JP7141588B2 - 落橋防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、橋桁の落下を防止するための落橋防止装置に関する。
橋梁では、地震時等の大きな揺れによって橋桁が下部工から落下するのを防止するために落橋防止装置が設けられている。落橋防止装置は、橋桁同士或いは橋桁と下部工とを連携するように設けられている。
例えば、特許文献1には、一端が橋梁構造物(例えば、橋桁)に固定されて、他端が他の橋梁構造物(例えば、橋台)に固定された管状部材と、管状部材内に挿通された管状部材よりも長い連結索とを備える落橋防止装置が開示されている。管状部材は、軸方向に伸縮可能である。連結索としては例えばワイヤーロープが使用され、連結索の両端には管状部材の端部に係止されるストッパーが形成されている。
落橋防止装置は、橋梁に地震力が作用すると、管状部材が伸縮することで橋梁構造物の移動に追従する。そして、橋梁に対して大きな地震力が作用して、橋梁構造物が大きく移動する場合には、管状部材の端部に連結索のストッパーが係止されて、連結索により橋梁構造物同士の離間距離が制御される。このように、落橋防止装置が設けられた橋梁は、大きな地震力が作用した場合であっても、橋桁が橋台から落下することが防止される。
特開2014-231721号公報
このような落橋防止装置では、設計地震力以上の耐力を有したワイヤーロープを使用するものの、当該ワイヤーロープの耐力の上限値は考慮されていないのが一般的である。そのため、橋梁に想定外の力(設計地震力を超える力)が作用した際に、ワイヤーロープの耐力が橋梁構造物(取付部)の耐力よりも大きいがために、落橋防止装置よりも先に橋梁構造物に破損が生じるおそれがある。橋梁構造物が破損すると、復旧等に手間と費用がかかる。
このような観点から、本発明は、想定外の地震力が作用した場合であっても、橋梁構造物に損傷が生じることがない落橋防止装置を提案することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明の落橋防止装置は、橋梁構造物である橋桁に固定された第一固定部材と、前記橋桁とは異なる他の橋梁構造物に固定された第二固定部材と、前記第一固定部材に挿通された第一線材と、前記第二固定部材に挿通された第二線材と、前記第一線材と前記第二線材とを連結する連結部材とを備える落橋防止装置である。前記第一線材および前記第二線材は、前記連結部材と反対側の端部において前記第一固定部材または前記第二固定部材に係止可能である。また、前記連結部材の降伏点又は耐力が、設計地震力以上であるとともに当該連結部材の引張強さの上限値が既知である。さらに、前記引張強さの上限値は、前記第一固定部材と前記橋桁との取付部の耐力および前記第二固定部材と前記他の橋梁構造物との取付部の耐力よりも小さい。
かかる落橋防止装置によれば、連結部材の引張強さが既知であるため、橋梁構造物(橋桁、橋台、橋脚等)の落橋防止装置の取付部の強度を、落橋防止装置の耐力以上にすることができる。そのため、橋梁に想定外の地震力が作用した場合は、連結部材が先に破断することで、橋梁構造物が破損することを防止できる。橋梁構造物の破損を最小限に抑えることで、橋梁の復旧作業の省力化が可能となり、その結果、橋梁の供用を早期に再開することができる。
前記連結部材が両端部にそれぞれ貫通孔が形成された板材であって、前記第一線材および前記第二線材に、それぞれボルト接合またはピン接合されていれば、連結部材の交換が容易である。また、連結部材と各線材(第一線材または第二線材)が回動可能に接合されているため、各線材(第一線材または第二線材)の軸方向と交差する方向の揺れを吸収することが可能となる。
また、前記貫通孔同士の中間部において前記連結部材の幅が縮減されていれば、連結部材が、所定の位置において所定の引張力によって破断するようになる。そのため、想定外の地震力が作用した場合に連結部材が確実に破断して、橋梁構造物への負担を最小限に抑えることができる。
また、前記第一線材および前記第二線材の前記連結部材側の端部にアイエンドスリーブが形成されている場合には、2枚の連結部材によりアイエンドスリープを挟んだ状態でボルト接合またはピン接合すればよい。また、前記第一線材および前記第二線材の前記連結部材側の端部にフォークエンドスリーブが形成されている場合には、フォークエンドスリーブに連結部材を挿入した状態でボルト接合またはピン接合すればよい。さらに、前記第一線材および前記第二線材の前記連結部材側の端部に螺子エンドが形成されている場合には、雄ネジが形成された連結部材に高ボルト等を介して接合すればよい。
また、前記連結部材は、前記第一線材および前記第二線材の前記連結部材側の端部に固定されたグリップエンドまたはナットに係止された接続部材、または、前記第一線材および前記第二線材の前記連結部材側の端部に形成された螺子エンドに螺合された接続部材に接合されていてもよい。
前記第一固定部材および前記第二固定部材が、橋梁構造物に固定される外管と、前記外管内に摺動可能に挿入された内管とを有していれば、前記第一固定部材および前記第二固定部材が橋梁構造物の移動に追従することが可能となる。このとき、前記第一線材は前記第一固定部材の前記内管に挿通し、前記第二線材は前記第二固定部材の前記内管に挿通する。
本発明の落橋防止装置によれば、想定外の地震力が作用した場合であっても、橋梁構造物に損傷が生じることがない。
(a)本発明の実施形態に係る落橋防止装置を示す縦断面図、(b)は同平断面図である。 第一線材または第二線材の接合部を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 連結部材を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 連結部材の取付状況を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 落橋防止装置の拡大縦断面図である。 橋梁に設計地震力以下の地震荷重が作用した際の落橋防止装置を示す図である。 支承破壊後の落橋防止装置を示す図である。 連結部材が破断した後の落橋防止装置を示す図である。 他の形態に係る連結部材を示す図である。 他の形態に係る第一線材または第二線材の接合部を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 他の形態に係る連結部材の取付状況を示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。 他の形態に係る第一線材および第二線材の接続部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。 (a)~(c)は図12に示す第一線材または第二線材の接続部材を示す断面図である。
本実施形態では、橋梁Bの橋桁B1の落下を防止するための落橋防止装置1について説明する。落橋防止装置1は、図1(a)に示すように、橋脚B2の上部に連設された2つの橋桁B1,B1を連結している。なお、落橋防止装置1は、橋桁B1と橋台または橋桁B1と橋脚B2を連結してもよく、橋桁B1同士を連結する場合に限定されるものではない。
橋桁B1は、隣り合う橋脚B2同士または橋脚B2と橋台との間に横架されている。橋桁B1は、支承Sを介して橋脚B2に上載されている。本実施形態では、支承Sとして、ゴム支承を採用するが、支承Sの構成は限定されるものではなく、例えば、すべり支承であってもよい。隣り合う橋桁B1,B1同士の間には、隙間が形成されている。橋桁B1同士の間に隙間が形成されていることで、振動等により橋桁B1が移動した際に互いに接触することが防止されている。
落橋防止装置1は、図1(a)および図1(b)に示すように、第一線材2、第二線材3、連結部材4、第一固定部材5および第二固定部材6を備えている。
第一線材2は、第一固定部材5に挿通されている。すなわち、第一線材2は、第一固定部材5を介して橋桁B1に取り付けられている。第一線材2は、亜鉛めっきワイヤーロープにより構成されている。なお、第一線材2を構成するワイヤーロープは、必ずしも亜鉛メッキされている必要はない。また、第一線材2を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、鋼棒等を使用してもよい。
第一線材2の一方の端部(連結部材4側の端部)には、連結部材4を取り付けるための接合部21が形成されている。本実施形態の接合部21は、図2(a)および図2(b)に示すように、ボルトが挿通可能な貫通孔22が形成されたいわゆるアイエンドスリーブである。
第一線材2の他方の端部(連結部材4と反対側の端部)には係止部23が形成されている。本実施形態の係止部23は、後記する第一固定部材5の係止板53の挿通孔の内径よりも大きな外形を有した筒状部材を、第一線材2の端部に固定することにより形成されている。すなわち、係止部23は、第一固定部材5(係止板53)に係止可能な形状を有している。なお、係止部23の構成は限定されるものではなく、例えば、第一線材2の端部に固定された板材や第一線材2の端部に螺着されたナット等であってもよい。
第二線材3は、図1(a)および図1(b)に示すように、第二固定部材6に挿通されている。すなわち、第二線材3は、第二固定部材6を介して他方の橋桁B1に取り付けられている。なお、第二線材3は、必ずしも橋桁B1に取り付ける必要はなく、例えば、橋台や橋脚B2に取り付けてもよい。第二線材3は、第一線材2と同様に、亜鉛めっきワイヤーロープにより構成されている。なお、第二線材3を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、鋼棒等を使用してもよい。
第二線材3の一方の端部(連結部材4側の端部)には、連結部材4を取り付けるための接合部31が形成されている。本実施形態の接合部31は、ボルトが挿通可能な貫通孔32が形成されたいわゆるアイエンドスリーブである(図2(a)および図2(b)参照)。なお、接合部31の形状は限定されるものではない。
第二線材3の他方の端部(連結部材4と反対側の端部)には係止部33が形成されている。係止部33は、第二固定部材6(係止板63)に係止可能な形状を有している。なお、第二線材3の係止部33の詳細は、第一線材2の係止部23と同様なため、詳細な説明は省略する。
連結部材4は、図1(a)および図1(b)に示すように、第一線材2と第二線材3とを連結している。図4(a)に示すように、連結部材4は、低降伏点鋼により形成された小判形状の板材である。すなわち、連結部材4は、引張強さの上限値が既知である。なお、連結部材4を構成する材料は、引張強さの上限値が既知であれば限定されるものではなく、必ずしも低降伏点鋼である必要はない。本実施形態では、図4(b)に示すように、2枚の連結部材4,4を配設する。なお、連結部材4の枚数は限定されるものではない。
連結部材4の両端部には、ボルトを挿通するための貫通孔41が形成されている。図3(a)および図3(b)に示すように、貫通孔41の周囲には、リング状の段差が形成されていて、板厚が増加されている。なお、貫通孔41の周囲の段差は、必ずしも形成する必要はなく、平面であってもよい。連結部材4は、貫通孔41から中央に向かうに従って幅が縮減されている。また、連結部材4の長手方向中間部(貫通孔41同士の中間部)の両側部には、ノッチ42が形成されている。なお、ノッチ42は必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。また、連結部材4の形状は限定されるものではなく、例えば、幅が一定であってもよい。
第一線材2と第二線材3とを連結する連結部材4,4の降伏点又は耐力の合計は、設計地震力以上である。なお、第一線材2と第二線材3とを1枚の連結部材4により連結する場合には、1枚の連結部材4の降伏点又は耐力を設計地震力以上とする。落橋防止装置1の取付部(橋桁B1の横桁等)は、連結部材4,4の引張強さの合計(連結部材4が1枚の場合は、1枚の連結部材4の引張強さ)よりも大きな耐力を確保する必要がある。本実施形態では、巻き立てコンクリートによって断面寸法を大きくすることで、横桁の耐力を連結部材4の耐力よりも大きくしている。連結部材4の引張強さは、連結部材4を構成する材料の引張り強さと、想定外の地震力が作用した際に破断させる位置(ノッチ42同士の結ぶ線上)の断面積によって算出することができる。なお、取付部の構成は、橋梁構造物(橋桁B1)の構成に応じて適宜決定すればよく、例えば、鋼構造であってもよい。また、巻き立てコンクリートは必要に応じて形成すればよい。
連結部材4の一方の端部は、第一線材2の接合部21にボルト接合されており、連結部材4の他方の端部は第二線材3の接合部31にボルト接合されている。本実施形態では、一対の連結部材4,4を、接合部21,31を上下から挟むように配設した状態で、連結部材4,4および接合部21,31を貫通させたボルトにナットを螺合する。なお、連結部材4は、ボルト接合に限定されるものではなく、例えばピン接合してもよい。また、図4では、連結部材4の板面を垂直に配置したが、連結部材4の向きは限定されるものではなく、例えば、連結部材4の板面を水平に配置してもよい。
連結部材4は、保護カバー43により覆われている。保護カバー43の両端部は、第一固定部材5(内管52)および第二固定部材6(内管62)に固定されている。保護カバー43は、橋桁B1の移動に追従することが可能となるように、可とう性および伸縮性を有した材料(例えばポリエチレン製の蛇腹管等)により構成するのが望ましい。なお、保護カバー43は、連結部材4を被覆することが可能であればよく、連結部材4を構成する材料や連結部材4の形状等は限定されるものではない。また、保護カバー43は、地震力に対する抵抗部材として寄与するものではない。
第一固定部材5は、一方(図1において左側)の橋桁B1に固定されている。第一固定部材5は、図5に示すように、橋桁B1の横桁(巻き立てコンクリート)に埋設された外管51と、外管51内に摺動可能に挿入された内管52と、外管51の端部に設けられた係止板53と、外管51と係止板53との間に介設された緩衝材54とを備えている。なお、第一固定部材5の構成は限定されるものではない。
外管51は、橋桁B1の横桁に第一線材2を挿通する挿通孔を形成している。
内管52は、可とう性を有していて、一部が外管51に挿入されていて、残りの部分が外管51から連結部材4側に突出している。内管52には、第一線材2が挿通されている。
係止板53には、第一線材2を挿通するための挿通孔が形成された鋼板である。係止板53の挿通孔の内径は、第一線材2の外径よりも大きく、かつ、係止部23の幅(外径)よりも小さい。そのため、外管51の端部に形成された係止板53は、係止部23が係止可能である。なお、係止板53を構成する材料は、所定の強度を有していれば限定されるものではなく、必ずしも鋼板である必要はない。
緩衝材54は、樹脂製の板材(例えばゴム板)であって、係止板53よりも大きな面積を有している。緩衝材54は、取付部(横桁)の側面に当接している。緩衝材54と係止板53との間には、緩衝材54と同じ面積の鋼板からなる抑え板55が介設されている。緩衝材54は、係止部23が係止板53に接触した際の衝撃を弾性力により吸収する。なお、係止部23が係止板53に接触した際の衝撃力は、抑え板55により分散されて、緩衝材54の全面に作用する。
第一固定部材5の連結部材4と反対側の端部は、カバー材56により覆われている。カバー材56は、第一線材2を内挿する筒状部分56aと、係止板53の外面を覆う板状部分56bとを備えている。筒状部分56aは、係止部23の外径よりも大きな内径を有している。また、地震時等において橋桁B1が移動した際に、筒状部分56aの内部での第一線材2の摺動が可能となるように、筒状部分56aの先端と係止部23の端面との間には所定の長さの隙間が確保されている。
第二固定部材6は、図1に示すように、他方(図面において右側)の橋桁B1に固定されている。なお、第二固定部材6は、必ずしも橋桁B1に固定されている必要はなく、例えば、橋脚B2や橋台に固定されていてもよい。第二固定部材6は、図5に示すように、橋桁B1の横桁(巻き立てコンクリート)に埋設された外管61と、外管61内に摺動可能に挿入された内管62と、外管61の端部に設けられた係止板63と、外管61と係止板63との間に介設された緩衝材64とを備えている。
外管61は、橋桁B1の横桁に第二線材3を挿通する挿通孔を形成している。
内管62は、可とう性を有していて、一部が外管61に挿入されていて、残りの部分が外管61から連結部材4側に突出している。内管62には、第二線材3が挿通されている。
係止板63には、第二線材3を挿通するための挿通孔が形成された鋼板である。係止板63の挿通孔の内径は、第二線材3の外径よりも大きく、かつ、係止部33の幅(外径)よりも小さい。そのため、外管61の端部に形成された係止板63は、係止部33が係止可能である。なお、係止板63を構成する材料は、所定の強度を有していれば限定されるものではなく、必ずしも鋼板である必要はない。
緩衝材64は、樹脂製の板材(例えばゴム板)であって、係止板63よりも大きな面積を有している。緩衝材64は、取付部(横桁)の側面に当接している。緩衝材64と係止板63との間には、緩衝材64と同じ面積の鋼板からなる抑え板65が介設されている。緩衝材64は、係止部33が係止板63に接触した際の衝撃を吸収する。なお、係止部33が係止板63に接触した際の衝撃力は、抑え板65により分散されて、緩衝材64の全面に作用する。
第二固定部材6の連結部材4と反対側の端部は、カバー材66により覆われている。カバー材66は、第二線材3を内挿する筒状部分66aと、係止板63を覆う板状部分66bとを備えている。筒状部分66aは、係止部33の外径よりも大きな内径を有している。また、地震時等において橋桁B1が移動した際に、筒状部分66aの内部での第二線材3の摺動が可能となるように、筒状部分66aの先端と係止部33の端面との間には所定の長さの隙間が確保されている。
橋梁Bに設計地震力以下の地震力が作用すると、図6に示すように、支承Sにより揺れを吸収する。橋桁B1同士が離隔した場合であっても、第一線材2および第二線材3がそれぞれ第一固定部材5および第二固定部材6に対して摺動することで、連結部材4に応力が作用することはない。
図7に示すように、橋梁Bに設計地震力以上(レベル2以上)の地震力が作用して、支承Sに破損が生じた場合には、橋桁B1同士が落橋防止装置1によって連結されているため、橋桁B1が橋脚B2から落下することが防止される。このとき、橋桁B1の移動量は、落橋防止装置1によって、桁かかり長の初期値SEの75%の範囲内で収められている。なお、橋桁B1の移動量をSEの75%にすることは道路橋示方書(平成29年版)の規定による場合であり、他の規定による場合には、その規定に従えばよい。
連結部材4の引張強さよりも大きな地震力が橋梁Bに作用した場合には、図8に示すように、連結部材4がノッチ42,42同士を結ぶ線に沿って破断する。連結部材4が破断することで、落橋防止装置1の取付部(橋桁B1の横桁)に破損が生じることが防止される。また、落橋防止装置1が作動することで橋桁B1の移動量が桁かかり長SEの75%の範囲内で収められているため、連結部材4が破断した場合であっても、橋桁B1が落下しない程度の桁かかり長(0.25SE)が確保されている。ここで、設計地震力は、例えば、橋桁B1を支持する下部構造の死荷重反力の1.5倍(1.5R)とすればよい。なお、前述の移動量(SEの75%)、桁かかり長(0.25SE)、設計地震力(死荷重反力の1.5倍(1.5Rd))は道路橋示方書(平成29年版)の規定による場合であり、他の規定による場合には、その規定に従えばよい。
以上、落橋防止装置1によれば、連結部材4の引張強さが既知であるため、橋梁構造物(橋桁B1、橋台、橋脚B2等)の落橋防止装置1の取付部の強度を、落橋防止装置1の耐力以上にすることができる。そのため、橋梁Bに想定外の地震力が作用した場合は、連結部材4が先に破断することで、橋梁構造物が破損することを防止できる。
また、連結部材4が破断した場合であっても連結部材4の交換が容易である。
また、連結部材4は、中間部にノッチ42が形成されている(幅を減縮させている)ため、中間部(所定の位置)において破断させることができる。そのため、連結部材4の引張強さを算出して、取付部の強度を確実に連結部材4の引張強さよりも大きくすることができる。
また、連結部材4は、第一線材2および第二線材3に、それぞれボルト接合またはピン接合されているため、交換が容易である。また、連結部材4をボルト接合またはピン接合すれば、連結部材4がボルトまたはピンを中心に回動可能であるため、第一線材2または第二線材3の軸方向と交差する方向の揺れを吸収することができる。
第一線材2、第二線材3および連結部材4は、内管52,62、カバー材56,66および保護カバー43により覆われているため、紫外線劣化や雨水等による劣化に対して保護されている。また、 内管52,62および連結部材4が可とう性を有しているため、第一線材2または第二線材3の軸方向と交差する方向の揺れが生じた場合であっても、被覆保護が維持される。
係止板53,63と橋桁B1の横桁の間に緩衝材54,64が介設されているため、地震時等の揺れにより係止部23,33が係止板53,63に衝突した際の衝撃力を最小限に抑えられる。
以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、連結部材4が第一線材2および第二線材3にボルト接合またはピン接合されている場合について説明したが、連結部材4の取付方法は限定されるものではない。例えば、図9に示すように、連結部材4、第一線材2および第二線材3の端部に雄ネジ(螺子エンド)を形成し、当該雄ネジを高ナット44に螺着することで、連結部材4と第一線材2または第二線材3とを連結してもよい。
また、前記実施形態では、第一線材2の接合部21および第二線材3の接合部31がアイエンドスリーブの場合について説明したが、各接合部21,31の形状は限定されるものではなく、例えば、図10(a)および図10(b)に示すように、U字状のいわゆるフォークエンドスリーブであってもよい。なお、接合部21,31がフォークエンドスリーブの場合には、図11(a)および図11(b)に示すように、連結部材4は、U字状に形成された接合部21,31に端部を挿入した状態で、接合部21,31および連結部材4を挿通したボルトに高ナット44を螺着することにより第一線材2および第二線材3に取り付ける。
また、連結部材4は、図12(a)に示すように、接続部材24,34を介して、第一線材2および第二線材3に取り付けてもよい。接続部材24,34は、第一線材2および第二線材3の端部に形成された接合部21,31である。このような接続部材24,34としては、図12(b)に示すように、四角柱状の中空部材を使用すればよい。なお、接続部材24,34の形状は限定されるものではない。接続部材24,34には、連結部材4の貫通孔41の位置に応じてボルト孔25,35が形成されていて、連結部材4の貫通孔41を挿通させたボルトの螺合が可能に構成されている。また、接続部材24,34には、必要に応じて連結部材4の形状に応じた溝26,36を形成する。この場合、連結部材4を溝26,36に挿入することで、連結部材4と接続部材24,34とが係合された状態となる。
第一線材2(第二線材3)への接続部材24(34)の固定方法は限定されるものではない。例えば、図13(a)に示すように、接続部材24(34)に形成された線材挿通孔27(37)を挿通させた第一線材2(第二線材3)の端部に、接続部材24(34)の内部において、線材挿通孔27(37)の内径よりも大きな幅を有したグリップエンド71を固定することで、係止させてもよい。このとき、グリップエンド71と接続部材24,34の内壁面との間に止プレート72を介設するのが望ましい。
また、図13(b)に示すように、接続部材24(34)は、第一線材2(第二線材3)の端部に螺合することにより固定してもよい。このとき、接続部材24(34)の線材挿通孔27(37)の内面に雌ネジ加工を施しておくとともに、第一線材2(第二線材3)の端部に雄ネジ加工を施しておく。
さらに、図13(c)に示すように、接続部材24(34)の線材挿通孔の線材挿通孔27(37)を挿通させた第一線材2(第二線材3)の端部に、ナットを螺合することにより、第一線材2(第二線材3)と接続部材24(34)とを固定してもよい。
1 落橋防止装置
2 第一線材
21 接合部
22 貫通孔
23 係止部
3 第二線材
31 接合部
32 貫通孔
33 係止部
4 連結部材
41 貫通孔
5 第一固定部材
51 外管
52 内管
6 第二固定部材
61 外管
62 内管

Claims (8)

  1. 橋梁構造物である橋桁に固定された第一固定部材と、
    前記橋桁とは異なる他の橋梁構造物に固定された第二固定部材と、
    前記第一固定部材に挿通された第一線材と、
    前記第二固定部材に挿通された第二線材と、
    前記第一線材と前記第二線材とを連結する連結部材とを備える落橋防止装置であって、
    前記第一線材および前記第二線材は、前記連結部材と反対側の端部において前記第一固定部材または前記第二固定部材に係止可能であり、
    前記連結部材の降伏点又は耐力が設計地震力以上であるとともに当該連結部材の引張強さの上限値が既知であり、
    前記引張強さの上限値が、前記第一固定部材と前記橋桁との取付部の耐力および前記第二固定部材と前記他の橋梁構造物との取付部の耐力よりも小さいことを特徴とする、落橋防止装置。
  2. 前記連結部材が、両端部に貫通孔が形成された板材であって、前記第一線材および前記第二線材にボルト接合またはピン接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の落橋防止装置。
  3. 前記貫通孔同士の中間部において当該連結部材の幅が縮減されていることを特徴とする、請求項2に記載の落橋防止装置。
  4. 前記第一線材および前記第二線材の前記連結部材側の端部にアイエンドスリーブ、フォークエンドスリーブまたは螺子エンドが形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の落橋防止装置。
  5. 前記連結部材が、前記第一線材および前記第二線材に形成された接続部材に接合されていることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の落橋防止装置。
  6. 前記第一線材および前記第二線材の前記連結部材側の端部に、グリップエンドまたはナットが固定されており、
    前記接続部材が、前記グリップエンドまたは前記ナットに係止されていることを特徴とする、請求項5に記載の落橋防止装置。
  7. 前記第一線材および前記第二線材の前記連結部材側の端部に、螺子エンドが形成されており、
    前記接続部材が、前記螺子エンドに螺合されていることを特徴とする、請求項5に記載の落橋防止装置。
  8. 前記第一固定部材および前記第二固定部材が、橋梁構造物に固定される外管と、前記外管内に摺動可能に挿入された内管と、を有しており、
    前記第一線材は、前記第一固定部材の前記内管に挿通されていて、
    前記第二線材は、前記第二固定部材の前記内管に挿通されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の落橋防止装置。
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