JP7148350B2 - 全芳香族ポリアミド異形断面繊維束 - Google Patents

全芳香族ポリアミド異形断面繊維束 Download PDF

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Description

本発明は、全芳香族ポリアミド異形断面繊維束に関するものであり、さらに詳しくは、繊維軸に直行する横断面に3個の凸部を有する単繊維と、繊維軸に直行する横断面に4個の凸部を有する単繊維とを繊維束中に混在させることにより、単繊維の繊度が小さくても高い強力を有し、布帛とした場合に高密度にすることが可能な全芳香族ポリアミド異形断面繊維束に関するものである。
防護衣料用途で使用する布帛は、高密度な布帛とすることで中綿の吹き出しを防いでいる。しかし、布帛を高密度にすると布帛が硬くなり、応力に対して自由に変形できず、防護衣料において重要な特性の一つである引裂き強力が低下する傾向にある。引裂き強力を上げるには単繊維繊度を大きくして単繊維の強力を向上させることが考えられるが、そうすると布帛の重量が重くなる上に生地が厚くなり、着用者がスムーズに動けなくなるため好ましくない。
これらの背景から、布帛の高密度化が可能であり、高い単繊維強力を持つ繊維が求められている。高密度の布帛の引裂き強力を向上させるだけであれば、特許文献1に示すように、布帛表面にポリオレフィンを塗布することで単糸間の滑りを良化し、布帛としての引裂き強力を高める手法が知られている。しかし、ポリオレフィンの融点は高々150℃程度であり、高耐熱性が求められる防護衣料の分野では適用できないという問題がある。
特開2014-214388号公報
本発明の課題は、かかる従来技術における問題点を解消し、単繊維の繊度が小さくても高い強力を有し、布帛とした場合に高密度にすることが可能な断面形状を持つ、高い耐熱性を有する防護衣料用の布帛を製造するのに好適な全芳香族ポリアミド異形断面繊維束を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討をおこなった結果、互いに異なる特定の断面形状を持つ単繊維を繊維束中に混在させ、しかも該単繊維の繊度が特定の範囲にある全芳香族ポリアミド異形断面繊維束を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、
1.繊維軸に直行する横断面に3個の凸部を有する単繊維(A)と、繊維軸に直行する横断面に4個の凸部を有する単繊維(B)とが、全単繊維本数に対して35%以上含まれる繊維束であって、単繊維(A)と単繊維(B)との本数の比が1:3から1:1の範囲であり、且つ単繊維(A)と単繊維(B)の単繊維繊度が0.8~6.0dtexであることを特徴とする全芳香族ポリアミド異形断面繊維束が提供される。
そして、
2.単繊維(A)と単繊維(B)とが繊維軸に直行する横断面に凹部を有し、該凹部の凹度が0.27以下である上記1に記載の全芳香族ポリアミド異形断面繊維束であることが好ましく、また、
3.繊維束のバンドル強度が10cN/dtex以上である上記1又は2に記載の全芳香族ポリアミド異形断面繊維束であることが好ましい。
本発明によれば、単繊維の繊度が小さくても高い強力を有し、布帛とした場合に高密度にすることが可能な断面形状を持つ全芳香族ポリアミド異形断面繊維束が得られる。即ち、布帛の密度と繊維束の空隙率との間には密接な関係があり、空隙率が小さいほど布帛の密度が高くなる。高密度な布帛を作製する場合の繊維束の空隙率としては、15%以下とすることが好ましいといわれており、当該繊維を用いることで、軽量・薄地でありながら引裂き強力に優れ、通気度が低く、更に高い耐熱性を保有する布帛が得られるので、防護衣料用の布帛を製造するのに好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細を説明する。
[パラアラミド]
本発明で使用するパラアラミドは、1種または2種以上の2価の芳香族基がアミド結合により直接連結したポリマーである。また、芳香族基には、2個の芳香環が酸素、硫黄、またはアルキレン基を介して結合されたもの、あるいは2個以上の芳香環が直接結合したものを含む。これらの芳香族基には、メチル基、エチル基などの低級アルキル基、メトキシ基、シアノ基、スルホキシ基、ハロゲン基などが含まれていてもよい。
[パラアラミドの製造方法]
本発明におけるパラアラミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分と芳香族ジアミン成分とを低温溶液重合、または界面重合などによって反応することで得られる。
[パラアラミドの原料]
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
パラアラミドの製造において使用される芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分としては、特に限定されるものではない。例えばテレフタル酸ジクロライドや、テレフタル酸ジクロライド中の芳香環の水素がスルホキシ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン基などで置換された化合物を用いてもよい。
(芳香族ジアミン成分)
パラアラミドの製造において使用される芳香族ジアミン成分としては、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。例えば、p-フェニレンジアミン、p-クロル-p-フェニレンジアミン、2,5-ジクロル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジクロル-pフェニレンジアミン、3,4‘-ジアミノジフェニルエーテル、4,4-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4‘-ジアミノジフェニルスルホン、3,3-ジアミノジフェニルスルホンなどが使用できる。これらは、1種類でなく2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。なお、本発明においてm-フェニレンジアミン等、パラ位以外の結合を形成する成分を少量用いてもよい。
高温熱延伸における安定性の観点から、p-フェニレンジアミンを単独で使用、あるいは併用することが好ましく、p-フェニレンジアミンと3,4-ジアミノジフェニルエーテルとの組合せが最も好ましい。パラフェニレンジアミンと3,4-ジアミノジフェニルエーテルとを組み合わせて用いる場合には、その組成比は特に限定されるものではないが、全芳香族ジアミン成分に対して、それぞれ30~70モル%、70~30モル%とするのが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ40~60モル%、60~40モル%とするのが好ましく、それぞれ45~55モル%、55~45モル%とするのが最も好ましい。本発明に用いられるパラアラミドは、前記化学構造式(1)の構造反復単位が合計に対して30モル%以上が好ましく、さらに好ましくは40モル%以上、最も好ましくは50モル%の範囲である。
[重合溶媒]
パラアラミドを重合するための溶媒には、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタムなどの有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどの水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトンなどの水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの水溶性ニトリル化合物を用いることができる。これらは、1種単独の単一溶媒としても、2種類以上の混合溶媒としても用いることができる。
本発明におけるパラアラミドの製造においては、汎用性、有害性、取扱い性、パラアラミドに対する溶解性の観点から、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を用いることが最も好ましい。
[重合条件]
生成するパラアラミドの溶解性を高めるため、重合中、途中または終了時のいずれかの時点で一般に公知の無機塩を添加しても差し支えない。使用できる無機塩としては、例えば塩化リチウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
また、パラアラミドの末端基は封止することができる。末端封止剤を用いて末端を封止する場合には、フタル酸クロライドおよびその置換体、アニリンおよびその置換体などを末端封止剤として用いることができる。
また、生成する塩化水素などの酸を補足するために、脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩などを併用することができる。反応終了後は、必要に応じて塩基性の無機化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウムなどを添加し、中和を実施してもよい。
[パラアラミド繊維の製造方法]
本発明のパラアラミド異形断面繊維を製造するにあたり、湿式紡糸法または半乾半湿式紡糸法を採用し、溶媒を含む均一な紡糸溶液(ドープ)を用いて、湿式紡糸法またはエアギャップを設けた半乾湿式紡糸法によって繊維を成形する。まず、上記で得られたドープを吐出孔から吐出し、続いて凝固浴中の凝固液に浸漬して凝固糸を形成する。
本発明においては、凝固糸を形成する際、繊維軸に直行する横断面に3個の凸部を有する単繊維(A)と、繊維軸に直行する横断面に4個の凸部を有する単繊維(B)とが、繊維束を構成する全単繊維本数に対して35重量%以上含まれるよう紡糸を行うことが必要である。単繊維(A)や単繊維(B)の含有比率が35重量%未満の場合は、布帛とした場合に高密度にすることが困難になる。
ここで、繊維軸に直行する横断面に3個の凸部を有する単繊維(A)や、繊維軸に直行する横断面に4個の凸部を有する単繊維(B)を製造する方法は特に限定されるものではないが、例えば、吐出孔の形状をY字形状や十字形状、或いは十字形状の1辺のみが他の辺よりも短い、変形十字形状とすることで、吐出後の凝固糸の断面形状を上記のものとすることができる。
尚、上記単繊維(A)と単繊維(B)との本数の比は、1:3から1:1の範囲であることが必要である。該比率が上記範囲を外れる場合は、単繊維の強力が低下したり、布帛とした場合に高密度にすることが困難となる。
単繊維(A)と単繊維(B)との本数の比を1:3から1:1の範囲とするには、例えば、上述の、Y字形状の吐出孔の数と、十字形状の吐出孔の数を1:3から1:1の範囲とする方法などが例示される。
尚、半乾湿式紡糸法におけるエアギャップ中では、吐出時に形成された単繊維の断面形状が丸型に近づいてしまう。そのため、異形度を保つという観点ではエアギャップの長さは短い方が好ましい。しかし、エアギャップが短すぎると凝固液面と口金の吐出面が接触してしまい、吐出不良となる。これらの兼合いから、エアギャップの長さは5~30mmが好ましく、より好ましくは10~20mmである。
ドープが着液し、溶媒が抜ける過程においても、吐出したドープの断面形状は異形断面から丸型へと近づく。ドープから溶媒を急速に抜くことで、凝固したポリマー糸条の断面は異型断面が保持される。一方で、ドープの溶媒が急速に抜け出すとパラアラミド繊維に欠陥が生成して延伸糸の強度が低下するため、通常は貧溶媒と良溶媒の比率を調整して凝固速度を適正に保って凝固糸を得る。貧溶媒としては水、良溶媒としてはパラアラミドドープ用の溶媒を用いることが好ましい。良溶媒/貧溶媒の比率はパラアラミドの溶解性や凝固性にもよるが、15/85~40/60の範囲とすることが好ましい。
凝固液から凝固糸条を引き上げた後は、公知の方法によって、最終的なパラアラミド繊維を得ることができる。例えば、水洗工程を実施して形成された未延伸糸から溶媒を除去し、乾燥工程などを経た後に必要に応じて延伸することで分子鎖を配向させ、最終的な繊維を得る。
本発明の繊維は、延伸配向されていることが好ましい。延伸の方法としては特に限定されるものではなく、凝固糸状態での水洗延伸、沸水延伸のみならず、乾燥糸状態での加熱延伸など、いずれでもよい。また、延伸倍率については特に限定しないが、5倍以上であることが好ましく、8倍以上であることがさらに好ましい。延伸倍率を制御することで、得られるパラアラミド繊維の伸度および強度を制御できる。
延伸温度はパラアラミドのガラス転移温度+100℃以下の温度で実施することが好ましい。
[単繊維繊度]
上記方法により得られた全芳香族ポリアミド繊維の単糸繊度は0.8~6.0dtexの範囲である。単繊維繊度が0.8dtexより小さいと、製造工程で毛羽や断糸が発生するため良好な品位の繊維を安定して生産することが困難となる。また、単繊維繊度が6.0dtexより大きいと、太くて剛直性が高い繊維となるため布帛とした際に柔軟性が低下する上、布帛を薄くできないため好ましくない。
[バンドル強度]
また、上記方法により得られた全芳香族ポリアミド繊維のバンドル強度は、好ましくは10.0cN/dtex以上であり、さらに好ましくは15.0cN/dtex以上である。
[凹度]
さらに、上記方法により得られた全芳香族ポリアミド繊維は、繊維軸に直行する横断面に凹部を有していても良く、該凹部の凹度は0.27以下であることが好ましい。
以下、実施例および比較例により、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例及び比較例に制限されるものではない。
(1)ポリマー溶液(ドープ)の作成方法
窒素を内部にフローしている錨形攪拌翼を有する混合槽に水分率約20ppmのN―メチル―2―ピロリドン(以降NMPと称す)205リットルを投入し、パラフェニレンジアミン2764gと3,4′―ジアミノジフェニルエーテル5114gとを精秤して投入し溶解させた。このジアミン溶液に温度30℃、攪拌回転数64回/分の状態においてテレフタル酸クロライド10320gを精秤して投入した。溶液の温度が反応熱によって53℃まで上昇したのち60分間加熱して85℃とした。85℃でさらに15分間攪拌を続けて溶液の粘度上昇が終了したことをもって重合反応終了とした。この後水酸化カルシウム22.5重量%を含むNMPにスラリー16kgを投入し、20分間攪拌を続けてpH5.4としたドープを目開き20ミクロンのフィルターで濾過してポリマー濃度6重量%のポリマー溶液(以降ドープと称す)を調製した。
実施例中の物性の評価方法およびサンプルの作製方法を以下に示す。
(2)単繊維繊度
得られた繊維束を、検尺機を用いて100m採取し、その質量を測定した。得られた値を100倍した。測定は2回行い、その平均値を繊維束の繊度とした。単繊維繊度は繊維束の繊度をフィラメント数で除して得た。
(3)バンドル強度
引張試験機(INSTRON社製、「INSTRON」、型式:5565型)により、糸試験用チャックを用いて、ASTM D885の手順に基づき、以下の条件で測定した強力を繊維束の繊度で除して、これをバンドル強度とした。
[測定条件] 温度:室温、試験長:75mm、引張速度:250mm/分、チャック間距離:500mm
(4)繊維の断面形状
得られた繊維束の断面画像をマイクロスコープ(キーエンス社製、「デジタルマイクロスコープ VHX-2000」)で撮影し、その画像から断面形状を観察し、繊維軸に直行する横断面に3個の凸部を有する単繊維(A)、繊維軸に直行する横断面に4個の凸部を有する単繊維(B)、及びそれ以外の形状を有する単繊維の数を測定した。
(5)単繊維の凹度
得られた繊維束の断面画像をマイクロスコープ(キーエンス社製、「デジタルマイクロスコープ VHX-2000」)で撮影し、撮影した断面に存在する隣り合う2つの凸部に接線を引き、その接線S1とS2との接線の長さに対する、接線の中点から下ろした垂線と凹部との接点の距離bの比として凹度を算出した。すなわち、(凹度)=b/aとした。測定は単糸1本の凹部すべてに対して実施し、算出した凹度のうち最大の値をその単糸の凹度とした。繊維束中の単糸5本に対して凹度を算出し、その平均を繊維束の凹度とした。
(6)工程安定性
紡糸プロセスにて紡糸条件を設定し連続捲取可能時間を測定した。10分以内に断糸が発生した場合は工程安定性×、10分より長く30分以下の時間で断糸が発生した場合は工程安定性△、30分よりも長い時間捲取が可能であった場合は工程安定性○とした。
(7)空隙率
得られた繊維束の断面画像をマイクロスコープ(キーエンス社製、「デジタルマイクロスコープ VHX-2999」)で撮影し、撮影した断面に対して、繊維と空隙との境目で選択し、繊維断面に該当する面積の総面積Xおよび空隙に該当する面積Yをそれぞれ算出した。算出したXおよびYについて、YをXとYの和で除した値の百分率を算出し、この値を空隙率とした。すなわち、(空隙率)=100×Y/(X+Y)とした。
[比較例1]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の横断面形状が円形の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド繊維を得た。
このとき、口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単繊維繊度を0.8dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度及び空隙率を表1に示す。得られた繊維束における単繊維の断面形状はすべて円形であり、布帛にした場合に高密度とするのに適した断面形状とはならなかった。
[実施例1]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の横断面形状がY字形状が12個、十字形状が36個の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得た。
このとき、口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単繊維繊度を0.8dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度及び空隙率を表1に示す。得られた繊維束における単繊維の繊維軸に直行する横断面は、3個の凸部を有する単繊維と4個の凸部を有する単繊維とが1:3の比率で混在しており、布帛にした場合に高密度とするのに適した断面形状となった。また、バンドル強度も15cN/dtexと高く、耐熱性も良好であった。
[実施例2]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の横断面形状がY字形状が24個、十字形状が24個の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得た。
このとき、口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単繊維繊度を2.2dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度及び空隙率を表1に示す。得られた繊維束における単繊維の繊維軸に直行する横断面は、3個の凸部を有する単繊維と4個の凸部を有する単繊維とが1:1の比率で混在しており、布帛にした場合に高密度とするのに適した断面形状となった。また、バンドル強度も15cN/dtexと高く、耐熱性も良好であった。
[比較例2]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の横断面形状が円形が32個、Y字形状が4個、十字形状が12個の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得た。
このとき、口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単糸繊度を6.0dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度及び空隙率を表1に示す。得られた繊維束における単繊維の繊維軸に直行する横断面は、円形の形状を有する単繊維が繊維束を構成する全単繊維の67%を占めており、布帛にした場合に高密度とするのに適した断面形状とはならなかった。
[比較例3]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の横断面形状がY字形状が8個、十字形状が40個の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得た。
このとき、口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単繊維繊度を0.8dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度及び空隙率を表1に示す。得られた繊維束における単繊維の繊維軸に直行する横断面は、3個の凸部を有する単繊維と4個の凸部を有する単繊維とが1:5の比率で混在しており、布帛にした場合に高密度とするのに適した断面形状とはならなかった。
[実施例3]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の横断面形状が十字形状の1辺のみが他の辺の1/3の長さである、変形十字形状が48個の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得た。
このとき、口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単繊維繊度を2.2dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度及び空隙率を表1に示す。得られた繊維束における単繊維の繊維軸に直行する横断面は、3個の凸部を有する単繊維と4個の凸部を有する単繊維とが1:2の比率で混在しており、布帛にした場合に高密度とするのに適した断面形状となった。また、バンドル強度も15cN/dtexと高く、耐熱性も良好であった。
[比較例4]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の横断面形状がY字形状が16個、十字形状が32個の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得た。
このとき、口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単繊維繊度を7.0dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度及び空隙率を表1に示す。得られた繊維束における単繊維の繊維軸に直行する横断面は、3個の凸部を有する単繊維と4個の凸部を有する単繊維とが1:2の比率で混在しており、布帛にした場合に高密度とするのに適した断面形状となったが、単糸繊度が大きいため布帛とした場合に薄地にするには適さない繊維束となった。
[比較例5]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の横断面形状がY字形状が16個、十字形状が32個の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得た。
このとき、口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単繊維繊度を0.7dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度及び空隙率を表1に示す。得られた繊維束における単繊維の繊維軸に直行する横断面は、3個の凸部を有する単繊維と4個の凸部を有する単繊維とが1:2の比率で混在しており、布帛にした場合に高密度とするのに適した断面形状となったが、単糸繊度が小さいため製造工程で毛羽や断糸が発生するため良好な品位の繊維を安定して生産することが困難であった。
[実施例4]
上述の、ポリマー濃度6重量%のポリマー溶液を、吐出孔の数が48個で、吐出孔の断面形状がY字形状が12個、十字形状が36個の口金より吐出し、10mmのエアギャップを介してNMP濃度30%の水溶液中で凝固させた後、水洗、乾燥を経て温度530℃で約10倍に延伸することで、全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得た。
このとき、吐出孔の断面形状であるY字形状および十字形状の異形度を大きくした口金を用い、吐出時のドープの異形度を大きくすることで、得られる延伸糸の凹度の値をより大きくした。口金から吐出するポリマー量および延伸倍率を調整することで、単繊維繊度を0.8dtexに揃えた。得られた全芳香族ポリアミド異形断面繊維の単繊維繊度、バンドル強度および空隙率を表1に示す。得られた繊維束における短繊維の繊維軸に直行する横断面は3個の凸部を有する単繊維と4個の凸部を有する単繊維とが1:2の比率で混在しており、布帛にした場合に高密度とすることが可能な断面形状となった。但し、バンドル強度は若干低下し13cN/dtexとなった。また凹度が0.28と大きくなった結果、短繊維同士の間の空隙が大きくなって空隙率が増大し16%となった。
Figure 0007148350000001

Claims (2)

  1. 繊維軸に直行する横断面に3個の凸部を有する単繊維(A)と、繊維軸に直行する横断面に4個の凸部を有する単繊維(B)とが、全単繊維本数に対して35%以上含まれる繊維束であって、単繊維(A)と単繊維(B)との本数の比が1:3から1:1の範囲であり、且つ単繊維(A)と単繊維(B)の単繊維繊度が0.8~6.0dtexであることを特徴とする全芳香族ポリアミド異形断面繊維束。
  2. 繊維束のバンドル強度が10cN/dtex以上である請求項1に記載の全芳香族ポリアミド異形断面繊維束
JP2018190063A 2018-10-05 2018-10-05 全芳香族ポリアミド異形断面繊維束 Active JP7148350B2 (ja)

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