のオフセット量を変化させた場合の亀裂長さを示すグラフである。 図11Aは比較例3に係る方法でレーザ光を照射した基板の改質領域を示す平面写真、図11Bは実施例4に係る方法でレーザ光を照射した基板の改質領域を示す平面写真、図11Cは実施例6に係る方法でレーザ光を照射した基板の改質領域を示す平面写真、図11Dは図11Aの基板断面を示す写真、図11Eは図11Bの基板断面を示す写真、図11Fは図11Cの基板断面を示す写真である。 オリエンテーションフラット面を水平面と一致させた基板の模式平面図である。 割断予定線に対して形成した複数の改質部と、割断予定線から+方向、-方向にオフセットさせて形成した複数の改質部とを示す模式平面図である。 図14Aは第一仮想線を割断予定線に対して左側に設定した例を示す模式斜視図、図14Bは第一仮想線を割断予定線に対して右側に設定した例を示す模式斜視図である。 図15Aは第一仮想線を割断予定線から+5μmずらした例の基板の表面を示す顕微鏡写真、図15Bは第一仮想線を割断予定線から-5μmずらした例の基板の表面を示す顕微鏡写真である。 図16Aは2パス目を1パス目から+方向にオフセットさせた例を示す模式斜視図、図16Bは2パス目を1パス目から-方向にオフセットさせた例を示す模式斜視図である。 図17Aは2パス目を1パス目から+方向に5μmオフセットさせた例を示す顕微鏡写真、図17Bは2パス目を1パス目から+方向に5μmオフセットさせた例を示す顕微鏡写真、図17Cは2パス目を1パス目から-方向に5μmオフセットさせた例を示す顕微鏡写真、図17Dは2パス目を1パス目から-方向に5μmオフセットさせた例を示す顕微鏡写真である。 図18Aは図16Aにおける基板の模式断面図、図18Bは図16Bにおける基板の模式断面図である。 オリエンテーションフラット面を水平面から45°傾斜させた基板の模式平面図である。 図20Aは基板上を左右方向に沿って左から右にレーザ光を走査してパルス状に照射した場合の加工痕の形状を示す模式拡大平面図、図20Bは図20Aの走査を行った基板の顕微鏡写真、図20Cは基板上を左右方向に沿って右から左にレーザ光を走査してパルス状に照射した場合の加工痕の形状を示す模式拡大平面図、図20Dは図20Cの走査を行った基板の顕微鏡写真である。 図21Aは左右方向においてレーザ光を走査させた後、上側にオフセットさせてレーザ光を走査させた場合に得られる亀裂の伸展を示す模式拡大平面図、図21Bは左右方向においてレーザ光を走査させた後、下側にオフセットさせてレーザ光を走査させた場合に得られる亀裂の伸展を示す模式拡大平面図である。 図5Bの基板を個片化して得られた発光素子を示す模式平面図である。 レーザ光の照射位置を示す他の例を示す模式平面図である。 図23の基板を個片化して得られた発光素子を示す模式平面図である。 個片化された発光素子の拡大写真である。
以下、図面に基づいて実施形態を詳細に説明する。ただ、以下に示す実施形態乃至実施例は、本発明の技術思想を具体化するための、発光素子の製造方法を例示するものであって、本発明は以下のものに限定されない。特に実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、本明細書において、層上等でいう「上」とは、必ずしも上面に接触して形成される場合に限られず、離間して上方に形成される場合も含んでおり、層と層の間に介在層が存在する場合も包含する意味で使用する。さらにまた、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。また以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。なお、本明細書において「備える」とは、別部材として備えるもの、一体の部材として構成するものの何れをも含む意味で使用する。
(発光素子10)
まず、本発明の実施形態1に係る製造方法により得られる発光素子10を図1の概略断面図に示す。図1に示す発光素子10は、窒化物半導体素子の一例であるフェイスアップ型のLEDである。以下、発光素子10の詳細について説明する。
図1の発光素子10では、対向する一対の主面を有する基板50の一方の主面である第一主面51上に、複数の窒化物半導体層が積層された半導体構造11が形成されている。具体的に、発光素子10は、基板50の第一主面51上に、n型半導体層6と、活性領域8と、p型半導体層7とを第一主面51側から順に備える半導体構造11が形成されている。n型半導体層6上には、n型半導体層6と電気的に接続されるn側パッド電極3Aが形成されている。またp型半導体層7の上には、透光性導電層13が形成されている。透光性導電層13上には、p型半導体層7と透光性導電層13を介して電気的に接続されるp側パッド電極3Bが形成されている。さらに、絶縁性の保護膜14により、半導体構造11の表面と、n側パッド電極3A及びp側パッド電極3Bの表面とは被覆される。n側パッド電極3A及びp側パッド電極3Bの表面の一部は、保護膜14から露出している。発光素子10は、n側パッド電極3A及びp側パッド電極3Bを介して、外部より電力が供給されると、活性領域8から光を放出し、図1における電極形成面側から、主に光が取り出される。すなわち図1の発光素子10では、n側パッド電極3A、p側パッド電極3Bが設けられている面側が主な光取り出し面18である。以下に発光素子10の各構成要素に関して、具体的に説明する。
(基板50)
基板50は、半導体構造11をエピタキシャル成長させることができる基板であれば、大きさや厚さ等は特に限定されない。半導体構造11として窒化物半導体をエピタキシャル成長させる場合、基板50としては、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイアからなる絶縁性基板を用いることができる。
(半導体構造11)
半導体構造11としては、一般式がInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)である窒化物半導体を用いることができる。半導体構造11は、発光層である活性領域8を有し、この活性領域8は単一又は多重量子井戸構造とすることができる。活性領域8から放出される光のピーク波長は、360nm以上650nm以下の範囲、好ましくは380nm以上560nm以下の範囲とすることができる。n型半導体層6は、n型不純物としてSi、Geなどを含有していてもよい。また、p型半導体層7は、p型不純物としてMg、Znなどを含有していてもよい。不純物が含有された窒化物半導体層の不純物の濃度は、5×1016/cm3以上5×1021/cm3以下であることが好ましい。
(透光性導電層13)
透光性導電層13は、図1に示すように、p型半導体層7上に形成される。p型半導体層7上に透光性導電層13を形成することにより、電流をp型半導体層7の比較的広い範囲に広げることができる。
透光性導電層13は、例えばZn、In、Snよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物とすることができる。具体的には、ITO、ZnO、In23、SnO2等、Zn、In、Snの酸化物を含む透光性導電層13を形成することが望ましく、好ましくはITOを使用する。これにより、活性領域8からの光を透光させつつ当接する半導体構造に電流を拡散するのに良好なオーミック接触を得られる。
(電極3)
n側パッド電極3A及びp側パッド電極3Bは、それぞれn型半導体層6、p型半導体層7と電気的に接続されている。n側パッド電極3A及びp側パッド電極3Bは、例えば、AuまたはAuを主成分とする合金とすることができる。
(保護膜14)
保護膜14は、n型半導体層6の上面及びp型半導体層7の上面を少なくとも被覆している。この保護膜14は、n型半導体層6の上面にn側開口部と、p型半導体層7の上面にp側開口部と、を有している。また保護膜14は、n型半導体層6とp型半導体層7の側面も被覆している。特に、n型半導体層6の側面、活性領域8の側面及びp型半導体層7の側面を連続的に被覆することで、リーク電流の発生を阻止している。保護膜14の膜厚は、各半導体層を保護できれば良く、例えば10nm以上1000nm以下が好ましく、100nm以上300nm以下がより好ましい。
(発光素子の製造方法)
発光素子の製造方法では、まず、サファイアからなり、第一主面51及び第二主面52を有する基板50を準備する。基板50は、平面視形状が略円形状であり、周縁の一部にオリエンテーションフラット面OFを有している。オリエンテーションフラット面OFは、A面又はC面であることが好ましい。なかでも、基板50として、C面(0001)を第一主面51とし、オリエンテーションフラット面OFをA面(11-20)とするサファイア基板を用いることが好ましい。基板50の厚さは、例えば100μm以上800μm以下とすることが好ましく、100μm以上300μm以下とすることがさらに好ましい。
本発明は、上述の通り割断が困難なサファイア基板に対して好適に利用できる。以下の例では、基板50としてサファイア基板を用いた例について説明する。
(半導体層形成工程)
基板50の第一主面51に半導体構造11を形成する。半導体構造11は、複数の半導体層を含む。半導体層の成長方法としては、特に限定されない。例えば、MOVPE(有機金属気相成長法)、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)など、半導体の成長方法として知られている全ての方法を好適に用いることができる。特に、MOCVDを用いることで半導体層を結晶性良く成長させることができるので好ましい。
(割断工程)
基板50の第一主面51上に半導体構造11を成長させた後、例えば基板50を100μm以上300μm以下程度になるように研磨する。その後、基板50の内部にレーザ光を集光し部分的に脆化させることにより基板50の一部を改質させる。断面視におけるレーザ光の走査パターンを図2の模式断面図に示す。図2に示すように、基板50の第二主面52側から、基板50の内側にレーザ光LBを照射する。レーザ光LBを照射することで、照射された領域が改質し改質部20が形成される。そして、この改質部20を起点に基板50の第一主面51側や第二主面52側に向かって亀裂CRが生じる。レーザ光LBを基板50の面内で走査させ複数の改質部20を形成することで、複数の改質部20がライン状に形成された改質ライン26が形成される。基板50に応力を加えることで、改質部20及び亀裂CRを起点として基板50が割断される。
レーザ光を基板50の内部に集光させながら、個片化時に割断を予定している図3に示す複数の割断予定線PCに沿って走査させる。上面視において、レーザ光LBの走査は、図3に示すように、オリエンテーションフラット面OFに対して略垂直な方向である1次方向と、オリエンテーションフラット面OFに対して略平行な方向である2次方向と、にそれぞれ行う。例えば、レーザ光を1次方向に沿って走査した後、2次方向に沿って走査する。複数の割断予定線PCに沿ってレーザ光を走査することで、図4に示す模式断面図のように、複数の割断予定線PCに沿った改質部20が形成される。そして、割断予定線PCに沿って基板50を割断して複数の発光素子に個片化する。
しかしながら、基板50を厚膜化すると、上記の方法では亀裂CRの伸展が不十分となり基板50の割断が困難となることがある。そこで亀裂CRの伸展を更に促進するため、レーザ光LBの出力を上げることも考えられるが、レーザ光LBの出力を上げすぎると、基板50上に形成した半導体層が、レーザ光LBによる熱などにより劣化することが懸念される。
[実施形態1]
そこで本発明者らは鋭意研究の結果、レーザ光LBの照射位置を工夫することで、亀裂CRの伸展を促進させることを見出し、本発明を成すに至った。具体的には、図5Aに示すように、割断予定線PCに沿ってレーザ光を照射させ第一改質部21を形成するだけでなく、図5Bに示すように、割断予定線PCから所定量ずらした第一仮想線VL1に沿ってレーザ光を照射させ基板50の内部に第二改質部22を形成する。ここで、断面視におけるレーザ光の照射位置を図6A、図6Bの断面図に示す。図6Aは図5Aに対応する比較例の照射パターン、図6Bは図5Bに対応する実施形態1に係る照射パターンを、それぞれ示している。実施形態1に係るレーザ光の照射では、図6Bに示すように、割断予定線PCと第一仮想線VL1とにおいて基板50の厚み方向においてはほぼ同じ位置にレーザ光を照射しつつ、図5Bに示すように、割断予定線PCと第一仮想線VL1とにレーザ光を照射させる。このようにすることで、割断予定線PCに沿って形成された第一改質部21からの亀裂CRの伸展を促進させ、基板50を効率良く割断することができる。
通常、改質部20の形成時に生じるひずみが解放されることで、その改質部20から亀裂が生じる。しかしながら、改質部20が形成され亀裂がすでに生じている領域の近傍に新たに改質部20を形成した場合、ひずみが解放される際に生じる力は、新たな亀裂の発生にはほとんど寄与せず、すでに生じている亀裂に対して主に働くと推測される。つまり、実施形態1においては、第二改質部22を形成するときに生じたひずみが解放するときの力が、すでに形成された第一改質部21からの亀裂CRに対して働くことで亀裂CRの伸展が促進されると推測される。
図6Aに示す比較例に係る改質領域の幅W1に比べて、レーザ光の照射を割断予定線PCからずらした位置に第二改質部22が形成されることで、実施形態1では図6Bに示すように、最終的に形成される改質領域の幅W2が大きくなる。
このような基板50の割断の工程を説明する。まず割断予定線PCに沿ってレーザ光LBを走査する第一照射を行い、基板50の内部に割断予定線PC上に位置する複数の第一改質部21と、第一改質部21から生じる亀裂とを形成させる。そして第一照射に続いて、基板50の上面視において割断予定線PCに平行であり、基板50の平面方向に所定量ずらした第一仮想線VL1に沿ってレーザ光を走査する第二照射を行う。これによって基板50の内部に、第一仮想線VL1上に位置する複数の第二改質部22を形成し、第一改質部21から生じた亀裂の伸展を促進させる。その上で、複数の第一改質部21を起点として基板50を割断する。
ここで、第二照射におけるレーザ光の出力は、第一照射におけるレーザ光の出力以上とすることが好ましい。これにより、第二改質部22の形成時に生じるひずみの解放による力をより大きくし、第一改質部21からの亀裂の伸展を促進させやすくできる。
第一仮想線VL1は、割断予定線PCから基板の平面方向に3μm以上7μm以下ずらした位置とすることが好ましい。第一仮想線VL1を割断予定線PCから基板の平面方向にずらす量を3μm以上とすることにより、第一改質部21からの亀裂の伸展を効率よく促進させることができる。第一仮想線VL1を割断予定線PCから基板の平面方向にずらす量を7μm以下とすることにより、第一改質部21からの亀裂CRの伸展を促進させながら、第二改質部22からの亀裂の発生を抑制することができる。
第二照射におけるレーザ光の集光位置は、基板の厚み方向において、第一照射におけるレーザ光の集光位置と同程度とすることが好ましい。これにより、前述した第二改質部22による第一改質部21からの亀裂CRの伸展を促進させる作用を効果的に生じさせることができる。
レーザ光LBには、パルスレーザを発生するレーザ、多光子吸収を起こさせることができる連続波レーザ等、種々のものを用いることができる。パルスレーザ光のパルス幅としては、100fsec~1000psecが挙げられる。また、レーザ光のピーク波長としてはサファイアからなる基板50を透過可能なピーク波長を選択する。例えば、レーザ光のピーク波長は、350nm以上1100nm以下の範囲である。サファイアからなる基板50を透過可能な波長のレーザとしては、Nd:YAGレーザ、Yb:YAGレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YLFレーザ、チタンサファイアレーザ、KGWレーザ等が挙げられる。レーザ光のレーザスポット径は、例えば、1μm以上10μm以下である。
図5Bに示す基板50を割断予定線PCに沿って割断して、個片化した発光素子10の模式平面図を、図22に示す。この図22に示す発光素子10は、図5Bにおける右下に位置する発光素子である。このように矩形状に個片化された発光素子10は、発光素子10の平面視における外縁を規定する四辺の一部に沿って第2改質部が形成されている。図22においては矩形状の上辺及び左辺の隣り合う二辺に沿って第二改質部22が形成されている。
また、図5Bの例では、基板50を縦横に割断する割断予定線PCのそれぞれに、各割断予定線PCに沿って第一仮想線VL1にレーザ光を照射させ、第二改質部22を形成する例を説明したが、本発明はこの構成に限らず、縦横に走査するレーザ光の内、縦横のいずれか一方のみに対して第二改質部22を形成するようにしてもよい。このような例を図23の模式平面図に示す。この例では、図において横方向に伸びる割断予定線PCに沿って、第一仮想線VL1を設定し、割断予定線PCおよび第一仮想線VL1にレーザ光を走査させ、第一改質部21および第二改質部22を形成している。そして、縦方向に伸びる割断予定線PC’については、割断予定線PC’にのみレーザ光を走査させて第一改質部21のみを形成している。このようにレーザ光を走査した基板50を割断して個片化された発光素子10Bは、図24の模式平面図に示すように、四辺の内、いずれか一辺(図24において上辺)のみに沿って第二改質部22が形成されている。
またこのようにして得られた発光素子10の拡大写真を図25に示す。図25は、図22に示す発光素子10の外縁における上辺の一部を拡大した拡大写真である。ここでは基板50としてサファイア基板を用いた。レーザ光には、パルス幅700fsのフェムト秒レーザを用いた。レーザ光の第一照射の出力は、0.15Wとし、第二照射の出力を0.25Wとした。第一照射と第二照射とのオフセット量は、6μmとした。図25は、基板50を割断して発光素子10を得て、サファイア基板の裏面側から見た光学顕微鏡写真(裏面側から照明光を当てた透過照明)を示している。また光学顕微鏡の焦点位置が、基板50の内部の第二改質部22の領域となるように設定している。図25に示すように、第二改質部22が外縁に沿って、外縁より内側に形成されている様子が確認できる。
[実施形態2]
実施形態1ではレーザ光を、基板50の平行方向に照射位置を異ならせて2回走査させる例を説明した。ただ本発明は、レーザ光の走査回数を2回に限定せず、3回以上としてもよい。一例として、レーザ光を3回走査させる方法を実施形態2として、図7Aの平面図及び図7Bの断面図に示す。これらの図に示すように、第二照射に続いて、基板50の上面視において割断予定線PCに対して第一仮想線VL1とは反対側に、基板50の平面方向にずらした第二仮想線VL2に沿って、レーザ光を走査する。このような第三照射によって、基板50の内部において、第二仮想線VL2上に位置する複数の第三改質部23を形成し、第一改質部21からの亀裂CRの伸展を促進させる。この方法によれば、前述した実施形態1に比較して、第二改質部22だけでなく、第三改質部23の形成時に生じるひずみが解放する力が第一改質部21からの亀裂CRに対して働くことで、さらに亀裂CRの伸展を促進させることができる。図6Bに示す実施形態1で最終的に形成される改質領域の幅W2よりも、実施形態2では図7Bに示すように、最終的に形成される改質領域の幅W3が大きくなる。なお、図7A、7Bの例では説明のため第一仮想線VL1を割断予定線PCの左側に、第二仮想線VL2を右側に配置した例を説明しているが、後述の通り第二仮想線VL2を割断予定線PCに対して左右のいずれの側に配置するかは、サファイア基板の条件などによって適宜変更することが好ましい。
第三照射におけるレーザ光の出力は、第一照射におけるレーザ光の出力以上とすることが好ましい。これにより、第三改質部23の形成時に生じるひずみの解放による力をより大きくし、第一改質部21からの亀裂の伸展を促進させやすくできる。第二仮想線VL2は、割断予定線PCから3μm以上7μm以下ずらした位置とすることが好ましい。第二仮想線VL2を割断予定線PCから基板の平面方向にずらす量を3μm以上とすることにより、第一改質部21からの亀裂の伸展を効率よく促進させることができる。第二仮想線VL2を、割断予定線PCから基板の平面方向にずらす量を7μm以下とすることにより、第一改質部21からの亀裂CRの伸展を促進させながら、第三改質部23からの亀裂の発生を抑制することができる。
同様に第一仮想線VL1も、割断予定線PCから3μm以上7μm以下ずらした位置とすることが好ましい。第一仮想線VL1を割断予定線PCから基板の平面方向にずらす量を3μm以上とすることにより、第一改質部21からの亀裂の伸展を効率よく促進させることができる。第一仮想線VL1を割断予定線PCから基板の平面方向にずらす量を7μm以下とすることにより、第一改質部21からの亀裂CRの伸展を促進させながら、第二改質部22からの亀裂の発生を抑制することができる。
第三照射におけるレーザ光の集光位置は、基板50の厚み方向において、第一照射におけるレーザ光の集光位置と同程度とすることが好ましい。これにより、前述した第三改質部23による第一改質部21からの亀裂CRの伸展を促進させる作用を効果的に生じさせることができる。
[実施形態3]
実施形態1、2ではレーザ光LBの照射条件を走査毎に変更せず一定で行う例を説明したが、本発明はこの構成に限定されず、走査毎にレーザ光の照射条件を変更してもよい。一例として、走査毎にレーザ光のピッチを変更する方法を実施形態3として、図8Aの平面図及び図8Bの断面図に示す。ここで、レーザ光のピッチとは、レーザ光を走査しながら複数の集光位置に集光させたときの隣り合う集光位置間の距離である。図8A、図8Bに示す方法では、最初に割断予定線PCに沿って第一ピッチPH1で走査する第一照射を行い、その後、割断予定線PCの左右に第一ピッチPH1よりも狭い第二ピッチPH2で照射する第二照射と、第三ピッチPH3で照射する第三照射を行う。言い換えれば、第一ピッチPH1を、第二ピッチPH2及び第三ピッチPH3よりも広くして第一照射を行う。このような照射条件でレーザ光を走査することで、基板50の割断性を向上できる。基板50の割断性が向上される理由は、ピッチを狭くすることで第二改質部22及び第三改質部23がより密に形成され、第二改質部22及び第三改質部23の形成時に生じるひずみが解放されるときの力が増加し、第一改質部21からの亀裂CRの伸展がより促進されたためであると推測される。なお、図8A、図8Bの例では第三照射を含めた例を説明したが、第三照射を含まない第一照射と第二照射のみの場合でも、第二照射の第二ピッチPH2よりも第一照射の第一ピッチPH1を広くすることで、基板50の割断性を向上できる。
実施形態2、3において、第一仮想線VL1を基板の平面方向にずらす量やレーザ光を走査するときのピッチを第二照射と第三照射とでそれぞれ異ならせてもよい。
[実施例1、2;比較例1、2]
本発明の有効性を確認すべく、実施例1、2および比較例1、2でレーザ光の照射条件をそれぞれ変更して加工した基板50を作製し、それぞれのレーザ光の照射条件による結果を評価した。実施例1、2および比較例1、2におけるレーザ光の照射条件を説明する。
基板50には、第一主面51上に半導体構造11が形成された厚み185μmのサファイア基板を用いた。そして、基板50の厚み方向におけるレーザ光の走査位置を第一照射と第二照射で同じとした比較例1と、レーザ光の走査位置を第一照射と第二照射で異ならせた実施例1と、により基板50を加工した。また、基板50の厚み方向におけるレーザ光の走査位置を第一照射、第二照射、及び第三照射で同じとした比較例2と、レーザ光の走査位置を第一照射、第二照射、及び第三照射でそれぞれ異ならせた実施例2と、により基板50を加工した。実施例1では、第二照射の走査位置を、基板50の厚み方向においては第一照射と同じとしつつ、基板50の平面方向において第一照射の走査位置に対して3μmずらした。また、実施例2では、第二照射及び第三照射の走査位置を、基板50の厚み方向においては第一照射と同じとしつつ、基板50の平面方向において第一照射の走査位置に対してそれぞれ3μmずらした。なお、実施例1、2および比較例1、2において、走査位置以外のレーザ光の照射条件は同じに設定し、レーザ光の出力は0.6W、デフォーカス量は約39μmとしている。またレーザ光はパルス駆動で照射し、ピッチは約6μmである。
そして、比較例1、2と実施例1、2とにおける基板50に生じる亀裂の長さを測定し比較した。これらの実施例1、2及び比較例1,2の測定結果を図9に示す。
図9の測定結果から、基板50の厚み方向におけるレーザ光の走査位置を第一照射と第二照射とで基板50の平面方向にずらすことで、レーザ光の走査位置を同じとした場合に比べて亀裂を長くできることが確認できる。すなわち基板50を割断しやすくなることが確認された。レーザ光の走査を2回行った実施例1と比較例1とでは、実施例1の方が比較例1と比べ亀裂を15μm程度長く伸展できることができた。またレーザ光の走査を3回行った実施例2と比較例2とでは、実施例2の方が比較例2と比べ亀裂を20μm程度長く伸展させることができた。加えて、実施例1と実施例2の比較から、2回の走査よりも3回の走査の方が、より亀裂を伸展させる効果が大きいことも確認された。また、比較例1、2では、レーザ光を同じ走査位置に複数回照射しているため、実施例1、2よりも割断予定線PC上に複数の改質部20が密に形成されている。このような状態の基板50を割断予定線PCに沿って割断する場合、基板50の割断により大きな力が必要になる傾向がある。実施例1、2においては、割断予定線PC上には第一改質部21のみが設けられているため、比較例1、2に比べて基板50の割断に必要な力は小さくなる。実施例1によれば、基板50の割断に必要な力を大きくすることなく、改質部20からの亀裂の伸展を促進させることができるため、基板50を容易に割断することができると考えられる。また実施例2によれば、実施例1よりも改質部20からの亀裂の伸展を促進させることができるため、基板50の割断に必要な力を大きくすることなく、基板50をさらに容易に割断することができると考えられる。
[実施例3~7;比較例3]
さらに、実施例3~7および比較例3でレーザ光の照射条件をそれぞれ変更して加工した基板50を作製し、それぞれのレーザ光の照射条件による結果を評価した。実施例3~7および比較例3におけるレーザ光の照射条件を説明する。
上述した実施例1、2および比較例1、2と同様に、基板50には、第一主面51上に半導体構造11が形成された厚み185μmのサファイア基板を用いた。そして、第二照射及び第三照射の走査位置を第一照射の走査位置に対して基板50の平面方向にずらした量であるオフセット量d1、d2を実施例3~7および比較例3でそれぞれ異ならせて試験を行った。この結果を図10、図11A~図11Fに示す。なお、実施例3~7および比較例3において第二照射におけるオフセット量d1と第三照射におけるオフセット量d2は同じとした。オフセット量d1、d2を、0μmとした例を比較例3、1μmとした例を実施例3、3μmとした例を実施例4、5μmとした例を実施例5、7μmとした例を実施例6、10μmとした例を実施例7とした。そして、基板50の断面における亀裂長さをそれぞれ測定した。また比較例3、実施例4、および実施例6については、平面視におけるレーザ光による改質領域と、基板50の断面の光学顕微鏡写真を観察した。
レーザ加工機の照射条件は、レーザ光の出力を0.6W、デフォーカス量を39μm、送り速度を600mm/sに設定した。レーザ照射はレーザ光をパルス駆動させながら走査することにより行った。
比較例3、実施例4、実施例6のそれぞれについて、図11A~図11Cに基板50の内部に形成された改質領域の平面写真を示している。図11D~図11Fに基板50の断面写真を示している。この内、図11A、図11Dが比較例3、図11B、図11Eが実施例4、図11C、図11Fが実施例6を、それぞれ示している。
図10は、オフセット量d1、d2を変更することによる亀裂長さの変化を確認するためのグラフである。また表1に、比較例3、実施例3~7におけるそれぞれのオフセット量d1、d2の条件と亀裂長さの測定結果を示す。図10に示すように、オフセット量d1、d2が1μm以上10μm以下の範囲で変更した実施例3~7では、オフセット量d1、d2がゼロ、つまりオフセットさせていない比較例3に比べて亀裂の長さを延伸させる効果が確認された。また、オフセット量d1、d2を3μm以上7μm以下とすることで、亀裂を比較例3に比べて効率よく伸展させることができることが確認できた。
Figure 0007148816000001
図11Dに示すように、比較例3では亀裂の長さが短く、基板50の表面まで達していないことが判る。一方、図11E、図11Fに示す実施例4、6ではいずれも亀裂が基板50の表面(第一主面51及び第二主面52)まで伸展していることが判る。このことから、オフセット量d1、d2を3μm以上とすることで、亀裂の伸展を促進させる効果が得られることが確認された。一方、図11Fに示す実施例6では亀裂が若干蛇行して伸展されているが、図11Eに示す実施例4では亀裂が略直線状に伸展されている。このことから、オフセット量d1、d2を7μm以下とすることで亀裂の蛇行を抑制できることが確認された。以上から、第二、三照射における照射位置を第一照射における照射位置から平面方向にずらすオフセット量は、3μm以上7μm以下とすることがより好ましいといえる。
次に、第一照射、第二照射、第三照射におけるレーザ光のピッチを変更し、ピッチを変更することによる第一改質部21からの亀裂の伸展のしやすさを検討した。第一照射におけるレーザ光は割断予定線PCに沿って走査し、割断予定線PCはサファイアからなる基板50のm軸方向に沿うように設定した。基板50の厚みは150μmである。第二照射及び第三照射における走査は、それぞれ第一照射に対して5μmオフセットした位置とした。また、レーザ光の周波数は75kHz、デフォーカスは20μmとした。第一照射におけるピッチを4μmとし、第二照射及び第三照射におけるピッチを2μm、3μm、4μmと変更した。そして、それぞれの条件に対して、レーザ光のパルスエネルギーを1.8μJ、2μJ、2.2μJ、2.4μJと変更し亀裂の伸展のしやすさを検討した。なお、それぞれの条件において、第一照射、第二照射、第三照射に使用するレーザ光のパルスエネルギーは同じとした。表2にそれぞれの条件における亀裂の伸展を検証した結果を示す。なお、表2で[%]を付して表している値は、基板の断面写真を観察し、亀裂が基板の厚み方向においてどの程度伸展していたかを表す値である。例えば、100%としている条件は、亀裂が基板50の第一主面51及び第二主面52にまで達していたことを意味する。
Figure 0007148816000002
上記の結果から、第二照射及び第三照射におけるピッチを広くするに従い、亀裂の伸展に必要なパルスエネルギーが大きくなることが分かる。このことから、第二照射及び第三照射におけるレーザ光のピッチを、第一照射におけるレーザ光のピッチより狭くすることで、より小さいパルスエネルギーで亀裂を十分に伸展させることができることが分かる。亀裂の伸展に必要なパルスエネルギーを小さくできることで、レーザ照射による半導体層へのダメージを軽減することができる。
[実施形態4]
第二照射においてレーザ光を走査する第一仮想線VL1を、割断予定線PCに対して左右どちら側に設定するかは、サファイアからなる基板50の平面視における、オリエンテーションフラット面OFと、割断予定線PCとの位置関係によって異なる。例えば図12に示すように、基板50のオリエンテーションフラット面OFを手前側に置いた姿勢で、平面視において、オリエンテーションフラット面OF(A面)と平行なm軸方向に割断予定線PCを設定し基板50を割断する場合を考える。ここで、以下の説明では便宜上、基板50のオリエンテーションフラット面OFを手前側に配置したときの手前を下とし、その下を基準として基板50に対して上下及び左右を規定して説明する。なお、基板50を回転させ、オリエンテーションフラット面OFの位置が変更された場合であっても、基板50を回転させる前に規定した上下及び左右を適用する。図12においては、オリエンテーションフラット面OFを手前側に配置したときのオリエンテーションフラット面OFを水平とし、オリエンテーションフラット面OFの平面視における角度を水平面と一致するという意味で0°とする。
図13は、レーザ照射により基板50に複数の改質部20が形成された模式平面図である。図13において、1パス目を割断予定線PCとし、2パス目の第一仮想線VL1を上側の+方向である第一仮想線VL1+に設定するか、下側の-方向である第一仮想線VL1-に設定するかを、亀裂の伸展により生じる基板50の表面における蛇行の違いに基づき検討する。
図14A、図14Bの斜視図に基づいて説明する。図14Aは、2パス目となる第一仮想線VL1+を、割断予定線PCに対して左側に設定した例である。また、図14Bは、2パス目となる第一仮想線VL1-を、割断予定線PCに対して右側に設定した例である。いずれの場合も、第2照射を行うことで生じる2パス目から1パス目に向かう亀裂の伸展方向はほとんど同じとなるため、蛇行の程度は変わらない。基板50の表面の平面視における顕微鏡写真の一例を、2パス目の第一仮想線VL1を割断予定線PCから+5μmオフセットさせた例を図15Aに、-5μmオフセットさせた例を図15Bに、それぞれ示す。これらの図に示すように、基板50をm軸方向に割断する場合において、第一仮想線VL1を割断予定線PCからいずれの方向にずらしても、基板50の表面に生じる蛇行の程度はほぼ変わらなかった。
以上、基板50をm軸方向に割断する例について説明した。次に基板50をa軸方向に割断する例について、図16A、図16B、図17A~図17D、図18A、図18Bに基づいて説明する。図16Aは、2パス目となる第一仮想線VL1を1パス目から左側の+方向にオフセットさせた例の模式斜視図を示している。図16Bは、2パス目となる第一仮想線VL1を1パス目から右側の-方向にオフセットさせた例の模式斜視図を示している。また図17A、図17Bは、それぞれ2パス目を1パス目から+方向に5μmオフセットさせた例の平面視における顕微鏡写真を示している。図17C、図17Dは、それぞれ2パス目を1パス目から-方向に5μmオフセットさせた例の顕微鏡写真を示している。さらに、図18Aは、図16Aの基板50の模式断面図を示しており、図18Bは、図16Bの基板50の模式断面図を示している。
基板50をm軸方向に割断する場合においては、基板50は基板50の厚み方向に対して略垂直な方向に割断される。そのため、第一仮想線VL1を割断予定線PCに対して上側、下側のいずれの場合でも基板50の表面に生じる蛇行の程度は略同じであったと考えられる。これに対して、基板50をa軸方向に割断する場合においては、基板50はサファイアの結晶面の影響で基板50の厚み方向に対して斜めに割断される傾向がある。そのため、図16Aに示す比較例のように、2パス目となる第一仮想線VL1を+方向にオフセットして第二改質部22を形成すると、図18Aに示すように、1パス目で形成した第一改質部21からの亀裂に起因して、第二改質部22からの亀裂が第一改質部21からの亀裂と繋がってしまうおそれがある。このような場合、図17A、図17Bに示す比較例においては、基板50の表面において亀裂の蛇行が発生する。例えば、図17A、図17Bにおける下側で亀裂が直線状ではなく曲線状に形成されている部分が蛇行している部分である。
一方で、実施形態4を説明するための図16B、図18Bに示すように、2パス目となる第一仮想線VL1を-方向にオフセットして第二改質部22を形成すると、1パス目で形成した第一改質部21から斜め方向に伸展する亀裂が第二改質部22からの亀裂に対して与える影響が低減する。例えば、図18Bに示すように、第一改質部21からの亀裂が、基板50の第二主面52側に伸展する際、第二改質部22が形成された領域上を通過することなく伸展する。これにより、前述したように、第二改質部22からの亀裂が第一改質部21からの亀裂と繋がることが抑制されるため、基板50の表面における亀裂の蛇行を抑制することができる。この結果、図17C、図17Dに示すように、基板50の表面における亀裂の蛇行が抑制される。以上のことから、オリエンテーションフラット面OFを手前側に置いた姿勢で、オリエンテーションフラット面OF(A面)と垂直な方向(a軸)に設定された割断予定線PCに対して第一照射を行う。その後、第一仮想線VL1を、割断予定線PCよりも右側のオリエンテーションフラット面OFと垂直な方向に設定して第二照射を行うことが好ましい。これによって、基板50を割断する際の基板50の表面における亀裂が蛇行する事態を抑制することができる。
[実施形態5]
実施形態4では、図12に示したようにオリエンテーションフラット面OFと水平面がなす角度が0°となる姿勢に置いた状態で、基板50のm軸方向及びa軸方向に割断する場合に、好ましい第一仮想線VL1の設定について検討した。実施形態5では、図19に示すように、基板50をオリエンテーションフラット面OFと水平面との間の角度が45°となる姿勢に置いた状態で、上下方向及び左右方向に割断する場合に、好ましい第一仮想線VL1の設定について検討する。
図19に示すように基板50をオリエンテーションフラット面OFを水平面に対して45°傾斜させた姿勢で、レーザ光を左右方向に走査させて形成される複数の改質部20を模式的に示す平面図を図20A、図20Cに示す。図20Aは、パルス駆動されたレーザ光を図中の矢印が示す左側から右側に進行する方向に走査した状態を示している。図20Cは、パルス駆動されたレーザ光を、図中の矢印が示す右側から左側に進行する方向に走査した状態を示している。また、図20Bは図20Aで示した走査を行った基板の顕微鏡写真であり、図20Dは図20Cで示した走査を行った基板の顕微鏡写真を示している。これらの図に示すように、レーザ光を走査させると、改質部20から伸展する複数の亀裂のうち、レーザ光の進行方向に対して反対側に形成され、走査線に一番近い亀裂が最も伸展される傾向があることが分かる。図20Aにおいて、改質部20から伸展する複数の亀裂(直線)のうち最も伸展する亀裂の長さを他の亀裂よりも長く示している。このような傾向は、基板50のm軸方向やa軸方向に沿ってレーザ光を走査していないことに起因するものであると推測される。したがって、割断予定線PCに沿って第一改質部21を形成した後、第一改質部21からの亀裂の伸展を考慮して、第一仮想線VL1の位置およびレーザ光の走査方向を設定した第二照射を行うことが好ましい。
図21Aの模式平面図に、1パス目で割断予定線PCに沿って右側から左側に向かってレーザ光を走査させた後、2パス目でその割断予定線PCに対して上側にオフセットさせた第一仮想線VL1に沿って左側から右側に向かってレーザ光を走査させた場合における亀裂の伸展を示す。図21Aに示すようなレーザ光の走査を行った場合、2パス目で形成した第二改質部22からの亀裂のうち他の亀裂よりも長く伸展する亀裂が、1パス目で形成した第一改質部21からの亀裂のうち他の亀裂よりも長く伸展する亀裂と近接して形成される。そのため、第一改質部21と第二改質部22からの亀裂同士がつながり、基板50の表面に形成される亀裂が蛇行し易くなる。
次に、図21Bの模式平面図に、1パス目で割断予定線PCに沿って右側から左側に向かってレーザ光を走査させた後、2パス目でその割断予定線PCの下側にオフセットさせた第一仮想線VL1に沿って左側から右側に向かってレーザ光を走査させた場合における亀裂の伸展を示す。図21Bに示すようなレーザ光の走査を行った場合、2パス目で形成した第二改質部22からの亀裂のうち他の亀裂よりも長い亀裂の伸展方向が、1パス目で形成した第一改質部21からの亀裂のうち他の亀裂よりも長い亀裂の伸展方向とは反対方向になる。図20Cにおいて、改質部20から伸展する複数の亀裂(直線)のうち最も伸展する亀裂の長さを他の亀裂よりも長く示している。そのため、第一改質部21および第二改質部22からの亀裂のうち他の亀裂よりも長い亀裂同士がつながり難くなる。このような亀裂同士のつながりを抑制することで、基板50の表面に形成される亀裂が蛇行することを抑制することができる。
以上のことから、オリエンテーションフラット面OFを手前側に配置した姿勢から、反時計回りに45°回転させた姿勢の基板50においては、まず左右方向に設定された割断予定線PCに対して、レーザ光を右側から左側に向かう第一進行方向に走査して第一照射を行う。その後、第一仮想線VL1を、割断予定線PCよりも下側に設定し、かつレーザ光を左側から右側に向かう第二進行方向に走査させる第二照射を行うことが好ましい。
また、以上は基板50を左右方向に沿って割断する場合を説明したが、上下方向に沿って割断する場合も、同様に第一改質部21からの亀裂を考慮した第二照射を行うことが好ましい。すなわち、基板50のオリエンテーションフラット面OFを手前側に置いた姿勢から、反時計回りに45°回転させた姿勢の基板50においては、まず上下方向に設定された割断予定線PCに対して、レーザ光を下側から上側に向かう第一進行方向に走査して第一照射を行う。その後、第一仮想線VL1を、割断予定線PCよりも右側に設定し、かつレーザ光を上側から下側に向かう第二進行方向に走査させる前記第二照射を行う。このようにすることで、上記と同様、1パス目と2パス目で形成された改質部から伸びた亀裂同士のつながりを抑制し、基板50の表面に形成される亀裂が蛇行することを抑制することができる。
また、以上の例では1パス目の第一進行方向を右側から左側に向かう方向とする場合を説明したが、第一進行方向を左側から右側に向かう方向としてもよい。この場合には、第一仮想線VL1を割断予定線PCよりも上側に設定し、かつレーザ光を右側から左側に向かう第二進行方向に設定した第二照射を行えばよい。さらにまた、以上の例では1パス目の第一進行方向を下側から上側に向かう方向とする場合を説明したが、第一進行方向を上側から下側に向かう方向としてもよい。この場合には、第一仮想線VL1を割断予定線PCよりも左側に設定し、かつレーザ光を下側から上側に向かう第二進行方向に設定した第二照射を行えばよい。このような場合であっても、上記と同様、1パス目と2パス目で形成された改質部から伸びた亀裂同士のつながりを抑制し、基板50の表面に形成される亀裂が蛇行することを抑制することができる。
3…電極
3A…n側パッド電極
3B…p側パッド電極
6…n型半導体層
7…p型半導体層
8…活性領域
10、10B…発光素子
11…半導体構造
13…透光性導電層
14…保護膜
18…光取り出し面
20…改質部
21…第一改質部
22…第二改質部
23…第三改質部
26…改質ライン
50…基板
51…第一主面
52…第二主面
LB…レーザ光
CR…亀裂
OF…オリエンテーションフラット面
PC、PC’…割断予定線
PH1…第一ピッチ
PH2…第二ピッチ
PH3…第三ピッチ
VL1、VL1+、VL1-…第一仮想線
VL2…第二仮想線
d1…第二照射におけるオフセット量
d2…第三照射におけるオフセット量

Claims (14)

  1. 半導体構造を形成した基板の内部にレーザ光を集光させて複数の改質部を形成し、その後、前記基板を割断する発光素子の製造方法であって、
    予め設定された割断予定線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記割断予定線上に位置する複数の第一改質部と、前記第一改質部から生じる亀裂とを形成させる第一照射を行う工程と、
    前記第一照射の後、上面視において前記割断予定線に平行であり前記基板の平面方向に所定量ずらした第一仮想線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記第一仮想線上に位置する複数の第二改質部を形成することで前記第一改質部から生じる前記亀裂の伸展を促進させる第二照射を行う工程と、
    複数の前記第一改質部を起点として前記基板を割断する工程と、
    を含み、
    前記第二照射におけるレーザ光のピッチを、前記第一照射におけるレーザ光のピッチよりも狭くしてなる発光素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記第二照射におけるレーザ光の出力を、前記第一照射におけるレーザ光の出力以上としてなる発光素子の製造方法。
  3. 半導体構造を形成した基板の内部にレーザ光を集光させて複数の改質部を形成し、その後、前記基板を割断する発光素子の製造方法であって、
    予め設定された割断予定線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記割断予定線上に位置する複数の第一改質部と、前記第一改質部から生じる亀裂とを形成させる第一照射を行う工程と、
    前記第一照射の後、上面視において前記割断予定線に平行であり前記基板の平面方向に所定量ずらした第一仮想線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記第一仮想線上に位置する複数の第二改質部を形成することで前記第一改質部から生じる前記亀裂の伸展を促進させる第二照射を行う工程と、
    複数の前記第一改質部を起点として前記基板を割断する工程と、
    を含み、
    前記第二照射におけるレーザ光の出力を、前記第一照射におけるレーザ光の出力より大きくしてなる発光素子の製造方法。
  4. 請求項1~のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記基板は、サファイアからなる発光素子の製造方法。
  5. 半導体構造を形成した基板の内部にレーザ光を集光させて複数の改質部を形成し、その後、前記基板を割断する発光素子の製造方法であって、
    予め設定された割断予定線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記割断予定線上に位置する複数の第一改質部と、前記第一改質部から生じる亀裂とを形成させる第一照射を行う工程と、
    前記第一照射の後、上面視において前記割断予定線に平行であり前記基板の平面方向に所定量ずらした第一仮想線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記第一仮想線上に位置する複数の第二改質部を形成することで前記第一改質部から生じる前記亀裂の伸展を促進させる第二照射を行う工程と、
    複数の前記第一改質部を起点として前記基板を割断する工程と、
    を含み、
    前記基板は、サファイアからなり、
    前記基板は、平面視形状が略円形状であり、周縁の一部に前記基板のA面に平行なオリエンテーションフラット面を有しており、
    平面視において、前記オリエンテーションフラット面を手前側に配置した状態における前記手前を下とし、前記下を基準として前記基板に対して上下及び左右を規定したとき、
    前記オリエンテーションフラット面を手前側に配置した姿勢から、反時計回りに45°回転させた姿勢で、左右方向に設定された前記割断予定線に対して、レーザ光を右側から左側に向かう第一進行方向に走査して前記第一照射を行った後、
    前記第一仮想線を、前記割断予定線よりも下側に設定し、かつレーザ光を左側から右側に向かう第二進行方向に走査させる前記第二照射を行う発光素子の製造方法。
  6. 半導体構造を形成した基板の内部にレーザ光を集光させて複数の改質部を形成し、その後、前記基板を割断する発光素子の製造方法であって、
    予め設定された割断予定線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記割断予定線上に位置する複数の第一改質部と、前記第一改質部から生じる亀裂とを形成させる第一照射を行う工程と、
    前記第一照射の後、上面視において前記割断予定線に平行であり前記基板の平面方向に所定量ずらした第一仮想線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記第一仮想線上に位置する複数の第二改質部を形成することで前記第一改質部から生じる前記亀裂の伸展を促進させる第二照射を行う工程と、
    複数の前記第一改質部を起点として前記基板を割断する工程と、
    を含み、
    前記基板は、サファイアからなり、
    前記基板は、平面視形状が略円形状であり、周縁の一部に前記基板のA面に平行なオリエンテーションフラット面を有しており、
    平面視において、前記オリエンテーションフラット面を手前側に配置した状態における前記手前を下とし、前記下を基準として前記基板に対して上下及び左右を規定したとき、
    前記オリエンテーションフラット面を手前側に配置した姿勢から、反時計回りに45°回転させた姿勢で、上下方向に設定された前記割断予定線に対して、レーザ光を下側から上側に向かう第一進行方向に走査して前記第一照射を行った後、
    前記第一仮想線を、前記割断予定線よりも右側に設定し、かつレーザ光を上側から下側に向かう第二進行方向に走査させる前記第二照射を行う発光素子の製造方法。
  7. 請求項に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記基板は、平面視形状が略円形状であり、周縁の一部に前記基板のA面に平行なオリエンテーションフラット面を有しており、
    平面視において、前記オリエンテーションフラット面を手前側に配置した状態における前記手前を下とし、前記下を基準として前記基板に対して上下及び左右を規定したとき、
    前記オリエンテーションフラット面を手前側に配置した姿勢で、前記オリエンテーションフラット面と垂直な方向に設定された割断予定線に対して前記第一照射を行った後、前記第一仮想線を、前記割断予定線よりも右側の前記オリエンテーションフラット面と垂直な方向に設定して前記第二照射を行う発光素子の製造方法。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記第一仮想線は、前記割断予定線から3μm以上7μm以下ずらした位置としてなる発光素子の製造方法。
  9. 請求項1~のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記基板の厚み方向において、前記第二照射におけるレーザ光の集光位置を、前記第一照射におけるレーザ光の集光位置と同じとしてなる発光素子の製造方法。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法であって、さらに、
    前記第二照射の後であって前記基板を割断する工程の前に、上面視において前記割断予定線に対して前記第一仮想線とは反対側に前記基板の平面方向に所定量ずらした第二仮想線に沿ってレーザ光を走査し、前記基板の内部に前記第二仮想線上に位置する複数の第三改質部を形成する第三照射を行う工程を含む発光素子の製造方法。
  11. 請求項10に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記第三照射におけるレーザ光の出力を、前記第一照射におけるレーザ光の出力以上としてなる発光素子の製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記第二仮想線は、前記割断予定線から3μm以上7μm以下ずらした位置としてなる発光素子の製造方法。
  13. 請求項10~12のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記基板の厚み方向において、前記第三照射におけるレーザ光の集光位置を、前記第一照射におけるレーザ光の集光位置と同じとしてなる発光素子の製造方法。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記基板の厚さを、100μm以上300μm以下としてなる発光素子の製造方法。
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