JP7137504B2 - 研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法 - Google Patents
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Description
前記研磨層は、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合において、20℃における結晶相の成分の含有割合(Ac20)が10~20%であり、20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)が40~50%である、前記研磨パッド。
[2] 20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)と40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)との差の絶対値(|Ai20-Ai40|)が35~50である、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記研磨層のA硬度が5~15である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記研磨層の圧縮率が35~65%である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[5] [1]~[4]のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、湿式成膜法を使用する工程を含む、前記方法。
[6] 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、[1]~[4]のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用する工程を含む、前記方法。
[7] ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法であって、
前記研磨層について、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合に、20℃における結晶相の成分の含有割合(Ac20)が10~20%であり、20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)が40~50%であるか否かを確認する工程を含む、前記評価方法。
[8] 20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)と40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)との差の絶対値(|Ai20-Ai40|)が35~50であるか否かを確認する工程を更に含む、[7]に記載の評価方法。
本発明では、研磨層として、20℃における結晶相の成分の含有割合(Ac20)が10~20%であり、20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)が40~50%であるものを使用する。
パルスNMRでは、パルスに対する応答信号を検出することで定量性に優れるFID信号を得ることができる。このため、ポリウレタン樹脂の相分離構造を解析することができる。FID信号の初期値は測定試料中のプロトンの数に比例しており、測定試料に複数の成分があれば、FID信号は各成分の応答信号の和となる。各成分の運動性に差があると、応答信号の減衰の速さが異なりスピン-スピン緩和時間T2が異なるため、これらを分離して各成分の緩和時間T2と成分割合Rとを求めることができる。成分の運動性が小さくなるほど緩和時間T2が短くなり、運動性が大きくなるほど緩和時間T2が長くなる。換言すれば、緩和時間T2が短くなるほど結晶性が大きくなり、緩和時間T2が長くなるほど非晶性が大きくなる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「A~B」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値であるA及びBを含むものとする。
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、前記研磨層は、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合において、20℃における結晶相の成分の含有割合(Ac20)が10~20%であり、20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)が40~50%である。
Ac20は、10~20%であり、10~18%が好ましく、10~17%がより好ましい。Ai20は、40~50%であり、41~49%が好ましく、42~48%がより好ましい。Ac20及びAi20が上記数値範囲内にあると、研磨傷を抑制でき、研磨中の研磨レートの変動が少なく、研磨安定性に優れる研磨パッドが得られる。
研磨層に含まれるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、100000~200000が好ましく、110000~160000がより好ましく、120000~140000が最も好ましい。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、後述するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
|Ai20-Ai40|が上記数値範囲内にあると、以下のような効果を有する研磨パッドが得られると考えられる。
研磨パッドによる研磨について、研磨開始初期の研磨パッドの研磨面の温度は室温(約20℃)付近であるが、研磨中期から後期の研磨面の温度は摩擦熱等に起因して40℃付近にまで上昇する。研磨の進行に伴って研磨パッドの研磨面の温度が上昇すると、界面相として拘束されていた分子鎖の一部が解放されて自由な運動をする非晶相成分となると考えられる。本発明においては、|Ai20-Ai40|が比較的大きく、20℃から40℃へ温度上昇に伴い、界面相の多くが非晶相成分となると考えられる。そのため、研磨加工により研磨熱が発生している状態(約40℃)では、研磨パッドのソフト性が増し、研磨屑やパッド屑、スラリー成分等からなる研磨凝集物を被研磨物に押し付ける力を弱くできるため、傷つきやすい面に対し研磨傷抑制効果が大きいと考えられる。また、本発明においては、20℃における界面相の含有割合が比較的高いため、通常、室温(約20℃)において行われるドレス時には、研磨層のドレス性が向上し、研磨レートの経時変化が抑制されると考えられる。
20℃における非晶相の成分の緩和時間は、800~1300μsが好ましく、900~1250μsがより好ましく、1000~1200μsが最も好ましい。20℃における界面相の成分の緩和時間は、100~300μsが好ましく、150~280μsがより好ましく、180~250μsが最も好ましい。20℃における結晶相の成分の緩和時間は、10~30μsが好ましく、15~28μsがより好ましく、18~25μsが最も好ましい。
40℃における非晶相の成分の含有割合は、70~95%が好ましく、75~95%がより好ましく、80~95%が最も好ましい。40℃における結晶相の成分の含有割合は、1~10%が好ましく、2~8%がより好ましく、3~7%が最も好ましい。
40℃における非晶相の成分の緩和時間は、500~800μsが好ましく、620~780μsがより好ましく、650~750μsが最も好ましい。40℃における界面相の成分の緩和時間は、10~50μsが好ましく、15~40μsがより好ましく、20~35μsが最も好ましい。40℃における結晶相の成分の緩和時間は、5~30μsが好ましく、10~25μsがより好ましく、15~20μsが最も好ましい。
本発明の研磨パッドのポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール、ポリアミンなどの硬化剤を反応させて得られ、鎖延長剤を使用することもできる。結晶相(ハードセグメント)はイソシアネート化合物及び鎖延長剤に由来する構造単位から構成され、非晶相(ソフトセグメント)は比較的自由度が高い脂肪族有機基を有するポリオールやジアミンに由来する構造単位から構成される。
ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などが挙げられる。これらのポリエーテルジオールは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルジオールとしては、例えば、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物等のエステル形成性誘導体と低分子ジオールとを直接エステル化反応またはエステル交換反応させることにより製造できる。
ポリエステルジオールを構成するジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2-メチルコハク酸、2-メチルアジピン酸、3-メチルアジピン酸、3-メチルペンタン二酸、2-メチルオクタン二酸、3,8-ジメチルデカン二酸、3,7-ジメチルデカン二酸等の炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;等が挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルジオールを構成する低分子ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール;等が挙げられる。これらの低分子ジオールは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。低分子ジオールの炭素数としては、例えば、6以上12以下が挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、添加剤を含むことができる。添加剤は、好ましくは、成膜助剤、発泡抑制助剤からなる群より選択される。
成膜助剤としては、疎水性活性剤等が挙げられる。疎水性活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンなどのノニオン系界面活性剤や、アルキルカルボン酸などのアニオン系界面活性剤が挙げられる。
発泡抑制助剤としては、親水性活性剤等が挙げられる。親水性活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩等のアニオン界面活性剤やセルロースエステルが挙げられる。
成膜助剤を添加剤として添加する場合には、0.2~10質量%であることが好ましい。発泡抑制助剤を添加剤として添加する場合には、0.2~10質量%であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂は、上述したポリウレタン樹脂組成物を重合させることにより製造できる。すなわち、必要に応じて触媒の存在下で有機溶剤中で重合反応を行う方法等が挙げられる。
本発明の研磨パッドの製造方法は、上述の研磨パッドの製造方法であって、湿式成膜法を使用する工程を含む。
図3に本発明の研磨パッドの一例の断面図を示す。本発明の研磨パッド1は湿式成膜法により製造された軟質プラスチックフォームとしてのポリウレタンシート2を有している。ポリウレタンシート2は、研磨面P側が、ポリウレタンシート2の厚さ(図3の縦方向の長さ)がほぼ一様となるようにバフ処理されている(詳細後述)。
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、上述の研磨パッドを使用する工程を含む。
被研磨物の研磨加工を行うときは、例えば、図4に示すように、片面研磨機70を使用する。片面研磨機70は、上側に被研磨物を押圧する加圧定盤72、下側に回転可能な回転定盤71を有している。加圧定盤72の下面及び回転定盤71の上面は、いずれも平坦に形成されている。加圧定盤72の下面にはバックパッド75が貼付されており、回転定盤71の上面には被研磨物を研磨する研磨パッド1が貼付されている。バックパッド75に適量の水を含ませて被研磨物78を押し付けることで、被研磨物78が水の表面張力及びポリウレタン樹脂の粘着性でバックパッド75に保持される。加圧定盤72で被研磨物78を加圧しながら回転定盤71を回転させることで、被研磨物78の下面(加工表面)が研磨パッド1で研磨加工される。
本発明の研磨パッドの評価方法は、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法であって、前記研磨層について、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合において、20℃における結晶相の成分の含有割合(Ac20)が10~20%であり、20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)が40~50%であるか否かを確認する工程を含む。
100%樹脂モジュラスが4.0MPa、重量平均分子量132800のポリエステル系ポリウレタン樹脂の濃度が30質量%であるポリウレタンDMF溶液100質量部に、DMF50質量部、添加剤としてポリエーテル変性シリコーン5質量部、アセチルブチルセルロース1質量部、ノニオン系界面活性剤1質量部、及びセルロースエステル1質量部を添加して混合することにより、樹脂含有溶液を得た。ポリエステル系ポリウレタン樹脂としては、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを構成単位とするポリオールとを反応させて得られるポリエステルジオールと、1,4-ブタンジオール/エチレングリコール=9/1モル比の鎖延長剤と、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを縮合して得られたものを用いた。
なお、本実施例において、100%樹脂モジュラスは、無発泡の樹脂シートを100%伸ばしたとき(元の長さの2倍に伸ばしたとき)に掛かる荷重を断面積で割った値を意味する。100%樹脂モジュラスは、樹脂溶液を薄く引き延ばし熱風乾燥し、200μm程度の厚みの乾式フィルムを作製後、しばらく養生したのち、全長90mm、両端部幅20mm、つかみ具間距離50mm、平行部幅10mm、厚さ200μmのダンベル状に試料を打ち抜き、測定試料を万能材料試験機テンシロン(株式会社エイ・アンド・デイ製テンシロン万能試験機「RTC-1210」)の上下エアチャックにはさみ、20℃(±2℃)、湿度65%(±5%)の雰囲気下で、引っ張り速度100mm/分で引っ張り、100%伸長時(2倍延伸時)の張力を試料の初期断面積で割ることにより求めた。
また、本実施例において、重量平均分子量は後述する測定条件でGPCにより測定されたものを意味する。
実施例1のポリウレタンDMF溶液に代えて、100%樹脂モジュラスが7.0MPa、重量平均分子量104300のポリエステル系ポリウレタン樹脂の濃度を30質量%とするポリウレタンDMF溶液を準備した。このポリウレタンDMF溶液100質量部に、DMF32部、水5部を混合することにより、樹脂含有溶液を得た。ポリエステル系ポリウレタン樹脂としては、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを構成単位とするポリオールとを反応させて得られるポリエステルジオールと、1,4-ブタンジオール/1,6-ヘキサンジオール=9/1モル比の鎖延長剤と、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを縮合して得られたものを用いた。
以降、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作成し、研磨パッドを得た。
実施例1のポリウレタンDMF溶液に代えて、100%樹脂モジュラスが8.5MPa、重量平均分子量137700のポリエステル系ポリウレタン樹脂の濃度を30質量%とするポリウレタンDMF溶液を準備した。このポリウレタンDMF溶液100質量部に、DMF56部、ポリエーテル変性シリコーン2部、セルロースエステル3部を混合することにより、樹脂含有溶液を得た。ポリエステル系ポリウレタン樹脂としては、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを構成単位とするポリオールとを反応させて得られるポリエステルジオールと、1,4-ブタンジオール/1,6-ヘキサンジオール=9/1モル比の鎖延長剤と、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを縮合して得られたものを用いた。
以降、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作成し、研磨パッドを得た。
実施例1のポリウレタンDMF溶液に代えて100%樹脂モジュラスが7.5MPa、重量平均分子量120000のポリエステル系ポリウレタン樹脂の濃度を30質量%とするポリウレタンDMF溶液を準備した。このポリウレタンDMF溶液100質量部に、DMF31.8部、ポリエーテル変性シリコーン1部、セルロースエステル1部を混合することにより、樹脂含有溶液を得た。ポリエステル系ポリウレタン樹脂としては、アジピン酸と1,4-ブタンジオールを構成単位とするポリオールとを反応させて得られるポリエステルジオールと、1,4-ブタンジオール/3-メチル-1,5-ペンタンジオール=9/1モル比の鎖延長剤と、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを縮合して得られたものを用いた。
以降、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作成し、研磨パッドを得た。
実施例1及び比較例1~3それぞれの研磨パッドについて、以下のGPC測定、パルスNMR、A硬度、及びD硬度の測定を行った。また、実施例1及び比較例1~3それぞれの研磨パッドについて、研磨試験を行い、研磨レート変動性、研磨安定性、及び研磨傷による評価を行った。
実施例1及び比較例1~3それぞれで得られた研磨パッドから、研磨層のポリウレタン樹脂を0.05g切り取り、DMF4.95gに溶解し1%ポリウレタンDMF溶液を調整し、静置後、試験管ミキサーにより50℃で14時間振とうした。振とう後、上澄み0.5gを測り取りDMF2gと混合し、0.2%ポリウレタンDMF溶液とした後、0.45μmフィルターにて濾過し、測定試料とした。得られた測定試料を以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定し、重量平均分子量を求めた。標準試料にポリエチレングリコールオキシド(アジレント・テクノロジー株式会社製 EasiVial PEG/PEO)を用いて検量線を作成した。
(測定条件)
カラム:Ohpak KB-805HQ(排除限界2000000)
移動相:5mM LiBr/DMF
流速:0.75ml/min(21kg/cm2)
オーブン:60℃
検出器:RI
試料量:30μl
実施例1及び比較例1~3それぞれの研磨パッドは、以下の条件でパルスNMRにより構造解析を行った。
研磨層のA硬度は、JIS K7311準拠して、研磨パッドから発泡ウレタンシート試料片(10cm×10cm)を切り出し、複数枚の該試料片を厚さが4.5mm以上となるように重ね、A硬度計を用いて測定した。
研磨層の圧縮率は、JIS L 1021に準拠して、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めた。具体的には、室温(約20℃)において、無荷重の状態から初荷重を30秒間かけて加圧した後の厚さt0を測定し、次に厚さt0の状態から最終圧力をかけて、そのままの荷重のもとで1分間放置後の厚さt1を測定した。これらから下記式により、圧縮率を算出した。なお、初荷重は300g/cm2、最終圧力は1800g/cm2とした。
実施例1及び比較例1~3それぞれの研磨パッドを用い、TEOS(Tetro Ethyl Ortho Silicate)膜付きシリコンウェハ及びCu膜付きシリコンウェハそれぞれ50枚に対して、以下の条件にて研磨加工を繰り返し行った。
<研磨条件>
使用研磨機:(株)荏原製作所製、商品名「F-REX300」
研磨速度(定盤回転数):70rpm
ドレッサ:3M社製ダイヤモンドドレッサー、型番「A188」
パッドブレーク:30N 30min
コンディショニング:Ex-situ、30N,4スキャン
加工圧力:176g/cm2
スラリー:コロイダルシリカスラリー(pH:11.5)
スラリー流量:200mL/min
研磨時間:60秒
被研磨物:TEOS付きシリコンウェハ又はCu膜付きシリコンウェハ
まず、研磨試験前後のウエハ上のTEOS膜、或いはCu膜について、ウエハ上の全体にわたってランダムに121箇所を選定し、それらの箇所における研磨試験前後の厚さを測定した。測定した厚さに基づいて、研磨試験前の厚さの平均値及び研磨試験後の厚さの平均値を算出し、これらの平均値の差をとることにより研磨された厚みの平均値を算出した。そして、得られた研磨された厚みの平均値を研磨時間で除することにより研磨レート(Å/分)を求めた。なお、厚さ測定は、光学式膜厚膜質測定器(KLAテンコール社製、型番「ASET-F5x」)のDBSモードにて測定した。50個の研磨レートにおける最大値、最小値、平均値、及び研磨レートの標準偏差を求め、下記式により研磨レート変動性及び研磨安定性を算出した。
当該研磨レート変動性及び研磨安定性の評価においては、研磨レートが変動しやすい研磨初期に相当する1~4枚分の研磨処理を含めて評価を行っているので、5~50枚分の研磨処理を対象とした評価に比べて、より厳密に研磨レート変動性及び研磨安定性を評価していることになる。
また、研磨安定性(%)の数値が低いほど研磨レートの値のバラつきが小さくなることから研磨レートが安定することを示す。研磨安定性(%)がTEOS膜付きシリコンウェハに関しては10%以下、Cu膜付きシリコンウェハに関しては2.0%以下であると研磨レートが十分に安定しているといえる。
研磨傷については、上記(研磨レート変動性、研磨安定性)における研磨による得られた、研磨処理枚数が10枚目、25枚目、50枚目のTEOS膜付きシリコンウェハ、及びCu膜付きシリコンウェハを表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP2XP)の高感度測定モードにて測定し、基板表面における研磨傷の数(個)を観察し、合計を求めた。
研磨傷の数がTEOS膜付きシリコンウェハに関しては5個以下、Cu膜付きシリコンウェハに関しては30個以下であると研磨傷が少なく良好であるといえる。
また、比較例1の研磨パッドは、実施例1の研磨パッドに比べ、Cu膜付きシリコンウェハについて研磨傷の発生が多かった。
また、比較例2の研磨パッドは、実施例1の研磨パッドに比べ、TEOS膜付きシリコンウェハ及びCu膜付きシリコンウェハのいずれについても研磨傷の発生が極めて多かった。研磨傷の発生が多かった理由としては、比較例2の研磨パッドにおいて、Ac20がかなり大きかったことが考えられる。
また、比較例3の研磨パッドは、実施例1の研磨パッドに比べ、TEOS膜付きシリコンウェハ及びCu膜付きシリコンウェハのいずれについても研磨傷の発生が極めて多かった。
Claims (8)
- ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層は、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合において、20℃における結晶相の成分の含有割合(Ac20)が10~20%であり、20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)が40~50%である、前記研磨パッド。 - 20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)と40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)との差の絶対値(|Ai20-Ai40|)が35~50である、請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記研磨層のA硬度が5~15である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
- 前記研磨層の圧縮率が35~65%である、請求項1~3のいずれか1つに記載の研磨パッド。
- 請求項1~4のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、湿式成膜法を使用する工程を含む、前記方法。
- 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、請求項1~4のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用する工程を含む、前記方法。
- ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法であって、
前記研磨層について、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合に、20℃における結晶相の成分の含有割合(Ac20)が10~20%であり、20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)が40~50%であるか否かを確認する工程を含む、前記評価方法。 - 20℃における界面相の成分の含有割合(Ai20)と40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)との差の絶対値(|Ai20-Ai40|)が35~50であるか否かを確認する工程を更に含む、請求項7に記載の評価方法。
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