以下、本発明の解繊装置およびシート製造装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のシート製造装置(第1実施形態)を示す概略側面図である。図2は、図1に示すシート製造装置が備える解繊装置の垂直断面斜視図である。図3は、図2中の一点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大図である。図4は、図2に示す解繊装置から第1磁性体ユニットを離脱させた状態を示す斜視図である。図5は、図4に示す第1磁性体ユニットの分解斜視図である。図6は、図2に示す解繊装置から第2磁性体ユニットを離脱させた状態を示す斜視図である。図7は、図6に示す第2磁性体ユニットの分解斜視図である。なお、以下では、説明の都合上、図1~図4中(図8および図9についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図1~図3中(図8についても同様)の左側を「左」または「上流側」、右側を「右」または「下流側」と言うことがある。
図1に示すように、シート製造装置100は、解繊部13を備え、解繊部13(解繊領域A2)で解繊された繊維性材料(紙)の解繊物M3からシートSを製造する装置である。本実施形態では、解繊部13は、解繊装置1で構成されている(例えば図2参照)。
図2に示すように、この解繊装置1は、紙の粗砕片M2を解繊して解繊物M3が生じる解繊領域A2と、旋回流RFを発生させて、旋回流RFによって粗砕片M2(紙)を旋回させつつ解繊領域A2に送り込む旋回領域A1と、解繊物M3が排出される排出領域A3とを有する装置本体2を備えている。また、装置本体2は、旋回領域A1に設けられ、粗砕片M2(紙)とともに旋回領域A1に搬送された金属片MFを磁力により吸着する少なくとも1つの磁性体53を有する第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)を含んでいる。
このような本発明によれば、後述するように、粗砕片M2と金属片MFとが旋回領域A1内で混在していた場合でも、第1磁性体ユニット5により、金属片MFを吸着することができる。これにより、例えば、解繊装置1や、その他、解繊装置1(解繊部13)以降の各部が金属片MFによって損傷を受けるのを防止することができる。
また、解繊物M3からシートSを再生する際には、金属片MFは、除去された状態となっているのが好ましい。第1磁性体ユニット5により金属片MFが除去されるため、シートSは、再生時に不純物となり得る金属片MFが除去された高品質のものとなる。
図1に示すように、シート製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部21と、ストック部22と、回収部27とを備えている。また、シート製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236とを備えている。その他、シート製造装置100は、ブロアー261と、ブロアー262と、ブロアー263とを備えている。
なお、シート製造装置100が備える各部の作動は、制御部(図示せず)によって制御されている。また、この制御部は、シート製造装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。この外部機器は、例えば、シート製造装置100とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、シート製造装置100とネットワーク(例えばインターネット)を介して接続されている場合等がある。
また、シート製造装置100では、原料供給工程と、粗砕工程と、解繊工程と、選別工程と、第1ウェブ形成工程と、分断工程と、混合工程と、ほぐし工程と、第2ウェブ形成工程と、シート形成工程と、切断工程とがこの順に実行される。
以下、各部の構成について説明する。
原料供給部11は、粗砕部12に原料M1(基材)を供給する原料供給工程を行なう部分である。この原料M1としては、非磁性体である繊維性材料を含む材料である。非磁性体である繊維性材料とは、繊維1本のことを指す場合と、複数の繊維の集合体(例えば綿のような状態)のことを指す場合とがある。繊維は、被解繊物を解繊処理することにより繊維状に解きほぐされた繊維(解繊物)であってもよい。ここで被解繊物としては、例えば、パルプシート、紙、古紙、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット、段ボールなどの、繊維が絡み合い又は結着されたものを指す。また、本明細書において、被解繊物は、本実施形態のシート若しくは使用後の該シート(古シート)であってもよい。また、被解繊物には、レーヨン、リヨセル、キュプラ、ビニロン、アクリル、ナイロン、アラミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリイミド、炭素、ガラス等が含まれていてもよい。本発明の実施形態では、繊維性材料の中で紙を挙げて説明するが、本発明における繊維性材料は紙に限るものもではない。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を大気中(空気中)等の気中で粗砕する粗砕工程を行なう部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、シュート(ホッパー)122とを有している。
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含むフィルター(図示せず)を有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式(または温風気化式)の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管(流路)241を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2を気中で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
また、解繊装置1で構成された解繊部13は、後述するローター3の回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ(気流)を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4-1と、第1選別物M4-1よりも大きい第2選別物M4-2とに選別される。第1選別物M4-1は、その後のシートSの製造に適した大きさのものとなっている。その平均長さは、100μm以上10mm以下であるのが好ましい。一方、第2選別物M4-2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4-1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4-2として選別される。
第1選別物M4-1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4-2は、ドラム部141に接続されている管(流路)243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側(下流側)が管241に接続されている。この管243を通過した第2選別物M4-2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4-2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141からの第1選別物M4-1は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部(分離部)15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4-1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト(分離ベルト)151と、3つの張架ローラー152と、吸引部(サクション機構)153とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4-1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4-1は、下流側に搬送される。
第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
また、第1選別物M4-1には、例えば塵や埃等が混在しているおそれがある。塵や埃は、例えば、粗砕や解繊によって生じることがある。そして、このような塵や埃は、後述する回収部27に回収されることとなる。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト151を通過した塵や埃を空気ごと吸引することができる。
また、吸引部153は、管(流路)244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された塵や埃は、回収部27に回収される。
回収部27には、管(流路)245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、塵や埃等が除去されたものとなる。また、塵や埃は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4-1を加湿することができ、よって、第1選別物M4-1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161により、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と樹脂P1とを混合する混合工程を行なう部分である。この混合部17は、樹脂供給部171と、管(流路)172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、ほぐし部18のハウジング部182とを接続しており、細分体M6と樹脂P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、樹脂供給部171が接続されている。樹脂供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、樹脂P1を粉体または粒子として管172に供給することができる。管172に供給された樹脂P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
なお、樹脂P1は、後の工程で繊維同士を結着させるものであり、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6-12、ナイロン6-66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはこれを含むものを用いる。
なお、樹脂供給部171から供給されるものとしては、樹脂P1の他に、例えば、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集や樹脂P1の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤、シートSの紙力を増強するための紙力増強剤等が含まれていてもよい。または、予めそれらを樹脂P1に含ませた(複合化した)ものを樹脂供給部171から供給してもよい。
また、管172の途中には、樹脂供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173が有する羽根等の回転部の作用により、細分体M6と樹脂P1とが混合される。また、ブロアー173は、ほぐし部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と樹脂P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と樹脂P1とが均一に分散した状態で、ほぐし部18に流入することができる。また、混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
ほぐし部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐすほぐし工程を行なう部分である。ほぐし部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることとなる。
また、ドラム部181でほぐされた混合物M7は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト(分離ベルト)191と、張架ローラー192と、吸引部(サクション機構)193とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
吸引部193には、管(流路)246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
ほぐし部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この調整により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
なお、加湿部231~加湿部236までに加えられる水分量(合計水分量)は、例えば、加湿前の材料100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。
第2ウェブ形成部19の下流側には、シート形成部20が配置されている。シート形成部20は、第2ウェブM8からシートSを形成するシート形成工程を行なう部分である。このシート形成部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、カレンダーローラー203の間で第2ウェブM8を加熱せずに(樹脂P1を溶融させずに)加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、モーター(図示せず)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、加熱ローラー204の間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、樹脂P1が溶融して、この溶融した樹脂P1を介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。そして、このシートSは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、モーター(図示略)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
シート形成部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、シートSを切断する切断工程を行なう部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断するものである。
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の大きさのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
ところで、本実施形態では、シートSとして再生される原料M1は、印刷されて使用済みとなった古紙である。この古紙には、例えば、ステープラーやクリップ等のような金属製の綴じ部材が付着している場合がある。この場合、古紙は、綴じ部材ごと粗砕部12で粗砕されることとなる。綴じ部材は、粗砕されると金属片MFとなって、粗砕片M2とともに下流側に搬送される(図1、図2参照)。原料M1からシートSを製造する際には、金属片MFは、異物であり、除去された状態となっているのが好ましい。これにより、例えば、解繊部13や、その他、解繊部13以降の各部が金属片MFによって損傷を受けるのを防止することができる。また、シートSは、製造時に異物となる金属片MFが除去され、品質が向上する。
そこで、シート製造装置100では、解繊部13を構成する解繊装置1が金属片MFの除去を可能とする構成となっている。以下、解繊装置1について説明する。なお、「金属片MF」には、例えば、粉状のもの、粒子状のもの、塊状のもの、小片状のもの等が含まれる。
図2に示すように、解繊装置1は、固定刃711を有するハウジング7と、ハウジング7内に配置され、第1回転刃32および第2回転刃33を有するローター3と、ローター3を回転可能に支持する支持機構4とを有する装置本体2を備える。また、解繊装置1は、ハウジング7の上流側の部分に配置された第1磁性体ユニット5と、ハウジング7の下流側の部分に配置された第2磁性体ユニット6とを備えている。
ハウジング7は、ハウジング本体71と、ハウジング本体71から突出形成された吸入ポート72および排出ポート73と、ハウジング本体71を支持する脚部74とを有している。
ハウジング本体71は、筒状をなす筒状部で構成され、その中心軸O71が水平方向と平行となるように配置されている。
このハウジング本体71の中心軸O71方向の途中には、複数の固定刃(ライナー)711が設けられている。各固定刃711は、円環状をなす鋼板で構成されている。図3に示すように、固定刃711の内周部には、その周方向に沿って鋸刃状の刃712が多数形成されている。このような形状の固定刃711は、中心軸O71方向に沿って複数重ねて配置されている。また、隣り合う固定刃711同士は、各刃712同士も重なっている。
固定刃711の構成材料としては、特に限定されず、例えば、SPCC、SPCD、SPCE、SPCF、SPCG等のような冷間圧延鋼板を用いることができる。
図2に示すように、ハウジング本体71の内部は、固定刃711が配置された部分を中央部として、図中の左右方向に3つの領域に分けられている。左側、すなわち、上流側に位置する領域は、旋回流RFを発生させる旋回領域A1である。中央に位置する領域は、粗砕片M2(紙)を解繊する解繊領域A2である。右側、すなわち、下流側に位置する領域は、解繊物M3が排出される排出領域A3である。また、ハウジング本体71は、旋回領域A1、解繊領域A2、排出領域A3を一括して画成する筒状部となっている。
旋回領域A1では、旋回流RFを発生させることができる。粗砕片M2および金属片MFは、この旋回流RFによって、中心軸O71回りに旋回しつつ、解繊領域A2に送り込まれる。また、旋回領域A1では、ハウジング本体71の内径および外径が段階的に変化しており、ハウジング本体71の壁部に段差部715(側部)が形成されている(図3参照)。この段差部715(側部)は、ハウジング本体71の左端壁部713よりも、旋回領域A1の解繊領域A2との境界部側に近い。なお、ハウジング本体71の周面には、該周面の周方向に沿うように内周部719aが設けられている。
解繊領域A2では、固定刃711と、後述するローター3の第1回転刃32や第2回転刃33との間で、粗砕片M2(紙)を解繊することができる。これにより、解繊物M3が得られる。
排出領域A3には、解繊物M3が解繊領域A2から送り出される。また、排出領域A3では、解繊領域A2内で回転するローター3によって、旋回流が生じており、図2に示すように、解繊物M3は、ハウジング本体71(筒状部)の排出側の内周部719bに沿う。これにより、解繊物M3は、排出ポート73を介して、排出領域A3から円滑に排出される。
また、ハウジング本体71の旋回領域A1での平均内径は、解繊領域A2での平均内径、排出領域A3での平均内径のいずれよりも小さいのが好ましい。また、解繊領域A2での平均内径と、排出領域A3での平均内径とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。解繊領域A2での平均内径と、排出領域A3での平均内径とが異なっている場合、排出領域A3での平均内径の方が大きいのが好ましい。
図2に示すように、吸入ポート72は、上方に向かって突出した管状をなし、旋回領域A1に連通している。この吸入ポート72は、管241に接続されている。これにより、管241を通過してきた粗砕片M2(紙)は、吸入ポート72を介して、金属片MFとともに旋回領域A1に吸入される。
また、吸入ポート72は、ハウジング本体71の旋回領域A1が位置する外周部に、その接線方向に沿って形成されている。これにより、吸入ポート72から旋回領域A1に流入してきた空気は、旋回領域A1で中心軸O71回りに旋回することとなり、その結果、旋回流RFが生じる。
また、吸入ポート72の旋回領域A1側の部分は、その内径が旋回領域A1に向かって縮径した縮径部721となっている。縮径部721は、絞り部として機能して、流速を増加させることができる。これにより、吸入ポート72からの前記空気が勢いよく旋回領域A1に流入し、よって、旋回領域A1での旋回が促進される。
吸入ポート72は、図2に示す構成では縮径部721よりも上流側の部分がハウジング本体71と別体で構成され、この別体をハウジング本体71に連結、固定したものであるが、これに限定されず、ハウジング本体71と一体的に形成されたものであってもよい。
排出ポート73は、上方に向かって突出した管状をなし、排出領域A3に連通している。この排出ポート73は、管242に接続されている。これにより、排出ポート73を介して、排出領域A3内の解繊物M3を管242に排出することができる。
また、排出ポート73は、ハウジング本体71の排出領域A3が位置する外周部に、その接線方向に沿って形成されている。これにより、排出領域A3内で旋回した解繊物M3を迅速に排出することができる。
排出ポート73は、吸入ポート72と同様、図2に示す構成ではハウジング本体71と別体で構成され、この別体をハウジング本体71に連結、固定したものであるが、これに限定されず、ハウジング本体71と一体的に形成されたものであってもよい。
ハウジング本体71の外周部には、その下側に脚部74が設けられている。脚部74は、ハウジング本体71を下側から支持するものである。これにより、解繊装置1を安定して使用することができる。
図2に示すように、脚部74は、中心軸O71方向に沿って離間して配置された2つの板状部741で構成されている。2つの板状部741のうちの一方の板状部741は、旋回領域A1の下側に配置されている。また、他方の板状部741は、排出領域A3の下側に配置されている。
各板状部741は、下方に向かって突出した扇形状をなしている。また、各板状部741には、ネジ止めにより固定される、少なくとも1つの固定部742が設けられている。これにより、解繊装置1全体を固定することができ、よって、解繊装置1をさらに安定して使用することができる。なお、各板状部741に対する固定部742の設置数は、特に限定されないが、複数であるのが好ましい(図4参照)。
脚部74は、図2や図3に示す構成ではハウジング本体71と一体的に形成されたものであるが、これに限定されず、例えば、ハウジング本体71と別体で構成され、この別体をハウジング本体71に連結、固定したものであってもよい。
なお、ハウジング本体71(固定刃711を除く)、吸入ポート72、排出ポート73、脚部74の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金、その他、ステンレス鋼等のような各種金属材料を用いることができる。
ハウジング本体71内には、ローター3が配置されている。図2に示すように、ローター3は、中心軸O71上に配置された軸部材31と、複数の第1回転刃32と、複数の第2回転刃33と、第1回転刃32と第2回転刃33とを仕切る仕切板34と、第1回転刃32を押さえる第1押さえ板35と、第1押さえ板35を固定する第1固定部材36と、第1押さえ板35に設けられた複数の羽根部材37と、第2回転刃33を押さえる第2押さえ板38と、第2押さえ板38を固定する第2固定部材39とを有している。
軸部材31は、横断面形状が円形の棒状体で構成され、中心軸O71と同心的に配置されている。また、軸部材31は、支持機構4によって両持ち支持されており、中心軸O71回りに回転することができる。
なお、軸部材31や、その他、仕切板34、第1押さえ板35、第1固定部材36、羽根部材37、第2押さえ板38、第2固定部材39の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金、その他、ステンレス鋼等のような各種金属材料を用いることができる。
軸部材31は、複数の第1回転刃32と複数の第2回転刃33とを一括して貫通している。複数の第1回転刃32は、上流側に配置され、複数の第2回転刃33は、下流側に配置されている。なお、第1回転刃32の配置数、第2回転刃33の配置数としては、特に限定されず、例えば、2枚以上200枚以下であるのが好ましく、10枚以上50枚以下であるのがより好ましい。また、第1回転刃32の配置数と、第2回転刃33の配置数とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
各第1回転刃32は、リングをなす鋼板で構成されている。図3に示すように、各第1回転刃32は、中心軸O71(軸部材31)を中心として放射状に延びる多数の刃321を有している。このような形状の第1回転刃32は、中心軸O71方向に沿って複数重ねて配置されている。また、隣り合う第1回転刃32同士は、各刃321同士も重なっている。
一方、第2回転刃33も、第1回転刃32と同様に、リングをなす鋼板で構成されている。図3に示すように、各第2回転刃33は、中心軸O71を中心として放射状に延びる多数の刃331を有している。このような形状の第2回転刃33も、中心軸O71方向に沿って複数重ねて配置されている。また、隣り合う第2回転刃33同士は、各刃331同士も重なっている。
そして、支持機構4によって軸部材31が中心軸O71回りに回転した際、その回転に伴って、これらの第1回転刃32や第2回転刃33も同方向に回転することができる。これにより、解繊領域A2に流入した粗砕片M2は、固定刃711の刃712と第1回転刃32の刃321との間と、固定刃711の刃712と第2回転刃33の刃331との間とを順に通過する過程で解繊されて、解繊物M3となる。
なお、第1回転刃32および第2回転刃33の回転数としては、特に限定されず、例えば、100rpm以上11000rpm以下であるのが好ましく、500rpm以上9000rpm以下であるのがより好ましい。
また、第1回転刃32の刃321の形成数と、第2回転刃33の刃331の形成数とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1回転刃32および第2回転刃33の構成材料としては、特に限定されず、例えば、前述した固定刃711と同じ材料を用いることができる。
図2に示すように、複数の第1回転刃32のうちの図中最も右側の第1回転刃32と、複数の第2回転刃33のうちの図中最も左側の第2回転刃33との間には、仕切板34が配置されている。仕切板34は、第1回転刃32と第2回転刃33と仕切る部材である。
仕切板34は、円環状をなす板部材で構成されている。また、仕切板34の直径は、第1回転刃32の最大直径(各刃321の頂点同士をつないで形成された円の直径)や第2回転刃33の最大直径(各刃331の頂点同士をつないで形成された円の直径)よりも小さい。
第1押さえ板35は、仕切板34との間で、複数の第1回転刃32を一括して押さえる部材である。第1押さえ板35は、円環状をなす板部材で構成されている。また、第1押さえ板35の直径は、第1回転刃32の最大直径よりも小さい。
第1固定部材36は、第1押さえ板35を図2中の左側から固定する部材である。これにより、軸部材31に対する第1固定部材36の位置が規制される。第1固定部材36は、円環状をなし、その直径が第1押さえ板35の直径よりも小さく、厚さが第1押さえ板35の厚さよりも厚い部材で構成されている。
図2に示すように、第1押さえ板35の図2中の左側の面には、複数の羽根部材37が直立して設けられている。複数の羽根部材37は、中心軸O71回りに等角度間隔に配置されている。また、これらの羽根部材37は、中心軸O71を中心として放射状に延びた板部材で構成されている。
そして、複数の羽根部材37は、支持機構4によって軸部材31が中心軸O71回りに回転した際、第1押さえ板35ごと回転することとなる。これにより、各羽根部材37は、旋回領域A1内で粗砕片M2をハウジング本体71の外側に向かって叩いて、この粗砕片M2を固定刃711と第1回転刃32との間に向かわせることができる。これにより、粗砕片M2を、固定刃711と第1回転刃32との間に迅速に流入させることができる。
第2押さえ板38は、仕切板34との間で、複数の第2回転刃33を一括して押さえる部材である。第2押さえ板38は、円環状をなす板部材で構成されている。また、第2押さえ板38の直径は、第2回転刃33の最大直径よりも小さい。
第2固定部材39は、第2押さえ板38を図2中の右側から固定する部材である。これにより、軸部材31に対する第2固定部材39の位置が規制される。第2固定部材39は、円環状をなし、その直径が第2押さえ板38の直径よりも小さく、厚さが第2押さえ板38の厚さよりも厚い部材で構成されている。
以上のような構成のローター3は、支持機構4によって、中心軸O71回りに回転可能に支持されている。なお、この回転方向は、旋回流RFと同じ方向となっているのが好ましい。
図2に示すように、支持機構4は、ローター3の軸部材31の一端側を回転可能に支持する第1軸受け41aと、第1軸受け41aを収納、支持する第1支持部材42と、第1軸受け41aを押さえる第1押さえ部材43と、軸部材31の一端側でその外周部に当接する第1シール部材44と、ローター3の軸部材31の他端側を回転可能に支持する第2軸受け41bと、第2軸受け41bを収納、支持する第2支持部材45と、第2軸受け41bを押さえる第2押さえ部材46と、軸部材31の他端側でその外周部に当接する第2シール部材47と、プーリー48と、プーリー48を押さえるプーリー押さえ部材49とを有している。
第1軸受け41aは、ボールベアリングであり、軸部材31の左端側が挿入されて(挿通して)いる。また、第2軸受け41bは、第1軸受け41aと同様にボールベアリングであり、軸部材31の右端側が挿入されて(挿通して)いる。このような第1軸受け41aおよび第2軸受け41bにより、軸部材31は、中心軸O71回りに回転することができる。
第1支持部材42は、円筒状をなし、その外周部がハウジング本体71の左端壁部713に嵌合している。これにより、第1支持部材42は、ハウジング本体71に対して固定される。また、第1支持部材42の内側には、第1軸受け41aが嵌合している。これにより、第1軸受け41aを安定して支持することができる。
第1押さえ部材43は、軸部材31の左端側に装着され、第1軸受け41aを左側から押さえる部材である。これにより、軸部材31から第1軸受け41aが離脱するのを防止することができる。
また、第1支持部材42には、第1軸受け41aの右側に第1シール部材44が支持されている。第1シール部材44は、弾性を有するリング状の部材であり、その内周部が軸部材31の外周部に摺動可能に当接している。これにより、第1軸受け41aを旋回領域A1から隔離することができ、よって、例えば粗砕片M2や金属片MF等から第1軸受け41aを保護することができる。
また、ハウジング本体71の左端壁部713には、蓋部材75が着脱自在に装着されている。この蓋部材75を離脱させることにより、例えば、第1軸受け41a等のメンテナンスを行なうことができる。
第2支持部材45は、円筒状をなし、その外周部がハウジング本体71の右端壁部714に嵌合している。これにより、第2支持部材45は、ハウジング本体71に対して固定される。また、第2支持部材45の内側には、第2軸受け41bが嵌合している。これにより、第2軸受け41bを安定して支持することができる。
第2押さえ部材46は、ハウジング本体71の右端壁部714に固定され、第2軸受け41bを右側から押さえる部材である。これにより、軸部材31から第2軸受け41bが離脱するのを防止することができる。
また、第2支持部材45には、第2軸受け41bの左側に第2シール部材47が支持されている。第2支持部材45は、弾性を有するリング状の部材であり、その内周部が軸部材31の外周部に摺動可能に当接している。これにより、第2軸受け41bを排出領域A3から隔離することができ、よって、例えば解繊物M3等から第2軸受け41bを保護することができる。
プーリー48は、ハウジング7の外側で、軸部材31の右端側に装着されている。プーリー48は、VベルトまたはVリブドベルト(図示せず)を介して、モーター(図示せず)と連結されている。そして、このモーターが作動することにより、その回転力がタイミングベルトを介してプーリー48に伝達される。これにより、ローター3(軸部材31)を回転させることができる。
プーリー押さえ部材49は、プーリー48よりもさらに右側で、軸部材31に固定されている。このプーリー押さえ部材49は、プーリー48を右側から押さえることができる。これにより、プーリー48が軸部材31から離脱するのを防止することができる。
図3(図2についても同様)に示すように、旋回領域A1には、第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)が設けられている。図2~図5に示すように、第1磁性体ユニット5は、第1組立体51と、第2組立体52とを有しており、これらを並設して用いられる。
第1組立体51は、塊状(ブロック状)の磁性体(強磁性体)53と、ケーシング54と、キャップ55とを有し、これらが組み立てられたものである。第2組立体52も、同様に、磁性体53と、ケーシング54と、キャップ55とを有し、これらが組み立てられたものである。また、この磁性体53は、着磁されて磁石(特に永久磁石)となっている。そして、第1磁性体ユニット5は、各組立体の磁性体53による磁力によって、粗砕片M2(紙)とともに旋回領域A1に搬送された金属片MFを吸着するものである(図3参照)。なお、第1磁性体ユニット5は、磁性体53を2つ有しているが、磁性体53の数は、これに限定されず、例えば、1つまたは3つ以上であってもよい。
前述したように、解繊装置1(装置本体2)は、粗砕片M2(紙)が旋回領域A1に吸入される吸入ポート72と、粗砕片M2(紙)を解繊領域で解繊した解繊物M3が排出される排出ポート73とを有するハウジング7を備えている。また、ハウジング7内は、解繊領域A2と旋回領域A1とに分けられている。第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)は、旋回領域A1の解繊領域A2との境界部側に設けられている。すなわち、本実施形態ではハウジング7の内周部719aを形成する側部である段差部715(側部)に設けられている。
また、前述したように、ハウジング7は、筒状をなし、旋回領域A1を画成する筒状部で構成されたハウジング本体71を有している。図2、図3に示すように、第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)は、ハウジング本体71(筒状部)の吸引側の内周部719aに、解繊領域A2側、すなわち、図中の右側を向いて露出して設けられている。なお、第1磁性体ユニット5は、内周部719aに、上側を向いて露出するように設けられていてもよい。すなわち、第1磁性体ユニット5は、内周部719aのうち、最下部に設けられていてもよい。
さらに、第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)は、吸入ポート72よりも下方に位置している。
粗砕片M2は、金属片MFとともに旋回流RFに乗って旋回領域A1内を、中心軸O71回りに旋回する。また、この旋回により、粗砕片M2および金属片MFには、遠心力が作用して、中心軸O71から遠ざかる方向、すなわち、ハウジング本体71の内周部側に寄せられる。このように、粗砕片M2および金属片MFは、中心軸O71回りに旋回しつつ、ハウジング本体71の内周部側に寄せられることとなる。これにより、粗砕片M2および金属片MFは、前述した位置に設けられた第1磁性体ユニット5の前を通過することができる。そして、図3に示すように、粗砕片M2および金属片MFは、第1磁性体ユニット5の前を通過する際に、粗砕片M2は、そのまま通過して解繊領域A2に流入するが、金属片MFは、第1磁性体ユニット5に吸着されて解繊領域A2への流入が防止される。これにより、粗砕片M2と金属片MFとを分別することができる、すなわち、粗砕片M2から金属片MFを除去することができる。
また、粗砕片M2は、旋回領域A1に流入するまでは、多数の粗砕片M2が集まって塊状物となっていたとしても、旋回領域A1内を旋回する過程でほぐされて、1つ1つの粗砕片M2に分散される。ここで仮に粗砕片M2の塊状物に金属片MFが包まれた状態であったとしても、塊状物は、分散されるため、金属片MFも同様に分散される。そして、この金属片MFも第1磁性体ユニット5に吸着されて解繊領域A2への流入が防止される。
第1磁性体ユニット5は、第1組立体51と、第2組立体52とを有している。そして、各組立体は、いずれも、磁性体53と、ケーシング54と、キャップ55とを有している。第1組立体51と第2組立体52とは、配置箇所が異なること以外は、同じ構成であるため、以下、第1組立体51について代表的に説明する。
磁性体53は、円柱状をなす永久磁石、すなわち、棒磁石で構成されている。これにより、金属片MFを吸着することができる。また、例えば、通電することによって一時的に磁力を発生させる電磁石に比べて、磁性体53の構成を簡単なものとすることができる。
なお、磁性体53を構成する永久磁石としては、特に限定されず、例えば、合金磁石、フェライト磁石、希土類磁石等を用いることができる。合金磁石としては、特に限定されず、例えば、Fe-Al-Ni-Co磁石(鉄-アルミニウム-ニッケル-コバルト磁石:アルニコ磁石)、Fe-Cr-Co磁石(鉄-クロム-コバルト磁石)等が挙げられる。フェライト磁石としては、特に限定されず、例えば、ハード・フェライト(セラミック磁石)等が挙げられる。希土類磁石としては、特に限定されず、例えば、Sm-Co磁石(サマリウム-コバルト磁石)、ND-Fe-B磁石(ネオジム-鉄-ホウ素磁石:ネオジム磁石)等が挙げられる。また、磁性体53は、ボンド磁石、焼結磁石、圧粉磁石等、いずれの形態のものであってもよい。
また、磁性体53の形状は、円柱状に限定されず、例えば、横断面が楕円形、長円形、多角形の柱状や、板状、帯状、線状等、いかなる形状のものでもよい。
また、磁性体53は、その中心軸方向がハウジング7(ハウジング本体71)の中心軸O71と平行に配置されている。
前述したように、第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)は、磁性体53を複数(本実施形態では2つ)有している。そして、図3に示すように、これら2つ(複数)の磁性体53は、第1磁性体ユニット5の前を通過する粗砕片M2(紙)や金属片MFの旋回方向に沿って並列に配置されている。さらに、隣り合う磁性体53同士は、磁力線の方向が反対となるように配置されている。すなわち、図5に示すように、第1組立体51の磁性体53の磁力線FL1の方向は、第2組立体52の磁性体53の磁力線FL2の方向と反対方向となっている。
このように配置された2つの磁性体53により、金属片MFに対する第1磁性体ユニット5での吸着力が増大する。これにより、例えば第1磁性体ユニット5の前を通過する金属片MFの通過量や通過速度の大小によらず、金属片MFを十分に吸着し、捕捉することができる。
図5に示すように、磁性体53は、ケーシング54に収納される。ケーシング54は、筒状をなす部材で構成され、その一端側(図5中の右側)の開口部541から磁性体53を挿入することができる。
ケーシング54の外周部には、他端側(図5中の左側)、すなわち、開口部541と反対側の部分に、雄ネジ542が形成されている。また、図4に示すように、ハウジング7の段差部715(側部)には、2つの雌ネジ716が貫通して形成されている。ケーシング54の雄ネジ542は、ハウジング7の各雌ネジ716に螺合することができる。この螺合により、第1磁性体ユニット5(第1組立体51、第2組立体52)をハウジング7に装着することができる。これにより、第1磁性体ユニット5で金属片MFを捕捉することができる。
また、この螺合を解除すれば、第1磁性体ユニット5をハウジング7から離脱させることができる。このように、第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)は、ハウジング7(装置本体2)に対し着脱自在に装着される。第1磁性体ユニット5をハウジング7から離脱させることにより、旋回領域A1内で第1磁性体ユニット5に吸着された金属片MFを、第1磁性体ユニット5から剥離して、回収することができる。その後、第1磁性体ユニット5をハウジング7に再度装着することができる。また、例えば雄ネジ542や雌ネジ716のネジ溝に金属片MFが入り込んでいた場合、ハウジング7から第1磁性体ユニット5を離脱させることにより、金属片MFを前記ネジ溝から除去して、清掃することができる。
なお、ケーシング54の外周部は、雄ネジ542よりも開口部541側の部分の横断面形状が正六角形をなす六角形部543となっている。これにより、第1磁性体ユニット5の着脱を行なう際、例えば、スパナ等のような工具を用いて、その作業を行なうことができる。
前述したように、第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)は、磁性体53を収納するケーシング54を有している。そして、第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)は、磁性体53をケーシング54に収納した状態で、ハウジング7(装置本体2)に対し着脱自在に装着される。そして、磁性体53は、第1磁性体ユニット5がハウジング7から離脱した状態で、ケーシング54に対し離脱可能に収納されている。これにより、第1磁性体ユニット5の離脱後に、例えば、磁性体53をケーシング54から抜去して、種類が異なる他の磁性体53に交換する作業を容易に行なうことができる。
なお、第1磁性体ユニット5は、ハウジング7に対して着脱自在に装着されているが、これに限定されず、例えば、ハウジング7に対して不可逆的に、すなわち、離脱不可に装着されていてもよい。
また、磁性体53は、第1磁性体ユニット5がハウジング7から離脱した状態で、ケーシング54から離脱可能であるが、これに限定されず、第1磁性体ユニット5がハウジング7に装着された状態でも、ケーシング54から離脱可能である。
ケーシング54の構成材料としては、特に限定されず、例えば、SUS304等のようなオーステナイト系のステンレス鋼やアルミニウム、その他、各種樹脂材料を用いることができる。このような材料でケーシング54を構成した場合、ケーシング54が磁性体53によって磁化されず、すなわち、磁性体53に吸着されるのが防止され、よって、磁性体53をケーシング54から抜去することができる。これにより、例えば、前述した磁性体53の交換作業を容易に行なうことができる。
また、第1磁性体ユニット5(磁性体ユニット)は、磁性体53による磁路を形成する磁路形成部材(コア)を有するのが好ましい。これにより、磁路が整えられて、第1磁性体ユニット5での吸着力を増幅させることができ、よって、金属片MFの回収率(吸着率)を向上させることができる。
ケーシング54がオーステナイト系のステンレス鋼で構成されている場合、磁路形成部材は、磁性体53を収納するケーシング54を兼ねることができる。これにより、磁路形成部材を別途設けるのを省略することができ、よって、第1磁性体ユニット5の構成が簡単となる。
図5に示すように、ケーシング54には、キャップ55が着脱自在に装着される。キャップ55は、円柱状をなし、外径が縮径した縮径部551を有している。キャップ55は、この縮径部551にて、ケーシング54の開口部541に装着される。この装着方法としては、特に限定されず、例えば、螺合による方法、嵌合(軽嵌合)による方法、等が挙げられる。
また、キャップ55には、縮径部551と反対側の端面に、その平面視で六角形をなす凹部552が形成されている。キャップ55がケーシング54に螺合により装着されるものである場合、例えば六角レンチ等のような工具を用いて、キャップ55の着脱の作業を行なうことができる。
キャップ55の構成材料としては、特に限定されず、例えば、前記ケーシング54の構成材料と同じものを用いることができる。
以上のような構成の第1磁性体ユニット5により、粗砕片M2と金属片MFとが混在していた場合、この混在状態によらず、金属片MFを粗砕片M2から除去することができる。これにより、例えば、解繊装置1や、その他、解繊装置1(解繊部13)以降の各部が金属片MFによって損傷を受けるのを防止することができる。
また、原料M1からシートSを再生する際には、金属片MFは、除去された状態となっているのが好ましい。第1磁性体ユニット5により金属片MFが除去されるため、シートSは、再生時に不純物となり得る金属片MFが除去された高品質のものとなる。
前述したように、解繊装置1は、粗砕片M2(紙)を解繊領域A2で解繊した解繊物M3が解繊領域A2から送り出される排出領域A3を有している。そして、排出領域A3または排出領域A3よりも下流側には、第2磁性体ユニット6(排出側磁性体ユニット)が設けられている。なお、第2磁性体ユニット6は、本実施形態では排出領域A3よりも下流側にある排出ポート73の管壁に、その外側から設置されているが(図6参照)、これに限定されず、排出領域A3に設置されていてもよい。この第2磁性体ユニット6(排出側磁性体ユニット)は、解繊物M3とともに解繊領域A2から送り出された金属片MFを磁力により吸着する少なくとも1つ(本実施形態では2つ)の磁性体(排出側磁性体)61を有している。なお、磁性体61の数は、本実施形態では2つであるが、これに限定されず、1つまたは3つ以上であってもよい。
このような第2磁性体ユニット6は、上流側の第1磁性体ユニット5で、たとえ金属片MFを吸着し損なったとしても、この金属片MFを吸着する補助ユニットである。これにより、解繊装置1よりも下流側への金属片MFの流出を防止することができる。
各磁性体61は、板状をなす永久磁石、すなわち、板磁石で構成されている。なお、磁性体61を構成する永久磁石としては、磁性体53を構成する永久磁石と同じ磁石を用いることができる。
図7に示すように、これら2つの磁性体61は、並列に配置されている。この並列方向は、管状をなす排出ポート73の中心軸方向と交差する(直交する)方向、すなわち、径方向となっている。また、磁性体61同士は、磁力線の方向が反対となるように配置されている。すなわち、一方の磁性体61の磁力線FL3の方向は、他方の磁性体61の磁力線FL4の方向と反対方向となっている。
このように配置された2つの磁性体61により、金属片MFに対する第2磁性体ユニット6での吸着力が増大する。これにより、例えば第2磁性体ユニット6の前を通過する金属片MFの通過量や通過速度の大小によらず、金属片MFを十分に吸着し、捕捉することができる。
また、第2磁性体ユニット6は、磁性体61の他に、各磁性体61を一括して収納するケーシング62と、各磁性体61を押さえる押さえ部材63と、シール部材(パッキン)64とを有し、これらがボルト(ネジ)65やボルト(ネジ)66を介して組み立てられた組立体である。
ケーシング62は、板状をなし、各磁性体61が収納される凹部621を有している。これにより、各磁性体61が安定してケーシング62に収納される。
押さえ部材63は、板状をなし、ケーシング62の凹部621側から重なって設置される。また、押さえ部材63は、ケーシング62に重なった状態で、ケーシング62の貫通孔622を貫通したボルト65と螺合する雌ネジ631が形成されている。ボルト65が雌ネジ631に螺合することにより、各磁性体61のケーシング62からの離脱が防止される。また、各磁性体61を保護することができる。
ケーシング62や押さえ部材63の構成材料としては、特に限定されず、例えば、前記第1実施形態で述べたケーシング54の構成材料と同じものを用いることができる。
また、ケーシング62には、貫通孔622の他に、さらに、複数(例えば図7に示す構成では4つ)の貫通孔623が形成されている。各貫通孔623には、ボルト66を挿通することができる。そして、図6に示すように、各ボルト66は、排出ポート73に形成された雌ネジ731に螺合することができる。これにより、第2磁性体ユニット6を排出ポート73に固定することができ、よって、第2磁性体ユニット6による金属片MFの吸着を行なうことができる。
また、排出ポート73には、その管壁を貫通する開口部732が形成されている。第2磁性体ユニット6が排出ポート73に固定された状態では、押さえ部材63が開口部732から露出する。
シール部材64は、ケーシング62と排出ポート73との間に介挿される弾性シートであり、これらの間の気密性を維持することができる。これにより、例えば、排出ポート73を通過する解繊物M3がケーシング62と排出ポート73との間から漏れるのを防止することができる。
なお、シール部材64には、ボルト66が挿通する貫通孔641が形成されている。ボルト66が貫通孔641を挿通することにより、シール部材64の位置ズレを防止することができる。
シール部材64の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料を用いることができる。
<第2実施形態>
図8は、本発明のシート製造装置(第2実施形態)が備える解繊装置を示す垂直断面斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の解繊装置およびシート製造装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1磁性体ユニットの配置箇所が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態では、第1磁性体ユニット5は、旋回領域A1に設けられており、その設置箇所は、旋回領域A1の解繊領域A2との境界部側であって、ハウジング本体71の壁部の段差部715(側部)よりも右側の部分である。
本実施形態では、各磁性体53は、その中心軸方向がハウジング7(ハウジング本体71)の中心軸O71と交差して(直交して)配置されている。
このように設置された第1磁性体ユニット5によっても、粗砕片M2および金属片MFが第1磁性体ユニット5の前を通過する際に、粗砕片M2は、そのまま通過して解繊領域A2に流入し、金属片MFは、第1磁性体ユニット5に吸着されて解繊領域A2への流入が防止される。これにより、粗砕片M2と金属片MFとを分別することができる。
<第3実施形態>
図9は、本発明のシート製造装置(第3実施形態)が備える解繊装置を示す分解斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の解繊装置およびシート製造装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、第1磁性体ユニットの構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、本実施形態では、第1磁性体ユニット5は、2つの磁性体53と、2つの磁性体53を収納するケーシング56と、ケーシング56内の各磁性体53を押さえる押さえ部材(固定部材)57とを有し、これらがボルト(ネジ)58を介して組み立てられた組立体である。
ケーシング56は、横断面形状が長円形(または楕円形)をなすブロック体で構成されている。ケーシング56は、その一端側(図9中の右側)の面に開口した2つの開口部561を有している。そして、各開口部561を介して、磁性体53をそれぞれケーシング56に収納することができる。
また、ケーシング56の外周部には、外径が拡径したフランジ部562が形成されている。このフランジ部562には、2つの貫通孔563が形成されている。これら2つの貫通孔563は、2つの開口部561を介して、その両側に配置されている。
ケーシング56の構成材料としては、特に限定されず、例えば、前記第1実施形態で述べたケーシング54の構成材料と同じ材料を用いることができる。
ケーシング56は、フランジ部562よりも図9中の左側の部分が、ハウジング本体71の段差部715(側部)に形成された貫通孔717に挿入される。この貫通孔717の縁部には、リング状のシール部材(Oリング)76が設置されている。これにより、ケーシング56がハウジング本体71に挿入された際、シール部材76が弾性変形して、ケーシング56を支持することができる。これにより、第1磁性体ユニット5によって金属片MFを安定して吸着、捕捉することができる。
押さえ部材57は、板状をなし、その平面視で、フランジ部562と同様の長円形(または楕円形)をなしている。この押さえ部材57は、ケーシング56のフランジ部562に重なって設置される。また、押さえ部材57は、フランジ部562に重なった状態でケーシング56の各貫通孔563に連通する貫通孔571が形成されている。
そして、各ボルト58を、押さえ部材57の貫通孔571と、ケーシング56の貫通孔563とに一括して挿通させ、ハウジング本体71の雌ネジ718に螺合させることができる。これにより、第1磁性体ユニット5は、磁性体53と、ケーシング56と、押さえ部材57とが組み立てられた状態で、ハウジング本体71に固定される。また、押さえ部材57により、各磁性体53のケーシング56からの離脱が防止される。
押さえ部材57の構成材料としては、特に限定されず、例えば、室温で強磁性を示す鉄、コバルト、ニッケル等の各種金属材料を用いることができる。これにより、押さえ部材57は、ヨークとして機能し、よって、金属片MFに対する第1磁性体ユニット5での吸着力が増大する。よって、金属片MFを十分に吸着することができる。
以上、本発明の解繊装置およびシート製造装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、解繊装置およびシート製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の解繊装置およびシート製造装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、シート製造装置の各部の作動を制御する制御部は、他の通信機器とネットワーク接続されていてもよい。他の通信機器としては、特に限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット等が挙げられる。
また、磁性体は、前記各実施形態では永久磁石であったが、これに限定されず、例えば、電磁石を構成するものでもよい。この場合、磁性体(例えば鉄系金属によるコア)と、この磁性体に磁力を生じさせるコイルとを有し、コイルへの通電により、電磁石として機能させることができる。