JP7148417B2 - ブローバイガス還流装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種エンジンに適用されるブローバイガス還流装置であって、オイルセパレータを備えるブローバイガス還流装置に関するものである。
産業用ディーゼルエンジンなどにおいては、ブローバイガスをシリンダヘッドカバー(以下、ヘッドカバーと略称する)の内部を通してから吸気経路に戻す構造のブローバイガス還流装置を備える構造のものが多い。
ブローバイガスを、ヘッドカバー内部を通してエンジン外へ(吸気通路へ)流す場合、ヘッドカバー内における動弁機構の上側にガス通路が設けられる。ヘッドカバー内部のガス通路は、上下に狭い扁平な通路となり易いので、ブローバイガスからオイル成分を捕捉するオイルセパレータは、専用の部品としてヘッドカバー外に設けられるのが一般的である(例えば、特許文献1)。
オイルセパレータをシリンダブロックのサイドに配置する構造では、ヘッドカバー内のようなスペースの制限が殆ど無いので、十分な容量のものにできる利点がある。しかしながら、専用部品であるオイルセパレータがエンジンの補機として追加されるので、次のような不利点がある。
即ち、(1)オイルセパレータが付設された分、エンジン全体としての体格(嵩)が大型化する。(2)ヘッドカバーから吸気通路までのガス通路が長くなり、外部配管長さも長くなるので、寒冷時におけるブローバイガス中に含まれている水分の凍結のおそれが増す。
特開2018-35787号公報
本発明の目的は、構造工夫により、ヘッドカバー内にブローバイガスの通路を設け、かつ、オイルセパレータも備える構成としながらも、エンジンの大型化が抑制されるとともに、ブローバイガスの外部配管長さを短くして前述の凍結のおそれも極力回避されるように改善されたブローバイガス還流装置を提供する点にある。
本発明は、ブローバイガス還流装置において、
クランクケースからのブローバイガスをヘッドカバーの内部を通して吸気通路に導くように構成され、
ブローバイガスからオイルを捕捉して除去するオイルセパレータが前記ヘッドカバーの内部に取付けられ、
捕捉されたオイルを排出するオイル落し部が前記オイルセパレータから下方に突設されるとともに、前記オイル落し部の下端に、オイルの下方移動は許容し、かつ、上方移動は阻止する逆止弁が設けられ
前記逆止弁は、前記オイル落し部の底壁に流路及び弁装着用孔が形成されるとともに、前記底壁の下面を座面とするアンブレラ弁で構成され、
前記アンブレラ弁は、前記下面に当接される傘部分と、前記傘部分から上方に延びて前記弁装着用孔に差し込まれる支軸部分とを備えるとともに、前記傘部分から下方に延びて前記オイル落とし部の下方に形成されるオイル溜り部に達する誘導突起を備えていることを特徴とする。
前記オイル落し部は、前記ヘッドカバーの内側に設けられている動弁機構の隙間部分に向けて突設されているとよい。
前記オイルセパレータは、ブローバイガスを導入するセパレータ入口と、フィルタと、前記オイル落し部と、ブローバイガスを排出するセパレータ出口とを備えていると好都合である。
また、前記ヘッドカバーに前記ブローバイガスの出口であるガス出口部が形成され、前記ガス出口部のヘッドカバー内部側開口に前記オイルセパレータのセパレータ出口が重ねられていると好都合であり、前記オイルセパレータは、前記ヘッドカバーに着脱可能にボルト止めされているとより好都合である。
本発明によれば、ヘッドカバーにオイルセパレータが内蔵(収容)されているので、ヘッドカバー外に専用部品としてオイルセパレータを配置する構成(従来の構造)に比べて、エンジン全体としての嵩を小さくすることが可能になる。そして、ヘッドカバーからオイルセパレータへのブローバイガスの外部配管が省略できるので、寒冷時などにおいてブローバイガス中の水分が外部配管にて凍結するおそれが回避される利点がある。
また、オイルセパレータから下方突設されるオイル落し部の下端に逆止弁が設けられているから、ブローバイガスの気液(ガス成分とオイル成分)分離後に再びオイルが吸い上げられるおそれが解消され、オイル排出性が良好なものとなる利点がある。
その結果、ヘッドカバー内にブローバイガスの通路及びオイル戻し口に逆止弁付のオイルセパレータを備える構成としたので、エンジンの大型化の抑制及び良好なオイル排出性を得ながら、ブローバイガスの外部配管長さを短くして前述の凍結のおそれも極力回避されるという、改善されたブローバイガス還流装置を提供することができる。
(A)ヘッドカバー前部をガス入口開口の部位で上下に切った断面図、(B)ガス出口部をガス入口開口のやや左側にて上下に切った断面図 ヘッドカバー単品の平面図 産業用ディーゼルエンジンの平面図 オイルセパレータの平面図 オイルセパレータの底面図 オイルセパレータの左側面図 オイル落とし部の下端部を示し、(A)は底面図、(B)はアンブレラ弁の断面図、
以下に、本発明によるブローバイガス還流装置の実施の形態を、小型の産業用ディーゼルエンジンに適用した場合について、図面を参照しながら説明する。
図3に、産業用ディーゼルエンジンEの平面図が示され、1はエンジン冷却ファン、2はオルタネータ、3は過給機、4は排気処理装置、5はシリンダヘッド41(図6を参照)の上に組付けられるヘッドカバー、6は複数のインジェクタ、7は燃料噴射用供給ポンプである。
本エンジンEには、図1に示されるように、ブローバイガス還流装置Bが装備されており、クランクケース(図示省略)からのブローバイガスgをヘッドカバー5の内部に形成されているブローバイガス通路Wを通し、極力オイル成分などを除いた状態で吸気通路Aに戻す構成とされている。吸気通路Aの例としては、過給機3の吸気側ダクト3Aが挙げられる(図3を参照)。
図2~図4に示されるように、ヘッドカバー5は、インジェクタ装着用の4箇所の円孔5aを有する上下中間壁5Cと、前側の上壁であるヘッドカバー上壁5Aと、後側の上壁5Bとを備えた無底箱状の部材である。ヘッドカバー上壁5Aの後部には、ヘッドカバー上壁5Aから上方突出する状態で形成されるガス出口部8が形成されている。ブレザ経路でもあるガス出口部8には、ブローバイガスgを吸気通路Aに戻すためのガス管路9が接続される。
〔実施形態1〕
CCV(クランクケースベンチレーション)でもあるブローバイガス還流装置Bは、図1(A)に示されるように、ヘッドカバー上壁5Aの下側に収容されるオイルセパレータSを有している。オイルセパレータSの平面視形状は、図4に示されるように、ヘッドカバー上壁5Aの上方突出形状に合せてその内側にピッタリと内装できるように、略横向きT字状に形成されている。オイルセパレータSの前後及び右側のそれぞれに、ヘッドカバー5の内側にボルト止め装着するための挿通孔24が形成されている。
図1(A)、図4~図6に示されるように、オイルセパレータSは、その下面の前端部にブローバイガスの入口、即ちセパレータ入口10が形成され、上面の後端部にブローバイガスの出口、即ちセパレータ出口11が形成されている。オイルセパレータSの前後中間で右側の箇所に、大きく下方突出させたオイル落し部12が形成されており、また、セパレータ入口10とオイル落し部12との前後方向の間にフィルタ36が設けられている。
従って、クランクケースからのブローバイガスgは、ヘッドカバー5の内部の前端部に進み、オイルセパレータSの下面前端部のセパレータ入口10からオイルセパレータSの内部に入り、そこでフィルタ36によるオイル分離作用やオイル滴下作用を受けた後に、オイルセパレータSの上面後端部のセパレータ出口11から出る、という具合に流れる。つまり、ヘッドカバー5の内部の上部、及びオイルセパレータSの内部がブローバイガス通路Wになっている。
セパレータ出口11は、図1(A)に示されるように、ヘッドカバー5のガス出口部8のヘッドカバー内部側開口であるガス入口開口14に対向配備されて、環状シール材37の介装により気密に重ねられている。従って、セパレータ出口11から出たブローバイガスgは、ガス出口部8を通ってからガス管路9に流れて行くようになる。
図1(A)、図2、図3に示されるように、ガス出口部8は、ブローバイガスgを通す出口通路8Aを形成すべくヘッドカバー上壁5Aから上方に膨出した突出ケース部15を備え、突出ケース部15における出口通路8Aの外側に空気層16が形成されている。なお、図1(A)において、5Dはヘッドカバー前壁である。
突出ケース部15は、頂壁15A、前側の起立壁17、後壁19、左側の取出し壁20、及び右側壁21を有している。起立壁17、後壁19、及び取出し壁20は傾斜角度の付いた傾斜壁に形成されており、突出ケース部15は裾広がり状の外観を呈している。やや左後方に向いた外面(符記省略)を持つ取出し壁20には、前記出口通路8Aの出口開口22を備える庇壁20aが形成されている。
突出ケース部15は、ヘッドカバー5の内部となる下側に突出する通路壁18を備えており、その通路壁18に、側面視が上下逆向きのL字形状を呈する出口通路8Aが形成されている。出口通路8Aは、下端にガス入口開口14を備える上下向き通路部8aと、左端(先端)に出口開口22を備える横向き通路部8bとを有する折れ曲がり通路に形成されている。起立壁17の下端部の裏側には、図1に示されるように、オイルセパレータSと干渉しない範囲で下方突出するリブ壁23が形成されている。
図1(A)、(B)に示されるように、ヘッドカバー上壁5Aから傾き角度θで立上る起立壁17と通路壁18との間及びリブ壁23との間に跨る状態で空気層16が形成されている。また、後壁19と通路壁18との間にも空気層16が形成されている。また、図3に示されるように、起立壁17は、エンジン冷却風Rの流れ方向(矢印Y方向)で上流側に対面する状態となるように、突出ケース部15が構成されている。
以上のように構成されたヘッドカバーにより、次のとおりの作用効果が得られる。ヘッドカバー5のブレザ経路としてヘッドカバー上壁5Aから突設されたガス出口部8の下方突出する通路壁18の周囲に、外壁である起立壁17との間に空気層16が形成されている。そして、起立壁17は水平から角度が付いた傾斜壁とされている。
つまり、従来品では1枚の壁であったところを、本実施形態では間に空気層16を設けた二重壁構造(通路壁18、起立壁17)としてあるので、断熱作用が格段に向上するようになる。従って、極寒などの寒冷時でも出口通路8Aの温度低下が抑制され、ブローバイガス中の水分が冷やされて結露が発生し、場合によっては凍結することが生じないようになる。
また、突出ケース部15は、エンジン冷却ファン1によるエンジン冷却風Rの風下に位置し、起立壁17には直接的にエンジン冷却風Rがあたるようになる。しかしながら、起立壁17は傾き角度θによる傾斜壁とされているので、図1(A)に矢印で示されるように、エンジン冷却風Rは滑らかに起立壁17部位を吹き去っていくようになり、エンジン冷却風Rによる冷却作用も最小限に又は大きく抑制することが可能になる。
その結果、構造工夫により、突出ケース部15に形成されたガス出口部8におけるブローバイガスgが冷され難いようになり、寒冷時におけるガス出口での凍結や詰まりが生じないよう、改善されたヘッドカバー5を提供することができる。
図1(A)、図4、図5に示されるように、ヘッドカバー5内に形成されるブローバイガス通路Wには、その底部において下向きに開口してブローバイガスをブローバイガス通路Wに導くガス入口iが設けられ、ガス入口i又はその下に配置されて、ガス入口iからのオイル吸込みを抑制又は規制するオイル吸込み規制機構Cが設けられている。オイル吸込み規制機構Cは、ガス入口iを覆うルーバー32を有して構成されている。
ルーバー32は、互いに同じ前後向きに揃えて配列される複数の羽板33が、セパレータ入口10(ガス入口i)に入り込む状態で支持されることにより構成されている。複数の羽板33は例えば左が下となる左右方向に傾斜されており、従って、羽板33どうしの間の傾斜開口部34の向き(傾斜の向き)は、気筒直列方向(前後方向)と交差する方向(左右方向)とされている。
例えば、オイルセパレータSのハウジング35が合成樹脂材の型成形(射出形成やブロー成形も可能)で形成されており、その型成形時に複数の羽板33も形成することができる。また、図示は省略するが、矩形開口のセパレータ入口10に、別部品のルーバーを埋め込むように装備してもよい。なお、ヘッドカバー5内部のブローバイガス通路WにおけるオイルセパレータSの内部空間部分としてのガス入口iがセパレータ入口10である。また、オイルセパレータSのセパレータ出口11の下方に、コイルスプリング利用のリリーフバルブ(図示省略)を設置するための開口(符記省略)を設けてもよい〔図1(A)を参照〕。
下向きに開口するセパレータ入口10(ガス入口i)は、その下に動弁機構38があるので、飛散オイルがセパレータ入口10から吸込まれやすい位置関係にある。しかしながら、本発明では、ルーバー32でなるオイル吸込み規制機構Cがセパレータ入口10に設けられているので、動弁機構38によってオイルが飛散されても、複数の羽板33によって撥ね返され、オイル持ち去りが格段に減少されるようになる。
そして、ブローバイガスgは、複数の傾斜開口部34からオイルセパレータS内に入るので、円滑にブローバイガス通路Wを進んでいくことができる。その結果、動弁機構38の上側にガス入口iを有しながらも、そのガス入口iからのオイル吸込みが抑制されるようになる。従って、ヘッドカバー5に内蔵されたオイルセパレータS内のブローバイガス通路Wにより、良好にオイルの分離作用が機能するブローバイガス還流装置Bが構成されている。
図4~図6に示されるように、ガス入口i(セパレータ入口10)の下方に、ガス入口iに向かうブローバイガスgの流れを迷路状態とするラビリンス具51が設けられている。ラビリンス具51は、ガス入口iの下方に横臥姿勢で配置されるカバー板52を有して構成されており、カバー板52は、前後方向視でガス入口iを上回る大きさのものに設定されている。
カバー板52は、複数のステー53により、ガス入口iから少し下方となる高さ位置においてオイルセパレータSに支持されている。ステー53は棒状であり、ガス入口iを持つセパレータ底面54とカバー板52との上下空間は、前後左右に十分開いている。
カバー板52が無い状態では、ブローバイガスgは広い開口のガス入口iからすんなりオイルセパレータS内に進入できるが、カバー板52が邪魔板となる本発明のものでは、図6に示されるように、ブローバイガスgは前後左右の横方向から大きく迂回しながらガス入口iに進むことになる。
従って、慣性質量の重いオイル成分は、横方向から進んできても曲がりきれず、ガス入口iに入りことなく直進してしまう。しかしながら、慣性質量の少ないブローバイガス(気体成分)gは、カバー板52があっても円滑に曲がりながら進み、良好にガス入口i(セパレータ入口10)からオイルセパレータS内に入ることができる。なお、カバー板52が無いオイルセパレータSでもよい。
図1(A)、図5、図6に示されるように、オイルセパレータSの下方突出したオイル落し部12は、最も下方突出する下突出部12Aと、最も下方突出量が少なくて横(左)に張り出た上突出部12Cと、これら両者12A,12Cの中間の中間突出部12Bとを有しており、下突出部12Aには下端開口12aが形成されている。オイル落し部12は、ヘッドカバー5の内側に設けられている動弁機構38どうしの間の隙間部分39に向けて突設されており、動弁機構38の形状に合せて上中下の各突出部12A,12B,12Cが形成されている。
図5~図7に示されるように、捕捉されたオイルを排出するオイル落し部12の下端に、オイルの下方移動は許容し、かつ、上方移動は阻止する逆止弁Vが設けられている。逆止弁Vは、オイル落し部12の底壁25に流路26及び弁装着用孔12aが形成されるとともに、底壁25の下面25aを座面とするアンブレラ弁13で構成されている。
アンブレラ弁13は、傘部分13Aと、支軸部分13Bと、誘導突起13Cとを備えている。傘部分13Aは下面25aに当接される箇所であり、支軸部分13Bは、傘部分13Aから上方に延びて弁装着用孔12aに差し込まれる箇所である。誘導突起13Cは、オイル落し部12の下方に形成されるオイル溜り部27に達するように傘部分13Aから下方に延びている箇所である。オイル溜り部27は、ヘッドカバー5内においてシリンダヘッド2の上面2aを底として溜まっているオイルであり、そのオイル油面27aより下方に誘導突起13Cの下端が位置する構成である。
図7(A),(B)に示されるように、支軸部分13Bにはフック部13bが形成されており、フック部13bを弁装着用孔12aに弾性縮径変形させて通過させることで、フック部13bと傘部分13Aとが支軸部分13Bと弁装着用孔12aとの嵌合部に対する上下の引っ掛かり部となり、アンブレラ弁13は底壁25に安定状態で装着されている。
底壁25の流路26は、弁装着用孔12aの周りの4箇所に形成された円弧状の孔であり、上下方向視において傘部分13Aで覆われる大きさに設定されている。弁装着用孔12aを用いて底壁25にアンブレラ弁13が装着された組付け時では、4つの流路26は傘部分13Aでシールされており、オイル落し部12の内部スペース28にある程度オイルが溜まってくると、流路26から作用するオイルの重さによって傘部分13Aが下方移動し、下面25aとの間から染み出て行く。
アンブレラ弁13には、下端がオイル油面27aより下に位置する誘導突起13Cが設けられているので、表面張力によって粘性流体であるオイルを移動させることができる。従って、内部スペース28に殆どオイルが溜まっていなくても、傘部分13Aと下面25aとの間をオイルが毛細管現象により移動でき、いわゆる閉弁状態であってもオイルセパレータSで捕捉されたオイルをオイル落し部12から下方排出させることが可能になっている。つまり、誘導突起13Cによって排出孔である流路26の表面張力が決壊され、一般的なアンブレラ弁に比べてオイル排出がよりスムーズに行われるようになっている。
ヘッドカバー5内の余剰空間部を上手く利用してオイルセパレータSをコンパクトに内蔵してあることにより、オイルセパレータSで捕捉されたオイルを極力低い位置(アンブレラ弁13)からエンジン内に戻せるように構成されている。従って、アンブレラ弁13から出たオイルが飛散することや、動弁機構38による飛散オイルが流路26からオイル落し部12の内部スペース28へ逆流することが防止される利点がある。
ヘッドカバー5にボルト40により着脱可能に内蔵されるオイルセパレータSは、ヘッドカバー5におけるエンジン冷却ファン1の配置側(前側)に寄せて内蔵されており、セパレータ入口10は、オイルセパレータSにおけるエンジン冷却ファン1の配置側(前側)の端部に形成されている。
以上説明したように、ブローバイガス還流装置Bにおいては、ヘッドカバー5内に形成されるブローバイガス通路Wに、ブローバイガスgからオイルを捕捉して除去するオイルセパレータSが取付けられ、ヘッドカバー5のガス出口部8のガス入口開口14にセパレータ出口11が重ねられている。そうすることで、オイルセパレータSをヘッドカバー5の内部に3本のボルト40で組付けるだけでよく、組付け性及び搭載性に優れている。
つまり、ヘッドカバー5にオイルセパレータSを内蔵(収容)してあるので、ヘッドカバー外に専用部品としてオイルセパレータを配置する構成(従来の構造)に比べて、エンジン全体としての嵩を小さくすることが可能である。加えて、ヘッドカバーからオイルセパレータへのブローバイガスの外部配管が省略できるので、寒冷時などにおいてブローバイガス中の水分が外部配管にて凍結するおそれが回避される利点がある。
本発明によるブローバイガス還流装置Bにより、次の(1)~(4)の作用効果も得られる。
(1)オイルセパレータSをボックス形状として、ヘッドカバー5の内部に隙間を伴って収容してあるから、外気温が直接にオイルセパレータSに及ぶことがなく、寒冷時でも冷え難いが得られる。
(2)従来では、ヘッドカバーから外装オイルセパレータへの外部配管が必要であったが、本発明ではその外部配管を省略することができる。
(3)オイルセパレータSがヘッドカバー5に内蔵されているので、エンジンとしての外観に現れる部分で、部品を組付けることがなく、組付け性がよい。
(4)オイル落し部12の下端に逆止弁V(アンブレラ弁13)が装備されているので、オイルセパレータSから排出されたオイルや動弁機構38などによって飛散されたオイルが、オイル落し部12内へ逆流することがなく、より円滑なオイル排出が行える。
〔別実施形態〕
オイル落し部12に装備される逆止弁Vは、アンブレラ弁13のほか、ボール式やポペット式など、他の構造のものでもよい。
5 ヘッドカバー
8 ガス出口部
10 セパレータ入口
11 セパレータ出口
12 オイル落し部
12a 弁装着用孔
13 アンブレラ弁
13A 傘部分
13B 支軸部分
13C 誘導突起
14 ヘッドカバー内部側開口
25 底壁
25a 下面(座面)
26 流路
27 オイル溜り部
36 フィルタ
38 動弁機構
39 隙間部分
A 吸気通路
S オイルセパレータ
V 逆止弁

Claims (5)

  1. クランクケースからのブローバイガスをヘッドカバーの内部を通して吸気通路に導くように構成され、
    ブローバイガスからオイルを捕捉して除去するオイルセパレータが前記ヘッドカバーの内部に取付けられ、
    捕捉されたオイルを排出するオイル落し部が前記オイルセパレータから下方に突設されるとともに、前記オイル落し部の下端に、オイルの下方移動は許容し、かつ、上方移動は阻止する逆止弁が設けられ
    前記逆止弁は、前記オイル落し部の底壁に流路及び弁装着用孔が形成されるとともに、前記底壁の下面を座面とするアンブレラ弁で構成され、
    前記アンブレラ弁は、前記下面に当接される傘部分と、前記傘部分から上方に延びて前記弁装着用孔に差し込まれる支軸部分とを備えるとともに、前記傘部分から下方に延びて前記オイル落とし部の下方に形成されるオイル溜り部に達する誘導突起を備えているブローバイガス還流装置。
  2. 前記オイル落し部は、前記ヘッドカバーの内側に設けられている動弁機構の隙間部分に向けて突設されている請求項1に記載のブローバイガス還流装置。
  3. 前記オイルセパレータは、ブローバイガスを導入するセパレータ入口と、フィルタと、前記オイル落し部と、ブローバイガスを排出するセパレータ出口とを備えている請求項1又は2に記載のブローバイガス還流装置。
  4. 前記ヘッドカバーに前記ブローバイガスの出口であるガス出口部が形成され、前記ガス出口部のヘッドカバー内部側開口に前記オイルセパレータのセパレータ出口が重ねられている請求項1~3の何れか一項に記載のブローバイガス還流装置。
  5. 前記オイルセパレータは、前記ヘッドカバーに着脱可能にボルト止めされている請求項1~4の何れか一項に記載のブローバイガス還流装置。
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