JP7147606B2 - Manufacturing method of center electrode - Google Patents
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Description
本発明は、スパークプラグに用いられる中心電極の製造方法に関する。 The present invention relates to a method of manufacturing a center electrode used in spark plugs.
スパークプラグは、例えば自動車のエンジン等の内燃機関において、燃料に着火するための着火手段として用いられており、絶縁碍子に保持された中心電極と、中心電極から離隔して配置された接地電極とを有している。中心電極は、有底筒状を呈する外筒部と、外筒部よりも熱伝導性に優れ、外筒部の筒内に配置された芯部とを備えていることがある。 A spark plug is used as an ignition means for igniting fuel in an internal combustion engine such as an automobile engine. have. The center electrode may include an outer cylindrical portion having a cylindrical shape with a bottom, and a core portion that is superior in thermal conductivity to the outer cylindrical portion and disposed within the outer cylindrical portion.
特許文献1には、この種の中心電極の製造方法として、有底筒状の成形された金属製のカップに、カップよりも熱伝導率の高い金属製の芯材がカップの軸線方向に挿入された芯材挿入部材を用意する第1工程と、芯材挿入部材を成型して電極を形成する第2工程と、を有する製造方法が記載されている。第2工程では、具体的には、押出加工によって芯材挿入部材の径を縮小しつつ、所望の中心電極の形状に成形する加工が施される。
しかし、特許文献1に記載の製造方法では、第2工程において芯材挿入部材の径を縮小した後に、カップが変形してなる電極母材と芯材の先端との間に空隙が生じやすい。
However, in the manufacturing method described in
特に、近年では、自動車などの分野において、燃費向上ことを目的として内燃機関をより小型化することが求められている。かかる要求に対応するため、内燃機関に組み込まれるスパークプラグ、更にはスパークプラグの中心電極の外径をより細くすることが望まれている。このような状況においては、電極母材と芯材の先端との間に空隙がより生じやすくなっている。 In particular, in recent years, in the field of automobiles, etc., there has been a demand for further miniaturization of internal combustion engines for the purpose of improving fuel efficiency. In order to meet such demands, it is desired that the outer diameter of the spark plug incorporated in the internal combustion engine, and further the outer diameter of the center electrode of the spark plug be made thinner. Under such circumstances, a gap is more likely to occur between the electrode base material and the tip of the core material.
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、外筒部と芯部との間における隙間の形成を抑制できる中心電極の製造方法を提供しようとするものである。 SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to provide a method of manufacturing a center electrode that can suppress the formation of a gap between the outer cylindrical portion and the core portion.
本発明の一態様は、スパークプラグ(2)に用いられる中心電極(1)の製造方法であって、
第1の金属(M1)からなり有底筒状を呈する外筒部(11)と、ビッカース硬さがHV85以下である第2の金属(M2)からなり前記外筒部の筒内に接合された芯部(12)とを備えた接合体(100)を作製する接合体作製工程(S1)と、
前記接合体に塑性加工を施すことにより外径を縮小しつつ前記中心電極の形状に成形する成形工程(S2)と、を有し、
前記接合体作製工程において、前記第2の金属としての銅又は銅合金からなり、ビッカース硬さがHV85以下であり、平均結晶粒径が30μm以上である前記芯部を備えた前記接合体を作製する、中心電極の製造方法にある。
One aspect of the present invention is a method for manufacturing a center electrode (1) used in a spark plug (2), comprising:
An outer cylindrical portion (11) made of a first metal (M1) and having a cylindrical shape with a bottom and a second metal (M2) having a Vickers hardness of HV85 or less are joined to the inside of the outer cylindrical portion (11). a bonded body manufacturing step (S1) for manufacturing a bonded body (100) having a core (12) with a
a forming step (S2) in which the joined body is formed into the shape of the center electrode while reducing the outer diameter by performing plastic working on the joined body ;
In the bonded body manufacturing step, manufacturing the bonded body including the core portion made of copper or a copper alloy as the second metal, having a Vickers hardness of HV85 or less, and having an average crystal grain size of 30 μm or more. A method for manufacturing a center electrode.
前記中心電極の製造方法では、接合体作製工程において、外筒部の筒内に前記特定の範囲のビッカース硬さを有する芯部が接合された接合体を作製する。その後、成形工程において、前記接合体に塑性加工を施すことにより、前記接合体の外径を縮小しつつ所望の形状に成形する。 In the manufacturing method of the center electrode, in the bonded body manufacturing step, a bonded body is manufactured in which the core portion having the Vickers hardness within the specific range is bonded in the cylinder of the outer cylindrical portion. Thereafter, in the forming step, the joined body is formed into a desired shape while reducing the outer diameter thereof by plastic working the joined body.
このように、芯部のビッカース硬さが前記特定の範囲内である接合体を成形工程に供することにより、塑性加工中に、芯部を外筒部の変形に追従して容易に変形させることができる。その結果、成形工程における、芯部と外筒部との間への隙間の形成を抑制することができる。 In this way, by subjecting the joined body in which the Vickers hardness of the core is within the specific range to the molding process, the core can be easily deformed following the deformation of the outer cylinder during plastic working. can be done. As a result, it is possible to suppress the formation of a gap between the core portion and the outer cylindrical portion in the molding process.
以上のごとく、上記態様によれば、外筒部と芯部との間における隙間の形成を抑制できる中心電極の製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
As described above, according to the above aspect, it is possible to provide a method of manufacturing a center electrode that can suppress the formation of a gap between the outer cylindrical portion and the core portion.
It should be noted that the symbols in parentheses described in the claims and the means for solving the problems indicate the corresponding relationship with the specific means described in the embodiments described later, and limit the technical scope of the present invention. not a thing
(実施形態1)
前記中心電極の製造方法に係る実施形態について、図1~図2を参照して説明する。本形態の製造方法は、図1に示すように、第1の金属M1からなり有底筒状を呈する外筒部11と、ビッカース硬さがHV85以下である第2の金属M2からなり外筒部11の筒内に接合された芯部12とを備えた接合体100を作製する接合体作製工程S1と、
接合体100に塑性加工を施すことにより外径を縮小しつつ所望する中心電極1の形状に成形する成形工程S2と、を有している。本形態の製造方法により得られる中心電極1は、スパークプラグに用いられる。
(Embodiment 1)
An embodiment related to the method for manufacturing the center electrode will be described with reference to FIGS. 1 and 2. FIG. As shown in FIG. 1, the manufacturing method of the present embodiment comprises an
and a forming step S2 in which the
なお、前述したビッカース硬さの値は、JIS Z2244:2009の規定に従い、試験力を500N、規定の試験力に到達するまでの所要時間を15秒、保持時間を10秒とした条件で測定して得られる値である。また、ビッカース硬さの測定位置は、芯部12の中心軸上において、底面120、つまり、外筒部11の底に対面する面からの距離が0.5mmとなる位置である。
In addition, the Vickers hardness value described above was measured under the conditions of a test force of 500 N, a time required to reach the specified test force of 15 seconds, and a holding time of 10 seconds, in accordance with JIS Z2244:2009. is the value obtained by The Vickers hardness is measured at a position on the central axis of the
接合体作製工程S1においては、まず、外筒部11と、芯部12とを別々に準備する。図1に示すように、外筒部11は有底筒状を呈している。外筒部11は、例えば、第1の金属M1からなる金属塊に、押出や鍛造等の塑性加工や切削加工等を適宜組み合わせて行うことにより作製することができる。外径、内径及び肉厚等の外筒部11の寸法は、所望する中心電極1の形状及び成形工程S2における加工率などに応じて適宜設定することができる。
In the joined body manufacturing step S1, first, the outer
外筒部11を構成する第1の金属M1としては、例えば、ニッケル、ニッケル合金等を使用することができる。また、ニッケル合金としては、例えば、ニッケルクロム合金やニッケルマンガン合金等を使用することができる。スパークプラグにおける中心電極1の消耗をより効果的に抑制する観点からは、第1の金属M1は、ニッケルまたはニッケル合金であることが好ましい。
As the first metal M1 forming the outer
例えば、本形態の外筒部11は、ニッケルまたはニッケル合金から構成されており、一方の端面が閉鎖された円筒状を呈している。本形態の外筒部11の外径は11.1mmであり、軸方向の長さは3.28mmである。また、外筒部11における筒内空間の内径は3.28mmであり、深さは9.8mmである。
For example, the outer
本形態の芯部12は、柱状を呈し、外筒部11の筒内に配置される埋設部121と、埋設部121の一端に連なり、埋設部121よりも外径の大きい鍔部122と、を有している。芯部12は、例えば、第2の金属M2からなる金属塊に、押出や鍛造等の塑性加工や切削加工等を適宜組み合わせて行うことにより作製することができる。外径及び長さ等の芯部12の寸法は、所望する中心電極1の形状及び成形工程S2における加工率などに応じて適宜設定することができる。
The
芯部12は、第1の金属M1とは異なる第2の金属M2から構成されている。第2の金属M2としては、例えば、銅、銅合金等の金属を使用することができる。
The
第2の金属M2は、第1の金属M1よりも熱伝導率の高い金属であることが好ましい。この場合には、内燃機関の運転中に燃料の燃焼によって生じる熱を、中心電極1を介してエンジンブロック等の内燃機関の金属部分に効率よく伝えることができる。その結果、スパークプラグの温度上昇をより効果的に抑制することができる。かかる作用効果をより高める観点からは、第2の金属M2は、銅または銅合金であることが好ましい。
The second metal M2 is preferably a metal with higher thermal conductivity than the first metal M1. In this case, heat generated by combustion of fuel during operation of the internal combustion engine can be efficiently transferred to metal parts of the internal combustion engine such as the engine block through the
例えば、本形態の芯部12は、銅または銅合金から構成されている。埋設部121は、外径3.22mm、軸方向の長さ9.8mmの円柱状を呈している。また、鍔部122は、外径4.48mm、厚み11.4mmの円板状を呈している。
For example, the
なお、外筒部11に接合される前の芯部12のビッカース硬さは、特に限定されることはない。即ち、外筒部11に接合される前の芯部12のビッカース硬さは、HV85以下であってもよいし、HV85より高くてもよい。本形態の製造方法では、接合体作製工程S1が完了した時点における芯部12のビッカース硬さが前記特定の範囲となっていれば、後の成形工程S2において、芯部12を容易に変形させることができる。それ故、芯部12のビッカース硬さがHV85より高い場合には、例えば、芯部12を外筒部11に接合した後、成形工程S2を実施するまでの間に芯部12を軟化させてビッカース硬さを前記特定の範囲内にすればよい。
Note that the Vickers hardness of the
接合体作製工程S1においては、前述した外筒部11と芯部12とを準備した後、芯部12を外筒部11の筒内に配置する。そして、外筒部11の筒内に配置した芯部12を外筒部11と接合することにより、接合体100を作製する。外筒部11と芯部12とを接合する方法としては、例えば、圧接や溶接等の方法を採用することができる。
In the joined body manufacturing step S<b>1 , after preparing the
より具体的には、例えば、外筒部11の筒内に芯部12の埋設部121を配置した後、外筒部11と芯部12とをレーザ溶接や抵抗溶接等の塑性変形を伴わない方法によって接合することにより、接合体100を得ることができる。また、例えば、外筒部11の筒内に埋設部121を圧入する方法や、外筒部11の筒内に埋設部121を配置した状態で芯部12に据え込み加工を施す方法等の、芯部12の塑性変形を伴う方法によって外筒部11と芯部12と接合することにより、接合体100を得ることもできる。
More specifically, for example, after arranging the embedded
成形工程S2において外筒部11の変形に芯部12を追従させ、外筒部11と芯部12との間への隙間を抑制する観点から、接合体100における芯部12のビッカース硬さは、HV85以下とする。かかる作用効果をより高める観点からは、接合体100における芯部12のビッカース硬さをHV60以下とすることが好ましく、HV55以下とすることがより好ましい。
The Vickers hardness of the core 12 in the joined
接合体作製工程S1は、外筒部11と芯部12とを接合する接合工程と、接合体100を加熱して芯部12を焼鈍する焼鈍工程とを有していてもよい。この場合には、接合体100における芯部12をより軟化させ、成形工程S2における外筒部11と芯部12との間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
The bonded body manufacturing step S1 may include a bonding step of bonding the outer
また、例えば、ビッカース硬さがHV85を超える芯部12を外筒部11と接合する場合には、得られる接合体100における芯部12のビッカース硬さがHV85よりも高くなることがある。また、前述したように、塑性変形を伴う方法によって外筒部11と芯部12とを接合する場合にも、加工硬化により、接合体100における芯部12のビッカース硬さが前記特定の範囲よりも高くなることがある。
Further, for example, when the
これらのように、接合工程後の芯部12のビッカース硬さがHV85を超える場合においても、接合工程の後に前記焼鈍工程を行うことにより、芯部12を軟化させ、ビッカース硬さを前記特定の範囲内とすることができる。その結果、成形工程S2における外筒部11と芯部12との間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
As described above, even when the Vickers hardness of the core 12 after the bonding process exceeds HV85, the annealing process is performed after the bonding process to soften the
焼鈍工程における加熱温度は、第2の金属M2の種類等に応じて適宜設定すればよい。また、焼鈍工程においては、芯材の温度が所望の加熱温度に到達した後、当該加熱温度を所定の時間に亘って保持すればよい。例えば、第2の金属M2が銅または銅合金である場合には、焼鈍工程において芯部12を250℃以上の温度に加熱することにより、芯部12を軟化させることができる。
The heating temperature in the annealing step may be appropriately set according to the type of the second metal M2 and the like. Moreover, in the annealing step, after the temperature of the core material reaches a desired heating temperature, the heating temperature may be maintained for a predetermined period of time. For example, when the second metal M2 is copper or a copper alloy, the core 12 can be softened by heating the
第2の金属M2が銅または銅合金である場合焼鈍工程における加熱温度は、350℃以上であることがより好ましく、450℃以上であることがさらに好ましく、500℃以上であることが特に好ましい。この場合には、焼鈍工程後における芯部12の金属組織のバラつきをより低減することができる。その結果、成形工程S2における外筒部11と芯部12との間への隙間の形成をより効果的に抑制することができる。
When the second metal M2 is copper or a copper alloy, the heating temperature in the annealing step is preferably 350° C. or higher, more preferably 450° C. or higher, and particularly preferably 500° C. or higher. In this case, variations in the metal structure of the
なお、成形工程S2における外筒部11と芯部12との間への隙間の形成を抑制する観点からは、焼鈍工程における加熱温度に上限はない。しかし、加熱温度が過度に高くなると、焼鈍工程におけるエネルギーの消費量の増大を招くおそれがある。かかる問題を回避する観点から、焼鈍工程における加熱温度は、900℃以下であることが好ましい。同様の観点から、焼鈍工程における保持時間は、2時間以下であることが好ましい。
There is no upper limit to the heating temperature in the annealing step from the viewpoint of suppressing the formation of a gap between the outer
芯部12が第2の金属M2としての銅又は銅合金から構成されている場合、接合体100における芯部12の平均結晶粒径は30μm以上であることが好ましい。この場合には、芯部12がより変形しやすい状態となっているため、成形工程S2において、外筒部11の変形に芯部12をより容易に追従させることができる。その結果、外筒部11と芯部12との間への隙間の形成を抑制することができる。
When the
芯部12の平均結晶粒径の測定には、以下の方法を採用することができる。まず、接合体100を中心軸に沿って切断して断面を露出させる。この断面を塩化第二鉄溶液等のエッチング液を用いてエッチングすることにより、結晶粒界を現出させる。そして、接合体100の中心軸上において、芯部12の底面120からの距離が0.5mmとなる位置を顕微鏡で観察する。なお、観察倍率は、例えば100倍とすることができる。このようにして得られた顕微鏡像を、JIS G0551:2013に規定された切断法に準拠した方法によって解析することにより平均結晶粒径の値を算出することができる。
The following method can be adopted for measuring the average crystal grain size of the
成形工程S2においては、接合体100に塑性加工を施すことにより外径を縮小しつつ所望する中心電極1の形状に成形する。塑性加工としては、例えば、押出や鍛造、引き抜きなどの加工を適宜組み合わせて実施することができる。また、成形工程S2における塑性加工の回数は1回であってもよいし、2回以上であってもよい。
In the forming step S2, the joined
例えば、本形態の中心電極1は、接合体100に塑性加工としての押出を複数回行った後、芯部12の鍔部122に由来する部分を切除することにより作製される。中心電極1は、図1に示すように、円柱状を呈する胴部14と、胴部14の一端側に配置され、胴部14よりも太い円柱状を呈する電極基端部13と、胴部14の他端側に配置され、胴部14よりも細い円柱状を呈する電極先端部15と、を有している。電極基端部13と胴部14との間には、胴部14から遠ざかるにつれて外径が徐々に大きくなる第1テーパ部141が介在している。また、胴部14と電極先端部15との間には、胴部14から遠ざかるにつれて外径が徐々に小さくなる第2テーパ部142が介在している。
For example, the
具体的には、本形態の中心電極1における電極基端部13の外径は2.7mmであり、胴部14の外径は1.89mmであり、電極先端部15の外径は1.80mmである。また、本形態の中心電極1の長さは21mmである。
Specifically, in the
図2に示すように、中心電極1の芯部12は、前述した塑性加工により、胴部14から電極先端部15側へ向かうにつれて、徐々に直径が細くなるように引き伸ばされる。本形態においては、芯部12の先端123が電極先端部15の内側まで延在している。
As shown in FIG. 2, the
前述したように、接合体100の芯部12は、前記特定の範囲のビッカース硬さを有しているため、塑性加工の際に、外筒部11に追従して容易に変形することができる。それ故、成形工程S2における外筒部11と芯部12との間への隙間の形成を抑制することができる。
As described above, since the
以上の結果、本形態によれば、外筒部11と芯部12との間における隙間の形成を抑制できる中心電極1の製造方法を提供することができる。
As a result, according to the present embodiment, it is possible to provide a method of manufacturing the
本形態の製造方法は、特に、胴部14の外径が3.0mm以下となるような、細径の中心電極1の製造方法として好適である。
The manufacturing method of this embodiment is particularly suitable as a method of manufacturing a small-
(実施形態2)
本形態においては、図3に示す、中心電極1を備えたスパークプラグ2及びその製造方法の一例を説明する。なお、スパークプラグ2及びその製造方法の具体的な構成は本形態に限定されることはない。また、本形態以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
(Embodiment 2)
In this embodiment, an example of a
図2に例示するスパークプラグ2は長尺状である。本形態のスパークプラグ2は、後述の取付金具21を介し、例えば自動車用のエンジンなどの内燃機関におけるシリンダヘッドの取付孔(図示略)等に取り付けられる。
The
なお、スパークプラグ2の軸方向Dにおける燃焼室内に突出する側を先端側D1といい、その反対側を基端側D2という。つまり、図1における下側が先端側D1であり、上側が基端側D2である。
The side of the
本形態のスパークプラグ2は、取付金具21と、絶縁碍子3と、中心電極1と、導電性ガラスシール部5、58と、抵抗体6と、端子金具7と、接地電極8とを具備する。導電性ガラスシール部5、58には、中心電極1の基端側D2と抵抗体6の先端側D1との間に設けられた第1導電性ガラスシール部5と、抵抗体6の基端側D2と端子金具7の先端側D1との間に設けられた第2導電性ガラスシール部58とがある。
The
筒状の取付金具21は内側に絶縁碍子3を保持している。絶縁碍子3は、軸孔310内の先端側D1に中心電極1を保持し、軸孔310内の基端側に端子金具7の軸部71を保持する。第1導電性ガラスシール部5は、中心電極1の基端側D2を絶縁碍子3の軸孔310内に固定している。第2導電性ガラスシール部58は、端子金具7の先端側D1を絶縁碍子3の軸孔310内に固定している。
A
接地電極8は、絶縁碍子3の軸孔310の先端側D1において中心電極1と対向する。抵抗体6は、絶縁碍子3の軸孔310内において中心電極1と端子金具7との間に配置される。スパークプラグ2においては、絶縁碍子3と中心電極1とが同軸配置されている。以下、スパークプラグ2を構成する各部を詳説する。
The
取付金具21は、筒状であり、絶縁碍子3を内側に保持する。取付金具21は、軸方向Dの先端側D1の外周に取付用ネジ部22を有し、基端側D2に、取付用ネジ部22より外径が大きい金具大径部23を有している。
The mounting
取付金具21の金具大径部23の内側には、絶縁碍子3の中間部に設けた碍子大径部32が収容保持され、碍子大径部32の基端縁部34を加締め固定して気密シールしている。取付金具21は、例えば、炭素鋼等の鉄系合金材料からなる。
The insulator large-
絶縁碍子3は筒状の取付金具21の内側に保持される。絶縁碍子3は軸方向Dを貫通する軸孔310を有する。絶縁碍子3の軸孔310内には中心電極1が保持される。絶縁碍子3の碍子先端部33は、取付金具21の先端開口211よりも先端側D1に突出している。絶縁碍子3は、アルミナ等の絶縁性セラミックスからなる。
The
中心電極1は、絶縁碍子3の軸孔310内の先端側D1に保持される。より具体的には、中心電極1の第1テーパ部141と、絶縁碍子3の軸孔310の内周に設けたテーパ状の段差面311とが当接している。これにより、電極基端部13が段差面311上に支持される。また、中心電極1の電極先端部15は、絶縁碍子3の碍子先端部33よりも、さらに先端側D1に突出している。なお、図3においては、便宜上、外筒部11及び芯部12の記載を省略した。
The
接地電極8は、断面形状全体がL字形(具体的には、図3では逆L字状)に屈曲する板状体であり、基端側D2が取付金具21の先端面に接合固定されている。接地電極8は、中心電極1の側方に配置され、軸方向Dに延在する延在部81と、延在部81の先端から径方向の内側に突出し、中心電極1の電極先端部15に対向した対向部82とを有している。中心電極1の電極先端部15と接地電極8の対向部82との間には、火花放電ギャップGと呼ばれる隙間が形成されている。
The
接地電極8は、例えば、Ni(ニッケル)を主成分として含むNi基合金等の金属材料を母材として構成される。接地電極8は、その内部に、熱伝導性に優れた金属、例えば、Cu(銅)またはCu合金等の金属材料等からなる芯材を有していてもよい。
The
本形態の中心電極1における電極先端部15の先端、つまり、接地電極8の対向部82と対向する面には、円柱状に成形された貴金属チップ16が取り付けられている。貴金属チップ16は、例えば、溶接等により電極先端部15に接合されている。貴金属材料としては、例えば、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Rh(ロジウム)等が挙げられ、これら貴金属から選ばれる少なくとも1種類を主成分として含む貴金属または貴金属合金を用いることができる。なお、貴金属チップ16は、接地電極8の対向部82における、電極先端部15に対面する位置に取り付けられていてもよい。
A cylindrical
端子金具7は、絶縁碍子3の基端側D2に配置された端子部72と、端子部72から軸孔310内に延設され、端子部72よりも小径の軸部71とを備える。軸部71は、端子部72側の基端部711と、これより先端側D1の主軸部712とからなる。主軸部712は、先端側D1の外周にネジ加工または溝加工を施してなる外周溝部713を有する。外周溝部713は、抵抗体6との間の導電性ガラスシール部58との固着力を向上させる。
The
図1において、端子金具7は、小径の軸部71が絶縁碍子3の軸孔310内に収容されており、絶縁碍子3への組付時に、導電性ガラスシール部58を介して抵抗体6を加圧する。端子金具7の大径の端子部72は、絶縁碍子3の軸孔310の基端開口よりも基端側D2に突出し、図示しない高電圧源に接続される。高電圧源は、例えば、車載バッテリに接続されて点火用高電圧を発生する点火コイルであり、図示しない制御装置に接続されている。なお、端子金具7は、ステムと称されることもある。
In FIG. 1, the
絶縁碍子3の軸孔310内において、端子金具7の軸部71と中心電極1との間には、導電性ガラスシール部5、58を介して抵抗体6が設けられる。抵抗体6は、円柱状の部材であり、所望の電気抵抗値に調整されている。抵抗体6は、中心電極1と端子金具7とを電気的に接続すると共に、電波雑音を吸収する機能を有する。
In the
抵抗体6と中心電極1との間には、第1導電性ガラスシール部5が設けられている。また、抵抗体6と端子金具7との間には、第2導電性ガラスシール部58が設けられている。
A first conductive
第1導電性ガラスシール部5および第2導電性ガラスシール部58は、導電性の接合ガラスからなり、接合ガラスは、例えば、ガラスに銅粉末を混入させてなる銅ガラスからなる。これにより、外部の高電圧源から、端子金具7、第2導電性ガラスシール部58、抵抗体6、第1導電性ガラスシール部5を経て、中心電極1に至る導電パスが形成され、中心電極1と接地電極8との間に高電圧が印加されて火花放電が発生する。
The first conductive
本形態のスパークプラグ2は、例えば、前記の態様の製造方法により得られた中心電極1を絶縁碍子3の軸孔310内に保持する保持工程を備えた製造方法により作製することができる。
The
(実験例)
本例では、芯部12のビッカース硬さを種々の値に調整した接合体100を用いて成形工程S2を行い、外筒部11と芯部12との間への隙間の形成の有無を評価した。接合体100の作製は、以下のようにして行った。
(Experimental example)
In this example, the forming step S2 is performed using the joined
まず、実施形態1と同様の外筒部11及び芯部12を準備し、外筒部11の筒内に芯部12の埋設部121を圧入して接合体100を得た。ビッカース硬さの測定のために、接合体100を中心軸に沿って切断して断面を露出させた。この断面において、接合体100の中心軸上における芯部12の底面120からの距離が0.5mmとなる位置のビッカース硬さを測定した。その結果、圧入後における芯部12のビッカース硬さはHV117であった。
First, the
次に、接合体100を表1に示す加熱温度に1時間保持し、芯部12を焼鈍した。焼鈍後のビッカース硬さの測定のために、焼鈍前と同様に接合体100を中心軸に沿って切断し、接合体100の中心軸上における芯部12の底面120からの距離が0.5mmとなる位置のビッカース硬さを測定した。その結果、焼鈍後における芯部12のビッカース硬さは、表1に示す通りであった。
Next, the joined
また、以下の方法により、ビッカース硬さを測定した位置と同じ位置における平均結晶粒径を算出した。まず、100mlの純水に、塩酸10mlと塩化第二鉄10gとを混合して塩化第二鉄溶液を調製した。この塩化第二鉄溶液を接合体100の断面に4秒間接触させてエッチングを行った。その後、接合体100の中心軸上において芯部12の底面120からの距離が0.5mmとなる位置を顕微鏡で観察し、倍率100倍の顕微鏡像を取得した。このようにして得られた顕微鏡像を、JIS G0551:2013に規定された切断法に準拠した方法によって解析することにより平均結晶粒径の値を算出した。芯部12の平均結晶粒径は、表1の「平均結晶粒径」に示す通りであった。
Also, the average crystal grain size at the same position as the position where the Vickers hardness was measured was calculated by the following method. First, 10 ml of hydrochloric acid and 10 g of ferric chloride were mixed with 100 ml of pure water to prepare a ferric chloride solution. This ferric chloride solution was brought into contact with the cross section of the joined
そして、焼鈍後の接合体100に複数回の押出加工を施した後、鍔部122に由来する部分を切除することにより、実施形態1と同様の形状を有する中心電極1(試験体A1~A10)を作製した。また、これらの中心電極との比較のため、焼鈍を行っていない接合体100を用いた以外は試験体A1~A10と同様の方法により中心電極1(試験体C)を作製した。
After extruding the joined
以上により得られた試験体A1~A10及び試験体Cを中心軸に沿って切断した。このようにして露出させた断面を観察し、外筒部11と芯部12との間の隙間の有無を評価した。図4に示すように、例えば試験体Cにおいては、外筒部11と芯部12の先端123との間に、両者が離間している隙間124が形成される。表1の「隙間の発生率」欄には、各試験体を30個作製した場合に、隙間が発生した試験体の比率を示す。
Specimens A1 to A10 and specimen C thus obtained were cut along the central axis. The cross section exposed in this way was observed, and the presence or absence of a gap between the outer
表1に示すように、試験体A1~A10は、ビッカース硬さが前記特定の範囲内である芯部12を備えた接合体100に塑性加工を施すことによって作製されている。これらの試験体は、塑性加工前のビッカース硬さが前記特定の範囲よりも高い試験体Cに比べて隙間の発生率が小さくなった。
As shown in Table 1, the specimens A1 to A10 were produced by subjecting the joined
また、表1によれば、隙間の発生率は、塑性加工を施す前の芯部12のビッカース硬さが低いほど小さくなることが理解できる。また、平均結晶粒径が30μm以上である試験体A6~A10においては、作製した全ての中心電極1において、外筒部11と芯部12との間に隙間が発生しなかった。
Further, according to Table 1, it can be understood that the lower the Vickers hardness of the
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。 The present invention is not limited to the above embodiments, and can be applied to various embodiments without departing from the scope of the invention.
1 中心電極
11 外筒部
12 芯部
100 接合体
REFERENCE SIGNS
Claims (3)
第1の金属(M1)からなり有底筒状を呈する外筒部(11)と、ビッカース硬さがHV85以下である第2の金属(M2)からなり前記外筒部の筒内に接合された芯部(12)とを備えた接合体(100)を作製する接合体作製工程(S1)と、
前記接合体に塑性加工を施すことにより外径を縮小しつつ前記中心電極の形状に成形する成形工程(S2)と、を有し、
前記接合体作製工程において、前記第2の金属としての銅又は銅合金からなり、ビッカース硬さがHV85以下であり、平均結晶粒径が30μm以上である前記芯部を備えた前記接合体を作製する、中心電極の製造方法。 A method for manufacturing a center electrode (1) used in a spark plug (2), comprising:
An outer cylindrical portion (11) made of a first metal (M1) and having a cylindrical shape with a bottom and a second metal (M2) having a Vickers hardness of HV85 or less are joined to the inside of the outer cylindrical portion (11). a bonded body manufacturing step (S1) for manufacturing a bonded body (100) having a core (12) with a
a forming step (S2) in which the joined body is formed into the shape of the center electrode while reducing the outer diameter by performing plastic working on the joined body ;
In the bonded body manufacturing step, manufacturing the bonded body including the core portion made of copper or a copper alloy as the second metal, having a Vickers hardness of HV85 or less, and having an average crystal grain size of 30 μm or more. A manufacturing method of a center electrode.
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