JP7139700B2 - 活性エネルギー線照射装置及びインクジェットプリンタ - Google Patents

活性エネルギー線照射装置及びインクジェットプリンタ Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線照射装置に関し、詳しくは、記録媒体表面に吹き付ける気流により、記録媒体表面付近に形成される層流(空気層)を破壊することができる活性エネルギー線照射装置及びインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタにおいて使用されるラジカル硬化性インク(例えばラジカルUVインク)は、酸素との反応性が高く、活性エネルギー線照射による硬化時に、大気中の酸素によって重合反応が阻害される特性(酸素阻害)がある。
例えば、食品用パッケージへの印刷などでは、インクに高い安全性が求められることから、インク処方に制限があり、酸素阻害を受けやすいインクを使用せざるを得ないという事情がある。
この問題の解決方向としては、硬化時に窒素(N)などラジカル硬化性インクに対し不活性な気体を供給し、記録媒体表面付近の酸素を含む空気を不活性気体に置換する方法が知られている(特許文献1、2、3)。
特開2017-064985号公報 特開2008-221651号公報 特開2005-081277号公報
ところで、記録媒体表面付近に不活性気体を供給しても、記録媒体表面付近に形成される層流(空気層)によって、空気が不活性気体に置換されないという問題がある。不活性気体への置換が十分に行われないと、活性エネルギー線照射による硬化時には、ラジカル硬化性インク表面に酸素が残っており、酸素阻害を受ける虞がある。
空気を不活性気体に十分に置換するには、記録媒体表面付近に形成される層流を破壊しなければならない。
特許文献1では、不活性気体の気流の角度について検討されているが、流速についての記載がない。特許文献2には、不活性気体の流速を記録媒体の搬入速度と同じにするという記載がある。しかし、気流の角度についての検討がない。特許文献3では、不活性気体の気流の角度及び流速についての検討はない。これら文献に記載された不活性気体の気流によっては、記録媒体表面付近の層流を破壊することはできない。
そこで本発明の課題は、記録媒体表面に吹き付ける気流により、記録媒体表面付近に形成される層流(空気層)を破壊することができる活性エネルギー線照射装置及びインクジェットプリンタを提供することにある。
さらに本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
本発明の上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
活性エネルギー線により硬化するラジカル硬化性インクが表面に付着された記録媒体が該表面に沿う方向に搬入され、該ラジカル硬化性インクに活性エネルギー線を照射する照射部と、
前記照射部に搬入される前の前記記録媒体表面に気流を吹き付ける噴気部とを備え、
前記気流は、前記記録媒体表面において、該記録媒体の搬入方向に対する垂直方向の流速成分が、該記録媒体の搬入速度の1.5倍以上であることを特徴とする活性エネルギー線照射装置。
2.
前記気流の流速方向は、前記記録媒体表面に対する搬入方向手前側からの角度が45°乃至135°であることを特徴とする前記1記載の活性エネルギー線照射装置。
3.
前記気流の流速方向は、前記記録媒体表面に対する搬入方向手前側からの角度が45°乃至100°であることを特徴とする前記1記載の活性エネルギー線照射装置。
4.
前記噴気部からの気流は、前記記録媒体の搬入方向に直交する幅方向に亘るライン状の領域に吹き付けられることを特徴とする前記1、2又は3記載の活性エネルギー線照射装置。
5.
前記噴気部からの気流は、指向性を有し、気流断面内における流速が均一であることを特徴とする前記1~4の何れかに記載の活性エネルギー線照射装置。
6.
前記噴気部からの気流は、不活性気体の気流であることを特徴とする前記1~5の何れかに記載の活性エネルギー線照射装置。
7.
ラジカル硬化性インクが表面に付着された記録媒体が該表面に沿う方向に搬入され、該ラジカル硬化性インクに活性エネルギー線を照射する照射部と、
前記照射部に搬入される前の前記記録媒体表面に気流を吹き付ける第1の噴気部と
前記第1の噴気部による気流の吹き付けを経た記録媒体の表面上に不活性気体を供給する第2の噴気部とを備え、
前記第1の噴気部からの気流は、前記記録媒体表面において、該記録媒体の搬入方向に対する垂直方向の流速成分が、該記録媒体の搬入速度の1.5倍以上であることを特徴とする活性エネルギー線照射装置。
8.
前記第1の噴気部からの気流の流速方向は、前記記録媒体表面に対する搬入方向手前側からの角度が100°乃至135°であることを特徴とする前記7記載の活性エネルギー線照射装置。
9.
前記第1の噴気部からの気流は、前記記録媒体の搬入方向に直交する幅方向に亘るライン状の領域に吹き付けられることを特徴とする前記7又は8記載の活性エネルギー線照射装置。
10.
前記第1の噴気部からの気流は、指向性を有し、気流断面内における流速が均一であることを特徴とする前記7、8又は9記載の活性エネルギー線照射装置。
11.
前記記録媒体を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置により搬送される記録媒体に前記ラジカル硬化性インクを付着させる記録ヘッドと、
前記1~10の何れかに記載の活性エネルギー線照射装置とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
本発明によれば、記録媒体表面に吹き付ける気流により、記録媒体表面付近に形成される層流(空気層)を破壊することができる活性エネルギー線照射装置及びインクジェットプリンタを提供することができる。
本発明の実施形態のインクジェットプリンタを示す概略側面図 本発明の実施形態の活性エネルギー線照射装置を示す概略側面図 前記活性エネルギー線照射装置の気流方向が異なる(45°)形態を示す概略側面図 図3に示した活性エネルギー線照射装置の要部を示す概略側面図 前記活性エネルギー線照射装置の気流方向が異なる(135°)形態を示す概略側面図 図5に示した活性エネルギー線照射装置の要部を示す概略側面図 前記活性エネルギー線照射装置における層流を破壊する最低条件(1)を示すグラフ 前記活性エネルギー線照射装置における層流を破壊する最低条件(2)を示すグラフ 前記活性エネルギー線照射装置における不活性気体の流速と記録媒体の搬入速度との関係を示すグラフ 前記活性エネルギー線照射装置における不活性気体の最低流速及び搬入速度の比(r)と層流破壊との関係を示すグラフ 前記活性エネルギー線照射装置の照射部における層流破壊時の酸素濃度を示すグラフ 本発明の他の実施形態の活性エネルギー線照射装置を示す概略側面図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態のインクジェットプリンタを示す概略側面図である。
この実施形態は、図1に示すように、記録媒体101の表面(図1中の上側)に付着させたラジカル硬化性インクに対して活性エネルギー線照射を行って硬化させるインクジェットプリンタとして構成したものである。
このインクジェットプリンタは、記録媒体101を搬送する搬送装置102を備えている。搬送装置102は、記録媒体101を載置させて平面性を維持して表面に沿う方向に搬送し、この記録媒体101に対して記録ヘッド106によりラジカル硬化性インクによる画像形成をさせ、次いで記録媒体101を活性エネルギー線照射装置1に搬入する装置である。記録媒体101は、各種の紙、布帛、合成樹脂シート、金属箔などであり、その表面(図1中の上側)に記録ヘッド106による画像形成が行われる。
記録媒体101は、長尺状(ロール状)のシートや、枚葉式のシートの何れであってもよい。記録媒体101は、ストッカ104に収納されている。搬送装置102は、記録媒体101を搬送させる搬送ベルトを備えている。搬送ベルトは、ゴムや合成樹脂などの可撓性材料により形成された無端ベルトである。搬送ベルトは、供給ストッカ104から供給される記録媒体101を載置させた状態で移動操作されることにより、図1中矢印Aで示すように、記録媒体101を搬送する。記録媒体101の搬送速度は、特に限定されない。
搬送装置102は、記録媒体101を搬送して、記録ヘッド106による画像形成が可能な画像形成領域を通過させて、活性エネルギー線照射装置1に搬入する。さらに、搬送装置102は、活性エネルギー線照射装置1を通過した記録媒体101を搬送して、排出ストッカ105に排出する。
記録ヘッド106は、この実施形態においては、画像形成中は固定して配置されるインクジェット記録ヘッドであり、いわゆるシングルパス方式のインクジェットプリンタを構成している。ただし、本発明は、いわゆるスキャン方式のインクジェットプリンタにも適用することができる。
記録ヘッド106は、イエロー色インク用のイエロー記録ヘッド、マゼンタ色インク用のマゼンタ記録ヘッド、シアン色インク用のシアン記録ヘッド及びブラック色インク用のブラック記録ヘッドを含む、例えば計8色用の8個の単色ヘッドからなるが、これに限定されず単色ヘッドの数は適宜増減することができる。
なお、本発明のインクジェットプリンタは、記録媒体101を搬送ベルトにより平面性を維持したまま搬送する構成に限らず、記録媒体101を搬送ドラムにより円筒形状として搬送する構成としてもよい。なお、搬送ドラムにより搬送する構成においては、記録媒体101の表面に沿う方向とは、搬送ドラムの表面の接線方向のことであり、後述する「気流角度θ」は、搬送ドラムの表面の接線に対する角度のことである。
ラジカル硬化性インクは、活性エネルギー線の照射によって生起されるラジカル重合反応によって硬化するインク(インク組成物)である。「活性エネルギー線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できるエネルギー線であり、α線、γ線、X線、紫外線(UV)、電子線等が挙げられる。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
活性エネルギー線の照射によって、ラジカル硬化性インクに含まれるラジカル重合性化合物が重合し、ラジカル硬化性インクが硬化する。ラジカル重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマー又はこれらの混合物の何れであってもよい。
ラジカル重合性化合物は格別限定されず、例えば、N-ビニル化合物(N-C=C構造を有する化合物)、不飽和カルボン酸エステル等が挙げられる。N-ビニル化合物としては、例えば、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド等が挙げられる。不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物の含有量は、例えば、インクの全質量に対して1~97質量%の範囲とすることが硬化性等の観点で好ましく、30~95質量%の範囲であることがより好ましい。
ラジカル硬化性インクには、光ラジカル開始剤を含有させることができる。光ラジカル開始剤としては、例えば、開裂型ラジカル開始剤及び水素引き抜き型ラジカル開始剤等が挙げられる。開裂型ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、アシルホスフィンオキシド系開始剤、ベンジル及びメチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。水素引き抜き型ラジカル開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系開始剤、チオキサントン系開始剤、アミノベンゾフェノン系開始剤、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン及びカンファーキノン等が挙げられる。
光ラジカル開始剤の含有量は、インクが十分に硬化できる範囲であればよく、例えば、インクの全質量に対して0.01~10質量%の範囲とすることができる。
ラジカル硬化性インクは、以上に説明した成分以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、顔料や染料等の色材、ゲル化剤、重合禁止剤、界面活性剤等が挙げられる。
図2は、本発明の実施形態の活性エネルギー線照射装置を示す概略側面図である。
活性エネルギー線照射装置1は、図2に示すように、ラジカル硬化性インクが表面に付着された記録媒体101が該表面に沿う方向に搬入される。この活性エネルギー線照射装置1は、ラジカル硬化性インクに活性エネルギー線を照射する照射部2を備えている。この照射部2は、図示しない例えば紫外線光源(紫外線ランプ)を内蔵しており、記録媒体101の表面上方に設置され、記録媒体101の表面に向けて活性エネルギー線(例えば紫外線)を照射するように構成されている。
活性エネルギー線照射装置1は、照射部2に搬入される前の記録媒体101の表面に気流を吹き付ける噴気部3を備えている。気流の吹き付けは、記録媒体101の表面上の酸素を含む層流(空気層)を破壊し、この層流の不活性気体(Nなど)への置換を可能とするために行う。噴気部3は、記録媒体101の搬入方向に直交する幅方向に亘るライン状の領域に、気流を吹き付けることが好ましい。少ない流量で記録媒体101の表面全体に亘って気流を吹き付けるためである。また、噴気部3は、いわゆるエアナイフのように、指向性を有する気流を噴き出し、気流断面内における流速が均一である気流を噴き出すことが好ましい。少ない流量で記録媒体101に効率良く気流を吹き付けるためである。
図3は、前記活性エネルギー線照射装置の気流方向が異なる(45°)形態を示す概略側面図である。
図4は、図3に示した活性エネルギー線照射装置の要部を示す概略側面図である。
図5は、前記活性エネルギー線照射装置の気流方向が異なる(135°)形態を示す概略側面図である。
図6は、図5に示した活性エネルギー線照射装置の要部を示す概略側面図である。
図2では、噴気部3からの気流の流速方向(矢印B)は、記録媒体101の表面に対する搬入方向手前側からの角度(以下、「気流角度θ」という。)が、90°となっている。噴気部3からの気流の流速方向(矢印B)は、気流角度θが、図3乃至図6に示すように、90°ではない角度にすることもできる。なお、搬送ドラムにより搬送する構成においては、気流角度θは、搬送ドラムの表面の接線に対する角度のことである。
噴気部3からの気流は、記録媒体101の表面において、記録媒体101の搬入方向に対する垂直方向の流速成分V⊥が、記録媒体101の搬入速度vtの1.5倍以上となっている。気流の流速をVとすると、〔1.5vt≦V⊥=V・sinθ〕である。
なお、噴気部3からの気流の流速Vがあまりに大きいと、周辺雰囲気中にミストが舞うなどの問題が生ずる可能性がある。
この活性エネルギー線照射装置1は、照射部2に搬入される前の記録媒体101に噴気部3から気流を吹き付けることにより、記録媒体101の表面上の酸素を含む層流を効果的に破壊することができ、気流を不活性気体(Nなど)の気流とすれば、層流を不活性気体で置換することができる。
本願発明者は、記録媒体101上の層流の効果的な破壊には、噴気部3からの気流の、記録媒体101の搬入方向に対する垂直方向の流速成分V⊥が相関関係を有することを見出したものである。
この活性エネルギー線照射装置1においては、酸素との反応性が高いラジカル硬化性インクを用いても、記録媒体101の表面上の層流を破壊して不活性気体に置換することができ、酸素阻害を防止して臭気の発生を防止することができるので、例えば、食品用パッケージへの印刷などにおいて、極めて有用性が高い。
噴気部3からの気流の垂直方向の流速成分V⊥は、記録媒体101の搬入速度vtの1.5倍以上とすることにより層流を破壊できることが、以下の実験より見出された。まず、層流が破壊されたことの判別は、図2に示すように、記録媒体101の表面上の搬入方向上流側にスモーク103を焚き、このスモーク103の照射部2及び記録媒体101の間への浸入が噴気部3からの気流によって防止されたか否かを目視により確認した。スモーク103が照射部2及び記録媒体101の間に浸入せず、記録媒体101上が透明に維持されたときには、層流が破壊されたと判断する。このように層流が破壊されるときの、噴気部3からの気流の気流角度θ及び流速Vを測定した。流速Vは、記録媒体101の表面付近(表面から1mm)において流速計(KANOMAX社製CLIMOMASTER)により測定した。噴気部3からの気流は、不活性気体(N)の気流とした。
なお、噴気部3の先端部の開口断面積(気流の初期断面積)は、200mmであり、横幅は200mmであった。この開口断面積と流速との積が流量(風量)となる。噴気部3の先端部と記録媒体101の表面との距離は、5mmであった。この距離は、気流角度θを変化させた場合においても一定とした。
図7は、前記活性エネルギー線照射装置における層流を破壊する最低条件(1)を示すグラフである。
図7に示すように、記録媒体101の搬入速度vt=0.5m/sec、1m/sec、1.5m/secにおいて、噴気部3からの気流の気流角度θを変え(30°乃至150°)、層流が破壊されるか否かを確認した。各搬入速度vt及び各気流角度θにおいて、層流が破壊される最小の流速(Vmin)を測定した。図7は、各搬入速度vt及び各気流角度θにおける最小流速Vminを示している。図7より、噴気部3からの気流の気流角度θが90°から離れると、最小流速Vminが大きくなることがわかる。
図8は、前記活性エネルギー線照射装置における層流を破壊する最低条件(2)を示すグラフである。
図8は、図7で得られた最小流速Vminの記録媒体101の搬入方向に対する垂直方向の流速成分V⊥min(=Vmin・sinθ)のみを示すものである。図8より、最小流速Vminの記録媒体101に対する垂直成分V⊥minは概ね一定であることから、層流を破壊するための気流は、記録媒体101に対する垂直成分が有効であると考えられる。つまり、噴気部3を記録媒体101に対して傾けた場合(気流角度θが90°から離れた場合)には、sinθが小さくなるので、垂直方向の流速成分V⊥を確保するために、流速Vを上げる必要があるということである。
図9は、前記活性エネルギー線照射装置における不活性気体の流速と記録媒体の搬入速度との関係を示すグラフである。
図9に示すように、記録媒体101の搬入速度vt(m/sec)と、最小流速Vmin(m/sec)の垂直成分V⊥min(m/sec)とは、気流角度θに関わらず、搬入速度vtに対して最小流速Vminの垂直成分V⊥minが傾き1.5で単調増加するという関係にある。
図10は、前記活性エネルギー線照射装置における不活性気体の最低流速及び搬入速度の比(r)と層流破壊との関係を示すグラフである。
また、図10に示すように、噴気部3からの気流の流速Vの垂直成分V⊥と記録媒体101の搬入速度vtの比(V⊥/vt)をrとすると、各気流角度θ(45°、60°、80°、90°、100°、120°、135°)及び記録媒体101の各搬入速度(0.2m/sec、0.5m/sec、1m/sec、1.5m/sec)について、r=1.5以上では、照射部2及び記録媒体101の間へのスモークの浸入が防がれ、r=1.5未満では、照射部2及び記録媒体101の間へのスモークの浸入が防げなかった。
以上のように、図9及び図10に示す結果より、噴気部3からの気流速度Vの垂直成分V⊥は、記録媒体101の搬入速度vtの1.5倍以上とすべきことを見出した。この実験結果は記録媒体面に沿ったベクトル(層流侵入)成分を遮断するためには記録媒体面に対して垂直に1.5倍以上の風速が必要であることを表している。
なお、図8において、気流角度θ=100°以上において最小流速Vminの垂直成分V⊥minが低くなるのは、記録媒体101の搬入方向に対向する方向に気流をあてていることにより、層流の破壊が促進されるためである。また、気流角度θ=30°や150°のように、噴気部3を大きく傾けると、最小流速Vminの垂直成分V⊥minが若干上がっている。これは、水平方向(記録媒体101の表面に沿う方向)に不活性気体が流れ易くなり、垂直方向の流速成分V⊥を確保するために、余分に流速Vを上げる必要があるためである。
このことから、記録媒体101の表面上の層流をより効率的に破壊するためには、噴気部3からの気流の流速方向(矢印B)は、気流角度θが、図3及び図4に示すように、45°乃至、図5及び図6に示すように、135°であることが好ましい。
図11は、前記活性エネルギー線照射装置の照射部における層流破壊時の酸素濃度を示すグラフである。
図11に示すように、各気流角度θにおいて最小流速Vminで不活性気体を吹き付けたときに、照射部2及び記録媒体101の間における酸素濃度を測定した。酸素濃度の測定は、酸素濃度計(PreSens社製Microx TX3)を用いて、噴気部3から下流側に100mm離れた箇所で、記録媒体101の表面付近(表面から1mm)の酸素濃度を測定した。気流角度θ=30°乃至100°において、酸素濃度が下がっている。つまり、気流角度θ=30°乃至100°では、層流が破壊された後に、空気が不活性気体に置換されていることが分かる。気流角度θ=100°以上では、層流を壊しても記録媒体に不活性気体を乗せる搬入方向のベクトルがないため、不活性気体に十分に置換されないことがわかる。
以上より、気流角度θ=45°乃至100°で最小流速Vmin以上で不活性気体を吹き付けることにより、効率よく記録媒体101の表面上の層流を破壊し、不活性気体に置換することができた。したがって、噴気部3からの気流の流速方向は、気流角度θが、45°乃至100°であることがさらに好ましい。
なお、この測定では、酸素濃度の測定結果により、不活性気体への置換がされたことを判断している。要求される酸素濃度値は、不活性気体の充満領域や、照射部2と記録媒体101との間のギャップなどに応じて、適宜定めることができ、それに応じて不活性気体の流量を最適化することが好ましい。
図12は、本発明の他の実施形態の活性エネルギー線照射装置を示す概略側面図である。
この活性エネルギー線照射装置1は、図12に示すように、照射部2に搬入される前の記録媒体101の表面に気流を吹き付ける第1の噴気部3aと、第1の噴気部3aによる気流の吹き付けを経た記録媒体101の表面上に不活性気体を供給する第2の噴気部3bとを備えて構成してもよい。
第1の噴気部3aから噴き出される気流は、不活性気体ではないが、不活性気体としてもよい。
第1の噴気部3aは、記録媒体101の搬入方向に直交する幅方向に亘るライン状の領域に、気流を吹き付けることが好ましい。少ない流量で記録媒体101の表面全体に亘って気流を吹き付けるためである。また、第1の噴気部3aは、いわゆるエアナイフのように、指向性を有する気流を噴き出し、気流断面内における流速が均一である気流を噴き出すことが好ましい。少ない流量で記録媒体101に効率良く気流を吹き付けるためである。
第1の噴気部3aからの気流は、記録媒体101の表面において、記録媒体101の搬入方向に対する垂直方向の流速成分V⊥が、記録媒体101の搬入速度vtの1.5倍以上となっている。
この活性エネルギー線照射装置1においては、第1の噴気部3aからの気流により記録媒体101の表面上の層流が破壊され、次に、層流が破壊された記録媒体101の表面上に、第2の噴気部3bによって不活性気体が供給される。
第1の噴気部3aからの気流により層流が破壊されるので、第1の噴気部3aからの気流が不活性気体でなくとも、第2の噴気部3bは、1本の噴気部3のみを設けた場合のように速い流速で吹き付けなくても、記録媒体101の表面上の空気を不活性気体に置換することができる。これにより、必要な不活性気体の量を削減することができる。
なお、第1の噴気部3aからの気流の流速方向(矢印B)は、記録媒体101の表面に対する搬入方向手前側からの角度(気流角度θ)が、100°乃至135°であることが好ましい。また、第2の噴気部3bは、不活性気体を記録媒体101に乗せて運ばせるために、記録媒体101の表面に対する搬入方向手前側からの角度(気流角度θ)が100°未満であることが好ましい。
本発明は、前述した各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってよい。具体的な細部構造や数値等についても適宜に変更可能であることは勿論である。加えて、今回開示された各実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 活性エネルギー線照射装置
2 照射部
3 噴気部
3a 第1の噴気部
3b 第2の噴気部
101 記録媒体
102 搬送装置
103 スモーク
104 供給ストッカ
105 排出ストッカ
106 記録ヘッド
V 流速
V⊥ 垂直成分
Vmin 最小流速
V⊥min 最小流速の垂直成分
θ 気流角度
vt 搬入速度

Claims (5)

  1. ラジカル硬化性インクが表面に付着された記録媒体が該表面に沿う方向に搬入され、該ラジカル硬化性インクに活性エネルギー線を照射する照射部と、
    前記照射部に搬入される前の前記記録媒体表面に気流を吹き付ける第1の噴気部と
    前記第1の噴気部による気流の吹き付けを経た記録媒体の表面上に不活性気体を供給する第2の噴気部とを備え、
    前記第1の噴気部からの気流は、前記記録媒体表面において、該記録媒体の搬入方向に対する垂直方向の流速成分が、該記録媒体の搬入速度の1.5倍以上であることを特徴とする活性エネルギー線照射装置。
  2. 前記第1の噴気部からの気流の流速方向は、前記記録媒体表面に対する搬入方向手前側からの角度が100°乃至135°であることを特徴とする請求項記載の活性エネルギー線照射装置。
  3. 前記第1の噴気部からの気流は、前記記録媒体の搬入方向に直交する幅方向に亘るライン状の領域に吹き付けられることを特徴とする請求項又は記載の活性エネルギー線照射装置。
  4. 前記第1の噴気部からの気流は、指向性を有し、気流断面内における流速が均一であることを特徴とする請求項又は記載の活性エネルギー線照射装置。
  5. 前記記録媒体を搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置により搬送される記録媒体に前記ラジカル硬化性インクを付着させる記録ヘッドと、
    請求項1~の何れかに記載の活性エネルギー線照射装置とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
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