JP7142977B1 - データ通信システム、送信装置、および受信装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本実施形態に係るデータ通信システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、データ通信システム1は、送信装置2と、受信装置3とを備える。送信装置2と受信装置3とは、有線または無線の通信路により通信可能に接続されている。
変換マップMは、送信データdtxを被除数、コプライムセットCsetに属する各コプライムCを除数としたときの剰余を、符号文字に変換するための変換マップであり、剰余と文字とが1対1に割り当てられている。この変換マップMに用いる符号文字には、7-bit ASCIIコードなどの文字コード表における印刷可能な文字を用いることができる。図2に示した7-bit ASCIIコードの文字コード表において、印刷可能な文字は、「!"#$%&'()*+,-./0123456789:;<=>?@ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ[\]^_`abcdefghijklmnopqrstuvwxyz{|}~」の94文字(図2において、網掛けが付されていない文字)である。したがって、符号文字として7-bit ASCIIコードの印刷可能な文字を用いる場合にコプライムセットCsetに含まれる最大のコプライムCの値は94となる。剰余と文字の割り当ては任意であるが、特に断りのない限り、印刷可能なASCIIコードの値が小さい方から順に剰余を表す数を割り当てるとよい。なお、当然のことながら7-bit ASCIIコード以外の文字コードを利用することも可能であるが、以下の説明では、7-bit ASCIIコードの印刷可能な文字を用いる場合を例に説明する。単に文字コード表と称する場合には、7-bit ASCIIコードなどの文字コード表を指すものと理解されたい。
上述の通り、符号文字として利用できる文字の数によりコプライムセットCsetに含まれる最大のコプライムCの値が規定されるが、本発明に係る通信システムの通信方法はブロック符号の一種であるので、符号語間を分離するデリミタと呼ばれる制御コードが必要な場合がある。そこで、文字コード表における任意の1文字をデリミタを表す文字として扱うとよい。デリミタを表す文字は印刷可能な文字以外の文字(制御文字等)としてもよい。このとき、デリミタにも誤りに対する耐性を持たせるべく、デリミタを割り当てる文字のコードに対し1ビットの誤りが生じたコードに対応する文字については剰余を割り当てないようにするとよい。すなわち、デリミタに文字コードを割り当てられることにより、コプライムセットCsetに含まれる最大のコプライムCの値は、デリミタを用いない場合と比較して減少することがある。
上述の通り、ASCIIコードでの改行文字のLF(0x0a)をデリミタして用いる場合、符号文字は92に制限されるが、他の任意の文字を符号文字として利用しないようにすることもできる。例えば、コンマ(,)を符号文字として利用しないようにしてもよい。この場合、符号文字はさらに1つ減少し、91に制限されるが、剰余数系を変換マップMにより符号文字の配列としてあらわした符号語をCSV(コンマ分離テキスト)形式で保存するといった利用法が想定される場合には、符号語中のコンマが符号語の区切りを表すものとして誤認されることを防ぐことができる。
中国人剰余定理(Chinese remainder theorem)によると正整数xは、式(1)を満たす互いに素な数(コプライム)p1…pkの剰余の組(剰余数系)で一意に表される。
Coprimes_93 = {93, 92, 91, 89, 85, 83, 79, 73, 71, 67, 61, 59, 53, 47, 43, 41, 37, 29, 19, 11}
Coprimes_92 = {92, 91, 89, 87, 85, 83, 79, 73, 71, 67, 61, 59, 53, 47, 43, 41, 37, 31, 19, 11}
Coprimes_91 = {91, 89, 88, 87, 85, 83, 79, 73, 71, 67, 61, 59, 53, 47, 43, 41, 37, 31, 23, 19}
Coprimes_90 = {90, 89, 85, 83, 79, 73, 71, 67, 61, 59, 53, 47, 43, 41, 37, 31, 29, 23, 19, 17, 13, 11}
Coprimes_89 = {89, 88, 87, 85, 83, 79, 73, 71, 67, 61, 59, 53, 49, 47, 43, 41, 37, 31, 23, 19, 13}
n=2のとき: ln(87 * 89) / ln(2) ≒ 12.91 > 12 bit
n=3のとき: ln(85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 19.32 > 19 bit
n=4のとき: ln(83 * 85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 25.70 > 25 bit
n=5のとき: ln(79 * 83 * 85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 32.00 > 32 bit
n=6のとき: ln(73 * 79 * 83 * 85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 38.19 > 38 bit
n=7のとき: ln(71 * 73 * 79 * 83 * 85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 44.34 > 44 bit
n=8のとき: ln(67 * 71 * 73 * 79 * 83 * 85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 50.41 > 50 bit
n=9のとき: ln(61 * 67 * 71 * 73 * 79 * 83 * 85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 56.34 > 56 bit
n=10のとき: ln(59 * 61 * 67 * 71 * 73 * 79 * 83 * 85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 62.22 > 62 bit
n=11のとき: ln(53 * 59 * 61 * 67 * 71 * 73 * 79 * 83 * 85 * 87 * 89) / ln(2) ≒ 67.95 > 67 bit
上述のように、データの伝送に用いる情報ビット数は、冗長な剰余数系で表す数の情報エントロピーを自然数に切り捨てたビット数であるが、本実施形態のデータ通信システム1では、情報エントロピーの小数部分を利用して、例えば、伝送先アドレスや伝送符号長やハッシュ値あるいは日付などのいわゆるヘッダー情報に代表される付加的な情報(以下ではこの情報エントロピーの小数部分を利用した情報をスーパーデータと呼ぶ)を、データとは区別して伝送することができ、そのために特別なフレーム構造は不要である。スーパーデータを符号化したものも通常のデータを符号化したものと同じ符号語であるため誤り訂正も同様に行われる。
続いて、以上で説明したデータ通信システム1において、送信装置2から受信装置3にデータを送信する際の動作の一例を説明する。
以下の例では、変換マップMは、符号文字として7-bit ASCIIコードなどの文字コード表における印刷可能な文字を用い、ASCIIコードでの改行文字のLF(0x0a)をデリミタして用いる。また、コプライムセットCsetは、Coprimes_92においてn=6、r=2とし38ビットの情報ビットを伝送する。コプライムセットCsetに含まれるコプライムCは、小さい順に、73,79,83,85,87,89,91,92の8個である。これらのコプライムCによる送信データの剰余を用いて冗長な剰余数系を表す。
265126083278 % 73 = 36
265126083278 % 79 = 48
265126083278 % 83 = 81
265126083278 % 85 = 43
265126083278 % 87 = 50
265126083278 % 89 = 83
265126083278 % 91 = 56
265126083278 % 92 = 2
36 → F
48 → S
81 → t
43 → N
50 → U
83 → v
56 → [
2 → #
{83,85,87,89,91,92}
{73,85,87,89,91,92}
{73,79,87,89,91,92}
{73,79,83,89,91,92}
{73,79,83,85,91,92}
{73,79,83,85,87,92}
{73,79,83,85,87,89}
{79,83,85,87,89,91}
2 送信装置
21 剰余数系算出部
22 マッピング処理部
23 送信部
3 受信装置
31 受信部
32 マッピング解除部
33 データ復号部
M 変換マップ
Claims (7)
- 送信装置と受信装置とを備え、前記送信装置から前記受信装置へ、デジタルデータを誤り訂正可能に伝送するデータ通信システムであって、
前記送信装置は、
予め定められた複数のコプライムで構成されるコプライムセットに基づいて、予め定められた情報ビットのビット数を有する前記デジタルデータについて、前記コプライムセットを構成するコプライムのそれぞれを除数として得られる複数の剰余の組である剰余数系を算出する剰余数系算出部と、
前記剰余数系算出部が算出した剰余数系に含まれる個々の剰余を、予め定められた変換マップMに基づいて、印刷可能な文字である符号文字に変換することにより、前記剰余数系を前記符号文字により構成される文字列に変換するマッピング処理部と、
を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置から受け取った前記文字列を、前記変換マップに基づいて逆変換し、剰余数系を復元するマッピング解除部と、
前記剰余数系算出部で剰余数系を算出するのに用いたものと同じ予め定められた複数のコプライムと前記マッピング解除部が復元した剰余数系とに基づいて、前記デジタルデータを復号するデータ復号部とを備え、
前記コプライムセットは、n+r(ただしr≧1)個のコプライムにより構成され、前記情報ビットのビット数で表されるデジタルデータを、前記コプライムセットを構成するコプライムのうち下位n個のコプライムによる剰余の組により一意に表すことができるように定められ、
前記コプライムセットを構成するコプライムのうち下位n個のコプライムによる情報エントロピーの整数部分を前記情報ビットの伝送に利用し、前記情報エントロピーの小数部分に相当する余剰分を主情報以外の情報の伝送に利用する
ことを特徴とするデータ通信システム。 - 前記送信装置から前記受信装置に、予め定められた符号語間の分離用のデリミタ文字を伝送可能に構成され、前記変換マップは、前記デリミタ文字の1ビット誤りになる文字を符号文字に用いないことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
- 送信装置と受信装置とを備え、前記送信装置から前記受信装置へ、デジタルデータを誤り訂正可能に伝送するデータ通信システムであって、
前記送信装置は、
予め定められた複数のコプライムで構成されるコプライムセットに基づいて、予め定められた情報ビットのビット数を有する前記デジタルデータについて、前記コプライムセットを構成するコプライムのそれぞれを除数として得られる複数の剰余の組である剰余数系を算出する剰余数系算出部と、
前記剰余数系算出部が算出した剰余数系に含まれる個々の剰余を、予め定められた変換マップMに基づいて、印刷可能な文字である符号文字に変換することにより、前記剰余数系を前記符号文字により構成される文字列に変換するマッピング処理部と、
を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置から受け取った前記文字列を、前記変換マップに基づいて逆変換し、剰余数系を復元するマッピング解除部と、
前記剰余数系算出部で剰余数系を算出するのに用いたものと同じ予め定められた複数のコプライムと前記マッピング解除部が復元した剰余数系とに基づいて、前記デジタルデータを復号するデータ復号部とを備え、
前記コプライムセットは、n+r(ただしr≧1)個のコプライムにより構成され、前記情報ビットのビット数で表されるデジタルデータを、前記コプライムセットを構成するコプライムのうち下位n個のコプライムによる剰余の組により一意に表すことができるように定められ、
前記送信装置から前記受信装置に、予め定められた符号語間の分離用のデリミタ文字を伝送可能に構成され、前記変換マップは、前記デリミタ文字の1ビット誤りになる文字を符号文字に用いないことを特徴とするデータ通信システム。 - 予め定められた複数のコプライムで構成されるコプライムセットに基づいて、予め定められた情報ビットのビット数を有するデジタルデータについて、前記コプライムセットを構成するコプライムのそれぞれを除数として得られる複数の剰余の組である剰余数系を算出する剰余数系算出部と、
前記剰余数系算出部が算出した剰余数系に含まれる個々の剰余を、予め定められた変換マップMに基づいて、印刷可能な文字である符号文字に変換することにより、前記剰余数系を前記符号文字により構成される文字列に変換するマッピング処理部と、
前記マッピング処理部が出力する文字列を符号化された送信データとして、受信装置に送信する送信部と、
を備え、
前記コプライムセットを構成するコプライムのうち下位n個のコプライムによる情報エントロピーの整数部分を前記情報ビットの送信に利用し、前記情報エントロピーの小数部分に相当する余剰分を主情報以外の情報の送信に利用する送信装置。 - 前記送信装置から前記受信装置に、予め定められた符号語間の分離用のデリミタ文字を伝送可能に構成され、前記変換マップは、前記デリミタ文字の1ビット誤りになる文字を符号文字に用いないことを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
- 予め定められた複数のコプライムで構成されるコプライムセットに基づいて、予め定められた情報ビットのビット数を有するデジタルデータについて、前記コプライムセットを構成するコプライムのそれぞれを除数として得られる複数の剰余の組である剰余数系を算出する剰余数系算出部と、
前記剰余数系算出部が算出した剰余数系に含まれる個々の剰余を、予め定められた変換マップMに基づいて、印刷可能な文字である符号文字に変換することにより、前記剰余数系を前記符号文字により構成される文字列に変換するマッピング処理部と、
前記マッピング処理部が出力する文字列を符号化された送信データとして、受信装置に送信する送信部と、
を備え、
前記受信装置に、予め定められた符号語間の分離用のデリミタ文字を伝送可能に構成され、前記変換マップは、前記デリミタ文字の1ビット誤りになる文字を符号文字に用いないことを特徴とする送信装置。 - 請求項4から6の何れか1項に記載の送信装置により符号化された、前記符号文字により構成される前記文字列を受信して復号する受信装置であって、
前記送信装置から受け取った前記文字列を、前記変換マップに基づいて逆変換し、剰余数系を復元するマッピング解除部と、
前記剰余数系算出部で剰余数系を算出するのに用いたものと同じ予め定められた複数のコプライムと前記マッピング解除部が復元した剰余数系とに基づいて、デジタルデータを復号するデータ復号部とを備えることを特徴とする受信装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021202714A JP7142977B1 (ja) | 2021-12-14 | 2021-12-14 | データ通信システム、送信装置、および受信装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60248044A (ja) * | 1984-05-23 | 1985-12-07 | Mitsubishi Electric Corp | デ−タ伝送方法 |
JPH01101743A (ja) * | 1987-10-14 | 1989-04-19 | Csk Corp | 符号の誤り訂正方式 |
US20030060970A1 (en) * | 2001-09-27 | 2003-03-27 | Siemens Information And Communication Mobile Llc | Method and apparatus for defining location coordinates |
-
2021
- 2021-12-14 JP JP2021202714A patent/JP7142977B1/ja active Active
Patent Citations (3)
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Title |
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細田 隆之,中国人剰余定理を利用した誤り訂正文字化符号,[online],2016年,インターネット<https://web.archive.org/web/20160224033800/http://www.finetune.co.jp/~lyuka/technote/crtecc/> |
細田 隆之: "中国人剰余定理を利用した誤り訂正文字化符号", [ONLINE], JPN6022006617, 2016, ISSN: 0004793918 * |
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