JP7147662B2 - 汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化方法及び浄化設備 - Google Patents
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Description
かかる掘削ずりには、自然由来または人工的な汚染物質である有害金属やその化合物等が含まれることがあるため、これらの有害金属等を除去して第二溶出基準を満足しないと最終処分場へ搬入することができない。
また、工場の跡地等にも、有害金属等が土壌に含まれるために、汚染土壌から有害金属等を除去して、第二溶出基準を満足させる必要がある。
しかし、上記汚染土壌の処理方法は、高コスト及び高エネルギーを要する。
また、セメントや消石灰を使用した汚染土壌の処理方法は、セメントや消石灰はアルカリ性であるため、処理土壌がアルカリ性となってしまい、再利用が困難である。
特に、汚染物質を多く含む細かい粒径の汚染土壌等から有効に汚染物質を除去し、汚染土壌等全量の再利用可能な汚染土壌等の浄化方法を提供することである。
汚染土壌、焼却灰又は汚泥と、吸着材と凝集剤を含む吸着添加剤と、pH調整剤と水とを混合して、汚染物質を吸着材に吸着させ、pHを5.8~8.6に調整するとともに、固形分を凝集沈殿させる混合・凝集沈殿工程、
凝集沈殿した含水固形分と液分とを分離し、当該含水固形分を脱水して脱水ケーキを得る固液分離工程、
前記脱水ケーキを、複数の用途に利用できるように分級する分級工程、及び、
前記固液分離工程からの液分を混合・凝集沈殿工程に還流する還流工程を有することを特徴とする、汚染土壌等の浄化方法である。
汚染土壌、焼却灰又は汚泥と、吸着材と凝集剤を含む吸着添加剤と、pH調整剤と水とを混合して、汚染物質を吸着材に吸着させ、pHを5.8~8.6に調整するとともに、固形分を凝集沈殿させる混合・凝集沈殿装置、
凝集沈殿した含水固形分と液分とを分離し、含水固形分を脱水して脱水ケーキを得る固液分離装置、
前記脱水ケーキを、複数の用途に利用できるように分級する分級装置、及び、
前記固液分離装置からの液分を混合・凝集沈殿装置に還流する第一還流装置を備えることを特徴とする、汚染土壌等の浄化設備である。
(6)より好ましくは、上記(4)又は(5)の汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化設備において、前記吸着材は平均粒径が3~100μmの粉末形態であってドロマイト系化合物及び酸性硫酸塩を含有し、ドロマイト系化合物はCaMg(CO 3 ) 2 、MgO、CaCO 3 を含み、ドロマイト系化合物及び酸性硫酸塩の合量中、酸性硫酸塩は1~23質量%の割合で含有され、吸着材中にMgOを14~25質量%含むことを特徴とする、汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化設備である。
また、上記本発明の汚染土壌等の浄化設備は、重金属のような有害金属、ハロゲン、土壌汚染対策法に規定される第2種特定有害物質に含まれるホウ素や、これらの化合物等の汚染物質で汚染された汚染土壌等の浄化方法を有効に実施することができるものである。
本発明の汚染土壌等の浄化方法は、
汚染土壌、焼却灰又は汚泥と、吸着材と凝集剤を含む吸着添加剤と、pH調整剤と水とを混合して、汚染物質を吸着材に吸着させ、pHを5.8~8.6に調整するとともに、固形分を凝集沈殿させる混合・凝集沈殿工程、
凝集沈殿した含水固形分と液分とを分離し、当該含水固形分を脱水して脱水ケーキを得る固液分離工程、
前記脱水ケーキを、複数の用途に利用できるように分級する分級工程、及び、
前記固液分離工程からの液分を混合・凝集沈殿工程に還流する還流工程を有する、汚染土壌等の浄化方法である。
汚染土壌、焼却灰又は汚泥と、吸着材と凝集剤を含む吸着添加剤と、pH調整剤と水とを混合して、汚染物質を吸着材に吸着させ、pHを5.8~8.6に調整するとともに、固形分を凝集沈殿させる混合・凝集沈殿装置、
凝集沈殿した含水固形分と液分とを分離し、含水固形分を脱水して脱水ケーキを得る固液分離装置、
前記脱水ケーキを、複数の用途に利用できるように分級する分級装置、及び、
前記固液分離装置からの液分を混合・凝集沈殿装置に還流する第一還流装置を備える、汚染土壌等の浄化設備である。
図1は、本発明の汚染土壌等の浄化設備1を模式的に示した図である。
本発明の汚染土壌等の浄化方法は、まず、重金属のような有害金属、ハロゲン、土壌汚染対策法に規定される第2種特定有害物質に含まれるホウ素や、これらの化合物等の汚染物質で汚染された汚染土壌等2に適用することが可能である。
ここで、汚染物質で汚染された汚染土壌等2の種類は特に限定されず、トンネル、ダム、造成などの建設・土木工事現場から発生する残土や、工場跡地等の掘削残土、発電所から産出される焼却灰や、下水汚泥等が該当する。
また、土壌の種類としても、岩、石、レキ、砂、シルト等が含まれ、特に限定されない。
かかる汚染土壌等2を、混合・凝集工程に課する前に、必要に応じて、汚染土壌等2の解砕工程を設けて、汚染土壌等2を解砕装置8に導入して解砕処理(解砕工程)してから上記混合・凝集装置3に導入して処理をすることが、岩や寸法の大きい石等である汚染土壌等2から汚染物質を効率よく除去することができるとともに、最終処分場で持ち込める第二溶出基準を満たす汚染処理土壌等を多く得ることができることから望ましい。また、解砕処理する際に、解砕処理の効率化から、例えば水のような解砕水を用いて解砕することがより好ましい。
好ましくは、当該吸着材は、粉末状であることが、洗浄水中に均一に広く分散されることができるため望ましい。また、洗浄水中の粉末形態とすることで汚染土壌等と速やかに反応することが可能であり、汚染物質を効率的に吸着して捕獲することができる。
かかる粉末の平均粒径は、好ましくは3~100μm、より好ましくは30~100μmであることが、洗浄水中への均一な分散性の点から望ましい。
当該成分を含有するドロマイト系化合物としては、例えば、MgO、CaCO3、CaMg(CO3)2を主成分とする半焼成ドロマイトが挙げられる。
前記ドロマイトは、市場で入手し得る任意のものを用いることができ、産地は問わない。
また、半焼成ドロマイトも市場で入手し得る任意の半焼成ドロマイトや、市場で入手し得る任意のドロマイトを焼成して得られた半焼成ドロマイトを用いることができ、産地や原料ドロマイトの組成等は問わない。半焼成ドロマイトは、分解反応が完全に完了するまでドロマイトを焼成して得られるものではなく、MgO、CaMg(CO3)2及びCaCO3を必須成分として含むものである。
半焼成ドロマイト中に含まれるCaMg(CO3)2相を定量して、上記範囲内のCaMg(CO3)2相残留量の半焼成ドロマイトを好適に用いることで、原料となるドロマイト鉱石の産地による組成の相違や、焼成温度等の焼成条件の設定などに関係なく、ドロマイトが最大に優れた汚染物質吸着性能を有することが可能となる。
好適には、ドロマイト系化合物は、ドロマイトを焼成した半焼成ドロマイト中のドロマイト相(CaMg(CO3)2相)の残留量を粉末X線回折によるリートベルト法により解析して、残留CaMg(CO3)2相の含有量xが、0.4≦x≦35.4(質量%)、好ましくは1.8≦x≦17.4(質量%)とすることで、特に好適に汚染物質を、より良好に捕獲することを実現することが可能となる。
ドロマイトを焼成する温度は、特に限定されず、通常ドロマイトを焼成して半焼成ドロマイトを製造する温度、例えば650~1000℃で焼成することができる。残留CaMg(CO3)2相の含有量が、0.4≦x≦35.4(質量%)となるように焼成すれば焼成時間も制限されるものではない。
かかる吸着材中のMgOは、含有されるドロマイト系化合物由来のものであり、具体的には、ドロマイトを焼成して得られた半焼成ドロマイト等由来のものであり、更に好ましくは半焼成ドロマイト由来のものである。
吸着材中のMgO含有量が14質量%未満では、鉛やフッ素等に対する吸着能力が低下する場合があったり、25質量%を超えると、MgOのpHがアルカリ性であるため、汚染物質を吸着したあとの雨水等の水のpHが10以上のアルカリ性を示すこととなり、望ましくない。
一例として21質量%のMgOを含有する半焼成ドロマイトを使用した場合においては、吸着材中の半焼成ドロマイト配合比を80~99質量%とすることにより、本発明に用いる吸着材中のMgOの含有量を14~25質量%とすることができるが、使用するドロマイト系材料に応じて、上記配合比率の制約を受けるものではない。
酸性硫酸塩としては、例えば、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム等が例示でき、好ましくは硫酸第一鉄を含有する。
酸性硫酸塩を含有することにより、硫酸第一鉄のようにその高い還元作用によって、砒素や六価クロム等の有害金属等に対して、より有効に捕獲することができるとともに、酸性であるため、他のドロマイト系化合物中の含有材料の配合比率を調整することで、当該吸着材を用いて得られる洗浄水を中性付近に保持することを可能とする。
凝集剤としては、特に限定されず、例えば、無機系凝集剤としては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸鉄または塩化鉄などの鉄含有化合物、あるいは生石灰または消石灰などのカルシウム含有化合物や、ポリ塩化アルミニウム、消石灰、塩化第二鉄などを例示することができる。一方、有機系凝集剤としては、ポリアクリルアミドなどのアニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等を例示することができる。
かかるpH調整剤としては、例えば、希硫酸や水酸化ナトリウム等の酸成分またはアルカリ成分を添加して、混合・凝集沈殿装置3内のpHを5.8~8.6の排水基準における中性範囲に調整する。
固液分離された液分は、例えば導管(第一還流装置)6にて上記混合・凝集沈殿装置3に還流されて(第一還流工程)、固液・凝集沈殿装置3において洗浄液分として再利用される。
また必要に応じて、上記混合・凝集沈殿工程の前に汚染土壌等2の解砕工程が設けられる場合には、当該液分は、例えば導管(第三還流装置)10にて解砕装置8に還流され(第三還流工程)、汚染土壌等を解砕する際に、好ましくは解砕工程にて添加することができる解砕水として再利用される。
次いで、当該脱水ケーキを分級装置5(例えば、5-1、5-2、5-3)に導入することによって分級する。
かかる分級工程における分級処理は、所望する土壌の用途に応じて、例えば、図1に示すように、段階的な複数の分級処理をすること、例えば一次分級処理5-1を行い、次いで二次分級処理5-2を行い、次いで三次分級処理5-3等を行うことにより、用途に応じて、処理土壌の粒度によって分別される。
これにより、処理土壌の粒度に応じた複数の用途に再利用することが可能となる。
再利用の用途としては、工作物の埋戻し材料、土木構造物の裏込材、道路盛土材料、河川築堤材料、宅地造成用材料、水面埋立用材料等、植生材料等が例示できる。
本発明によると、例えば汚染物質を多く含む粒径が小さい土壌や焼却灰等であっても、有効に汚染物質等を吸着捕獲することができるものである。
また、本発明においては、汚染物質を捕獲したキレート剤は、最終的に固液分離工程で産出される脱水ケーキ中にほぼ回収されるものである。
また、上記したように、汚染処理土壌を、分級することで複数の用途に利用することが可能となり、工作物の埋戻し材料、土木構造物の裏込材、道路盛土材料、河川築堤材料、宅地造成用材料、水面埋立用材料等として利用可能で、特に、本発明により0.075mm未満の汚染土壌等も最終処分場への持ち込みが可能となることから、汚染土壌等の全量の再利用が可能である。
特に、吸着材としてドロマイト系吸着材を用いた場合には、本発明の汚染処理を実施した処理土壌は中性であるため、植生等の土壌として再利用が可能である。
2・・・・汚染土壌等
3・・・・混合・凝集沈殿装置
4・・・・固液分離装置
5、5-1、5-2、5-3・・・・分級装置
6・・・・第一還流装置
7・・・・キレート処理装置
8・・・解砕装置
9・・・第二還流装置
10・・・第三還流装置
Claims (6)
- 汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化方法であって、
汚染土壌、焼却灰又は汚泥と、吸着材と凝集剤を含む吸着添加剤と、pH調整剤と水とを混合して、汚染物質を吸着材に吸着させ、pHを5.8~8.6に調整するとともに、固形分を凝集沈殿させる混合・凝集沈殿工程、
凝集沈殿した含水固形分と液分とを分離し、当該含水固形分を脱水して脱水ケーキを得る固液分離工程、
前記脱水ケーキを、複数の用途に利用できるように分級する分級工程、
前記固液分離工程からの液分を混合・凝集沈殿工程に還流する還流工程、及び、
前記混合・凝集沈殿工程における液分の一部を取り出してキレート剤と混合し、前記キレート剤混合液を前記混合・凝集沈殿工程に還流する工程
を有することを特徴とする、汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化方法。 - 請求項1記載の汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化方法において、混合・凝集沈殿工程の前に、更に汚染土壌、焼却灰又は汚泥を解砕する解砕工程を有することを特徴とする、汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化方法。
- 請求項1又は2記載の汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化方法において、前記吸着材は平均粒径が3~100μmの粉末形態であってドロマイト系化合物及び酸性硫酸塩を含有し、ドロマイト系化合物はCaMg(CO3)2、MgO、CaCO3を含み、ドロマイト系化合物及び酸性硫酸塩の合量中、酸性硫酸塩は1~23質量%の割合で含有され、吸着材中にMgOを14~25質量%含むことを特徴とする、汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化方法。
- 汚染土壌、焼却灰又は汚泥を浄化する設備であって、
汚染土壌、焼却灰又は汚泥と、吸着材と凝集剤を含む吸着添加剤と、pH調整剤と水とを混合して、汚染物質を吸着材に吸着させ、pHを5.8~8.6に調整するとともに、固形分を凝集沈殿させる混合・凝集沈殿装置、
凝集沈殿した含水固形分と液分とを分離し、含水固形分を脱水して脱水ケーキを得る固液分離装置、
前記脱水ケーキを、複数の用途に利用できるように分級する分級装置、
前記固液分離装置からの液分を混合・凝集沈殿装置に還流する第一還流装置、及び、
前記混合・凝集沈殿装置の液分の一部を取り出してキレート剤と混合するキレート処理装置と、キレート剤混合液を前記混合・凝集沈殿装置に導入するための第二還流装置とを備えることを特徴とする、汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化設備。 - 請求項4記載の浄化設備において、更に、汚染土壌、焼却灰又は汚泥を解砕する解砕装置を有することを特徴とする、汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化設備。
- 請求項4又は5記載の汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化設備において、前記吸着材は平均粒径が3~100μmの粉末形態であってドロマイト系化合物及び酸性硫酸塩を含有し、ドロマイト系化合物はCaMg(CO 3 ) 2 、MgO、CaCO 3 を含み、ドロマイト系化合物及び酸性硫酸塩の合量中、酸性硫酸塩は1~23質量%の割合で含有され、吸着材中にMgOを14~25質量%含むことを特徴とする、汚染土壌、焼却灰又は汚泥の浄化設備。
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JP2016140822A (ja) | 2015-02-02 | 2016-08-08 | 公信 山▲崎▼ | 汚染土壌浄化装置 |
JP2018149532A (ja) | 2017-03-14 | 2018-09-27 | 住友大阪セメント株式会社 | 重金属等汚染対策材及び前記汚染対策材を用いた重金属等汚染対策工法 |
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